JP7091636B2 - バルブスプリング - Google Patents

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Description

この発明は、バルブスプリングに関するものである。
エンジンの吸排気弁としては、軸状のバルブステムの一端に弁体部である傘部が設けられたバルブ部材が用いられる。バルブ部材は、コイルバネからなるバルブスプリングによって、傘部が弁孔を閉じる方向に付勢されている。傘部が弁孔に接離することによって、吸排気弁は開閉する。
バルブ部材は、バルブステムの他端に、コッタを介して円環状のリテーナを装着する。バルブスプリングは、燃焼室に近い側の端部がシリンダに支持され、シリンダヘッド側の端部はリテーナに支持されている。
バルブスプリングは、全長に亘って同一のピッチ円径(コイルの軸心方向に沿う平面視におけるコイルの巻き径(直径))で螺旋状に連続しているものがあるほか、例えば、特許文献1のように、燃焼室に近い側の軸心方向一端側から遠い側の他端側に向かうにつれて、徐々にピッチ円径が小さくなる円錐状のコイル部分を、その一部又は全部に有するものが採用される場合もある。このように、バルブスプリングの他端側のピッチ円径を小さくすることにより、リテーナやコッタを小径とし得るので、部材の軽量化を図ることができるという利点がある。
特開2008-240669号公報
ところで、一般に、バルブスプリングを構成するコイルバネの仕様は、そのコイルを構成する線材(素線)の材質や径、その線材を螺旋状に巻回した際のピッチ円径やコイルの全長、巻き数等のほか、コイルの軸心方向に沿って隣り合う線材同士における軸心方向に対する隙間(以下、軸心方向隙間と称する。)で設計及び管理が成される。
ここで、軸心方向隙間とは、コイルの軸心方向に直交する方向に沿って見る側面視における、線材同士の隙間で定義される。すなわち、軸心方向隙間は、コイルの軸心方向に並行な方向に対する線材同士の隙間である。
隙間の設定は、コイルバネに外力が作用した際に、圧縮方向へのどの程度の外力でどの部分の隙間が密着するか、あるいは、どの部分が密着せずに隙間が維持されるか、を設計及び管理することが重要である。特に、コイルバネの軸心方向一端付近と軸心方向他端付近は、軸心方向中央付近よりも隙間が小さく設定され、外力が徐々に増大した場合に、軸心方向中央付近よりも軸心方向一端付近と軸心方向他端付近が先に密着し、その後は、軸心方向中央付近で弾性力を発揮させる設定とする場合が多い。
この点、円筒状のコイル部分のみからなるコイルバネである場合は、軸心方向隙間の数値やその大小によって、密着箇所、非密着箇所の設定が容易に設計及び管理ができる。
しかし、上記特許文献1に記載のような円錐状のコイル部分を有するコイルバネである場合は、必ずしも軸心方向隙間の数値やその大小によって、密着箇所、非密着箇所の設定が管理できないという問題がある。
例えば、円錐状のコイル部分において、軸方向に隣り合う線材同士の軸心方向隙間が小さくても、円錐の母線方向への隙間(以下、母線方向隙間と称する)が大きければ、線材同士の密着を期待して設定した所定の外力が作用しても、その線材同士が密着しない事態が生じ得る。この母線方向隙間は、軸方向に隣り合う線材の中心(素線中心)同士を結ぶ線と、その両方の線材の表面との交点間の距離、すなわち、コイルの軸心に対して斜め方向への線材表面間距離で定義される。
しかし、コイルバネを製作する際に、線材の母線方向隙間の設計値を場所毎に設計して、それを適宜測定、管理しながら線材を曲げ加工することは困難である。実際に、母線方向隙間は、場所毎に軸心方向に対する測定角度が異なるので、その正確な測定が難しいからである。したがって、線材の曲げ加工は、軸心方向隙間によって設定された設計値に基づいて行うことが好ましい。
そこで、この発明の課題は、ピッチ円径が途中で変化する円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、コイルの線材同士の密着、非密着を適切に設計及び管理ができるようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明は、線材を螺旋状に巻回したコイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が変化するとともに軸心方向に隣り合う前記線材同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、前記円錐状のコイル部分における第一の地点と前記第一の地点とは異なる第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間が介在しているバルブスプリングを採用した。
ここで、前記第一の地点は前記円錐状のコイル部分の大径側の端部であり、前記第二の地点は前記円錐状のコイル部分の小径側の端部である構成を採用することができる。
また、前記円錐状のコイル部分の小径側の端部はコイルの軸心方向端部に配置される構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記修正隙間設定区間は、前記第一の地点の軸心方向隙間及び前記第二の地点の軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間である箇所を含んでいる構成を採用することができる。
また、これらの各態様において、前記修正隙間設定区間は、修正軸心方向隙間がマイナス値である箇所を含んでいる構成を採用することができる。
さらに、前記修正軸心方向隙間に対応する円錐の母線方向に沿う前記線材同士の隙間である修正後母線方向隙間は、前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に単調変化する構成を採用することができる。
前記円錐状のコイル部分と、コイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が一定である円筒状のコイル部分とを連続して備え、前記円筒状のコイル部分は、軸心方向隙間が一定に設定されている箇所を含んでいる構成を採用することができる。
この発明は、ピッチ円径が途中で変化する円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、円錐状のコイル部分における第一の地点と第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が直線状に単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間を介在させたので、円錐状のコイル部分における線材同士の密着、非密着を適切に設計及び管理ができるようになる。
この発明の実施形態を示す縦断面図である。 この発明の実施形態を示すグラフ図である。 バルブスプリングの例を示す正面図である。 この発明の実施形態を示すグラフ図である。 この発明の実施形態を示すグラフ図である。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態のバルブスプリング10を装着したエンジンの吸排気弁構造を示している。図2は、螺旋状のバルブスプリング10を構成するコイルの線材11同士の隙間の設定に関するグラフである。
エンジンの吸排気弁構造は、図1に示すように、軸状のバルブステム5bの一端に弁体部である傘部5aが設けられたバルブ部材5が用いられる。バルブ部材5は、コイルバネからなるバルブスプリング10によって、傘部5aが弁孔4を閉じる方向に付勢されている。バルブスプリング10は、燃焼室3に接続されたポート2を開閉する吸気弁や排気弁のどちらにも使用される。
バルブステム5bの他端、すなわち、傘部5aを設けた側の反対側の端部であるステムエンド5cに、エンジンの駆動力に伴って動作するカムから押圧力が作用することにより、バルブ部材5はバルブスプリング10の付勢力に抗してシリンダ内の燃焼室3側へ押圧され、吸気弁や排気弁を開弁する。また、押圧力が弱まれば、バルブ部材5はバルブスプリング10の付勢力によって軸方向へ進退し、吸気弁や排気弁を閉弁する。
バルブ部材5は、ステムエンド5cの近傍に、コッタ8を介して円環状のリテーナ7を装着する。また、バルブステム5bは、シリンダに形成されたバルブ挿通孔6に挿通され、シリンダに対して軸方向へ進退自在である。バルブスプリング10は、その一端、すなわち、燃焼室3に近い側の端部がシリンダに支持され、その他端、すなわち、シリンダヘッド側の端部はリテーナ7に支持されて、プリロードと呼ばれる一定の押圧力が付与され、その全長が自然長よりも幾分短くなった状態で維持されている。
バルブスプリング10は、一定の断面円形で続く金属製の線材11を、軸心14回りの螺旋状に巻回したコイルで構成される。以下、その軸心14の方向を、コイルの軸心方向、あるいは、単に軸心方向と称する。なお、コイルの軸心方向端面において、線材11のリテーナ7やシリンダ等への当たり面となる部分に切削や研削処理等が成されて、その結果、線材11の一部に断面円形でない部分が介在する場合もある。しかし、この場合も、軸心方向に隣り合う線材11同士は、その線材11の円弧状の表面(筒軸が螺旋に沿って湾曲した円筒面)同士が対向している状態である。
図1に示すように、コイルは、軸心方向に沿ってピッチ円径Rが変化するとともに、軸心方向に隣り合う線材11同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有している。軸心方向に隣り合う線材11同士が平面視において径方向へ重なるので、コイルの長さを縮める押圧方向の荷重を加えれば、その隣り合う線材11同士はいずれ当接する位置関係となっている。
また、円錐状のコイル部分でのピッチ円径Rは、軸心方向一端側の始点から軸心方向他端側の終点まで、徐々に小さくなるように設定されているので、円錐状のコイル部分におけるコイルの外面は、全体としてテーパ状となっている。すなわち、コイルの外面(又は線材11の中心)と軸心14を通る任意の一平面との交点群を結ぶ母線15は、軸心方向一端側から軸心方向他端側に向かうにつれて軸心14側に近づくようになっている。
さらに、この実施形態では、円錐状のコイル部分に加え、コイルの軸心方向に沿ってピッチ円径Rが一定である円筒状のコイル部分を備えている。ここで、円筒状のコイル部分は、図1中の下方に示す軸心方向一端側に設けられ、ここでは、全域に亘って軸心方向隙間Vが一定に設定されている(図2の巻き数N=n-2よりも左側参照(一部図示省略))。円錐状のコイル部分は、図1中の上方に示す軸心方向他端側に設けられ、ここでは、軸心方向隙間Vが、小径側であるコイルの軸心方向他端に向かうにつれて徐々に小さくなるように設定されている(図2の巻き数N=n-2よりも右側参照)。
図2のグラフにおいて、横軸に示すNはコイルの軸心方向一端側の始点からの巻き数である。縦軸に示すVは、線材11同士の軸心方向隙間の大きさである。例えば、V0であれば、コイルの始点(巻き数N=0)において、軸心方向他端側に隣り合う線材11との隙間を示す。V1であれば、コイルの始点から1巻きの地点(巻き数N=1)において、軸心方向他端側に隣り合う線材11との隙間を示す。この隙間は、外力が作用しない自然長の状態の数値で定義される。
円筒状のコイル部分、及び、円錐状のコイル部分における軸心方向隙間Vは、図1にV0・・・Vn-1,Vnで示すように、軸心方向に隣り合う線材11のうち、下方(一端側)の線材11の上端位置と、それに対向する上方(他端側)の線材11の下端位置との軸心方向への距離である。
円錐状のコイル部分において、図2に示す符号Tは、途中の第一の地点Xと、その第一の地点Xとは異なる位置に設定された第二の地点Yとの間において、隣り合う線材11同士の軸心方向隙間Vが、第一の地点Xから第二の地点Yまで直線状に単調変化するとした場合に想定される数値群を結ぶライン(以下、単調変化ラインTと称する。)である。
円錐状部分を備えた従来のバルブスプリング では、各地点の軸心方向隙間Vが、この単調変化ラインTに対応して始点からの巻き数Nに応じて設定されるために、現実には、第一の地点Xと第二の地点Yとの間における軸心方向に隣り合う線材11同士の隙間は、実質的にそれよりも大きい母線方向隙間Wに設定されていた。すなわち、図1に示すように、円錐状のコイル部分では、実質的に有効とされる数値である母線方向隙間W;・・・Wn-1,Wnが、設計及び管理上の数値である軸心方向隙間V;・・・Vn-1,Vnよりも長くなってしまうという問題があった。このため、図2のグラフの修正前母線方向隙間bは、単調変化ラインTに相当する隙間よりも、実質的に大きい母線方向隙間Wとなっている。
このような状況のため、本来、所定の外力で密着することを想定して設定した隙間よりも大きい隙間が設定されていることとなり、このような場合、コイルの線材11同士の密着、非密着が、設計通りに管理できない事態も生じ得ることとなる。
そこで、この発明では、円錐状のコイル部分のうち、第一の地点Xと第二の地点Yとの間において、軸心方向隙間Vとして、単調変化ラインTに対応する各地点での想定軸心方向隙間eよりも小さい修正軸心方向隙間cを設定している。修正軸心方向隙間cが設定された区間は、図2の横軸N-縦軸Vのグラフ上において、単調変化ラインTに対して下方へ凹む、いわば凹形状グラフの修正隙間設定区間Uとなっている。なお、各地点での想定軸心方向隙間eは、それぞれの地点での巻き数Nに応じて、単調変化ラインTの示す数値で決定することができる。
円錐状のコイル部分に修正隙間設定区間Uを介在させることにより、第一の地点Xと第二の地点Yとの間において、母線方向隙間Wは、修正前母線方向隙間bよりも小さい修正後母線方向隙間fとなる。これにより、母線方向隙間Wが想定軸心方向隙間eに近づくことで、より設計値に近い密着、非密着の設計及び管理が可能となる。このとき、単調変化ラインTに対応する各地点での想定軸心方向隙間eと修正後母線方向隙間fとの差は、想定軸心方向隙間eと修正前母線方向隙間bとの差よりも小さくなるように、修正隙間設定区間Uの修正軸心方向隙間cが設定される。すなわち、第一の地点Xと第二の地点Yとの間の任意の第三の地点Zにおいて、それぞれ対応する想定軸心方向隙間eよりも小さい修正軸心方向隙間cが存在することとなる。
ここで、望ましくは、修正隙間設定区間Uの介在によって、修正後母線方向隙間fを想定軸心方向隙間eと等しい値にすることが有効であり、すなわち、修正後母線方向隙間fが、第一の地点Xから第二の地点Yまで直線状に単調変化する構成を採用することが、最も有効である。
図2のグラフにおいて、符号aは、円錐状のコイル部分のうち修正隙間設定区間U外の軸心方向隙間Vである。この区間では、軸心方向隙間Vと母線方向隙間Wに大きな差異はないので、修正軸心方向隙間cを設定せず、軸心方向隙間Vを基にコイルの設計及び管理をしてよい。
ここで、例えば、円錐状のコイル部分の全域で想定軸心方向隙間eと修正前母線方向隙間bとの差が大きい場合等、必要な場合には、修正軸心方向隙間cの設定を円錐状のコイル部分の全域としてもよい。このとき、第一の地点Xは、円錐状のコイル部分の大径側の端部に、第二の地点Yは、円錐状のコイル部分の小径側の端部に設定することができる。
この実施形態では、円錐状のコイル部分はコイルの軸心方向他端に配置され、すなわち、円錐状のコイル部分の小径側の端部は、コイルの軸心方向他端に一致しているが、コイル全体に占める円錐状のコイル部分の位置はこの実施形態には限定されない。例えば、円錐状のコイル部分をコイルの軸心方向一端に、すなわち、円錐状のコイル部分の大径側の端部をコイルの軸心方向一端に一致させた態様も考えられる。あるいは、円錐状のコイル部分をコイルの軸心方向中ほどに配置して、その軸心方向両側を円筒状のコイル部分としてもよい。あるいは、コイルの全域を円錐状のコイル部分としてもよい。また、それぞれの態様において、円錐状のコイル部分の小径側の端部を軸心方向一端側に、大径側の端部を軸心方向他端側に配置した態様も考えられる。
図3に、バルブスプリング10の他の例を示す。
この実施形態のバルブスプリング10は、軸心方向他端13側に円錐状のコイル部分Cを、軸心方向一端12側に円筒状のコイル部分A,Bを連続して備えている。ここで、図3中の下方に位置する円筒状のコイル部分A,Bは、全域に亘って軸心方向隙間Vが一定に設定されている円筒状のコイル部分Bと、軸心方向隙間Vが、コイルの下方、すなわち、軸心方向一端12側へ向かうにつれて徐々に小さくなるように設定されている円筒状のコイル部分Aとに分けられる。
また、図3のグラフに示すように、円筒状のコイル部分Aの軸心方向中ほどにおいて、巻き数Nが増加しても軸心方向隙間Vがほとんど増加しない隙間一定区間が設定されている。この隙間一定区間を挟んでグラフ中の左側は線材11同士が密着し、右側は線材11同士が密着しない程度のプリロードを加えた状態で、バルブスプリング10がバルブ部材5に取り付けられるのが一般的である。
円筒状のコイル部分Bや円錐状のコイル部分Cの基本構成は、前述の実施形態と同様であるので説明を省略し、その差異点を中心に説明する。
図4及びその要部拡大図である図5に示すように、修正隙間設定区間Uは、第一の地点Xの軸心方向隙間V、及び、第二の地点Yの軸心方向隙間Vよりも小さい修正軸心方向隙間cである箇所を含んでいる。図中に示す修正軸心方向隙間cの最小値の部分が、図中右側の第二の地点Yの軸心方向隙間Vよりも小さい値となっており、修正隙間設定区間Uの全体が単調変化ラインTに対して、下方へより大きく凹む凹形状となっている。修正軸心方向隙間cのグラフを、このように単調変化ラインTに対して大きく凹む形状とすることにより、母線方向隙間Wをより想定軸心方向隙間eに近づけることができる。
また、この実施形態では、修正隙間設定区間Uにおける修正軸心方向隙間cの最小値は、図中に符号dで示すようにマイナス値となっている。ここで、グラフのN軸が、軸心方向隙間V=0を示すラインとなっている。このようなマイナス値の箇所を、以下、マイナス隙間部dと称する。
マイナス隙間部dでは、自然長の状態において、軸心方向に隣り合う線材11のうち、下方(一端側)の線材11の上端位置が、それに対向する上方(他端側)の線材11の下端位置よりも上方(他端側)になっている状態である。修正軸心方向隙間cにマイナス隙間部dを含んでいる構成とすれば、想定軸心方向隙間eに対して母線方向隙間Wが過大となることを抑制できる。特に、第二の地点Yの近傍において効果的である。
なお、図4及び図5のグラフでは、単調変化ラインTに対応する各地点での想定軸心方向隙間eと修正後母線方向隙間fとの間に差を設定しているが、前述の実施形態と同様、想定軸心方向隙間eと修正後母線方向隙間fとの差は小さいことが望ましく、理想的には、修正隙間設定区間Uの介在によって、修正後母線方向隙間fを想定軸心方向隙間eと等しくすることが望ましい。
この実施形態では、バルブスプリング10のコイルを、一定の断面円形で続く金属製の線材11で構成したが、コイルを構成する線材11同士の隙間を管理できる一定断面の線材11であれば、断面円形以外の各種部材であってもよい。
1 シリンダブロック
2 ポート
3 燃焼室
4 弁孔
5 バルブ部材
5a 傘部
5b バルブステム
5c ステムエンド
6 バルブ挿通孔
10 バルブスプリング
11 線材
12 軸心方向一端
13 軸心方向他端
14 軸心
15 母線
a 軸心方向隙間
b 修正前母線方向隙間
c 修正軸心方向隙間
d マイナス隙間部
e 想定軸心方向隙間
f 修正後母線方向隙間
A 円筒状のコイル部分
B 円筒状のコイル部分
C 円錐状のコイル部分
R;R,R・・・Rn ピッチ円径
T 単調変化ライン
U 修正隙間設定区間
V;V,V・・・Vn 軸心方向隙間
W;W,W・・・Wn 母線方向隙間
X 第一の地点
Y 第二の地点
Z 第三の地点

Claims (6)

  1. 線材を螺旋状に巻回したコイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が変化するとともに軸心方向に隣り合う前記線材同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、
    前記円錐状のコイル部分における第一の地点と前記第一の地点とは異なる第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に減少するように単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間が介在しており、
    前記第一の地点は前記円錐状のコイル部分の大径側の端部であり、前記第二の地点は前記円錐状のコイル部分の小径側の端部であるバルブスプリング。
  2. 前記円錐状のコイル部分の小径側の端部はコイルの軸心方向端部に配置される
    請求項に記載のバルブスプリング。
  3. 線材を螺旋状に巻回したコイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が変化するとともに軸心方向に隣り合う前記線材同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、
    前記円錐状のコイル部分における第一の地点と前記第一の地点とは異なる第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に減少するように単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間が介在しており、
    前記修正隙間設定区間は、前記第一の地点の軸心方向隙間及び前記第二の地点の軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間である箇所を含んでいるバルブスプリング。
  4. 線材を螺旋状に巻回したコイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が変化するとともに軸心方向に隣り合う前記線材同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、
    前記円錐状のコイル部分における第一の地点と前記第一の地点とは異なる第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に減少するように単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間が介在しており、
    前記修正隙間設定区間は、修正軸心方向隙間がマイナス値である箇所を含んでいるバルブスプリング。
  5. 線材を螺旋状に巻回したコイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が変化するとともに軸心方向に隣り合う前記線材同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、
    前記円錐状のコイル部分における第一の地点と前記第一の地点とは異なる第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に減少するように単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間が介在しており、
    前記修正軸心方向隙間に対応する円錐の母線方向に沿う前記線材同士の隙間である修正後母線方向隙間は、前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に単調変化するバルブスプリング。
  6. 線材を螺旋状に巻回したコイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が変化するとともに軸心方向に隣り合う前記線材同士が軸心方向への平面視で重なる円錐状のコイル部分を有するバルブスプリングにおいて、
    前記円錐状のコイル部分における第一の地点と前記第一の地点とは異なる第二の地点との間に、隣り合う前記線材同士の軸心方向隙間が前記第一の地点から前記第二の地点まで直線状に減少するように単調変化するとした場合に想定される単調変化ラインに対応するその地点での想定軸心方向隙間よりも小さい修正軸心方向隙間が設定された修正隙間設定区間が介在しており、
    前記円錐状のコイル部分と、コイルの軸心方向に沿ってピッチ円径が一定である円筒状のコイル部分とを連続して備え、
    前記円筒状のコイル部分は、軸心方向隙間が一定に設定されている箇所を含んでいるバルブスプリング。
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