JP5916645B2 - 光触媒機能を備えた内装材の製造方法 - Google Patents

光触媒機能を備えた内装材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、汚染物質の無害化、抗菌、及び殺菌を行うことが可能な光触媒機能を備えた内装材の製造方法に関する。
病院における院内感染予防や食中毒予防、食品製造現場における衛生管理の観点から、近年、抗菌対策、殺菌対策、及び汚染物質の無害化対策の一方法として、光半導体物質が有する光触媒機能が特に注目を集めている。
ここで、「光触媒機能」とは、光半導体物質に、価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップエネルギーより大きな光エネルギーを有する光が照射された際、価電子帯の電子が励起されて伝導帯に遷移して励起電子となり、価電子帯に形成される正孔と励起電子との間で電子−正孔対を生成して、酸化及び還元反応を誘起する機能を意味している。
光触媒機能を有する光半導体物質の中でも、特に二酸化チタン(TiO)、とりわけ、ルチル型の結晶構造を有する二酸化チタンは、安価で、化学的安定性に優れ、かつ高い光触媒活性を有しており、その強力な有機物分解活性により、殺菌と同時にグラム陰性菌の細胞壁外壁成分であるエンドトキシンや細菌が産生する毒素(例えば、病原性大腸菌が産生するベロ毒素)等の有害物質の分解を行うことができ、しかも光触媒自体は人体に無害であるという利点を有している。そのため、二酸化チタンを用いた光触媒の研究及び応用開発が行われており、食品容器、建材等の抗菌加工に広く用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
なお、二酸化チタンは、バンドギャップエネルギーの大きさから紫外線照射下でしか光触媒活性を発現しないために、紫外線成分を殆ど含まない室内光の下では充分な光触媒活性を発現することができない。そこで、可視光により励起電子を生成して二酸化チタンに供給する増感機能を備えた金属又は増感機能を備えた金属の化合物(金属錯体や金属塩等)からなる増感剤を二酸化チタンに担持することで、可視光照射下で光触媒活性を発現させる技術が知られている。そして、可視光照射下で光触媒活性を発現する光触媒皮膜を、例えば、増感剤が担持された二酸化チタン粉末を塗料等に分散させ、対象となる建材等の表面に塗装することにより製造している。具体的には、増感剤となる塩化鉄(FeCl)が溶解した水溶液に二酸化チタン粒子を浸漬し、撹拌して二酸化チタン粒子に塩化鉄を担持させ、塩化鉄が担持された二酸化チタン粒子を塗料中に分散させて建材等の表面に塗装している(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−51263号公報 特開2006−346651号公報 特開2007−090336号公報
しかしながら、二酸化チタン粒子に鉄化合物を担持させるには、塩化鉄の水溶液に二酸化チタン粒子を浸漬して長時間の撹拌処理が必要になると共に、二酸化チタン粒子に鉄化合物を安定して担持することができないという問題がある。また、可視光照射下で光触媒活性を発現する光触媒皮膜は、鉄化合物が担持された二酸化チタン粒子を塗料中に分散させて建材等の対象物に塗装することにより製造するので、長時間を要すると共に、均一な光触媒皮膜を安定して形成することができないという問題がある。このため、可視光照射下で光触媒活性を発現する高品質の光触媒皮膜を、短時間かつ低コストで、安定して製造することが求められている。
そこで、二酸化チタン粒子等の光触媒粒子を、可視光応答性(可視光の照射により励起電子を生成する)を有する塩化鉄等の金属化合物の水溶液に加えて光触媒粒子のスラリーを作製し、このスラリーを溶射フレーム中に供給し、建材等の対象物の表面に溶射することにより光触媒皮膜を作製する方法を創出した。しかし、溶射により形成される光触媒皮膜(溶射層)では、光触媒粒子同士の間に隙間が存在しているので、光触媒粒子間の隙間に異物が滲入し、滲入した異物をベースにして異物が付着し、光触媒皮膜の表面が異物で覆われることにより光触媒機能が消失するという新たな問題が指摘された。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、短時間かつ低コストで安定して製造でき、長期間安定した光触媒機能を備えた内装材の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法は、光触媒粒子と、該光触媒粒子に可視光応答性を発揮させる水溶性金属錯体及び水溶性金属塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物とを、水に混合してスラリーを形成するスラリー形成工程と、
前記スラリーを溶射フレーム中に供給し、建物の内装基材の表面に前記光触媒粒子を含む溶射層を形成する溶射工程と、
前記溶射層の表面に透光性材料を塗布し、該溶射層の表層に存在する前記光触媒粒子の露出状態を維持しながら、該光触媒粒子同士の隙間に前記透光性材料を充填して保護層を形成する封孔処理工程とを有する。
ここで、光触媒粒子に可視光応答性を発揮させる化合物とは、可視光の照射により化合物の価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、価電子帯に正孔、伝導帯に励起電子をそれぞれ生成させて、励起電子を光触媒粒子側に供給して、化合物の表面側で酸化反応、光触媒粒子の表面側で還元反応を誘起させる作用を有するものをさす。なお、紫外線照射の下では、光触媒粒子の価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、価電子帯に正孔、伝導帯に励起電子をそれぞれ生成させて、励起電子を化合物側に移動させて、光触媒粒子の表面側で酸化反応、化合物の表面側で還元反応が起き、電化分離で光触媒性能が向上することとなる。
また、可視光応答性を発揮させる水溶性金属錯体又は水溶性金属塩を構成する金属は、例えば、鉄、銅、クロム、ニッケルである。そして、水溶性金属錯体は、例えば、[Cu(NH2+、[Fe(CN)4−、[Fe(CN)3−、C1012FeN等であり、水溶性金属塩は、例えば、FeCl、Fe(SO、Fe(NO、CuSO、Cu(NO、CuCl、Ni(NO、NiCl、NiSO、Cr(NO等である。
建物の内装基材としては、例えば、タイル、衛生陶器、ガラス、鏡、コンクリート製の建材、樹脂製の建材、金属製の建材、樹脂フィルム、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維、これらの繊維を用いた複合材料、フィルター等が挙げられる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記透光性材料は、水溶性アクリル樹脂又は水溶性ウレタン樹脂であることが好ましい。
なお、水溶性アクリル樹脂又は水溶性ウレタン樹脂に、抗菌金属(例えば、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、コバルト、若しくはクロム)、抗菌金属の金属塩、抗菌金属の錯体、抗菌金属のオキシ水酸化物、抗菌金属の水酸化物、及び抗菌金属の酸化物から選ばれる少なくとも一種類を含ませてもよい。
また、前記透光性材料は、常温で硬化するガラス質コーティング材料とすることもできる。
ここで、ガラス質コーティング材料とは、例えば、加水分解してシリカガラスに変化する有機ケイ素高分子化合物を含有するものである。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記溶射工程で、前記化合物と水との反応により生成する該化合物中の金属の水酸化物、オキシ水酸化物、及び酸化物の少なくとも1種類を前記光触媒粒子に担持させることもできる。
ここで、溶射工程では、溶射フレームが高速で真空状態に近いため、水溶性金属錯体又は水溶性金属塩を構成している金属イオンは、スラリー中の水、及び空気中の酸素と反応して、水酸化物、オキシ酸化物、若しくは酸化物を生成すると解され、水溶性金属錯体又は水溶性金属塩中のマイナスイオンを示す原子又は原子団は溶射の熱によって揮発し大気中に拡散すると考えられる。
そして、水溶性金属錯体又は水溶性金属塩を構成する金属が、例えば、鉄、銅、クロム、ニッケルである場合、水溶性金属錯体が水と反応して生成される水酸化物、オキシ酸化物、若しくは酸化物としては、例えば、CuO、Cu(OH)、FeO(OH)、Fe(OH)等が挙げられ、水溶性金属塩が水と反応して生成される水酸化物、オキシ酸化物、若しくは酸化物としては、例えば、FeO(OH)、Fe(OH)、Cu(OH)、CuO、Ni(OH)、NiO(OH)、Cr(OH)、CrO(OH)、Cr等が挙げられる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記光触媒粒子は、ルチル型二酸化チタン粒子であることが好ましい。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記スラリーは、抗菌金属、該抗菌金属の金属塩、及び該抗菌金属の金属錯体から選ばれる少なくとも一種類を含み、前記溶射層には、前記抗菌金属、該抗菌金属の金属塩、該抗菌金属の金属錯体、該抗菌金属のオキシ水酸化物、該抗菌金属の水酸化物、及び該抗菌金属の酸化物から選ばれる少なくとも一種類が含まれることが好ましい。
ここで、抗菌金属とは、例えば、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、コバルト、若しくはクロムをさす。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記スラリーは顔料を含むことが好ましい。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記スラリーは吸着剤を含むことが好ましい。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法においては、品質や性能にバラツキがなく、可視光で応答する光触媒機能を長期間安定して実現することが可能な内装材を、短時間かつ低コストで安定して製造することができる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、透光性材料が、水溶性アクリル樹脂又は水溶性ウレタン樹脂、あるいは、常温で硬化するガラス質コーティング材料であるので、塗布する透光性材料の濃度を調整することにより、封孔処理を容易に行うことが可能になると共に、光触媒作用が生じても透光性材料の劣化を防止することができ、封孔処理の効果を維持することが可能になる。
特に、透光性材料がガラス質コーティング材料である場合、保護層がシリカガラスで形成されるため、内装材の耐水性及び耐薬品性を向上させることができる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、溶射工程で、化合物と水との反応により生成する化合物中の金属の水酸化物、オキシ水酸化物、及び酸化物の少なくとも1種類を光触媒粒子に担持させる場合、ナノサイズの水酸化物、オキシ酸化物、若しくは酸化物を光触媒粒子の表面に分散して担持することができる。その結果、優れた可視光応答性を発揮する光触媒機能を備えた内装材を、製造工程の大幅な短縮を図って安定して製造することができる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、光触媒粒子が、ルチル型二酸化チタン粒子である場合、安価で、化学的安定性に優れ、かつ高い光触媒活性を有する内装材の提供が可能になる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、スラリーが、抗菌金属、抗菌金属の金属塩、及び抗菌金属の金属錯体から選ばれる少なくとも一種類を含み、溶射層には、抗菌金属、抗菌金属の金属塩、抗菌金属の金属錯体、抗菌金属のオキシ水酸化物、抗菌金属の水酸化物、及び抗菌金属の酸化物から選ばれる少なくとも一種類が含まれる場合、内装材に光触媒機能に加えて、強力な抗菌作用を発現させることができる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、スラリーが顔料を含む場合、顔料を含んだ溶射層を形成することができ、色彩豊かな意匠性の高い内装材を製造することができる。
発明に係る光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、スラリーが吸着剤を含む場合、吸着剤を含んだ溶射層を形成することができ、高いガス吸着能を持つ内装材を製造することができる。
本発明の一実施の形態に係る方法で製造された光触媒機能を備えた内装材の断面図である。 同光触媒機能を備えた内装材の製造方法における溶射工程の説明図である。 同光触媒機能を備えた内装材の製造方法で得られた溶射層のX線回折結果の説明図である。 同内装材の溶射層の拡大断面図である。 実施例における抗菌性能試験結果のグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る光触媒機能を備えた内装材10の製造方法は、光触媒粒子の一例であるルチル型二酸化チタン粒子11(以下、単に二酸化チタン粒子11という)と、抗菌金属の一例である銀粒子(図示せず)と、二酸化チタン粒子11に可視光応答性を発揮させる水溶性金属錯体及び水溶性金属塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物の一例である塩化鉄(III)を水に混合してスラリーを形成するスラリー形成工程と、スラリーを溶射フレーム中に供給し、建物の内装基材の一例であるポリ塩化ビニル製のタイル12(以下、塩ビタイル12という)の表面に二酸化チタン粒子11を含む溶射層13を形成する溶射工程と、溶射層13の表面に透光性材料の一例である水溶性アクリル樹脂の水溶液を塗布し、溶射層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間にアクリル樹脂を充填して保護層14を形成する封孔処理工程とを有している。以下、詳細に説明する。
1.スラリー形成工程
それぞれ所定量の二酸化チタン粒子11と、銀粒子と、塩化鉄(III)、及び水を撹拌槽(図示せず)に供給し撹拌してスラリーを作製する。なお、所定量の塩化鉄(III)を所定量の水に溶解させて予め塩化鉄(III)水溶液を作製しておき、それぞれ所定量の二酸化チタン粒子11と、銀粒子と、塩化鉄(III)水溶液を撹拌槽に供給してもよい。なお、作製したスラリーは、スラリータンク15(図2参照)で撹拌しながら貯留する。
ここで、二酸化チタン粒子11に可視光応答性を発揮させる塩化鉄(III)は、二酸化チタン粒子11中のチタン成分量に対して塩化鉄(III)中の鉄成分量が、例えば、0.05〜0.5質量%の範囲となるように設定する。鉄成分量が0.05質量%未満では、可視光の照射で生成される励起電子の量が少なくなって、二酸化チタン粒子11表面における還元反応が低下するため好ましくない。一方、鉄成分量が0.5質量%を超えると、鉄成分量に対するチタン成分量の割合が相対的に低下し、還元反応量が低下するため好ましくない。
また、抗菌金属として加える銀粒子は、銀粒子中の銀成分量が、例えば、二酸化チタンに対して、0.5〜4質量%の範囲となるように設定する。銀成分量が0.5質量%未満では、十分な抗菌作用が得られない。一方、銀成分量が4質量%を超えると、抗菌作用の増大効果に比較して、銀粒子の使用量の増加に伴う製造コストの増大が大きくなる。このため、二酸化チタンに対する銀成分量の上限を4質量%とした。
二酸化チタン粒子11の1次粒径は、10〜50nm、例えば30nmであり、スラリー中では、二酸化チタン粒子11が凝集して、例えば、1〜5μmの凝集粒をなしている。ここで、二酸化チタン粒子11の1次粒径が小さくなるほど、二酸化チタン粒子11に対して鉄化合物を均一に担持させることが有利となるが、二酸化チタン粒子11のコストが上昇するという問題がある。このため、二酸化チタン粒子11に対する鉄化合物の均一担持と製造コストの観点から、二酸化チタン粒子11の1次粒径の範囲を10〜50nmと設定した。
また、銀粒子の粒径は、例えば、0.5〜3μmである。ここで、銀粒子の粒径を小さくするほど、スラリー中に銀粒子を一様に分散させることができ、形成される溶射層13中にも銀粒子を均一に分散させることができる。しかし、銀粒子の粒径を小さくすると、銀粒子のコストが上昇するという問題がある。このため、スラリー中(溶射層13中)における銀粒子の均一分散と製造コストの観点から、銀粒子の粒径範囲を0.5〜3μmと設定した。
二酸化チタン粒子11の濃度が、10質量%及び30質量%である2種類のスラリーを作製し、溶射フレーム中にそれぞれ供給して塩ビタイル12上に溶射層13を形成した(溶射条件は共通)。次いで、塩ビタイル12上に形成された溶射層13にX線を照射し、二酸化チタンの回折強度(ピークカウント)を求めた。二酸化チタンのピークカウントは、二酸化チタン粒子11の濃度が10質量%では480、二酸化チタン粒子11の濃度が30質量%では630であった。得られた二酸化チタンのピークカウントは、スラリー(二酸化チタン粒子11)の付着率を反映した数値と考えられ、スラリー中の二酸化チタン粒子11の濃度を高くするほど、二酸化チタン粒子11の供給量が増大し、付着量の増加が期待できる。一方、スラリー中の二酸化チタン粒子11の濃度が30重量%を超えると、スラリーの粘度が非常に増大し、スラリーを溶射フレーム中に安定して供給することが困難となった。このため、スラリー中の二酸化チタン粒子11の割合(濃度)は、30質量%とした。
2.溶射工程
図2に示すように、高速溶射装置(特許第3978512号公報参照)に設けた溶射ガン16の先端部にスラリー混合部17を取り付ける。ここで、スラリー混合部17は、溶射ガン16から噴出する溶射フレームが通過する筒状のフレームガイド部18と、フレームガイド部18内を通過する溶射フレーム中にスラリーを噴出させて溶射フレーム中に混入させるノズル19とを有している。そして、塩ビタイル12を距離を有して溶射ガン16(フレームガイド部18)と対向するように配置し、溶射ガン16から溶射フレームを噴出させながら、スラリータンク15に貯留しているスラリーを、ポンプ15aを用いてスラリー混合部17に供給しながら、溶射ガン16を塩ビタイル12に対して平行に移動させる。これによって、フレームガイド部18の先端から噴出する溶射フレームの流れに乗せてスラリーを塩ビタイル12の表面全体に亘って高速で衝突させることができ、塩ビタイル12の表面に二酸化チタン粒子11を含む溶射層13を形成することができる。
なお、高速溶射装置では、高圧酸素にブースターコンプレッサーで高圧空気を混合することで、酸素使用量の削減とフレームの更なる高速化を実現している。
塩ビタイル12は、専用の保持台に非溶射面側を当接させ、例えば、真空吸引により保持台に固定する。溶射温度条件は、フレーム温度が700〜2500℃であり、フレーム噴出速度は800〜2000m/秒である。また、フレームガイド部18の先端と塩ビタイル12の表面との距離(溶射距離)は150〜200mmである。常温の塩ビタイル12に溶射を開始すると、塩ビタイル12表面の温度は徐々に上昇する。このため、塩ビタイル12表面の温度が融点(180℃)未満、好ましくはガラス移転温度(82℃)に達する前に溶射を終了する。溶射が終了すると、真空吸引を解除して、塩ビタイル12を保持台から取り外し、室温で溶射層13の温度が30℃以下になるまで養生(徐冷)する。
なお、溶射フレーム中心線上で、溶射ガン16の先端より280mm、300mm、350mm、450mmの各位置で温度を測定した上で、平均値の温度をフレーム温度としている。また、温度の測定は、スラリーの噴出及び高圧空気の混合は行わず、熱電対(例えば、1000℃程度まではアルメル/クロメル、1000℃を超えるとタングステン/タングステン・レニウム)を用い、熱電対の先端部を溶射フレームに挿入して行った。
図3に、塩ビタイル12の表面に形成された溶射層13のX線回折結果(回折角度θと回折強度(ピーク強度)の関係)を示す。図3から、溶射層13の主要構成物は、TiO(ルチル型二酸化チタン)、Fe(ヘマタイト)、及びFeO(OH)(オキシ水酸化鉄)であることが分かる。ここで、Feは、溶射工程で塩化鉄(III)が加熱され酸化して生成したもので、FeO(OH)は、溶射工程で塩化鉄(III)と水との反応により生成したものである。また、溶射層13の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置を用いた元素の成分分析から、溶射層13には塩化鉄(III)に由来する塩素が検出されず、スラリー中にイオン状態で存在していた塩素は、溶射の熱によって揮発し、塩ビタイル12の表面に到達する前に大気中に拡散したためと考えられる。
塩化鉄(III)の鉄成分は、スラリー中では鉄イオン(III)として存在しているので、スラリーを溶射フレーム中に混入させた際、鉄イオン(III)の一部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成すると共にFeO(OH)は二酸化チタン粒子11の表面に固定化(担持)され、鉄イオン(III)の残部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成し、更に酸化されてナノサイズのFeに変化すると共にFeは二酸化チタン粒子11の表面に固定化(担持)される。図4に溶射層13を構成している二酸化チタン粒子11を模式的に示す。ここで、符号20は、二酸化チタン粒子11の表面に固定化されたFe微粒子、符号21は、二酸化チタン粒子11の表面に固定化されたFeO(OH)微粒子である。
なお、溶射時、塩ビタイル12の表層部は溶射フレームに曝され加熱されて塑性変形し易い状態になっているので、二酸化チタン粒子11が塩ビタイル12表面に高速度で衝突することにより、二酸化チタン粒子11の一部は塩ビタイル12の表層部に喰い込み、アンカー効果により二酸化チタン粒子11は塩ビタイル12表面に密着する。
更に、溶射層13のX線回折結果において、FeO(OH)とFeの第1ピーク比(FeO(OH)/Fe)をとると2.25となり、Feに比較して、FeO(OH)の割合が多いことが分かる。これは、塩化鉄(III)の鉄分がスラリー中に鉄イオン(III)として存在しているため、溶射時の熱の影響を強く受け難かったためと考えられる。ここで、FeO(OH)は、可視光の照射により価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、伝導帯に励起された励起電子を二酸化チタン粒子11側に供給する機能を有する。その結果、溶射層13に可視光が照射されると、FeO(OH)中の鉄は酸化力を有する4価になって光触媒反応を示し、励起電子が供給された二酸化チタン粒子11側では、チタンが還元力を有する3価になって光触媒反応を示すことになる。
3.封孔処理工程
溶射層13の温度が30℃以下になると、塩ビタイル12を高圧洗浄機を用いて洗浄し、乾燥させる。なお、洗浄後の塩ビタイル12に空気を噴きつけ、付着した水を除去してから乾燥させてもよい。
溶射層13の表面に塗布されて保護層14を形成する水溶性アクリル樹脂の水溶液は、例えば、チオ硫酸銀水溶液に所定量の水溶性アクリル樹脂を溶解させたもので、チオ硫酸銀水溶液に加える水溶性アクリル樹脂量は、溶射層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間にアクリル樹脂を充填することができるように、塗布回数に応じて設定する。例えば、縦450mm、横450mmのサイズの塩ビタイル12の表面に形成した溶射層13に保護層14を形成するために必要な水溶性アクリル樹脂量は、実験から1.6〜2.3gと求まっているので、1回の塗布で溶射層13に供給できるチオ硫酸銀とアクリル樹脂量との水溶液量を制御することにより、チオ硫酸銀水溶液に加える水溶性アクリル樹脂量が決まる。
ここで、チオ硫酸銀とアクリル樹脂量との水溶液を塗布した塩ビタイル12を乾燥させると、塗布層中の水溶性アクリル樹脂は硬化して耐水性を備えるので、塗布層が保護層14となる。そして、塗布層中にはチオ硫酸銀が存在しているので、得られた保護層14にはチオ硫酸銀が保持されることになって、保護層14は抗菌作用を示す。
続いて、本発明の一実施の形態に係る方法で製造された光触媒機能を備えた内装材10の作用について説明する。
スラリーを溶射フレーム中に混入させると、鉄イオン(III)の一部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成すると共にFeO(OH)は二酸化チタン粒子11の表面に担持され、鉄イオン(III)の残部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成し、更に酸化されてナノサイズのFeに変化すると共にFeは二酸化チタン粒子11の表面に担持される。
FeO(OH)及びFeが担持された二酸化チタン粒子11は、溶射フレームに曝され加熱されて塑性変形し易い状態になっている塩ビタイル12の表面に高速度で衝突するので、二酸化チタン粒子11の一部は塩ビタイル12の表層部に喰い込み、アンカー効果により塩ビタイル12表面に密着する。そして、塩ビタイル12の表層部に密着した二酸化チタン粒子11の上部に更に二酸化チタン粒子11が衝突しながら溶射層13を形成していく。
ここで、スラリー中に存在する鉄イオン(III)は溶射時の熱の影響を強く受け難いため、二酸化チタン粒子11に担持されるFeO(OH)とFeでは、Feに比較して、FeO(OH)の割合が多い。このため、溶射層13に可視光が照射されると、FeO(OH)は価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、伝導帯に励起された励起電子は二酸化チタン粒子11側に移動するため、FeO(OH)中の鉄は酸化力を有する4価に、励起電子が移動してきた二酸化チタン粒子11側ではチタンが還元力を有する3価になって、それぞれ光触媒反応を示すことになる。
なお、溶射層13に紫外線が照射された場合、二酸化チタンは価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、伝導帯に励起された励起電子はFe微粒子20側に移動するため、励起電子を放出した二酸化チタン粒子11側ではチタンが酸化力を有する3価に、励起電子が移動してきたFe中の鉄は還元力を有する3価になって、それぞれ光触媒反応を示すことになる。
更に、溶射層13の表面には、溶射層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間を充填するチオ硫酸銀を含んだアクリル樹脂からなる保護層14が存在しているので、二酸化チタン粒子11同士の隙間に異物が滲入することが防止できる。このため、二酸化チタン粒子11同士の隙間に滲入した異物をベースにして異物が付着し、溶射層13の表面が異物で覆われることが防止でき、光触媒機能を長期間に亘って維持することが可能になる。更に、保護層14もチオ硫酸銀が保持されているので抗菌作用を示す。これにより、塩ビタイル12(溶射層13)による汚染物質の無害化、抗菌、及び殺菌の各作用が長期間継続される。
溶射層13の表面に水溶性アクリル樹脂の水溶液を塗布して保護層14を形成したが、溶射層13の表面に常温で硬化するガラス質コーティング材料を塗布することもできる。ここで、常温で硬化するガラス質コーティング材料は、常温で加水分解してシリカガラスに変化する有機ケイ素高分子化合物を含有する主剤(例えば、メチル基又はフェニル基を有するオルガノポリシロキサン)と、シリカガラスの形成を促進する架橋剤(例えば、アルコキシ基、アンロキシ基、オキシム基等の官能性側鎖を有するオルガノシロキサン)と、硬化を促進する硬化触媒(例えば、亜鉛、アルミニウム、コバルト、スズ等の含金属有機化合物及びハロゲン)とで構成されたホーマーテクノロジ株式会社販売の「ヒートレスガラス」(一液タイプのシリカ溶液)が好適に使用できる。そして、このガラス質コーティング材料を、溶射層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間に充填するように一乃至数回、刷毛塗り、スピンコート等の方法で塗布する。なお、このガラス質コーティング材料に銀の超微粒子を加える。ガラス質コーティング材料を塗布した塩ビタイル12を乾燥させると、塗布層中のガラス質コーティング材料は、空気中の水分と反応して硬化してシリカガラスに変化し、塗布層が保護層となる。そして、塗布層中には銀の超微粒子が存在しているので、保護層は銀による抗菌作用を示す。
また、常温で硬化するガラス質コーティング材料として、パーヒドロポリシラザンを主剤とし、空気中の水分との反応を促進するアミン系の触媒を含有する材料を使用することもできる。
1次粒径が30nmのルチル型二酸化チタン粒子200g、平均粒径が1.5μmの銀粒子7g、純度98%の無水塩化鉄(III)1.04gを水800gに加えて混合しスラリーを作製した。
次いで、一辺が450mmの正方形状で厚さ3mmの塩ビタイルを保持台に非溶射面側を当接させ、真空吸引により保持台に固定する。そして、高速溶射装置の溶射ガンの先端部にスラリー混合部を取り付け、スラリー混合部のフレームガイド部内を通過する溶射フレーム中にスラリーを1分間に200±10gの割合で噴出させ、フレームガイド部の先端から140〜144mm離れた位置に固定した一辺が450mmの正方形の塩ビタイルの表面上に厚さ1μmの溶射層を形成した。ここで、溶射フレームの温度は2100℃、溶射フレームの速度は1000mm/秒であり、溶射ガンは塩ビタイルに対して平行にピッチ3mmで1000mm/秒の速度で走査させた。また、塩ビタイル表面の温度がガラス移転温度(82℃)に達する前に溶射を終了させた。
溶射終了後、真空吸引を解除し、溶射層が形成された塩ビタイルを保持台から取り外し、溶射層の温度が30℃以下になるまで室温中で冷却した。冷却が終了した塩ビタイルは、高圧洗浄機を用いて洗浄したのち、空気を噴きつけて付着している水を除去した後、自然乾燥させた。
チオ硫酸ナトリウム15.8gを水1リットルに溶解させてチオ硫酸ナトリウム水溶液を作製した。また、硝酸銀16.9gを水1リットルに溶解させて硝酸銀水溶液を作製した。次いで、チオ硫酸ナトリウム水溶液と硝酸銀水溶液を、0.1Mチオ硫酸ナトリウム:0.1M硝酸銀=4:1の割合で混合してチオ硫酸銀水溶液を調合し、チオ硫酸銀水溶液30ミリリットルに対して水溶性アクリル樹脂(濃度50質量%)70ミリリットルの割合で混合して、塗布液を作製した。
そして、塗布液を保持したローラーを、乾燥した塩ビタイルの溶射層上で繰り返し移動させ、付着量が1.65g、2.22g、及び3.3gとなるようにそれぞれ塗布した。なお、付着量は、塩ビタイルの重量変化から求めた。塗布が終了した塩ビタイルは自然乾燥させ、水溶性アクリル樹脂を硬化させることにより保護層を形成した。
溶射層の表層部に保護層が形成された塩ビタイルを使用して、抗菌性能試験を行った。抗菌性能試験の条件は、照度2000lx、初期菌濃度10cfu/ml、温度は室温(20〜25℃)、湿度50〜60%である。
図5に抗菌性能試験結果を示す。塗布液の付着量が少ないほど殺菌力が高い結果となった。これは、塗布液の付着量が少ないほど、保護層から露出する二酸化チタン粒子の割合が多くなり、光触媒作用による殺菌力が有効に発揮されたことに対応している。付着量が1.65gと2.22gの場合、180分で生菌数が0となるので、付着量を1.6g〜2.3gの範囲に制御すれば、溶射層の表層に存在する二酸化チタン粒子の露出状態を一様に維持しながら、二酸化チタン粒子同士の隙間をアクリル樹脂で充填する保護層が形成できると考えられる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、前記実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、光触媒粒子として二酸化チタン粒子を用いる場合を例に挙げて説明を行ったが、二酸化チタン粒子に、例えば、酸化タングステン粒子又は酸化スズ粒子等を混合することができ、二酸化チタン粒子の代わりに、酸化タングステン粒子又は酸化スズ粒子を使用することもできる。
また、前記実施の形態では、二酸化チタン粒子に可視光応答性を発揮させる化合物(増感剤)として、塩化鉄(III)、即ち、鉄(III)の水溶性金属塩を用いる場合を例に挙げて説明を行ったが、増感剤は必ずしも鉄の水溶性金属塩や水溶性金属錯体である必要はなく、銅、クロム、ニッケル等の水溶性金属塩や水溶性金属錯体であってもよい。但し、安価であるといった点を考慮すると、増感剤として鉄(III)の水溶性金属塩や水溶性金属錯体を採用することが好ましい。そして、溶射工程で、以上の化合物中の金属の水酸化物、オキシ水酸化物、及び酸化物の少なくとも1種類を光触媒粒子に担持させることができる。
更に、前記実施の形態では、スラリーに抗菌金属として銀粒子を加え、溶射層には銀の酸化物を存在させたが、スラリーに銀の金属塩(例えば、硝酸銀)及び金属錯体(例えば、チオサルファイト銀錯体)から選ばれる少なくとも一種類を加えてもよく、溶射層には、銀のオキシ水酸化物、水酸化物から選ばれる少なくとも一種類が含まれるようにすることもできる。また、抗菌金属として、銀の代わりに銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、コバルト、若しくはクロムを使用することができ、溶射層にこれらの抗菌金属、抗菌金属の金属塩、抗菌金属の金属錯体、抗菌金属のオキシ水酸化物、抗菌金属の水酸化物、及び抗菌金属の酸化物から選ばれる少なくとも一種類を存在させてもよい。
前記実施の形態では、透光性材料として水溶性アクリル樹脂を使用したが、水溶性ウレタン樹脂を使用してもよい。
また、前記実施の形態のスラリーに、顔料(例えば、白雲母、酸化鉄、ガンベラ等)を混合することができる。これによって、色彩豊かな意匠性の高い内装材を製造できる。
更に、前記実施の形態のスラリーに、吸着剤(例えば、ゼオライト、シリカゲル)を混合することができる。これによって、ガス(例えば、ホルムアルデヒド)吸着性を有する内装材を製造できる。
10:光触媒機能を備えた内装材、11:ルチル型二酸化チタン粒子、12:ポリ塩化ビニル製のタイル、13:溶射層、14:保護層、15:スラリータンク、15a:ポンプ、16:溶射ガン、17:スラリー混合部、18:フレームガイド部、19:ノズル、20:Fe微粒子、21:FeO(OH)微粒子

Claims (7)

  1. 光触媒粒子と、該光触媒粒子に可視光応答性を発揮させる水溶性金属錯体及び水溶性金属塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物とを、水に混合してスラリーを形成するスラリー形成工程と、
    前記スラリーを溶射フレーム中に供給し、建物の内装基材の表面に前記光触媒粒子を含む溶射層を形成する溶射工程と、
    前記溶射層の表面に透光性材料を塗布し、該溶射層の表層に存在する前記光触媒粒子の露出状態を維持しながら、該光触媒粒子同士の隙間に前記透光性材料を充填して保護層を形成する封孔処理工程とを有し、
    しかも、前記透光性材料は、水溶性アクリル樹脂又は水溶性ウレタン樹脂であることを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
  2. 光触媒粒子と、該光触媒粒子に可視光応答性を発揮させる水溶性金属錯体及び水溶性金属塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物とを、水に混合してスラリーを形成するスラリー形成工程と、
    前記スラリーを溶射フレーム中に供給し、建物の内装基材の表面に前記光触媒粒子を含む溶射層を形成する溶射工程と、
    前記溶射層の表面に透光性材料を塗布し、該溶射層の表層に存在する前記光触媒粒子の露出状態を維持しながら、該光触媒粒子同士の隙間に前記透光性材料を充填して保護層を形成する封孔処理工程とを有し、
    しかも、前記透光性材料は、常温で硬化するガラス質コーティング材料であることを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記溶射工程で、前記化合物と水との反応により生成する該化合物中の金属の水酸化物、オキシ水酸化物、及び酸化物の少なくとも1種類を前記光触媒粒子に担持させることを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記光触媒粒子は、ルチル型二酸化チタン粒子であることを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記スラリーは、抗菌金属、該抗菌金属の金属塩、及び該抗菌金属の金属錯体から選ばれる少なくとも一種類を含み、前記溶射層には、前記抗菌金属、該抗菌金属の金属塩、該抗菌金属の金属錯体、該抗菌金属のオキシ水酸化物、該抗菌金属の水酸化物、及び該抗菌金属の酸化物から選ばれる少なくとも一種類が含まれることを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記スラリーは顔料を含むことを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒機能を備えた内装材の製造方法において、前記スラリーは吸着剤を含むことを特徴とする光触媒機能を備えた内装材の製造方法。
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