JPH07293445A - レシプロ形圧縮機 - Google Patents

レシプロ形圧縮機

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JPH07293445A
JPH07293445A JP8132294A JP8132294A JPH07293445A JP H07293445 A JPH07293445 A JP H07293445A JP 8132294 A JP8132294 A JP 8132294A JP 8132294 A JP8132294 A JP 8132294A JP H07293445 A JPH07293445 A JP H07293445A
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JP
Japan
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valve
cylinder
suction
valve seat
inclined surface
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Withdrawn
Application number
JP8132294A
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English (en)
Inventor
Suemori Shirasawa
末盛 白沢
Tsutomu Takahashi
勉 高橋
Kazutoshi Yamada
和利 山田
Hideyuki Nakajima
英行 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】代替フロンを使用した場合でも、吸入弁5の弁
座4への着座時における横滑りによる摩耗を防止する。 【構成】ピストン3を往復可能に内装する気筒12の頂
部に、円環状の吸入ポート41をもつ弁座4を取付け、
この弁座4と気筒12の頂部との間に、吸入ポート41
を開閉するリング形吸入弁5を介装する。リング形吸入
弁5の周方向一側に固定片53を設け、この固定片53
を弁座4に固定してリング形吸入弁5を弁座4に片持ち
状に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレシプロ形圧縮機、詳し
くは、ピストンを往復動可能に内装する気筒の頂部に、
吸入ポートをもつ弁座を取付けると共に、この弁座と気
筒の頂部との間に、前記吸入ポートを開閉するリング形
吸入弁を介装したレシプロ形圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実開平1−115884
号公報に記載されているように、密閉ケーシング内にモ
ータと架構とを内装して、該架構に、複数の気筒を形成
して、この各気筒内にそれぞれピストンを、前記モータ
に連結されるクランク軸の偏心軸部の偏心回転に伴って
摺動自由に内装すると共に、前記気筒の頂部に円環状の
吸入ポートをもつ弁座をパッキンを介して取付け、該弁
座と前記気筒の頂部との間に、前記吸入ポートを開閉す
るリング形吸入弁を介装したものが知られている。
【0003】このようなリング形吸入弁を有するレシプ
ロ形圧縮機は、図7に示したように、ピストン3が収容
される気筒12の頂部に、薄肉のパッキン7を介して弁
座4を取付けると共に、該弁座4と前記気筒12との間
に、前記弁座4に設けた円環状の吸入ポート41を開閉
するリング状の板状吸入弁5を介装させる一方、前記弁
座4における前記吸入ポート41の環状部の径方向内方
側に吐出ポート42を設けて、該吐出ポート42を開閉
させる吐出弁43を、前記弁座4の上部側に弁バネ44
と弁押さえ45を介して取付けるようにしている。
【0004】さらに、前記板状吸入弁5は、図8に示す
ように、前記吸入ポート41を開閉可能なリング状で、
所定の厚みをもった薄肉鋼板から形成し、この吸入弁5
の外周部に、一対の係止片51,51を突設し、該各係
止片51,51の端部に径方向に延びる係合溝52,5
2を形成して、この係合溝52,52に、前記気筒12
の頂部に挿嵌固定するピンからなるガイド体6,6を係
合させて、前記吸入弁5を前記気筒12の頂部に取付け
る弁座4の前記吸入ポート41(図8の二点鎖線で示
す)との対向位置に位置決めさせて取付けるごとくして
いる。
【0005】さらに、前記気筒12と弁座4との間に介
装する前記パッキン7には、前記吸入弁5の外周形状と
ほぼ同一形状で、かつ、該吸入弁5の外形よりもやや大
きい抜き穴71を形成して、この抜き穴71に前記吸入
弁5を前記気筒12と前記弁座4との間で多少の上下動
ができるように介装させて、前記ピストン3の往復動に
よる吸入行程時に前記吸入弁5を前記吸入ポート41か
ら離反させ、かつ、前記気筒12の頂部に支持させなが
ら撓ませて、前記吸入ポート41から流入するガス流体
の吸入抵抗を少なくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記吸
入弁5は、吸入行程中は、撓みながら前記気筒12の頂
部に接触状態で位置し、この吸入行程から圧縮行程に移
行したとき、前記ピストン3による圧縮で、前記気筒1
2内の圧力が高くなり始めると、この圧力上昇により前
記吸入弁5が前記弁座4に向かって急に押上げられるこ
とになり、該弁座4に強い衝撃を受けて着座するのであ
り、しかも、前記吸入弁5は、前記各係止片51,51
の係合溝52,52に前記各ガイド体6,6を上下動可
能に係合させて位置決めしているだけなので、前記吸入
弁5が前記気筒12の頂部に撓んだまま接触した状態か
ら前記弁座4に接触するまでの間に、前記係合溝52,
52に沿って横滑りを起こしながら前記弁座4に着座す
ることがあり、このため、横滑り摩耗が生ずる欠点があ
った。
【0007】特に、レシプロ圧縮機に代替フロンを適用
する場合、この代替フロンに対して使用する潤滑油は通
常従来のフロン(例えばR−22)に使用していた潤滑
油に比べて潤滑性能が低下することから、前記吸入弁5
の着座時における横滑りの摺動抵抗が増大し、該吸入弁
5の前記弁座4への着座時、その横滑りによる摩耗が顕
著となる問題が生じていた。
【0008】本発明は、上記問題に鑑みて成したもの
で、その目的は、代替フロンを使用した場合でも、吸入
弁の弁座への着座時における横滑りによる摩耗を防止で
きるレシプロ形圧縮機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ピストン3を往復可能に内
装する気筒12の頂部に、円環状の吸入ポート41をも
つ弁座4を取付け、この弁座4と気筒12の頂部との間
に、前記吸入ポート41を開閉するリング形吸入弁5を
介装したレシプロ形圧縮機において、前記リング形吸入
弁5の周方向一側に固定片53を設けると共に、この固
定片53を前記弁座4に固定して前記リング形吸入弁5
を前記弁座4に片持ち状に支持したのである。
【0010】請求項2記載の発明は、周方向一側に前記
固定片53を備えた前記リング形吸入弁5の周方向他側
に、前記気筒12の頂面に接触し、前記固定片53を介
して片持ち状に支持される前記吸入弁5の自由端側を支
持する係止片51を設け、ピストン3の復動による吸入
行程時、前記固定片53による支持側と、前記係止片5
1による支持側とを支点に、前記吸入弁5を湾曲状に撓
ませて吸入ポート41を開口させるようにしたのであ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、前記気筒12の頂
部で、シリンダ室13に面する角部に、ピストン3の復
動による吸入行程においてリング形吸入弁5が撓むと
き、この撓みを逃がす傾斜面17を備えたのである。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記気筒12の頂面に設ける傾斜面17の
シリンダ室13側に、前記傾斜面17の傾斜角度より大
きい傾斜角度をもつ第2傾斜面18を設けたのである。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、前記リング形吸入弁
5の周方向一側に固定片53を設けると共に、この固定
片53を前記弁座4に固定して前記リング形吸入弁5を
前記弁座4に片持ち状に支持したから、前記吸入弁5
を、吸入行程中は、前記ピストン3の摺動による吸引力
で、反固定片形成側から前記吸入ポート41に対し離反
させ、さらに、前記吸入弁5を撓ませて、吸入抵抗少な
く、前記気筒12内にガス流体を吸入できるし、この吸
入行程から圧縮行程に移行するときは、前記気筒12内
の圧力上昇で、前記吸入弁5を押し上げて前記弁座4に
着座させられるのであって、このとき、前記吸入弁5
は、前記固定片53を前記弁座4に固定させているの
で、前記吸入弁5が前記弁座4へ着座する時に、横滑り
を起こすのを防止できるのである。
【0014】さらに、請求項2記載の発明では、前記吸
入弁5の周方向一側に前記固定片53を設け、周方向他
側に、前記気筒12の頂面に接触し、前記固定片53を
介して片持ち状に支持される前記吸入弁5の自由端側を
支持する係止片51を設けて、前記ピストン3の復動に
よる吸入行程時、前記係止片51を前記気筒12の頂部
に支持させることにより、前記固定片53による支持側
と、前記係止片51による支持側とを支点に、前記吸入
弁5を湾曲状に撓ませて吸入ポート41を開口させられ
るようにしたから、前記吸入弁5を片持ち状に支持する
構造でありながら、撓みによる集中応力を前記固定片5
3と係止片51との両側支持で二分できるので、それだ
け前記吸入弁5の剛性を高くでき、剛性を高くできる
分、前記吸入弁5の厚みを薄くできるので、撓み量を充
分確保でき、吸入抵抗をより小さくできるのである。
【0015】請求項3記載の発明では、前記気筒12の
頂部で、前記シリンダ室13に面する角部に、前記ピス
トン3の復動による吸入行程において前記リング形吸入
弁5が撓むとき、この撓みを逃がす前記傾斜面17を設
けたから、前記吸入弁5の固定片53を前記弁座4に固
定しても、前記吸入弁5の撓み量の増大で、前記吸入弁
5の固定片53が前記シリンダ室13に面する角部に接
触することなく充分撓ませられるので、撓み量を充分確
保して吸入抵抗をより小さくできるのである。
【0016】また、前記吸入弁5を前記固定片53と係
止片51との2箇所で支持する場合でも、前記吸入弁5
の撓み量の増大で、前記係止片51が前記シリンダ室1
3に面する角部に接触することなく充分撓ませられるの
で、撓み量をさらに充分確保でき、吸入抵抗をさらに小
さくすることができるのである。しかも、前記係止片5
1を前記傾斜面17と前記気筒12の頂面との境界線、
または、前記傾斜面17上に線接触の状態で支持するこ
ともできるので、前記係止片51が前記気筒12の頂部
に点接触の状態で支持されるのを防止でき、その結果、
局部的な一点応力集中を無くして異常摩耗を防止でき、
前記吸入弁5の破損も軽減できるのである。
【0017】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明において、前記気筒12の頂面に設ける傾斜面17
のシリンダ室13側に、前記傾斜面17の傾斜角度より
大きい傾斜角度をもつ第2傾斜面18を設けたから、前
記吸入弁5の撓み量の少ないときには、前記係止片51
を、前記気筒12の断面と前記傾斜面17との境界線に
おいて支持し、前記吸入弁5の撓み量が増大したときに
は、該吸入弁5を前記傾斜面17と前記第2傾斜面18
との境界線で支持することができるので、それだけ支持
位置の距離を短くできるので、前記吸入弁5の剛性を高
くでき、前記吸入弁5の撓み過ぎによる破損を軽減でき
るのである。
【0018】
【実施例】第1実施例について図3に基づいて説明す
る。図3に示す第1実施例は、多気筒のレシプロ形圧縮
機であって、横形の架構1の長手方向一側に、モータ
(図示せず)から延びるクランク軸2の複数の偏心軸部
21,21を内装するクランク室11を形成し、前記架
構1における前記クランク室11の上部に、複数の気筒
12,12を設けて、これら気筒12,12のシリンダ
室13,13にそれぞれピストン3,3を往復動摺動可
能に内装し、かつ、これら各ピストン3,3を連接棒3
1,31を介して前記クランク軸2の各偏心軸部21,
21に連動連結させている。
【0019】さらに、前記各気筒12,12の頂部に、
各気筒12,12に対向する円環状の吸入ポート41,
41をもつ弁座4を取付けると共に、この弁座4と各気
筒12,12の頂部との間に、前記各吸入ポート41,
41を開閉する板状のリング形吸入弁5,5を介装して
いる。
【0020】さらに、図1に示すように、前記弁座4に
おける円環状の前記各吸入ポート41,41の径方向内
方側に吐出ポート42,42を形成して、該各吐出ポー
ト42,42を開閉させる吐出弁43,43を、前記弁
座4の上部側に、弁バネ44,44及び弁押さえ45,
45を介して取付けるようにしており、また、前記弁座
4の上部に、該弁座4を覆う気筒上蓋14を取付けて、
前記各吐出ポート42,42が開口する吐出室15を形
成している。
【0021】そして、前記各リング形吸入弁5,5は、
図1及び図2に示すごとく、所定の厚みをもった薄肉鋼
板から成り、円環状の前記吸入ポート41(図2の一点
鎖線で示す)を開閉するリング形状の弁本体50と、こ
の弁本体50の外周部で、周方向一側に径方向外方に向
けて突設する固定片53と、前記弁本体50の外周部
で、周方向他側に径方向外方に向けて突設する係止片5
1とから成り、前記固定片53に、該固定片53を固定
するための固定ピン8を挿通するための孔54を形成す
る一方、前記係止片51には、その端部に径方向に延び
る係合溝52を形成して、この係合溝52に、前記各気
筒12の頂部に挿嵌固定するピンから成るガイド体6を
係合させるのである。
【0022】さらに、図1に示すように、前記各気筒1
2,12の頂部と前記弁座4との間に、所定の肉厚を有
する薄肉のパッキン7を介在させ、図2に示すように、
該パッキン7の前記気筒12との対向部に前記吸入弁5
の外周形状とほぼ同一形状で、かつ、該吸入弁5の外形
よりもやや大きい抜き穴71を形成して、この抜き穴7
1に前記吸入弁5を内装するのであって、該吸入弁5を
配設する際、前記固定片53と、前記気筒12の頂部と
の間に、フッ素系樹脂からなる(例えばテフロン)弾性
部材9を介した状態で、前記固定片53に前記固定ピン
8を挿通させると共に、前記係止片51の係合溝52に
前記ガイド体6を係合させた状態で、前記気筒12の頂
部に前記弁座4を取付けるのである。このとき、前記弾
性部材9は、その厚みを、該弾性部材9と前記吸入弁5
とを重ね合わせたときに、前記パッキン7の厚みより厚
くなるようにして、前記気筒12頂部への前記弁座4の
取付けにより、前記弾性部材9を弾性変形させて、前記
固定片53を前記弾性部材9の押し付けで前記弁座4に
固定できるように成すと共に、前記係合溝52への前記
ガイド体6の係合により、前記係止片51が上下方向に
移動しても、前記吸入弁5を前記各気筒12,12の頂
部に取付ける前記弁座4の前記各吸入ポート41,41
との対向位置に位置決めさせられるようにしているので
ある。
【0023】つまり、前記固定片53を前記弁座4に固
定することにより、前記吸入弁5を前記弁座4に片持ち
状に支持すると共に、前記係止片51で、片持ち状に支
持される吸入弁5の自由端側を、前記気筒12の頂面に
接触させることにより支持するのであって、即ち、前記
係止片51が、前記気筒12と前記弁座4との間に、前
記パッキン7の厚みの範囲で上下動ができ、かつ、前記
係止片51で前記吸入弁5を前記気筒12の頂面に支持
できるように成すことにより、前記ピストン3の復動に
よる吸入行程時に、前記吸入弁5を前記吸入ポート41
から離反させ、さらに、前記係止片51を前記気筒12
の頂面に支持させることにより前記ピストン3の復動方
向に撓ませて、前記弁座4に形成する円環状の前記吸入
ポート41から前記各気筒12,12内へのガス流体の
吸入通路を確保して、吸入抵抗少なくガス流体を吸入さ
せるように成すのである。
【0024】さらに、前記気筒12の頂部で、前記シリ
ンダ室13に面する角部に、前記ピストン3の復動によ
る吸入行程において前記リング形吸入弁5が撓むとき、
この撓みを逃がす傾斜面17を形成したのである。
【0025】詳記すると、図1で明らかなように、前記
気筒12の頂部で前記シリンダ室13の開口部外周部位
における、前記吸入弁5の前記係止片51と前記固定片
53とが相対向される部分となる2箇所に、切削加工手
段などにより傾斜面17を有する切欠部16を形成する
のであって、前記傾斜面17の傾斜角度を前記気筒12
の頂面に対し、通常運転時に撓むときの最大撓み角より
大きく設定するのである。
【0026】そして、前記傾斜面17と前記気筒12の
頂面との境界線で形成される角部に前記係止片51を線
接触の状態で支持させると共に、該係止片51と前記固
定片53とが、撓み時に前記傾斜面17に接触しないよ
うにして、前記吸入弁5の撓み量を充分確保して前記吸
入ポート41から吸入されるガス流体の吸入抵抗ができ
るだけ少なくなるようにしている。
【0027】しかして、第1実施例では、以上のよう
に、前記リング形吸入弁5の周方向一側に固定片53を
設けると共に、この固定片53を前記弁座4に固定して
前記リング形吸入弁5を前記弁座4に片持ち状に支持し
たから、前記係止片51側が自由端部となるので、前記
吸入弁5を、吸入行程中は、前記ピストン3の摺動によ
る吸引力で、前記係止片51側から前記吸入ポート41
に対し離反させ、さらに、前記吸入弁5を撓ませて、吸
入抵抗少なく、前記気筒12のシリンダ室13内にガス
流体を吸入できるし、この吸入行程から圧縮行程に移行
するときは、図1の一点鎖線で示すように、前記気筒1
2内の圧力上昇で、前記吸入弁5を押し上げて前記弁座
4に着座させられるのであって、このとき、前記吸入弁
5は、前記固定片53を前記弁座4に固定させているの
で、前記吸入弁5が前記弁座4へ着座する時に、横滑り
を起こすのを防止でき、横滑りによる異常摩耗を防止で
きるのである。従って、代替フロンにより潤滑性能が低
下しても、前記吸入弁5の前記弁座4への着座時の横滑
りを防止できるので、前記吸入弁5の摩耗を軽減するこ
とができるのである。
【0028】さらに、第1実施例では、前記吸入弁5の
周方向一側に前記固定片53を設け、周方向他側に前記
気筒12の頂面に接触し、前記固定片53を介して片持
ち状に支持される前記吸入弁5の自由端側を支持する係
止片51を設けて、前記ピストン3の復動による吸入行
程時、前記係止片51を前記気筒12の頂部に支持させ
ることにより、前記固定片53による支持側と、前記係
止片51による支持側とを支点に、前記吸入弁5を湾曲
状に撓ませて吸入ポート41を開口させられるので、前
記吸入弁5を片持ち状に支持する構造でありながら、撓
みによる集中応力を前記固定片53と係止片51との両
側支持で二分できるので、それだけ前記吸入弁5の剛性
を高くでき、剛性を高くできる分、前記吸入弁5の厚み
を薄くできるので、吸入弁5の撓み量を充分確保するこ
とができ、吸入抵抗をより小さくできるのである。
【0029】また、第1実施例では、前記気筒12の頂
部で、前記シリンダ室13に面する角部に、前記ピスト
ン3の復動による吸入行程において前記リング形吸入弁
5が撓むとき、この撓みを逃がす前記傾斜面17を設け
たから、前記吸入弁5の固定片53を前記弁座4に固定
しても、前記吸入弁5の撓み量の増大で、前記吸入弁5
の固定片53が前記シリンダ室13に面する角部に接触
することなく充分撓ませられるので、撓み量を充分確保
して吸入抵抗をより小さくできるのである。
【0030】また、前記吸入弁5を前記前記固定片53
と係止片51との2箇所で支持する場合でも、前記吸入
弁5の撓み量の増大で、前記係止片51が前記シリンダ
室13に面する角部に接触することなく充分撓ませられ
るので、撓み量をさらに充分確保でき、吸入抵抗をさら
に小さくすることができるのである。しかも、前記係止
片51を前記傾斜面17と前記気筒12の頂面との境界
線、または、前記傾斜面17上に線接触の状態で支持す
ることもできるので、前記係止片51が前記気筒12の
頂部に点接触の状態で支持されるのを防止でき、その結
果、局部的な一点応力集中を無くして異常摩耗を防止で
き、前記吸入弁5の破損も軽減できるのである。
【0031】次に第2実施例について図4に基づいて説
明する。第2実施例は、前記した第1実施例の前記傾斜
面17、即ち、気筒12の頂面に設ける傾斜面17のシ
リンダ室13側に、前記傾斜面17の傾斜角より大きい
傾斜角もつ第2傾斜面18を形成したものである。
【0032】つまり、前記気筒12の頂部に、第1実施
例と同様に前記傾斜面17を有する切欠部16を形成
し、前記傾斜面17を前記吸入弁5が通常運転時に撓む
最大撓み角と成し、さらに、この傾斜面17に対しシリ
ンダ室13側に、前記最大撓み角より大きい傾斜角をも
つ第2傾斜面18を形成するのである。
【0033】以上のように前記傾斜面17と第2傾斜面
18とを形成することにより、前記吸入弁5の撓み量の
少ないときには、前記係止片51を、前記気筒12の断
面と前記傾斜面17との境界線において支持し、前記吸
入弁5の撓み量が増大したときには、該吸入弁5を前記
傾斜面17と前記第2傾斜面18との境界線で支持する
ことができるので、それだけ支持位置の距離を短くでき
るので、前記吸入弁5の剛性を高くでき、前記吸入弁5
の撓み過ぎによる破損を軽減できるのである。
【0034】特に、第2実施例では、前記傾斜面17の
傾斜角度を前記吸入弁5が通常運転時に撓む最大撓み角
と成し、前記第2傾斜面18の傾斜角度を前記最大撓み
角より大きい傾斜角にしたから、前記シリンダ室13内
での前記ピストン3の復動による吸入行程時で、通常運
転される場合には、前記吸入弁5が撓むときに、前記係
止片51を前記傾斜面17と前記気筒12の頂面との境
界線で線接触させながら支持し、また、吸入ガスと共に
多量の液体が前記シリンダ室13に流入するような場合
で前記吸入弁5が過度に撓むときには、図4の二点鎖線
で示すように、前記係止片51を前記傾斜面17と前記
第2傾斜面18との境界線で線接触させながら支持する
のである。
【0035】従って、通常運転時だけでなく多量の液体
が前記シリンダ室13に流入したときであっても、前記
吸入弁5の係止片51を常に線接触状態で支持しなが
ら、前記吸入弁5を撓ますことができるのであるから、
該吸入弁5が過度に撓んだときでも、この吸入弁5の撓
みによる応力が局部的に一点に集中したりするのをなく
すことができ、その局部的な応力集中による異常摩耗で
前記吸入弁5が破損するのを確実に防止できるのであ
る。
【0036】その上、通常運転時には、前記吸入弁5の
前記係止片51を前記傾斜面17と前記気筒12の頂面
との境界線で支持できるので、前記固定片53の支持位
置から前記係止片51の支持位置までの距離を長くでき
るし、起動時やデフロスト運転時など吸入ガスと共に多
量の液体が前記シリンダ室13内に流入して前記吸入弁
5が過度に撓んでしまう場合には、前記吸入弁5の係止
片51を、通常運転時における支持位置よりも前記シリ
ンダ室13側に位置する前記傾斜面17と第2傾斜面1
8との境界線で支持できることから、各支持位置間の距
離を通常運転時における支持位置間距離よりも短くでき
るので、前記吸入弁5を薄肉に形成することにより、通
常運転時には、支持位置間距離を長くして、前記吸入弁
5の全体的な剛性を低くして、該吸入弁5の撓みを大き
くでき、前記吸入ポート41から吸入される吸入ガスの
前記吸入弁5による吸入抵抗を少なくできるし、前記シ
リンダ室13に多量の液体が流入するときには、前記支
持位置間距離を短くできるので、前記吸入弁5が薄肉で
ありながら前記吸入弁5の全体的な剛性を高められるの
で、該吸入弁5の撓み過ぎによる破損を確実に防止する
ことができるのである。
【0037】また、図5に示す第3実施例のように、前
記気筒12の頂部で、前記吸入弁5の係止片51との対
向位置に、前記気筒12の頂面に平行な面を有する切欠
段部19を形成するようにしてもよい。斯くするとき
は、前記吸入弁5が、吸入行程時に、前記ピストン3の
復動側へ撓んだときに、前記係止片51を前記切欠段部
19に当接させることにより、撓み量を制限することが
できるので、前記吸入弁5が撓み過ぎて破損するのを防
止できるのである。
【0038】また、図6に示す第4実施例のように、前
記吸入弁5を前記弁座4に固定するための固定手段とし
て、前記各実施例では、フッ素系樹脂から成る弾性部材
9のみで固定するようにしたが、図6に示すように、前
記弾性部材9と前記吸入弁5の固定片53との間に、前
記気筒12の頂面と、前記傾斜面17とに沿う薄肉の鋼
板から成る摩耗防止板91を介在させるようにしてもよ
い。斯くするときは、前記吸入弁5が撓んだときに、前
記固定片53が前記摩耗防止板91に接触することにな
るので、前記弾性部材9が前記吸入弁5の撓みにより摩
耗するのを防止することができるのである。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、前記リング形吸入弁5の周方向一側に固定片53
を設けると共に、この固定片53を前記弁座4に固定し
て前記リング形吸入弁5を前記弁座4に片持ち状に支持
したから、吸入行程から圧縮行程に移行するときに、前
記気筒12内の圧力上昇で、前記吸入弁5を押し上げて
前記弁座4に着座させるとき、前記吸入弁5は、前記固
定片53を前記弁座4に固定させているので、横滑りを
起こすことなく着座させられるので、横滑りによる異常
摩耗を防止できるのである。従って、代替フロンにより
潤滑性能が低下しても、前記吸入弁5の前記弁座4への
着座時の横滑りを防止できるので、前記吸入弁5の摩耗
を軽減することができるのである。
【0040】さらに、請求項2記載の発明によれば、前
記吸入弁5の周方向一側に前記固定片53を設け、周方
向他側に、前記気筒12の頂面に接触し、前記固定片5
3を介して片持ち状に支持される前記吸入弁5の自由端
側を支持する係止片51を設けて、前記ピストン3の復
動による吸入行程時、前記係止片51を前記気筒12の
頂部に支持させることにより、前記固定片53による支
持側と、前記係止片51による支持側とを支点に、前記
吸入弁5を湾曲状に撓ませて吸入ポート41を開口させ
られるようにしたから、前記吸入弁5を片持ち状に支持
する構造でありながら、撓みによる集中応力を前記固定
片53と係止片51との両側支持で二分できるので、そ
れだけ前記吸入弁5の剛性を高くでき、剛性を高くでき
る分、前記吸入弁5の厚みを薄くできるので、撓み量を
充分確保でき、吸入抵抗をより小さくできるのである。
【0041】請求項3記載の発明によれば、前記気筒1
2の頂部で、前記シリンダ室13に面する角部に、前記
ピストン3の復動による吸入行程において前記リング形
吸入弁5が撓むとき、この撓みを逃がす前記傾斜面17
を設けたから、前記吸入弁5の固定片53を前記弁座4
に固定しても、前記吸入弁5の撓み量の増大で、前記吸
入弁5の固定片53が前記シリンダ室13に面する角部
に接触することなく充分撓ませられるので、撓み量を充
分確保して吸入抵抗をより小さくできるのである。
【0042】また、前記吸入弁5を前記前記固定片53
と係止片51との2箇所で支持する場合でも、前記吸入
弁5の撓み量の増大で、前記係止片51が前記シリンダ
室13に面する角部に接触することなく充分撓ませられ
るので、撓み量をさらに充分確保でき、吸入抵抗をさら
に小さくすることができるのである。しかも、前記係止
片51を前記傾斜面17と前記気筒12の頂面との境界
線、または、前記傾斜面17上に線接触の状態で支持す
ることもできるので、前記係止片51が前記気筒12の
頂部に点接触の状態で支持されるのを防止でき、その結
果、局部的な一点応力集中を無くして異常摩耗を防止で
き、前記吸入弁5の破損も軽減できるのである。
【0043】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の発明において、前記気筒12の頂面に設ける傾斜面
17のシリンダ室13側に、前記傾斜面17の傾斜角度
より大きい傾斜角度をもつ第2傾斜面18を設けたか
ら、前記吸入弁5の撓み量の少ないときには、前記係止
片51を、前記気筒12の断面と前記傾斜面17との境
界線において支持し、前記吸入弁5の撓み量が増大した
ときには、該吸入弁5を前記傾斜面17と前記第2傾斜
面18との境界線で支持することができるので、それだ
け支持位置の距離を短くできるので、前記吸入弁5の剛
性を高くでき、前記吸入弁5の撓み過ぎによる破損を軽
減できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレシプロ形圧縮機の第1実施例を示す
要部断面図。
【図2】同第1実施例における吸入弁の気筒への配設状
態を示す平面図。
【図3】同第1実施例のレシプロ形圧縮機の一部切欠断
面図。
【図4】第2実施例を示す要部断面図。
【図5】第3実施例を示す要部断面図。
【図6】第4実施例を示す要部断面図。
【図7】従来のレシプロ形圧縮機の吸入構造を示す説明
図。
【図8】従来のレシプロ形圧縮機の吸入弁の気筒への配
設状態を示す平面図。
【符号の説明】
12 気筒 13 シリンダ室 17 傾斜面 18 第2傾斜面 3 ピストン 4 弁座 41 吸入ポート 5 リング形吸入弁 51 係止片 43 固定片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 和利 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 中島 英行 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン(3)を往復可能に内装する気筒
    (12)の頂部に、円環状の吸入ポート(41)をもつ
    弁座(4)を取付け、この弁座(4)と気筒(12)の
    頂部との間に、前記吸入ポート(41)を開閉するリン
    グ形吸入弁(5)を介装したレシプロ形圧縮機におい
    て、前記リング形吸入弁(5)の周方向一側に固定片
    (53)を設けると共に、この固定片(53)を前記弁
    座(4)に固定して前記リング形吸入弁(5)を前記弁
    座(4)に片持ち状に支持したことを特徴とするレシプ
    ロ形圧縮機。
  2. 【請求項2】周方向一側に固定片(53)を備えたリン
    グ形吸入弁(5)の周方向他側に、気筒(12)の頂面
    に接触し、前記固定片(53)を介して片持ち状に支持
    される前記吸入弁(5)の自由端側を支持する係止片
    (51)を設け、ピストン(3)の復動による吸入行程
    時、前記固定片(53)による支持側と、前記係止片
    (51)による支持側とを支点に、前記吸入弁(5)を
    湾曲状に撓ませて吸入ポート(41)を開口させるよう
    にしている請求項1記載のレシプロ形圧縮機。
  3. 【請求項3】気筒(12)の頂部で、シリンダ室(1
    3)に面する角部に、ピストン(3)の復動による吸入
    行程においてリング形吸入弁(5)が撓むとき、この撓
    みを逃がす傾斜面(17)を備えている請求項1または
    請求項2記載のレシプロ形圧縮機。
  4. 【請求項4】気筒(12)の頂面に設ける傾斜面(1
    7)のシリンダ室(13)側に、前記傾斜面(17)の
    傾斜角度より大きい傾斜角度をもつ第2傾斜面(18)
    を設けている請求項3記載のレシプロ形圧縮機。
JP8132294A 1994-04-20 1994-04-20 レシプロ形圧縮機 Withdrawn JPH07293445A (ja)

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