JP3517937B2 - レシプロ形圧縮機 - Google Patents

レシプロ形圧縮機

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JP3517937B2
JP3517937B2 JP07463594A JP7463594A JP3517937B2 JP 3517937 B2 JP3517937 B2 JP 3517937B2 JP 07463594 A JP07463594 A JP 07463594A JP 7463594 A JP7463594 A JP 7463594A JP 3517937 B2 JP3517937 B2 JP 3517937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレシプロ形圧縮機、詳し
くは、ピストンを往復動可能に内装する気筒の頂部に、
吸入ポートをもつ弁座を取付けると共に、この弁座と気
筒の頂部との間に、前記吸入ポートを開閉するリング形
吸入弁を介装したレシプロ形圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、密閉ケーシングの内部にモータ及
び気筒を備えた架構を配設すると共に、前記気筒内のシ
リンダ室にピストンを往復動自由に内装して、このピス
トンを前記モータで回転駆動されるクランク軸の偏心軸
部に連動連結させる一方、前記気筒の頂部に、円環状と
された吸入ポートをもつ弁座を取付けて、該弁座と前記
気筒の頂部との間に、前記吸入ポートを開閉するリング
形の所謂コンベックスタイプの吸入弁を介装させたもの
は、例えば実開平1−115884号公報のように一般
的に知られている。
【0003】しかして、以上のようなレシプロ形圧縮機
は、図6で示したように、気筒12の内部にシリンダ室
13を設け、このシリンダ室13内にピストン3を往復
動自由に挿嵌させると共に、前記気筒12の頂部に薄肉
のパッキン7を介して弁座4を取付け、この弁座4と前
記気筒12との間に、前記弁座4に形成した円環状の吸
入ポート41を開閉させる薄肉鋼鈑から成るリング形吸
入弁5を介装させる一方、前記弁座4における吸入ポー
ト41の径方向内方側には吐出ポート42を形成して、
前記弁座4の上部側で前記吐出ポート42との対向部位
には、該吐出ポート42を開閉させる吐出弁43を弁ば
ね44と弁押え45とを介して取付けている。
【0004】また、前記気筒12と弁座4との間に介装
する前記パッキン7には、前記吸入弁5の全体外形より
やや大きい抜き穴71を形成して、この抜き穴71内に
前記吸入弁5を配設すると共に、該吸入弁5を前記パッ
キン7の厚みよりも薄肉に形成して、このパッキン7に
おける抜き穴71の内部で前記気筒12と弁座4との間
に、前記パッキン7の厚みの範囲にわたって上下移動で
きるように前記吸入弁5を介装させている。
【0005】さらに、前記吸入弁5は、図7で示すよう
に、円環状の前記吸入ポート41(図7の二点鎖線で示
す)を開閉可能とし、かつ、前記気筒12のシリンダ室
13の内径より小径の外周面を有するリング状の本体5
0を備え、該本体50の外周部に、前記シリンダ室13
の径方向外方側へと延びる一対の支持片51,51を対
向状に突設すると共に、これら各支持片51,51の外
端に、それぞれ径方向に向かう係合溝52,52を設け
ており、該各係合溝52,52を前記気筒12の頂部に
突出状に固定したピンから成るガイド体6,6にそれぞ
れ係合させることにより、前記吸入弁5を前記弁座4の
吸入ポート41に対し所定位置に上下方向の移動をフリ
ーとした状態で位置決め保持し、つまり、前記吸入弁5
のリング状本体50が前記弁座4に設ける円環状の前記
吸入ポート41と常に対向するようにフリー状態で位置
決め保持するようにしている。従って、吸入行程時に、
前記支持片51,51の係合溝52,52が各ガイド体
6,6に係合して案内されながら前記吸入弁5の全体
が、下方側に移動し、前記気筒12の頂部に接触した
後、さらに、前記吸入ポート41から離間するように下
方に湾曲されることになり、この結果、前記吸入弁5に
よる前記吸入ポート41の開口量が補償され、この吸入
ポート41から吸入される吸入ガスの前記吸入弁5によ
る吸入抵抗を小さくできるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のコン
ベックスタイプの吸入弁5を用いる場合、その板厚を厚
くすると剛性が高くなって、撓みが少なく、前記吸入ポ
ート41に対する開きが小さくなって吸入抵抗が増大し
てしまうことから、前記吸入弁5は、撓みによる弁開度
を確保するため、その板厚をできるだけ薄肉として剛性
を小さくするようにしており、また、前記気筒12の頂
部におけるシリンダ室13の開口部の角部には、図7に
示すように、開口部全周に亙ってテーパー面Sを形成し
ており、このテーパー面Sは、図8で示すように、前記
吸入弁5の撓みに影響がないように、該吸入弁5が通常
運転時に撓む最大撓み角(図8の一点鎖線で示す吸入弁
の撓み状態)よりもかなり大きい角度で傾斜したテーパ
ー面Sに形成している。
【0007】従って、通常運転時においては、前記テー
パー面Sと前記気筒12頂部の平面部との境界部を支点
Aとして、前記吸入弁5が支持され、前記吸入弁5の撓
みによって前記支持片51,51が前記テーパー面Sに
接触しないようにして弁開度を確保できるのであるが、
前記シリンダ室13の開口部は円形状となっているの
で、前記テーパー面Sと前記気筒12の頂面との境界部
も円弧を描くこととなる。このため、前記吸入弁5は、
前記気筒12の頂部に支持される際、前記各支持片5
1,51の中間部が非接触の状態で、図7に示すよう
に、支点Aにおいて点接触の状態で支持されることにな
り、この結果、撓み時の応力がこれら支点Aに集中し
て、前記支持片51,51における前記支持点での局部
的な摩耗が生じて、前記吸入弁5が前記支持部位から破
損し易い問題があった。
【0008】また、吸入行程時で、例えば運転起動時や
デフロスト運転時など、吸入ガスに多量の液体が混合さ
れて吸入される時に、この液体の前記吸入ポート41か
らの流入により、前記吸入弁5が異常に過大に撓む場合
があり、このとき、前記テーパー面Sの傾斜角は、前記
吸入弁5が通常運転時に撓む最大撓み角(図8の一点鎖
線で示す撓み状態)よりもかなり大きい角度で傾斜させ
ているので、前記吸入弁5は、図8の二点鎖線で示す撓
み状態になるまで、即ち、該吸入弁5が前記テーパー面
Sとシリンダ室13の内壁面とにより形成される角部に
接触するまで前記支点Aで支持されながら撓むことにな
り、一方の前記支持片51における支点Aから他方の支
持片51における支点Aまでの距離が過大な撓み状態で
あるにも拘らず長いので、前記吸入弁5の剛性が低く、
液体の流入に対し前記支持片51,51が破損しやすい
状態となり、しかも、前記支点Aにおける支持は、点接
触であるので、前記吸入弁5に局部的に集中して過大な
応力がかかり過ぎることになり、前記吸入弁5の破損が
回避できなかった。
【0009】本発明の目的は、吸入弁の支持片を常に線
接触の状態で支持することにより、撓みによる応力集中
を軽減して、局部的な異常摩耗を防止して弁の破損を防
止できながら、前記吸入弁が過度に撓んだ場合には、前
記支持片を支持する支持間距離を狭くして、吸入弁の剛
性を高めて弁の破損を防止できるレシプロ形圧縮機を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ピストン3を往復動可能に
内装する気筒12の頂部に、円環状の吸入ポート41を
もつ弁座4を取付けると共に、この弁座4と気筒12の
頂部との間に、前記吸入ポート41を開閉し、外周部に
周方向の移動を規制する支持片51,51を突出形成し
たリング形吸入弁5を、前記ピストン3の摺動方向に移
動可能に介装したレシプロ形圧縮機において、前記気筒
12の頂部で、シリンダ室13側の角部に、前記支持片
51,51を受け入れる切欠部16,16を設け、この
切欠部16,16の受け面に、吸入行程において、前記
吸入弁5が通常運転時に撓む最大撓み角αで傾斜する第
1傾斜面8と、この第1傾斜面8に対しシリンダ室13
側に位置し、前記最大撓み角αより大きい逃げ角βで傾
斜する第2傾斜面9とを設けたのである。
【0011】また、請求項2記載の発明は、前記第1傾
斜面8に、傾斜角α1,α2,α3の異なる複数の逃げ
面81,82,83を設けたのである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、前記気筒12の頂部
で、シリンダ室13側の角部に、前記支持片51,51
を受け入れる切欠部16,16を設け、この切欠部1
6,16の受け面に、吸入行程において、前記吸入弁5
が通常運転時に撓む最大撓み角αで傾斜する第1傾斜面
8と、この第1傾斜面8に対しシリンダ室13側に位置
し、前記最大撓み角αより大きい逃げ角βで傾斜する第
2傾斜面9とを設けたから、吸入行程時で、通常運転さ
れる場合には、前記吸入弁5が前記シリンダ室13のピ
ストン側に向かって撓むときに、この第1傾斜面8と前
記気筒12の頂部平面部との境界線で、前記吸入弁5の
支持片51,51が線接触されながら支持される。ま
た、吸入ガスと共に多量の液体が前記シリンダ室13に
流入するような場合で前記吸入弁5が、前記最大撓み角
αより大きく撓むときには、前記第1傾斜面8と前記第
2傾斜面9との境界線で、前記吸入弁5の支持片51,
51が線接触されながら支持されるのである。
【0013】従って、通常運転時だけでなく多量の液体
が前記シリンダ室13に流入したときであっても、前記
吸入弁5の支持片51,51を常に線接触状態で支持し
ながら、前記吸入弁5を撓ますことができるのであるか
ら、該吸入弁5が撓んだとき、この撓みによる応力が局
部的に一点に集中したりするのをなくすことができ、そ
の局部的な応力集中による異常摩耗で前記吸入弁5が破
損するのを防止できるのである。
【0014】その上、前記吸入弁5の前記支持片51,
51を複数設ける場合、通常運転時には、前記吸入弁5
の各支持片51,51を前記第1傾斜面8と前記気筒1
2の頂部平面部との境界線で支持できるので、各支持間
距離を長くできるし、起動時やデフロスト運転時など吸
入ガスと共に多量の液体が前記シリンダ室13内に流入
して前記吸入弁5が過度に撓んでしまう場合には、前記
吸入弁5の支持片51,51を、通常運転時における支
点位置よりも前記シリンダ室13側に位置する前記第1
傾斜面8と第2傾斜面9との境界線で支持できることか
ら、各支持間距離を通常運転時における支持間距離より
も短くできるのである。
【0015】従って、前記吸入弁5を薄肉に形成するこ
とにより、通常運転時には、各支持片51,51を支持
する支持間距離を長くできることから、前記吸入弁5の
全体的な剛性を低くして、該吸入弁5の撓みを大きくで
き、前記吸入ポート41から吸入される吸入ガスの前記
吸入弁5による吸入抵抗を少なくできるし、前記シリン
ダ室13に多量の液体が流入するときには、前記支持間
距離を短くできるので、前記吸入弁5が薄肉でありなが
ら前記吸入弁5の全体的な剛性を高められるので、該吸
入弁5の撓み過ぎによる破損を確実に防止することがで
きるのである。
【0016】また、請求項2記載の発明では、前記第1
傾斜面8に傾斜角α1,α2,α3の異なる複数の逃げ
面81,82,83を形成したから、通常運転時に、前
記吸入ガスの吸入状態の変化に応じて、前記吸入弁5を
前記各逃げ面81,82,83の何れかに面接触させな
がら、各逃げ面81,82,83間に形成される各境界
線で線接触状態で支持させることができるのであり、従
って、通常運転時においても、前記吸入弁5の撓み量に
応じて支持間距離を変えられることから、前記吸入弁5
を薄肉に形成した場合、撓みの増大に伴って前記吸入弁
5の剛性を高めることができるので、その破損を一層良
好に防止できるし、また、該吸入弁5を一層薄肉に形成
しても破損を防止できるので、この吸入弁5による前記
吸入ポート41からの吸入抵抗をさらに小さくできなが
ら、前記吸入弁5の軽量化も図れるのである。
【0017】
【実施例】図5は多気筒タイプのレシプロ形圧縮機を示
しており、この圧縮機は、前述した従来のものと基本的
には同一構造とされ、横形とされた架構1の長さ方向一
側に、モータ(図示せず)から延びるクランク軸2の偏
心軸部21,21が内装されるクランク室11を形成し
て、該クランク室11の上部側に複数の気筒12を一体
状に設けると共に、これら各気筒12の内部に形成する
シリンダ室13にはそれぞれピストン3を往復動可能に
支持して、該各ピストン3を連接棒31を介して前記ク
ランク軸2に設けた偏心軸部21に連動連結させ、ま
た、前記各気筒12の頂部側には、該各気筒12に形成
した前記シリンダ室13と対向する円環状の各吸入ポー
ト41を備えた弁座4を取付ける一方、この弁座4と前
記各気筒12の頂部との間には、前記各吸入ポート41
を開閉する薄肉鋼鈑から成るリング形の所謂コンベック
スタイプの吸入弁5を介装させている。また、前記弁座
4における各吸入ポート41の径方向内方側には吐出ポ
ート42をそれぞれ形成すると共に、前記弁座4の上部
側には前記各吐出ポート42を開閉させる吐出弁43を
弁ばね44と弁押え45を介して取付け、また、前記弁
座4の上部側には、該弁座4を覆う気筒上蓋14を取付
けて、その内部に前記各吐出ポート42が開口する吐出
室15を形成している。
【0018】さらに、前記各気筒12の頂部と前記弁座
4との間には図1に示すように所定肉厚のパッキン7を
配設して、図2に示すように、このパッキン7に前記吸
入弁5とほぼ同形状で、その全体外形よりやや大きい抜
き穴71を形成して、該抜き穴71内に前記吸入弁5を
介装させると共に、この吸入弁5を前記パッキン7の厚
みよりも薄肉に形成して、該パッキン7における抜き穴
71の内部で前記気筒12と弁座4との間に、前記パッ
キン7の厚みの範囲にわたって上下移動できるように前
記吸入弁5を介装させている。
【0019】また、前記リング形吸入弁5は、図1及び
図2で明らかなように、円環状の前記吸入ポート41を
開閉可能とし、かつ、前記気筒12のシリンダ室13の
内径よりも小径の外周面を有するリング状本体50を備
え、該本体50の外周部に、前記シリンダ室13の径方
向外方側へと延びる一対の支持片51,51を対向状に
突設すると共に、これら各支持片51,51の外端に、
それぞれ径方向に向かう係合溝52,52を設けてお
り、該各係合溝52,52を前記気筒12の頂部に突出
状に固定したピンから成るガイド体6,6にそれぞれ係
合させることにより、前記吸入弁5を周方向の移動を規
制して、前記弁座4の吸入ポート41に対し所定位置に
前記ピストン3の摺動方向の移動をフリーとした状態で
位置決め保持するようにして、前記ピストン3の復動に
よる吸入行程時に、前記吸入弁5の全体が前記各ガイド
体6に沿って前記ピストン3側に移動し、前記気筒12
の頂部に接触した後、さらに、前記吸入ポート41から
離間するように湾曲させることにより、前記吸入弁5に
よる前記吸入ポート41の開口量を補償し、吸入ガスの
吸入抵抗を少なくするようにしている。
【0020】しかして、以上のレシプロ形圧縮機におい
て、前記気筒12の頂部で、前記シリンダ室13側の角
部に、前記支持片51,51を受け入れる切欠部16,
16を設け、この切欠部16,16の受け面に、吸入行
程において、前記吸入弁5が通常運転時に撓む最大撓み
角αで傾斜する第1傾斜面8と、この第1傾斜面8に対
しシリンダ室13側に位置し、前記最大撓み角αより大
きい逃げ角βで傾斜する第2傾斜面9とを設けたのであ
る。
【0021】詳記すると、図1乃至図3で明らかなよう
に、前記気筒12の頂部で前記シリンダ室13の開口部
外周部位における、前記吸入弁5の各支持片51,51
が相対向される部分となる2箇所に、該各支持片51,
51の周方向幅より大きい幅を有する切欠部16を形成
し、この切欠部16に、前記シリンダ室13に対し径方
向外方側に前記第1傾斜面8を、この第1傾斜面8より
径方向内方側、即ち、前記シリンダ室13側に第2傾斜
面9をそれぞれ切削加工手段などにより二段階に亙って
傾斜角度が変更するように連続状に形成するのであっ
て、前記第1傾斜面8の傾斜角度を前記気筒12頂部の
平面部に対し、通常運転時に撓むときの最大撓み角αと
同じ角度となるように設定し、また、前記第1傾斜面8
に連続し、前記シリンダ室13の開口部にかけて形成さ
れる前記第2傾斜面9の傾斜角度を前記最大撓み角αよ
りも大きい逃げ角βとするのである。
【0022】そして、前記各第1傾斜面8と前記気筒1
2の平面部との境界部に形成される第1境界線を、通常
運転時に、前記吸入弁5の各支持片51,51が線接触
状態で支持される第1支持部イと成し、また、前記第1
傾斜面8と前記第2傾斜面9との境界部に形成される第
2境界線を、例えば圧縮機の起動時やデフロスト運転時
などに吸入ガスに多量の液体が混合されて吸入される場
合に、前記吸入弁5が前記シリンダ室13の復動方向側
に、前記最大撓み角αより大きく過度に湾曲されるとき
に、前記吸入弁5の各支持片51,51が線接触状態で
支持される第2支持部ロと成すのである。
【0023】即ち、吸入行程時で、通常運転時には、前
記吸入弁5は、前記第1傾斜面8と前記気筒12の頂部
平面部との境界線を第1支持部イとして、前記吸入弁5
の各支持片51が線接触状態で支持されて、斯かる線接
触状態で支持されながら、水平状態から図3の一点鎖線
で示す最大撓み状態までの範囲で、前記シリンダ室13
の復動方向側へと緩やかな曲率半径で撓むのであって、
線接触の状態で支持できることから、前記支持片51,
51の前記第1支持部イでの応力集中を軽減できるの
で、従来のように、点接触により前記各支持片51,5
1が支持されることにより生じていた局部的な応力集中
を回避できるので、この応力集中による過度の摩耗で前
記吸入弁5が破損したりするのを防止できるのである。
【0024】しかも、前記各支持片51,51を支持す
る前記支持部イ,イ間の距離を充分長くとれることか
ら、前記吸入弁5を薄肉に形成することにより、通常運
転時には、該吸入弁5の剛性を弱くし、この吸入弁5を
充分撓ませることができるので吸入ガスの吸入抵抗を充
分小さくできるのである。
【0025】また、前記第1傾斜面8は前記吸入弁5が
通常運転時に撓む最大撓み角αに設定されているため、
前記吸入弁5が最大に撓んだとき、前記支持片51,5
1の一部が前記第1傾斜面8に面接触することもある
が、このとき、前記吸入弁5の支持片51,51は、前
記第1傾斜面8の面全体で支持されることから局部的摩
耗や破損を招くことはないのである。
【0026】さらに、起動時やデフロスト運転時などに
前記吸入ガスに多量の液体が混入されて前記シリンダ室
13に吸入され、この液体の流入により、前記吸入弁が
図3の二点鎖線で示したように、前記最大撓み角αより
大きく過度に撓んでしまったときでも、前記各支持片5
1,51を前記第1傾斜面8と第2傾斜面9との境界部
に形成される前記第2境界線を第2支持部ロとして線接
触の状態で支持できることから、前記支持片51,51
の前記第2支持部ロでの応力集中を軽減できるので、こ
の場合も、従来のように点接触により前記各支持片5
1,51が支持されることにより生じていた局部的な応
力集中を回避できるので、この応力集中による過度の摩
耗で前記吸入弁5が破損したりするのを防止できるので
ある。
【0027】しかも、前記吸入弁5は、過度に撓んだと
きには、前記各支持片51,51を前記第2支持部ロ,
ロにおいて支持させられるので、該各第2支持部ロ,ロ
は、通常運転時の前記第1支持部イ,イよりも径方向内
方側に位置されることになるから、前記各支持片51,
51を前記各第1支持部イ,イで支持するときの支持間
距離よりも短くできるのであり、その結果、前記吸入弁
5の剛性を高められるので、前記吸入弁5の肉厚が薄く
ても剛性を上げられるから、該吸入弁5の過度な撓みに
対する強度を向上できるので、前記吸入弁5の撓み過ぎ
による破損も防止することができるのである。
【0028】また、前記第1傾斜面8には、図4で示し
たように、傾斜角度が前記シリンダ室13に対し径方向
外方側から徐々に傾斜角度が大きくなるように、傾斜角
度の異なる例えば3つの逃げ面81,82,83をそれ
ぞれ形成して、これら各逃げ面81〜83における前記
気筒12の平面部に対する傾斜角α1,α2,α3のう
ち、前記シリンダ室13側の傾斜角度α3を前記した最
大撓み角αと成すようにしてもよいのである。斯くする
ときには、通常運転時で前記吸入ガスの圧力が変動した
ような場合に、その状態に応じて前記吸入弁5の各支持
片51,51を前記各逃げ面81〜83の何れかに面接
触させながら、各逃げ面81〜83の各境界線で形成さ
れる支持部ハで、線接触状態で支持させることができる
のであり、従って、前記吸入弁5の撓み角度に応じて前
記各支持片51,51の支持部ハを変更させられるの
で、撓み角度の増大に伴って該吸入弁5の剛性を高くす
ることができるので、この吸入弁5の破損を一層良好に
防止できるばかりか、該吸入弁5の厚みをさらに薄くし
て形成することも可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、前記気筒12の頂部で、シリンダ室13側
の角部に、前記支持片51,51を受け入れる切欠部1
6,16を設け、この切欠部16,16の受け面に、吸
入行程において、前記吸入弁5が通常運転時に撓む最大
撓み角αで傾斜する第1傾斜面8と、この第1傾斜面8
に対しシリンダ室13側に位置し、前記最大撓み角αよ
り大きい逃げ角βで傾斜する第2傾斜面9とを設けたか
ら、吸入行程時で、通常運転される場合には、前記吸入
弁5の支持片51,51を、この第1傾斜面8と前記気
筒12の頂部平面部との境界線で線接触させて支持で
き、また、吸入ガスと共に多量の液体が前記シリンダ室
13に流入するような場合で前記吸入弁5が前記最大撓
み角αより大きく過度に撓むときには、前記第1傾斜面
8と前記第2傾斜面9との境界線で線接触させて支持で
きるので、通常運転時だけでなく多量の液体が前記シリ
ンダ室13に流入したときであっても、前記吸入弁5の
支持片51,51を常に線接触状態で支持しながら、前
記吸入弁5を撓ますことができるのであるから、この吸
入弁5の撓みによる応力が局部的に一点に集中したりす
るのをなくすことができるので、その局部的な応力集中
による異常摩耗で前記吸入弁5が破損するのを防止でき
るのである。
【0030】その上、前記吸入弁5の前記支持片51,
51を複数設けるときには、通常運転時には、前記吸入
弁5の各支持片51,51を前記第1傾斜面8と前記気
筒12の頂部平面部との境界線で支持できるので、各支
持間距離を長くできるし、起動時やデフロスト運転時な
ど吸入ガスと共に多量の液体が前記シリンダ室13内に
流入して前記吸入弁5が過度に撓んでしまう場合には、
前記吸入弁5の支持片51,51を、通常運転時の支持
位置よりも前記シリンダ室13側に位置する前記第1傾
斜面8と第2傾斜面9との境界線で支持できることか
ら、各支持間距離を通常運転時における支持間距離より
も短くできるので、従って、前記吸入弁5を薄肉に形成
することにより、通常運転時には、各支持片51,51
を支持する支持間距離を長くできることから、前記吸入
弁5の全体的な剛性を低くして、該吸入弁5の撓みを大
きくでき、前記吸入ポート41から吸入される吸入ガス
の前記吸入弁5による吸入抵抗を少なくできるし、前記
シリンダ室13に多量の液体が流入するときには、支持
間距離を短くできるので、前記吸入弁5が薄肉でありな
がら前記吸入弁5の全体的な剛性を高められるので、該
吸入弁5の撓み過ぎによる破損を確実に防止することが
できるのである。
【0031】また、請求項2記載の発明では、前記第1
傾斜面8に傾斜角α1,α2,α3の異なる複数の逃げ
面81,82,83を形成したから、通常運転時に、前
記吸入ガスの吸入状態の変化に応じて、前記吸入弁5を
前記各逃げ面81,82,83の何れかに面接触させな
がら、各逃げ面81,82,83の境界線で線接触状態
で支持させることができるのであり、従って、通常運転
時においても、前記吸入弁5の撓み量に応じて線接触状
態で支持間距離を変えられることから、撓みの増大に伴
って前記吸入弁5の剛性を高めることができるので、そ
の破損を一層良好に防止できるし、さらに、該吸入弁5
を一層薄肉に形成しても破損を防止できるので、この吸
入弁5による前記吸入ポート41からの吸入抵抗をさら
に小さくできながら、前記吸入弁5の軽量化も図れるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレシプロ形圧縮機の要部を示す縦断面
図。
【図2】吸入弁を気筒の頂部に配設した状態を示す平面
図。
【図3】吸入弁が作動するときの作動説明図。
【図4】別の実施例を示す要部断面図。
【図5】本発明のレシプロ形圧縮機の一部切欠縦断面
図。
【図6】従来のレシプロ形圧縮機の気筒上部を示す縦断
面図である。
【図7】従来のレシプロ形圧縮機の吸入弁の取付状態を
示す平面図。
【図8】従来の吸入弁の作動説明図である。
【符号の説明】
12 気筒 13 シリンダ室 16 切欠部 3 ピストン 4 弁座 41 吸入ポート 5 吸入弁 51 支持片 8 第1傾斜面 81〜83 逃げ面 9 第2傾斜面 α 最大撓み角 α1〜α3 傾斜角 β 逃げ角
フロントページの続き (72)発明者 中島 英行 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社堺製作所臨海工場内 (56)参考文献 実開 昭57−112085(JP,U) 実開 昭48−59205(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 39/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン(3)を往復動可能に内装する気
    筒(12)の頂部に、円環状の吸入ポート(41)をも
    つ弁座(4)を取付けると共に、この弁座(4)と気筒
    (12)の頂部との間に、前記吸入ポート(41)を開
    閉し、外周部に周方向の移動を規制する支持片(51)
    (51)を突出形成したリング形吸入弁(5)を、前記
    ピストン(3)の摺動方向に移動可能に介装したレシプ
    ロ形圧縮機において、前記気筒(12)の頂部で、シリ
    ンダ室(13)側の角部に、前記支持片(51)(5
    1)を受け入れる切欠部(16)(16)を設け、この
    切欠部(16)(16)の受け面に、吸入行程におい
    て、前記吸入弁(5)が通常運転時に撓む最大撓み角
    (α)で傾斜する第1傾斜面(8)と、この第1傾斜面
    (8)に対しシリンダ室(13)側に位置し、前記最大
    撓み角(α)より大きい逃げ角(β)で傾斜する第2傾
    斜面(9)とを設けていることを特徴とするレシプロ形
    圧縮機。
  2. 【請求項2】第1傾斜面(8)に、傾斜角(α1,α
    2,α3)の異なる複数の逃げ面(81,82,83)
    を備えている請求項1記載のレシプロ形圧縮機。
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