JPH10231110A - 膨張黒鉛シート及びそれを用いたグランドパッキン - Google Patents

膨張黒鉛シート及びそれを用いたグランドパッキン

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JPH10231110A
JPH10231110A JP9039029A JP3902997A JPH10231110A JP H10231110 A JPH10231110 A JP H10231110A JP 9039029 A JP9039029 A JP 9039029A JP 3902997 A JP3902997 A JP 3902997A JP H10231110 A JPH10231110 A JP H10231110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤として機能する水の含有率が高くて摩
擦係数および摺動抵抗の著しい低減を図れるとともに、
その低減機能を長時間に亘って保持することができ、ま
た非常に優れたシール性能を確保できるようにする。 【解決手段】 膨張黒鉛粒子2aを加圧して互いに一体
化してなる膨張黒鉛基材1Aに、密度1に対して1〜3
0重量%の水を含有させて膨張黒鉛シート1を形成す
る。そして、この膨張黒鉛シート1を素材としてリング
状のグランドパッキン51を構成する、あるいは紐状で
その内外いずれかを繊維や金属線で補強してなる複合シ
ール材をつくり、これを編組もしくはひねり加工してグ
ランドパッキン53〜55を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばガスケッ
ト、Vリング、バルブシート等の各種シール材、ベアリ
ング等の摺動材、さらには高温用断熱材、農業用資材お
よび土木工事用資材などとして使用される膨張黒鉛シー
ト及びその膨張黒鉛シートを素材として構成され各種流
体機器の軸封、主として水や蒸気の潤滑条件下で使用さ
れるグランドパッキンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】膨張黒鉛は、各種シール材等の構成材料
として一般的に用いられていた四弗化エチレン樹脂(P
TFE、PTA等)やゴムなどに比べて耐熱性に優れて
いることから近年各種シール材等として多用されてい
る。ところで、従来から一般に使用されている膨張黒鉛
シートは、その含有水分率が0.1〜0.5%程度と低
く、また、この膨張黒鉛シートは膨張させた黒鉛粒子を
プレス成形やロール成形により加圧して拡開した蛇腹状
の層間を再び密着させることで、膨張黒鉛粒子を相互に
自己接着してシート状に製造されるものであるから、そ
の表層は稠密でかつ撥水性を有し、使用態様において表
層から吸水、吸湿することもない。そのために、このよ
うな膨張黒鉛シートから構成される各種シール材等は乾
燥(ドライ)状態で使用されることが多く、表1でも明
らかなように、PTFEなどと比べても高い摩擦係数を
呈する。それゆえに、特に、膨張黒鉛シートを素材とす
る流体機器の軸封用グランドパッキンの場合は摺動抵抗
が非常に大きく、これが動力ロスやパッキン寿命の低下
につながる。これを避けるために、従来から一般に使用
されている膨張黒鉛シートを素材とするグランドパッキ
ンにおいては、油や固体潤滑剤を含浸したり、その内周
面あるいは軸表面に油や固体潤滑剤を塗布したりして、
摺動抵抗を低減させる手段が採用されていた。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように油や固体潤滑剤の含浸、あるいは、塗布手段を採
用する場合は、高温条件下では油の分解による摩擦係数
および摺動抵抗の増加、油の流出による環境汚染、グラ
ンドパッキンの強度低下を招くという問題があった。
【0005】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、潤滑剤として機能する水の含有率が高くて摩
擦係数および摺動抵抗の著しい低減を図ることができと
ともに、その低減機能を長時間に亘って保持することが
でき、また非常に優れたシール性能を確保することがで
きる膨張黒鉛シート及びそれを用いたグランドパッキン
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る膨張黒鉛シートは、膨
張させた黒鉛粒子を加圧して互いに一体化してなる膨張
黒鉛基材に、密度1に対して1〜30重量%の水が含ま
れていることを特徴とするものであり、好ましくは、請
求項2に記載のように、膨張黒鉛基材の含有水分率を1
〜20重量%としたものである。
【0007】上記請求項1,2に記載の発明によれば、
膨張黒鉛基材自体が潤滑剤として機能する水を多く含有
しているので、この膨張黒鉛シートから構成される各種
シール材等の使用態様においてその内部の含有水により
境界潤滑に近い摩擦状態が作り出されることになり、表
1から明らかなように、その摩擦係数を従来の乾燥(ド
ライ)状態の摩擦係数よりも一桁程度低減させることが
可能となり、従来の油等の含浸や塗布手段の場合にみら
れる高温条件下で使用時における油分解に伴う特性劣化
や油汚染などの問題を全く発生することがない。また、
含有水分率が高いことによる膨張黒鉛基材自体の膨潤作
用によってシール面圧も高く、低い締付け圧力によって
も優れたシール性能を確保することが可能となる。
【0008】上記請求項1または2に記載の発明に係る
膨張黒鉛シートにおいて、請求項3に記載のように、上
記膨張黒鉛基材に水と共に親水性樹脂や界面活性剤など
の親水性を有する物質を10重量%以下含有させる場合
は、高温条件下での使用においても初期の含有水分率を
保持させることが可能で、上述の摩擦係数低減機能を長
時間に亘って確保することができるとともに、耐水圧特
性の向上も図ることができる。
【0009】また、請求項4に記載の発明に係るグラン
ドパッキンは、膨張させた黒鉛粒子を加圧して互いに一
体化してなる膨張黒鉛基材に、密度1に対して1〜30
重量%の水が含まれている膨張黒鉛シートを素材として
構成されていることを特徴とするものであり、好ましく
は、請求項5に記載のように、膨張黒鉛シートの含有水
分率を1〜20重量%としたものである。
【0010】上記請求項4,5に記載の発明によれば、
素材となる膨張黒鉛シートの基材自体が潤滑剤として機
能する水を多く含有しているので、この膨張黒鉛シート
から構成されるグランドパッキンの使用態様において軸
との間に境界潤滑に近い摩擦状態が作り出されることに
なり、含有水分率の低い(0.1〜0.5%程度)膨張
黒鉛シートを素材として構成されていた従来のグランド
パッキンに比べて摩擦係数を因子とする摺動抵抗係数を
著しく低減させて軸摺動特性の向上を図ることが可能と
なる。また、含有水分率が高いことによる膨張黒鉛シー
ト自体の膨潤作用によってシール面圧も高くなり、低い
締付け圧力によっても優れたシール性能を確保すること
が可能となる。
【0011】上記請求項4または5に記載の発明に係る
グランドパッキンにおいて、請求項6に記載のように、
上記膨張黒鉛シートに水と共に親水性樹脂や界面活性剤
などの親水性を有する物質を10重量%以下含有させる
場合は、高温条件下での使用においても初期の含有水分
率を保持させることが可能で、上述のような優れた軸摺
動特性を長時間に亘って確保することができるととも
に、耐水圧特性の向上も図ることができる。
【0012】上記請求項4ないし6のいずれかに記載の
発明に係るグランドパッキンにおいて、請求項7に記載
のように、膨張黒鉛シートを適当幅のテープ状に形成
し、このテープ状膨張黒鉛シートを渦巻き状に巻き重ね
てリング状の形態に成形する場合は、プレス成形手段の
採用によって多種寸法のものを簡単に作成することが可
能であり、また、ここで、請求項8に記載のように、上
記テープ状膨張黒鉛シートを軸との摺動部となる内周部
にのみ使用し、その他の外周部には含有水分率の低いテ
ープ状膨張黒鉛シートを使用することにより、グランド
パッキン全体として高い強度を保ちつつ、摺動抵抗係数
を低減することが可能となる。
【0013】さらに、上記請求項4ないし6のいずれか
に記載の発明に係るグランドパッキンにおいて、請求項
9に記載のように、上記膨張黒鉛シートの内部または外
周部の少なくとも一方が繊維もしくは金属線で補強され
ている紐状体を編組もしくはひねり加工して形成する場
合は、摺動抵抗係数の低減機能のほかに、特に繊維もし
くは金属線による内部補強構造を採用することで、親水
性を有する物質が接着作用を奏することになり、ひねり
強度を向上して編組もしくはひねり加工時に作用する複
雑な応力に対しても紐状体が不測に破断されることがな
く、所定の編組グランドパッキンを確実に作製すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は膨張黒鉛シートの一部断
面斜視図であり、この膨張黒鉛シート1は、図2に示す
ように、鱗片状の黒鉛粒子2aが積層状態となっている
厚さHo の酸処理黒鉛2Aを膨張処理することにより、
図3に示すように、上記積層方向(矢印a方向)に拡開
されて黒鉛粒子2aの各間にすきまGを有する厚さH
(5mm〜10mm程度)の蛇腹状の構造体をプレス成
形やロール成形により加圧して拡開した蛇腹状の層間を
再び密着させることで膨張黒鉛粒子2aを相互に自己接
着によりシート状に一体化させた基材1Aの表裏両面1
Bの全域を、例えば粒径が10〜20μmのSiCなど
の研磨材を用いたマイクロブラスト加工等によって水に
対する接触角が80°以下になるまで除去処理した後、
その表裏両面1Bから水、または、水とポリエチレング
リコール等の親水性樹脂あるいは珪酸ソーダ等の親水性
無機物の水溶液とを密度1に対して1〜30重量%、好
ましくは、1〜20重量%含浸させてなるものである。
【0015】なお、膨張黒鉛シート1の水分含有率は、
シート1全体に対する水の重量比であり、一般に次式で
表される。 水分含有率=(水の含浸後重量−含浸前重量)/含浸後
重量×100
【0016】次に、上記のように作製された膨張黒鉛シ
ート1を素材として構成されるグランドパッキンの実施
例ついて説明する。 実施例1:このグランドパッキン51は、図4に示すよ
うに、水を20重量%含有させて適当幅のテープ状に形
成された膨張黒鉛シート1を内周の2巻分として使用
し、その他の外周巻き部分は水を0.2重量%含有させ
て上記テープ状膨張黒鉛シート1と同幅のテープ状に形
成された膨張黒鉛シート4を使用し、これら内外のテー
プ状膨張黒鉛シート1,4を重合し渦巻状に巻き重ねた
後、リング状にプレス成形したものである。
【0017】上記実施例1のグランドパッキン51の摺
動抵抗係数Kμを測定した試験結果を従来品と比較して
表2に示す。ここで、比較例となる従来品は、水を0.
5重量%含有する膨張黒鉛シートを用いて本実施例1と
同様にリング状に成形したグランドパッキンを試料とし
ている。上記の試験条件は表3に示すとおりであり、ま
た、表2に記した摺動抵抗係数Kμ値はグランドパッキ
ンの締付圧が200kgf/cm2 〜500kgf/c
2 での平均値である。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】なお、上記の摺動抵抗係数Kμは、単位面
積当りの摺動抵抗を初期締付圧で除した値で、グランド
パッキンの側圧係数K(応力変換係数)と摩擦係数μに
関するグランドパッキン固有の値であり、次式で定義さ
れるものである。 Kμ=R/(π×d×L×Pg) ここで、R:単位面積当りの摺動抵抗(kgf) d:弁棒径(cm) L:グランドパッキン接触長さ(cm) Pg:グランドパッキン締付圧(kgf/cm2
【0021】上記の表2からも明らかなように、実施例
1のグランドパッキン51の摺動抵抗係数Kμは従来品
に比べて約(1/3)程度に低減されている。
【0022】実施例2:このグランドパッキンは、水を
3重量%及び親水性樹脂としてポリエチレングリコール
を2.5重量%含有させて適当幅のテープ状に形成され
た膨張黒鉛シート1を内周の2巻分として使用し、その
他の外周巻き部分は水を0.2重量%含有させて上記テ
ープ状膨張黒鉛シート1と同幅のテープ状に形成された
膨張黒鉛シート4を使用し、これら内外のテープ状膨張
黒鉛シート1,4を重合し渦巻状に巻き重ねた後、リン
グ状にプレス成形したものである。
【0023】上記実施例2のグランドパッキンの耐水圧
特性を測定した試験結果を従来品と比較して表4に示
す。ここで、比較例となる従来品は、水を0.5重量%
以下含有する膨張黒鉛シートを用いて本実施例2と同様
にリング状に成形したグランドパッキンを試料としてい
る。上記の試験条件は表5に示すとおりである。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】上記の表4からも明らかなように、実施例
2のグランドパッキン52は実用締付圧の範囲において
従来品に比べて漏出し圧力(水圧)が格段に高く、それ
だけ軸封性能に優れていることを示している。
【0027】実施例3:このグランドパッキン53は、
水を3重量%及び親水性樹脂としてポリエチレングリコ
ールを2.5重量%含有させた膨張黒鉛シート1を細幅
に切断し、その細幅切断膨張黒鉛シート1の複数本を集
束してそれらの外周をPTFE等の補強繊維6で被覆し
てなる図5に示すような紐状の複合シール材7を編組し
て形成されたものである。
【0028】実施例4:このグランドパッキン54は、
上記実施例3に示した膨張黒鉛シート1を波状に折畳
み、その折畳み部にステンレス線などの金属線8を挿入
して補強してなる図6に示すような紐状の複合シール材
9を編組して形成されたものである。
【0029】実施例5:このグランドパッキン55は、
上記実施例3に示した膨張黒鉛シート1の二枚をラミネ
ートし、その貼り合わせ部にガラス繊維などの補強繊維
10を挟持挿入してなる図7に示すような紐状の複合シ
ール材11を編組もしくはひねり加工して形成されたも
のである。
【0030】上記実施例3〜5に示したように、膨張黒
鉛シート1の内部または外周部の少なくとも一方が繊維
6,10あるいは金属線8で補強されている紐状の複合
シール材7,9,11を編組もしくはひねり加工して形
成されたグランドパッキンは、いずれも摺動抵抗係数の
低減機能のほかに強度が高くなる。特に繊維もしくは金
属線による内部補強構造を採用することで、含有水や含
有親水性物質が接着作用を奏することになり、ひねり強
度を向上して編組もしくはひねり加工時に作用する複雑
な応力に対しても紐状の複合シール材が不測に破断され
ることがなく、所定の編組グランドパッキンを確実に作
製することができる。
【0031】図8(A)(B)は、密度1.0g/cm
3 、厚み0.38mm、幅16mmのテープ状の膨張黒
鉛シート1の表裏両面をブラスト加工により除去処理
(処理率4.1%)した後、100mmの長さに切断し
た各試料を表6に示すような分散剤に30分浸し、その
後、表面の余分な含浸液をウェスで除去してリング状の
グランドパッキン(寸法:内径19mm×外径32×厚
み6.5mm)を成形し、この成形グランドパッキンを
試料として表7に示す試験条件のもとで水保持性の確認
試験を行なった結果を示す。
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】上記図8の試験結果からも明らかなよう
に、本発明の膨張黒鉛シート及びそれを用いて構成され
たグランドパッキンは、高温条件下での使用においても
長時間に亘って高い水分含有率を保持していることが分
かる。
【0035】なお、上記実施形態および各実施例におい
ては、膨張黒鉛シートに1〜30重量%(好ましくは1
〜20重量%)の水分含有率を持たせる手段として、該
膨張黒鉛シートの表裏面を水に対する接触角が80°以
下になるように除去処理した上、その表裏面から水また
は水および親水性物質を含浸させる手段を採用したが、
これ以外に、膨張黒鉛シートの加圧成形前に上記重量%
の水または水および親水性物質を含ませておいてもよ
い。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2に記載の発
明によれば、膨張黒鉛基材自体が潤滑剤として機能する
水を多く含有しているので、この膨張黒鉛シートから構
成される各種シール材等の使用態様においてその内部の
含有水により境界潤滑に近い摩擦状態を作り出すことが
可能で、その摩擦係数を従来の乾燥(ドライ)状態の摩
擦係数よりも一桁程度低減させることができる。したが
って、従来の油等の含浸や塗布手段の場合にみられる高
温条件下で使用時における油分解に伴う特性劣化や油汚
染などの問題を解消できるとともに、含有水分率が高い
ことによる膨張黒鉛基材自体の膨潤作用によってシール
面圧も高くなり、低い締付け圧力でも優れたシール性能
を確保することができるという効果を奏する。
【0037】また、上記の膨張黒鉛シートにおいて、請
求項3に記載のように、膨張黒鉛基材に水と共に親水性
樹脂や界面活性剤などの親水性を有する物質を10重量
%以下含有させることによって、高温条件下での使用に
おいても初期の含有水分率を保持させることが可能で、
上述の摩擦係数低減機能を長時間に亘って確保すること
ができるとともに、耐水圧特性の向上も図ることができ
る。
【0038】また、請求項4,5に記載の発明によれ
ば、グランドパッキンの素材となる膨張黒鉛シートの基
材自体が潤滑剤として機能する水を多く含有しているの
で、該グランドパッキンの使用態様において軸との間に
境界潤滑に近い摩擦状態を作り出して、摩擦係数を因子
とする摺動抵抗係数を従来の膨張黒鉛製グランドパッキ
ンに比べて著しく低減させて軸摺動特性の著しいい向上
を図ることができる。また、含有水分率が高いことによ
る膨張黒鉛シート自体の膨潤作用によってシール面圧も
高くなり、低い締付け圧力によっても優れたシール性能
を確保することができるという効果を奏する。
【0039】また、上記のグランドパッキンにおいて、
請求項6に記載のように、膨張黒鉛シートに水と共に親
水性樹脂や界面活性剤などの親水性を有する物質を10
重量%以下含有させることにより、高温条件下での使用
においても初期の含有水分率を保持させることが可能
で、上述のような優れた軸摺動特性を長時間に亘って確
保することができるとともに、耐水圧特性の向上も図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による膨張黒鉛シートの一
部断面斜視図である。
【図2】酸処理黒鉛粒子の膨張前の状態を示す拡大斜視
図である。
【図3】膨張黒鉛粒子を示す拡大斜視図である。
【図4】本発明の膨張黒鉛シートを用いて構成された実
施例1のグランドパッキンを示す一部切欠き斜視図であ
る。
【図5】本発明の膨張黒鉛シートを用いて構成された実
施例3のグランドパッキンを示す一部切欠き斜視図であ
る。
【図6】本発明の膨張黒鉛シートを用いて構成された実
施例4のグランドパッキンを示す一部切欠き斜視図であ
る。
【図7】本発明の膨張黒鉛シートを用いて構成された実
施例5のグランドパッキンを示す一部切欠き斜視図であ
る。
【図8】(A)(B)は本発明の膨張黒鉛シートを用い
て形成されるグランドバッキンを試料として水保持性の
確認試験を行なった結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 膨張黒鉛シート 1A 膨張黒鉛基材 2a 黒鉛粒子 6,10 補強繊維 7,9,11 紐状複合シール材 8 金属線 51,53,54,55 グランドパッキン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨張させた黒鉛粒子を加圧して互いに一
    体化してなる膨張黒鉛基材に、密度1に対して1〜30
    重量%の水が含まれていることを特徴とする膨張黒鉛シ
    ート。
  2. 【請求項2】 上記膨張黒鉛基材の含有水分率が、密度
    1に対して1〜20重量%である請求項1に記載の膨張
    黒鉛シート。
  3. 【請求項3】 上記膨張黒鉛基材には、水と共に親水性
    樹脂や界面活性剤などの親水性を有する物質が10重量
    %以下含有されている請求項1または2に記載の膨張黒
    鉛シート。
  4. 【請求項4】 膨張させた黒鉛粒子を加圧して互いに一
    体化してなる膨張黒鉛基材に、密度1に対して1〜30
    重量%の水が含まれている膨張黒鉛シートを素材として
    構成されていることを特徴とするグランドパッキン。
  5. 【請求項5】 上記膨張黒鉛シートの含有水分率が、密
    度1に対して1〜20重量%である請求項4に記載のグ
    ランドパッキン。
  6. 【請求項6】 上記膨張黒鉛シートには、水と共に親水
    性樹脂や界面活性剤などの親水性を有する物質が10重
    量%以下含有されている請求項4または5に記載のグラ
    ンドパッキン。
  7. 【請求項7】 上記膨張黒鉛シートが適当幅のテープ状
    に形成されており、このテープ状膨張黒鉛シートを渦巻
    き状に巻き重ねてリング状の形態に成形してなる請求項
    4ないし6のいずれかに記載のグランドパッキン。
  8. 【請求項8】 上記膨張黒鉛シートを内周部にのみ使用
    してなる請求項7に記載のグランドパッキン。
  9. 【請求項9】 上記膨張黒鉛シートの内部または外周部
    の少なくとも一方が繊維もしくは金属線で補強されてい
    る紐状体を編組もしくはひねり加工して形成されている
    請求項4ないし6のいずれかに記載のグランドパッキ
    ン。
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