JP2009079722A - 筒型防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外筒部材を樹脂製とした場合に、外筒部材の割れ防止を図ると共に筒状固定部材に対する抜け防止力を高めることができる筒型防振装置を提供する。
【解決手段】筒状固定部材2の内周面のうちフランジ部12側の端部とフランジ部12の反対側の端部とにテーパ状の面取り2a、2bが施され、外筒部材10の筒状部11の軸方向他端は、筒状固定部材2の反フランジ部側端部より筒状固定部材2の軸方向外方に延在している。そして、筒状固定部材2のフランジ部側端部の面取り2aの面取り角度θ1は、筒状固定部材2の反フランジ部側端部の面取り2bの面取り角度θ2より小さく設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂製の外筒部材と内筒部材とそれらを弾性連結するゴム弾性体を備える筒型防振装置に関するものである。
この種の筒型防振装置として、軽量化や、圧入相手部材である筒状固定部材との接触に伴う電触防止のため、外筒部材を樹脂製としたものがある。ところで、この種の筒型防振装置においては、ゴム弾性体に予備圧縮を与えてゴム弾性体の耐久性を確保するために、相手部材である筒状固定部材に圧入により固定することが行われている。この圧入により、外筒部材が縮径変形して、ゴム弾性体に予備圧縮が与えられる。
しかし、元々樹脂は金属に比べて縮径変形量が小さいため、筒状固定部材を外筒部材に圧入した後に、外筒部材が筒状固定部材に対して抜けるおそれがある。そこで、例えば、特開2001−74080号公報(特許文献1)には、外筒部材の端部が筒状固定部材の端部からはみ出すようにしておくことで、圧入した状態において、外筒部材の端部の弾性変形により元の外径の戻るよう作用することを利用して、外筒部材が筒状固定部材から抜けにくくすることが記載されている。また、特許第3767545号公報(特許文献2)には、筒状固定部材の内周面を段差状にすることで、外筒部材との引っ掛かりによる抜け防止力を発生することが記載されている。
また、上記特許文献1、2において、外筒部材は一端側にフランジ部を有している。そのため、外筒部材のうちフランジ部付近が特に縮径変形しにくくなる。従って、筒状固定部材を外筒部材の筒状部に圧入すると、筒状部の内周面のうちフランジ部側に割れが生じるおそれがあり、さらには、その割れが大きくなって筒状部が分断されるおそれがある。
そこで、外筒部材の筒状部を縮径変形し易くするために、例えば、実開平6−54937号公報(特許文献3)には、樹脂製の外筒部材において、フランジ部から筒状部の軸方向中央付近まで切割を形成している。これにより、外筒部材が縮径変形し易くし、樹脂製の外筒部材に割れが生じるのを防止できる。
特開2001−74080号公報 特許第3767545号公報 実開平6−54937号公報
しかし、特許文献3に記載のように、外筒部材の筒状部に切割を形成すると、外筒部材が縮径変形し易くなる反面、相手部材である筒状固定部材を外筒部材の筒状部の外周面に圧入した場合に、筒状固定部材が抜けやすくなってしまうという問題が生じる。つまり、筒状固定部材の抜け防止力が低下する。
また、上述したように、外筒部材が筒状部の一端側にフランジ部を有する場合に、筒状部のうちフランジ部側に割れが生じるおそれがあることに加えて、フランジ部の反対側の端部においても、筒状固定部材の圧入開始時点における筒状部に生じる応力が大きくなることにより、割れが生じるおそれがある。
つまり、外筒部材を樹脂製とした場合に、相手部材である筒状固定部材を圧入することにより生じる、外筒部材の筒状部のうちフランジ部側の端部および反フランジ部側の端部における割れを防止すること、且つ、筒状固定部材を圧入した後において筒状固定部材が外筒部材から抜けることを防止することが求められる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、外筒部材を樹脂製とした場合に、外筒部材の割れ防止を図ると共に筒状固定部材に対する抜け防止力を高めることができる筒型防振装置を提供することを目的とする。
本発明の筒型防振装置は、
周方向全周に結合した筒状部、および、前記筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部を備える樹脂製の外筒部材と、
前記筒状部に対して径方向内方に離隔して配置される内筒部材と、
前記筒状部の内周面と前記内筒部材の外周面とを弾性連結するゴム弾性体と、
前記筒状部の外側に圧入する筒状固定部材と、
を備える筒型防振装置であって、
前記筒状固定部材の内周面のうち前記フランジ部側の端部であるフランジ部側端部と前記フランジ部の反対側の端部である反フランジ部側端部とにテーパ状の面取りが施され、
前記外筒部材の前記筒状部の軸方向他端は、前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部より前記筒状固定部材の軸方向外方に延在し、
前記筒状固定部材の軸心と前記筒状固定部材の面取り面とのなす鋭角を面取り角度と定義した場合、
前記フランジ部側端部の前記面取り角度は、前記反フランジ部側端部の前記面取り角度より小さく設定されていることを特徴とする。
ここで、外筒部材の筒状部は、周方向全周に結合したものとしているが、これは、特許文献3に記載のような切割が形成されていないことを規定している。そして、本発明における外筒部材は、樹脂製からなり、当該筒状部に加えて、フランジ部を有している。つまり、フランジ部を有することにより、筒状部のうち、反フランジ部側に比べて、フランジ部側の方が縮径変形しにくい形状となっている。そして、相手部材である筒状固定部材を外筒部材に圧入する際には、外筒部材の筒状部のうち反フランジ部側から、筒状固定部材を圧入する。このとき、問題となるのは、(1)圧入開始時点における外筒部材の筒状部のうち反フランジ部側の割れの発生、(2)筒状固定部材を外筒部材のフランジ部側まで圧入した状態において、外筒部材の筒状部のうちフランジ部側の割れの発生、(3)筒状固定部材を外筒部材に圧入した後に、筒状固定部材が外筒部材の筒状部のうち反フランジ部側に向かう方向への抜けの問題がある。
そこで、本発明は、筒状固定部材のフランジ部側端部と反フランジ部側端部とで、面取り角度を異なるものとしている。具体的には、筒状固定部材は、フランジ部側端部の面取り角度を反フランジ部側端部の面取り角度より小さく設定している。つまり、筒状固定部材を外筒部材の筒状部に圧入する際に、筒状固定部材のうち外筒部材に接触する部位は、筒状固定部材のフランジ部側端部となる。そして、このフランジ部側端部の面取り角度が小さいほど、外筒部材の筒状部の反フランジ部側において発生する応力は小さくなる。従って、圧入開始時点における外筒部材の筒状部のうち反フランジ部側の割れの発生を抑制できる。
また、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度を小さく設定することで、筒状固定部材を外筒部材のフランジ部側まで圧入した状態において、外筒部材の筒状部のうちフランジ部側端部に発生する応力が小さくなる。この理由は、以下のことが考えられる。面取り角度を小さくすることで、筒状固定部材のフランジ部側端部において、面取り部分の最少内径部分が、当該面取りの端面から遠ざかるように位置する。つまり、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り部分の最少内径部分が、外筒部材のフランジ部から遠い位置に位置する。そして、外筒部材の筒状部においては、フランジ部に近いほど、割れが生じる応力が小さくなる。従って、少しでも、外筒部材の筒状部において、高い応力が発生する部位をフランジ部から遠ざけることで、筒状部のうちフランジ部側の部位に割れが発生することを抑制できる。
このように、割れの発生を抑制できる結果、従来に比べて、外筒部材の筒状部における筒状固定部材の圧入による径方向の絞り率を高めることが可能となる。絞り率とは、筒状固定部材の圧入前における外筒部材の筒状部の外径Dに対して、筒状固定部材の圧入前後における外筒部材の筒状部の外径の差ΔDの比率(=ΔD/D)である。これにより、従来に比べて、筒状固定部材と外筒部材との抜け防止力を高めることができると共に、ゴム弾性体の耐久性を高めることができる。
また、本発明において、外筒部材の筒状部の軸方向他端は、筒状固定部材の反フランジ部側端部より筒状固定部材の軸方向外方に延在している。従って、筒状固定部材を外筒部材の筒状部に圧入した状態において、外筒部材の筒状部の当該延在部分が、弾性変形により、元の径に戻るように作用する。つまり、当該延在部分が、筒状固定部材に対して軸方向に係合することにより、筒状固定部材が外筒部材の筒状部のうち反フランジ部側に向かう方向へ抜けることを抑制できる。さらに、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度が大きいほど、係合力(抜け防止力)が大きくなる。そこで、本発明においては、筒状固定部材の反フランジ部側端部の面取り角度を、フランジ部側端部の面取り角度より大きく設定しているため、抜け防止力を高めることができる。
この面取り角度による作用に加えて、以下の作用により、抜け防止力を高めることができる。上述したように、本発明において、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度は、反フランジ部側端部の面取り角度より小さく設定している。筒状固定部材を外筒部材の筒状部に対して圧入開始する時点において、筒状部の反フランジ部側は、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度に倣って、縮径変形しようとする。そうすると、圧入開始時点において、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度が大きい場合には、筒状部の反フランジ部側は、筒状固定部材の内径よりもさらに大きく縮径する。一方、圧入開始時点において、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度が小さい場合には、筒状部の反フランジ部側は、筒状固定部材の内径よりも縮径するが、面取り角度が大きい場合に比べてその縮径量は小さくなる。
ここで、筒状固定部材をフランジ部側まで圧入してしまった後において、上述したように、筒状部の反フランジ部側は元の径に戻るように弾性変形する。しかし、外筒部材は樹脂製であるため、完全に元の径に戻ることはなく、圧入により縮径変形した量に応じて戻った後の径が異なる。筒状部の反フランジ部側が大きく縮径した場合には、戻った後の径が小さくなる。つまり、筒状部の反フランジ部側の縮径量が小さいほど、戻った後の筒状部の径が大きくなる。
そして、本発明は、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り角度を反フランジ部側端部より小さく設定しているため、筒状部の反フランジ部側の戻り量を大きくする方向に作用させることができる。つまり、筒状部の反フランジ部側が弾性変形により戻った径を大きくすることで、筒状固定部材と外筒部材の筒状部との軸方向の係合力を大きくすることができる。つまり、このことによっても、抜け防止力を高めることができる。
ここで、本発明において、好ましくは、前記筒状固定部材の前記フランジ部側端部における軸方向外方端の内径は、前記筒状固定部材が圧入される前における前記筒状部の外径より大きく設定するとよい。これにより、筒状固定部材を外筒部材の筒状部に対して圧入開始する時点において、筒状固定部材のフランジ部側端部の面取り部分が、外筒部材の筒状部に当接する。換言すると、圧入開始時点において、筒状固定部材の端面が、外筒部材の筒状部に当接しない。これにより、圧入開始時点における筒状部の反フランジ部側に発生する応力を、確実に小さくすることができる。従って、圧入開始時点における外筒部材の筒状部のうち反フランジ部側の割れの発生を抑制できる。
また、好ましくは、前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部における軸方向外方端の内径は、前記筒状固定部材が圧入される前における前記筒状部の外径より大きく設定するとよい。上述したように、筒状固定部材を外筒部材の筒状部に圧入した状態において、外筒部材の筒状部のうち筒状固定部材に対して軸方向外方への延在部分が弾性変形により、元の径に戻るように作用する。ただし、外筒部材の筒状部は、圧入前の元の径よりも大きくなることはない。ところで、筒状固定部材の反フランジ部側端部の面取り部分の形状によっては、外筒部材の筒状部が元の径に戻ろうとする力を抑制するように働く可能性がある。つまり、筒状固定部材により、外筒部材の筒状部の径が小さく抑制されてしまうことになる。外筒部材の筒状部の反フランジ部側の戻り量が小さくなると、筒状固定部材と外筒部材の筒状部との軸方向係合力が小さくなり、抜け防止力が低下する。そこで、筒状固定部材の反フランジ部側端部における軸方向外方端の内径を、筒状固定部材が圧入される前における筒状部の外径より大きく設定することで、筒状固定部材が、外筒部材の筒状部の径の戻りを抑制することを防止できる。従って、外筒部材の筒状部の戻り量を十分に確保できるため、筒状固定部材と外筒部材の筒状部との軸方向係合力を高めることができ、抜け防止力を高めることができる。
また、好ましくは、前記筒状固定部材の前記フランジ部側端部の前記面取り角度は、15度以上30度以下に設定され、前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部の前記面取り角度は、30度以上90度未満に設定されるとよい。これにより、上記効果を発揮することができる。なお、フランジ部側端部の面取り角度が小さすぎる場合には、上記効果が低下する。そこで、15度以上とすることで、十分な効果を発揮できる。また、より好ましくは、前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部の前記面取り角度は、45度以上に設定されるとよい。これにより、より抜け防止力を高めることができる。
また、本発明において、外筒部材の軸方向一端にフランジ部をもつ筒型防振装置では、前記外筒部材の前記筒状部における前記筒状固定部材の圧入による径方向の絞り率は、3〜5%の範囲内に設定されるとよい。ここで、従来、絞り率は、3%より小さいものが一般的に多かった。その理由は、絞り率が高くなると、外筒部材に割れが発生することが多かったからである。もちろん、特許文献3に記載のような外筒部材に切割を有する構成においては、より高い絞り率とすることができるが、切割を形成することにより、抜け防止力は低下する。これに対して、本発明の外筒部材の筒状部が切割を形成しないとしても、上述したように、筒状部の割れの発生を抑制できることにより、筒状部の絞り率を従来に比べて高く設定できる。つまり、絞り率を3%以上とすることが可能となる。一方、絞り率を5%より高くすると、やはり、外筒部材の筒状部に割れが発生するおそれがある。そこで、絞り率を5%以下とすることで、筒状部に割れが発生することを確実に防止しつつ、外筒部材の筒状固定部材に対する抜け防止力を高めることができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態の筒型防振装置1について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、相手部材である筒状固定部材2に取り付ける前の状態における筒型防振装置1の軸方向断面図である。図2は、筒状固定部材2の軸方向断面図である。図3は、筒状固定部材2を取り付けた後の状態における筒型防振装置1の軸方向断面図である。
筒状固定部材2を取り付ける前の状態における筒型防振装置1について、図1を参照して説明する。図1に示すように、筒型防振装置1は、外筒部材10と、内筒部材20と、ゴム弾性体30とから構成される。外筒部材10は、樹脂製であり、全体としては筒状に形成されている。この外筒部材10は、詳細には、筒状部11とフランジ部12とから構成される。
筒状部11は、軸方向全体に亘って、周方向全周に結合された円筒状からなる。つまり、筒状部11は、軸方向全体に亘って、径方向へ貫通する切割や穴が一切形成されていない円筒状からなる。より詳細には、筒状部11の内周面は、軸方向全体に亘って内径D1の円筒内周面状に形成されている。筒状部11の外周面は、軸方向他端(図1の右端)を除き、外径D2の円筒外周面状に形成されている。そして、筒状部11の外周面のうち軸方向他端(図1の右端)には、テーパ状の面取り11aが施されている。つまり、筒状部11の外周面のうち軸方向他端は、軸方向外方(図1の右方)に向かって、縮径するように形成されている。この面取り11aは、外筒部材10の中心軸10aに対するなす鋭角(面取りテーパ角度)が15〜30度となるように形成されている。この筒状部11は、図3に示すように筒状固定部材2の内側に圧入される。
フランジ部12は、筒状部11の軸方向一端(図1の左端)から径方向外方に延在するように形成され、中空円盤状に形成されている。つまり、フランジ部12の内径は、筒状部11の内径D1に等しく、フランジ部12の外径D3は、筒状部11の外径D2より大きく形成されている(D3>D2)。また、フランジ部12の肉厚は、筒状部11の肉厚と同一とされている。
内筒部材20は、厚肉鋼管により円筒状に形成されている。この内筒部材20の外径は、外筒部材10の筒状部11の内径D1よりも小さく形成されている。また、内筒部材20の軸方向長さは、外筒部材10の軸方向長さよりも僅かに長く形成されている。そして、この内筒部材20は、外筒部材10の筒状部11に対して径方向内方に離隔して、同軸的に配置されている。このとき、内筒部材20の軸方向両端が、外筒部材10の軸方向両端に対して何れも軸方向外方に突出するように配置される。そして、内筒部材20の内側に締結ボルト(図示せず)を挿通させて、内筒部材20は相手部材に締結される。
ゴム弾性体30は、外筒部材10の筒状部11の内周面のほぼ全周と内筒部材20の外周面のほぼ全周とに加硫接着され、両者を弾性連結する。このゴム弾性体30は、円筒状に形成されている。そして、ゴム弾性体30の軸方向両端部においては、それぞれ、軸方向中央に向かって、すぐり30a、30bが形成されている。なお、ここでは、ゴム弾性体30に形成されるすぐり30a、30bは、軸方向に貫通していないが、軸方向に貫通するようにしてもよい。ゴム弾性体30のばね特性を調整するために、すぐり30a、30bの形状を適宜変更できる。
次に、筒状固定部材2について図2を参照して説明する。筒状固定部材2は、薄肉鋼管により円筒状に形成されている。より詳細には、筒状固定部材2の内周面は、図2の軸方向両端部分を除き、同一内径D4の円筒内周面状に形成されている。この筒状固定部材2の内径D4は、筒状固定部材2の内側に筒状部11を圧入可能となるように、外筒部材10の筒状部11の外径D2より、僅かに小さく形成されている(D4<D2)。具体的には、筒状部11の外径D2に対する、筒状部11の外径D2と筒状固定部材2の内径D4との差、すなわち、筒状部11の絞り率「(D2−D4)/D2」が、3〜5%となるように設定されている。
そして、筒状固定部材2の軸方向両端部分には、それぞれ、テーパ状の面取り2a、2bが施されている。つまり、筒状固定部材2の軸方向両端は、それぞれ、軸方向外方に向かって、内径が拡径するように形成されている。
具体的には、筒状固定部材2のうち一端側(図2の左側)の面取り2aは、筒状固定部材2の軸心2cに対するなす鋭角θ1(以下、「面取り角度」と称する)が、15度以上30度以下の範囲に設定されている。本実施形態では、面取り2aの面取り角度θ1は、15度に設定されている。そして、面取り2aの軸方向外方端の内径D5、すなわち、筒状固定部材2の一端側端面の内径D5は、筒状部11の外径D2より大きく設定されている(D5>D2)。さらに、面取り2aの軸方向外方端の内径D5は、フランジ部12の外径D3より小さく設定されている。そして、この面取り2aの軸方向深さは、例えば5〜8mmとしている。
筒状固定部材2のうち他端側(図2の右側)(本発明における「反フランジ部側端部」に相当する)の面取り2bは、筒状固定部材2の軸心2cに対するなす鋭角θ2(以下、「面取り角度」と称する)が、30度以上90度未満の範囲に設定されている。好ましくは、面取り2bの面取り角度θ2は、45度以上90度未満に設定されている。本実施形態では、面取り2bの面取り角度θ2は、45度に設定されている。そして、面取り2bの軸方向外方端の内径D6、すなわち、筒状固定部材2の他端側端面の内径D6は、筒状部11の外径D2より大きく設定されている(D6>D2)。そして、この面取り2bの軸方向深さは、例えば3〜5mmとしている。
筒状固定部材2の外周面は、軸方向全体に亘って、同一半径D7の円筒外周面状に形成されている。この筒状固定部材2の外径D7は、外筒部材10のフランジ部12の外径D3より僅かに小さく設定されている。さらに、筒状固定部材2の軸方向長さW3は、外筒部材10の筒状部11の軸方向長さW1より短く設定されている(W3<W1)。さらに、筒状固定部材2の軸方向長さW3は、筒状部11の一端面(フランジ部12の図1の左端面)から面取り11aの径方向外方端までの軸方向長さW2より短く設定されている(W3<W2)。従って、当然ではあるが、筒状固定部材2の一端面(図2の左端)から面取り2bの径方向内方端までの軸方向長さW4は、筒状部11の一端面(フランジ部12の図1の左端面)から面取り11aの径方向外方端までの軸方向長さW2より短く設定されている(W4<W2)。
次に、筒状固定部材2を取り付けた状態における筒型防振装置1について、筒状固定部材2を上述した筒形防振装置1に取り付ける取付工程を含めながら、図3を参照して説明する。
ここで、両者の取付は、外筒部材10の筒状部11の外側に筒状固定部材2を圧入することにより行われる。まず、筒状固定部材2を治具(図示せず)に位置決め固定する。続いて、筒状固定部材2の一端側に、筒型防振装置1を同軸的に配置する。このとき、筒状固定部材2の一端側(図2の左側)、面取り2aが形成されている側が、外筒部材10の筒状部11の面取り11a側から圧入開始されるような位置関係に、両者を配置する。
そして、両者を近づけた場合、筒状固定部材2の内径D4が外筒部材10の筒状部11の外径D2より僅かに小さく(D4<D2)、且つ、筒状固定部材2の面取り2aの軸方向外方端の内径D5が筒状部11の外径D2より大きいため(D5>D2)、筒状固定部材2の面取り2aが、筒状部11のうち面取り11aが施されている部分に当接する。
続いて、外筒部材10のフランジ部12の一方端面(図1の左端面)を、圧入治具(図示せず)により押圧することで、筒状固定部材2を筒状部11に圧入開始する。このとき、面取り2aの面取り角度θ1は、15度と設定しており、小さな角度であるため、圧入開始時において、外筒部材10の筒状部11が徐々に縮径変形する。従って、圧入開始時点において、筒状部11の反フランジ部側に発生する応力は小さい。その結果、圧入開示時点における筒状部11の反フランジ部側の割れの発生を抑制できる。
続いて、筒状固定部材2の一方端面(図2の左端面)が、フランジ部12に当接する状態となるまで、外筒部材10のフランジ部12の一方端面を圧入治具による押圧を継続する。これにより、外筒部材10の筒状部11が縮径変形し、ゴム弾性体30に予備圧縮を与えて、ゴム弾性体30の耐久性を確保できる。
このとき、筒状固定部材2の面取り2aの面取り角度θ1を小さく設定することで、筒状固定部材2を外筒部材10のフランジ部12側まで圧入した状態において、外筒部材10の筒状部11のうちフランジ部側端部に発生する応力が小さくなる。面取り2aの面取り角度θ1を小さくすることで、筒状固定部材2の一端側(本発明における「フランジ部側端部」に相当する)において、面取り2a部分の最少内径部分が、面取り2aの端面から遠ざかるように位置する。つまり、筒状固定部材2の一端側の面取り2a部分の最少内径部分が、外筒部材10のフランジ部12から遠い位置に位置する。そして、外筒部材10の筒状部11においては、フランジ部12に近いほど、割れが生じる応力が小さくなる。従って、少しでも、外筒部材10の筒状部11において、高い応力が発生する部位をフランジ部12から遠ざけることで、筒状部11のうちフランジ部12側の部位に割れが発生することを抑制できる。
さらに、筒状固定部材2の軸方向長さW3が、外筒部材10の筒状部11の軸方向長さW1より短く設定されているため(W3<W1)、図3に示すように、筒状固定部材2の一方端面がフランジ部12に当接する状態において、筒状部11の反フランジ部側端部が筒状固定部材2の他方端(図2の右端)より軸方向外方に延在している。さらに詳細には、筒状部11の面取り11aの径方向外方端が、筒状固定部材2の面取り2bの径方向内方端より軸方向外方に位置している。
従って、筒状部11のうち、筒状固定部材2の面取り2bの径方向内方端よりも軸方向外方側に位置する部分は、弾性変形により元の径に戻るよう作用する。つまり、図3に示すように、筒状部11のうち筒状固定部材2の面取り2bの径方向内方端の部位を基点として、軸方向外方側に位置する部分が径方向外方に拡径するように変形する。つまり、筒状部11のうち当該拡径変形した部分が、筒状固定部材2に対して軸方向に係合するようになる。換言すると、筒状部11のうち当該拡径変形した部分が、筒状固定部材2が反フランジ部側に抜けることを防止するように作用する。
ここで、筒状固定部材2の面取り2bの面取り角度θ2は、45度に設定されている。このように、筒状固定部材2の面取り2bの面取り角度θ2を大きくすることで、筒状固定部材2の抜け防止力を大きくすることができる。
ここで、筒状固定部材2を外筒部材10の筒状部11に対して圧入開始する時点において、筒状部11の反フランジ部側は、筒状固定部材2の面取り2aの面取り角度θ1に倣って、縮径変形しようとする。そうすると、圧入開始時点において、筒状固定部材2の面取り2aの面取り角度θ1が大きい場合には、筒状部11の反フランジ部側は、筒状固定部材2の内径D4よりもさらに大きく縮径する。一方、圧入開始時点において、筒状固定部材2の面取り2aの面取り角度θ1が小さい場合には、筒状部11の反フランジ部側は、筒状固定部材2の内径D4よりも縮径するが、面取り2aの面取り角度θ1が大きい場合に比べてその縮径量は小さくなる。
そして、筒状固定部材2をフランジ部12側まで圧入してしまった後において、筒状部11の反フランジ部側は元の径に戻るように弾性変形する。しかし、外筒部材10は樹脂製であるため、完全に元の径に戻ることはなく、圧入により縮径変形した量に応じて戻った後の径が異なる。筒状部11の反フランジ部側が大きく縮径した場合には、戻った後の径が小さくなる。つまり、筒状部11の反フランジ部側の縮径量が小さいほど、戻った後の筒状部11の径が大きくなる。
そして、本実施形態においては、上述したように、筒状固定部材2の面取り2aの面取り角度θ1は、15度と、小さく設定している。従って、圧入開始時点における筒状部11の反フランジ部側の縮径量は小さい。そのため、筒状部11の反フランジ部側の戻り量を大きくする方向に作用させることができる。つまり、筒状部11のうち拡径変形する部分が弾性変形により戻る径を大きくすることができる。従って、筒状固定部材2と外筒部材10の筒状部11のうち拡径変形した部分との軸方向の係合力を大きくすることができる。
さらに、筒状固定部材2の面取り2bの軸方向外方端の内径D6は、筒状固定部材2が圧入される前における筒状部11の外径D2より大きく設定されている。従って、筒状部11のうち拡径変形する部分は、筒状固定部材2により筒状部11の径の戻りを規制されることはない。つまり、筒状部11の当該拡径変形する部分の戻り量を十分に確保できる。これらにより、筒状固定部材2の筒状部11に対する抜け防止力を高めることができる。
ここで、上述したように、本実施形態においては、外筒部材10の割れを抑制する効果を発揮する。そこで、筒状部11の絞り率を、これまで以上に高めることができる。本実施形態では、上述したように、絞り率が3〜5%となるように設定されている。これにより、従来に比べて、筒状固定部材と外筒部材との抜け防止力を高めることができると共に、ゴム弾性体の耐久性を高めることができる。
筒状固定部材2に取り付ける前の状態における筒型防振装置1の軸方向断面図である。 筒状固定部材2の軸方向断面図である。 筒状固定部材2を取り付けた後の状態における筒型防振装置1の軸方向断面図である。
符号の説明
1:筒型防振装置
2:筒状固定部材、 2a、2b:面取り、 2c:筒状固定部材の中心軸
10:外筒部材、 10a:外筒部材10の中心軸
11:筒状部、 11a:面取り、 12:フランジ部
20:内筒部材、 30:ゴム弾性体、 30a、30b:すぐり

Claims (5)

  1. 周方向全周に結合した筒状部、および、前記筒状部の軸方向一端から径方向外方に延在するフランジ部を備える樹脂製の外筒部材と、
    前記筒状部に対して径方向内方に離隔して配置される内筒部材と、
    前記筒状部の内周面と前記内筒部材の外周面とを弾性連結するゴム弾性体と、
    前記筒状部の外側に圧入する筒状固定部材と、
    を備える筒型防振装置であって、
    前記筒状固定部材の内周面のうち前記フランジ部側の端部であるフランジ部側端部と前記フランジ部の反対側の端部である反フランジ部側端部とにテーパ状の面取りが施され、
    前記外筒部材の前記筒状部の軸方向他端は、前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部より前記筒状固定部材の軸方向外方に延在し、
    前記筒状固定部材の軸心と前記筒状固定部材の面取り面とのなす鋭角を面取り角度と定義した場合、
    前記フランジ部側端部の前記面取り角度は、前記反フランジ部側端部の前記面取り角度より小さく設定されていることを特徴とする筒型防振装置。
  2. 前記筒状固定部材の前記フランジ部側端部における軸方向外方端の内径は、前記筒状固定部材が圧入される前における前記筒状部の外径より大きく設定する請求項1に記載の筒型防振装置。
  3. 前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部における軸方向外方端の内径は、前記筒状固定部材が圧入される前における前記筒状部の外径より大きく設定する請求項1または2に記載の筒型防振装置。
  4. 前記筒状固定部材の前記フランジ部側端部の前記面取り角度は、15度以上30度以下に設定され、
    前記筒状固定部材の前記反フランジ部側端部の前記面取り角度は、30度以上90度未満に設定される請求項1〜3の何れか一項に記載の筒型防振装置。
  5. 前記外筒部材の前記筒状部における前記筒状固定部材の圧入による径方向の絞り率は、3〜5%の範囲内に設定される請求項1〜4の何れか一項に記載の筒型防振装置。
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