JP4253102B2 - 内燃機関用スプリングリテーナ - Google Patents
内燃機関用スプリングリテーナ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4253102B2 JP4253102B2 JP2000089110A JP2000089110A JP4253102B2 JP 4253102 B2 JP4253102 B2 JP 4253102B2 JP 2000089110 A JP2000089110 A JP 2000089110A JP 2000089110 A JP2000089110 A JP 2000089110A JP 4253102 B2 JP4253102 B2 JP 4253102B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spring
- retainer
- flange portion
- internal combustion
- combustion engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Springs (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用の動弁機構に組付けられるスプリングリテーナに係り、特に、バルブスプリングの上端が圧接するばね受けフランジ部の下面の摩耗を小さくしうるようにしたスプリングリテーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、内燃機関の動弁機構の一例を示すもので、エンジンバルブ(1)の上端部には、半割円筒形をなす1対のコッタ(2)(2)を介して、スプリングリテーナ(以下、リテーナと略称する)(3)が止着されている。
【0003】
リテーナ(3)における上端のばね受けフランジ部(3a)の下面とのシリンダヘッド(図示略)との間には、バルブスプリング(4)が縮設され、エンジンバルブ(1)は、リテーナ(3)を介して常時上向きに付勢されている。
(5)は、エンジンバルブ(1)の軸端に当接しているロッカアームで、これが回転カム(図示略)により上下に揺動させられることにより、エンジンバルブ(1)は開閉される。
【0004】
このような動弁機構に用いられる従来のリテーナ(3)におけるばね受けフランジ部(3a)の下面は、リテーナ(3)の軸線と直交する水平面とされ、バルブスプリング(4)の組付け時において、その上端の平坦面と面で接触するようにしてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
リテーナ(3)におけるばね受けフランジ部(3a)の下面は、エンジンバルブ(1)の着座時の振動等によるバルブスプリング(4)の相対回動、又は径方向への移動により、摩耗するのは避けられない。
【0006】
特に、加・減速が頻繁に行われる自動車用のエンジンにおいては、図5に示すように、バルブスプリング(4)が圧縮された際、最上端の1巻き目が矢印のように外向きにねじれたり、ばね受けフランジ部(3a)が圧縮時の反力により上向きに撓むことがある。
このようになると、ばね受けフランジ部(3a)の下面を水平面とした従来のリテーナ(3)では、スプリング上端の平坦面をなす1巻き目の内径側の周縁部が、ばね受けフランジ部(3a)の下面と偏当たりし、その部分に大きな面圧が作用する。
【0007】
その結果、図6に示すように、初期の運転時においてばね受けフランジ部(3a)の基部内周側が局部的に大きく摩耗し、次第に2点鎖線のように外周方向に摩耗が進行するようになる。特に、軽量化を目的としたアルミニウム合金製のリテーナ(3)では、上記摩耗の進行は大きくなる。
【0008】
この摩耗量が大きくなると、バルブスプリング(4)のセット荷重が小さくなって、そのサージングの限界回転数が低下し、エンジン性能に悪影響を及ぼすため、摩耗の程度によっては、リテーナ(3)を交換する必要が生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ばね受けフランジ部の下面の形状を改変することにより、その基部側の摩耗を小さくし、耐久性及び信頼性に優れる内燃機関用スプリングリテーナを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) バルブスプリングの上端を受支するばね受けフランジ部を備える内燃機関用スプリングリテーナにおいて、前記ばね受けフランジ部の下面を、下向きに膨出する円弧状の湾曲面とし、この湾曲面に、前記バルブスプリングの上端面の中間部が当接するようにする。
【0011】
(2) バルブスプリングの上端を受支するばね受けフランジ部を備える内燃機関用スプリングリテーナにおいて、前記バルブスプリングの上端の1巻き目の内径側の縁部が進入可能で、かつバルブスプリングが径方向に最大限移動しても、前記上端の1巻き目の内径側の縁部が外方へ外れないような大きさの幅とした上向き環状の逃げ溝を設ける。
【0012】
(3) 上記(2)項において、逃げ溝の断面を円弧状とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1において、本発明のリテーナ(6)は、アルミニウム合金(例えばAl−Si系、Al−Cu系)により成形したのち、JISに基づくT6処理(溶体化時効処理)を施して形成され、中心にコッタ(図示略)が嵌合されるテーパ孔(7)を備える筒部(6a)と、中間フランジ部(6b)と、それより薄肉の、バルブスプリング(4)の上端を受支するばね受けフランジ部(6c)とを有している。
【0014】
図2に拡大して示すように、ばね受けフランジ部(6c)の下面(8)は、下向きに膨出するなだらかな円弧状断面の湾曲面としてある。
【0015】
このように、ばね受けフランジ部(6c)の下面(8)を湾曲面とすると、エンジンの加・減速運転時等においてバルブスプリング(4)の上端の1巻き目がリテーナ(6)により圧縮されて外向きにねじれたり、あるいは、ばね受けフランジ部(6c)が上向きに撓むなどしても、図2に示すように、バルブスプリング(4)の内径側の縁部が、下面(8)の基部内周側に接触することがなくなる。
【0016】
従って、従来のように、ばね受けフランジ部(6c)の基部側の面圧が大となって、その部分を局部的に大きく摩耗させることはなく、また基部を中心として下面(8)全体が広範囲に摩耗することもない。
【0017】
その結果、バルブスプリング(4)のセット荷重が小さくなり、そのサージングの限界回転数が低下するのが防止され、エンジン性能は長期間に亘り良好な状態に維持される。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施形態を示すもので、ばね受けフランジ部(6c)の下面(8)の中央部を、下向きに膨出するほぼ逆台形断面形状とし、かつ中間フランジ部(6b)とばね受けフランジ部(6c)との連設隅部に、上向き環状の逃げ溝(9)を形成してある。
【0019】
上記逃げ溝(9)の径方向の幅は、バルブスプリング(4)が径方向に最大限移動しても、その上端の1巻き目の内径側の縁部が、逃げ溝(9)の形成領域より外方へ外れない大きさとしてある。
【0020】
この第2の実施形態においても、バルブスプリング(4)が外向きにねじれるなどすると、その内径側の縁部が逃げ溝(9)内に進入し、かつ縁部と下面(8)の基部との間には隙間が形成されるため、ばね受けフランジ部(6c)の基部内周側を局部的に摩耗させることはない。
【0021】
なお、上記第2の実施形態において、ばね受けフランジ部(6c)の下面(8)を逆台形をなす断面形状としないで、単に逃げ溝(9)のみを形成してもよい。
【0022】
また、逃げ溝(9)は、その部分に応力が集中するのを防止するために、比較的大きい曲率半径の円弧状断面とするのがよい。
【0023】
本発明は、上述のように、比較的軟質のアルミニウム合金製のリテーナに適用すると効果的であるが、通常の鋼製のリテーナにも適用しうることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、バルブスプリングの上端の1巻き目が外向きにねじれたり、ばね受けフランジ部が上向きに撓むなどしても、バルブスプリングの内径側の縁部が、ばね受けフランジ部の下面の基部内周側に接触することがなくなるので、その部分に大きな面圧が作用するのが防止される。
その結果、ばね受けフランジ部の基部内周側の初期摩耗が防止されるとともに、下面全体の摩耗の進行も小さくなり、スプリングリテーナの耐久性及び信頼性が向上する。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、バルブスプリングの上端の1巻き目が外向きにねじれるなどしても、その内径側の縁部は逃げ溝内に進入し、かつばね受けフランジ部の基部との間には隙間が形成されるため、その部分に大きな面圧が作用して摩耗を増大させることはなくなる。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、逃げ溝を形成した部分に大きな応力が作用するのを防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスプリングリテーナの第1の実施形態を示す中央縦断正面図である。
【図2】 同じく、拡大半断面図である。
【図3】 本発明のスプリングリテーナの第2の実施形態を示す拡大半断面図である。
【図4】 従来のスプリングリテーナを備える動弁機構の中央縦断正面図である。
【図5】 同じく、バルブスプリングがねじれた際の接触状態を示す要部の拡大断面図である。
【図6】 同じく、ばね受けフランジ部の摩耗状態を示す要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
(4)バルブスプリング
(6)スプリングリテーナ
(6a)筒部
(6b)中間フランジ部
(6c)ばね受けフランジ部
(7)テーパ孔
(8)下面
(9)逃げ溝
Claims (3)
- バルブスプリングの上端を受支するばね受けフランジ部を備える内燃機関用スプリングリテーナにおいて、
前記ばね受けフランジ部の下面を、下向きに膨出する円弧状の湾曲面とし、この湾曲面に、前記バルブスプリングの上端面の中間部が当接するようにしたことを特徴とする内燃機関用スプリングリテーナ。 - バルブスプリングの上端を受支するばね受けフランジ部を備える内燃機関用スプリングリテーナにおいて、
前記ばね受けフランジ部の下面における内周部に、前記バルブスプリングの上端の1巻き目の内径側の縁部が進入可能で、かつバルブスプリングが径方向に最大限移動しても、前記上端の1巻き目の内径側の縁部が外方へ外れないような大きさの幅とした上向き環状の逃げ溝を設けたことを特徴とする内燃機関用スプリングリテーナ。 - 逃げ溝の断面を円弧状とした請求項2記載の内燃機関用スプリングリテーナ。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000089110A JP4253102B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 内燃機関用スプリングリテーナ |
US09/661,713 US6293240B1 (en) | 2000-03-28 | 2000-09-14 | Valve spring retainer and a valve operating mechanism |
DE60026413T DE60026413T2 (de) | 2000-03-28 | 2000-09-18 | Ventilfederbefestigung und Ventiltriebmechanismus |
EP00120383A EP1143114B1 (en) | 2000-03-28 | 2000-09-18 | Valve spring retainer and a valve operating mechanism |
US09/921,742 US6341588B2 (en) | 2000-03-28 | 2001-08-03 | Valve spring retainer and a valve operating mechanism |
US09/921,468 US6311661B1 (en) | 2000-03-28 | 2001-08-03 | Valve spring retainer and a valve operating mechanism |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000089110A JP4253102B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 内燃機関用スプリングリテーナ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001271618A JP2001271618A (ja) | 2001-10-05 |
JP4253102B2 true JP4253102B2 (ja) | 2009-04-08 |
Family
ID=18604901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000089110A Expired - Fee Related JP4253102B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 内燃機関用スプリングリテーナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4253102B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4666904B2 (ja) * | 2003-11-27 | 2011-04-06 | 株式会社不二工機 | 膨張弁 |
-
2000
- 2000-03-28 JP JP2000089110A patent/JP4253102B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001271618A (ja) | 2001-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007523300A (ja) | 内燃機関のピストンのためのピストンピン支承装置 | |
JP4253102B2 (ja) | 内燃機関用スプリングリテーナ | |
US6293240B1 (en) | Valve spring retainer and a valve operating mechanism | |
JP4373761B2 (ja) | バルブガイド構造 | |
US6311661B1 (en) | Valve spring retainer and a valve operating mechanism | |
JP2001132840A (ja) | 組合せオイルリング | |
US5269268A (en) | Tappet in an internal combustion engine and method of manufacturing the same | |
JP3517937B2 (ja) | レシプロ形圧縮機 | |
JP2002286136A (ja) | 内部燃焼機関用ピストンピン | |
JP2001271617A (ja) | 内燃機関用スプリングリテーナ | |
JP3151990B2 (ja) | バルブリフタ | |
JP5244775B2 (ja) | 内燃機関のピストン | |
US6338325B1 (en) | Valve operating mechanism of an internal combustion engine | |
JP4267250B2 (ja) | プーリ | |
JP2000234506A (ja) | 内燃機関用バルブスプリングリテーナ | |
JPS63243570A (ja) | 内燃機関のピストンピン | |
US5349748A (en) | Method of manufacturing a tappet for an internal combustion engine | |
JP4183995B2 (ja) | 組合せピストンリング及びピストン装置 | |
JPH0544779A (ja) | トーシヨナルダンパー | |
JP3203495B2 (ja) | 内燃機関用タペットのチップ取付方法 | |
JPH07243311A (ja) | 内燃機関用タペット | |
JP2939782B2 (ja) | 内燃機関用タペットのチップ取付方法 | |
EP0985806A2 (en) | Valve spring retainer and method of machining the retainer | |
JP2001303914A (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
JPH08303218A (ja) | 内燃機関用タペット及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080819 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090120 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090123 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |