JP4175525B2 - 密封材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は密封材料に係り、その目的は火力発電所のバルブやボイラの炉口等の密封など過酷な高温、高圧条件下において使用可能であるとともに、軸の摺動抵抗を低く抑えることができ、且つシーリング特性に優れた密封材料を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
パッキング、ガスケット等の密封材料は、気密、液密を必要とする接合面に挟んだり、或いは回転又は往復する軸の周囲に詰めて、摺動部から液体や気体が漏れるのを防止するために用いられている。
このような密封材料は、使用箇所やその環境、仕様条件等に応じて種々の形状のものが採用されるが、一般的に摺動による磨耗が少なく、摩擦係数が小さく、相手金属面を腐食させないこと、及び流体に対して化学的に安定であること、また耐熱、耐圧性に優れ増締等の応力緩和が少ないことなどが、密封材料の具備すべき条件とされている。
このような密封材料としては、高温に強いアスベスト又は耐熱ゴムが素材として古くから使用されていたが、近年、自己潤滑特性、熱伝導性、耐薬品性等に優れた膨張黒鉛が主として使用されるようになってきている。
【0003】
ところが、膨張黒鉛は前記したような優れた特性を示す反面、引張り強さが弱く脆いという欠点があるために単独で使用されることはなく、通常、金属繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、四フッ化エチレン繊維、石綿繊維、炭素繊維、セラミックファイバー繊維等の高強度繊維からなる補強材とともに編組みされたものが使用されている場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したような膨張黒鉛と高強度繊維の編組体からなるグランドパッキンは、強度の点では優れた特性を示すものの、以下に述べる問題点が存在していた。
例えば、火力発電所のバルブの軸封で使用されるグランドパッキンには約650〜680℃の極めて高い耐熱性が要求されるが、膨張黒鉛は大気雰囲気下において450〜650℃で昇華してしまうため、このような高温条件下では使用することができなかった。
また、上記したグランドパッキンを高温、高圧の過酷条件下で使用する場合には、高強度繊維の使用量が多くなるため、表面に表れる高強度繊維によって相手金属面との摩擦係数が高くなり、軸の摺動抵抗が大きくなって大きな回転トルクを必要としていた。
そこで、業界では、火力発電所等の過酷な高温、高圧条件下において使用可能であるとともに、軸の摺動抵抗を低く抑えることができ、且つシーリング特性に優れた密封材料の創出が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、請求項1記載の発明は膨張黒鉛シートとフッ素樹脂薄膜の積層体で高強度繊維を被覆するように撚り合わして形成された芯用糸材を複数本編み組み加工して構成された芯材と、該芯材を被覆する被覆材とからなる密封材料であって、該被覆材は所定長さの炭素単繊維とステンレス又はインコネルからなる金属単繊維を複数本撚り合わせることにより形成された複合糸の複数本からなる被覆用糸材を、前記芯材を中心として編み組むことにより構成されてなることを特徴とする密封材料に関する。
請求項2記載の発明は、前記被覆用糸材体積全体に占める金属単繊維の割合が5%以上20%未満とされてなることを特徴とする請求項1記載の密封材料に関する。
請求項3記載の発明は、前記芯材及び被覆用糸材に液状の合成樹脂が含浸されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の密封材料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る密封材料の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る密封材料(1)の外観説明図である。
図示するように、本発明に係る密封材料(1)は、膨張黒鉛と高強度繊維からなる芯材(2)の表面に、該芯材(2)を中心として炭素繊維、又は炭素繊維とインコネル、SUS等の金属繊維からなる複数本の被覆用糸材(3)が芯材(2)を被覆するように編み組まれることにより形成される。
【0007】
芯材(2)を構成する高強度繊維としては、金属繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリ四フッ化エチレン繊維、石綿繊維、炭素繊維、セラミックファイバー繊維等の高強度繊維が好適に使用されるが、膨張黒鉛の備える特性を生かし、且つ膨張黒鉛の持つ引っ張り強さが弱く脆いという欠点を補うことができる材料であれば特に限定されることなくいずれのものも好適に使用することができる。
また、芯材(2)の断面形状は図示の如く正方形とし且つ芯材(2)の外形線が被覆用糸材(3)により構成される外形線と平行になるようにするのが好ましい。このように構成することによって、被覆用糸材(3)の面に対して締め付け圧が加わったときに芯材(2)が受ける面圧を小さくすることができ、芯材(2)が崩れるのを防ぐことができる。
また、芯材(2)の密度は0.8〜1.8g/cm3 とすることが好ましい。その理由は密度が0.8g/cm3 未満であると密封性に欠けるため密封材料として好ましくなく、1.8g/cm3 を超えると可撓性に欠けるために密封力が劣り、いずれの場合も好ましくないからである。
【0008】
上記したような高強度繊維(21)は、図2に示す如く可撓性膨張黒鉛シート(22)で被覆されるように撚り合わされることによって、図3に示すような芯用糸材(23)とされ、この芯用糸材(23)を編組加工することによって、図4に示すような芯材(2)が形成される。
尚、図示例では、可撓性膨張黒鉛シート(22)で被覆される高強度繊維(21)の本数を1本としているが、複数本使用すると芯材(2)の引っ張り強度を一層向上させることができるため好ましい。
また、高強度繊維(21)又は可撓性膨張黒鉛シート(22)の表面にブチルニトリル、クロロブタジエン、酢酸ビニル樹脂等の接着剤を塗布しておくと両者の接合が強固になるため好ましい。
【0009】
可撓性膨張黒鉛シート(22)としては、天然黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛粉末を、濃硫酸、濃硝酸等と反応させて一端層間化合物とした後、水洗などによって残留分解させて残留化合物とし、これを急熱して膨張させて得られる膨張可撓性黒鉛そのものをロール材等により圧縮成形したシート状のもの等が好適に使用される。
尚、芯用糸材(23)の編組みの形態としては、8本編み、16本編み、24本編み等の形態や、或いは袋編み、格子編み等の形態が特に限定されることなく好適に使用される。
或いは、図5に示すように、複数本の芯用糸材(23)をそのまま束ねて撚り合わせたものも好適に使用することができる。
【0010】
尚、芯材(2)の形成に際しては、可撓性膨張黒鉛シート(22)を単独で使用する代わりに、図6に示すように補強基材(24)と可撓性膨張黒鉛シート(22)との積層体を使用してもよい。
補強基材(24)としては、良好な潤滑性や耐腐食性、適度な機械的強度及び流体に対する化学的安定性を有するものであれば特に限定はされず、いずれのものでも好適に使用することができる。
【0011】
具体的には、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、パーフルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂からなる薄膜、或いは紙、布等が好適に使用することができる、使用箇所や使用条件等に応じて適宜任意に、例えば電気絶縁性を有するもの等が適宜選択して使用もできる。
中でも直径0.05〜15μm程度の微細孔を有する多孔質状のポリ四フッ化エチレン(PTFE)製の薄膜は、膨張黒鉛シート(22)との積層が良好であるため、より好ましく使用できる。
この多孔質状のポリ四フッ化エチレン(PTFE)製の薄膜は、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)のモールディングパウダを押し固めた後、急速に延伸させて得られる、空孔率25〜95%程度のものが好適に使用できる。
【0012】
さらに、積層体構造を採用する場合には、前記図6に示すような補強基材(24)の片面に膨張黒鉛シート(22)を積層するもの以外に、図7に示すように補強基材(24)の両面に膨張黒鉛シート(22)を積層させる構成のものも好適に使用できる。
尚、積層体構造のものを採用する場合の膨張黒鉛シート(22)としては、その密度が0.80〜2.2g/cmの範囲内のもので、且つ表面に結晶レベルの凹凸が存在するものを使用することが好ましい。
この理由は、膨張黒鉛シート(22)の密度が2.2g/cmを超えると、組織が緻密になりすぎて、補強基材(24)との積層が良好に行なわれず、しかもアンカー効果が生じにくくなるため、好ましくないからである。
【0013】
また、膨張黒鉛シート(22)の厚みとしては、特に限定はされないが、0.1〜1.5mm程度とされるのが好ましい。
この理由は、膨張黒鉛シート(22)の厚みが0.1mm未満であると、膨張黒鉛の有する優れた耐熱性や耐食性を充分に発揮させることができず、一方、厚みが1.5mmを超えると逆に膨張黒鉛の欠点である脆さが現れてしまうため、いずれの場合も好ましくないからである。
さらに、補強基材(24)の厚みとしては、特に限定はされないが、0.001〜0.15mm程度とされるのが、製造面より好ましい。
以上のような補強基材(24)と膨張黒鉛シート(22)との積層は、適宜任意の接着剤等を介して行なわれればよく、例えばポリエチレンフィルム、オレフィン系フィルム、ウレタン系フィルムなどの熱融着フィルムを用いて加熱融着させる方法等により積層体とすればよく、特に限定はされない。
【0014】
上記した方法により得られる芯材(2)を中心として、その外周面に炭素繊維、又は炭素繊維とインコネル、SUS等の金属繊維からなる被覆用糸材(3)が芯材(2)を被覆するように編組加工されることにより、図1に示すような密封材料(1)が形成される。
図1は被覆用糸材(3)を16本編みにして芯材(2)を被覆した様子を示した図であるが、本発明において被覆用糸材(3)の編組の形態については特に限定はされず、図8に示す如く8本編みとしてもよいし、或いは24本編みや32本編みとしてもよい。
【0015】
被覆用糸材(3)は、所定長さの炭素単繊維を複数本撚り合わせることにより炭素繊維糸を形成し、この炭素繊維糸を複数本撚り合わせることにより形成される。
このときの炭素繊維糸の好適な製造方法としては、95%を超える炭素含有量、0.5〜1dテックスの番手、2.2〜3.3GPaの強度、230〜335GPaのヤング率、及び0.75〜1.55%の破断時伸び率をもつ炭素マルチフィラメントのトウを、延伸し且つ制御しながら切断する破壊方法によって変換して100〜120mmの平均の長さを有する長繊維を得て、次いでこの長繊維を紡績することによって1〜100Mnのメートル番手を有する糸に変換する方法が好適な例として例示できるが、特にこれに限定はされない。
【0016】
炭素繊維は空気中で約800℃、不活性ガス中で約3000〜3200℃という高い耐熱性を有するので、炭素繊維からなる被覆用糸材(3)で膨張黒鉛の表面を被覆することによって、膨張黒鉛の昇華を防止することができ、極めて耐熱性に優れた密封材料(1)が得られる。
しかも、炭素繊維は金属との摩擦係数が低く、なじみ性も良好であるため、軸の摺動抵抗を低く抑えることができ、且つシーリング特性に優れた密封材料となる。
【0017】
被覆用糸材(3)を炭素繊維と金属繊維から構成する場合、使用される金属繊維は耐熱性及び耐食性に優れたものであれば特に限定されないが、インコネル、SUSが好適に使用される。
インコネル(Inconel)は14%Cr,6%Fe,0.75〜1.0%Mo,残部Niから構成されるニッケル合金であり、900℃以上の酸化気流中でも酸化しない、高温条件下でも引っ張り強さ、伸び、降伏点などの機械的性質が低下しない、有機物及び塩類溶液に対しても腐食しないといった優れた特性を有している。
またステンレス鋼としては、SUS403、SUS410、SUS304、SUS321、SUS316、SUS347等が好適に使用可能であり、これらのステンレス鋼は大気中や水中で酸やその他種々の化学薬品に対して優れた耐食性を示すとともに、耐熱性にも優れている。
従って、炭素繊維とインコネル又はSUSによって構成された被覆用糸材(3)で膨張黒鉛の表面を被覆した場合にも、膨張黒鉛の昇華を防止することができ、極めて耐熱性に優れた密封材料(1)を得ることができる。
炭素繊維とインコネル又はSUSからなる被覆用糸材(3)は、所定長さの炭素単繊維とインコネル単繊維又はSUS単繊維を所定の割合で複数本撚り合わせることにより複合糸を形成し、この複合糸を複数本撚り合わせることにより形成される。
【0018】
被覆用糸材(3)を炭素繊維のみで構成した場合には、引っ張り強度が弱く、600〜800℃で昇華してしまうという欠点があるが、糸材中にインコネル又はSUSを混合させることによって引っ張り強度が改善されるとともに、融点が上昇し被覆用糸材(3)が保持できるようになる。
但し、本発明において、被覆用糸材(3)の体積全体に占めるインコネル又はSUSの割合は5%以上20%未満とされる。
その理由は、インコネル又はSUSの割合が10%未満であると上述したインコネル又はSUSを混合させることによる効果が十分に発現されないためであり、20%以上であると合成糸を作りだすときに負荷が大きくなるとともに、炭素繊維の特長である摺動部材とパッキングのなじみ性が欠落する結果となり、いずれの場合も好ましくないからである。
【0019】
上記芯材(2)及び被覆用糸材(3)から構成された密封材料(1)には液状の合成樹脂が含浸される。
含浸される液状の合成樹脂としては、密封材料の摩擦係数を低下させて摺動特性を向上させることが可能なものであれば特に限定されないが、シリコーン樹脂、水溶性フェノール樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE樹脂)等のフッ素樹脂、或いは水不溶性の合成樹脂でガラス、アルミナ、シリカゲル、黒鉛、チタン粉水溶液等の無機微粉末を含むエマルジョン樹脂等が耐熱性に優れるために好適に使用される。
含浸方法としては、常圧含浸、真空含浸、真空加圧含浸、真空加熱含浸、真空加圧加熱含浸などの公知の方法を使用することができ、特に限定はされない。
密封材料(1)に上記含浸処理を施すことにより、摩擦係数を小さくすることができ摺動抵抗を低く抑えることが可能となり、また芯材(2)や被覆用糸材(3)中の空隙を塞いで密着させることができるので強度に優れたものとなる。
【0020】
以上のような密封材料(1)は、図9に示すようなリング状に成形されて液密、気密を要する部分にガスケット、パッキングとして好適に使用される。さらにリング状以外の適宜任意の形状にも成形加工して使用することもでき、例えばブシュやスペーサーの代用としても使用可能である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明に係る密封材料からなるパッキンを使用した実施例及び比較例の試験結果を示すことにより、本発明の効果をより明確にする。但し、本発明は以下の実施例には何ら限定されない。
(実施例)
膨張黒鉛と高強度繊維(材質:インコネルファイバー入り炭素繊維)から構成された芯材(密度1.6〜1.8g/cm3 )の表面に、この芯材を中心として炭素単繊維とインコネル単繊維を複数本撚り合わせることにより形成された複合糸の複数本からなる被覆用糸材を編み組んで、図1に示すような密封材料を形成し、この密封材料を使用してパッキンを製造した。
(比較例)
黒鉛、石綿、綿、グリコール及び潤滑油から構成された芯材(S)の表面に、インコネル線材が配合された石綿糸(I)を二層にわたって編み組んで、図10の断面図に示すような密封材料を形成し、この密封材料を使用してパッキンを製造した。
【0022】
上記実施例及び比較例に係るパッキン(4)を図11に示すように実験用燃焼炉(5)に取り付け、ボルト及びナットからなる結合手段(6)の締め付けによって、パッキン(4)をドア(42)と燃焼炉本体(41)との間に締め付け圧60kg/cm2 で挟持固定し、この状態で、バルブ(43)を開けて燃焼室内(容積0.5m3 )にエアーを供給するとともに、バーナー(44)に着火して燃焼室内を加熱した(加熱温度300℃、燃焼圧力400mmAq)。そして、2時間、10時間、15時間、20時間後にそれぞれのパッキンについて内部気体の漏れ量及び熱減量をセンサー(8)により測定した。尚、図中(7)は安全弁である。試験結果を図12及び図13に示す。尚、図中、白丸が実施例、黒丸が比較例をそれぞれ示している。
【0023】
図12及び図13に示されるように、実施例に係るパッキンは比較例に比べて加熱時間の経過に伴う漏れ量及び熱減量の増加の程度が小さかった。
このことから、本発明に係る密封材料を使用したパッキンによれば、60kg/cm2 程度の低い締め付け面圧で良好なシール性が得られ、高温条件下での低トルク可動が可能となり、また増締めも必要としない。
従って、低締め付け面圧で高温・高圧でのシールが可能となり、バルブのシール、高温流動床炉、ガスタービンの燃焼室ドア、ボイラー燃焼室ドア、ダイオキシン処理炉等の、現行のパッキンでは良好なシール性が得られない用途での使用が可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明は、膨張黒鉛シートで高強度繊維を被覆するように撚り合わして形成された芯用糸材を複数本編み組み加工して構成された芯材と、該芯材を被覆する被覆材とからなる密封材料であって、該被覆材は所定長さの炭素単繊維を複数本撚り合わせることにより形成された炭素繊維糸の複数本からなる被覆用糸材を、前記芯材を中心として編み組むことにより構成されてなることを特徴とする密封材料であるから以下に述べる効果を奏する。
すなわち、膨張黒鉛の表面が高耐熱性の炭素繊維によって被覆されるので、高温条件下で使用された場合にも膨張黒鉛が昇華することがなく、極めて耐熱性に優れた密封材料となる。
しかも、炭素繊維は金属との摩擦係数が低く、なじみ性も良好であるため、軸の摺動抵抗を低く抑えることができ、且つシーリング特性に優れた密封材料となる。
【0025】
また、膨張黒鉛シートで高強度繊維を被覆するように撚り合わして形成された芯用糸材を複数本編み組み加工して構成された芯材と、該芯材を被覆する被覆材とからなる密封材料であって、該被覆材は所定長さの炭素単繊維と金属単繊維を複数本撚り合わせることにより形成された複合糸の複数本からなる被覆用糸材を、前記芯材を中心として編み組むことにより構成されてなることを特徴とする密封材料であるから、上記効果に加えて、更に引っ張り強度に優れ、融点の高い密封材料を得ることができるという優れた効果を奏する。
【0026】
更には、芯材及び被覆用糸材に液状の合成樹脂を含浸させることにより、芯材や被覆用糸材中の空隙が塞がれて密着し、引っ張り強度を向上させることができ、しかも摩擦係数が小さくなって摺動抵抗を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る密封材料の外観説明図である。
【図2】芯材の形成方法の一例を示す説明図である。
【図3】芯材の形成方法の一例を示す説明図である。
【図4】芯材の形成方法の一例を示す説明図である。
【図5】 芯材の形成方法の他の例を示す説明図である。
【図6】芯材の構成要素の一つである膨張黒鉛シートの別の実施例を示した断面図である。
【図7】芯材の構成要素の一つである膨張黒鉛シートの更に別の実施例を示した断面図である。
【図8】本発明の一実施例に係る密封材料の外観説明図である。
【図9】本発明に係る密封材料をリング状に成形した状態を示す外観図である。
【図10】比較例のパッキンの構成を示す断面図である。
【図11】実験用燃焼炉の概略断面図である。
【図12】実施例及び比較例に係るパッキンの漏れ量の経時変化を示す図である。
【図13】実施例及び比較例に係るパッキンの熱減量の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1 密封材料
2 芯材
21 高強度繊維
23 芯用糸材
3 被覆材用糸材

Claims (3)

  1. 膨張黒鉛シートとフッ素樹脂薄膜の積層体で高強度繊維を被覆するように撚り合わして形成された芯用糸材を複数本編み組み加工して構成された芯材と、該芯材を被覆する被覆材とからなる密封材料であって、該被覆材は所定長さの炭素単繊維とステンレス又はインコネルからなる金属単繊維を複数本撚り合わせることにより形成された複合糸の複数本からなる被覆用糸材を、前記芯材を中心として編み組むことにより構成されてなることを特徴とする密封材料。
  2. 前記被覆用糸材体積全体に占める金属単繊維の割合が5%以上20%未満とされてなることを特徴とする請求項1記載の密封材料。
  3. 前記芯材及び被覆用糸材に液状の合成樹脂が含浸されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の密封材料。
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