JP6499648B2 - コイルばね組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用ミッションダンパーや、自動車用足回りのリバウンドスプリング等に供されるコイルばね組立体に関する。
従来、この種のコイルばね組立体として、特許文献1に記載のものがある。
このコイルばね組立体は、コイルばねと、ばねシート部材とを備えたものである。ばねシート部材は、コイルばねの座巻部に取付けられ、シート本体とばね取付部材とを備えている。
シート本体は、座部と取付軸部とを有している。座部は、周回状に形成され、コイルばねの座巻部の端面に当接される。取付軸部は、座部の中心部に突出され、その軸方向中央部の外周に環状の係合溝部が形成されている。
ばね取付部材は、中空円筒状でかつ径方向に撓み変形可能な弾性係止部を有し、弾性係止部が取付軸部の係合溝部に係合されることによってシート本体に取付けられる。この係合は、弾性係止部の径方向外方への撓み変形を利用して行われる。
このばね取付部材は、コイルばねの座巻部内に弾性係止部の径方向内方への撓み変形を利用して取り付けられる。
したがって、シート本体に対するばね取付部材の取付性を向上させながら、コイルばねに対する取付性を向上し、かつ取付後の脱落を防止あるいは低減することができる。
しかし、ばねシート部材が、シート本体の他にばね取付部材を必要とするため部品点数が増大し、製造、部品管理が煩雑となり、コストアップの原因となっていた。
これに対し、特許文献2には、単体のシート部材をコイルばねの端部に係合させる構造が記載されている。
しかし、単に係合させる構造であり、シート部材とコイルばねとの適正な係合に関して考慮されておらず、コイルばねの座巻部とシート部材との無理な干渉を招き、耐久性が損なわれると共に、座巻部とシート部材との間に大きな隙間ができ、取り付けが不安定になるという問題があった。
また、使用時にシート部材がコイルばねから抜けないようにするには、シート部材とコイルばねの座巻部との係合代(圧入代)を十分に取ることが必要になり、このことがシート部材をコイルばねの座巻部に圧入により係合させるとき、座巻部が大きく拡径変形して破壊を招く問題もあった。
特許第4699273号公報 特開2007−64345号公報
解決しようとする問題点は、シート部材とコイルばねとの適正な係合に関して考慮されておらず、コイルばねの座巻部とシート部材との無理な干渉を招き、耐久性が損なわれる点、シート部材とコイルばねの座巻部との係合代(圧入代)を十分に取るとシート部材をコイルばねの座巻部に圧入により係合させるとき、座巻部が大きく拡径変形して破壊を招く点である。
本発明は、シート部材であるコイルばね用シートとコイルばねとの適正に係合させ、コイルばねの座巻部とコイルばね用シートとの無理な干渉を抑制し、耐久性向上を可能とするため、本体部の両端に座巻部を備えたコイルばねと前記座巻部に取付けられるコイルばね用シートとからなるコイルばね組立体であって、前記コイルばねは、前記座巻部が前記本体部に対し相対的に縮径して一巻目まで形成され、前記本体部及び座巻部の間に前記座巻部から本体部へ渦巻きを漸次拡径する遷移部を有し、前記コイルばね用シートは、前記座巻部の座面に受け面が当接する座部と、この座部の受け面から突出された取付軸部と、この取付軸部の先端に形成された圧入ガイド用の拡径部とを有し、前記取付軸部は、前記座巻部が嵌合して該座巻部の座面が前記座部の受け面に当接した自由状態で前記コイルばね用シートの拡径部との間に隙間を有するか又は隙間が零となる軸長に設定され、前記遷移部は、前記座巻部の座面が前記座部の受け面に当接した状態で前記拡径部を迂回し、拡径部に接触しないか、隙間が零になることを特徴とする。
本発明は、シート部材とコイルばねの座巻部との係合代(圧入代)を十分に取りながら座巻部の破壊を抑制することを可能とするために、上記コイルばね組立体であって、前記コイルばねは、深さ50μm以下の表層硬化層と表面から3μm以下の白層とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る取付軸部は、前記座巻部が嵌合して該座巻部の座面が前記座部の受け面に当接した自由状態で前記コイルばね用シートの拡径部との間に隙間を有するか又は隙間が零となる軸長に設定され、前記遷移部は、前記座巻部の座面が前記座部の受け面に当接した状態で前記拡径部を迂回する。
このため、コイルばね用シートを、コイルばねの一巻目まで形成された座巻部に取付軸部を嵌合させるように取り付け、コイルばね用シートと座巻部とを周回で確実に嵌合させることができる。
しかも、コイルばねの遷移部は、座巻部の座面が座部の受け面に当接した状態で拡径部を迂回するため、座巻部の座面と座部の受け面とを確実に当接させ、コイルばね用シートとコイルばねとを適正に組み付けることができる。
かかる組み付けにより、コイルばね組立体の耐久性を向上させることができると共に、座巻部とコイルばね用シートとの間の隙間を抑制し、取り付けを安定させることができる。
本発明は、上記コイルばね組立体であって、前記コイルばねは、深さ50μm以下の表層硬化層と表面から3μm以下の白層とを備えた。
このため、コイルばねの靭性を高め、シート部材とコイルばねの座巻部との係合代(圧入代)を十分に取りながら座巻部の破壊を抑制することができる。
コイルばね組立体のコイルばね及びコイルばね用シートを分解して示す側面図である。(実施例1) コイルばね用シートの拡大側面図である。(実施例1) コイルばね用シートの各部の寸法を示す図表である。 (A)は、コイルばねの表面から内部に至る硬さの変化を示すグラフ、(B)は、コイルばねの表面側の硬さの変化を示すグラフである。 (A)は、せん断応力に対するクラックの発生を示す説明図、(B)は、(A)のクラック発生数の指標を示す説明図である。 白層及び表層との関係における曲げ応力に対するクラックの発生を示す説明図である。 圧入代範囲を示すグラフである。 コイルばね用シートの取り付けを示し、(A)は、要部断面図、(B)は、要部拡大断面図である。(実施例1) コイルばね用シートの取り付けを示し、(A)は、要部断面図、(B)は、要部拡大断面図である。(比較例) コイルばね用シートの取り付けに係り、(A)は、要部断面図、(B)は、(A)のXB部拡大断面図である。(実施例2) コイルばね用シートの取り付けに係り、(A)は、要部断面図、(B)は、(A)のXIB部拡大断面図である。(実施例2)
シート部材であるコイルばね用シートとコイルばねとの適正に係合させ、コイルばねの座巻部とコイルばね用シートとの無理な干渉を抑制し、耐久性向上を可能とするという目的を、コイルばねは、座巻部が本体部に対し相対的に縮径して一巻目まで形成され、本体部及び座巻部の間に座巻部から本体部へ漸次拡径する遷移部を有し、コイルばね用シートは、座巻部の座面に受け面が当接する座部と、この座部の受け面から突出された取付軸部と、この取付軸部の先端に形成された圧入ガイド用の拡径部とを有し、取付軸部は、座巻部が嵌合して座巻部の座面が座部の受け面に当接した自由状態でコイルばね用シートの拡径部との間に隙間を有するか又は隙間が零となる軸長に設定され、遷移部は、座巻部の座面が座部の受け面に当接した状態で拡径部を迂回することで実現した。
また、シート部材とコイルばねの座巻部との係合代(圧入代)を十分に取りながら座巻部の破壊を抑制することを可能にするという目的を、コイルばねが、深さ50μm以下の表層硬化層と表面から3μm以下の白層とを備えルことで実現した。
[コイルばね]
図1は、本発明実施例1に係るコイルばね組立体のコイルばね及びコイルばね用シートを分解して示す側面図である。
図1のコイルばね組立体1は、例えば自動車用ミッションダンパーや、自動車用足回りのリバウンドスプリング等に供される。
このコイルばね組立体1は、コイルばね3とコイルばね用シート5とからなっている。
コイルばね3は、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、ばね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線(SWOSC)の高強度材で形成され、本体部7の両端に相対的に縮径し一巻目まで形成され座巻部9、11を備えている。本体部7及び座巻部9、11の間に、座巻部9、11から本体部7へ漸次拡径する遷移部13、15を有している。
このコイルばね3は、窒化処理により深さ50μmの表層と表面から3μm以下、好ましくは1.5μm程度の白層とを備えている。コイルばね3の白層の硬さは、750Hv以上に設定されている。かかる表層、白層、硬さの設定により、座巻部9、11にコイルばね用シート5を圧入するとき、破壊しないように靭性を与えることができる。
座巻部9、11の座面研磨は、周方向で180°以上、例えば先端から通常270°(3/4巻き)の範囲で行われ、座面9a、11aを形成している。従って、後述するコイルばね用シート5の受け面に安定して当接し、着座することができる。
コイルばね用シート5は、その材質は特に限定されるものではないが、鉄系材料に浸炭窒化焼入れ焼き戻しが施されたものであり、例えば、機械構造用炭素鋼(S45C、S60C、その他)、ヘッダ(冷間圧造用)炭素鋼(SWCH)などで形成されている。
このコイルばね用シート5は、例えば一対備えられ、両座巻部9、11に取付けられる。なお、図1では、座巻部9側のコイルばね用シート5のみを示して説明する。座巻部11側のコイルばね用シートの取り付け構造は、座巻部9側と同様であり、説明は省略する。
コイルばね用シート5は、座部17と、取付軸部19と、拡径部21とを有している。
座部17は、周回形状に形成され、受け面17aを有している。座部17の外径は、座巻部9の外径と同一又は僅かに大きく若しくは小さく形成される。これにより、座部17を座巻部9に安定して当接させることができる。
取付軸部19は、座部17の受け面17aから同心に突出形成され、この取付軸部19の先端に拡径部21が圧入ガイド用として形成されている。拡径部21の外径は、座巻部9の内径よりも大きく、圧入代を有している。拡径部21の先端外周には、圧入ガイド用の面取り21aが形成されている。
取付軸部19は、座巻部9が嵌合して座巻部9の座面9aが座部17の受け面17aに当接した自由状態でコイルばね用シート5の拡径部21との間に隙間を有するか又は隙間が零となる軸長に設定されている。
取付軸部19への座巻部9の嵌合は、コイルばね3の一巻目で形成される座巻部9が取付軸部19の全周に周回で行われる。
座巻部9と拡径部21との間の隙間は、座巻部9が拡径部21に接触しない程度であれば良く、不必要に空ける必要はない。隙間が零の状態は、座巻部9が拡径部21に接触はするが座巻部9に応力が作用しない状態を言う。
遷移部13は、座巻部9の座面9aが座部17の受け面17aに当接した状態で拡径部21を迂回し、遷移部13が拡径部21に接触しないように設定されている。
この迂回は、遷移部13が座巻部9から本体部7へ渦巻きを漸次拡大するようにして行われる。この迂回により座巻部9が取付軸部19の径方向へ相対移動しても遷移部13は拡径部21に接触しないか、隙間が零になる状態となる。
[圧入代範囲及びクラック]
図2は、コイルばね用シートの拡大側面図、図3は、コイルばね用シートの各部の寸法を示す図表である。
図2のようにコイルばね用シート5の取付軸部19の軸長をB寸法、取付軸部19の直径をH寸法、拡径部21の直径をG寸法とする。
図2、図3のように、実施例のG寸法は、比較例3種に比べて大きくしてある。このG寸法を大きくすることで、圧入代が大きくなる。G寸法は、座巻部9の内径が寸法公差を見込んだ最大のときよりも大きい値を設定している。圧入代を大きくすることで座巻部9に対するコイルばね用シート5の脱落を防ぐことができる。なお、比較例3種は、一般的なコイルばね用シートの寸法割合を示すものである。
本発明実施例のコイルばね 3は、窒化処理を行った比較例のコイルばねに対し、圧入代が大きくなっても材質に関係なく座巻部9の破壊が抑制される窒化処理 となっている。
つまり、本発明実施例では、窒化処理により上記のように深さ50μmの表層と表面から3μm以下、好ましくは1.5μm程度の白層とを形成した。コイルばね3の白層の硬さは、前記のように750Hv以上に設定されている。このため、高い表面硬さと白層の柔らかさとを実現させ、靭性の高いコイルばね3を得ることができた。
これに対し、比較例は窒化処理により80〜120μmの表層と2.5〜5μmの白層とが形成されたものであり、硬さはあるが靱性が低く、本発明実施例のように圧入代が大きくなると座巻部が破壊される欠点がある。
図4は、本発明実施例及び比較例3種を示し、(A)は、コイルばねの表面から内部に至る硬さの変化を示すグラフ、(B)は、コイルばねの表面側の硬さの変化を示すグラフである。図4の縦軸はビッカース硬さ(Hv)を示し、横軸は表面からの深さ(mm)を示す。
図4のように、本発明実施例のコイルばね3は、表面から50μmの深さにおいて600Hvを僅かに上回る程度の硬さとなっているのに対し、比較例3種のコイルばねは、表面から60μmの深さにおいても600Hvを上回る硬さとなっている。
このように、本発明実施例のコイルばね3は、比較例3種に対し、硬さ及び靭性において全く異なる設定とした。この設定により比較例に対し高い表面硬さと白層の柔らかさとを実現させ、靭性の高いコイルばね3となった。
図5(A)は、せん断応力に対するクラックの発生を示す説明図、(B)は、(A)のクラック発生数の指標を示す説明図である。コイルばねの有効部をリング状に切断し、図中白抜き矢印のように両側から引っ張り、クラックの発生を確認した。図5の縦軸は、曲げ応力(σMPa)を示す。
クラックの発生を3ケ、2ケ、1ケ、無の4種類とし、曲げ応力との対応を見た。
図5のように、本実施例では、曲げ応力σ=1800MPaまでクラックの発生は無く、2000MPaで2ケ、2200MPaで1ケ、2400MPaで3ケのクラックが発生する結果を得た。
比較例1、2、3は、何れもσ=1800MPaで3ケのクラックが発生する結果となった。
この結果より、本発明実施例は、比較例よりも圧入代範囲を大きくすることができることが分かる。
図6は、白層及び表層との関係における曲げ応力に対するクラックの発生を示す説明図である。図6の縦軸は曲げ応力(MPa)、横軸は、表層の深さ(μm)を示す。この場合、図5の場合と同様にして引っ張り、クラックの発生を確認した。
図6のように、表層50μm、白層略3.0μm以下において、σ=1800MPa以上でも○で示すようにクラックの発生は無かった。この表層50μm、白層略3.0μm以下の構成により、コイルばね3の材質に関わらずクラックの発生を防止できる。
これに対し、表層50μm以下であっても、白層3.5μm、白層5.2μmでは、σ=1800MPaを下回る範囲でもクラックが発生した。
さらに、白層50μmを上回る範囲では、白層2.5〜5.7μmの何れにおいてもσ=1800MPa以下においてクラックが発生した。
かかる結果からも明らかなように、深さ50μmの表層と表面から3μm以下の白層との組み合わせにより、高い表面硬さでありながらクラックが容易には発生しない靭性の高いコイルばね3を得ることができた。
このような本発明実施例の従来にないコイルばね3の特性により圧入代範囲を大きくすることができた。
図7は、圧入代範囲を示すグラフである。横軸はコイルばねの内径、縦軸は圧入代を示す。図7の線分Uは最大圧入代を示し、コイルばねが破壊しない限界であり、線分Lは最小圧入代を示し、使用時にコイルばねからコイルばね用シートが抜け落ちない限界である。
図7のように、比較例では圧入時の破壊を考慮しコイルばねの内径に応じa、b、cの3種の圧入代範囲から選択する。3種類a、b、cから選択するのは、比較例のコイルばねは相対的に靭性が低く、内径に対する変形代が小さいからである。比較例では、この圧入代範囲の選択においてもコイルばねに対するコイルばね用シートの抜けがみられた。
これに対し本実施例のコイルばね3は、比較例よりもはるかに高い靭性を有し、圧入代範囲を広げることができ、dにすることができた。この圧入代範囲dは、コイルばね3の内径に係わらず比較例3種の圧入代範囲a、b、cをすべて包含することができた。しかも、本実施例の圧入代範囲dでは、コイルばね3に対するコイルばね用シート5の抜けはなかった。
[適正な取り付け]
図2、図3に戻り、本実施例のコイルばね用シート5のH寸法は、比較例に比べ、小さく設定されている。座巻部9の内径が寸法公差を見込んだ最小のときより小さくすることで、コイルばね3との干渉を防ぎ、座巻部9が応力緩和する寸法となっている。
B寸法は、比較例に比べ、大きくなっている。この寸法は、コイルばね3の1巻目が拡径部21に当たらないように設定されるものである。
つまり、本発明実施例のコイルばね用シート 5は、コイルばねの素線の直径を22mm、コイル座巻外径16.90mm、コイル座巻内径11.65mmとしたとき、B寸法において比較例1.60mmに対し2.49mmと長く設定されている。
かかるB寸法の設定により、座巻部9へのコイルばね用シート5の取り付けは、図8のようになる。図9は、比較例に係る。
図8は、本実施例のコイルばね用シートの取り付けを示し、(A)は、要部断面図、(B)は、要部拡大断面図、図9は、比較例のコイルばね用シートの取り付けを示し、(A)は、要部断面図、(B)は、要部拡大断面図である。
前記図3の本実施例及び比較例のコイルばね用シートの各部の寸法において、取付軸部の軸長Bの相違により、図8、図9の干渉の有無となる。
図8のように、本発明実施例では、取付軸部19に座巻部9が嵌合して座巻部9の座面9aが座部17の受け面17aに当接し座巻部9の自由長状態で、先端9b上に位置する素線一巻目9cが、拡径部21に対して隙間を有している。
この隙間を有したまま遷移部13がコイル径を漸次拡大するように遷移しながら拡径部21を迂回して接触せず、遷移部13でのさらなる半巻目13aの位置で拡径部21の外周側に隙間を持ってオフセットし、本体部7へと遷移する。実施例では二巻目に至る前にコイルばね用シート5の軸方向外に至る。
したがって、図8の本発明実施例では、コイルばね用シート5のB寸法(図2)が大きく、座巻部9及び遷移部13が拡径部21に干渉しない。このため、コイルばね組立体1の耐久性を維持することができると共に、座巻部9の座面9aとコイルばね用シート5の受け面17aとの間の隙間を抑制し、取り付けを安定させることができる。
これに対し、図9の比較例は、コイルばね用シート5AのB寸法(図2)が相対的に小さく、座巻部9の座面9aが座部17の受け面17aに当接した状態で、コイルばね3の先端9b上に位置する素線一巻目9cが、拡径部21に干渉する。断面により図には表れないが、二巻目に至る遷移部も拡径部21に干渉する形態となる。なお、図9では、干渉部を重ねて図示している。
このような比較例の構造は、コイルばね3の座巻部9とコイルばね用シート5Aとの無理な干渉を招き、耐久性が損なわれると共に、座巻部9の座面9aとコイルばね用シート5Aの受け面17aとの間に大きな隙間ができ、取り付けが不安定になる。
図10、図11は実施例2のコイルばね用シートの取り付けに係り、(A)は、要部断面図、(B)は、(A)のXB部、XIB部拡大断面図である。
図10、図11のように、本実施例のコイルばね3Aは、断面円形の素線ではなく、断面オーバル形状の素線を用いた。コイルばね3Aは、素線のコイル内径側3Aaの断面が例えば半楕円形状部で構成され、コイル外径側3Abの断面が半円形状部で構成されている。
図10の例は、コイル外径側3Abの半円形状部の曲率半径を、実施例1の円形断面と同一にしたとき、座巻部9A(11A)とコイルばね用シート5の拡径部21との間の隙間が実施例1に比較して大きくなることを示している。
したがって、本実施例の場合、コイルばね用シート5のB寸法(図2)を小さくして図11のように座巻部9A(11A)とコイルばね用シート5の拡径部21との間の隙間の縮小を図ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
3、3A コイルばね
3Aa コイル内径側
3Ab コイル外径側
5、5A コイルばね用シート
7 本体部
9、9A、11、11A 座巻部
9a、9Aa、11a、11Aa 座面
13、15 遷移部
17 座部
17a 受け面
19、19A 取付軸部
21 拡径部

Claims (4)

  1. 本体部の両端に座巻部を備えたコイルばねと前記座巻部に取付けられるコイルばね用シートとからなるコイルばね組立体であって、
    前記コイルばねは、前記座巻部が前記本体部に対し相対的に縮径して一巻目まで形成され、前記本体部及び座巻部の間に前記座巻部から本体部へ渦巻きを漸次拡径する遷移部を有し、
    前記コイルばね用シートは、前記座巻部の座面に受け面が当接する座部と、この座部の受け面から突出された取付軸部と、この取付軸部の先端に形成された圧入ガイド用の拡径部とを有し、
    前記取付軸部は、前記座巻部が嵌合して該座巻部の座面が前記座部の受け面に当接した自由状態で前記コイルばね用シートの拡径部との間に隙間を有するか又は隙間が零となる軸長に設定され、
    前記遷移部は、前記座巻部の座面が前記座部の受け面に当接した状態で前記拡径部を迂回し、拡径部に接触しないか、隙間が零になる、
    ことを特徴とするコイルばね組立体。
  2. 請求項1に記載のコイルばね組立体であって、
    前記コイルばねは、深さ50μm以下の表層硬化層と表面から3μm以下の白層とを備えた、
    ことを特徴とするコイルばね組立体
  3. 請求項2に記載のコイルばね組立体であって、
    前記コイルばねは、前記白層の硬さが750Hv以上である、
    ことを特徴とするコイルばね組立体。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載のコイルばね組立体であって、
    前記コイルばねの素線は、断面オーバル形状であり、コイル外径側が前記素線の断面半円形状部で構成された、
    ことを特徴とするコイルばね組立体。
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