JP2008249035A - 防振装置およびそれに用いる樹脂製外筒部材 - Google Patents

防振装置およびそれに用いる樹脂製外筒部材 Download PDF

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Abstract

【課題】フランジ部を有する外筒部材において、圧入により固定される筒状固定部材の抜け防止力を確保しつつ、外筒部材の筒状部に割れが生じることを防止できる防振装置を提供する。
【解決手段】樹脂製の外筒部材10は、筒状固定部材2の内側に圧入される筒状部11、および、筒状部11の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部12を備える。そして、少なくとも筒状部11の軸方向一端側は、全周結合された環状からなり、筒状部11の外周面において筒状固定部材2が圧入される圧入範囲L2のうち軸方向一端側は、フランジ部12から所定距離L3を隔てて位置し、フランジ部12は、外周縁から径方向内方に向かって切欠12aを形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、外筒部材と内筒部材とそれらを弾性連結するゴム弾性体を備える防振装置、および、それに用いる樹脂製外筒部材に関するものである。
従来のこの種の防振装置として、例えば、特開2002−161934号公報(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1に記載の防振装置は、軽量化、相手部材である筒状固定部材との接触に伴う電触防止のため、外筒部材を樹脂製としている。
ところで、この種の防振装置においては、ゴム弾性体に予備圧縮を与えてゴム弾性体の耐久性を確保するために、相手部材である筒状固定部材に圧入により固定することが行われている。この圧入により、外筒部材が縮径変形して、ゴム弾性体に予備圧縮を与えられる。ここで、この圧入に際しては、圧入治具を外筒部材の端部に当接させて支持した状態で、筒状固定部材を圧入する。そして、圧入治具による外筒部材が受ける面圧を低減するために、外筒部材は、圧入される筒状部と、筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部とを備えるような構成としている。つまり、フランジ部を圧入治具に当接させて支持することで、フランジ部が圧入治具から受ける面圧を低減できるようにしている。
しかし、元々樹脂は金属に比べて変形しにくいにも関わらず、樹脂製の外筒部材においてフランジ部を有することで、さらにフランジ部付近が変形しにくくなる。そのため、筒状固定部材を外筒部材の筒状部に圧入すると、筒状部の内周面に割れが生じるおそれがあり、さらには、その割れが大きくなって筒状部が分断されるおそれがある。
そこで、筒状部を縮径変形し易くするために、例えば、実開平6−54937号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特許文献2に記載の防振装置は、樹脂製の外筒部材において、周方向で異なる位置に、両端のフランジ部から筒状部の軸方向中央付近まで一対の切割を形成している。これにより、外筒部材が縮径変形し易くし、樹脂製の外筒部材に割れが生じるのを防止できる。
しかし、特許文献2に記載のように、外筒部材の筒状部に切割を形成すると、外筒部材が縮径変形し易くなる反面、相手部材である筒状固定部材を外筒部材の筒状部の外周面に圧入した場合に、筒状固定部材が抜けやすくなってしまうという問題が生じる。つまり、筒状固定部材の抜け防止力が低下する。
そこで、フランジ部を有する外筒部材において、圧入により固定される筒状固定部材の抜け防止力を確保しつつ、外筒部材の筒状部に割れが生じることを防止できることが望まれる。
ところで、外筒部材の外周面に筒状固定部材を圧入するものとは異なるもので、樹脂製の筒状部材にボルトを挿通させて締め付けて固定する防振装置が、特開平5−193371号公報(特許文献3)に記載されたものがある。特許文献3に記載の防振装置は、樹脂製の筒状部材に軸方向の圧縮力が作用する場合に、ウェルド部から割れることを防止するために、フランジ部のうちウェルド部付近に切欠を形成するというものである。
特開2002−161934号公報 実開平6−54937号公報 特開平5−193371号公報
しかし、上述したように、筒状固定部材を圧入により固定する外筒部材を樹脂製にする防振装置に対して、特許文献3に記載の軸方向の圧縮力による割れ防止を目的とする防振装置の発明をそのまま適用することはできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フランジ部を有する外筒部材において、圧入により固定される筒状固定部材の抜け防止力を確保しつつ、外筒部材の筒状部に割れが生じることを防止できる防振装置およびそれに用いる樹脂製外筒部材を提供することを目的とする。
<防振装置>
本発明の防振装置は、筒状固定部材の内側に圧入される筒状部、および、筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部を備える樹脂製の外筒部材と、筒状部に対して径方向内方に離隔して配置される内筒部材と、筒状部の内周面と内筒部材の外周面とを弾性連結するゴム弾性体と、を備え、少なくとも筒状部の軸方向一端側は、全周結合された環状からなり、筒状部の外周面において筒状固定部材が圧入される圧入範囲のうち軸方向一端側は、フランジ部から所定距離を隔てて位置し、フランジ部は、外周縁から径方向内方に向かって切欠を形成していることを特徴とする。
本発明の防振装置によれば、外筒部材の筒状部の少なくとも軸方向一端側が、全周結合された環状からなる。従って、本発明における外筒部材の筒状部は、特許文献2に記載の外筒部材のような切割を形成しておらず、容易に縮径変形できる形状とはしていない。従って、筒状固定部材を筒状部に圧入した場合に、筒状固定部材の抜け防止力を十分に確保できる。
しかし、単に筒状部の少なくとも軸方向一端側を全周結合された環状としたのみでは、当該環状部分が縮径変形し難くなるので、筒状固定部材を圧入することで、筒状部の内周面に割れが生じるおそれがある。
そこで、本発明によれば、筒状部の外周面において筒状固定部材が圧入される圧入範囲のうち軸方向一端側は、フランジ部から所定距離を隔てて位置している。このとき、筒状部のうち割れが生じるおそれのある部位は、当該圧入範囲のうち軸方向一端側の部位に対応する筒状部の内周面となる。これは、圧入範囲のうち軸方向一端側の部位である筒状部の外周面を基端として、筒状部が曲げ変形されることになり、当該基端となる部位に対応する筒状部の内周面側に最も大きな引張応力が生じるためである。
従って、筒状部の内周面の当該部位に割れが生じないようにするためには、筒状部のうち、圧入範囲の軸方向一端側からフランジ部の端面までの範囲を、縮径変形できるようにする必要がある。このように、当該範囲を縮径変形させることができれば、当該基端となる部位に対応する筒状部の内周面側に生じる引張応力を小さくすることができる。その結果として、筒状部の内周面に割れが生じることを防止できる。
そこで、本発明によれば、フランジ部にその外周縁から径方向内方に向かって切欠を形成している。もともと、当該切欠を形成していない場合には、樹脂からなるフランジ部は、ほとんど縮径しない状態となる。これに対して、切欠を形成することにより、フランジ部を僅かながら縮径させることができる。この変形に伴って、筒状部のうち、圧入範囲の軸方向一端側からフランジ部の端面までの範囲を、僅かながら縮径変形できる。その結果、筒状部の内周面の当該部位に割れが生じることを防止できる。
ところで、フランジ部に切欠を形成することで、圧入範囲の軸方向一端側がフランジ部から所定距離を隔てることなく一致している場合でも、割れが生じないおそれがある。しかし、そもそも、上述したように、樹脂からなるフランジ部は、切欠を形成していない場合はもちろんのこと、切欠を形成したとしてもそれほど大きく縮径するものではない。従って、仮に、フランジ部に切欠を形成したとしても、圧入範囲の軸方向一端側がフランジ部から所定距離隔てていない場合には、やはり筒状部の内周面に割れが生じるおそれがある。つまり、フランジ部に切欠を形成することと、圧入範囲の軸方向一端側が、フランジ部から所定距離隔てて位置することで、筒状部の内周面に割れが生じることを防止できる。
また、本発明の防振装置において、切欠は、3箇所以上形成されるようにするとよい。この場合、特に、外筒部材の中心軸を中心とし、且つ、フランジ部を切欠の個数で等角度に分割した場合に、切欠は、分割された各領域に1つずつ形成されるとよい。例えば、3箇所の切欠のうち2箇所の切欠を非常に近接した位置に形成したとしても、これら2箇所の切欠と残りの1箇所の切欠との離間距離を十分に大きくできる。つまり、分割された各領域に切欠を1つずつ形成することで、少なくとも1以上の切欠と、他の切欠とが、十分に離間して形成できる。このように、3個以上の切欠全てが近接した状態とならず、ばらばらに形成することができる。従って、筒状部のうち、圧入範囲の軸方向一端側からフランジ部の端面までの範囲を、周方向全体に亘って縮径変形できる。その結果、筒状部の内周面の当該部位に割れが生じることを確実に防止できる。
特に、複数の切欠を形成する場合には、これら複数の切欠は、等角度に形成されるとよい。これにより、筒状部のうち、圧入範囲の軸方向一端側からフランジ部の端面までの範囲を、周方向全体に亘って、より均等に近い状態で縮径変形できる。その結果、筒状部の内周面の当該部位に割れが生じることをより確実に防止できる。
また、この切欠は、フランジ部の外周縁に向かって拡開するように形成されるとよい。ここで、樹脂からなるフランジ部は、ある径方向位置において、周方向の長さが長いほど、縮径変形しにくくなる。そして、仮に、切欠がフランジ部の外周縁に向かって同一幅である場合には、フランジ部の外周側ほど縮径変形しにくくなる。結果として、フランジ部全体が、縮径変形し難くなる。そこで、切欠をフランジ部の外周縁に向かって拡開形成することで、フランジ部の外周側を縮径変形し易くできる。これにより、フランジ部全体が縮径変形し易くなる。その結果、筒状部のうち、圧入範囲の軸方向一端側からフランジ部の端面までの範囲を、周方向全体に亘って縮径変形でき、筒状部の内周面の当該部位に割れが生じることを確実に防止できる。
フランジ部の外周縁に向かって拡開する切欠として、特に、外筒部材の軸方向から見た場合に弧状に形成されるとよい。弧状に形成することで、切欠周縁に応力が集中することを防止できる。
また、本発明の防振装置において、切欠のうち外筒部材の中心軸側の最深位置から外筒部材の中心軸までの距離は、筒状部の外周面の半径以下に設定されるとよい。つまり、フランジ部のうち、筒状部の外径より大きな径となる領域において、必ず切欠が形成されている部分が存在することになる。従って、フランジ部が縮径変形し易くなる。その結果、筒状部のうち、圧入範囲の軸方向一端側からフランジ部の端面までの範囲を、周方向全体に亘って縮径変形でき、筒状部の内周面の当該部位に割れが生じることを確実に防止できる。
この場合に、さらに、切欠のうち外筒部材の中心軸側の最深位置から外筒部材の中心軸までの距離は、筒状部の内周面の半径より大きく設定されるとよい。つまり、フランジ部のうち少なくとも内周端の部分は、全周に亘って、切欠が形成されていない。これにより、フランジ部を圧入治具に当接して支持した状態において、圧入治具による押圧力をフランジ部が受けた場合に、屈曲変形することなく、確実に圧入治具を支持できる。
また、本発明の防振装置において、筒状部は、圧入範囲の全体に亘って全周結合された環状からなるとよい。つまり、圧入範囲の全体に亘って、筒状部の外周面と筒状固定部材の内周面とが当接する状態となる。従って、圧入による筒状固定部材の抜け防止力は、非常に強固なものとなる。
また、本発明の防振装置において、筒状固定部材は、少なくとも一方端面の内周側に面取りが施され、この一方端面は、フランジ部に当接するとよい。これにより、筒状固定部材を外筒部材に圧入する際に、圧入作業性が向上する。さらに、組み付けられた状態において、外筒部材が内筒部材に対して軸方向に相対移動して、フランジ部がストッパ部材などに当接する場合において、筒状固定部材は、フランジ部が変形することを防止する支持部材として機能することになる。ここで、この場合における圧入範囲の軸方向一端側とは、面取りの内周端の部分に相当する。従って、筒状固定部材の一方端面をフランジ部に当接するように取り付けたとしても、圧入範囲の軸方向一端側は、フランジ部から所定距離隔てて位置するようにできる。
<防振装置に用いる樹脂製外筒部材>
上述においては、本発明を防振装置として把握した場合について説明した。この他に、本発明は、防振装置に用いる外筒部材としても把握することができる。すなわち、本発明における防振装置に用いる樹脂製外筒部材は、筒状に形成され、その径方向内方に離隔して配置される内筒部材にゴム弾性体により弾性連結される防振装置に用いる樹脂製外筒部材において、筒状固定部材の内側に圧入される筒状部、および、筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部を備え、少なくとも筒状部の軸方向一端側は、全周結合された環状からなり、筒状部の外周面において筒状固定部材が圧入される圧入範囲のうち軸方向一端側は、フランジ部から所定距離を隔てて位置し、フランジ部は、外周縁から径方向内方に向かって切欠を形成していることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の防振装置と同様の効果を奏する。また、本発明の防振装置としての他の特徴部分を、本発明の樹脂製外筒部材に同様に適用でき、その場合における効果も同様の効果を奏する。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態の防振装置1について、図1および図2を参照して説明する。図1(a)は、相手部材である筒型固定部材2に取り付ける前の状態における防振装置1の平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図2は、筒型固定部材2を取り付けた後の状態における防振装置1の軸方向断面図である。
筒型固定部材2を取り付ける前の状態における防振装置1について、図1(a)(b)を参照して説明する。図1(a)(b)に示すように、防振装置1は、外筒部材10と、内筒部材20と、ゴム弾性体30とから構成される。外筒部材10は、樹脂製であり、全体としては筒状に形成されている。この外筒部材10は、詳細には、筒状部11とフランジ部12とから構成される。
筒状部11は、軸方向全体に亘って、全周結合された円筒状からなる。つまり、筒状部11は、軸方向全体に亘って、径方向へ貫通する穴が一切形成されていない円筒状からなる。より詳細には、筒状部11の内周面は、軸方向全体(図1(b)の上下方向全体)に亘って半径Rの円筒内周面状に形成されている。筒状部11の外周面は、軸方向他端(図1(b)の下端)を除き、半径Rの円筒外周面状に形成されている。そして、筒状部11の外周面のうち軸方向他端には、面取り11aが施されている。つまり、筒状部11の外周面のうち軸方向他端は、軸方向外方(図1(b)の下方)に向かって、縮径するように形成されている。この面取り11aは、外筒部材10の中心軸10aに対するなす鋭角(面取りテーパ角度)が20〜30度となるように形成されている。この筒状部11は、図2に示すように筒状固定部材2の内側に圧入される。
フランジ部12は、筒状部11の軸方向一端から径方向外方に延在するように形成され、ほぼ中空円盤状に形成されている。つまり、フランジ部12の内周面の半径Rは、筒状部11の内周面の半径Rに等しく、フランジ部12の外周面の半径Rは、筒状部11の外周面の半径Rより大きく形成されている。また、フランジ部12の肉厚は、筒状部11の肉厚と同一とされている。
そして、このフランジ部12には、図1(a)に示すように、フランジ部12の外周縁から径方向内方に向かって切欠12aが4箇所形成されている。外筒部材10の中心軸10aを中心とし、且つ、フランジ部12を切欠12aの個数で等角度に分割した場合に、4箇所の切欠12aは、分割された各領域E1、E2、E3、E4に1つずつ形成されている。さらには、4箇所の切欠12aは、それぞれ、分割された各領域E1〜E4のうち周方向の中央に形成されている。つまり、4箇所の切欠12aは、フランジ部12の周方向に等角度に形成されている。
さらに、これら4箇所の切欠12aは、全て同一形状に形成されている。具体的には、4箇所の切欠12aは、フランジ部12の外周縁に向かって拡開するように形成されている。つまり、切欠12aの周方向幅Wが、径方向外方に向かって、広くなるように形成されている。そして、これらの切欠12aは、軸方向から見た場合に、円弧状に形成されている。さらに、これら4箇所の切欠12aのうち外筒部材10の中心軸10a側の最深部位12bから、外筒部材10の中心軸10aまでの距離L1は、筒状部11の外周面の半径Rと同一としている。つまり、フランジ部12のうち周方向に全周に亘って結合されている部分は、フランジ部12の内周面から半径Rの部位までである。
内筒部材20は、厚肉鋼管により円筒状に形成されている。この内筒部材20の外径は、外筒部材10の筒状部11の内径よりも小さく形成されている。また、内筒部材20の軸方向長さは、外筒部材10の軸方向長さよりも僅かに長く形成されている。そして、この内筒部材20は、外筒部材10の筒状部11に対して径方向内方に離隔して、同軸的に配置されている。このとき、内筒部材20の軸方向両端が、外筒部材10の軸方向両端に対して何れも軸方向外方に突出するように配置される。そして、内筒部材20の内側に締結ボルト(図示せず)を挿通させて、内筒部材20は相手部材に締結される。
ゴム弾性体30は、外筒部材10の筒状部11の内周面全周と内筒部材20の外周面全周とに加硫接着され、両者を弾性連結する。このゴム弾性体30は、円筒状に形成されている。そして、ゴム弾性体30の軸方向両端部においては、それぞれ、軸方向中央に向かって、すぐり30a、30bが形成されている。なお、ここでは、ゴム弾性体30に形成されるすぐり30a、30bは、軸方向に貫通していないが、軸方向に貫通するようにしてもよい。ゴム弾性体30のばね特性を調整するために、すぐり30a、30bの形状を適宜変更できる。
次に、筒状固定部材2について図2を参照して説明する。筒状固定部材2は、薄肉鋼管により円筒状に形成されている。より詳細には、筒状固定部材2の内周面は、図2の軸方向両端部分を除き、同一半径の円筒内周面状に形成されている。この筒状固定部材2の内周面の半径は、筒状固定部材2の内側に筒状部11を圧入可能となるように、外筒部材10の筒状部11の外周面の半径より、僅かに小さく形成されている。そして、筒状固定部材2の軸方向両端部分には、それぞれ、面取り2a、2bが施されている。つまり、筒状固定部材2の軸方向両端は、それぞれ、軸方向外方に向かって、内径が拡径するように形成されている。これらの面取り2a、2bは、筒状固定部材2の軸方向に対するなす鋭角(面取りテーパ角度)が、20〜30度となるように形成されている。そして、これらの面取り2a、2bの軸方向深さは、例えば3〜5mmとしている。また、筒状固定部材2の外周面は、軸方向全体に亘って、同一半径の円筒外周面状に形成されている。この筒状固定部材2の外周面の半径は、外筒部材10のフランジ部12の外周面の外径Rと同一である。さらに、筒型固定部材2の軸方向長さは、外筒部材10の筒状部11の軸方向長さと同一である。
次に、筒状固定部材2を上述した防振装置1に取り付ける取付工程について説明する。ここで、両者の取付は、筒状固定部材2の内側に外筒部材10の筒状部11を圧入することにより行われる。まず、筒状固定部材2を治具(図示せず)に位置決め固定する(筒状固定部材位置決め工程)。
続いて、筒状固定部材2の一端側に、防振装置1を同軸的に配置する(防振装置初期位置決め工程)。ここで、筒状固定部材2の内周面の半径は、外筒部材10の筒状部11の外周面の半径Rより僅かに小さいため、外筒部材10の筒状部11のうち面取り11aが施されている軸方向他端部分が、筒状固定部材2の一端側のうち面取り2aが施されている部分に当接する。
続いて、外筒部材10のフランジ部12の一方端面(図2の上端面)を、圧入治具(図示せず)により押圧する(フランジ部押圧工程)。そして、筒型固定部材2の一方端面が、フランジ部12に当接する状態となるまで継続する。これにより、ゴム弾性体30に予備圧縮を与えて、耐久性を確保できる。
このフランジ部押圧工程において使用する圧入治具は、例えば、その端面がフランジ部12の一方端面に当接可能な円筒状に形成されている。ただし、フランジ部12には切欠12aが形成されているため、フランジ部12の一方端面のうち切欠12a以外の部分が、圧入治具に当接可能となる。このとき、筒型固定部材2の内周面の面取り2aにより、外筒部材10の筒状部11が筒型固定部材2の内側に容易に圧入される。
ここで、切欠12aのうち外筒部材10の中心軸10a側の最深位置12bから外筒部材10の中心軸10aまでの距離L1は、筒状部11の外周面の半径Rと同一であるため、筒状部11の内周面の半径Rより大きい。つまり、フランジ部12のうち少なくとも内周端の部分は、全周に亘って、切欠12aが形成されていない。これにより、フランジ部12を圧入治具に当接して支持した状態において、圧入治具による押圧力をフランジ部12が受けた場合に、屈曲変形することなく、確実に圧入治具を支持できる。
そして、圧入されている範囲L2(本発明における「圧入範囲」に相当する)は、筒型固定部材2の内周面が、外筒部材10の筒状部11の外周面に当接している範囲である。そして、筒型固定部材2の内周面のうち軸方向一端に、面取り2aが形成されていることにより、圧入範囲L2のうち軸方向一端側は、フランジ部12から距離L3を隔てて位置していることになる。
ここで、外筒部材10は、樹脂製であるため、鋼材に比べて変形しにくい。特に、筒状部11は、軸方向全体に亘って全周結合された円筒状からなるとともに、フランジ部12の存在により、外筒部材10は縮径変形しにくい。このような外筒部材10の筒状部11を、筒型固定部材2の内側に圧入すると、圧入範囲L2のうちフランジ部12側の端部に対応する筒状部11の内周面が、最も大きな引張応力が作用する。仮に、この引張応力が非常に大きいと、当該部位に割れが生じるおそれがある。
しかし、フランジ部12に切欠12aが形成されていることにより、フランジ部12aが僅かではあるが縮径変形し易くなる。特に、4箇所の切欠12aは、周方向に等角度に形成されているため、フランジ部12が周方向全体に亘って、より均等に近い状態で縮径変形し易くなる。さらに、切欠12aはフランジ部12の外周縁に向かって拡開するように形成されているため、より効果的にフランジ部12を縮径変形し易くできる。これは、フランジ部12のうち切欠12aが形成されていない部分の周方向長さが長いほど縮径変形しにくくなるためである。
さらには、上述したように、切欠12aのうち外筒部材10の中心軸10a側の最深部位12bから外筒部材10の中心軸10aまでの距離L1が、筒状部11の外周面の半径Rと同一としている。つまり、フランジ部12のうち、筒状部11の外径より大きな径となる領域において、必ず切欠12aが形成されている部分が存在することになる。従って、このことからも、フランジ部12が縮径変形し易くなる。
このようにフランジ部12が縮径変形し易くなることにより、筒状部11のうち、圧入範囲L2の軸方向一端側(フランジ部12側)からフランジ部12の端面までの範囲L3の部分が縮径変形可能となる。その結果、筒状部11の内周面に作用する部位の引張応力を低減できる。従って、筒状部11の当該部位に割れが生じることを確実に防止できる。
そして、筒状部11は、軸方向全体に亘って、全周結合された円筒状からなる。特に、筒状部11のうちフランジ部12側の端部、特に、圧入範囲L2の軸方向一端側からフランジ部12の端面までの範囲L3を、全周結合された円筒状とすることにより、筒型固定部材2の内側に筒状部11が圧入される際に、容易に縮径変形することを防止している。これにより、筒型固定部材2の内側に筒状部11を圧入した状態において、筒型固定部材2の抜け防止力を十分に確保できる。
さらに、圧入範囲L2の全体に亘って全周結合された円筒状からなる。つまり、圧入範囲L2の全体に亘って、筒状部11の外周面と筒型固定部材2の内周面とが圧入代を有する状態で当接している。従って、圧入による筒型固定部材2の抜け防止力は非常に強固なものとなる。また、切欠12aは、円弧状に形成している。これにより、切欠12a周縁に応力が集中することを防止できる。
また、筒状固定部材2の一方端面がフランジ部12に当接している。外筒部材10が内筒部材20に対して軸方向に相対移動して、フランジ部12がストッパ部材(図示せず)などに当接する場合において、筒状固定部材2は、フランジ部12が変形することを防止する支持部材として機能することになる。
<その他の実施形態>
上記実施形態において、切欠12aは、円弧状に形成したが、これに限られるものではない。例えば、図3に示すように、切欠112aは、V字状に形成してもよい。つまり、このV字状の切欠112aも、円弧状の切欠12aと同様に、フランジ部12の外周縁に向かって拡開する。ただし、このV字状の切欠112aにおいて、V字底部をピン角状にするのではなく、円弧状にすることが望ましい。応力集中を回避するためである。これにより、上述した効果とほぼ同一効果を奏する。
また、上記実施形態においては、切欠12aのうち外筒部材10の中心軸10a側の最深部位12bから、外筒部材10の中心軸10aまでの距離L1は、筒状部11の外周面の半径Rと同一としているが、筒状部11の外周面の半径R以下であって、筒状部11の内径Rより大きくすればよい。これにより、上述した効果と同一効果を奏する。
また、上記実施形態において、切欠12aは、周方向に等角度に4箇所形成した。この切欠12aは少なくとも3箇所形成することが好ましく、さらに、等角度である方がよりよい。ただし、切欠12aの個数を増大すると、フランジ部12が縮径変形し易くなるが、圧入治具との当接面積が小さくなるため、フランジ部12が圧入治具から受ける面圧が大きくなる。そこで、これらを調整しながら、適切な切欠12aを形成する必要がある。
(a):第一実施形態における相手部材である筒型固定部材2に取り付ける前の状態の防振装置1の平面図である。(b):図1(a)のA−A断面図である。 筒型固定部材2を取り付けた後の状態における防振装置1の軸方向断面図である。 その他の実施形態における相手部材である筒型固定部材2に取り付ける前の状態の防振装置1の平面図である。
符号の説明
1:防振装置、 2:筒型固定部材、 2a、2b:面取り、
10:外筒部材、 10a:外筒部材10の中心軸、
11:筒状部、 11a:面取り、
12:フランジ部、 12a、112a:切欠、 12b:切欠12aの最深部位、
20:内筒部材、
30:ゴム弾性体、 30a、30b:すぐり、
L1:最深部位12bから中心軸10aまでの距離、
L2:圧入範囲、
L3:圧入範囲L2のうち軸方向一端側とフランジ部12との離間距離、
:筒状部11の内周面の半径、
:筒状部11の外周面の半径、
:フランジ部12の内周面の半径、
:フランジ部12の外周面の半径、
E1〜E4:分割領域、
W:切欠12aの周方向幅

Claims (10)

  1. 筒状固定部材の内側に圧入される筒状部、および、前記筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部を備える樹脂製の外筒部材と、
    前記筒状部に対して径方向内方に離隔して配置される内筒部材と、
    前記筒状部の内周面と前記内筒部材の外周面とを弾性連結するゴム弾性体と、
    を備え、
    少なくとも前記筒状部の前記軸方向一端側は、全周結合された環状からなり、
    前記筒状部の外周面において前記筒状固定部材が圧入される圧入範囲のうち前記軸方向一端側は、前記フランジ部から所定距離を隔てて位置し、
    前記フランジ部は、外周縁から径方向内方に向かって切欠を形成していることを特徴とする防振装置。
  2. 前記切欠は、3箇所以上形成され、
    前記外筒部材の中心軸を中心とし、且つ、前記フランジ部を前記切欠の個数で等角度に分割した場合に、前記切欠は、分割された各領域に1つずつ形成される請求項1に記載の防振装置。
  3. 複数の前記切欠は、等角度に形成される請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記切欠は、前記フランジ部の外周縁に向かって拡開するように形成される請求項1〜3の何れか一項に記載の防振装置。
  5. 前記切欠は、前記外筒部材の軸方向から見た場合に弧状に形成される請求項4に記載の防振装置。
  6. 前記切欠のうち前記外筒部材の中心軸側の最深位置から前記外筒部材の中心軸までの距離は、前記筒状部の外周面の半径以下に設定されている請求項1〜5の何れか一項に記載の防振装置。
  7. 前記切欠のうち前記外筒部材の中心軸側の最深位置から前記外筒部材の中心軸までの距離は、前記筒状部の内周面の半径より大きく設定されている請求項6に記載の防振装置。
  8. 前記筒状部は、前記圧入範囲の全体に亘って全周結合された環状からなる請求項1〜7の何れか一項に記載の防振装置。
  9. 前記筒状固定部材は、少なくとも一方端面の内周側に面取りが施され、
    前記一方端面は、前記フランジ部に当接する請求項1〜8の何れか一項に記載の防振装置。
  10. 筒状に形成され、その径方向内方に離隔して配置される内筒部材にゴム弾性体により弾性連結される防振装置に用いる樹脂製外筒部材において、
    筒状固定部材の内側に圧入される筒状部、および、前記筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部を備え、
    少なくとも前記筒状部の前記軸方向一端側は、全周結合された環状からなり、
    前記筒状部の外周面において前記筒状固定部材が圧入される圧入範囲のうち前記軸方向一端側は、前記フランジ部から所定距離を隔てて位置し、
    前記フランジ部は、外周縁から径方向内方に向かって切欠を形成していることを特徴とする防振装置に用いる樹脂製外筒部材。
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