JP7074515B2 - 反応性含フッ素スルホニルイミドとその共重合体、並びにそれらを含有する溶液 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[5]前記R2が、炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であることを特徴とする[1]~[4]のいずれか1つに記載の反応性含フッ素スルホニルイミド。
[8]さらに、前記反応性含フッ素スルホニルイミド以外の(メタ)アクリレートを含み、前記(メタ)アクリレート100質量部に対する前記反応性含フッ素スルホニルイミドの量が0.1質量部以上10質量部以下の範囲内にあることを特徴とする前記[6]に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド溶液。
[8]さらに、重合開始剤を含むことを特徴とする前記[6]または[7]に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド溶液。
本実施形態の反応性含フッ素スルホニルイミドは、下記の一般式(1)で表される。
R2は、水素原子、炭素数1~10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、アルカリ金属イオンまたはオニウムカチオンを表す。アルカリ金属イオンの例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムを挙げることができる。オニウムカチオンは、例えば、窒素、硫黄、酸素、リン、セレン、錫、ヨウ素、アンチモン等の孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの有機基を有するカチオンであれば、特に制限されるものではない。オニウムカチオンとしては、アンモニウムカチオン類、ピロリジニウムカチオン類、イミダゾリウムカチオン類、ピリジニウムカチオン類、スルホニウムカチオン類、ホスホニウムカチオン類を用いることができる。アンモニウムカチオン類の例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオン、ヘキサメトニウムカチオン等を挙げることができる。ピロリジニウムカチオン類の例としては、N,N-ジメチルピロリジニウムカチオン、N,N-ジエチルピロリジニウムカチオン、N,N-ジプロピルピロリジニウムカチオン、N-エチル-N-メチルピロリジニウムカチオン、N-メチル-N-プロピルピロリジニウムカチオン、N-ブチル-N-メチルピロリジニウムカチオン、N-ヘキシル-N-メチルピロリジニウムカチオン等を挙げることができる。イミダゾリウムカチオン類の例としては、1,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-イソプロピル-3-プロピルイミダゾリウムカチオン、1-tert-ブチル-3-イソプロピルイミダゾリウムカチオン等を挙げることができる。ピリジニウムカチオン類の例としては、N-エチルピリジニウムカチオン、N-ブチルピリジニウムカチオン等を挙げることができる。スルホニウムカチオン類の例としては、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジメチルプロピルスルホニウムカチオン、ヘキシルジメチルスルホニウムカチオン等を挙げることができる。ホスホニウムカチオン類の例としては、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、エチルトリメチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオン、トリメチルオクチルホスホニウムカチオン等を挙げることができる。
R2は、水素原子または炭素数1~10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であることが特に好ましい。
Rf2は、炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のパーフルオロアルキレン基を表す。Rf2は、直鎖状パーフルオロアルキレン基であることが好ましく、炭素数3の直鎖状パーフルオロアルキレン基であることが特に好ましい。
下記の反応式4ieに示すように、上記中間体3ieと硫酸とを反応させイミドカリウムをイミド酸にした後、水酸化リチウムと反応させて、中間体4ieを得る。この反応は、例えば、中間体3ieの酢酸エチル溶液を硫酸水溶液で洗浄後、水酸化リチウムを加えることによって行うことができる。
本実施形態の反応性含フッ素スルホニルイミド含有共重合体は、上述の反応性含フッ素スルホニルイミドに基づく繰り返し単位と、この反応性含フッ素スルホニルイミド以外の他のモノマーに基づく繰り返し単位とを含む。
本実施形態の反応性含フッ素スルホニルイミド溶液は、溶媒と、上述の反応性含フッ素スルホニルイミドとを含む。反応性含フッ素スルホニルイミド溶液は、さらに反応性含フッ素スルホニルイミド以外の他のモノマーを含んでいてもよい。またさらに、重合開始剤を含んでいてもよい。
また、反応性含フッ素スルホニルイミドと他のモノマーの配合割合は、上述の反応性含フッ素スルホニルイミド含有共重合体の場合と同じである。
重合開始剤の配合割合は、他のモノマー100質量部に対する重合開始剤の量が、一般に1質量部以上10質量部以下の範囲内となる割合である。
本実施形態の反応性含フッ素スルホニルイミド含有共重合体溶液は、溶媒と、上述の反応性含フッ素スルホニルイミド含有共重合体とを含む。
(中間体1iの合成)
温度計と還流管を備えたフラスコに、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン-1,3-ジスルホニルジフロライドを152g(0.48mol)、フッ化カリウムを36g(0.63mol)、脱水アセトニトリルを480gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。次いで、トリフルオロメタンスルホンアミドカリウム84gを数回に分けて添加した後、さらに60℃で2時間加熱して、下記の反応式1iの反応により中間体1iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固して、粗生成物213gを得た。得られた粗生成物にエタノール109gを加えて60℃に加熱溶解した後、不溶物を3μmのメンブレンフィルターで濾別し、濾液をクロロホルム2004gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体1iを得た。得られた中間体1iの量は、192g(収率:89%)であった。
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ45.0(m,1F),-80.2(s,3F),-107.4(m,2F),-113.6(t,2F),-119.0(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体1iを180g(0.37mol)、フッ化カリウムを69g(3.2mol)、脱水テトラヒドロフランを360gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、濃度2mol/Lのメチルアミン・テトラヒドロフラン溶液201g(CH3NH214g、0.45mol)を滴下した後、60℃で2.5時間加熱して、下記の反応式2iの反応により中間体2iを生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル1498gとイオン交換水220gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらに濃度20質量%の水酸化カリウム水溶液100gで3回、濃度20質量%の塩化カリウム水溶液100gで3回洗浄した後、再度濃縮乾固した。得られた残渣に同質量のアセトニトリルを加えて溶解させ、淡黄色透明で、濃度50質量%の中間体2iのアセトニトリル溶液199g(固形分99g、収率:100%)を得た。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ2.8(s,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-79.1(s,3F),-112.1(t,2F),-112.4(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体2iのアセトニトリル溶液を180g(固形分90g、0.17mol)、2-クロロエタノールを34g(0.42mol)、炭酸カリウムを21g(0.15mol)、脱水アセトニトリルを180gの割合で仕込み、窒素雰囲気下、80℃で43時間加熱して、下記の反応式3iの反応により中間体3iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固して、残渣に酢酸エチル705gと濃度10質量%のKCl水溶液125gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらにイオン交換水100gで2回洗浄した後、濃縮乾固し、粗生成物を得た。得られた粗生成物にエタノール97gを加えて溶解させ、得られた溶液をクロロホルム1013gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体3iを得た。得られた中間体3iの量は、75g(収率:79%)であった。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ3.8-3.3(m,4H),3.1(s,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-79.2(s,3F),-111.3(m,2F),-112.5(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体3iを110g(0.20mol)、ジブチルヒドロキシトルエンを1g、ジラウリン酸ジブチルすずを2g、脱水アセトニトリルを331gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、2-イソシアナトエチルアクリレート49g(0.35mol)を滴下した後、60℃で30分加熱して、下記の反応式1の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド1を生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣にエタノール119gとクロロホルム681gとを加えて混合した後、分液して下相を回収した。回収した下相に、さらにエタノール40gとクロロホルム768gを加えて混合した後、分液して再度下相を回収した。そして、同様に回収した下相に、さらにジブチルヒドロキシトルエン0.01gを加えた後、濃縮乾固して、反応性含フッ素スルホニルイミド1を得た。得られた反応性含フッ素スルホニルイミド1の量は、101g(収率:73%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ6.4(w-w,1H),6.2(q,1H),5.9(w-w,1H),4.2-3.8(m,4H),4.2(t,2H),3.4(q,2H),3.1(s,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.8(m,2F),-113.4(t,2F),-119.4(q,2F)
(中間体4iの合成)
分液ロートに、本発明例1で合成した中間体3iを20g(38mmol)量り取り、これに濃度40質量%の硫酸水溶液60gと酢酸エチル206gとを加えて混合した後、分液して上相を回収した。回収した上相を、濃度40質量%の硫酸水溶液60gで2回洗浄した。洗浄後、濃度10質量%の水酸化リチウム水溶液30gを加えて混合して、下記の反応式4iの反応により中間体4iを生成させた後、分液して上相を回収した。回収した上相をイオン交換水20gで2回洗浄した後、濃縮し、アセトニトリルを加えて、濃度50質量%の中間体4iのアセトニトリル溶液36g(収率:96%)を得た。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ4.0-3.3(m,4H),3.2(s,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-79.3(s,3F),-111.4(m,2F),-112.6(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計、還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体4iのアセトニトリル溶液を10.0g(固形分5.0g,9.9mmol)、ジブチルヒドロキシトルエンを0.05g、ジラウリン酸ジブチルすずを0.11g、脱水アセトニトリルを9.4gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、2-イソシアナトエチルアクリレート2.4g(17.1mmol)を滴下した後、60℃で30分加熱して、下記の反応式2の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド2を生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、乾固物にイオン交換水10.3gを加え溶解させた。得られた溶液をクロロホルム37gで2回洗浄した後、分液して上相を回収した。回収した上相にジブチルヒドロキシトルエン0.0005gを加えた後、濃縮した。濃縮後、酢酸エチルを加え、反応性含フッ素スルホニルイミド2の濃度が50質量%の酢酸エチル溶液を10.9g(収率:85%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ6.4(w-w,1H),6.2(q,1H),5.9(w-w,1H),4.4-3.3(m,4H),4.2(t,2H),3.4(q,2H),3.1(s,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.8(m,2F),-113.4(t,2F),-119.4(q,2F)
分液ロートに、合成例1で合成した反応性含フッ素スルホニルイミド1を5.4g(7.9mmol)量り取り、これに濃度50質量%のN-エチル-N-メチルピロリジニウムブロミド水溶液4.7g(固形分2.4g,12.1mmol)と、イオン交換水20gと、クロロホルム13gとを加えて混合して、下記の反応式3の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド3を生成させた後、分液して下相を回収した。回収した下相を、イオン交換水10gで3回洗浄した後、ジブチルヒドロキシトルエン0.003gを加え、濃縮、乾燥して、反応性含フッ素スルホニルイミド3を得た。得られた反応性含フッ素スルホニルイミド3の量は、35.4g(収率:90%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ6.4(w-w,1H),6.2(q,1H),5.9(w-w,1H),4.4-3.3(m,14H),3.1(s,3H),2.9(s,3H),2.1(m,4H),1.3(t-t,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(s,3F),-111.8(m,2F),-113.4(t,2F),-119.5(q,2F)
(中間体5iの合成)
温度計と還流管を備えたフラスコに、1,1-ジフルオロメタン-1,1-ジスルホニルジフロライドを343g(1.59mol)、フッ化カリウムを115g(1.97mol)、脱水アセトニトリルを1627gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。次いで、ノナフルオロブタンスルホンアミドカリウム509g(1.51mol)を数回に分けて添加した後、さらに60℃で2時間加熱して、下記の反応式5iの反応により中間体5iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固して、粗生成物789gを得た。得られた粗生成物にエタノール397gを加えて60℃で加熱溶解した後、不溶物を3μmのメンブレンフィルターで濾別し、濾液をクロロホルム4032gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体5iを得た。得られた中間体5iの量は、700g(収率:87%)であった。
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ45.0(m.1F),-80.9(t,3F),-101.8(s,2F),-112.6(t,2F),-120.5(m,2F),-125.4(m,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体5iを443g(0.83mol)、フッ化カリウムを147g(2.53mol)、脱水テトラヒドロフランを802gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、プロピルアミン59.1g(1.00mol)を滴下した後、60℃で2.5時間加熱して、下記の反応式6iの反応により中間体6iを生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル2417g、イオン交換水360gを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらに濃度20質量%の水酸化カリウム水溶液200gで2回、濃度20質量%の塩化カリウム水溶液220gで2回洗浄した後、再度、濃縮乾固した。得られた残渣に同質量のアセトニトリルを加え溶解させ、淡黄色透明で、濃度50質量%の中間体6iのアセトニトリル溶液982g(固形分491g、収率:97%)を得た。
1H-NMR(400MHz,D2O):δ3.3(t,2H),1.5(m,2H),0.9(t,3H)
19F-NMR(376MHz,D2O):δ-80.7(t,3F),-106.5(s,2F),-111.4(t,2F),-120.3(m,2F),-125.0(m,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体6iのアセトニトリル溶液を684g(固形分342g、0.56mol)、6-クロロ-1-ヘキサノールを212g(1.55mol)、炭酸カリウムを80g(0.58mol)、脱水アセトニトリルを433gの割合で仕込み、窒素雰囲気下、80℃で48時間加熱して、下記の反応式7iの反応により中間体7iを生成させた。反応終了後、不溶物を吸引濾過により濾別し、濾液を濃縮乾固した。得られた残渣に酢酸エチル1840gを加えて溶解させ、得られた溶液を濃度10質量%のKCl水溶液300gで2回洗浄した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらにイオン交換水300gで2回洗浄した後、濃縮乾固し、粗生成物を得た。得られた粗生成物にエタノール203gを加えて溶解させ、得られた溶液をクロロホルム2032gに加え、生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の中間体7iを得た。得られた中間体7iの量は、327g(収率:87%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ3.8-3.3(m,6H),1.8-1.3(m,10H),1.0(t,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.7(t,3F),-107.3(s,2F),-111.5(t,2F),-120.4(m,2F),-125.0(m,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、中間体7iを13g(0.019mol)、ジブチルヒドロキシトルエンを0.02g、濃度12質量%のカリウムtert-ブトキシド(t-BuOK)・テトラヒドロフラン溶液を18g(カリウムtert-ブトキシド2.16g,0.019mol)、メタクリル酸グリシジル3g(0.020mol)、脱水テトラヒドロフランを30gの割合で仕込み、窒素雰囲気下、66℃で15時間加熱して、下記の反応式4の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド4を生成させた。反応終了後、イオン交換水20gを加え、次いで塩酸を中性になるまで加えた後、濃縮乾固した。得られた残渣にエタノール20gに溶解させた後、不溶物を吸引濾過により濾別した。濾液にクロロホルム203gを加えて混合した後、分液して下相を回収した。回収した下相を濃縮乾固し、晶析した生成物を濾過により回収し、乾燥して、白色固体の反応性含フッ素スルホニルイミド4を得た。得られた反応性含フッ素スルホニルイミド4の量は、11g(収率:72%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ6.1(t,1H),5.7(t,1H)4.3-4.2(m,5H),4.1-3.7(m,6H),2.0(t,3H)1.8-1.3(m,10H),1.0(t,3H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-79.8(t,3F),-106.9(s,2F),-111.0(t,2F),-119.8(m,2F),-124.4(m,2F)
(中間体8iの合成)
温度計と還流管を備えたフラスコに、エチレンジアミンを37g(0.62mol)、脱水アセトニトリルを203gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、合成例1で合成した中間体1iを同量の脱水アセトニトリルに溶解して調製した溶液200g(中間体1iの量:100g、0.21mol)を滴下した後、60℃で2.5時間加熱して、下記の反応式8iの反応により中間体8iを生成させた。反応終了後、濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル854gとイオン交換水87gとを加えて混合した後、分液して酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を、さらに濃度20質量%の水酸化カリウム水溶液100gで3回、濃度20質量%の塩化カリウム水溶液100gで2回、濃度40質量%の硫酸水溶液30gで1回洗浄した後、濃縮乾固した。得られた残渣にテトラヒドロフラン300gと炭酸カリウム88gとを加え60℃で2時間撹拌した後、不溶物を吸引濾過により濾別した。濾液を濃度50質量%の中間体8iのテトラヒドロフラン溶液になるまで濃縮し、淡黄色透明の溶液224g(固形分112g、収率:96%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ3.0(t,2H),2.6(t,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.2(t,3F),-111.3(t,2F),-113.4(t,2F),-119.1(t,2F)
温度計と還流管を備えたフラスコに、濃度50質量%の中間体8iのテトラヒドロフラン溶液を100g(固形分50g,0.081mol)、炭酸カリウムを34g(0.245mol)、ジブチルヒドロキシトルエンを0.05g、脱水テトラヒドロフランを102gの割合で仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。そこに、塩化アクリロイル8g(0.089mol)を滴下した後、60℃で2時間加熱して、下記の反応式5の反応により反応性含フッ素スルホニルイミド5を生成させた。反応終了後、反応液を濃縮乾固し、残渣をエタノール62gに溶解し、クロロホルム622gに加え生成物を晶析させた。晶析した生成物を吸引濾過により回収し、乾燥して、白色固体の反応性含フッ素スルホニルイミド5を得た。得られた反応性含フッ素スルホニルイミド5の量は、38g(収率:75%)であった。
1H-NMR(400MHz,CD3CN):δ6.4(w-w,1H),6.2(q,1H),5.9(w-w,1H),3.6(t,2H),3.1(t,2H)
19F-NMR(376MHz,CD3CN):δ-80.7(t,3F),-111.8(t,2F),-114.0(t,2F),-119.3(t,2F)
始めに、撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた反応装置を用意し、反応装置に窒素ガスを封入した。次に、この反応装置に、2-エチルヘキシルアクリレートを10g、2-ヒドロキシエチルアクリレートを0.2g、帯電防止剤として合成例1で合成した反応性含フッ素スルホニルイミド1を0.01g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.02g、酢酸エチルを15gの割合で仕込み、撹拌しながら、65℃で7時間反応させることで、固形分濃度40%のアクリル系共重合体を得た。
調製した粘着剤組成物を、ポリエステルフィルムに塗工し、90℃で3分間乾燥させて、厚さ25μmの粘着剤層が形成された積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの粘着剤層の表面抵抗を表面抵抗測定機(株式会社三菱ケミカルアナリテック社製、MCP-HT450)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
反応性含フッ素スルホニルイミド1の添加量を0.10gとしたこと以外は、本発明例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、その粘着剤組成物を評価した。その結果を、表1に示す。
反応性含フッ素スルホニルイミド1の添加量を1.00gとしたこと以外は、本発明例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、その粘着剤組成物を評価した。その結果を、表1に示す。
反応性含フッ素スルホニルイミド1の代わりに、上記合成例2~5で合成した反応性含フッ素スルホニルイミド2~5を、下記の表1に示す添加量で添加したこと以外は、本発明例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、その粘着剤組成物を評価した。その結果を、表1に示す。
反応性含フッ素スルホニルイミド1の代わりに、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを下記の表1に示す添加量で添加したこと以外は、本発明例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、その粘着剤組成物を評価した。その結果を、表1に示す。
反応性含フッ素スルホニルイミド1を添加しなかったこと以外は、本発明例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、その粘着剤組成物を評価した。その結果を、表1に示す。
以上の結果から、本発明によれば、高温高湿環境下で保存してもブリードアウトが起こりにくい帯電防止剤として利用可能な化合物を提供することが可能となることが確認された。
Claims (10)
- 下記の一般式(1)で表される反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 前記Rf2が、炭素数3の直鎖状パーフルオロアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 前記A+が、アルカリ金属イオンであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 前記R2が、炭素数1~4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミドに基づく繰り返し単位と、前記反応性含フッ素スルホニルイミド以外のモノマーに基づく繰り返し単位とからなり、前記反応性含フッ素スルホニルイミド以外のモノマーが(メタ)アクリレートであって、前記反応性含フッ素スルホニルイミド以外のモノマー100質量部に対する前記反応性含フッ素スルホニルイミドの量が0.1質量部以上10質量部以下の範囲内にあることを特徴とする共重合体。
- 溶媒と、請求項1~5のいずれか1項に記載の反応性含フッ素スルホニルイミドとを含むことを特徴とする反応性含フッ素スルホニルイミド溶液。
- さらに、前記反応性含フッ素スルホニルイミド以外の(メタ)アクリレートを含み、前記(メタ)アクリレート100質量部に対する前記反応性含フッ素スルホニルイミドの量が0.1質量部以上10質量部以下の範囲内にあることを特徴とする請求項7に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド溶液。
- さらに、重合開始剤を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の反応性含フッ素スルホニルイミド溶液。
- 溶媒と、請求項6に記載の共重合体とを含むことを特徴とする共重合体溶液。
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