JP7096640B2 - 抵抗性周囲電極 - Google Patents
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Description
従来の座標入力パネルは、基材2の表面に面抵抗体3として、スパッタ法によるITO(インジウム酸化物)膜あるいは、CVD法による酸化スズ膜などが形成されている。基材2は例えばソーダーガラスが使用される。面抵抗体3の上には、抵抗性周囲電極4が、形成されている。抵抗性周囲電極4は、適宜選択された抵抗値の被膜を印刷、焼成により形成する。また、必要に応じて各頂点部分には、引き出し線5を接続するための、はんだ付け可能な低抵抗の被膜を印刷・焼成する場合もある。
基材2は、ガラス製の座標入力パネルの場合、ソーダガラスが多く用いられるが、特に材質が限定される物ではなく、例えば、任意のガラスを含む透明なセラミックス素材、あるいはアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの透明な樹脂素材を使用できる。用途によっては不透明な絶縁性の基材を用いてもよい。
基材2の表面には、座標入力パネルと同様に面抵抗体膜3が形成される。
面抵抗体膜3の導電性薄膜の材料としては、一般に、酸化錫、アンチモンを添加した酸化錫(ATO)、酸化インジウム、錫を添加した酸化インジウム(ITO)、亜鉛を添加した酸化インジウム(IZO)、酸化亜鉛等が用いられる。また、被覆方法としては、例えば、物理的方法のスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、また、化学的方法のスプレー法、ディップ法、化学気相成長法(CVD法)がある。
また導電性物質が面積換算で95パーセント以上であると、耐はんだ食われの低下や、基材または、基材上の表面に設けられた面抵抗体膜と抵抗性周囲電極4との密着性が低下する。
さらに、抵抗性周囲電極4の膜厚は、はんだくわれによる導電性物質の損失を考慮し10μm以上(好ましくは15μm以上)が望ましい。
基材2の表面に形成される抵抗性周囲電極4は各頂点間の抵抗値は面抵抗値に対して1:5~10になるように、インク及び印刷条件が設定される。
また、はんだ付けによる局部加熱によって生じるガラス基材の割れ、または、はんだ熱収縮によるガラス基材2またはガラス基材2に形成された面抵抗体膜3と抵抗性周囲電極4との接着力の低下を抑制するために抵抗性周囲電極4の各頂点6-a、6-b、6-c、6-d(4カ所)の下層に抵抗性周囲電極4より非導電性物質を多く添加した中間層8を1層以上形成してもよい。
特に非導電性物質が樹脂の場合、高融点はんだを用いると樹脂が炭化し抵抗性周囲電極4が破壊されてしまう。したがって、非導電性物質に樹脂を用いる場合、はんだは融点が低いスズ-ビスマス系あるいはスズ-インジウム系のはんだを選択することが好ましい。
非導電性物質がガラスの場合、はんだの熱収縮による影響によりガラスが破壊されないよう選択することが好ましい。例えば、スズ-銀系、スズ-銀-銅系、スズ-銀-ビスマス-銅系、スズ―インジウム―銀-ビスマス系、スズ-亜鉛系、スズ-亜鉛-ビスマス系等や、非導電性物質に樹脂の際に用いたはんだを用いる。
導電性物質は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属粒子で形成されており、焼成後の抵抗体において電気導通経路を形成する。前記貴金属粉末を単体または2種類以上を混合して用いる。また、前記貴金属単体または混合物にニッケル、銅、スズ等を添加しても構わない。また、貴金属粒子および金属粒子の形状、粒径は、特に限定されない。
非導電性物質は、ガラス粒子または、樹脂を用いる。また、ガラス粒子は、基板などに対する濡れ性を高めて密着性を向上させるとともに、抵抗膜全体にわたって溶融固化することにより強靭な抵抗体を形成するために配合され、絶縁性であるため、抵抗調整の役割も有している。
座標入力パネル1は、次のようにして作成した。基材として、ソーダガラス(厚さ3mm)を略469×375mmの大きさに切断したものを用い、基材の表面に、スパッタ法によってITO(錫を添加した酸化インジウム)膜(シート抵抗値300Ω/□)を形成して面抵抗体12とした。次に、抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6を、奥野製薬工業株式会社製導電性ペーストG3-6581に奥野製薬工業株式会社製ガラスフリットGF3410を重量比15:1で混練したペーストにて、スクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)することで形成した。
抵抗性周囲電極3のパターンは図3のパターンを用い、一片を図4の様な線対称の形状にし、四隅は図5に示したように少なくとの第二の階段状の導電性セグメント18bが、第一の直線状の導電性セグメント18aに近い段で、引き出し線接続用端子部6に直接接続させた。また、導電性セグメントは、表1の寸法条件(図6参照)で座標入力パネル1を作成した。
評価は、株式会社小島半田製造所製KS-218SUPER直径0.8mmを用い、引き出し線接続用端子部6へのはんだ乗り性、耐はんだくわれを目視にて行った。
また、抵抗性周囲電極3および引き出し線接続用端子部6の密着性確認は、密着性評価用引き出し線として三山電線株式会社製AWM1007、VW-1、26AWG、TR-64を予備はんだ後、引き出し線接続用端子部6に株式会社小島半田製造所製KS-218SUPER直径0.8mmにてはんだ付けした。この引き出し線を株式会社イマダ製デジタルフォースゲージDS2-50Nにて引っ張り、引き出し線がパネルから取れる値を測定し、引き出し線がとれた箇所を目視により確認した。
また、抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率は、日本電子データム株式会社製走査型電子顕顕微鏡JSM-6510LAとエネルギー分散形X線分光器JED-2300にて、元素マッピングを行い、元素マッピング画像を画像処理後、フリーソフトImageJを用いて面積計算し、導電性物質と非導電性物質との面積比率を算出した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を7.7:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を5:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を4.5:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を2.5:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を2.0:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペーストを奥野製薬工業製導電性ペーストG3-6581のみに変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を1.6:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を1.3:1に変更した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
基材2を、アルミナセラミックス板(厚さ3mm)を略469×375mmに変更し、基材2の表面に、スパッタ法によってITO(錫を添加した酸化インジウム)膜(シート抵抗値300Ω/□)を形成して面抵抗体12とした。次に、実施例5で用いた混錬ペーストにて抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6をスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)し座標入力パネル1を作成した。
また、抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価も、実施例1と同様に実施した。
比較例3に用いた混錬ペーストを引き出し線接続用端子部6の箇所にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。続いて、実施例5で用いた混錬するペーストを抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
比較例3に用いた混錬ペーストを引き出し線接続用端子部6の箇所にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。続いて、実施例3に用いた混錬ペーストを引き出し線接続用端子部6の箇所にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。さらに、実施例5で用いた混錬するペーストを抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。
抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。
耐はんだくわれ性:○良好、△一部食われあり、×はんだくわれあり
ガラス基板接着力:○500g超、△150~500g、×150g未満
接着力評価後の状態において「線切れ」は、はんだ付け時配線の被覆部をとって露出した芯線部が切れた状態、「電極剥離」基材からはんだと電極がともに剥離した状態、「はんだ剥離」電極からはんだが剥離した状態である。
この座標入力システムを用いて座標入力パネル1を評価した。
その結果、すべての座標入力パネル1から座標データを取り込むことができ、座標入力パネルとして動作するこが確認された。
2 基材
3 面抵抗体
4 抵抗性周囲電極
5 引き出し線
6 抵抗性周囲電極4の引き出し線接続用端子部
6-a、6-b、6-c、6-d 抵抗性周囲電極4の4角の各頂点及び引き出し線接続用端子部
7 座標検出回路
8 中間層
9 静電容量結合
10 座標指示ペン
11 ペンケーブル
12 スイッチa、b、c、d
13 AC信号発生器
14 バンドパスフィルターを含むアナログ信号処理部
15 A/Dコンバータ
16 プロセッサ(CPU)
17 制御基板
18a、18b 導電性セグメント
19 第一の直線状の導電性セグメントにおける破線線幅
20 第一の直線状の導電性セグメントにおける破線線長さA
21 第一の直線状の導電性セグメントにおける破線線長さB
22 第一の直線状の導電性セグメントにおける破線間隔
23 第二の階段状の導電性セグメントにおける階段線幅
24 第二の階段状の導電性セグメントにおける階段間隙
25 第二の階段状の導電性セグメントにおける階段の重なり長さ
26 第二の階段状の導電性セグメントにおける階段一段部の間隙
Claims (1)
- 基材上の表面に設けられた面抵抗体膜と、前記基材の表面に形成された前記面抵抗体膜上に、前記面抵抗体膜を取り囲む様に形成された抵抗性周囲電極と、前記抵抗性周囲電極に引き出し線を接続する端子部を前記抵抗性周囲電極に設けた座標入力パネルの抵抗性周囲電極において、前記抵抗性周囲電極表面の導電性物質と非導電性物質の露出量で前記導電性物質が61パーセント以上、95パーセント未満で、前記非導電性物質がガラス粒子であり、また前記抵抗性周囲電極の膜厚が10μm以上で、前記抵抗性周囲電極表面の表面粗さ(Ra)が0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする抵抗性周囲電極。
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