JP7093290B2 - グランドパッキン及びパッキン構造 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態に従うグランドパッキン10の外観斜視図である。グランドパッキン10は、たとえば、バルブ等の貫通軸(可動軸)をシールするために利用される。
図4は、グランドパッキン10を用いたパッキン構造の一例を示す図である。図4に示されるように、パッキン構造20においては、可動軸30の周囲に形成されたスタッフィングボックス45内に5つのグランドパッキン10が配置されている。スタッフィングボックス45内において、グランドパッキン10は、グランド抑え40によって軸方向に押圧されている。これにより、可動軸30のシールが実現されている。なお、グランドパッキン10においては、メッシュ成形品130,140の各々が金属製であり硬度が高いため、グランドパッキン10に締付圧力を加えてもグランドパッキン本体100のはみ出しが生じにくい。その結果、グランドパッキン10によれば、高い締付圧力を維持することができる。
図5は、グランドパッキン10の製造に用いられる金型50の平面図である。図6は、図5のVI-VI断面図である。なお、図6は、金型50において各材料が配置され、かつ、加圧成形前の状態を示している。図5及び図6に示されるように、金型50は、材料保持部52と加圧部54とを含んでいる。材料保持部52の所定位置に複数種類の材料が配置され、複数種類の材料が加圧部54によって押圧される。これにより、複数種類の材料の一体成形が行なわれる。
以上のように、グランドパッキン10は、メッシュ成形品130,140を備えている。したがって、グランドパッキン10によれば、摺動面において生じた膨張黒鉛がメッシュ成形品130,140に吸着されるため、摺動面上における膨張黒鉛の残留を抑制することができる。また、グランドパッキン10によれば、グランドパッキン10の内周面及びメッシュ成形品130,140に潤滑剤が塗布された場合に、潤滑剤がメッシュ成形品130,140によって保持され、摺動面において潤滑剤が不足したときに、メッシュ成形品130,140から摺動面に潤滑剤が供給され得るため、摺動面における潤滑剤切れを抑制することができる。なお、このグランドパッキン10においては、グランドパッキン本体100において径方向に複数の層が形成されているため可動軸の軸方向において液体が浸透し得るが、グランドパッキン本体100の両面上にシート部110,120がそれぞれ配置されているため可動軸の軸方向における浸透漏洩が抑制されている。
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。但し、以下の変形例は適宜組合せ可能である。
上記実施の形態においては、グランドパッキン本体100及び膨張黒鉛シート114,124の内径と、メッシュ成形品130,140の内径とが略同一であるとした。しかしながら、各部材の内径の関係はこれに限定されない。
上記実施の形態においては、内径及び外径の小さい膨張黒鉛シート114,124がグランドパッキン本体100に近い位置に配置され、内径及び外径の大きい内外膨張黒鉛シート112,122がグランドパッキン本体100から遠い位置に配置された。しかしながら、各膨張黒鉛シートの位置はこれに限定されない。たとえば、内径及び外径の小さい膨張黒鉛シート114,124がグランドパッキン本体100から遠い位置に配置され、内径及び外径の大きい内外膨張黒鉛シート112,122がグランドパッキン本体100に近い位置に配置されてもよい。
上記実施の形態において、メッシュ成形品130,140の各々は金属製であるとされた。しかしながら、メッシュ成形品130,140の各々は必ずしも金属製である必要はない。メッシュ成形品130,140の各々は、たとえば、カーボンファイバー、炭素繊維、アルミナ、セラミックフィルタ等で構成されてもよい。すなわち、メッシュ成形品130,140の各々は、グランドパッキン本体100よりも多孔質かつ硬質な部材で構成されていればよい。
以下、実施例について説明する。
(メッシュ成形品)
線径(直径)が0.15mmの金属線を使用して、幅が16mmとなるようにニット編みを行なった。ニット編みされた金属線を1.4g用意した。用意された金属線を内径24mm、外径37mmの成形用金型につる巻状に投入した。その後、成形面圧40N/mm2で加圧成形した。その結果、厚さ0.75mmの成形品が完成した。同様の方法で2枚のメッシュ成形品を作成した。
厚み0.75mmの膨張黒鉛製シートを、内径24mm、外径35mmの打抜き型で打ち抜くことによって、2枚の膨張黒鉛シートを作成した。また、厚み0.75mmの膨張黒鉛製シートを、内径26mm、外径37mmの打抜き型で打ち抜くことによって、2枚の膨張黒鉛シートを作成した。
シート幅方向に2mm間隔でシート長手方向に延びるように深さ0.3mmで癖付けされた、厚み0.38mm、幅14mmの膨張黒鉛シート(テープ)を4.29g用意した。該膨張黒鉛シートを巻くことによって、グランドパッキン本体を作成した。
図7に示される手順で、各材料を金型に投入した後、成形面圧40N/mm2で加圧成形した。その後、加圧成形された成形品に炭化水素系潤滑剤の含浸処理を施した。そして、80℃環境で4時間乾燥させた。
特開平7-217745号公報に開示されているグランドパッキンに準じたグランドパッキンを用意した。
実施例に従うグランドパッキンを図4に示されるように配列し、比較例に従うグランドパッキンを図9に示されるように配列した。実施例及び比較例において、グランドパッキンがシールする可動軸を軸方向に摺動させ、流体の漏洩量を測定した。なお、試験流体圧力は25.9MPaであり、試験温度は常温であり、試験流体はヘリウムガスであった。試験方法は、ISO15848-1(2015)に準じたものであった。
Claims (6)
- 可動軸の周囲に配置されるグランドパッキンであって、
筒状であって、径方向に複数の層が形成された、膨張黒鉛製のグランドパッキン本体を備え、
前記グランドパッキン本体は、軸方向の両端面である第1及び第2面を有し、
前記グランドパッキンは、
前記第1面上に配置された膨張黒鉛製の環状の第1シート部と、
前記第2面上に配置された膨張黒鉛製の環状の第2シート部と、
前記第1シート部上に配置された環状の第1多孔質部材と、
前記第2シート部上に配置された環状の第2多孔質部材とをさらに備える、グランドパッキン。 - 前記第1及び第2シート部は、前記第1及び第2面の中間に位置する面を対称面として面対称である、請求項1に記載のグランドパッキン。
- 前記第1及び第2シート部の各々は、第1及び第2シートを含み、
前記第1及び第2シートの一方は、前記第1及び第2面の内周側を覆う一方、前記第1及び第2面の外周側を覆わず、
前記第1及び第2シートの他方は、前記第1及び第2面の外周側を覆う一方、前記第1及び第2面の内周側を覆わず、
前記第1及び第2シートは、部分的に重なり合っている、請求項1又は請求項2に記載のグランドパッキン。 - 前記第1及び第2多孔質部材の各々は、金属製のメッシュ成形品であり、
前記第1及び第2シートの一方の内径は、前記第1及び第2多孔質部材の各々の内径よりも小さい、請求項3に記載のグランドパッキン。 - 潤滑剤が含浸されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のグランドパッキン。
- 複数のグランドパッキンが可動軸の周囲に配置されたパッキン構造であって、
前記複数のグランドパッキンの各々は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のグランドパッキンである、パッキン構造。
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