JPH10184567A - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JPH10184567A
JPH10184567A JP34506396A JP34506396A JPH10184567A JP H10184567 A JPH10184567 A JP H10184567A JP 34506396 A JP34506396 A JP 34506396A JP 34506396 A JP34506396 A JP 34506396A JP H10184567 A JPH10184567 A JP H10184567A
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謙治 松葉
Hiroyuki Kuroiwa
弘之 黒岩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを増大することなく、可動スクロ
ールの転覆を防止する。 【解決手段】 吐出開始時にあるときの固定スクロール
中心Ofsから可動スクロール中心Oosを通る半直線をX
とし、可動スクロール中心Oosを起点とし半直線Xに対
して回転方向に90°回転させた半直線をYとし、半直
線Xと半直線Yとによって囲まれた領域を第1領域、さ
らに90°ずつ回転方向に回転させた領域を順に第2領
域、第3領域、第4領域としたとき、吐出開始時に可動
スクロール中心Oosから最も遠ざかるようになるスラス
ト反力Fa の作用点Lを受止める反力受止め部20を可
動スクロール鏡板14の第2領域に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧縮機、真空ポ
ンプ、膨張機等に用いられるスクロール形流体機械に関
するものであり、特に可動スクロールの鏡板に背圧力を
加えることによって可動スクロールを固定スクロールに
押付けるようにしたスクロール形流体機械に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種のスクロール形流体機械は、たと
えば、特開平5−296163号公報に開示されてい
る。この公報にも開示されているが、スクロール形流体
機械の動作中においては、可動スクロールに対して種々
の力が作用している。具体的には、可動スクロールの鏡
板の背面に加えられる軸方向に向く背圧力、固定スクロ
ールおよび可動スクロールの渦巻体間に閉込められるガ
スによって作り出されるガス荷重、公転運動する可動ス
クロールによって作り出される遠心力等が存在する。
【0003】可動スクロールに対して作用する種々の力
の位置関係により転覆モーメントが働き、そのため、可
動スクロールの鏡板部等で片当たりが生じたり、可動ス
クロールが倒れて可動スクロールの軸受け部の負荷が増
大したりする問題が生ずる。
【0004】特開平5−296163号公報に開示され
たスクロール形流体機械においては、可動スクロールの
鏡板の背面に偏心した円形のシールリングを設けること
によって、可動スクロールに作用する転覆モーメントを
低減しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−29616
3号公報に開示されたような偏心シールリングを設けよ
うとすれば、加工コストが増大する。また、偏心シール
リングを設けても、転覆モーメントの低減は十分ではな
い。
【0006】図9は、スクロール形流体機械の動作中に
おいて、可動スクロールに対して作用する力がどのよう
に変化するかを示している。縦軸は力の大きさを示し、
横軸は公転運動する可動スクロールの回転角度を示して
いる。
【0007】Fbpは、可動スクロールの鏡板の背面に作
用する軸方向に向く背圧力荷重であり、可動スクロール
の回転角度にかかわらずほぼ一定の大きさとなってい
る。
【0008】固定スクロールの渦巻体と可動スクロール
の渦巻体との間に閉込められるガスによって作り出され
るガス荷重が、可動スクロールに作用する。Fpaは、そ
のようなガス荷重の軸方向成分であり、Fptはガス荷重
の接線方向成分であり、Fprはガス荷重の半径方向成分
である。ガス荷重は、両スクロールの渦巻体間に閉込め
られるガス圧によって変化する。とくに、ガス荷重軸方
向成分Fpaは、吐出開始時において最大となり、吸込み
完了時において最小となる。
【0009】Firは、公転運動する可動スクロールに作
用する遠心力荷重であり、動作中においてはほぼ一定の
大きさである。
【0010】背圧力荷重Fbpおよびガス荷重軸方向成分
paは可動スクロールの鏡板に対して軸方向に作用す
る。この両荷重の差圧はスラスト反力Fa として、可動
スクロールの鏡板に作用する。
【0011】図9に示すように、スラスト反力Fa は、
bpからFpaを差し引いた力の大きさ、すなわちFbp
paである。そのため、スラスト反力Fa の大きさは、
スクロール形流体機械の吐出開始時に最も小さくなり、
吸込み完了時に最も大きくなる。
【0012】上述のように、スラスト反力Fa は可動ス
クロールの回転角度に応じて変化する。モーメントの釣
合いのために、スラスト反力Fa の作用点も、可動スク
ロールの回転角度に応じて変化する。スラスト反力Fa
の大きさが小さいときには、可動スクロール中心からス
ラスト反力作用点までの距離は大きくなり、スラスト反
力Fa の大きさが大きいときには可動スクロール中心か
らスラスト反力作用点までの距離は小さくなる。
【0013】図10は、可動スクロール1とともにスラ
スト反力作用点の軌跡Lを示している。2は鏡板、3は
渦巻体、4はオルダムキー溝である。図示するように、
スラスト反力作用点は、動作中において、可動スクロー
ル中心からの距離が刻々と変化する。吐出開始時、すな
わちガス荷重軸方向成分Fpaが最大になるときにスラス
ト反力が最小となるため、スラスト反力の作用点が可動
スクロール中心から最も遠ざかる。その際、スラスト反
力作用点は可動スクロール1の鏡板中心2から外方に外
れたところに位置する。鏡板外径が充分でないと、スラ
スト反力を受ける作用点が鏡板2上に位置しないように
なるため、軸方向に作用する力のバランスが崩れ、可動
スクロール1が傾いてしまう。図10に示すような状態
では、可動スクロールは、1回転中に一度、すなわち吐
出開始時に傾いてしまうことになる。
【0014】この発明の目的は、特に製造コストを増大
することなく、可動スクロールに対する転覆モーメント
を低減することのできるスクロール形流体機械を提供す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の前提となるス
クロール形流体機械は、渦巻体を有する固定スクロール
と、固定スクロールの渦巻体に摺接する渦巻体を鏡板上
に有する可動スクロールとを備え、可動スクロールの鏡
板の背面に軸方向に向く背圧力を加えることによって可
動スクロールを固定スクロールに押付け、背圧力荷重
と、両スクロールの渦巻体間に閉込められるガスによっ
て作り出されるガス荷重の軸方向成分との差圧に釣り合
うスラスト反力を可動スクロールの鏡板に作用させるよ
うにするものである。
【0016】請求項1に記載のスクロール形流体機械
は、吐出開始時にあるときの固定スクロール中心から可
動スクロール中心を通る半直線をXとし、可動スクロー
ル中心を起点とし半直線Xに対して回転方向に90°回
転させた半直線をYとし、半直線Xと半直線Yとによっ
て囲まれた領域を第1領域、さらに90°ずつ回転方向
に回転させた領域を順に第2領域、第3領域、第4領域
としたとき、吐出開始時に可動スクロール中心から最も
遠ざかるようになるスラスト反力の作用点を受止める反
力受止め部を可動スクロール鏡板の第2領域に設けたこ
とを特徴とする。
【0017】本願発明者は、スラスト反力の作用点が可
動スクロール中心から最も遠ざかる領域は、第2領域に
なることを見出した。したがって、請求項1に記載の発
明においては、第2領域に設けられた反力受止め部が確
実にスラスト反力の作用点を受止めるので、吐出開始時
における可動スクロールの傾きを効果的に防止すること
ができる。
【0018】請求項2に記載のスクロール形流体機械で
は、可動スクロール鏡板の主たる外径の中心位置を、可
動スクロールの駆動軸中心に対して第2領域に偏心させ
ることによって、反力受止め部を第2領域に設けてい
る。この請求項2に記載の発明によれば、反力受止め部
を形成するのに特別な加工を必要としないので、製造コ
ストの増大を抑えることができる。さらに、可動スクロ
ールの重量を増加させることはない。
【0019】請求項3に記載のスクロール形流体機械で
は、第2領域に位置する可動スクロール鏡板の外縁を半
径方向外方に膨出させることによって、反力受止め部を
第2領域に設けている。この請求項3に記載の発明によ
れば、膨出部が確実にスラスト反力の作用点を受止める
ので、可動スクロールの転覆を効果的に防止することが
できる。
【0020】請求項4に記載のスクロール形流体機械で
は、膨出部分にオルダムキー溝が形成されている。オル
ダムキー溝は、公転運動する可動スクロールが自転しな
いようにするために、この種のスクロール形流体機械に
おいては必ず形成されるものである。請求項4に記載の
発明では、必ず必要となるオルダムキー溝の位置を第2
領域にし、膨出部分と兼用することによって、スラスト
反力を受止めるようにしている。このようにすれば、製
造コストの増大を防止することができる。
【0021】請求項5に記載のスクロール形流体機械に
おいては、膨出部分の厚みを、他の部分に比べて薄くし
ている。膨出部分を形成することによってその部分の重
みが負荷されることになるが、請求項5に記載の発明の
ように、その厚みを小さくすれば、重量の増加を防ぐこ
とができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、固定スクロール10の渦
巻体11と、可動スクロール12の渦巻体13とが噛合
っている状態を示す断面図である。可動スクロール12
は、鏡板14と、駆動軸の偏心ピンを受入れるピン受け
筒部15とを備える。
【0023】可動スクロール12の鏡板14の背面には
シール部材16および17が配置されており、この両シ
ール部材間に背圧室18が形成される。両スクロールの
渦巻体間に形成される中間圧力はガス通路19を経由し
て背圧室18に導かれる。
【0024】背圧室18によって形成される背圧力Fbp
は、可動スクロール12を固定スクロール10に向かっ
て軸方向に押付ける。また、両スクロールの渦巻体間に
閉込められるガスによって作り出されるガス荷重の軸方
向成分Fpaは、可動スクロール12を、固定スクロール
10から軸方向に遠ざけるように作用する。図9を用い
て説明したように、背圧力荷重Fbpはガス荷重軸方向成
分Fpaよりもかなり大きいため、可動スクロール12は
間隔dだけ浮上がる。可動スクロール12の鏡板14の
外周部分は固定スクロール10に押付けられ、そのため
鏡板14に対してスラスト反力Fa が背圧力とは逆方向
に作用する。Fa =Fbp−Fpaである。
【0025】図2および図3は、可動スクロール12に
作用する種々の力を図解的に示している。図2は可動ス
クロールを上方から見た図であり、図3は可動スクロー
ルを側方から見た図である。
【0026】可動スクロールに作用する力の関係をまと
めると、以下の表1のようになる。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示された各力について、図2および
図3を用いて詳しく説明する。可動スクロールは固定ス
クロールの中心Ofsのまわりを回転する。可動スクロー
ルの中心をOosとし、その回転の半径をRorとする。回
転方向は、図2において反時計方向である。固定スクロ
ール中心Ofsから可動スクロール中心Oosを通る方向を
r軸とし、可動スクロール中心Oosを通る接線の方向を
t軸とする。また、可動スクロール中心Oosを通って紙
面に対して垂直方向に延びる軸をa軸とする。
【0029】ガス荷重Fpa、Fpt、Fprは、固定スクロ
ール中心Ofsと可動スクロール中心Oosとの間の中点に
作用する。ガス荷重軸方向成分Fpaは軸方向に沿って下
向きに作用する。a軸に沿って下向きの方向を負とする
と、表1に示すようにガス荷重のa軸成分は−Fpaとな
る。その作用点座標は、r軸で見ると−Ror/2であ
る。
【0030】ガス荷重接線方向成分Fptのa軸方向の作
用点は、渦巻体の高さの中央の位置である。したがっ
て、図3に示すようにa軸方向の作用点の座標はhp
なる。t軸方向で見ると負であるので、力の成分は−F
ptとなる。
【0031】ガス荷重半径方向成分Fprは、r軸方向に
見たとき負であるので、力の成分は−Fprとなる。Fpr
のa軸方向の作用点座標はhp である。
【0032】遠心力Firは、可動スクロール中心Oos
作用する。r軸方向に見たとき正であるので力の成分は
irである。a軸方向に見たとき、遠心力Firの作用点
は、可動スクロールの重心位置となるので、a軸の座標
はhi である。
【0033】r軸方向の力の成分で見たとき、ガス荷重
半径方向成分Fprよりも遠心力荷重Firの方がかなり大
きい。このことは図9からも明らかである。そのため、
その力の差に対応するピン軸反力が、駆動軸の偏心ピン
を受入れるピン受け筒部15に作用する。ピン軸反力の
r軸成分Rr は遠心力Firと逆向きであるため、−R r
となる。
【0034】t軸方向の力の成分を見ると、ガス荷重接
線方向成分Fptと同じ力の大きさで、逆向きのピン軸反
力t軸成分Rt がピン受け筒部15に作用する。ピン軸
反力t軸成分は、ガス荷重接線方向成分Fptと逆向きで
あるため、t軸成分はRt となる。ピン軸反力Rr 、R
t の作用点は、図2においては可動スクロール中心O os
であり、図3に示したa軸方向においては、ピン受け筒
部15の高さの約2分の1の位置である。したがって、
a軸の作用点座標は、−hr となる。
【0035】背圧力Fbpは固定スクロール中心Ofsを通
って上方に作用する。したがって、a軸に沿う力の成分
は、Fbpであり、作用点座標は−Rorである。
【0036】a軸方向の力の成分を見たとき、下向きの
ガス荷重軸方向成分Fpaよりも上向きの背圧力荷重Fbp
の方がかなり大きい。このことは、図9からも明らかで
ある。そのため、a軸方向の力の釣合いをとるために、
背圧力荷重Fbpとガス荷重軸方向成分Fpaとの力の差に
対応するスラスト反力Fa が、背圧力荷重Fbpとは逆向
きに作用する。この作用点座標を、r軸に見たときAr
とし、t軸に見たときAt とする。a軸方向にみたと
き、スラスト反力の作用点は、鏡板14の上面であるの
で、hs である。
【0037】次に、スラスト反力Fa の作用点がどこに
位置するのかについて検討してみる。そのために、モー
メントの釣合いを考える。
【0038】まず、r軸まわりのモーメントの釣合いを
考えてみる。正のモーメントはFa・At である。一
方、r軸まわりの負のモーメントは、Rt ・hr および
pt・hp である。
【0039】次にt軸まわりのモーメントについて考え
てみる。t軸まわりの正のモーメントは、Fa ・Ar
ある。また、Fbp・Ror、Rr ・hr 、Fir・hi もt
軸まわりの正のモーメントとなる。一方、Fpr・hp
よびFpa・Ror/2がt軸まわりの負のモーメントとな
る。
【0040】上述したモーメントの釣合いを整理する
と、次のようになる。
【0041】
【数1】
【0042】図4を参照して、吐出開始時にあるときの
固定スクロール中心Ofsから可動スクロール中心Oos
通る半直線をXとし、可動スクロール中心Oosを起点と
し半直線Xに対して回転方向に90°回転させた半直線
をYとし、半直線Xと半直線Yとによって囲まれた領域
を第1領域、さらに90°ずつ回転方向に回転させた領
域を順に第2領域、第3領域、第4領域とする。
【0043】上述の式(1)を満足するためには、Fa
・At は必ず正でなければならない。Fa は正であるの
で、At も正でなければならない。ということは、Fa
の作用点は、必ず第1領域または第2領域に存在しなけ
ればならない。
【0044】次に、式(2)に記載されている(Fbp
or+Rr ・hr +Fir・hi )と(Fpr・hp +Fpa
・Ror/2)の大きさを比較してみる。図9を参照し
て、F bpはFpaよりもかなり大きい。また、RorはRor
/2よりも大きいため、Fbp・Ror≫Fpa・Ror/2の
関係となる。
【0045】図9から、FirはFprよりもかなり大きい
ことがあきらかである。一方、hiとhp とはそれほど
大きさに差はない。したがって、Fir・hi >Fpr・h
p の関係が成り立つ。さらに、Rr ・hr が正成分とし
て作用するので、確実に以下の関係式が成り立つ。
【0046】
【数2】 式(3)の関係でなおかつ式(2)の条件を満足するた
めには、Fa ・Ar は負でなければならない。Fa は正
の力成分であるので、Ar は負である。
【0047】以上のモーメントの釣合いから考えると、
t は正であり、Ar は負である。そのような領域は、
第2領域である。
【0048】以上のことから、スラスト反力の作用点
は、必ず第2領域に位置することになる。その作用点は
吐出開始時に最大となる。言換えれば、吐出開始時に可
動スクロール中心Oosから最も遠ざかるようになるスラ
スト反力Fa の作用点は、必ず第2領域に位置する。そ
こでこの発明では、そのようなスラスト反力Fa の作用
点を受止める反力受止め部を可動スクロール鏡板の第2
領域に設ける。
【0049】図5に示した実施例では、可動スクロール
12の鏡板14の主たる外径の中心位置Cを、可動スク
ロールの駆動軸中心Oosに対して第2領域に偏心させて
いる。したがって、オルダムキー溝21を除いて、可動
スクロール中心Oosから鏡板14の外縁に至るまでの距
離は、第2領域において最大となる。スラスト反力の作
用点の軌跡Lから明らかなように、吐出開始時にスラス
ト反力の作用点が可動スクロール中心Oosから最も遠ざ
かる。その際、大きな面積を占めるようになった第2領
域の鏡板が反力受止め部20となってスラスト反力を受
止める。こうして、可動スクロールの転覆を防止でき
る。
【0050】図6は、この発明に従った他の実施例を示
している。この実施例では、第2領域に位置する可動ス
クロール鏡板14の外縁を半径方向外方に膨出させるこ
とによって、スラスト反力を受止める反力受止め部20
を形成している。膨出部22は反力受止め部20を形成
するために設けられたものであるが、可動スクロールの
バランサとして作用させるようにしてもよい。
【0051】図7は、この発明のさらに他の実施例を図
示している。この実施例では、反力受止め部を形成する
ための膨出部22の厚みを小さくすることによって、重
量の増加を防いでいる。
【0052】図8は、この発明に従ったさらに他の実施
例を図示している。図8では、オルダムキー溝21を適
正な場所に位置させることによって、オルダムキー溝2
1に反力受止め部20を形成するようにしている。この
実施例では、オルダムキー溝21の位置を適正に選ぶだ
けでよいので、製造コストおよび重量の増加を防ぐこと
ができる。
【0053】以上図示しかつ説明した実施例はこの発明
を例示的に示したものにすぎない。したがって、この発
明の均等の範囲内において、種々の修正や変形が可能で
ある。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、吐出開
始時に可動スクロール中心から最も遠ざかるようになる
スラスト反力の作用点を受止める反力受止め部を可動ス
クロール鏡板の第2領域に設けたので、可動スクロール
の転覆モーメントを確実に低減することができる。
【0055】請求項2に記載の発明によれば、可動スク
ロール鏡板の主たる外径の中心位置を可動スクロールの
駆動軸中心に対して偏心させることによって反力受止め
部を形成するものであるので、製造コストの増加を防ぐ
ことができる。
【0056】請求項3に記載の発明によれば、可動スク
ロール鏡板の外縁を半径方向外方に膨出させることによ
って反力受止め部を形成しているので、スラスト反力の
作用点を確実に受止めることができる。
【0057】請求項4に記載の発明によれば、オルダム
キー溝を利用して反力受止め部を形成するものであるの
で、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0058】請求項5に記載の発明によれば、膨出部分
の厚みを小さくしているので、重量の増加を防ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定スクロールと可動スクロールとが噛合って
いる状態を示す断面図である。
【図2】可動スクロールに作用する種々の力を上方から
見た図である。
【図3】可動スクロールに作用する力を側方から見た図
である。
【図4】可動スクロールを4つの領域に区分した図であ
る。
【図5】この発明に従った実施例を示す図である。
【図6】この発明に従った他の実施例を示す図である。
【図7】この発明に従ったさらに他の実施例を示す図で
ある。
【図8】この発明に従ったさらに他の実施例を示す図で
ある。
【図9】可動スクロールに作用する種々の力と回転角度
との関係を示す図である。
【図10】従来の可動スクロールを示す図である。
【符号の説明】
12 可動スクロール 13 渦巻体 14 鏡板 20 反力受止め部 L スラスト反力作用点の軌跡 C 主たる外径の中心 Oos 可動スクロール中心 21 オルダムキー溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦巻体(11)を有する固定スクロール
    (10)と、前記固定スクロールの渦巻体に摺接する渦
    巻体(13)を鏡板(14)上に有する可動スクロール
    (12)とを備え、前記可動スクロールの鏡板の背面に
    軸方向に向く背圧力(Fbp)を加えることによって可動
    スクロールを固定スクロールに押付け、前記背圧力荷重
    (Fbp)と、両スクロールの渦巻体間に閉込められるガ
    スによって作り出されるガス荷重の軸方向成分(Fpa
    との差圧に釣り合うスラスト反力(Fa )を可動スクロ
    ールの鏡板に作用させるようにしたスクロール形流体機
    械において、 吐出開始時にあるときの固定スクロール中心(Ofs)か
    ら可動スクロール中心(Oos)を通る半直線をXとし、
    可動スクロール中心(Oos)を起点とし前記半直線Xに
    対して回転方向に90°回転させた半直線をYとし、半
    直線Xと半直線Yとによって囲まれた領域を第1領域、
    さらに90°ずつ回転方向に回転させた領域を順に第2
    領域、第3領域、第4領域としたとき、吐出開始時に可
    動スクロール中心(Oos)から最も遠ざかるようになる
    前記スラスト反力(Fa )の作用点(Lmax )を受止め
    る反力受止め部(20)を可動スクロール鏡板の第2領
    域に設けたことを特徴とする、スクロール形流体機械。
  2. 【請求項2】 前記可動スクロール鏡板(14)の主た
    る外径の中心位置(C)を、可動スクロールの駆動軸中
    心(Oos)に対して前記第2領域に偏心させることによ
    って、前記反力受止め部(20)を第2領域に設けた、
    請求項1に記載のスクロール形流体機械。
  3. 【請求項3】 前記第2領域に位置する可動スクロール
    鏡板の外縁を半径方向外方に膨出させることによって、
    前記反力受止め部(20)を第2領域に設けた、請求項
    1に記載のスクロール形流体機械。
  4. 【請求項4】 前記膨出部分(22)にオルダムキー溝
    (21)が形成されている、請求項3に記載のスクロー
    ル形流体機械。
  5. 【請求項5】 前記膨出部分(22)の厚みが、他の部
    分に比べて薄くされている、請求項3に記載のスクロー
    ル形流体機械。
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