JPH05263946A - グランドパッキン - Google Patents

グランドパッキン

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JPH05263946A
JPH05263946A JP4063616A JP6361692A JPH05263946A JP H05263946 A JPH05263946 A JP H05263946A JP 4063616 A JP4063616 A JP 4063616A JP 6361692 A JP6361692 A JP 6361692A JP H05263946 A JPH05263946 A JP H05263946A
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fibers
average fiber
fiber diameter
gland packing
core material
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Katsushi Okada
田 勝 志 岡
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組材と
を具備するグランドパッキンにおいて、上記中心材およ
び/または表面編組材が、平均繊維径の異なる少なくと
も2種以上の繊維が混紡されてなり、かつ、上記2種以
上の繊維のうち平均繊維径が最も太いものの平均繊維径
(D1)と、平均繊維径が最も細いものの平均繊維径
(D2)との比(D1/D2)が2/1以上であることを
特徴とするグランドパッキン。 平均繊維径の異なる2
種以上の繊維が、金属繊維と無機繊維である上記グラン
ドパッキン。 表面編組材が窒化硼素を含む表面潤滑剤
で被覆されてなる上記のグランドパッキン。 【効果】 高温高圧条件下においても優れたシール性を
有し、しかもバルブの操作性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、グランドパッキンに関
し、さらに詳しくは、高温高圧用途に好適に使用される
グランドパッキンに関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から高温高圧用のグランドパ
ッキンとして、例えば、石綿糸を数本ないし数十本束ね
るか、あるいは石綿、潤滑剤、バインダーを混練して、
押し出し又はプレスによって成形したものを中芯とし、
その表面を直径0.15〜0.2mm程度の金属線と撚り
合わせた3P石綿糸で表面を袋編みして、さらにその表
面を黒鉛で処理した構成のグランドパッキンが知られて
いる。しかし、石綿は塵肺等の問題を起こし環境衛生上
好ましくないため、このようなグランドパッキンは最近
ではその使用が制限されている。
【0003】これに代わるものとして、直径0.15m
mのステンレス鋼線を2〜3本補強用に入れたセラミッ
ク繊維を8打角編みしたものを中芯とし、その表面を金
属繊維で16打袋編みして、さらにその表面を黒鉛、潤
滑油、フェノール樹脂、NBR(アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合ゴム)で目詰め処理した構成のグランド
パッキン、あるいは数mm幅にスリットして重ねた膨張
黒鉛テープを中芯とし、その表面を金属繊維で袋編みし
て、さらにその表面を黒鉛、潤滑剤、防蝕剤で処理した
構成のグランドパッキン等が知られている。
【0004】このような従来から知られている高温高圧
用非石綿グランドパッキンに使用されている金属繊維
は、何れも繊維径が10μm以上であり、石綿の繊維径
(0.15〜0.3μm)の数10倍程度の太さであり、
石綿と比較した場合、繊維間の隙間が粗くなり、充填
剤、潤滑剤の保持性能が低下する。そのうえ、繊維が太
いため、繊維を引っ張った場合に抜けによる破断が発生
し、高圧が負荷された場合にシール性が低下することが
ある。
【0005】また、従来から知られている高温高圧用グ
ランドパッキン表面の潤滑剤としては黒鉛が使用されて
いる。黒鉛は摩擦抵抗が低く潤滑剤として優れている
が、400℃近辺より焼損し始めるため、それ以上の温
度領域では、バルブステムとの接面の状態が不安定にな
り、接面漏洩が発生してシール材としての機能を果たさ
なくなることがあり、そのうえバルブの操作トルクも上
昇してしまうという問題が発生する。また、中芯材とし
て膨張黒鉛を使用した場合も、黒鉛は400℃近辺より
焼損し始めるため、高温領域ではシール性が低下する。
【0006】さらに、黒鉛質の素材は、電気の良導体で
あるため、バルブのステム等に使用されているステンレ
ス鋼との接触でガルバニック電池を形成する。このとき
ハロゲンイオン等が存在すると、隙間の溶存酸素は黒鉛
電極側での還元反応によって消費され、同時にステンレ
ス鋼表面にハロゲンイオンが泳動し、被膜欠損部を局部
破壊することとなる。そのため、従来の高温高圧用グラ
ンドパッキンでは、バルブステムの腐蝕を抑制するため
に、製品表面に防蝕剤を含浸しているが、そのためさら
に高温で焼損する量が増加してシール性に悪影響を及ぼ
してしまう。また、グランドパッキンが未使用の状態で
も長期間にわたって保管された場合や、短期間でも保管
状態が悪い場合には防蝕剤が劣化して防蝕効果が低下す
ることがある。このような問題を解決するために、潤滑
材としてマイカを使用したグランドパッキンがあるが、
マイカの摩擦係数は黒鉛に比べて非常に高く、バルブの
操作性が低下するという問題を有する。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたものであって、高温、高圧条件下におい
ても、シール性の低下が少なく、応力緩和が少なく、か
つ、バルブステムとの接面での腐蝕が発生し難く、しか
もバルブの操作性に優れる非石綿グランドパッキンを提
供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る第1のグランドパッキン
は、中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組材とを具備
するグランドパッキンにおいて、上記中芯材が、平均繊
維径の異なる少なくとも2種以上の繊維が混紡されてな
り、上記2種以上の繊維のうち平均繊維径が最も太いも
のの平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いもの
の平均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以上
であることを特徴としている。
【0009】本発明に係る第2のグランドパッキンは、
中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組材とを具備する
グランドパッキンにおいて、上記表面編組材が、平均繊
維径の異なる少なくとも2種以上の繊維が混紡されてな
り、上記2種以上の繊維のうち平均繊維径が最も太いも
のの平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いもの
の平均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以上
であることを特徴としている。
【0010】本発明に係る第3のグランドパッキンは、
中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組材とを具備する
グランドパッキンにおいて、上記中芯材および表面編組
材が、平均繊維径の異なる少なくとも2種以上の繊維が
混紡されてなり、上記2種以上の繊維のうち平均繊維径
が最も太いものの平均繊維径(D1)と、平均繊維径が
最も細いものの平均繊維径(D2)との比(D1/D2
が2/1以上であることを特徴としている。
【0011】本発明では、上記少なくとも2種以上の繊
維は、金属繊維と無機繊維であることが好ましい。本発
明に係るグランドパッキンにおいては、表面編組材が、
窒化硼素またはタルクを主成分とする表面潤滑剤で被覆
されてなることが好ましい。
【0012】このような本発明に係るグランドパッキン
は、高温高圧条件下においても優れたシール性を有し、
しかもバルブの操作性に優れている。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、図面を参照して本発明に係
るグランドパッキンの一実施例について具体的に説明す
る。
【0014】図1は本発明に係るグランドパッキンの一
実施例を示す縦断面図である。図1に示すように、本発
明に係るグランドパッキンは、充填剤3と中芯材1とか
らなる中芯5と、この中芯5を囲繞する表面編組材2お
よび表面編組材2を被覆する表面潤滑剤4とからなって
いる。
【0015】本発明に係る第1および第3のグランドパ
ッキンでは、中芯材1は、平均繊維径の異なる2種以上
の繊維が混紡されてなり、かつ、上記2種以上の繊維の
うち平均繊維径が最も太いものの平均繊維径(D1
と、平均繊維径が最も細いものの平均繊維径(D2)と
の比(D1/D2)が2/1以上であるものが用いられ
る。中芯材1に用いられる繊維としては、酸化性雰囲気
中の耐熱温度が600℃以上の繊維を用いることが好ま
しく、具体的には、SUS304、SUS316等のス
テンレス、チタン合金、ニッケル合金からなる繊維等の
金属繊維、セピオライト、イビウールTM、ロックウー
ル、アルミナ繊維、シリカ繊維等のSiO2、MgOま
たはAl23 を主成分とする天然あるいは人工の無機
繊維が挙げられる。これらの繊維の平均繊維径は10μ
m以下であることが好ましい。
【0016】ここで、繊維の酸化性雰囲気中の耐熱温度
が600℃以上であるとは、空気中での分解温度または
酸化開始温度が600℃以上であることを意味する。中
芯材1は、上記のような繊維から選ばれる平均繊維径の
異なる少なくとも2種以上の繊維を混紡したものであ
る。平均繊維径の異なる少なくとも2種以上の繊維は、
そのうち平均繊維径が最も太いものの平均繊維径
(D1)と、平均繊維径が最も細いものの平均繊維径
(D2)との比(D1/D2)が2/1以上、好ましくは
3/1〜10/1程度であることが望ましい。
【0017】中芯材1は、金属繊維と無機繊維とを混紡
することが好ましく、平均繊維径の比(金属繊維/無機
繊維)が2/1以上であるような、平均繊維径が10μ
m以下の金属繊維と平均繊維径が5μm以下の無機繊維
とを混紡することがより好ましい。
【0018】繊維径の異なる少なくとも2種以上の繊維
を混紡することにより、繊維間の隙間を小さくすること
ができ、浸透漏洩の防止および充填剤の保持性能の向上
を図ることができる。また、得られた芯材繊維は弾性に
優れ、しかも、繊維を引っ張った場合に抜けによる破断
が発生しにくい。
【0019】2種の繊維の混紡比、すなわち平均繊維径
が太い繊維(F1)と平均繊維径が細い繊維(F2)との
混紡比は、金属繊維同士または無機繊維同士を組み合わ
せる場合は重量比(F1:F2)で1:9〜9:1、好ま
しくは3:7〜7:3であることが望ましく、金属繊維
と無機繊維とを組み合わせる場合は重量比(F1:F2
で2:8〜8:2、好ましくは6:4〜8:2であるこ
とが望ましい。繊維径の異なる3種以上の繊維を組み合
わせる場合には、各繊維の混紡比率は任意であるが、何
れの繊維も中芯材1の重量を基準として90重量%以上
の割合で用いられることはなく、また5重量%以下の量
で用いられることはない。
【0020】上記のような中芯材1には充填剤3が含浸
されている。充填剤3は、粉末状の固形充填剤からなる
か、または粉末状の固形充填剤と充填剤バインダとから
なっている。固形充填剤としては、空気中での耐熱温度
が600℃以上であるような粉末状のもの、例えばマイ
カ、クレー、シリカ、ワラストナイト、タルク等が用い
られる。固形充填剤は、平均粒子径が10μm以下のも
のが好ましく用いられる。
【0021】ここで、固形充填剤の空気中の耐熱温度が
600℃以上であるとは、空気中での分解温度または酸
化開始温度が600℃以上であることを意味する。充填
剤バインダとしては、SBR(スチレン−ブタジエンゴ
ム)等の各種ゴム及びシリコン系、エポキシ系、ポリウ
レタン系、アクリル系、フェノール系などのバインダが
用いられる。この場合充填剤バインダは、充填剤3の全
重量に対し1〜10%の量であることが好ましい。本発
明において充填剤3に含まれる固形充填材および充填剤
バインダは、2種以上混合して用いることもできる、ま
た充填剤3は、上記の固形充填剤および充填剤バインダ
以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0022】このような充填剤3は、中芯材1に対し1
0〜80重量%の量で含浸されていることが好ましい。
本発明に係る第2のグランドパッキンにおいては、中芯
材1は、従来公知のグランドパッキンに用いられている
ような、金属繊維または無機繊維の単糸を多数本合わせ
たもの、無機繊維に金属繊維を補強用に加えたもの、ま
たはそれらに充填剤を含浸させたもの、あるいは金属繊
維または無機繊維のチョップドファイバと充填剤等を少
量のバインダ等と混練し、押し出したもの、あるいはプ
レス成形によって成形されたもの等を用いることができ
る。
【0023】表面編組材2は、上記中芯5を囲繞するよ
うに編組されている。編組方法としては、従来よりグラ
ンドパッキンの編組方法として知られている八編み、袋
編み、格子編み等が挙げられる。
【0024】本発明に係る第2および第3のグランドパ
ッキンにおいては、表面編組材2には、前記中芯材1と
同様のものが用いられる。これらの繊維の平均繊維径は
10μm以下であることが好ましい。
【0025】表面編組材2は、前記のような繊維から選
ばれ、かつ平均繊維径の異なる少なくとも2種以上の繊
維を混紡したものが用いられる。繊維径の異なる少なく
とも2種以上の繊維は、そのうち平均繊維径が最も太い
ものの平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いも
のの平均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以
上、好ましくは3/1〜10/1程度であることが望ま
しい。
【0026】表面編組材2は、金属繊維と無機繊維とを
混紡することが好ましく、平均繊維径の比(金属繊維/
無機繊維)が2/1以上であるような、平均繊維径が1
0μm以下の金属繊維と平均繊維径が5μm以下の無機
繊維とを混紡することがより好ましい。
【0027】繊維径の異なる少なくとも2種以上の繊維
を混紡することにより、繊維間の隙間を小さくすること
ができ、浸透漏洩の防止および表面潤滑剤の保持性能の
向上を図ることができる。また、得られる表面編組材は
弾性に優れ、しかも繊維を引っ張った場合に抜けによる
破断が発生しにくい。
【0028】2種の繊維の混紡比、すなわち平均繊維径
が太い繊維(F1)と平均繊維径が細い繊維(F2)の混
紡比は、金属繊維同士または無機繊維同士を組み合わせ
る場合は重量比(F1:F2)で1:9〜9:1、好まし
くは3:7〜7:3であることが望ましく、金属繊維と
無機繊維とを組み合わせる場合は重量比(F1:F2)で
2:8〜8:2、好ましくは6:4〜8:2であること
が望ましい。繊維径の異なる3種以上の繊維を組み合わ
せる場合には、各繊維の混紡比率は任意であるが、何れ
の繊維も表面編組材2の重量を基準として90重量%以
上の割合で用いられることはなく、また5重量%以下の
量で用いられることはない。
【0029】本発明に係る第1のグランドパッキンにお
いては、表面編組材2として従来のグランドパッキンに
用いられているような、ほぼ単一の繊維径を有する金属
繊維からなる表面編組材、あるいはほぼ同一の繊維径を
有する金属繊維と無機繊維とからなる表面編組材を用い
ることができる。この場合、金属繊維の平均繊維径は3
〜10μmであることが好ましい。
【0030】本発明に係るグランドパッキンは、表面編
組材2が表面潤滑剤4によって被覆されている。表面潤
滑剤4は、固形潤滑剤と潤滑剤バインダとからなってい
ること好ましい。
【0031】固形潤滑剤としては、摩擦抵抗が低く、空
気中での耐熱温度が600℃以上であるような粉末状の
固形潤滑剤が好ましく用いられる。このような固形潤滑
剤としては、窒化硼素(BN〔六方晶系〕)、タルク等
が挙げられる。固形潤滑剤は、平均粒子径が1〜10μ
m程度のものが好ましく用いられる。
【0032】ここで、固形潤滑剤の空気中での耐熱温度
が600℃以上であるとは、空気中での分解温度または
酸化開始温度が600℃以上であることを意味する。な
お、グランドパッキンを400℃以下の温度条件で用い
る場合には、従来から固形潤滑剤として用いられている
黒鉛を用いることもできる。
【0033】潤滑剤バインダとしては、SBR(スチレ
ン−ブタジエンゴム)等の各種ゴム及びシリコン系、エ
ポキシ系、ポリウレタン系、アクリル系、フェノール系
などのバインダが挙げられる。このような表面潤滑剤4
では、固形潤滑剤は1重量%以上の量で、好ましくは5
0〜99重量%の量で含有されていること望ましく、潤
滑剤バインダは5〜20重量%の量で含有されているこ
とが望ましい。本発明において表面潤滑剤4に含まれる
固形潤滑材および潤滑剤バインダは、2種以上混合して
用いることもできる、また本発明で用いられる表面潤滑
剤4は、上記の固形潤滑剤および潤滑剤バインダ以外の
他の成分を含んでいてもよい。
【0034】このような表面潤滑剤4は、表面編組材2
の全重量に対し1〜20%の量で被覆されていることが
好ましい。以下、実施例に基づいて本発明に係るグラン
ドパッキンをさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】ステンレス繊維(繊維径:8μm)と無機
繊維(平均繊維径:2.1μm)とを、ステンレス繊維
/無機繊維比(重量)7/3で混紡した撚り糸に、充填
剤(タルク95重量%、SBR〔スチレン−ブタジエン
ゴム〕5重量%)を含浸させたものを中芯とし、その表
面を、中芯で用いたものと同様の金属繊維と無機繊維と
を混紡した撚り糸に、ステンレス繊維(繊維径:0.1
9mm)を補強用に混入した編み糸を袋編みに編組し、
さらにその表面を表面潤滑剤(窒化硼素80重量%、シ
リコンオイル10重量%、SBR10重量%)で被覆し
た構成のグランドパッキンを用いて、加熱温度と減量率
との関係を調べた(減量率が大きくなるほどシール性が
低下する)。結果を図2に示す。
【0036】第1表ないし第4表に実施例1で用いられ
たステンレス繊維、無機繊維、タルクおよび窒化硼素の
特性を示す。また、第5表に本実施例のグランドパッキ
ンの材料構成比を示す。
【0037】
【比較例1】直径0.15mmのステンレス鋼線を2〜
3本補強用に入れた無機繊維を8打角編みしたものを中
芯とし、その表面をステンレス繊維で16打袋編みし
て、さらにその表面を黒鉛、潤滑油、フェノール樹脂、
NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)で
目詰め処理した構成のグランドパッキンを用いて、実施
例1と同様にして、加熱温度と減量率との関係を調べ
た。結果を図2に示す。また、第6表に本比較例のグラ
ンドパッキンの材料構成比を示す。
【0038】
【比較例2】数mm幅にスリットして重ねた膨張黒鉛テ
ープを中芯とし、その表面をステンレス繊維で袋編みし
て、さらにその表面を黒鉛、潤滑剤、防蝕剤で処理した
構成のグランドパッキンを用いて、実施例1と同様にし
て、加熱温度と減量率との関係を調べた。結果を図2に
示す。また、第6表に本比較例のグランドパッキンの材
料構成比を示す。
【0039】図2に示すように、本発明のグランドパッ
キンは、減量率が極めて低く、特に500〜600℃の
範囲で比較例との差が顕著である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】本発明に係るグランドパッキンは、平均
繊維径の異なる少なくとも2種以上の繊維が混紡されて
なり、上記2種以上の繊維のうち平均繊維径が最も太い
ものの平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いも
のの平均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以
上である混紡繊維を、中芯材および/または表面編組材
として用いているので、繊維間の隙間を小さくすること
ができるため浸透漏洩を起こし難く、しかも強度に優れ
ている。
【0047】本発明では固形潤滑剤として耐熱性に優れ
た素材を用いると、高温高圧下においてもシール性が低
下することがなく、バルブの操作性にも優れている。ま
た、本発明で用いられる固形潤滑剤は、従来から固形潤
滑剤として用いられている黒鉛(電気比抵抗:1.3〜
2.5Ω・m)に比べて、電気抵抗率が高い(例えば窒
化硼素の電気比抵抗は1.0×1016Ω・m)ので、バ
ルブステムとの接面での電気的腐蝕が発生しシール性を
損なうことがなく、しかもこのような効果は低下するこ
とがない。
【0048】本発明のグランドパッキンは、耐熱性に優
れた素材から構成されているので、高温条件下における
減量率が少なく、高温高圧下において優れたシール性を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグランドパッキンの一実施例を示
す縦断面図である。
【図2】本発明に係るグランドパッキンと、従来のグラ
ンドパッキンの加熱温度と減量率との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 中芯材 2 表面編組材 3 充填剤 4 表面潤滑剤 5 中芯
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】さらに、黒鉛質の素材は、電気の良導体で
あるため、バルブのステム等に使用されているステンレ
ス鋼との接触でガルバニック電池を形成する。このとき
ハロゲンイオン等が存在すると、隙間の溶存酸素は黒鉛
電極側での還元反応によって消費され、同時にステンレ
ス鋼表面にハロゲンイオンが泳動し、不動態皮膜を局部
破壊することとなる。そのため、従来の高温高圧用グラ
ンドパッキンでは、バルブステムの腐蝕を抑制するため
に、製品表面に防蝕剤を含浸しているが、そのためさら
に高温で焼損する量が増加してシール性に悪影響を及ぼ
してしまう。また、グランドパッキンが未使用の状態で
も長期間にわたって保管された場合や、短期間でも保管
状態が悪い場合には防蝕剤が劣化して防蝕効果が低下す
ることがある。このような問題を解決するために、潤滑
材としてマイカを使用したグランドパッキンがあるが、
マイカの摩擦係数は黒鉛に比べて非常に高く、バルブの
操作性が低下するという問題を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明では、上記少なくとも2種以上の繊
維は、金属繊維と無機繊維であることが好ましい。本発
明に係るグランドパッキンにおいては、表面編組材が、
窒化硼素を主成分とする表面潤滑剤で被覆されてなるこ
とが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】本発明に係るグランドパッキンは、表面編
組材2が表面潤滑剤4によって被覆されている。表面潤
滑剤4は、固形潤滑剤と潤滑剤バインダとからなってい
ること好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】固形潤滑剤としては、摩擦抵抗が低く、空
気中での耐熱温度が600℃以上でなお且つ電気絶縁性
に優れた粉末状の固形潤滑剤が好ましく用いられる。こ
のような固形潤滑剤としては、六方晶系、斜方晶系の鉱
物等、例えば窒化硼素(BN〔六方晶系〕)等が挙げら
れる。固形潤滑剤は、平均粒子径が1〜10μm程度の
ものが好ましく用いられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】ここで、固形潤滑剤の空気中での耐熱温度
が600℃以上であるとは、空気中での分解温度または
酸化開始温度が600℃以上であることを意味し、電気
絶縁性に優れるとは、抵抗率が1.0×1010Ω・cm
以上であることを意味する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】
【表4】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組
    材とを具備するグランドパッキンにおいて、 上記中芯材が、平均繊維径の異なる少なくとも2種以上
    の繊維が混紡されてなり、かつ、 上記2種以上の繊維のうち平均繊維径が最も太いものの
    平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いものの平
    均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以上であ
    ることを特徴とするグランドパッキン。
  2. 【請求項2】 中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組
    材とを具備するグランドパッキンにおいて、 上記表面編組材が、平均繊維径の異なる少なくとも2種
    以上の繊維が混紡されてなり、かつ、 上記2種以上の繊維のうち平均繊維径が最も太いものの
    平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いものの平
    均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以上であ
    ることを特徴とするグランドパッキン。
  3. 【請求項3】 中芯材と、該中芯材を囲繞する表面編組
    材とを具備するグランドパッキンにおいて、 上記中芯材および表面編組材が、平均繊維径の異なる少
    なくとも2種以上の繊維が混紡されてなり、かつ、 上記2種以上の繊維のうち平均繊維径が最も太いものの
    平均繊維径(D1)と、平均繊維径が最も細いものの平
    均繊維径(D2)との比(D1/D2)が2/1以上であ
    ることを特徴とするグランドパッキン。
  4. 【請求項4】 少なくとも2種以上の繊維が、金属繊維
    と無機繊維である請求項1ないし請求項3に記載のグラ
    ンドパッキン。
  5. 【請求項5】 表面編組材が、窒化硼素を3重量%以上
    の割合で含む表面潤滑剤で被覆されてなる請求項1ない
    し請求項4に記載のグランドパッキン。
  6. 【請求項6】 表面編組材が、タルクを10重量%以上
    の割合で含む表面潤滑剤で被覆されてなる請求項1ない
    し請求項4に記載のグランドパッキン。
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