JP7087699B2 - 窓開閉位置検出装置、窓開閉位置検出方法 - Google Patents

窓開閉位置検出装置、窓開閉位置検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両に搭載されて、電動モーターで開閉される窓の開閉位置を検出する技術に関する。
電動モーターを用いて窓を開閉する車両(いわゆるパワーウィンドウ車)は、今日では広く普及している。このパワーウィンドウ車では、窓が全閉状態あるいは全開状態になると電動モーターの負荷が増加するので、負荷を監視することによって、窓が全閉状態あるいは全開状態となったことを検知することができる。そして、このことを利用して、窓が全閉状態となっていないのに車両のイグニッションスイッチがOFFにされた場合には、窓を閉め忘れたものと判断して、車両の乗員にその旨を報知することができる。
もっとも、電動モーターの負荷に基づいて窓が全閉状態となったことを検出する方法では、換気のために車両の乗員が窓を少し開けておいた場合にも、窓を閉め忘れたものと誤検知されてしまう。そこで、窓の開閉位置をセンサーで検出して、隙間が小さい場合は閉め忘れと判断しないようにした技術も提案されている(特許文献1)。
特開2009-083662号公報
しかし、提案されている従来の技術では、窓の開閉位置を検出するセンサーが必要となるので、構造が複雑になるという問題があった。
この発明は、従来の技術が上述した課題を有することに鑑みて成されたものであり、簡単な構造でありながら、窓の開閉位置を精度良く検出することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために本発明の窓開閉位置検出装置および窓開閉位置検出方法では、電動モーターが窓を駆動している間は、窓が所定の移動速度で移動しているものとして、窓の開閉位置を算出する。また、窓が全閉状態になったことを検知したら、算出していた窓の開閉位置を、全閉位置に初期化すると共に、全閉位置が検知された時点で算出されていた開閉位置に基づいて移動速度を修正する。あるいは、窓が全開状態になったことを検知した場合には、算出していた窓の開閉位置を、全開位置に初期化すると共に、全開位置が検知された時点で算出されていた開閉位置に基づいて移動速度を修正する。
窓が所定の移動速度で移動しているものと仮定した場合、仮定した移動速度と実際の移動速度とには違いが生じるから、算出した窓の開閉位置には誤差が生じる。そして、この誤差は、窓が移動を繰り返すに従って蓄積されていくため、窓の開閉位置を精度良く算出することは困難となる。これに対して、本発明の窓開閉位置検出装置および窓開閉位置検出方法では、窓が全閉状態になったことを検知する度に、算出した窓の開閉位置を全閉位置に初期化し、窓が全開状態になったことを検知する度に、算出した窓の開閉位置を全開位置に初期化する。このため、誤差が蓄積されることがないので、窓の開閉位置を十分な精度で算出することが可能となる。加えて、全閉位置あるいは全開位置が検知された時点で算出されていた開閉位置に基づいて移動速度を修正するので、より一層高い精度で窓の開閉位置を算出することが可能となる。
本実施例の窓開閉位置検出装置100を搭載した車両1の大まかな内部構造を示した説明図である。 本実施例の窓開閉位置検出装置100が組み込まれた窓開閉制御装置50の大まかな内部構造を示した説明図である。 本実施例の窓開閉位置検出装置100が実行する窓開閉位置検出処理のフローチャートである。 窓開閉位置検出処理の中で実行される全閉全開時処理のフローチャートである。 本実施例の窓開閉位置検出装置100では、簡単な構造でありながら窓の開閉位置を精度良く検出可能な理由を示した説明図である。 変形例の窓開閉位置検出装置150が組み込まれた窓開閉制御装置50の大まかな内部構造を示した説明図である。 変形例の窓開閉位置検出装置150が実施する移動速度修正処理の前半部分のフローチャートである。 変形例の窓開閉位置検出装置150が実施する移動速度修正処理の後半部分のフローチャートである。 変形例の窓開閉位置検出装置150が全開所要時間を計測する様子を例示した説明図である。 変形例の窓開閉位置検出装置150が全閉所要時間を計測する様子を例示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1(a)には、本実施例の窓開閉位置検出装置100を搭載した車両1の大まかな内部構造が示されている。車両1は、窓ガラス10を電動で上下動させることが可能な、いわゆるパワーウィンドウ装着車である。パワーウィンドウ装着車の扉2の内部には、窓ガラス10を上下動させるための電動モーター20と、窓ガラス10の下端部分を保持する保持部21と、保持部21が上下動する動きをガイドするガイドレール22とが内蔵されている。ガイドレール22の上端および下端にはそれぞれプーリーが取り付けられ、電動モーター20の回転軸にもプーリーが取り付けられていると共に、これら3つのプーリーには駆動ベルト23が張設されている。そして、この駆動ベルト23に保持部21が取り付けられている。このため、電動モーター20を回転させると、駆動ベルト23に取り付けられた保持部21がガイドレール22に沿って上下動し、それに伴って窓ガラス10も上下動するようになっている。
また、車両1には、電動モーター20の動作を制御するための窓開閉制御装置50が搭載されており、この窓開閉制御装置50の中に、本実施例の窓開閉位置検出装置100が組み込まれている。
図1(b)には、窓ガラス10を全閉状態とした場合が示されている。窓ガラス10を全閉状態にすると、窓ガラス10の上端が車両1側のシール部材(図示は省略)に当接して、それ以上には上昇しなくなる。このため、窓ガラス10が全閉状態になると、電動モーター20の負荷が増加する。従って、電動モーター20の負荷が所定値以上になったことを検出することによって、窓ガラス10が全閉状態になったことを検知することができる。
図1(c)には、窓ガラス10を全開状態とした場合が示されている。窓ガラス10を全開状態にすると、窓ガラス10の下端に取り付けられた保持部21が、ガイドレール22のストッパー(図示は省略)に当接して、それ以上には下降しなくなる。このため、窓ガラス10が全開状態になった場合にも電動モーター20の負荷が増加する。従って、電動モーター20の負荷が所定値以上になったことを検出することによって、窓ガラス10が全開状態になったことも検知することができる。
図2には、電動モーター20の動作を制御する窓開閉制御装置50の内部構造が示されている。図中に破線で示したように、本実施例の窓開閉位置検出装置100は、この窓開閉制御装置50の一部として組み込まれている。
図示されるように、窓開閉制御装置50には、電動モーター駆動部51や、モーター電流検出部52や、本実施例の窓開閉位置検出装置100が内蔵されている。また、本実施例の窓開閉位置検出装置100には、駆動負荷検出部101や、駆動方向検出部102や、全閉位置検知部103や、全開位置検知部104や、開閉位置算出部105や、移動速度修正部106や、オフ状態検知部107や、報知部108などが内蔵されている。
尚、これらの「部」は、電動モーター20を制御したり、窓ガラス10の開閉位置を検出したりするために窓開閉制御装置50が備える機能に着目して、窓開閉制御装置50の内部を便宜的に区分した抽象的な概念であり、窓開閉制御装置50の内部がこれらの「部」に物理的に区分されることを示すわけではない。従って、これらの「部」は、コンピューター上で動作するプログラムによってソフトウェア的に実現することもできるし、ICやLSIなどを含む電子回路によってハードウェア的に実現することもでき、更には、これらを組み合わせることによって実現することもできる。
電動モーター駆動部51は、パワーウィンドウの操作スイッチ25に接続されており、車両1の乗員が操作スイッチ25を操作すると、その操作内容が電動モーター駆動部51に入力される。そして、操作内容が窓ガラス10を上昇させる旨の内容であった場合は、電動モーター20に正方向の電流を流して電動モーター20を正方向に回転させることによって、窓ガラス10を上昇させる。
これに対して、操作内容が窓ガラス10を下降させる旨の内容であった場合は、電動モーター20に負方向の電流を流して電動モーター20を逆方向に回転させることによって、窓ガラス10を下降させる。
モーター電流検出部52は、電動モーター20に流れるモーター電流の電流値(以下では、モーター電流の電流値を、モーター電流値と称する)を検出して、電動モーター駆動部51に出力する。電動モーター駆動部51は、モーター電流検出部52から受け取ったモーター電流値に基づいて電動モーター20の負荷を検出して、負荷が所定値以上に高くなった場合は、電動モーター20の駆動を停止する。
また、モーター電流検出部52は、駆動負荷検出部101や駆動方向検出部102にも、検出したモーター電流値を出力する。
駆動負荷検出部101は、モーター電流検出部52から受け取ったモーター電流の絶対値を取得することによって、電動モーター20の駆動負荷を検出して、全閉位置検知部103および全開位置検知部104に出力する。
駆動方向検出部102は、モーター電流検出部52から受け取ったモーター電流値の正負を取得することによって、電動モーター20の駆動方向を検出する。すなわち、モーター電流値が正値であった場合は、電動モーター20の駆動方向は正方向であり、窓ガラス10の移動方向は上昇方向と判断する。また、モーター電流値が負値であった場合は、電動モーター20の駆動方向は負方向であり、窓ガラス10の移動方向は下降方向と判断する。そして、駆動方向検出部102は、検出した駆動方向を全閉位置検知部103および全開位置検知部104に出力する。
全閉位置検知部103は、駆動方向検出部102から受け取った駆動方向が正方向であり、且つ、駆動負荷検出部101から受け取った駆動負荷が、所定の全閉閾値を超えていた場合に、窓ガラス10が全閉位置にあることを検知する。
また、全開位置検知部104は、駆動方向検出部102から受け取った駆動方向が負方向であり、且つ、駆動負荷検出部101から受け取った駆動負荷が、所定の全開閾値を超えていた場合に、窓ガラス10が全開位置にあることを検知する。尚、全閉閾値と全開閾値とは同じ値としても良い。
開閉位置算出部105は、電動モーター20の駆動負荷を受け取ることによって、窓ガラス10が移動しているか否かを判断する。また、開閉位置算出部105は、電動モーター20の駆動方向を受け取ることによって、窓ガラス10の移動方向を認識する。
ここで、窓ガラス10が所定の移動速度で移動するものと仮定すれば、窓ガラス10の移動時間および移動方向から、窓ガラス10の移動量を算出することができる。そこで、開閉位置算出部105は、窓ガラス10が全閉位置あるいは全開位置からの移動量を取得することによって、窓ガラス10の開閉位置を算出する。
加えて、本実施例の開閉位置算出部105は、窓ガラス10が全閉位置に達した旨を全閉位置検知部103から受け取る度に、算出していた開閉位置を全閉位置に初期化する。同様に、窓ガラス10が全開位置に達した旨を全開位置検知部104から受け取る度に、算出していた開閉位置を全開位置に初期化している。
移動速度修正部106は、全閉位置検知部103と、全開位置検知部104と、開閉位置算出部105とに接続されており、窓ガラス10が全閉位置に達したことが検知されると、その時点で算出されている窓ガラス10の開閉位置を取得する。また、窓ガラス10が全開位置に達したことが検知されると、その時点で算出されている窓ガラス10の開閉位置を取得する。
そして、窓ガラス10が全閉位置に達した時点で算出されていた開閉位置に基づいて、窓ガラス10の閉方向への移動速度を修正する。また、窓ガラス10が全開位置に達した時点で算出されていた開閉位置に基づいて、窓ガラス10の開方向への移動速度を修正する。窓ガラス10の閉方向あるいは開方向への移動速度を修正する方法については後述する。
オフ状態検知部107は、図示しないエンジン始動スイッチに接続されており、エンジン始動スイッチがOFFになったことを検知して、報知部108に出力する。
報知部108は、エンジン始動スイッチがOFFになると、その時点で開閉位置算出部105によって算出されていた窓ガラス10の開閉位置を取得する。そして、窓ガラス10が開いた状態となっており、且つ、全閉位置に対する開閉位置が、所定値以上であった場合は、窓ガラス10が開いた状態となっている旨を、スピーカー5などから、車両1の乗員に対して報知する。
上述したように、窓ガラス10の開閉位置は、窓ガラス10が所定の移動速度で移動するものと仮定して算出しているので、実際の開閉位置に対して誤差が含まれている。従って、乗員に対して警告する条件を、窓ガラス10が全閉位置にあるか否かではなく、窓ガラス10が全閉位置に対して所定値以上、開いているか否かとすると、誤差の影響で、警告すべき時に警告できなくなる虞が生じる。それを避けようとすると、窓ガラス10が全閉位置にあるか否かに基づいて警告するか否かを判断するか、さもなければ、専用のセンサーを用いて窓ガラス10の開閉位置を検出する必要が生じる。
しかし、上述した本実施例の窓開閉位置検出装置100では、実用上の問題とならない程度まで誤差を抑制することができる。このため、何ら専用のセンサーを搭載しなくても、窓ガラス10が全閉位置に対して所定値以上、開いていた場合には、車両1の乗員に対して確実に警告することが可能となる。こうしたことが可能となるのは、本実施例の窓開閉位置検出装置100が、以下のような方法を用いて、窓ガラス10の開閉位置を検出しているためである。
B.窓開閉位置検出処理 :
図3には、本実施例の窓開閉位置検出装置100が窓ガラス10の開閉位置を検出するために実行する窓開閉位置検出処理のフローチャートが示されている。
図示されるように、窓開閉位置検出処理では、先ず始めに、電動モーター20の駆動負荷(すなわち、モーター電流値の絶対値)が所定値以上か否かを判断する(S100)。その結果、駆動負荷が所定値に満たない場合は(S100:no)、電動モーター20が駆動されていないものと考えられるので、同じ判断(S100)を繰り返すことによって待機状態となる。
これに対して、電動モーター20の駆動負荷が所定値以上であった場合は(S100:yes)、電動モーター20が駆動されていると考えられる。
そこで今度は、電動モーター20の駆動負荷が、所定の全閉閾値または所定の全開閾値の何れかよりも大きいか否かを判断する(S101)。ここで、全閉閾値とは、窓ガラス10が全閉状態となったか否かを判断するために用いる閾値であり、全開閾値とは、窓ガラス10が全開状態となったか否かを判断するために用いる閾値である。図1(b)あるいは図1(c)を用いて前述したように、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態になると、それ以上には上昇あるいは下降しなくなるから電動モーター20の駆動負荷が増加する。このため、予め適切な全閉閾値あるいは全開閾値を設定しておくことで、電動モーター20の駆動負荷が全閉閾値あるいは全開閾値の何れかを超えたら、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態になったと判断することができる。
電動モーター20が駆動中の場合は(S100:yes)、電動モーター20の駆動負荷を全閉閾値および全開閾値と比較することによって(S101)、電動モーター20が全閉状態あるいは全開状態になったか否かを判断する。尚、全閉閾値および全開閾値は、何れか大きい方の閾値で共用することも可能である。
その結果、電動モーター20の駆動負荷が、全閉閾値あるいは全開閾値の何れかを超えていた場合は(S101:yes)、後述する全閉全開時処理(S200)を行った後、処理の先頭に戻って、再び、電動モーター20の駆動負荷が所定値以上か否かを判断する(S100)。詳細には後述するが、全閉全開時処理(S200)では、大まかには以下のような処理を行う。先ず、窓ガラス10が全閉状態または全開状態の何れになったのかを判断する。そして、その結果に応じて、窓ガラス10の開閉位置を、全閉位置あるいは全開位置として設定する。
また、後述するように、窓開閉位置検出処理では、窓ガラス10が所定の速度で移動するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を算出するが、窓ガラス10が全閉状態または全開状態の何れになった場合は、その時点で算出されていた窓ガラス10の開閉位置を、全閉位置あるいは全開位置として設定する。
更に、全閉状態または全開状態になった時点で算出されていた窓ガラス10の開閉位置に基づいて、窓ガラス10の移動速度を修正する。これらの点については、後ほど詳しく説明する。
一方、電動モーター20の駆動負荷が、全閉閾値および全開閾値の何れも超えていない場合は(S101:no)、電動モーター20の駆動方向が正方向か否かを判断する(S102)。電動モーター20の駆動方向は、電動モーター20に流れるモーター電流の正負に基づいて判断することができる。すなわち、電動モーター20に流れるモーター電流値が正値であった場合は、駆動方向は正方向であると判断することができ、モーター電流値が負値であった場合は、駆動方向は負方向であると判断することができる。
そして、電動モーター20の駆動方向が正方向であった場合は(S102:yes)、所定の微小時間(例えば、50μ秒)が経過したか否かを判断する(S103)。その結果、経過していない場合は(S103:no)、同じS103の判断を繰り返すことによって、微小時間が経過するまで待機状態となるが、微小時間が経過したら(S103:yes)、窓ガラス10が閉方向の移動速度で上昇するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を更新する(S104)。すなわち、電動モーター20の駆動方向が正方向であった場合は(S102:yes)、所定の微小時間の間、窓ガラス10が所定の一定速度(すなわち、閉方向の移動速度)で上昇するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を、「閉方向の移動速度」×「微小時間」に相当する距離、閉方向に移動させるのである。
こうして、窓ガラス10の開閉位置を更新したら(S104)、処理の先頭に戻って、再び、電動モーター20の駆動負荷が所定値以上か否かを判断する(S100)。
これに対して、電動モーター20の駆動方向が正方向ではない(すなわち、負方向である)と判断された場合にも(S102:no)、所定の微小時間(例えば、50μ秒)が経過したか否かを判断する(S105)。その結果、経過していない場合は(S105:no)、同じ判断を繰り返すことによって待機状態となる。そして、微小時間が経過したら(S105:yes)、窓ガラス10が開方向の移動速度で下降するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を更新する(S106)。すなわち、電動モーター20の駆動方向が負方向であった場合は(S102:no)、所定の微小時間の間、窓ガラス10が所定の開方向の移動速度で上昇するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を、「開方向の移動速度」×「微小時間」に相当する距離、開方向に移動させる。
こうして、窓ガラス10の開閉位置を更新したら(S106)、処理の先頭に戻って、再び、電動モーター20の駆動負荷が所定値以上か否かを判断する(S100)。
このように、窓開閉位置検出処理では、窓ガラス10が所定の移動速度で上昇あるいは下降するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を算出する。ところが、窓ガラス10は、必ずしも一定の移動速度で上昇あるいは下降するわけではなく、更に、経時劣化の影響で、時間の経過と共に移動速度は変化する。このため、窓ガラス10が所定の移動速度で上昇あるいは下降するものと仮定して、窓ガラス10の開閉位置を算出しても、実用可能な算出精度を確保することは困難と考えられてきた。
しかし、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態となる度に、以下のような全閉全開時処理を実行しているので、十分に実用可能な精度で、窓ガラス10の開閉位置を算出することが可能となっている。
C.全閉全開時処理 :
図4には、本実施例の窓開閉位置検出装置100が実行する全閉全開時処理のフローチャートが示されている。図3を用いて前述したように、この処理は、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態となったと判断される度に(S101:yes)、窓開閉位置検出装置100によって実行される処理である。
図4に示されるように、全閉全開時処理(S200)では、先ず始めに、電動モーター20の駆動方向が正方向か否かを判断する(S201)。前述したように、電動モーター20のモーター電流値が正値であった場合は、駆動方向は正方向と判断することができ、逆に、モーター電流値が負値であった場合は、駆動方向は負方向と判断することができる。
その結果、駆動方向が正方向であった場合は(S201:yes)、前述した窓開閉位置検出処理で算出していた窓ガラス10の開閉位置を取得する(S202)。そして、取得した開閉位置の算出値に基づいて、窓ガラス10の閉方向の移動速度を修正する(S203)。これは次のような処理である。
先ず、図4の全閉全開時処理は、図3を用いて前述した窓開閉位置検出処理の中で、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態の何れかと判断された場合(すなわち、図3のS101:yes)に開始される。その結果として開始された図4の全閉全開時処理のS201で、電動モーター20の駆動方向が正方向であった場合は(S201:yes)、窓ガラス10が上昇中であったと考えて良いので、窓ガラス10は全閉状態になっている筈である。
そして、窓ガラス10が全閉位置に達した時点で、算出されていた開閉位置を取得したところ、例えば、算出した開閉位置が未だ全閉位置に達していなかった場合は、窓ガラス10の閉方向への移動速度が、実際の移動速度よりも小さいものと考えられる。
そこで、このような場合は、閉方向への移動速度が大きくなるように修正する。修正に際しては、予め小さな単位修正量を決めておき、閉方向の移動速度に単位修正量を加算することによって、閉方向の移動速度を修正する。もちろん、算出されていた開閉位置と、全閉位置との偏差に応じて、偏差が大きくなるほど修正量が大きくなるように修正しても良い。
あるいは逆に、窓ガラス10が全閉状態となった時点で、算出されていた開閉位置が、既に全閉位置を通り過ぎていた場合は、窓ガラス10の閉方向への移動速度が、実際の移動速度よりも大きいものと考えられる。
そこで、このような場合は、閉方向への移動速度が小さくなるように、閉方向の移動速度から単位修正量を減算することによって、閉方向の移動速度を修正する。もちろん、算出されていた開閉位置と、全閉位置との偏差に応じて、偏差が大きくなるほど修正量が大きくなるように修正しても良い。
こうして、窓ガラス10の閉方向の移動速度を修正したら(S203)、窓ガラス10の開閉位置の算出値を、全閉位置に設定する(S204)。こうすることによって、窓ガラス10の移動速度を仮定したことによって生じた誤差が解消されることになる。
そして、図4の全閉全開時処理を終了して、図3の窓開閉位置検出処理に復帰した後、電動モーター20の駆動負荷が所定値以上か否かを判断する(S100)。
以上では、全閉全開時処理を開始した時点で、電動モーター20の駆動方向が正方向であると判断した場合(S201:yes)について説明した。
これに対して、電動モーター20の駆動方向が正方向ではない(すなわち、負方向)と判断した場合は(S201:no)、窓ガラス10は全開状態になっているものと考えて良い。
そこで、前述の窓開閉位置検出処理で算出していた窓ガラス10の開閉位置を取得して(S205)、その開閉位置に基づいて、窓ガラス10の開方向の移動速度を修正する(S206)。すなわち、窓ガラス10が全開位置に達した時点で、算出していた開閉位置が未だ全開位置に達していなかった場合は、窓ガラス10の開方向への移動速度が、実際の移動速度よりも小さいものと考えられる。
そこで、このような場合は、開方向への移動速度が大きくなるように、開方向の移動速度に単位修正量を加算することによって、開方向の移動速度を修正する。もちろん、算出されていた開閉位置と、全閉位置との偏差に応じて、偏差が大きくなるほど修正量が大きくなるように修正しても良い。
あるいは逆に、窓ガラス10が全開状態となった時点で、算出していた開閉位置が、既に全開位置を通り過ぎていた場合は、窓ガラス10の開方向への移動速度が、実際の移動速度よりも大きいものと考えられる。
そこで、このような場合は、開方向への移動速度が小さくなるように、開方向の移動速度から単位修正量を減算することによって、開方向の移動速度を修正する。もちろん、算出されていた開閉位置と、全開位置との偏差に応じて、偏差が大きくなるほど修正量が大きくなるように修正しても良い。
こうして、窓ガラス10の開方向の移動速度を修正したら(S206)、窓ガラス10の開閉位置の算出値を、全開位置に設定した後(S207)、図4の全閉全開時処理を終了する。そして、図3の窓開閉位置検出処理に復帰した後、電動モーター20の駆動負荷が所定値以上か否かを判断して(S100)、前述した続く一連の処理を開始する。
以上に説明したように、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が一定の移動速度で移動するものと仮定して窓ガラス10の開閉位置を算出する。このような方法では、開閉位置の算出結果に誤差が蓄積していくため、実用に耐え得る位置精度を確保することは困難である。しかし、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が全閉状態または全開状態となる度に、誤差を解消することができる。
図5には、経時劣化などの影響で、窓ガラス10の閉方向の移動速度が低下した場合を想定して、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が全閉状態または全開状態となる度に、誤差が解消される様子が例示されている。始めに、図5(a)を参照することによって、窓ガラス10が全閉状態または全開状態となっても誤差を解消しなかった場合について説明する。図中に示した実線は、窓ガラス10の実際の開閉位置を表しており、図中の破線は、算出した開閉位置を表している。
ここでは、窓ガラス10の閉方向の移動速度が低下した場合を想定しているから、窓ガラス10が全開状態から全閉状態となるまでに要する時間は、本来の速度で移動した場合よりも長くなる。このため、窓ガラス10が本来の速度で移動するものとして開閉位置を算出すると、図中に破線で示したように、窓ガラス10の開閉位置は全閉位置を超えてしまう。そして、実際の開閉位置に対する算出した開閉位置の誤差dpの大きさは、窓ガラス10が全開位置と全閉位置とを往復するに従って、次第に大きくなっていく。
一方、図5(b)に示した場合でも、窓ガラス10は本来の速度で移動するものとして窓ガラス10の開閉位置を算出しているので、窓ガラス10が実際に全閉位置に達した時点では、算出した開閉位置は全閉位置を超えている。従って、算出した開閉位置と実際の開閉位置との間には誤差が発生するが、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が実際に全閉位置に達する度に、算出した開閉位置を全閉位置に修正する。
尚、ここでは、開方向には、窓ガラス10が本来の速度で移動するものとしているので、窓ガラス10が全閉位置から全開位置まで移動しても、実際の開閉位置と算出した開閉位置との間に誤差が生じることはない。図5(b)で、全開位置では算出した開閉位置を修正していないのは、修正の有無によらず結果が変わらないので修正の表示を省略したものであって、実際には、窓ガラス10が全開位置に達する度に、算出した開閉位置を修正している。
図5(b)に示したように、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が実際に全閉位置あるいは全開位置に達する度に、算出した開閉位置を全閉位置あるいは全開位置に修正する。このため、窓ガラス10が全開位置と全閉位置とを往復しても、算出した開閉位置と実際の開閉位置との誤差の大きさを、一定範囲内に保っておくことができる。その結果、センサーを用いて窓ガラス10の開閉位置を検出しなくても、十分に実用的な精度で、窓ガラス10の開閉位置を算出することが可能となる。そして、十分な精度で窓ガラス10の開閉位置を算出することができれば、エンジン始動スイッチがOFFにされた時の窓ガラス10の開閉位置に基づいて、車両1の乗員に対して適切に警告することができる。例えば、窓ガラス10が全閉状態となっていなくても、窓ガラス10の開閉位置が所定の許容範囲内であれば警告はしないが、許容範囲外になると確実に警告することも可能となる。
加えて、本実施例の窓開閉位置検出装置100では、窓ガラス10が実際に全閉状態に達した時点で算出されていた開閉位置に基づいて、開閉位置の算出に用いる閉方向の移動速度を修正することができる。同様に、窓ガラス10が実際に全開状態に達した時点で算出されていた開閉位置に基づいて、開方向の移動速度を修正することができる。
このため、たとえ経時劣化などの影響で、窓ガラス10の移動速度が本来の速度から変化した場合でも、開閉位置の算出に用いる移動速度を、実際の移動速度に近付けることができる。
加えて、窓ガラス10が実際に全閉状態あるいは全開状態に達したことを検出すると、その時点で算出されていた開閉位置に応じて、窓ガラス10の移動速度を所定の単位修正量ずつ修正していく。このため、少なくとも全閉位置および全開位置の周辺では、窓ガラス10の実際の開閉位置と計算上の開閉位置との偏差は、移動速度の単位修正量に対応する一定範囲内に収まることになる。
従って、移動速度の単位修正量を予め適切な値に設定しておけば、たとえ、長期に亘って車両1が使用された場合でも、窓ガラス10の開閉位置の算出精度を、十分な精度に維持することが可能となる。
D.変形例 :
上述した本実施例では、窓ガラス10が実際に全閉状態あるいは全開状態になった時に、その時点で算出されていた開閉位置に応じて、窓ガラス10の移動速度を所定の単位修正量ずつ修正するものとして説明した。
しかし、窓ガラス10が全閉状態から全開状態になるまでの時間を実測して、あるいは逆に、窓ガラス10が全開状態から全閉状態になるまでの時間を実測して、窓ガラス10の移動時間を修正することとしても良い。
図6には、上述した変形例の窓開閉位置検出装置150を内蔵した窓開閉制御装置50の大まかな内部構造を示した説明図である。変形例の窓開閉位置検出装置150は、図2を用いて前述した本実施例の窓開閉位置検出装置100に対して、計時部159が追加されている点と、移動速度修正部106が移動速度修正部156に変更されている点とが大きく異なっている。その一方で、その他の点については、図2に示した本実施例の窓開閉位置検出装置100と同様である。図6では、図2に示した本実施例の窓開閉位置検出装置100との相違点に関係する部分を表示し、関係しない部分(例えば、開閉位置算出部105や、オフ状態検知部107や、報知部108)については図示を省略している。
図6に示されるように、変形例の窓開閉位置検出装置150には、駆動負荷検出部101や、駆動方向検出部102や、全閉位置検知部103や、全開位置検知部104や、計時部159や、移動速度修正部156などが内蔵されている。また、図6では図示が省略されているが、変形例の窓開閉位置検出装置150には、前述した本実施例の窓開閉位置検出装置100と同様に、開閉位置算出部105や、移動速度修正部106や、オフ状態検知部107や、報知部108なども内蔵されている。
尚、変形例の窓開閉位置検出装置150が備える計時部159や、移動速度修正部156についても、窓開閉位置検出装置150の内部に、これらの「部」が物理的に区分されることを示すわけではない。従って、これらの「部」は、コンピューター上で動作するプログラムによってソフトウェア的に実現することもできるし、ICやLSIなどを含む電子回路によってハードウェア的に実現することもでき、更には、これらを組み合わせることによって実現することもできる。
電動モーター駆動部51は、パワーウィンドウの操作スイッチ25の操作内容に従って、電動モーター20を駆動する。
モーター電流検出部52は、電動モーター20のモーター電流値を検出して、電動モーター駆動部51に出力するとともに、駆動負荷検出部101や駆動方向検出部102にも出力する。
駆動負荷検出部101は、モーター電流検出部52から受け取ったモーター電流値に基づいて、電動モーター20の駆動負荷を検出して、全閉位置検知部103および全開位置検知部104に出力する。
駆動方向検出部102は、モーター電流検出部52から受け取ったモーター電流値に基づいて、電動モーター20の駆動方向を検出して、全閉位置検知部103および全開位置検知部104に出力する。
全閉位置検知部103は、駆動負荷検出部101から受け取った駆動負荷と、駆動方向検出部102から受け取った駆動方向とに基づいて、窓ガラス10が全閉位置にあることを検知する。
また、全開位置検知部104は、駆動負荷検出部101から受け取った駆動負荷と、駆動方向検出部102から受け取った駆動方向とに基づいて、窓ガラス10が全開位置にあることを検知する。
また、変形例の窓開閉位置検出装置150には計時部159が設けられており、この計時部159は、全閉位置検知部103と全開位置検知部104とに接続されており、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態になったことを認識することができる。また、計時部159は、駆動負荷検出部101と駆動方向検出部102とにも接続されており、窓ガラス10が移動中であるか否か、および移動方向も認識することができる。そこで、計時部159は、窓ガラス10が全閉状態から全開状態になるまでに要した時間や、全開状態から全閉状態になるまでに要した時間を計測して、その結果を、移動速度修正部156に出力する。
移動速度修正部156は、全閉状態から全開状態になるまでに要した時間に基づいて、開方向の移動時間を修正し、全開状態から全閉状態になるまでに要した時間に基づいて閉方向の移動時間を修正する。
こうすれば、経時劣化などの影響で、窓ガラス10の移動速度が変化した場合でも、窓ガラス10の開閉位置を算出するために用いる移動速度を、実際の移動速度に修正することができるので、窓ガラス10の開閉位置を精度良く算出することが可能となる。
図7および図8には、上述した変形例の窓開閉位置検出装置150が、窓ガラス10の移動速度を修正するために実行する移動速度修正処理のフローチャートが示されている。
図7に示したように、移動速度修正処理では、先ず始めに、窓ガラス10が全閉状態になったか否かを判断する(S300)。窓ガラス10の駆動方向が正方向で、且つ、窓ガラス10の駆動負荷が所定の全閉閾値よりも大きくなった場合は、窓ガラス10が全閉状態になったと判断することができる。
窓ガラス10が全閉状態ではなかった場合は(S300:no)、今度は、窓ガラス10が全開状態か否かを判断する(図8のS313)。窓ガラス10の駆動方向が負方向で、且つ、窓ガラス10の駆動負荷が所定の全開閾値よりも大きくなった場合は、窓ガラス10が全開状態になったと判断することができる。
その結果、全開状態でもなかった場合は(S313:no)、再び、窓ガラス10が全閉状態になったか否かを判断する(図7のS300)。
このような判断を繰り返しているうちに、やがては、窓ガラス10が全閉状態または全開状態の何れかとなる。ここでは、全閉状態になったとすると、S300では「yes」と判断して、窓ガラス10が移動を開始したか否かを判断する(S301)。窓ガラス10は全閉状態になっているから、窓ガラス10を駆動する電動モーター20が負方向に駆動され、且つ、電動モーター20の駆動負荷が、図3のS100の判断で用いる所定値以上であった場合は、窓ガラス10が移動を開始したと判断することができる。これに対して、電動モーター20が正方向に駆動されている場合や、電動モーター20が負方向に駆動されていても駆動負荷が所定値に満たない場合は、窓ガラス10は移動を開始していないと判断することができる。
その結果、窓ガラス10が移動を開始していないと判断した場合は(S301:no)、同じS301の判断を繰り返すことによって、移動を開始するまで待機状態となる。
これに対して、窓ガラス10が移動を開始したと判断した場合は(S301:yes)、全開所要時間の計測を開始する(S302)。ここで全開所要時間とは、窓ガラス10が全閉状態から全開状態になるまでに要する時間である。
続いて、窓ガラス10が移動中か否かを判断する(S303)。窓ガラス10を駆動する電動モーター20の駆動負荷が、図3のS100の判断で用いる所定値以上の場合(但し、全開閾値には満たない場合)は、窓ガラス10が移動中と判断することができる。これに対して、電動モーター20の駆動負荷が所定値に満たない場合は、窓ガラス10が停止したと判断することができる。
その結果、窓ガラス10が移動中であった場合は(S303:yes)、全開状態になったか否かを判断し(S304)、全開状態になっていなければ(S304:no)、再び、窓ガラス10が移動中か否かを判断する(S303)。このような操作を繰り返すことによって、全開所要時間が計時されていく。そして、窓ガラス10が全開状態になったと判断したら(S304:yes)、計時を終了して、その時点で計時されていた値を全開所要時間として取得する(S305)。
もちろん、窓ガラス10が全閉状態から全開状態に達するまでの間に、窓ガラス10が途中で停止される場合もある。このような場合は、S303で「no」と判断して、全開所要時間の計時を中断する(S308)。そして、窓ガラス10の移動を再開したか否かを判断し(S309)、移動が再開されていない場合は(S309:no)、同じS309の判断を繰り返すことによって、移動が再開されるまで待機状態となる。
そして、移動が再開されたら(S309:yes)、今度は、窓ガラス10の移動方向が開方向か否かを判断する(S310)。窓ガラス10を駆動する電動モーター20の駆動方向が負方向であれば、窓ガラス10が開方向に移動していると判断することができ、電動モーター20の駆動方向が正方向であれば、窓ガラス10が閉方向に移動していると判断することができる。
その結果、窓ガラス10が開方向に移動している場合は(S310:yes)、中断していた全開所要時間の計時を再開する(S311)。そして、窓ガラス10が全開状態になったか否かを判断し(S304)、全開状態になっていなければ(S304:no)、窓ガラス10が移動中か否かを判断し(S303)、移動中であった場合は(S303:yes)、再び、全開状態になったか否かを判断する(S304)。このような操作を繰り返すうちに、全開状態になったら(S304:yes)、計時を終了するとともに、全開所要時間を取得する(S305)。
以上では、全閉状態から開方向に移動を開始した窓ガラス10が、途中で一旦停止した後(S303:no)、再び開方向に移動を開始した場合(S310:yes)について説明した。
これに対して、途中で一旦停止した窓ガラス10が、今度は逆方向(すなわち、閉方向)に移動を開始した場合は(S310:no)、それまでに計測していた全開所要時間の値を破棄してしまう(S312)。従って、全開所要時間が得られるのは、全閉状態から全開状態まで途中で停止することなく移動するか、途中で停止した場合でも、逆方向に移動することなく全開状態となった場合となる。また、途中で停止した場合は、停止している時間は、全開所要時間には含まれない。S305では、このような全開所要時間を取得する。
図9には、全開所要時間を計測する様子が例示されている。図示した例では、太線で表した部分では窓ガラス10が移動しているが、破線で示した部分では窓ガラス10が停止している。しかしこのような場合でも、窓ガラス10が移動している太線で表した部分の時間を計測することによって、全開所要時間を計測することが可能となる。
こうして取得した全開所要時間から、窓ガラス10の開方向の移動速度を算出する(S306)。すなわち、窓ガラス10が全閉状態から全開状態になるまでに、窓ガラス10が移動する距離は設計上から決まるから、その距離を移動するために要した時間(すなわち、全開所要時間)が分かれば、開方向の移動速度を算出することができる。
そして、窓ガラス10の開閉位置を算出するために用いる開方向の移動速度を、算出した移動速度に変更する(S307)。
以上のようにして、開方向の移動速度を変更したら(S307)、処理の先頭に戻って、全閉状態になったか否かの判断(S300)、あるいは全開状態になったか否かの判断(図8のS313)を繰り返す。また、計時中の全開所要時間を破棄した場合も(S312)、処理の先頭に戻って、全閉状態になったか否かの判断(S300)、あるいは全開状態になったか否かの判断(図8のS313)を繰り返す。
以上では、処理の先頭で、窓ガラス10が全閉状態あるいは全開状態になったか否かの判断(S300、および図8のS313)を繰り返していたところ、窓ガラス10が全閉状態になったと判断した場合(S300:yes)について説明した。
これに対して、窓ガラス10が全開状態になったと判断した場合は(S313:yes)、以下のようにして、閉方向の移動速度を変更する。
先ず、窓ガラス10が移動を開始したか否かを判断する(S314)。ここでは、窓ガラス10は全開状態になっているから、窓ガラス10を駆動する電動モーター20が正方向に駆動され、且つ、電動モーター20の駆動負荷が、図3のS100の判断で用いる所定値以上であった場合は、窓ガラス10が移動を開始したと判断することができる。
その結果、窓ガラス10が移動を開始したと判断した場合は(S314:yes)、今度は、全閉所要時間の計測を開始する(S315)。全閉所要時間とは、窓ガラス10が全開状態から全閉状態になるまでに要する時間である。
そして、窓ガラス10が移動中か否かを判断し(S316)、窓ガラス10が移動中であった場合は(S316:yes)、全閉状態になったか否かを判断する(S317)。その結果、全閉状態になっていなければ(S317:no)、再び、窓ガラス10が移動中か否かを判断する(S316)。このような操作を繰り返しているうちに、窓ガラス10が全閉状態になったと判断したら(S317:yes)、計時を終了して、その時点で計時されていた値を全閉所要時間として取得する(S318)。
また、窓ガラス10が全開状態から全閉状態に達するまでの間に、途中で停まった場合は(S316:no)、全閉所要時間の計時を中断する(S321)。そして、窓ガラス10の移動を再開したか否かを判断し(S322)、移動が再開されていない場合は(S322:no)、移動が再開されるまで待機状態となる。
そして、移動が再開されたら(S322:yes)、今度は、窓ガラス10の移動方向が閉方向か否かを判断する(S323)。その結果、窓ガラス10が閉方向に移動している場合は(S323:yes)、中断していた全閉所要時間の計時を再開して(S324)、窓ガラス10が全閉状態になったか否かを判断し(S317)、全閉状態になっていなければ(S317:no)、窓ガラス10が移動中か否かを判断する(S316)。こうすることによって、再開した全閉所要時間の計時を継続する。
また、一旦停止した窓ガラス10が、再び移動を開始したが(S322:yes)、移動方向が逆方向(すなわち、開方向)であった場合には(S323:no)、それまでに計測していた全閉所要時間の値を破棄してしまう(S325)。従って、全閉所要時間が得られるのは、全開状態から全閉状態まで途中で停止することなく移動するか、途中で停止した場合でも、逆方向に移動することなく全閉状態となった場合となる。
図10には、全閉所要時間を計測する様子が例示されている。図9の場合と同様に、図中の太線は窓ガラス10が移動していることを表しており、図中の破線は窓ガラス10が停止していることを表している。このような場合でも、窓ガラス10が移動している太線で表した部分の時間を計測することで、全閉所要時間を計測することができる。
尚、全開所要時間と全閉所要時間とは、同じような値となる場合も多いので、これらをまとめて、全開全閉所要時間としてもよい。
こうして全閉所要時間が得られたら(S318)、窓ガラス10の閉方向の移動速度を算出する(S319)。すなわち、窓ガラス10が全開状態から全閉状態になるまでに、窓ガラス10が移動する距離は設計上から決まるから、その距離を移動するために要した時間(すなわち、全閉所要時間)が分かれば、閉方向の移動速度を算出することができる。そして、窓ガラス10の開閉位置を算出するために用いる閉方向の移動速度を、算出した移動速度に変更する(S320)。
以上のようにして、閉方向の移動速度を変更したら(S320)、あるいは、計時中の全開所要時間を破棄したら(S324)、処理の先頭に戻って、全閉状態になったか否かの判断(図7のS300)および全開状態になったか否かの判断(図8のS313)を繰り返す。
変形例の窓開閉位置検出装置150では、以上のようにして、窓ガラス10が全閉状態から全開状態に移動するために要する全開所要時間や、全開状態から全閉状態に移動するために要する全閉所要時間を実測する。そして、全開所要時間や全閉所要時間に基づいて、窓ガラス10の開方向の移動速度や、閉方向の移動速度を算出する。このため、車両1の経時劣化などの影響で、窓ガラス10の移動速度が変化した場合でも、移動速度の変化を反映させて、窓ガラス10の開閉位置を精度良く算出することが可能となる。
以上、本実施例および変形例について説明したが、本発明は上述した本実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…車両、 5…スピーカー、 10…窓ガラス、 20…電動モーター、
21…保持部、 22…ガイドレール、 23…駆動ベルト、
25…操作スイッチ、 50…窓開閉制御装置、 51…電動モーター駆動部、
52…モーター電流検出部、 100…窓開閉位置検出装置、
101…駆動負荷検出部、 102…駆動方向検出部、
103…全閉位置検知部、 104…全開位置検知部、
105…開閉位置算出部、 106…移動速度修正部、
107…オフ状態検知部、 108…報知部、 150…窓開閉位置検出装置、
156…移動速度修正部、 159…計時部。

Claims (4)

  1. 車両(1)に搭載されて、電動モーター(20)で開閉される窓(10)の開閉位置を検出する窓開閉位置検出装置(100)であって、
    前記電動モーターの駆動負荷を検出する駆動負荷検出部(101)と、
    前記電動モーターによる前記窓の駆動方向を検出する駆動方向検出部(102)と、
    前記窓の駆動方向が閉方向の時に前記駆動負荷が所定の全閉閾値を超えた場合には、前記窓が全閉位置になったことを検知する全閉位置検知部(103)と、
    前記窓の駆動方向が開方向の時に前記駆動負荷が所定の全開閾値を超えた場合には、前記窓が全開位置になったことを検知する全開位置検知部(104)と、
    前記電動モーターによる前記窓の駆動中は、前記駆動方向に所定の移動速度で前記窓が移動するものとして前記窓の開閉位置を算出すると共に、前記窓が全閉位置あるいは前記全開位置になった場合には前記開閉位置を初期化することによって、前記全閉位置または前記全開位置からの前記窓の開閉位置を算出する開閉位置算出部(105)と
    前記全閉位置あるいは前記全開位置が検知された時点で算出されていた前記開閉位置に基づいて、前記移動速度を修正する移動速度修正部(106)と
    を備える窓開閉位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の窓開閉位置検出装置(100)であって、
    前記開閉位置算出部は、
    前記窓の駆動方向が前記閉方向の場合には、閉方向の前記移動速度を用いて前記開閉位置を算出し、
    前記窓の駆動方向が前記開方向の場合には、開方向の前記移動速度を用いて前記開閉位置を算出しており、
    前記移動速度修正部は、
    前記全閉位置が検知されたときの前記開閉位置に基づいて前記閉方向の移動速度を修正し、
    前記全開位置が検知されたときの前記開閉位置に基づいて前記開方向の移動速度を修正する
    ことを特徴とする窓開閉位置検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の開閉位置検出装置であって、
    前記車両の始動スイッチがオフ状態にされたことを検知するオフ状態検知部(107)と、
    前記オフ状態が検知された時に、前記窓の開閉位置が前記全閉位置に対して所定の閾値量以上開いていた場合には、前記窓の閉め忘れを報知する報知部(108)と
    を備えることを特徴とする窓開閉位置検出装置。
  4. 電動モーター(20)で開閉される窓(10)を搭載した車両(1)に適用されて、前記窓の開閉位置を検出する窓開閉位置検出方法であって、
    前記電動モーターの駆動負荷を検出する工程(S100)と、
    前記電動モーターによる前記窓の駆動方向を検出する工程(S102)と、
    前記窓の駆動方向が閉方向の時に前記駆動負荷が所定の全閉閾値を超えた場合には、前記窓が全閉位置になったことを検出する工程(S101、S201)と、
    前記窓の駆動方向が開方向の時に前記駆動負荷が所定の全開閾値を超えた場合には、前記窓が全開位置になったことを検出する工程(S101、S201)と、
    前記電動モーターによる前記窓の駆動中は、前記駆動方向に所定の移動速度で前記窓が移動するものとして前記窓の開閉位置を算出すると共に、前記窓が全閉位置あるいは前記全開位置になった場合には前記開閉位置を初期化することによって、前記全閉位置または前記全開位置からの前記窓の開閉位置を算出する工程(S204、S207)と
    前記全閉位置あるいは前記全開位置が検知された時点で算出されていた前記開閉位置に基づいて、前記移動速度を修正する工程(S203,S206)と
    を備える窓開閉位置検出方法。
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