JP7088727B2 - 反応性含フッ素スルホニルイミドとその重合体並びにそれを含有する帯電防止剤 - Google Patents
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すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
本実施形態の反応性含フッ素スルホニルイミドは、下記の一般式(1)で表される。
R1は、水素原子または炭素数1~10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であることが特に好ましい。
Rf1は、フッ素原子または炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のパーフルオロアルキル基を表す。
Rf2は、炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のパーフルオロアルキレン基を表す。Rf2は、直鎖状パーフルオロアルキレン基であることが好ましく、炭素数3の直鎖状パーフルオロアルキレン基であることが特に好ましい。
本実施形態の反応性含フッ素スルホニルイミド重合体は、上述の反応性含フッ素スルホニルイミドに基づく繰り返し単位を有する。反応性含フッ素スルホニルイミド重合体は、反応性含フッ素スルホニルイミドの単独重合体であってもよいし、反応性含フッ素スルホニルイミド重合体と、反応性含フッ素スルホニルイミド以外の他のモノマーとの共重合体であってもよい。
本実施形態の帯電防止剤は、上述の反応性含フッ素スルホニルイミドあるいは反応性含フッ素スルホニルイミドに基づく繰り返し単位を有する重合体を含む。本実施形態の帯電防止剤は、例えば、電子機器のケースや保護フィルムなどの樹脂成形品の帯電防止剤として有利に用いることができる。帯電防止剤は、樹脂成形品に含有させてもよいし、樹脂成形品の表面に塗布してもよい。
(中間体1iの合成)
温度計と還流管を備えたフラスコに、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン-1,3-ジスルホニルジフロライドを152g(0.48mol)、フッ化カリウムを36g(0.63mol)、脱水アセトニトリルを480gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。次いで、トリフルオロメタンスルホンアミドカリウム84gを数回に分けて添加した後、さらに60℃で2時間加熱して、下記の反応式1iの反応により中間体1iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固して、粗生成物213gを得た。得られた粗生成物にエタノール109gを加えて60℃で加熱溶解した後、不溶物を3μmのメンブレンフィルターで濾別し、濾液をクロロホルム2004gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体1iを得た。得られた中間体1iの量は、192g(収率:89%)であった。
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ45.0(m,1F),-80.2(s,3F),-107.4(m,2F),-113.6(t,2F),-119.0(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体1iを180g(0.37mol)、フッ化カリウムを69g(3.2mol)、脱水テトラヒドロフランを360gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、濃度2mol/Lのメチルアミン・テトラヒドロフラン溶液201g(CH3NH214g、0.45mol)を滴下した後、60℃で2.5時間加熱して、下記の反応式2iの反応により中間体2iを生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル1498gとイオン交換水220gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらに濃度20質量%の水酸化カリウム水溶液100gで3回、濃度20質量%の塩化カリウム水溶液100gで3回洗浄した後、再度、濃縮乾固した。得られた残渣に同質量のアセトニトリルを加えて溶解させ、淡黄色透明で、濃度50質量%の中間体2iのアセトニトリル溶液199g(固形分99g、収率:100%)を得た。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ2.8(s,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-79.1(s,3F),-112.1(t,2F),-112.4(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体2iのアセトニトリル溶液を180g(固形分90g、0.17mol)、2-クロロエタノールを34g(0.42mol)、炭酸カリウムを21g(0.15mol)、脱水アセトニトリルを180gの割合で仕込み、窒素雰囲気下、80℃で43時間加熱して、下記の反応式3iの反応により中間体3iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固して、残渣に酢酸エチル705gと濃度10質量%の塩化カリウム水溶液125gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらにイオン交換水100gで2回洗浄した後、濃縮乾固し、粗生成物を得た。得られた粗生成物にエタノール97gを加えて溶解させ、得られた溶液をクロロホルム1013gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体3iを得た。得られた中間体3iの量は、75g(収率:79%)であった。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ3.8-3.3(m,4H),3.1(s,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-79.2(s,3F),-111.3(m,2F),-112.5(t,2F),-119.1(t,2F)
分液ロートに、中間体3iを20g(38mmol)量り取り、これに濃度40質量%の硫酸水溶液60gと酢酸エチル206gとを加えて混合した後、分液して上相を回収した。回収した上相を、濃度40質量%の硫酸水溶液60gで2回洗浄した。洗浄後、濃度10質量%の水酸化リチウム水溶液30gを加えて混合して、下記の反応式4iの反応により中間体4iを生成させた後、分液して上相を回収した。回収した上相をイオン交換水20gで2回洗浄した後、濃縮し、アセトニトリルを加えて、濃度50質量%の中間体4iのアセトニトリル溶液36g(収率:96%)を得た。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ4.0-3.3(m,4H),3.2(s,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-79.3(s,3F),-111.4(m,2F),-112.6(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体4iのアセトニトリル溶液を10.0g(固形分5.0g、9.9mmol)、ジラウリン酸ジブチルすずを0.09g、脱水アセトニトリルを15gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で50℃に加熱した。そこに、イソシアン酸3-(トリエトキシシリル)プロピル4g(0.017mol)を滴下した後、60℃で1時間加熱して、下記の反応式1の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド1を生成させた。反応終了後、アセトニトリルを留去し、残渣に脱水エタノール3gとトルエン42gとを加えて混合した後、分液して下相を回収した。回収した下相を、さらにトルエン32gで洗浄し、次いで濃縮した後、脱水酢酸エチルを加えて、反応性官能基としてトリエトキシシリル基を有し、カチオン成分としてリチウムを含む反応性含フッ素スルホニルイミド1が50質量%の濃度で溶解している酢酸エチル溶液9.4g(収率:68%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ4.4-3.2(m,4H),3.8(q,6H),3.1(s,3H),3.1(q,2H),1.6(m,2H),1.2(t,9H),0.6(m,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.8(m,2F),-113.4(t,2F),-119.5(q,2F)
(中間体5iの合成)
温度計と還流管を備えたフラスコに、1,1-ジフルオロメタン-1,1-ジスルホニルジフロライドを343g(1.59mol)、フッ化カリウムを115g(1.97mol)、脱水アセトニトリルを1627gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。次いで、ノナフルオロブタンスルホンアミドカリウム509g(1.51mol)を数回に分けて添加した後、さらに60℃で2時間加熱して、下記の反応式5iの反応により中間体5iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固して、粗生成物789gを得た。得られた粗生成物にエタノール397gを加えて60℃で加熱溶解した後、不溶物を3μmのメンブレンフィルターで濾別し、濾液をクロロホルム4032gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体5iを得た。得られた中間体5iの量は、700g(収率:87%)であった。
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ45.0(m.1F),-80.9(t,3F),-101.8(s,2F),-112.6(t,2F),-120.5(m,2F),-125.4(m,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体5iを443g(0.83mol)、フッ化カリウムを147g(2.53mol)、脱水テトラヒドロフランを802gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、プロピルアミン59.1g(1.00mol)を滴下した後、60℃で2.5時間加熱して、下記の反応式6iの反応により中間体6iを生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル2417gとイオン交換水360gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらに濃度20質量%の水酸化カリウム水溶液200gで2回、濃度20質量%の塩化カリウム水溶液220gで2回洗浄した後、再度、濃縮乾固した。得られた残渣に同質量のアセトニトリルを加え溶解させ、淡黄色透明で、濃度50質量%の中間体6iのアセトニトリル溶液982g(固形分491g、収率:97%)を得た。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ3.3(t,2H),1.5(m,2H),0.9(t,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-80.7(t,3F),-106.5(s,2F),-111.4(t,2F),-120.3(m,2F),-125.0(m,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体6iのアセトニトリル溶液を684g(固形分342g、0.56mol)、6-クロロ-1-ヘキサノールを212g(1.55mol)、炭酸カリウムを80g(0.58mol)、脱水アセトニトリルを433gの割合で仕込み、窒素雰囲気下、80℃で48時間加熱して、下記の反応式7iの反応により中間体7iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固した。得られた残渣に酢酸エチル1840gを加えて溶解させ、得られた溶液を濃度10質量%の塩化カリウム水溶液300gで2回洗浄した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらにイオン交換水300gで2回洗浄した後、濃縮乾固し、粗生成物を得た。得られた粗生成物にエタノール203gを加えて溶解させ、得られた容液をクロロホルム2032gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体7iを得た。得られた中間体7iの量は、327g(収率:87%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ3.8-3.3(m,6H),1.8-1.3(m,10H),1.0(t,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.7(t,3F),-107.3(s,2F),-111.5(t,2F),-120.4(m,2F),-125.0(m,2F)
分液ロートに、中間体7iを250g(371mmol)量り取り、これに濃度40質量%の硫酸水溶液504gと酢酸エチル2513gとを加えて混合した後、分液して上相を回収した。回収した上相を、濃度40質量%の硫酸水溶液60gで2回洗浄した。洗浄後、濃度10質量%の水酸化リチウム水溶液30gを加えて混合して、下記の反応式8iの反応により中間体8iを生成させた後、分液して上相を回収した。回収した上相をイオン交換水750gで2回洗浄した後、濃縮し、アセトニトリルを加えて、濃度50質量%の中間体8iのアセトニトリル溶液36g(収率:96%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ4.0-3.3(m,6H),1.8-1.3(m,10H),1.0(t,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.5(t,3F),-107.7(s,2F),-111.9(t,2F),-120.7(m,2F),-125.2(m,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体8iのアセトニトリル溶液を400g(固形分200g、0.31mol)、ジラウリン酸ジブチルすずを0.1g、脱水アセトニトリルを398gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で50℃に加熱した。そこに、イソシアン酸3-(トリエトキシシリル)プロピル100g(0.41mol)を滴下した後、60℃で1時間加熱して、下記の反応式2の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド2を生成させた。反応終了後、アセトニトリルを留去し、残渣に脱水エタノール143gとトルエン1834gとを加えた混合した後、分液して下相を回収した。回収した下相を、さらにトルエン1368gで洗浄し、次いで濃縮した後、脱水酢酸エチルを加えて、反応性官能基としてトリエトキシシリル基を有し、カチオン成分としてリチウムを含む反応性含フッ素スルホニルイミド2が50質量%の濃度で溶解している酢酸エチル溶液432g(収率:78%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ4.3-3.3(m,12H),3.1(q,2H),1.8-1.3(m,12H),1.2(t,9H),1.0(t,3H),0.6(m,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-79.8(t,3F),-106.9(s,2F),-111.0(t,2F),-119.8(m,2F),-124.4(m,2F)
(中間体9iの合成)
温度計と還流管を備えたフラスコに、エチレンジアミンを37g(0.62mol)、脱水アセトニトリルを203gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、合成例1で合成した中間体1iを同量の脱水アセトニトリルに溶解して調製した溶液200g(中間体1iの量:100g、0.21mol)を滴下した後、60℃で2.5時間加熱することにより、スルホンアミドを生成させた。加熱終了後、濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル854gとイオン交換水87gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、濃度20質量%の水酸化カリウム水溶液100gで3回洗浄することにより、スルホンアミドをカリウム塩化して、下記の反応式9iに示すように中間体9iを生成させた。次いで、中間体9iが生成した酢酸エチル相を濃度20質量%の塩化カリウム水溶液100gで2回、濃度40質量%の硫酸水溶液30gで1回洗浄した後、濃縮乾固した。得られた残渣にテトラヒドロフラン300gと炭酸カリウム88gとを加え60℃で2時間撹拌した後、不溶物を吸引濾過により濾別した。濾液を濃度50質量%の中間体9iのテトラヒドロフラン溶液になるまで濃縮し、淡黄色透明の溶液224g(固形分112g、収率:96%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ3.0(m,2H),2.6(t,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.3(t,2F),-113.4(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体9iのテトラヒドロフラン溶液を200g(固形分100g、0.35mol)、塩化リチウム45g(1.07mol)、脱水テトラヒドロフランを203gの割合で仕込み、窒素雰囲気下、60℃で15時間加熱して、下記の反応式10iの反応により中間体10iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮して、中間体10iの濃度が50質量%のテトラヒドロフラン溶液377g(固形分189g、収率:100%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ3.0(m,2H),2.6(t,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.3(s,3F),-111.4(t,2F),-113.6(t,2F),-119.3(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体10iのテトラヒドロフラン溶液を122g(固形分61g、0.119mmol)、脱水テトラヒドロフランを120gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン29g(0.12mol)を滴下した後、60℃で2時間加熱して、下記の反応式3の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド3を生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣に脱水エタノール78gとトルエン1230gとを加えて混合した後、分液して下相を回収した。回収した下相を、さらにトルエン935gで洗浄し、次いで濃縮した後、脱水酢酸エチルを加えて、反応性官能基としてトリメトキシシリル基を有し、カチオン成分としてリチウムを含む反応性含フッ素スルホニルイミド3が50質量%の濃度で溶解している酢酸エチル溶液144g(収率:81%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ4.4-3.2(m,4H),3.9(m,1H),3.6(s,9H),3.6(m,2H),3.6(t,2H),2.7(m,2H),1.7(m,2H),0.6(m,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.3(s,3F),-111.9(t,2F),-113.6(t,2F),-119.6(q,2F)
(中間体11iの合成)
イオン交換水10.5gに、合成例1で合成した中間体3iを10.1g(0.0188mol)加えて、中間体3iを溶解させて、中間体3i水溶液を調製した。分液ロートに、調製した中間体3水溶液を投入し、これに濃度50質量%のN-エチル-N-メチルピロリジニウムブロミド水溶液8.7g(固形分4.4g、0.0244mol)とクロロホルム17.8gとを加えて混合して、下記の反応式11iの反応により中間体10iを生成させた後、分液して下相を回収した。回収した下相をイオン交換水10gで4回洗浄した後、不溶物を吸引濾過により濾別した。ろ液を濃縮して、中間体11iを得た。得られた中間体11iの量は、6.7g(収率:58%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ3.8-3.2(m,4H),3.4(m,4H),3.3(q,2H),3.1(s,3H),2.9(s,3H),2.1(m,4H),1.3(t-t,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.8(m,2F),-113.4(t,2F),-119.5(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体11iを5.1g(9.1mmol)、ジラウリン酸ジブチルすずを0.08g、脱水アセトニトリルを15.1gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で50℃に加熱した。そこに、イソシアン酸3-(トリエトキシシリル)プロピル3.9g(15.8mmol)を滴下した後、60℃で1時間加熱して、下記の反応式4の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド4を生成させた。反応終了後、アセトニトリルを留去し、残渣に脱水エタノール3gとトルエン54gとを加えて混合した後、分液して下相を回収した。回収した下相を、さらにトルエン38gで洗浄し、次いで濃縮して、反応性官能基としてトリエトキシシリル基を有し、カチオン成分としてN-エチル-N-メチルピロリジニウムを含む反応性含フッ素スルホニルイミド4を得た。得られた反応性含フッ素スルホニルイミド4の量は6.2g(収率:84%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ4.4-3.3(m,16H),3.1(s,3H),3.1(q,2H),2.9(s,3H),2.1(m,4H),1.6(m,2H),1.3(t-t,3H),1.2(t,9H)0.6(m,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.9(t,2F),-113.5(t,2F),-119.5(q,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、合成例1で得た濃度50質量%の反応性含フッ素スルホニルイミド1の酢酸エチル溶液40g(固形分20g、27mmol)を投入し、窒素雰囲気下で濃縮した。残渣を1-プロパノール27gに溶解させ、得られた溶液にジエトキシジメチルシラン29g(195mmol)とトリエトキシメチルシラン10g(55mmol)とを加えて混合した。得られた混合液を60℃に昇温した後、その混合液に、濃度0.1mol/Lの塩酸6gを滴下した。その後、さらに60℃で18時間加熱して混合液を反応させた。得られた反応混合液を濃縮し、残渣をn-ヘキサン60gで2回洗浄した後、濃縮して、反応性含フッ素スルホニルイミド1の含有率が34質量%の共重合体1を21g得た。
温度計と還流管を備えたフラスコに、合成例2で得た濃度50質量%の反応性含フッ素スルホニルイミド2の酢酸エチル溶液200g(固形分100g、113mmol)を投入し、窒素雰囲気下で濃縮した。残渣を1-プロパノール136gに溶解させ、得られた溶液にジエトキシジメチルシラン122g(826mmol)とトリエトキシメチルシラン42g(233mmol)とを加えて混合した。得られた混合液を60℃に昇温した後、その混合液に濃度0.1mol/Lの塩酸30gを滴下した。その後、さらに60℃で15時間加熱して混合液を反応させた。得られた反応混合液を濃縮し、残渣をn-ヘキサン273gで2回洗浄した後、濃縮して、反応性含フッ素スルホニルイミド2の含有率が38質量%の共重合体2を95g得た。
温度計と還流管を備えたフラスコに、合成例3で得た濃度50質量%の反応性含フッ素スルホニルイミド3の酢酸エチル溶液100g(固形分50g、65mmol)を投入し、窒素雰囲気下で濃縮した。残渣を1-プロパノール68gに溶解させ、得られた溶液にジメチルジメトキシシラン58g(479mmol)とメチルトリメトキシシラン18g(135mmol)とを混合した。得られた混合液を40℃に昇温した後、その混合液に濃度0.1mol/Lの塩酸15gを滴下した。その後、さらに40℃で15時間加熱して混合液を反応させた。得られた反応混合液を濃縮し、残渣をn-ヘキサン136gで2回洗浄した後、濃縮して、反応性含フッ素スルホニルイミド3の含有率が40質量%の共重合3を57g得た。
温度計と還流管を備えたフラスコに、合成例4で得た反応性含フッ素スルホニルイミド4を5g(6mmol)投入し、窒素雰囲気下、1-プロパノール7gを加えて、反応性含フッ素スルホニルイミド4を溶解させた。次いで、得られた溶液に、ジエトキシジメチルシラン7g(45mmol)とトリエトキシメチルシラン2g(13mmol)とを加えて混合した。得られた混合液を60℃に昇温した後、その混合液に濃度0.1moml/Lの塩酸2gを滴下した、その後、さらに60℃で18時間加熱して混合液を反応させた。得られた反応混合液を濃縮し、残渣をn-ヘキサン15gで2回洗浄後、濃縮し、反応性含フッ素スルホニルイミド4の含有率が36質量%の共重合体4を5g得た。
合成例5で合成した共重合体1を0.003g、シリコーン樹脂(KE-4897-T、信越化学工業株式会社製)を1gの配合量で、酢酸エチル99gに添加して溶解した。得られた溶液を、PETフィルム(ルミラー 100T60、パナック株式会社製)の表面に、バーコーター(No.16)を用いて塗布した。得られた塗布膜付のPETフィルムを、60℃の環境下で一晩静置して、塗布膜を硬化させて、共重合体1の含有率が0.3質量%(反応性含フッ素スルホニルイミド1の含有率が0.1質量%)のシリコーン樹脂組成物膜を得た。得られたシリコーン樹脂組成物膜の表面抵抗率を、ハイレスター(株式会社三菱ケミカルアナリテック社製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
共重合体1の添加量を0.029gとしたこと以外は本発明例1と同様にして、共重合体1の含有率が3質量%(反応性含フッ素スルホニルイミド1の含有率が1質量%)のシリコーン樹脂組成物膜を作製し、得られたシリコーン樹脂組成物膜の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
共重合体1の添加量を0.147gとしたこと以外は本発明例1と同様にして、共重合体1の含有率が15質量%(反応性含フッ素スルホニルイミド1の含有率が5質量%)のシリコーン樹脂組成物膜を作製し、得られたシリコーン樹脂組成物膜の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
共重合体1の代わりに、共重合体2~4を、下記の表1に示す配合量で加えたこと以外は本発明例1と同様にして、シリコーン樹脂組成物膜を作製し、得られたシリコーン樹脂組成物膜の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
共重合体1を添加しなかったこと以外は本発明例1と同様にして、シリコーン樹脂膜を作製し、得られたシリコーン樹脂膜の表面抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。
Claims (7)
- 下記の一般式(1)で表される反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 前記Rf2が、炭素数3の直鎖状パーフルオロアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 前記A+が、アルカリ金属イオンであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミドを含む帯電防止剤。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミドに基づく繰り返し単位を有することを特徴とする重合体。
- 請求項6に記載の重合体を含む帯電防止剤。
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