JP5100377B2 - コイルばね - Google Patents

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    • F16F1/02Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant
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Description

本発明は、自動車等の内機関のバルブ・スプリング等として用いられるコイルばねに関する。
従来、例えば内燃機関のバルブ・スプリングは、図13のように取り付けられている。図13は、動弁装置の概略断面図である。図13の動弁装置では、吸気用又は排気用のバルブ101が、シリンダ・ヘッド103に往復動自在に取り付けられ、バルブ101の端部の可動部であるスプリング・リテーナ105と固定部であるシリンダ・ヘッド103の取付座107との間に、バルブ・スプリング109が介設されている。
前記バルブ101の端部に、揺動可能に支持されたロッカー・アーム111の一端が当接し、同他端がカム・シャフト113に当接している。
従って、カム・シャフト113の回転応じてロッカー・アーム111が揺動し、バルブ101が吸気口又は排気口に対して開閉動作する。
このとき、バルブ・スプリング109は、取付座107に対してスプリング・リテーナ105に付勢力を与え、バルブ101端部のロッカー・アーム111に対する追従性を保つようにしている。
図14は、バルブ・スプリングの側面図、図15は、バルブ・スプリングの平面図、図16は、巻端部と一巻目との関係を示す断面図である。
昨今、バルブ・スプリングの高応力化及び高耐久化への要求が高まっている。この要求のため、前記バルブ・スプリング109は、巻端部115及び素線117の一巻目119間に0.5mm以上の間隙tを設けている。この間隙tにより巻端部113及び素線117の一巻目119間にもショット・ピーニングを施すことができる。従って、一巻目119の残留応力をも同様に高めて一巻目119の所謂フレッティング折損を抑制し、高い耐久性のバルブ・スプリング109を得ることができる。
しかしながら、巻端部115及び一巻目119の接触は、図16の2点鎖線のように行われるため、巻端部115及び一巻目119間のコイル軸方向の荷重がそのまま巻端部115及び一巻目119間の面圧となり、一巻目119のヘルツ応力低減が十分に行われておらず、耐久性向上に限界があった。
また間隙tは、巻端部115を一巻目119に対してコイル軸方向に変形させて形成するため、高回転時に、巻端部115及び一巻目119が間隙t間で接触離反を繰り返すため、巻端部115に無理な曲げ応力が働き、巻端部115の折損(いわゆる先端飛び)を招く恐れがあった。
登録実用新案第2545359号公報
解決しようとする問題点は、一巻目のヘルツ応力低減が十分に行われておらず、耐久性向上に限界があると共に、巻端部に無理な曲げ応力が働き折損を招く恐れがある点である。
本発明は、一巻目のヘルツ応力低減及び巻端部の無理低減を可能とするため、 可動部側となる巻端部を、素線の一巻目に対しコイル状の拡径方向又は縮径方向へずらすことで、荷重が付加されない自由状態で前記巻端部の断面中心及び素線の一巻目の断面中心を結ぶ線上において前記巻端部及び素線の外周との接触点間に間隙を形成すると共に、前記間隙間で接触離反を繰り返す前記巻端部と前記素線の一巻目との前記接触点をコイル状の外径方向又は内径方向へ移行させたことを最も主要な特徴とする。
本発明のコイルばねは、可動部側となる巻端部を、素線の一巻目に対しコイル状の拡径方向又は縮径方向へずらし、荷重が付加されない自由状態で前記巻端部の断面中心及び素線の一巻目の断面中心を結ぶ線上において前記巻端部及び素線の外周との接触点間に間隙を形成すると共に、前記間隙間で接触離反を繰り返す前記巻端部と前記素線の一巻目との前記接触点をコイル状の外径方向又は内径方向へ移行させたため、巻端部及び素線の一巻目間にもショット・ピーニングを施すことが可能となる。
しかも、前記一巻目に働く応力は、ねじり応力と接触によるヘルツ応力成分の合成応力となるが、接触圧の高い巻端部をコイル状の拡径方向へずらす場合は、一巻目側の接触点をコイル状の外径方向へ移行させ、ねじり応力を低減することができる。
また、巻端部及び素線の一巻目間のコイル状軸方向の荷重は、巻端部及び素線の一巻目間の面圧方向の力と滑り方向の力とに分散され、巻端部及び素線の一巻目間の面圧を下げることができ、一巻目のヘルツ応力低減を図ることができる。
さらに、巻端部を、素線の一巻目に対しコイル状の拡径方向又は縮径方向へずらすことで間隙を形成するから、巻端部及び一巻目が間隙間で接触離反を繰り返しても、巻端部に無理な曲げ応力が働くのを押さえ、巻端部の折損を抑制することができる。
一巻目のヘルツ応力低減及び巻端部の無理低減を図るという目的を、巻端部を、素線の一巻目に対しコイル状の拡径方向又は縮径方向へずらすことにより実現した。
[コイルばね]
図1は、本発明実施例1に係るコイルばねであるバルブ・スプリングの側面図、図2は、同平面図、図3は、自由状態での巻端部及び素線の一巻目の拡大断面図、図4は、荷重作用時の巻端部及び素線の一巻目の拡大断面図である。
図1〜図3に示すバルブ・スプリング1は、例えば図14と同様に、可動部であるスプリング・リテーナと固定部であるシリンダ・ヘッドの取付座との間に介設されたものである。
前記バルブ・スプリング1は、素線3によりコイル状に巻回形成され、取付座に支持される固定部側5からスプリング・リテーナに支持される可動部側7まで等ピッチ、等径となっている。但し、バルブ・スプリング1は、不等ピッチ、非円筒形状及び楕円等の非円形断面素材を用いて形成することもできる。
前記バルブ・スプリング1は、360°を1巻として先端9から0.15巻程度の巻端部11が先端9に向かって漸次厚みが薄くなるように形成されている。
前記巻端部11に続いて一巻目13が始まる。本実施例では、図3のように、巻端部11が前記素線3の一巻目13に対しコイル状の拡径方向へ寸法sずらしコイル状の軸方向への間隙tを形成している。すなわち、間隙tは、巻端部11の中心及び素線3の一巻目3の中心を結ぶ線上において該線と巻端部11及び素線3の外周との接点間の間隙からなっている。間隙tは、荷重が付加されない自由状態でのものである。吸排気バルブの少なくとも最大リフト時、つまりバルブ・スプリング1の最大圧縮時には、巻端部11と一巻目13とが図4のように接触し、間隙tが0となるように設定されている。
前記ずらしの寸法s(先端拡縮量)の許容範囲は、素線3の線径の1/2以下である。本実施例では、好ましい範囲として0.2mm〜素線3の線径の1/3以下に設定しており、例えば線径4.1mmに対して、s≒0.2〜1.35mmとなっている。
前記間隙t(口開き量)の許容範囲は、コイル状の軸方向間で0.1mm以上である。本実施例では、好ましい範囲として0.2mm〜2.0mmに設定されている。
前記巻端部11の先端9の厚み寸法(先端厚さ)の許容範囲は、前記素線3の線径の1/7〜1/2である。本実施例では、好ましい範囲として素線3の線径の1/5〜2/5に設定しており、例えば線径4.1mmに対して先端9の厚み寸法は、T=0.82〜1.64mmに設定されている。
このように、バルブ・スプリング1は、巻端部11及び一巻目13間に自由状態で間隙(口開き量)がt=0.2〜2.0mmの範囲で設定されるので、バルブ・スプリング1の各部と同様に巻端部11及び一巻目13間にも確実にショット・ピーニングを施すことができる。ショット・ピーニングは鋼球を用いて行われ、間隙t=0.2〜2.0mmの範囲の設定に応じた球径の鋼球が用いられる。このショット・ピーニングにより、巻端部11及び一巻目13間の線間にも所定の残留応力を得ることができ、疲労強度を向上させることができる。
また、バルブ・スプリング1の最大圧縮時は、前記図4のように巻端部11と一巻目13とが点Pで接触し、間隙tが0となる。一巻目13に働く応力は、ねじり応力と接触によるヘルツ応力成分の合成応力となる。接触圧の高い巻端部11をコイル状の拡径方向へ寸法sずらすことで、一巻目13側の接触点Pをコイル状の外径方向へ移行させ、ねじり応力を低減することができる。
接触点Pに働くコイル状軸方向の荷重Fは、巻端部11及び一巻目13間の面圧方向の力F1と滑り方向の力F2とに分散され、巻端部11及び一巻目13間の面圧を下げることができ、一巻目13のヘルツ応力低減を図ることができる。
このため、最大圧縮時に巻端部11と一巻目13とが接触する設定にしても、巻端部11のフレッティング折損を確実に抑制又は防止することができ、耐久性を向上させることができる。
巻端部11を、素線3の一巻目13に対しコイル状の拡径方向へずらすことで間隙tを形成するから、巻端部11及び一巻目13が間隙t間で接触離反を繰り返しても、巻端部11に無理な曲げ応力が働くのを押さえ、巻端部11の折損を抑制することができる。 さらに、巻端部11の先端9の厚み寸法を、素線3の線径の1/5〜2/5の範囲に設定することで、巻端部11に働く曲げ応力に対向し、巻端部11の折損及び一巻目13折損を確実に防止することができる。
[確認試験]
(ショット・ピーニング性)
図5は、ショット・ピーニングによる1.05巻目の先端側線間の残留応力を示すグラフであり、横軸は、口開き量(間隙t)mm、縦軸は、巻端部11及び一巻目13間の線間部の表面残留応力MPaである。図5において、○は、巻端部11を、一巻目13に対しコイル状の拡径方向、縮径方向の何れへもずらしていない場合、■は、巻端部11を一巻目13に対し0.20mm拡径方向へずらした場合、▲は、巻端部11を一巻目13に対し0.25mm縮径方向へずらした場合の結果である。
図5のように、間隙tを変化させると、巻端部11を、一巻目13に対しコイル状の拡径方向、縮径方向の何れへもずらしていない場合には、間隙tの増加に応じて線間部の表面残留応力は、漸次上昇するのに対し、巻端部11を一巻目13に対し0.20mm拡径方向又は0.25mm縮径方向へずらした場合には、間隙t=0.1mmまで残留応力が急激に増加し、0.1mm以降、少なくとも2.0mmまで安定する結果となった。
従って、本実施例のように、巻端部11及び一巻目13間に自由状態で口開き量がt=0.1mm以上の範囲、好ましくはt=0.2〜2.0mmの範囲で設定される場合、バルブ・スプリング1の各部と同様に巻端部11及び一巻目13間にも確実にショット・ピーニングを施すことができ、巻端部11及び一巻目13間の線間に所定の残留応力を得ることができ、疲労強度を向上させることができることが確認できた。
(耐捻れ応力性)
図6は、本実施例の断面が円形のいわゆる丸線ばねの円周応力分布を示すグラフであり、横軸は、内径からの角度deg、縦軸は、内径端との応力比である。内径端は、図3においてA点であり、角度0°となり、外径端は、同B点であり、角度180°となる。応力比は、内径端を1として比較した場合の値である。
図6のように、円周応力分布は、内径側が高く、外径側が低くなる。従って、一巻目13折損を考慮すると、巻端部11を一巻目13に対して拡径方向へずらすのが有利である。一方、巻端部11が折損するいわゆる先端飛びは、巻端部11を一巻目13に対して縮径方向へずらすのが有利となる。巻端部11を縮径方向へずらすことで、巻端部11の拡径方向への変位に対し、一巻目13がこれを規制するからである。図6から、角度60°程度、すなわち、一巻目折損で問題となる90°から30°程度内側へずらしても、90°に対して捻れ応力の急激な増大はなく、一巻目13折損を抑制できることが確認できた。(拡縮径)
図7は、巻端部である0.15巻目の発生曲げ応力を示すグラフであり、横軸は、先端拡径量mm、縦軸は、発生応力MPaを示している。図7の横軸では、3.0mmが拡径側、−2.0mmが縮径側となっている。
図7のように、バルブ・スプリングの線径は、4.1mmを用いた結果、拡縮径量が、線径のほぼ1/2=2.0mm程度まで応力の急激な増大がみられず、いわゆる先端飛びを抑制できることが確認できた。好ましくは、0.2mm〜線径4.1mmの1/3までの範囲がよい。
(先端厚)
図8は、コイルばねの先端厚さ(巻端部先端の厚さ)と発生曲げ応力との関係のグラフであり、横軸は、先端厚さmm、縦軸は、曲げ応力MPaを示している。図9は、コイルばね先端厚さと最大接触応力(ヘルツ応力)MPaとの関係のグラフであり、横軸が、先端厚さmm、縦軸が、ヘルツ応力MPaを示している。対象となるバルブ・スプリング1の線径は、4.1mmとした。
図8のように、先端厚さを厚くすると曲げ応力が低くなり、先端飛びを起こし難くなって有利となる。反面、図9のように、先端厚さが厚いとヘルツ応力が上がり一巻目折損が起こり易くなる。
これらを考慮し、ショット・ピーニングが施されていない曲げ疲労限度(図8線分15)以下で先端飛びを起こし難く、且つヘルツ応力を抑制して一巻目折損を起こし難くするため、巻端部11の先端9の厚み寸法を、素線3の線径の1/7〜1/2の範囲、好ましくは1/5〜2/5の範囲に設定した。この構成により、巻端部11に働く曲げ応力に対向し、巻端部11の折損(先端飛び)及び一巻目折損を確実に防止することができる。
(動的耐久性)
図10(a),(b)は、動的耐久性の試験結果であり、図10(a)は、剪断応力に対する耐久試験の結果を示す図表、図10(b)は、エンジン高回転耐久試験の結果を示す図表である。コイルばねは、線形d=4.1mm、線形d及びコイル径Dの比D/d=6.2、巻数5.75巻を使用した。
図10(a)では、試験剪断応力686±637MPaで耐久試験をした。 図10(a)において、比較例1,2は、巻端部が一巻目に対して拡径方向及び縮径方向へのずれ(先端拡縮量)が0の従来のものであり、適用例1〜25は、先端拡縮量を設定した例を示す。先端拡縮量の+が拡径方向、−が縮径方向の先端拡縮量である。
図10(a)の剪断応力に対する耐久試験の結果では、比較例1,2の場合、各々最も早く折損したもので、5.32×106回、7.25×106回において1.0〜1.1巻目の破損があり、1×107回全て未折損を満足できなかった。
適用例1〜8は、口開き量(間隙t)が、0.2〜2.0mmの範囲にあり、先端拡径量が、0.2mm〜線径の1/3、先端厚さが、線径の1/5〜2/5の範囲に設定されている。このため、適用例1〜8では、5×107回の耐久回数まで未折損であり、顕著な効果が認められた。
適用例9,10は、先端拡径量が+1.55mm(線径比:38%)、+1.80mm(線径比:40%)と大きい。しかし、先端拡径量が、線径の1/2以下の範囲となっている。適用例9では、3.53×107回、適用例10では4.03×107回で0.15〜0.25巻目の先端部折損があったが、比較例に対して耐久回数が1×107回未折損はもとより7倍以上に向上し、この場合も高い効果が認められた。
適用例11,12は、先端拡縮量が+2.35mm(線径比:57%)、−2.20mm(線径比:−54%)と大きく、線径の±1/2を上回っている。適用例11は、9.32×106回のとき0.15〜0.3巻目、適用例12は、4.32×106回のとき1.0〜1.2巻目の先端部折損があり、効果が認められなかった。
適用例13は、先端縮径量が−1.70mm(線径比:41%)と大きい。しかし、先端縮径量が、線径の1/2以下の範囲となっている。適用例13は、1.83×107回で1.0〜1.1巻目の折損があった。この1.83×107回の耐久回数は比較例1,2に対して3倍以上に向上し、この場合も高い効果が認められた。
適用例14〜16は、先端厚さが2.15mm(線径比:52.4%)、2.25(線径比:54.9%)、2.10mm(線径比:51.2%)と厚く線形の1/2を上回っている。適用例14は、5.85×106回のとき1.0〜1.15巻目、適用例15は、2.22×106回のとき1.0〜1.2巻目、適用例16は、7.82×107回のとき1.0〜1.1巻目の折損があり、効果が認められなかった。
適用例17は、口開き量が0.10mmと小さく、2.31×107回で1.0〜1.1巻目の折損はあったが、比較例1,2に対して耐久回数が4倍以上に向上し、この場合も高い効果が認められた。
適用例18は、口開き量が0.15mmと小さく、3.61×107回で1.0〜1.1巻目の折損はあったが、比較例1,2に対して耐久回数が6倍以上に向上し、この場合も高い効果が認められた。
図10(b)のエンジン高回転耐久試験の結果では、適用例19,20において、先端厚さが0.55mm(線径比:13.4%),0.50mm(線径比:12.2%)と薄く、線径の1/7を下回り、適用例19では、エンジン高耐久テスト11時間で0.15巻目の先端部破損があり、適用例20では、エンジン高耐久テスト10時間で0.15巻目の先端部破損があり、効果は認められなかった。
適用例21において、先端厚さは0.65mm(線径比:15.9%)であるが、線径の1/7を上回り、エンジン高耐久テスト21時間で0.15巻目の先端部破損があるものの、許容範囲であり、効果が認められた。
適用例22〜25は、口開き量(間隙t)が、0.2〜2.0mmの範囲にあり、先端拡縮量が、線径の1/2以下、先端厚さが、線径の1/7〜1/2の範囲に設定されている。このため、適用例21〜24では、エンジン高耐久テスト24時間で破損はなかった。
以上、図10の動的試験においても、口開き量(間隙t)が、0.1mm以上、2.0mm以下の範囲にあり、先端拡縮量が、線径の1/2以下、先端厚さが、線径の1/7〜1/2の範囲に設定されると、一巻目折損、先端飛び対策に有効であることが確認できた。
[実施例1の効果]
本実施例のバルブ・スプリング1は、可動部側7となる巻端部11を、素線3の一巻目13に対しコイル状の拡径方向へずらし荷重が付加されない自由状態で前記巻端部11及び素線3の一巻目13間に間隙tを形成するため、巻端部11及び素線3の一巻目13間にもショット・ピーニングを施すことが可能となる。
しかも、前記一巻目13に働く応力は、ねじり応力と接触によるヘルツ応力成分の合成応力となるが、接触圧の高い巻端部11をコイル状の拡径方向へずらすことで、一巻目13側の接触点Pをコイル状の外径方向へ移行させ、ねじり応力を低減することができる。
また、巻端部11及び素線3の一巻目13間のコイル状軸方向の荷重は、巻端部11及び素線3の一巻目13間の面圧方向の力と滑り方向の力とに分散され、巻端部11及び素線3の一巻目13間の面圧を下げることができ、一巻目13のヘルツ応力低減を図ることができる。
さらに、巻端部11を、素線3の一巻目13に対しコイル状の拡径方向へずらすことで間隙tを形成するから、巻端部11及び一巻目13が間隙t間で接触離反を繰り返しても、巻端部11に無理な曲げ応力が働くのを押さえ、巻端部11の折損を抑制することができる。
[コイルばね]
図12,図13は、本発明の実施例2に係り、図12は、バルブ・スプリングの側面図、図13は、同平面図である。なお、基本的な構成は、実施例1の図1,図2の構成と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にAを付して説明する。
本実施例のバルブ・スプリング1Aは、前記巻端部11Aは、前記素線3の一巻目13に対しコイル状の縮径方向へずらしコイル状の軸方向への間隙tを形成している。この間隙tは、荷重が付加されない自由状態でのものである。吸排気バルブの少なくとも最大リフト時、つまりバルブ・スプリング1の最大圧縮時には、巻端部11Aと一巻目13とが図4と同様に接触し、間隙が0となるように設定されている。
前記ずらしの寸法(先端拡縮量)sは、素線3の線径の1/2以下の設定としている。本実施例では素線3の線径の1/3としており、例えば線径4.1mmに対して、s≒1.35mmとなっている。
[実施例2の効果]
本実施例のバルブ・スプリング1Aは、可動部側7となる巻端部11を、素線3の一巻目13に対しコイル状の縮径方向へずらし、荷重が付加されない自由状態で前記巻端部11A及び素線3の一巻目13間に間隙t(図3参照)を形成しているため、巻端部11A及び素線3の一巻目13間にもショット・ピーニングを施すことが可能となる。
しかも、巻端部11A及び素線3の一巻目13間のコイル状軸方向の荷重は、巻端部11A及び素線3の一巻目13間の面圧方向の力と滑り方向の力とに分散され、巻端部11A及び素線3の一巻目13間の面圧を下げることができ、一巻目13のヘルツ応力低減を図ることができる。
さらに、巻端部11Aを、素線3の一巻目13に対しコイル状の拡径方向へずらすことで間隙tを形成するから、巻端部11A及び一巻目13が間隙t間で接触離反を繰り返しても、巻端部11Aに無理な曲げ応力が働くのを押さえ、巻端部11Aの折損を抑制することができる。
[その他]
本発明のコイルばねは、クラッチ・スプリングなど他の動的荷重を受ける構造にも適用することができる。
バルブ・スプリングの側面図である(実施例1)。 バルブ・スプリングの平面図である(実施例1)。 自由状態での巻端部及び素線の一巻目の拡大断面図である(実施例1)。 荷重作用時の巻端部及び素線の一巻目の拡大断面図である(実施例1)。 ショット・ピーニングによる1.05巻目の先端側線間の残留応力を示すグラフである(実施例1)。 断面が円形のいわゆる丸線ばねの円周応力分布を示すグラフである(実施例1)。 断面が円形のいわゆる丸線ばねの円周応力分布を示すグラフである(実施例1)。 コイルばねの先端厚さ(巻端部先端の厚さ)と発生曲げ応力との関係のグラフである(実施例1)。 コイルばね先端厚さと最大接触応力(ヘルツ応力)MPaとの関係のグラフである(実施例1)。 (a)は、剪断応力に対する耐久試験の結果を示す図表、(b)は、エンジン高回転耐久試験の結果を示す図表である(実施例1)。 バルブ・スプリングの側面図である(実施例2)。 バルブ・スプリングの平面図である(実施例2)。 動弁装置の概略断面図である(従来例)。 バルブ・スプリングの側面図である(従来例)。 バルブ・スプリングの平面図である(従来例)。 巻端部及び一巻目の接触を示す断面図である(従来例)。
符号の説明
1,1A バルブ・スプリング
3 素線
7 可動部側
9 先端
11,11A 巻端部
13 一巻目

Claims (5)

  1. 素線をコイル状に巻回形成して可動部と固定部との間に介設されるコイルばねにおいて、
    前記可動部側となる巻端部を、前記素線の一巻目に対しコイル状の拡径方向又は縮径方向へずらすことで、荷重が付加されない自由状態で前記巻端部の断面中心及び素線の一巻目の断面中心を結ぶ線上において前記巻端部及び素線の外周との接触点間に間隙を形成すると共に、前記間隙間で接触離反を繰り返す前記巻端部と前記素線の一巻目との前記接触点をコイル状の外径方向又は内径方向へ移行させた、
    ことを特徴とするコイルばね。
  2. 請求項1記載のコイルばねであって、
    前記間隙は、前記コイル状の軸方向間で0.1mm以上である
    ことを特徴とするコイルばね。
  3. 請求項1又は2記載のコイルばねであって、
    前記ずらしの寸法は、前記素線の線径の1/2以下である
    ことを特徴とするコイルばね。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のコイルばねであって、
    前記巻端部の先端厚み寸法を、前記素線径の1/7〜1/2の範囲とした
    ことを特徴とするコイルばね。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のコイルばねであって、
    前記可動部は、内燃機関の動弁装置のスプリング・リテーナであり、
    前記固定部は、シリンダ・ヘッドの取付座である
    ことを特徴とするコイルばね。
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