JP2001221161A - 往復式冷媒圧縮機 - Google Patents

往復式冷媒圧縮機

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JP2001221161A
JP2001221161A JP2000033102A JP2000033102A JP2001221161A JP 2001221161 A JP2001221161 A JP 2001221161A JP 2000033102 A JP2000033102 A JP 2000033102A JP 2000033102 A JP2000033102 A JP 2000033102A JP 2001221161 A JP2001221161 A JP 2001221161A
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JP
Japan
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suction
valve
cylinder
suction port
suction valve
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Application number
JP2000033102A
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English (en)
Inventor
Ryosuke Izawa
亮介 井澤
Minoru Kanaizuka
実 金井塚
Katsuhiko Arai
克彦 新井
Katsumi Sakamoto
克己 坂元
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Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸入弁を大きく撓ませて開口面積を増やすこ
とができるとともに、吸入弁の変形・破損を防ぐことが
できる往復式冷媒圧縮機を提供する。 【解決手段】 吸入弁の先端突起部を吸入行程で支持す
るストッパ凹部70をシリンダブロック1のシリンダボ
ア開口縁6aに形成し、そのストッパ凹部70の底面7
0aを傾斜させた。これにより吸入行程で吸入弁がスト
ッパ凹部70に面接触するので、吸入弁を大きく撓ませ
ることができ、吸入弁の突起部に作用する荷重も分散す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用空調装
置の冷媒圧縮機として用いられる往復式冷媒圧縮機に関
し、例えば揺動板式圧縮機や斜板式圧縮機等のようにピ
ストンが往復する形式の往復式冷媒圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】揺動板式圧縮機は、複数のシリンダボア
を有するシリンダブロックと、シリンダボア内を往復運
動する複数のピストンと、シリンダブロックの端面にバ
ルブプレートを介して固定されるシリンダヘッドと、バ
ルブプレートに形成された複数の吸入ポートを開閉する
複数の吸入弁とを備えている。
【0003】シリンダボアの内部には圧縮室が形成さ
れ、圧縮室の容積はピストンの動きにつれて変化する。
【0004】シリンダヘッド内には、エバポレータ側か
ら流入した低圧の冷媒ガスが収容される吸入室が形成さ
れている。
【0005】吸入室は吸入ポートを介して圧縮室に通じ
る。
【0006】吸入行程では圧縮室の容積が増加するにつ
れて吸入弁が圧縮室側へ撓んで吸入ポートが開き、この
吸入ポートを介して吸入室内の冷媒ガスが圧縮室内に吸
入される。
【0007】図12は従来の揺動板式圧縮機のバルブプ
レートの部分拡大平面図である。
【0008】バルブプレート202には吸入ポート21
5が形成されているとともに、吸入ポート215の内側
(バルブプレート202の半径方向内側)に吐出ポート
216が形成されている。また、吸入ポート215及び
吐出ポート216はそれぞれシリンダボアの開口縁20
6aの内側に位置する。吸入弁221には孔263が形
成され、吸入弁221によって吐出ポート216が閉鎖
されないようになっている。
【0009】シリンダボアの開口縁206aであって、
吸入弁221の突起部221dと対向する位置には、ス
トッパ凹部270が形成されている。
【0010】吸入行程でピストンが下死点へ移動するに
したがって圧縮室と吸入室との間に大きな圧力差が生
じ、吸入弁221が圧縮室側へ撓んで吸入ポート215
が開き、この吸入ポート215を介して吸入室内の冷媒
ガスが圧縮室内に吸入される。このとき吸入弁221の
突起部221dはストッパ凹部270に当たり、吸入弁
221の撓み量が制限される。
【0011】この揺動板式圧縮機では、ストッパ凹部2
70の深さ寸法(シリンダブロック端面からストッパ凹
部270の底面までの長さ)を小さくすることによって
吸入脈動の低減を図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ストッパ部
270の深さ寸法を小さくすると、吸入効率が悪くな
り、冷媒圧縮機の性能が低下する。
【0013】冷媒圧縮機の性能を向上させるには、吸入
時の開口面積を拡大する必要があり、そのためには吸入
ポート215の面積を大きくしなければならない。吸入
ポート215の面積を大きくすれば、それに合わせて吸
入弁221を大きくする必要がある。
【0014】図13はシリンダブロックの部分拡大斜視
図、図14は本願発明者が提案したシリンダブロックの
端面と弁シートとを弁シート側から見た部分図、図15
は図14のXV−XV線に沿う断面図であって、同図(a)
は吸入弁が開く前の状態を示す図、同図(b)は吸入弁
が開いた後の状態を示す図である。
【0015】図14に示すように、吸入ポート315及
び吸入弁321は図12の従来例の吸入ポート215及
び吸入弁221に較べてそれぞれ大きい。
【0016】吸入ポート315はシリンダボア306の
開口縁306aに沿って円弧状に膨らんでいる。吸入ポ
ート315と同様に、吸入弁321のポート閉鎖部32
1aが開口縁306aに沿って円弧状に膨らんでいる。
【0017】この揺動板式圧縮機は、吐出ポート316
が吸入ポート315の内側に形成されている点、吸入弁
321に孔363が形成されている点、シリンダブロッ
ク301に吸入弁321の突起部321dと対向するス
トッパ凹部370が形成されている点で、図12の揺動
板式圧縮機と共通する。
【0018】吸入ポート315の面積を大きくすると、
高負荷時に圧縮室360内に流入する冷媒ガスの量が増
える。
【0019】このとき吸入弁321の突起部321dが
ストッパ凹部370に線接触し(図15(b)参照)、
吸入弁321に過大な荷重が作用する。
【0020】その結果、吸入弁321が変形・破損する
ことがある。
【0021】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は、吸入弁を大きく撓ませて開口面
積を増やすことができるとともに、吸入弁の変形・破損
を防ぐことができる往復式冷媒圧縮機を提供することで
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項1の発明の往復式冷媒圧縮機は、複数のシリン
ダボアを有するシリンダブロックと、このシリンダブロ
ックの端面にバルブプレートを介して固定されるシリン
ダヘッドと、このシリンダヘッド内に形成される低圧室
と、前記バルブプレートに設けられ、前記低圧室と前記
シリンダボアとを連通させる複数の吸入ポートと、この
複数の吸入ポートを開閉する複数の吸入弁とを備え、前
記吸入弁の先端突起部を吸入行程で支持するストッパ凹
部が前記シリンダブロックのシリンダボア開口縁に形成
されている往復式冷媒圧縮機において、前記ストッパ凹
部の底面が傾斜していることを特徴とする。
【0023】吸入行程で吸入弁がストッパ凹部に面接触
するので、吸入弁を大きく撓ませることができ、吸入弁
の先端突起部に作用する荷重も分散する。
【0024】請求項2の発明の往復式冷媒圧縮機は、請
求項1の発明の往復式冷媒圧縮機において、前記吸入弁
の吸入ポート遮断部がほぼ円弧状に形成され、前記先端
突起部が前記吸入弁の吸入ポート遮断部の円弧方向中央
部に位置し、前記吸入弁の吸入ポート遮断部の円弧方向
両端部にそれぞれ設けられたサイド側突起部を吸入行程
でそれぞれ支持する複数のサブストッパ凹部が、前記シ
リンダブロックのシリンダボア開口縁に形成されている
ことを特徴とする。
【0025】吸入ポートの面積を大きくしても、吸入行
程で吸入弁に大きなねじり荷重が掛からないとともに、
吸入弁の振動が阻止される。
【0026】請求項3の発明の往復式冷媒圧縮機は、請
求項1又は2の発明の往復式冷媒圧縮機において、前記
ストッパ凹部の底面が前記吸入ポートのほぼ中心に向っ
て傾斜していることを特徴とする。
【0027】吸入弁を大きく撓ませることができ、冷媒
ガスが吸入され易くなる。
【0028】請求項4の発明の往復式冷媒圧縮機は、請
求項2又は3の発明の往復式冷媒圧縮機において、前記
サブストッパ凹部の底面が前記吸入ポートのほぼ中心に
向って傾斜していることを特徴とする。
【0029】吸入弁をより大きく撓ませることができ、
冷媒ガスが更に吸入され易くなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0031】図6はこの発明の第1実施形態に係る揺動
板式圧縮機を示す縦断面図、図1はシリンダブロックの
部分拡大斜視図、図2はバルブプレートと弁シートとの
全体を示す斜視図、図3はバルブプレートの全体を示す
平面図、図4はシリンダブロックの端面と弁シートとを
弁シート側から見た部分図、図5は図4のV−V線に沿う
断面図であって、同図(a)は吸入弁が開く前の状態を
示す図、同図(b)は吸入弁が開いた後の状態を示す図
である。
【0032】この圧縮機のシリンダブロック1の一端面
にはバルブプレート2を介してリヤヘッド(シリンダヘ
ッド)3が、他端面にはフロントヘッド4がそれぞれ固
定されている。
【0033】前記シリンダブロック1には、シャフト5
を中心にして周方向に所定間隔おきに複数のシリンダボ
ア6が配設されている。シリンダボア6内にはピストン
7が摺動可能に収容されている。シリンダボア6の内部
には圧縮室60が形成され、圧縮室60の容積はピスト
ン7の動きにつれて変化する。シリンダボア6の開口縁
(シリンダボア開口縁)6aには、ストッパ凹部70が
形成されている。ストッパ凹部70の底面70aは吸入
ポート15のほぼ中心に向って傾斜している。
【0034】前記フロントヘッド4内にはクランク室8
が形成され、このクランク室8内には、シャフト5の回
転に連動してヒンジボール9を中心に揺動する揺動板1
0が収容されている。
【0035】前記リヤヘッド3内には、吐出室12と、
この吐出室12の周囲に位置する吸入室(低圧室)13
とが形成されている。
【0036】前記バルブプレート2には、シリンダボア
6と吐出室12とを連通させる複数の吐出ポート16
と、シリンダボア6と吸入室13とを連通させる複数の
吸入ポート15とが、周方向に所定間隔おきに設けられ
ている。吐出ポート16は吐出弁17により開閉され、
吐出弁17はバルブプレート2のリヤヘッド側端面に弁
押さえ18とともにリベット19で固定されている。ま
た、吸入ポート15は吸入弁21により開閉され、吸入
弁21はバルブプレート2とシリンダブロック1との間
に配設されている。吐出室12とクランク室8とは通路
79及びオリフィス80を介して連通している。
【0037】吸入弁21、吐出弁17、吸入ポート1
5、吐出ポート16及び圧縮室60の数は、それぞれシ
リンダボア6の数(この実施形態では5)に等しい。
【0038】図3に示すように、吸入ポート15及び吐
出ポート16はそれぞれシリンダボア6の開口縁6aの
内側に位置する。また、吸入ポート15は吐出ポート1
6の外側(バルブプレート2の半径方向外側)に位置す
る。5つの吸入ポート15は開口縁6aに沿って円弧状
に膨らんでおり、これに応じて吸入弁21の吸入ポート
遮断部21aが円弧状に膨らんでおり、従来例の吸入弁
321の吸入ポート遮断部221aよりも大きい。
【0039】図2に示すように、5つの吸入弁21は一
枚の弁シート62に一体に形成されている。各吸入弁2
1には孔63が形成され、吸入弁21によって吐出ポー
ト16が遮断されないようになっている。各吸入弁21
は、1つの突起部(先端突起部)21dと、1つの吸入
ポート遮断部21aと、2つの付根部21b,21cと
を備えている。吸入弁21の吸入ポート遮断部21a
は、吸入ポート15の形状に合わせてほぼ円弧状に形成
されている。吸入ポート遮断部21aの円弧方向中央部
には突起部21dが設けられている。図3及び図4に示
すように突起部21dはシリンダボア6の開口縁6aか
ら半径方向外側へ突出し、突起部21dはストッパ凹部
70とシリンダボア6の中心軸方向に対向している。2
つの付根部21b,21cは吸入ポート遮断部21aを
支持する。
【0040】シリンダブロック1には吸入室13とクラ
ンク室8とを連通する連通路31が設けられ、この連通
路31の途中には圧力調整弁32が設けられ、この圧力
調整弁32により吸入室13内とクランク室8内との間
の圧力調整が行われる。
【0041】また、シャフト5のフロント側端部はフロ
ントヘッド4内のラジアル軸受26によって、シャフト
5のリヤ側端部はラジアル軸受24及びスラスト軸受2
5によって、それぞれ回転可能に支持されている。シャ
フト5には、スラストフランジ40が固定されていると
ともに、ドライブハブ41が軸方向移動可能なヒンジボ
ール9を介して取り付けられている。スラストフランジ
40はスラスト軸受33を介してフロントヘッド4の内
壁に支持されている。スラストフランジ40の一部とド
ライブハブ41の一部とはリンク機構42で連結され、
リンク機構42を通じてシャフト5の回転がスラストフ
ランジ40からドライブハブ41へと伝達される。ドラ
イブハブ41には揺動板10がラジアル軸受27,スラ
スト軸受28を介して相対回転可能に取り付けられてい
る。揺動板10はコネクティングロッド11を介してピ
ストン7に連結されている。
【0042】ヒンジボール9とスラストフランジ40の
ボス部40bとの間には、デストロークスプリングとし
てのコイルスプリング44が介装されており、このコイ
ルスプリング44によりヒンジボール9がシリンダブロ
ック1側へ付勢される。
【0043】また、シャフト5のシリンダブロック1側
には固定ワッシャ45が固定され、この固定ワッシャ4
5とヒンジボール9との間には、ストロークスプリング
としての複数のカーブドスプリング46及びコイルスプ
リング47が一連に介装され、これらのスプリング4
6,47により、ヒンジボール9がスラストフランジ4
0側へ付勢される。
【0044】次に、この揺動板式圧縮機の作動を説明す
る。
【0045】図示しない車載エンジンの回転動力がシャ
フト5に伝達されると、スラストフランジ40及びドラ
イブハブ41はシャフト5とともに回転し、その回転に
ともなって揺動板10がヒンジボール9を中心に揺動
し、この揺動運動はコネクティグロッド11を介してピ
ストン7へ伝わり、ピストン7の直線往復運動に変換さ
れる。ピストン7がシリンダボア6内を往復運動すると
圧縮室60の容積が変化し、この容積変化によって冷媒
ガスの吸入、圧縮及び吐出が順次行なわれ、揺動板10
の傾斜角に応じた容量の高圧冷媒ガスが吐出される。
【0046】熱負荷が小さくなって圧力調整弁32が連
通路31を閉じ、クランク室8の圧力が高くなると、揺
動板10の傾斜角が小さくなり、ピストン7のストロー
ク量が小さくなって吐出容量が減少する。これに対し、
熱負荷が大きくなり圧力調整弁32が連通路31を開
き、クランク室8内の圧力が低くなると、揺動板10の
傾斜角が大きくなり、ピストン7のストローク量が大き
くなって吐出容量が増加する。
【0047】吸入行程ではピストン7が下死点へ移動す
るにしたがって圧縮室60と吸入室13との間に大きな
圧力差が生じ、吸入弁21が圧縮室60側へ撓んで吸入
ポート15が開き、この吸入ポート15を介して吸入室
13内の冷媒ガスが圧縮室60内に吸入される。
【0048】吸入弁21が圧縮室60側へ撓んだとき、
突起部21dはストッパ凹部70に支持される。このと
き突起部21dはストッパ凹部70に面接触するので
(図5(b)参照)、吸入弁21は大きく撓む。したが
って、開口面積が増え、冷媒ガスの吸入量が増加する。
【0049】また、圧縮行程ではピストン7が上死点へ
移動するにしたがって圧縮室60の容積が小さくなり、
圧縮室60内の圧力が上昇する。このとき吸入弁21は
吸入ポート15を塞ぎ、吐出弁17は吐出ポート16を
塞いでいる。吐出行程では圧縮室60の容積が最小にな
り、圧縮室60内の圧力が最大になる。圧縮室60と吐
出室12との間に一定の圧力差が生じると吐出弁17が
吐出室60側へ撓み、吐出ポート17が開放される。こ
のとき吸入弁21は吸入ポート15を塞いでいる。
【0050】この第1実施形態によれば、吸入行程で吸
入弁21がストッパ凹部70に面接触するので、吸入弁
21を大きく撓ませることができ、冷媒ガスが吸入され
易くなり、吸入効率が向上するとともに、吸入弁21の
突起部21dに作用する荷重が分散し、吸入弁21の変
形・破損を防ぐことができる。また、吸入行程で吸入弁
21の突起部21dがストッパ凹部70に衝突したとき
の衝撃が緩和される。
【0051】図7はこの発明の第2実施形態に係る揺動
板式圧縮機のシリンダブロックの部分拡大斜視図、図8
はシリンダブロックの端面と弁シートとを弁シート側か
ら見た部分図、図9はバルブプレートと弁シートとの全
体を示す斜視図、図10は図8のX−X線に沿う断面図で
あって、同図(a)は吸入弁が開く前の状態を示す図、
同図(b)は吸入弁が開いた後の状態を示す図、図11
は図8のXI−XI線に沿う断面図であって、吸入弁が開い
た後の状態を示す図である。この揺動板式圧縮機のシリ
ンダブロック、吸入弁以外の構造は第1実施形態と同じ
であるため、その説明を省略する。
【0052】図8、図9に示すように、この実施形態
は、吸入弁121が突起部(先端突起部)121dの他
に突起部(サイド側突起部)121e,121fを備
え、シリンダブロック101がストッパ凹部170の他
にストッパ凹部(サブストッパ凹部)171,172を
備えている点で、第1実施形態と異なる。
【0053】5つの吸入弁121は一枚の弁シート16
2に一体に形成されている。各吸入弁121には孔16
3が形成され、吸入弁121によって吐出ポート16が
遮断されないようになっている。各吸入弁121は、3
つの突起部121d,121e,121fと、1つの吸
入ポート遮断部121aと、2つの付根部121b,1
21cとを備えている。吸入弁121の吸入ポート遮断
部121aは、吸入ポート15の形状に合わせてほぼ円
弧状に形成されている。吸入ポート遮断部121aの円
弧方向中央部には突起部121dが設けられ、吸入ポー
ト遮断部121aの円弧方向両端部には突起部121
e,121fが設けられている。図8に示すように、各
突起部121d,121e,121fはそれぞれシリン
ダボア106の開口縁106aから半径方向外側へ突出
し、突起部121dはストッパ凹部170とシリンダボ
ア106の中心軸方向に対向し、突起部121e,12
1fはストッパ凹部171,172とシリンダボア10
6の中心軸方向に対向している。ストッパ凹部170,
171,172はシリンダボア106の開口縁106a
に形成されている。また、ストッパ凹部170,17
1,172の底面170a,171a,172aは吸入
ポート15のほぼ中心に向って傾斜している。
【0054】吸入行程で吸入弁121が図10(a)に
示す状態から撓むと、図10(b)及び図11に示すよ
うに突起部121dはストッパ凹部170に支持され、
突起部121e,121fはそれぞれストッパ凹部17
1,172に支持される。突起部121e,121fが
ストッパ凹部171,172に支持されることによっ
て、吸入弁121に大きなねじり荷重が掛からず、吸入
弁121の振動(いわゆるバタツキ)が抑制される。
【0055】この第2実施形態によれば、第1実施形態
と同様の効果を得ることができるとともに、吸入弁12
1の変形・破損をより確実に防ぐことができるととも
に、吸入脈動を抑えることができる。
【0056】なお、ストッパ凹部170とストッパ凹部
171,172との深さを、吸入弁121の撓みに応じ
て互いに異なるものとしてもよい。例えばストッパ凹部
171,172の深さをストッパ凹部170の深さより
大きくした場合、突起部121e,121fの方が突起
部121dよりもリフト規制のタイミングが遅くなるの
で、冷媒が吸入され易い。逆の場合には、突起部121
e,121fの方が突起部121dよりもリフト規制の
タイミングが早くなるので、吸入弁121の振動を確実
に阻止できる。また、同様に、ストッパ凹部170の底
面170aとストッパ凹部171,172の底面171
a,172aとの傾斜(度)についても互いに異なるも
のしてもよい。これによれば同様の作用効果が生じる。
【0057】また、上述の各実施形態では、吸入ポート
15が開口縁6a,106aに沿って大きく膨らみ、そ
れに合わせて吸入弁21,121の吸入ポート遮断部2
1a,121aがほぼ円弧状に形成されている揺動板式
圧縮機に本願発明を適用した場合について述べたが、図
12に示すような吸入ポート15が小さな丸孔であり、
吸入弁121が先細形状になっている揺動板式圧縮機に
本願発明を適用することもできる。この場合にも第1実
施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】なお、上述の各実施形態では往復式冷媒圧
縮機として揺動板式圧縮機を一例として説明したが、こ
の発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、斜
板式圧縮機等その他の往復式冷媒圧縮機にもこの発明を
適用し得る。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明の往
復式冷媒圧縮機によれば、吸入弁を大きく撓ませること
ができ、冷媒ガスが吸入され易くなり、吸入効率が向上
するとともに、吸入弁の変形・破損を防ぐことができ
る。
【0060】請求項2の発明の往復式冷媒圧縮機によれ
ば、請求項1の発明の効果に加え、吸入行程で吸入弁に
大きなねじり荷重が掛からないとともに、吸入弁の振動
が阻止されるので、吸入弁の変形・破損や低圧脈動を防
ぐことができる。
【0061】請求項3の発明の往復式冷媒圧縮機によれ
ば、請求項1又は2の発明の効果に加え、吸入弁を大き
く撓ませることができ、冷媒ガスが吸入され易くなる。
【0062】請求項4の発明の往復式冷媒圧縮機によれ
ば、請求項2又は3の発明の効果に加え、吸入弁をより
大きく撓ませることができ、冷媒ガスが更に吸入され易
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はシリンダブロックの部分拡大斜視図
である。
【図2】図2はバルブプレートと弁シートとの全体を示
す斜視図である。
【図3】図3はバルブプレートの全体を示す平面図であ
る。
【図4】図4はシリンダブロックの端面と弁シートとを
弁シート側から見た部分図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う断面図であって、同
図(a)は吸入弁が開く前の状態を示す図、同図(b)
は吸入弁が開いた後の状態を示す図である。
【図6】図6はこの発明の第1実施形態に係る揺動板式
圧縮機を示す縦断面図である。
【図7】図7はこの発明の第2実施形態に係る揺動板式
圧縮機のシリンダブロックの部分拡大斜視図である。
【図8】図8はシリンダブロックの端面と弁シートとを
弁シート側から見た部分図である。
【図9】図9はバルブプレートと弁シートとの全体を示
す斜視図である。
【図10】図10は図8のX−X線に沿う断面図であっ
て、同図(a)は吸入弁が開く前の状態を示す図、同図
(b)は吸入弁が開いた後の状態を示す図である。
【図11】図11は図8のXI−XI線に沿う断面図であっ
て、吸入弁が開いた後の状態を示す図である。
【図12】図12は従来の揺動板式圧縮機のバルブプレ
ートの部分拡大平面図である。
【図13】図13はシリンダブロックの部分拡大斜視図
である。
【図14】図14は本願発明者が提案したシリンダブロ
ックの端面と弁シートとを弁シート側から見た部分図で
ある。
【図15】図15は図14のXV−XV線に沿う断面図であ
って、同図(a)は吸入弁が開く前の状態を示す図、同
図(b)は吸入弁が開いた後の状態を示す図である。
【符号の説明】
1,101 シリンダブロック 2 バルブプレート 4 リヤヘッド(シリンダヘッド) 6,106 シリンダボア 6a,106 開口縁(シリンダボア開口縁) 13 吸入室(低圧室) 15 吸入ポート 21,121 吸入弁 21a,121a 吸入ポート遮断部 21d,121d 突起部(先端突起部) 21e,21f,121e,121f 突起部(サイド
側突起部) 70,170 ストッパ凹部 71,72,171,172 ストッパ凹部(サブスト
ッパ凹部)
フロントページの続き (72)発明者 新井 克彦 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセル江南工場内 (72)発明者 坂元 克己 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセル江南工場内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AB07 AC03 CA01 CA02 CB02 CB07 CB08 CC02 CC11 CD01 CD02 CD03 CE04 CE05 3H076 AA06 BB02 BB21 CC12 CC20 CC33 CC36 CC41 CC46 CC85 CC92 CC93

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダボアを有するシリンダブ
    ロックと、 このシリンダブロックの端面にバルブプレートを介して
    固定されるシリンダヘッドと、 このシリンダヘッド内に形成される低圧室と、 前記バルブプレートに設けられ、前記低圧室と前記シリ
    ンダボアとを連通させる複数の吸入ポートと、 この複数の吸入ポートを開閉する複数の吸入弁とを備
    え、 前記吸入弁の先端突起部を吸入行程で支持するストッパ
    凹部が前記シリンダブロックのシリンダボア開口縁に形
    成されている往復式冷媒圧縮機において、 前記ストッパ凹部の底面が傾斜していることを特徴とす
    る往復式冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記吸入弁の吸入ポート遮断部がほぼ円
    弧状に形成され、 前記先端突起部が前記吸入弁の吸入ポート遮断部の円弧
    方向中央部に位置し、 前記吸入弁の吸入ポート遮断部の円弧方向両端部にそれ
    ぞれ設けられたサイド側突起部を吸入行程でそれぞれ支
    持する複数のサブストッパ凹部が、前記シリンダブロッ
    クのシリンダボア開口縁に形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の往復式冷媒圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ストッパ凹部の底面が前記吸入ポー
    トのほぼ中心に向って傾斜していることを特徴とする請
    求項1又は2記載の往復式冷媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記サブストッパ凹部の底面が前記吸入
    ポートのほぼ中心に向って傾斜していることを特徴とす
    る請求項2又は3記載の往復式冷媒圧縮機。
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