JPH07305772A - うず巻形ガスケット用の非石綿フィラー材 - Google Patents

うず巻形ガスケット用の非石綿フィラー材

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JPH07305772A
JPH07305772A JP9774494A JP9774494A JPH07305772A JP H07305772 A JPH07305772 A JP H07305772A JP 9774494 A JP9774494 A JP 9774494A JP 9774494 A JP9774494 A JP 9774494A JP H07305772 A JPH07305772 A JP H07305772A
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fibers
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binder
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Takahito Nishida
田 隆 仁 西
Minoru Asahina
稔 朝比奈
Shoichi Kashiwabara
原 正 一 柏
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】無機繊維、有機繊維、無機充填剤、無機バイン
ダおよび有機バインダからなる非石綿フィラー材におい
て、無機繊維と無機充填剤と無機バインダからなる無機
物は、合計で75〜95重量%の量で、無機繊維は、
6.3重量%以下の量で、かつ、上記無機物総量100
重量部中に1.8重量部以上の量で、無機繊維と有機繊
維とは、合計で3〜20重量%の量で、無機バインダと
有機バインダとは、合計で5〜20重量%の量で含まれ
ていることを特徴とするうず巻形ガスケット用の非石綿
フィラー材。 【効果】このような非石綿フィラー材は、高温下におけ
る形状保持性に優れ、低温から高温までの広い温度範囲
において気密性に優れ、汎用性に優れ、高温高圧用とし
て好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術的分野】本発明は、うず巻形ガスケット用
の非石綿フィラー材に関し、さらに詳しくは高温下にお
けるガスケットの形状保持性に優れているようなうず巻
形ガスケット用の非石綿フィラー材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、うず巻形ガスケットは、図
1に示すようにシール要素としてのフィラー1が、弾性
・強度要素であるV型もしくはM型等にくせつけされた
金属フープ2間に設けられて構成されており、補強のた
めにうず巻形ガスケット10の内周面には内輪3をまた
外周面には外輪4をそれぞれ取付けたものが多い。この
ようなうず巻形ガスケットでは、フープ2材としては、
SUS 304等のステンレス鋼等の金属が用いられて
いる。フィラー1材としては、従来より、石綿紙、膨張
黒鉛シート、フッ素樹脂シート等が用いられている。
【0003】ところで、これらのフィラー材のうちで、
最も早く実用化されたのは石綿フィラーであり、石綿フ
ィラーは、50〜95重量%の量の石綿繊維に無機充填
剤およびバインダーを加えて構成されている。
【0004】石綿フィラーは、石綿繊維を上記のような
量で含んでいるため耐熱・耐薬品性に優れているが、気
密性に劣り、フィラー特に石綿繊維分を通じる浸透漏洩
を発生し易いとの問題点があった。また、石綿フィラー
には、繊維分として石綿繊維を上記のような量で含んで
いるため、このようなフィラーは一般に剛直で可撓性に
乏しい。このため、このフィラーと、V型もしくはM型
等にくせつけされた金属フープとを巻合せると、得られ
るうず巻形ガスケット10には、図2に示すような空隙
20を生じ易いとの問題点があった。
【0005】そのため、石綿フィラーを用いたうず巻形
ガスケットにおいては、気密性を確保しようとすると、
浸透漏洩を防ぐために高い締付面圧で使用しなければな
らないなどの問題点があった。また、石綿フィラーを用
いて空隙20がないようなうず巻形ガスケットを製造し
ようとすると、製造時にフープ2とフィラー1とを緊密
に巻合せなければならず、このようにして得られたうず
巻形ガスケットは弾性に乏しく、ガスケットの上下面
5,6を通じた漏洩が大きくなる。このため気密性を確
保するには、このガスケットの場合も結果的には高い締
付力が必要となる等の問題点があった。また、石綿フィ
ラーは、環境汚染防止の観点から近年では殆ど使用され
ず、非石綿系フィラーが使用されるようになっている。
【0006】膨張黒鉛フィラーおよびフッ素樹脂フィラ
ーは、非石綿系フィラーに属し、緻密でかつ可撓性に富
むため、石綿フィラーに見られるような浸透漏洩の問題
は少なく、低締付面圧で気密性を確保することができ
る。
【0007】しかし、膨張黒鉛フィラーは、400℃以
上の酸化性雰囲気下で使用すると酸化によってその一部
が消失してしまう。例えば、ガスケット外周面が大気雰
囲気下におかれる通常の用途にて使用すると、高温下、
時間経過によってフィラーが消失してしまい、シール性
をまったく失ってしまうとの問題点があった。
【0008】また、フッ素樹脂フィラーとして最も代表
的なPTFEにおいても、その融点は327℃であり、
高温下ではこのフィラーが軟化し熱分解するため、ガス
ケット取付部の流体内圧を保持することができないとの
問題点があった。
【0009】すなわち、膨張黒鉛フィラーおよびフッ素
樹脂フィラーは、中低温領域では、石綿フィラーを凌ぐ
優れた特性を有しているが、上記温度を超えるような高
温で使用しようとすると、上述したように酸化消失もし
くは軟化・分解によってシール性が大きく低下するとい
る問題点があり、かつ石綿フィラーに比べて高価である
ため経済的にも汎用性に乏しく、現状では特殊用途に使
用されるにとどまっている。
【0010】上記石綿フィラー、膨張黒鉛フィラーある
いはフッ素樹脂フィラー等に代わり得るような経済性等
を備えた非石綿フィラー(石綿以外の繊維状物とその他
の充填剤およびバインダーの複合体)も種々上市されて
いる。
【0011】しかし従来公知の非石綿フィラーの中で、
自動車排ガス用フィラーのような高温用非石綿フィラー
は、一般に無機繊維の配合比率が高く、通常、振動・衝
撃等に対する耐久性には優れているが、その気密性は常
温下においてさえも著しく劣悪である場合が多い。すな
わち、このような高温用非石綿フィラーは、剛直で、シ
ール性に乏しく、自動車排ガス用など多量の漏洩を許容
し得るような用途には用いることができるが、一般用と
して高温で使用するには気密性能の点で問題がある。ま
た、一般用として気密性を重視した配合組成の非石綿フ
ィラーでは、フィラーの可撓性を高めるために、無機繊
維の配合比率を抑え、その分有機繊維の配合比率が高く
なっており、その結果、高温下における形状保持性に乏
しく、その耐熱限界温度は実用上300〜400℃にと
どまっている。この一般用気密性非石綿フィラーは、中
低温においては、むしろ石綿フィラー以上の気密性を有
しているが、高温域にあっては、気密性が低下するのみ
ならず、フィラーが粉体化するとの問題点があり、この
ようなフィラーを用いてなるうず巻形ガスケットでは、
振動や衝撃を受けるような条件下に使用されると、うず
巻形ガスケットからフィラーが脱落してフープだけが残
り、シール性を完全に失ってしまうとの問題点がある。
【0012】そのため、シール性が重視されるような一
般用フィラーでは、素材の種類により通常次のような温
度を上限として使用されている。すなわち、石綿フィラ
ーでは600℃まで、膨張黒鉛フィラーでは400℃ま
で、フッ素樹脂フィラーでは300℃まで、非石綿フィ
ラーでは350℃までの耐熱温度範囲で使用されてい
る。
【0013】このように現在までのところ、非石綿フィ
ラーにあっては、石綿フィラーに替わり得るような広い
温度範囲での気密性、高温下における形状保持性等の特
性を有するものは未だ見出されていない。
【0014】なお、特開平3−259988号公報に
は、自動車排ガス等の高温流体シール用うず巻形ガスケ
ットのフィラーに関して、セラミック5〜20重量%、
セピオライト13.5〜25重量%及び有機繊維1〜1
0重量%からなる36.5重量%以上の繊維状物と、5
9重量%以下の無機粉体と、1〜10重量%のバインダ
ーとから構成したことを特徴とするうず巻形ガスケット
のフィラー材が開示されている。この公報記載のフィラ
ー材においては、セラミック繊維およびセピオライトか
らなる無機繊維状物の比率は18.5重量%以上とな
り、高温下における形状保持性の高いことが予想される
が、剛直性が大きく、そのシール性能は常温下において
0.5kgf/cm2の窒素ガス圧に対し、3.5〜5.2×1
-2atm・cc/s(2.1〜3.1cc/分)でしかない。
このため、このフィラーは、排ガスシール材用など許容
漏洩量の大きな用途には使用することができても、工業
用ガスケットとして、気密性が要求される一般的用途に
用いるには、少なくとも5kgf/cm2程度の窒素ガスに対
し、常温下10-3atm・cc/sレベルの微少な漏洩量を
維持できることが必要であり、このようなような用途に
は用いることができない。
【0015】また、特公平1−15744号公報には、
金属フープを有するうず巻形ガスケットにおける該金属
フープと重ね合わせて使用される緩衝材であって、モー
ス硬度が5以下の無機粉体60〜99重量部と繊維状物
40〜1重量部の混合物100重量部に対して、バイン
ダーを5〜30重量部配合してなり、前記無機粉体がタ
ルク、炭酸カルシウム、クレー、及び硫酸バリウムの群
から選ばれる1種以上であることを特徴とするうず巻形
ガスケット用緩衝材が記載されている。
【0016】しかしながら、その実施例1〜2において
は、繊維状物は有機繊維だけで構成されており、高温下
における形状保持性に劣る。また、その実施例3〜4に
おいては無機・有機繊維が配合されたうず巻形ガスケッ
ト用緩衝材が記載されているが、気密性が必ずしも充分
でない。
【0017】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、高温下におけ
る形状保持性に優れ、低温から高温までの広い温度範囲
において気密性に優れ、汎用性に優れた高温高圧用の非
石綿フィラー材を提供することを目的としている。
【0018】
【発明の概要】本発明に係るうず巻形ガスケット用の非
石綿フィラー材は、無機繊維、有機繊維、無機充填剤、
無機バインダおよび有機バインダからなる非石綿フィラ
ー材において、無機繊維と無機充填剤と無機バインダか
らなる無機物は、合計で75〜95重量%の量で、無機
繊維は、6.3重量%以下の量で、かつ上記無機物総量
100重量部中に1.8重量部以上の量で、無機繊維と
有機繊維とは、合計で3〜20重量%の量で、無機バイ
ンダと有機バインダとは、合計で5〜20重量%の量で
含まれていることを特徴としている。
【0019】このような本発明に係るうず巻形ガスケッ
ト用の非石綿フィラー材は、高温下における形状保持性
に優れ、低温から高温までの広い温度範囲において気密
性に優れ、汎用性に優れ、高温高圧用として好適であ
る。
【0020】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るうず巻形ガス
ケット用の非石綿フィラー材について具体的に説明す
る。
【0021】本発明に係るうず巻形ガスケット用の非石
綿フィラー材は、無機繊維、有機繊維、無機充填剤、無
機バインダおよび有機バインダを含んで形成されてい
る。無機繊維としては、石綿以外の無機繊維が用いら
れ、具体的には、例えば、セラミック繊維、ロックウー
ル、ガラス繊維、チタン酸繊維等が挙げられる。このよ
うな無機繊維としては、可撓性を有し剛直でないものが
望ましく、その繊維径は20μm以下、好ましくは0.
1〜5μmであり、その繊維長は0.01mm以上、好ま
しくは0.1〜10mmであることが望ましい。本発明に
おいては、このような無機繊維を、1種または2種以上
組み合わせて用いてもよい。
【0022】有機繊維としては、植物繊維等の天然繊
維、アラミド繊維等の合成繊維、炭化繊維、炭素繊維、
黒鉛化繊維等が挙げられる。これらの有機繊維は、1種
また2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、炭化繊
維、炭素繊維、黒鉛化繊維は無機繊維として分類される
例も多いが、その耐熱温度は黒鉛化繊維にあっても、酸
化性雰囲気下において400℃前後であり、他の無機繊
維に比べて耐熱性に劣るため、本明細書中では、これら
を有機繊維として扱う。
【0023】これら有機繊維は、得られる非石綿フィラ
ー材の耐熱性を高める役割は殆ど果していないが、非石
綿フィラー材とフープ材とを巻合わせてうず巻形ガスケ
ットを製造する際に、非石綿フィラー材が破断しないな
ど非石綿フィラー材の強度を強める役割を果たしてい
る。このような有機繊維は、柔軟性に富み、得られるう
ず巻形ガスケットの気密性を低下させないものであるこ
とが望ましく、その繊維径は10μm以下であることが
望ましい。そのため、このような有機繊維として、少な
くとも一種は上記のような繊維径のフィブリル化したパ
ルプ状のアラミド繊維を使用することが望ましい。
【0024】無機充填剤としては、タルク、クレー、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
シリカ等が挙げられる。これらの無機充填剤は、繊維間
の目づめ(気密性)、フィラーの可撓性、フィラーの高
温時における形状保持性(凝集性)を高める役割を果し
ており、高温時にも消失することなく残存し、シール性
を維持する役割を果たしている。このような無機充填剤
の粒径は微細であることが好ましく、具体的には、粒径
が5μm以下で、かつ1μm以下の粒子が5%以上存在
する粒径分布を有することが望ましい。本発明において
は、互いに異なった粒径分布をもつ2種以上の充填剤を
組上せて用いることが望ましく、このように粒径分布の
異なった2種以上の充填剤を組み合わせて用いると、気
密性、可撓性に優れたガスケットを得ることができる。
【0025】バインダーは、繊維と無機充填剤とを結合
し、シール性を高めフィラー材に機械的強度を与える役
割を果しており、有機・無機いづれでもよく、また有機
バインダと無機バインダとを組合せて用いてもよい。こ
のような無機バインダとして、具体的には、例えば、ポ
リリン酸塩、水ガラス等を挙げることができる。しか
し、無機バインダーは、フィラー材に高温下での補強効
果を与える働きを有しているが、フィラー材の剛直性を
増大させるため、耐熱性に富む有機バインダーと併用す
ることが望ましい。有機バインダは、フィラー材の気密
性を高め、可撓性を増大させる。このような有機バイン
ダとして、具体的には、例えば、NBR系、SBR系、
アクリル酸エステル系、フッ素ゴム系等の耐熱性に富む
エラストマー系有機バインダーが挙げられる。
【0026】なお、本発明の非石綿フィラー材には、上
述したような成分に加え、必要に応じて、パラフィンワ
ックス系等の撥水・撥油剤が含まれていてもよい。この
ような撥水・撥油剤を用いると、常温時のシール性を向
上させることができる。
【0027】また本発明の非石綿フィラー材には、上記
成分に加えてさらに、各種加硫剤、加硫促進剤、加硫助
剤、老化防止剤、着色剤等が含まれていてもよい。本発
明に係る非石綿フィラー材には、上記のような無機繊維
と無機充填剤と無機バインダとからなる無機物は合計で
75〜95重量%、好ましくは85〜90重量%の量で
含まれ、無機繊維は6.3重量%以下、好ましくは1.
35〜6.3重量%、特に好ましくは3.0〜6.1重
量%の量で、しかも、上記の無機物の総量100重量部
中に1.8重量部以上、好ましくは3.5重量部以上の量
で含まれていることが望ましい。
【0028】また、無機バインダと有機バインダとは合
計で5〜20重量%、好ましくは7〜17重量%の量
で、無機繊維と有機繊維とは合計で3〜20重量%、好
ましくは5〜15重量%の量で非石綿系フィラー材中に
含まれていることが望ましい。
【0029】また、有機繊維は1.65〜13.7重量
%、好ましくは2〜9.7重量%の量で非石綿フィラー
材中に含まれていることが望ましい。この無機繊維と無
機バインダと無機充填剤とからなる無機物が上記のよう
な総量で含まれた非石綿フィラー材は、高温下での気密
性に優れている。なお、無機物含有量が75重量%より
少ない非石綿フィラー材では、高温下で非石綿フィラー
材中の有機物が分解され、減量が著しくなり、バインダ
の目づめ効果がなくなる。このため、このような非石綿
フィラー材を有するガスケットでは、フィラー部分にお
ける内部流体の浸透漏洩量が増大し、気密性が低下す
る。しかも、上記無機繊維が、この無機物総量100重
量部中に、1.8重量部以上の量で含まれた非石綿フィ
ラー材は、高温下での非石綿フィラー材の粉体化を阻止
し、振動・衝撃によるフィラー材の脱落を抑制すること
が可能となる。すなわち、このような量で無機繊維が含
まれた非石綿フィラー材は、高温下における形状保持性
に極めて優れ、高温下にうず巻形ガスケットのシール部
位に振動・衝撃等が加わった場合にも、無機物等はフー
プから脱落しにくく、急激なシール不良につながりにく
い。
【0030】また、無機繊維が、非石綿フィラー材10
0重量%中に6.3重量%以下の量で含まれてなる非石
綿フィラー材では、繊維間の空隙(空孔)を通じた浸透
漏洩量も少なく、その可撓性が低下することもない。従
って、このようなフィラー材を用いてなるうず巻形ガス
ケットでは、くせ付けされたフィラー材の山とフープの
谷とは密着し、常温下での気密性に優れている。
【0031】またこの非石綿フィラー材においては、上
記のように無機繊維量を限定し、結果として無機充填剤
の配合量を多くしたことにより、一般的な石綿フィラー
よりも可撓性に優れ、常温気密性に優れているが、無機
繊維量が上記範囲を超えると、フィラー材の可撓性が低
下し、繊維間の空隙(空孔)率が高くなり、空孔を通る
浸透漏洩により、常温気密性が低下する。
【0032】また、上記のように無機繊維と有機繊維と
が合計で3〜20重量%の量で含まれた非石綿フィラー
材は、フィラー材製造時に必要な強度およびうず巻形ガ
スケット製造時に必要な強度を有している。しかもこの
非石綿フィラー材を有するうず巻形ガスケットでは、常
温時のシール性にも優れ、高温下に使用してもその熱減
量により、気密性を損なうものではない。
【0033】非石綿フィラー材の製造 このようなうず巻形ガスケット用の非石綿フィラー材
は、抄紙法など従来公知の方法にて製造することがで
き、例えば、抄紙法にて非石綿フィラー材を製造するに
は下記のようにすればよい。
【0034】まず、ハイドラパルパーまたはヒータを用
いて所定量の有機繊維、無機繊維および無機充填剤を水
中に分散させた後、所定量の有機・無機バインダと必要
により加硫剤、加硫促進剤、撥水剤等の各種副資材を添
加してスラリー濃度を適宜調整し、次いで、必要により
定着剤を添加し、有機・無機バインダを上記繊維状物、
無機充填剤等に付着させたのち、得られたスラリー状物
をチェストへ、次いで抄紙機へと順次導き、非石綿フィ
ラー材用シートを得る。なお、必要により、抄紙段階で
凝集剤を用いることにより、スラリーの均一な分散性を
保持しつつ、抄紙可能な濃度に希釈して抄紙してもよ
い。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るうず巻形ガスケット用の非
石綿フィラー材は、高温下における形状保持性に優れ、
低温から高温までの広い温度範囲において気密性に優
れ、汎用性に優れ、高温高圧用として好適である。
【0036】
【実施例】以下、本願発明に係るうず巻形ガスケット用
のフィラー材についてさらに具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例により何等限定されるものではな
い。
【0037】
【実施例1、比較例1〜2、参考例1】本発明に係る非
石綿フィラー材(実施例1)、従来品の例(比較例1〜
2)、並びに参考例1を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1によれば、無機繊維配合量の多い比較
例1、参考例1に示すフィラー材は、剛直で可撓性に欠
け、常温時の気密性能は低い。しかし、無機物及び無機
繊維量が多いため、高温下における気密性能の低下は少
なく、また、フィラー材も形状を保持し、フープから脱
落することはない。
【0040】一方、比較例2に示すフィラー材は、無機
繊維を含まず、可撓性に優れ、常温での気密性は参考例
1より良好であるが、耐熱性に乏しく、高温下での気密
性能の低下が著しい。しかも、比較例2に示すフィラー
材は、フープから一部脱落していることが試験後認めら
れた。
【0041】これら比較例1〜2、参考例1に対し、実
施例1に示す本発明に係る非石綿フィラー材は、可撓性
に優れ、常温下においては、比較例2と同等の気密性能
を有し、かつ高温下においても、比較例1、参考例1と
同等の気密性能を推持した。また本発明に係る非石綿フ
ィラー材は、高温下においても形状を保持し、比較例2
のようなフープからの脱落は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来例に係るうず巻形ガスケットを示
す一部切欠断面図である。
【図2】図2は、図1に示す従来例に係るうず巻形ガス
ケットの一部拡大断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機繊維、有機繊維、無機充填剤、無機バ
    インダおよび有機バインダからなる非石綿フィラー材に
    おいて、 無機繊維と無機充填剤と無機バインダからなる無機物
    は、合計で75〜95重量%の量で、 無機繊維は、6.3重量%以下の量で、かつ上記無機物
    総量100重量部中に1.8重量部以上の量で、 無機繊維と有機繊維とは、合計で3〜20重量%の量
    で、 無機バインダと有機バインダとは、合計で5〜20重量
    %の量で含まれていることを特徴とするうず巻形ガスケ
    ット用の非石綿フィラー材。
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