JP2003041856A - 開閉部材の異物挟み込み検出方法及び開閉部材の異物挟み込み検出装置 - Google Patents

開閉部材の異物挟み込み検出方法及び開閉部材の異物挟み込み検出装置

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JP2003041856A
JP2003041856A JP2001234033A JP2001234033A JP2003041856A JP 2003041856 A JP2003041856 A JP 2003041856A JP 2001234033 A JP2001234033 A JP 2001234033A JP 2001234033 A JP2001234033 A JP 2001234033A JP 2003041856 A JP2003041856 A JP 2003041856A
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Masaaki Suganuma
正章 菅沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開閉部材の異物挟み込み検出装置において、
振動等による誤検出を防止する。 【解決手段】 異物挟み込み検出装置は、バッテリーB
Tにより駆動電圧VBが印加され、ウィンドウガラス1
4を開閉動作させる直流モータ15と、異物挟み込み検
出のための各種処理動作を行うCPU18と、直流モー
タ15の回転に伴ってパルス検出信号PS1,PS2を
検出するホールIC24,25を備える。CPU18は
検出信号PS1より実回転周期tを求め、フィルタ回路
34が生成する補正用電圧VBFに基づいて実回転周期
tを周期補正値Δtにて補正し、負荷判定用回転周期T
(=t−Δt)を求める。CPU18は最新のものから
18個までの負荷判定用回転周期T1〜T18を用い
て、低域微分値TF1,TNを求める。CPU18はこ
れら低域微分値TF1,TNに基づいて正確に挟み込み
の有無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウィンドウガラス
等の開閉部材の異物挟み込み検出方法及び開閉部材の異
物挟み込み検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車に装備されているパワーウ
ィンドウ装置やサンルーフ装置等の開閉装置は、ドアに
設けられる開閉スイッチを操作することによって、駆動
モータを正逆回転させてウィンドウガラスやルーフガラ
ス等を自動的に開閉する。この種の開閉装置では、全閉
動作中に異物が挟み込まれた時、その異物挟み込みを検
出し、直ちに停止し全開方向に反転動作するようになっ
ている。
【0003】ところで、この異物挟み込みの検出方法と
しては、異物の挟み込みが起きるとモータの回転周期が
徐々に大きくなることを利用し、モータの回転周期を検
出し、回転周期が大きくなるときに異物挟み込みと判断
することが行われている。
【0004】しかし、同モータの回転周期が大きくなる
原因は、異物挟み込みの場合だけではない。モータの駆
動電源であるバッテリーに接続されている他の機器、例
えばエアコン等を使用することによって、バッテリーの
負荷が一時的に増大しモータの駆動電圧が低下しても、
回転周期が大きくなる。従って、このようなモータの駆
動電圧の低下が、異物挟み込み検出を行う上で誤検出の
原因となっている。
【0005】そこで、特開平11−241561号公報
には、サンルーフ装置において、上記のような誤検出を
防止する異物挟み込み検出装置が開示されている。この
異物挟み込み検出装置は、バッテリーにより直流電圧V
bが印加され、回転速度NS2で回転してサンルーフ装
置を開閉動作させるルーフモータと、異物挟み込み検出
のための各種処理動作を行うサンルーフコンピュータ
と、ルーフモータの回転に伴ってパルス検出信号を検出
する速度検出センサとを備える。そして、同速度検出セ
ンサは、検出したパルス検出信号を前記サンルーフコン
ピュータに入力し、同サンルーフコンピュータは、パル
ス検出信号から実回転周期tを求める。
【0006】また、サンルーフコンピュータは、抵抗と
コンデンサの直列回路によって構成されるフィルタ回路
を介してバッテリーと接続されている。そして、このフ
ィルタ回路は直流電圧Vbの変動に対する回転速度NS
2の変動の推移と相対的に一致した変動推移を有する補
正用電圧Vbfを生成する。サンルーフコンピュータは
その補正用電圧Vbfに基づいて、速度検出センサから
入力されたパルス検出信号に基づいて求めた前記実回転
周期tを周期補正値Δtにて補正し、負荷判定用回転周
期T(=t−Δt)を求める。尚、この場合のΔtは補
正用電圧Vbfが下がるほど正の大きな値になるよう
に、また、補正用電圧Vbfが上がるほど正の小さな値
になるように設定している。
【0007】そして、負荷判定用回転周期Tは、直流電
圧Vbの変動に対するルーフモータの実際の速度変動分
が除去された回転周期となる。サンルーフコンピュータ
はこの負荷判定用回転周期Tを最新のものから順に負荷
判定用回転周期T1(=t1−Δt),T2(=t2−
Δt),…,T18(=t18−Δt)として18個の
負荷判定用回転周期T1〜T18を記憶する。
【0008】次に、サンルーフコンピュータは前記18
個の負荷判定用回転周期T1〜T18を用いて3つのグ
ループA,B,Cに区分する。そして、この第1グルー
プAと第3グループCにおける合計値TAS,TCSを
使用し,下記の式に代入して低域微分値TF2を求め
る。
【0009】 TF2=TAS−TCS =(T1+T2+T3+T4+T5+T6+T7+T8) −(T11+T12+T13+T14+T15+T16+T17+T18) 図9は、駆動モータの回転速度NS2の変動に対する低
域微分値TF2の変動の推移を示している。そして、こ
の図9において、TJ2は低域微分値TF2の基準値
を、NC2はCPUに内蔵されている判定カウンタのカ
ウンタ数を表し、NK2はカウンタ数NC2の判定値を
表している。基準値TJ2は異物挟み込みが生じたとき
に得られる低域微分値TF2である。そして、この図9
に示すように、低域微分値TF2が正(TF2>0)で
あると、サンルーフコンピュータは直流電圧Vbの変動
以外で回転速度NS2が遅くなっていると判断し、カウ
ンタ数NC2に1を加算する。また、サンルーフコンピ
ュータは低域微分値TF2を基準値TJ2と比較する。
【0010】サンルーフコンピュータはTF2>TJ2
と判断すると、判定カウンタのカウンタ数NC2を判定
値NK2と比較する。そして、カウンタ数NC2が判定
値NK2以上となったとき、サンルーフコンピュータは
サンルーフ装置に異物が挟み込まれたと判断し、全閉方
向に移動中のサンルーフ装置のルーフガラスを直ちに全
開方向に移動させ、サンルーフ装置に挟み込まれた異物
を開放する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両が悪路
走行等を行うと、車体に振動が生じるが、この振動によ
っても、直流モータの回転周期が変動する。
【0012】そして、上記従来の異物挟み込み検出装置
では、悪路走行等によって振動が生じている場合でも、
8つの負荷判定用回転周期からなるTASとTCSとの
差である低域微分値TF2が正(TF1>0)であれ
ば、カウンタ数NC2に1を加算してしまうおそれがあ
る。そして、実回転周期tの遅れの原因が車体の振動で
あるにもかかわらず、カウンタ数NC2が判定値NK2
以上になるまで、TF2が正(TF2>0)であり続け
ると、異物挟み込みが生じているという誤った判断がさ
れ、サンルーフコンピュータは、直流モータを誤って反
転させてしまう。
【0013】また、判定値NK2を小さくすることによ
り、異物が挟み込まれたときに異物にかかる荷重の限界
値を小さくしようとすると、判定カウンタのカウンタ数
NC2が判定値NK2以上となるまでの間の余裕が更に
減少するため、振動による誤検出の可能性が更に高くな
る。
【0014】この傾向は、サンルーフ装置に比較して、
悪路走行等の影響を受けやすいパワーウィンドウ装置に
おいて特に顕著である。本発明は、上記問題点を解決す
るためになされたものであって、その目的は、振動等に
よる誤検出を防止することができる開閉部材の異物挟み
込み検出方法及び開閉部材の異物挟み込み検出装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、開閉部材を開閉動作さ
せる駆動モータの実回転周期から、前記駆動モータの駆
動電圧の変化による変動分を補正して、前記駆動モータ
の負荷判定用回転周期を求め、前記負荷判定用回転周期
を、時系列的に少なくとも2つのグループに分類し、そ
のグループ毎にそれぞれの前記負荷判定用回転周期を加
算した合計値を求め、そのグループ毎の合計値の偏差を
求めるとともに、前記偏差と第1の基準値とを比較させ
その第1の基準値を超える毎に、その超えた回数を判定
カウンタにてカウントさせ、第1の基準値以下になる毎
に、前記判定カウンタの内容をリセットさせ、前記判定
カウンタの内容が判定値に到達した時、前記開閉部材に
異物が挟み込まれていると判断するようにした開閉部材
の異物挟み込み検出方法において、前記負荷判定用回転
周期の少なくとも2つから最新の偏差を求め、前記最新
の偏差を第2の基準値と比較させその第2の基準値を超
えているとき、前記判定カウンタのカウント動作を可能
にし、第2の基準値以下のとき、前記判定カウンタのカ
ウント動作を少なくとも禁止するようにしたことを要旨
とする。
【0016】請求項2に記載の発明は、開閉部材を開閉
動作させる駆動モータの実回転周期から、前記駆動モー
タの駆動電圧の変化による変動分を補正して、前記駆動
モータの負荷判定用回転周期を検出する回転周期検出手
段と、前記負荷判定用回転周期を、時系列的に少なくと
も2つのグループに分類し、そのグループ毎にそれぞれ
の前記負荷判定用回転周期を加算した合計値を求め、そ
のグループ毎の合計値の偏差を長期的偏差としてその時
々で演算し求める長期的偏差演算手段と、前記長期的偏
差を第1の基準値と比較させその第1の基準値を超える
毎に、その超えた数を判定カウンタにてカウントさせ、
第1の基準値以下になる毎に、前記判定カウンタの内容
をリセットさせる計数手段と、前記判定カウンタの内容
が判定値に到達した時、前記開閉部材に異物が挟み込ま
れていると判断する挟み込み決定手段とからなる開閉部
材の異物挟み込み検出装置において、前記負荷判定用回
転周期の少なくとも2つから最新の偏差を短期的偏差と
してその時々で演算し求める短期的偏差演算手段と、前
記短期的偏差を第2の基準値と比較させその第2の基準
値を超えているとき、前記計数手段による前記カウント
動作を可能にし、第2の基準値以下のとき、前記計数手
段による前記カウント動作を少なくとも禁止する計数制
御手段とを備えたことを要旨とする。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の開閉部材の異物挟み込み検出装置において、前記短期
的偏差演算手段は、前記回転周期検出手段により検出さ
れた最新の負荷判定用回転周期とその最新の負荷判定用
回転周期より半周期前又は1周期前に検出された負荷判
定用回転周期との偏差を演算することにより前記短期的
偏差を求めることを要旨とする。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の開閉部材の異物挟み込み検出装置において、前
記計数手段は、前記長期的偏差が第1の基準値を超える
毎に、その超えた数を判定カウンタにて加算カウントさ
せるものであり、前記計数制御手段は、前記短期的偏差
が第2の基準値以下のとき、前記計数手段による判定カ
ウンタの加算動作を禁止しその判定カウンタの内容を維
持又は減算させるものであることを要旨とする。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の
いずれか1つに記載の開閉部材の異物挟み込み検出装置
において、前記開閉部材は、自動車の側面に設けられた
ドアのウィンドウガラスであり、前記駆動モータはその
ウィンドウガラスを開閉する直流モータであり、その直
流モータに印加される駆動電圧は自動車に搭載されたバ
ッテリーの電源電圧であって、そのバッテリーの電源電
圧は他の電気機器にも供給されていることを要旨とす
る。
【0020】(作用)請求項1及び2に記載の発明によ
れば、駆動モータの負荷判定用回転周期から、長期的偏
差と短期的偏差を求め、長期的偏差が第1の基準値を超
え、短期的偏差が第2の基準値を超えると判定カウント
をカウント動作させるようにした。また、長期的偏差が
第1の基準値を超えないときには、判定カウンタの内容
をリセットさせ、長期的偏差が第1の基準値を超えて
も、短期的偏差が第2の基準値を超えないときには、判
定カウンタの動作を少なくとも禁止させるようにした。
そして、判定カウンタの内容が予め定めた判定値に到達
すると、開閉部材に異物が挟み込まれていると判断する
ようにした。
【0021】従って、開閉部材に異物が挟み込まれてい
る場合には、駆動モータの負荷判定用回転周期が長期的
に徐々に大きくなるが、この状態は、長期的偏差によっ
て判断される。加えて、悪路走行等によって車両に振動
が生じている場合には、駆動モータの負荷判定用回転周
期は短期的に大小に変動するが、この状態は短期的偏差
によって判断される。
【0022】その結果、悪路走行等による振動によって
負荷判定用回転周期が長期的に徐々に大きくなり、長期
的偏差により開閉部材に異物が挟み込まれていると誤っ
た判断がされても、短期的偏差によって、異物挟み込み
とは異なる性質の負荷判定用回転周期の変動であると判
断することができる。従って、振動等による誤判断が減
少することができ、検出限界荷重値を小さくして、精度
の高い開閉部材の異物挟み込み検出を行うことができ
る。
【0023】請求項3に記載の発明によれば、短期的偏
差は、最新の負荷判定用回転周期と、その最新の負荷判
定用回転周期より半周期前又は1周期前に検出された負
荷判定用回転周期との偏差として求めるようにした。
【0024】従って、短期的偏差は、非常に微小な時間
における偏差となり、悪路走行時の振動のように、非常
に微小な時間で駆動モータの負荷に変動を生じさせる振
動を、異物挟み込みではないと判定するのに最適な偏差
となり、精度の高い開閉部材の異物挟み込み検出を行う
ことができる。
【0025】請求項4に記載の発明によれば、計数手段
は、長期的偏差と短期的偏差とが共に、時間変化に伴っ
て大きくなる傾向を表していると判断するとカウンタ数
を加算するようにした。また、長期的偏差が時間変化に
伴って不変もしくは小さくなる傾向を表していると判断
するとカウンタ数をリセットし、短期的偏差が時間変化
に伴って不変もしくは小さくなる傾向を表していると判
断するとカウンタ数を維持又は減算するようにした。
【0026】従って、短期的偏差が時間変化に伴って不
変もしくは小さくなる傾向を表す時に、カウンタ数を維
持又は減算し、リセットしないようにしたので、悪路走
行等による振動と、異物の挟み込みとが同時に起きてい
る場合にも、挟み込み決定処理手段は速やかに異物の挟
み込みであると判断することができる。
【0027】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
に記載の開閉部材の異物挟み込み検出装置と同様に、挟
み込み決定手段が、長期的偏差により誤って開閉部材に
異物が挟み込まれていると判断しても、短期的偏差によ
って、異物挟み込みとは異なる性質の負荷判定用回転周
期の変動であると判断することができる。従って、振動
等による誤判断が減少することができ、検出限界荷重値
を小さくして、精度の高い開閉部材の異物挟み込み検出
を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、自動車に装備し
たパワーウィンドウ装置に具体化した一実施形態を図1
〜図8に従って説明する。
【0029】図1はパワーウィンドウ装置を装備した自
動車11の要部斜視図であって、自動車11の側面には
ドア12が設けられている。このドア12には窓13が
設けられており、同窓13は、ドア12に設けられてい
るウィンドウガラス14によって開閉されるようになっ
ている。同ウィンドウガラス14は、上下方向に往復移
動可能に配設されている。窓13を開ける場合には、ウ
ィンドウガラス14を下方に移動(往動)させ、窓13
を閉める場合にはウィンドウガラス14を上方へ移動
(復動)させる。
【0030】ウィンドウガラス14の往復動(開閉動
作)は、図1に破線で示す直流モータ15を正逆回転さ
せることによって行われる。本実施形態では、同モータ
15が正回転すると、図示しない駆動伝達機構を介して
ウィンドウガラス14は窓13を全開する方向(全開方
向)に移動(往動)する。反対に、モータ15が逆回転
すると、駆動伝達機構を介してウィンドウガラス14は
窓13を全閉する方向(全閉方向)に移動(復動)す
る。この時、直流モータ15の回転速度NS1はウィン
ドウガラス14の移動速度、即ち開閉速度と相対関係に
ある。この直流モータ15は、前記窓13の下方、ドア
12の内部において、図示しないドアモジュールに固設
されている。
【0031】図2は、前記直流モータ15を駆動制御す
るパワーウィンドウ装置の電気的構成を説明するための
電気ブロック回路を示す。図2において、パワーウィン
ドウ装置は、直流モータ15、入力装置16及びモータ
制御用電子制御装置(モータ制御ECU)17を備えて
いる。
【0032】入力装置16はアップスイッチSW1及び
ダウンスイッチSW2を備えており、両スイッチSW
1,SW2のオン・オフ信号はモータ制御ECU17に
出力される。スイッチSW1,SW2はドア12の車室
側の図示しないインナパネルに設けられている。アップ
スイッチSW1は、同スイッチSW1をオン操作してい
る間だけウィンドウガラス14を閉まる方向に作動させ
るためのスイッチである。ダウンスイッチSW2は、同
スイッチSW2をオン操作している間だけウィンドウガ
ラス14を開ける方向に作動させるためのスイッチであ
る。
【0033】前記モータ制御ECU17は、長期的偏差
演算手段及び、短期的偏差演算手段、計数手段、挟み込
み決定手段、計数制御手段としてのCPU18を備えて
いる。また、モータ制御ECU17は、同CPU18に
加えて、入力インターフェース19、出力インターフェ
ース21、定電圧電源回路22、駆動回路23及びホー
ルIC24,25、フィルタ回路34を備えている。
【0034】入力インターフェース19は、前記各スイ
ッチSW1,SW2のオン・オフ信号を入力しCPU1
8に出力する。定電圧電源回路22は、自動車に搭載さ
れたバッテリーBTに接続され、駆動電圧としてのバッ
テリーBTの駆動電圧VBから前記CPU18及びホー
ルIC24,25の動作電源電圧を生成する。この生成
された動作電源電圧はCPU18及びホールIC24,
25に印加される。
【0035】又、このバッテリーBTの駆動電圧VB
は、自動車に装備した図示ないサンルーフ装置、エアコ
ン装置、シート調整装置、ワイパー装置等の各種駆動モ
ータに印加されている。
【0036】CPU18は、本実施形態では内部に記憶
手段としてのROM18a及びRAM18bを内蔵す
る。ROM18aは制御プログラム及び各種データを記
憶し、CPU18は同制御プログラムに従って種々の演
算処理を行う。また、RAM18bは、CPU18の演
算処理結果等の各種データを一時記憶する読み出し及び
書き換え可能なメモリである。
【0037】CPU18は、スイッチSW1,SW2の
オン・オフ信号に基づいて直流モータ15の駆動制御の
処理等を行う。つまり、CPU18は、アップスイッチ
SW1からオン信号を入力インターフェース19を介し
て入力すると、ウィンドウガラス14を閉める方向に作
動させるために前記直流モータ15を逆転駆動させる逆
転信号を生成し、出力インターフェース21に出力す
る。又、CPU18は、ダウンスイッチSW2からオン
信号を入力インターフェース19を介して入力すると、
ウィンドウガラス14を開ける方向に作動させるために
前記直流モータ15を正転駆動させるための正転信号を
生成し、出力インターフェース21に出力する。
【0038】尚、アップスイッチSW1又はダウンスイ
ッチSW2からの信号がオン信号からオフ信号になる
と、CPU18は、作動しているウィンドウガラス14
をその場で停止させるために前記直流モータ15を停止
させるための停止信号を生成し出力インターフェース2
1に出力する。
【0039】前記駆動回路23は、前記CPU18から
の正転信号、逆転信号及び停止信号に基づいて直流モー
タ15に印加するバッテリーBTの駆動電圧VBの供給
向き又は駆動電圧VBの遮断を行い同モータ15を正逆
回転又は停止させる回路である。駆動回路23は、第1
リレー回路27と第2リレー回路28とを備えている。
【0040】第1リレー回路27は、第1励磁コイル2
9と第1リレースイッチ31とを備えている。第1励磁
コイル29は一端が前記バッテリーBTのプラス端子に
接続され、他端が前記出力インターフェース21を介し
てバッテリーBTのマイナス端子に接続されている。そ
して、前記CPU18から出力インターフェース21に
正転信号が出力されると、第1励磁コイル29は出力イ
ンターフェース21によって励磁状態となる。反対に、
CPU18から出力インターフェース21に逆転信号又
は停止信号が出力されると、第1励磁コイル29は出力
インターフェース21によって非励磁状態となる。
【0041】第1リレースイッチ31は、バッテリーB
Tのプラス端子に接続されたプラス側接点、バッテリー
BTのマイナス端子に接続されたマイナス側接点及び直
流モータ15の一端と接続された可動端子とを有してい
る。可動端子は、第1励磁コイル29が励磁状態にある
ときプラス側接点と接続し、直流モータ15の一端とバ
ッテリーBTのプラス端子とを電気的に接続する。反対
に、可動端子は、第1励磁コイル29は非励磁状態にあ
るときマイナス側接点と接続し、直流モータ15の一端
とバッテリーBTのマイナス端子とを電気的に接続す
る。
【0042】第2リレー回路28は、第2励磁コイル3
2と第2リレースイッチ33とを備えている。第2励磁
コイル32は一端が前記バッテリーBTのプラス端子に
接続され、他端が前記出力インターフェース21を介し
てバッテリーBTのマイナス端子に接続されている。そ
して、前記CPU18から出力インターフェース21に
逆転信号が出力されると、第2励磁コイル32は出力イ
ンターフェース21によって励磁状態となる。反対に、
CPU18から出力インターフェース21に正転信号又
は停止信号が出力されると、第2励磁コイル32は出力
インターフェース21によって非励磁状態となる。
【0043】第2リレースイッチ33は、バッテリーB
Tのプラス端子に接続されたプラス側接点、バッテリー
BTのマイナス端子に接続されたマイナス側接点及び直
流モータ15の他端と接続された可動端子とを有してい
る。可動端子は、第2励磁コイル32が励磁状態にある
ときプラス側接点と接続し、直流モータ15の他端とバ
ッテリーBTのプラス端子とを電気的に接続する。反対
に、可動端子は、第2励磁コイル32は非励磁状態にあ
るときマイナス側接点と接続し、直流モータ15の他端
とバッテリーBTのマイナス端子とを電気的に接続す
る。
【0044】つまり、CPU18から出力インターフェ
ース21に正転信号が出力されると、駆動回路23は、
直流モータ15の一端が第1リレー回路27を介してバ
ッテリーBTのプラス端子に、他端が第2リレー回路2
8を介してバッテリーBTのマイナス端子にそれぞれ電
気的に接続されるようにする。そして、同モータ15を
正転駆動させる。又、CPU18から出力インターフェ
ース21に逆転信号が出力されているとき、駆動回路2
3は、直流モータ15の一端が第1リレー回路27を介
してバッテリーBTのマイナス端子に、他端が第2リレ
ー回路28を介してバッテリーBTのプラス端子にそれ
ぞれ電気的に接続されるようにする。そして、同モータ
15を逆転駆動させる。
【0045】さらに、CPU18から出力インターフェ
ース21に停止信号が出力されているとき、駆動回路2
3は、直流モータ15の一端及び他端がそれぞれ第1リ
レー回路27及び第2リレー回路28を介してバッテリ
ーBTのマイナス端子にそれぞれ電気的に接続されるよ
うにして同モータ15を停止させている。
【0046】また、CPU18は、直流モータ15の回
転速度NS1を検出するホールIC24,25からの検
出信号PS1,PS2を入力するようになっている。ち
なみに、全閉動作中にウィンドウガラス14に異物が挟
まって直流モータ15に負荷がかかったり、直流モータ
15に供給される駆動電圧VBの値が下がったり、悪路
走行等により発生する振動にて直流モータ15に負荷が
かかったときには、該モータ15の回転速度NS1は小
さくなる。回転速度NS1が小さくなると、相対的に検
出信号PS1,PS2の周期は大きくなる。
【0047】又、図2に示すように、CPU18は、フ
ィルタ回路34を介してバッテリーBTに接続されてい
る。フィルタ回路34は抵抗35とコンデンサ36の直
列回路にて構成され、抵抗35の一端がバッテリーBT
のプラス端子に、コンデンサ36の一端がバッテリーB
Tのマイナス端子に接続されている。そして、コンデン
サ36の充電電圧、即ち抵抗35とコンデンサ36の接
続点の電圧は補正用電圧VBFとしてCPU18に出力
される。バッテリーBTの駆動電圧VBの変動に対する
この補正用電圧VBFの変動の推移は、抵抗35とコン
デンサ36の時定数で決まる。図3は駆動電圧VBの変
動に対する補正用電圧VBFの変動を示す図である。抵
抗35とコンデンサ36で決まる時定数は予め決められ
ている。
【0048】詳述すると、前記直流モータ15の回転速
度NS1は、駆動電圧VBが変動すると、変動する。こ
の回転速度NS1の変動は、図3に示すように駆動電圧
VBが9ボルトから12ボルトの急激に変動しても12
ボルトに対する回転速度NS1に直ちに到達しない。あ
る一定の時間遅れて12ボルトに対する回転速度NS1
に到達する。同様に、駆動電圧VBが12ボルトから9
ボルトの急激に変動しても9ボルトに対する回転速度N
S1に直ちに到達しない。ある一定の時間遅れて9ボル
トに対する回転速度NS1に到達する。
【0049】そして、この変動後の駆動電圧VBに対す
る回転速度NS1に到達するまでの回転速度NS1の変
動の推移と、前記駆動電圧VBに対する補正用電圧VB
Fの変動の推移が相対的に一致するように、抵抗35と
コンデンサ36の値を決定している。
【0050】従って、駆動電圧VBの変動に対する前記
直流モータ15の回転速度NS1の変動の推移は、電圧
VBFの変動の推移と一致することになる。その結果、
電圧VBFの値をみることにより、その時々で駆動電圧
VBが変動してもその変動に対する直流モータ15の回
転速度NS1が常時正確にわかることになる。
【0051】つまり、本実施形態の直流モータ15は、
図4に示す各駆動電圧VB毎のトルクTRに対する回転
速度NS1の特性のように、トルクTRの変動に対する
回転速度NS1の変動割合は供給される駆動電圧VBの
大きさに関係なく一定となるモータが使用されている。
【0052】言い換えれば、トルクTRの変動に対する
回転速度NS1の変動量は、駆動電圧VBの変動に対す
る回転速度NS1とは独立して考えることができる。従
って、回転速度NS1が変動したとき、その時の補正用
電圧VBFに対する回転速度の変動分にてその時の回転
速度NS1を補正することにより、その補正後に得られ
る回転速度NS1の変動量は、トルクTRの変動、即ち
モータ15にかかる負荷の変動に起因する量となる。
【0053】本実施形態では、駆動電圧VBの変動に対
する直流モータ15の回転速度NS1の変動の推移と一
致した推移で変動する補正用電圧VBFに対するモータ
の回転速度NS1のデータを予め用意している。そし
て、補正用電圧VBFに対するモータの回転速度NS1
のデータは、実回転周期tの変動分としての周期補正値
Δtのデータというかたちにしている。
【0054】周期補正値Δtは基準電圧としての16ボ
ルトの補正用電圧VBFを基準に設定されている。補正
用電圧VBFが16ボルト時の周期補正値Δtを0とし
て、補正用電圧VBFが16ボルトから下がるほど周期
補正値Δtの値を正の大きな値に設定している。そし
て、本実施形態では、電圧VBFに対する周期補正値Δ
tの値は予め実験で求めたものを使用し、その補正用電
圧VBFに対する周期補正値ΔtのデータはCPU18
内のROM18aに記憶させている。そして、CPU1
8は、その時々の補正用電圧VBFと16ボルトの電圧
を比較して、その時の周期補正値Δtを求めるようにな
っている(補正値演算処理)。
【0055】そして、CPU18は、以下に説明するよ
うに、周期補正値Δtを使って前記ホールIC24から
出力される検出信号PS1の実回転周期tを補正して、
実回転周期tの駆動電圧VBの変動に基づく実際の変動
分が除去された負荷判定用回転周期T(実回転周期t−
Δt)を抽出するようになっている。
【0056】又、CPU18は長期的偏差演算手段及
び、短期的偏差演算手段、計数手段、挟み込み決定手
段、計数制御手段を構成し、前記補正用電圧VBF及び
前記検出信号PS1に基づいて異物挟み込み検出処理動
作を実行する。
【0057】つまり、CPU18は直流モータ15が逆
回転中(ウィンドウガラス14が全閉方向に移動中)に
制御プログラムに従って異物挟み込み検出処理を実行す
る。その異物挟み込み検出処理には、電圧変動分補正処
理と、外乱判定処理、回転速度変動演算処理、挟み込み
決定処理とからなる。 [電圧変動分補正処理]電圧変動分補正処理は、回転周
期演算処理と回転周期補正処理とがある。
【0058】1.回転周期演算処理 CPU18は、ホールIC24からの検出信号PS1を
逐次演算し、RAM18bに記憶する。詳述すると、C
PU18は、図6に示すように、検出信号PS1につい
て、該信号SPがHレベルからLレベルに立ち下がる毎
に、先の立ち下がりから今回の立ち下がりまでの時間t
(図6では、実回転周期t1,t3,t5,・・)を演
算する。さらに、CPU18は、該検出信号PS1がL
レベルからHレベルに立ち上がる毎に、先の立ち上がり
から今回の立ち下がりまでの時間t(図6では実回転周
期t2,t4,t6,・・)を演算する。
【0059】2.回転周期補正処理 回転周期補正処理は、以下のように行われる。CPU1
8は、検出信号PS1が立ち下がる毎に、その時のフィ
ルタ回路34の補正用電圧VBFに対する周期補正値Δ
tをROM18aから読み出す(補正値演算処理)。そ
して、CPU18は前記検出信号PS1が立ち下がる毎
に回転周期演算処理で求められた最新の立ち下がりから
立ち下がりの実回転周期tから該周期補正値Δtを減算
し補正処理後の負荷判定用回転周期T(=t−Δt)を
求める。
【0060】同様に、CPU18は、検出信号PS1が
立ち上がる毎にその時のフィルタ回路34の補正用電圧
VBFに対する周期補正値ΔtをROM18aから読み
出す(補正値演算処理)。そして、CPU18は前記検
出信号PS1が立ち上がる毎に回転周期演算処理で求め
られた最新の立ち上がりから立ち上がりの実回転周期t
から、該周期補正値Δtを減算し負荷判定用回転周期T
(=t−Δt)を求める。
【0061】このように補正処理された補正後の負荷判
定用回転周期Tは、実際の回転速度NS1の駆動電圧V
Bの変動に対する実際の変動分を除去した回転周期とな
る。つまり、駆動電圧VBの変動に対する、直流モータ
15の実際の回転速度NS1が変動する推移と一致した
推移で変動する補正用電圧VBFを検出し、その補正用
電圧VBFに対するモータの回転速度NS1、即ち、回
転周期に基づく周期補正値Δtを使用して負荷判定用回
転周期Tが求められている。
【0062】従って、負荷判定用回転周期Tは、駆動電
圧VBの変動に対する直流モータ15の回転速度NS1
の変動の推移に合致した回転速度NS1の実際の変動分
を除去した後の回転周期となる。
【0063】詳述すると、駆動電圧VBが12ボルトか
ら9ボルトに直ちに立ち下がる変動をすると、図5に示
すように、フィルタ回路34の補正用電圧VBFの変動
する推移は、該駆動電圧VBの変動に対するモータ15
の実際の回転速度NS1の変動の推移と一致する。例え
ば、駆動電圧VBが12ボルトから9ボルトに直ちに立
ち下がった場合、図5において補正用電圧VBFは駆動
電圧VBの変動に対するモータ15の回転速度NS1が
変動する推移と一致するため、検出信号PS1の実回転
周期t1,t2・・はその変動分が除去される。従っ
て、直流モータ15に対して負荷の変動がなく駆動電圧
VBのみ変動があった場合には、図5に示す検出信号P
S1の実回転周期t1,t2,…は同じ終始一定の回転
周期(負荷判定用回転周期T1,T2,…)の波形に補
正される。
【0064】因みに、直接、駆動電圧VBを検出して周
期補正値Δtを求め、その周期補正値Δtにて補正して
求めた回転周期は、モータ15に負荷の変動がなく電圧
VBのみ変動がある場合に、変動直後に補正後の検出信
号PS1の回転周期が急激に長くなる。従って、駆動電
圧VBの変動に対する回転速度NS1の実際の変動分が
正確に除去されない。
【0065】そして、立ち上がり及び立ち下がり毎に、
求められた最新の負荷判定用回転周期T(=t−Δt)
がRAM18bに最新のものから順に負荷判定用回転周
期T1(=t1−Δt),T3(=t3−Δt),…,
T2(=t2−Δt),T4(=t4−Δt),…とし
て記憶される。
【0066】本実施形態では、図6に示すように検出信
号PS1が立ち下がると、立ち下がりから立ち下がりま
での負荷判定用回転周期T1,T3,T5,…は、最新
の負荷判定用回転周期T1から数えて9番目の負荷判定
用回転周期T17まで合計9個の負荷判定用回転周期T
1,T3,…,T15,T17が記憶される。又、立ち
上がりから立ち上がりまでの負荷判定用回転周期T2,
T4,T6,…は、最新の負荷判定用回転周期T2から
数えて9番目の負荷判定用回転周期T18まで計9個の
負荷判定用回転周期T2,T4,…T16,T18が記
憶される。
【0067】そして、次に検出信号PS1が立ち上がる
と、前の立ち上がりから新たな立ち上がりまでの負荷判
定用回転周期T1が演算されると、今までの18個の負
荷判定用回転周期T1〜T18は、一つ古い負荷判定用
回転周期として順次更新されていく。この時、最も古い
18番目の負荷判定用回転周期T18は消去される。従
って、合計18個の負荷判定用回転周期T1,T3,…
T17、T2,T4,…T18がRAM18bに記憶さ
れ、立ち上がり又は立ち下がりがあるたび毎に更新され
る。
【0068】CPU18は、RAM18bに記憶された
18個の補正後の回転周期T1,T2〜T18を使用し
て外乱判定処理を行う。この判定処理は18個の負荷判
定用回転周期T1〜T18が更新される毎に行われる。 [外乱判定処理]RAM18bに記憶された18個の負
荷判定用回転周期T1〜T18は、駆動電圧VBの変動
に対する回転速度NS1の実際の変動分が除去されたそ
の時々の回転周期である。従って、このRAM18bに
記憶された18個の負荷判定用回転周期T1〜T18に
は、直流モータ15に加わる負荷の変動に対する回転速
度NS1の変動を含んでいる。
【0069】直流モータ15に加わる負荷には、ウィン
ドウガラス14を全閉方向に作動中に異物等が挟まって
直流モータ15にかかる負荷や、悪路走行時に車両に加
わる振動等の負荷や、その他の外乱によって直流モータ
15に加わる負荷がある。外乱判定処理は、18個の負
荷判定用回転周期T1〜T18を用いて、直流モータ1
5に負荷が加わっているか否かを判定する処理である。
【0070】外乱判定処理は、低域微分演算処理と挟み
込み傾向判定処理とがある。 1.低域微分演算処理 CPU18は、18個の負荷判定用回転周期T1〜T1
8を、3つのグループA,B,Cに区分する。第1グル
ープAは、4個の立ち上がりの負荷判定用回転周期T
1,T3,T5,T7と、4個の立ち下がりの負荷判定
用回転周期T2,T4,T6,T8とからなる。第2グ
ループBは、4個の立ち上がりの負荷判定用回転周期T
7,T9,T11,T13と、4個の立ち下がりの負荷
判定用回転周期T6,T8,T10,T12とからな
る。第3グループCは、4個の立ち上がりの負荷判定用
回転周期T11,T13,T15,T17と、4個の立
ち下がりの負荷判定用回転周期T12,T14,T1
6,T18とからなる。
【0071】CPU18は第1グループAの8個の負荷
判定用回転周期T1〜T8から第1グループAにおける
下記の式で求まる変動値としての低域微分値TAFを演
算する。
【0072】TAF=(T1+T2+T3+T4)−
(T5+T6+T7+T8) 同様に、CPU18は第2グループBの8個の負荷判定
用回転周期T8〜T13及び第3グループCの8個の負
荷判定用回転周期T11〜T18から、それぞれ第2及
び第3グループB,Cにおける下記の式で求まる変動値
としての低域微分値TBF,TCFを演算する。
【0073】TBF=(T6+T7+T8+T9)−
(T10+T11+T12+T13) TCF=(T11+T12+T13+T14)−(T1
5+T16+T17+T18) この低域微分値TAF,TBF,TCFは、式から明ら
かなように、回転毎の負荷判定用回転周期の偏差を求め
る式である。
【0074】そして、第1グループAにおける低域微分
値TAFは、最も新しい時期の負荷判定用回転周期の偏
差であり、第2グループBにおける低域微分値TBF
は、第1グループAの次に新しい時期の負荷判定用回転
周期の偏差である。そして、第3グループCにおける低
域微分値TCFは、第2グループBの次に新しい時期の
負荷判定用回転周期の偏差である。
【0075】従って、低域微分値TAF,TBF,TC
Fが正の値となると、各時期において、回転速度NS1
が何らかの負荷により遅くなったことを意味する。尚、
CPU18は上記低域微分値TAF,TBF,TCFと
ともに、後記する回転速度変動演算処理に使用する第1
及び第2グループA,Cにおける合計値TAS,TCS
を求めるための合計計算処理を行う。各グループA,C
における合計値TAS,TCSは、第1及び3グループ
A,Cの各8個の負荷判定用回転周期を用いて下記の式
から求める。
【0076】TAS=(T1+T2+T3+T4)+
(T5+T6+T7+T8) TCS=(T11+T12+T13+T14)+(T1
5+T16+T17+T18) CPU18は、低域微分値TAF,TBF,TCFと合
計値TAS,TCSを求めると、低域微分演算処理を終
了し挟み込み傾向判定処理に移る。 2.挟み込み傾向判定処理 挟み込み傾向判定処理は、前記低域微分値TAF,TB
F,TCFがその低域微分値TAF,TBF,TCFに
対するしきい値TM1,TM2,TM3より大きいかど
うかで判断する。
【0077】即ち、TAF>TM1、TBF>TM2、
且つ、TCF>TM3、の条件を満たすかどうか判断す
る。しきい値TM1,TM2,TM3は、予め実験等で
求めた値である。すなわち、振動等の外乱での負荷より
大きい負荷の、即ち異物がウィンドウガラス14に挟さ
み込まれた時においてその初期にかかる負荷に対して回
転速度NS1が遅くなった時に得られる低域微分値TA
F,TBF,TCFをしきい値TM1,TM2,TM3
としている。
【0078】従って、外乱等の負荷で生じる微分値TA
F,TBF,TCFはそれぞれしきい値TM1,TM
2,TM3以下となる。そして、このしきい値TM1,
TM2,TM3は予めROM18aに記憶されている。
従って、その時々で求められた低域微分値TAF,TB
F,TCFが対応するしきい値TM1,TM2,TM3
よりも大きい場合は、各グループA〜Cの時期におい
て、何らかの原因でウィンドウガラス14に負荷、即ち
直流モータ15にかかる負荷が発生したことになる。
【0079】CPU18は、前記条件を満たし、各時期
において直流モータ15にかかる負荷が増大したと判断
されると、第1グループAにおける低域微分値TAFと
第3Cグループにおける低域微分値TCFを比較して負
荷が増大しているかどうか判断する。そして、低域微分
値TAFが低域微分値TCFより大きい時、即ち、TA
F>TCFとなる時、全閉方向に移動しているウィンド
ウガラス14が異物を挟み込んでいく傾向にあると判定
する。つまり、古い時期の第3グループCの低域微分値
TCFより最新時期の第1グループAの低域微分値TA
Fが大きいということは、ウィンドウガラス14が異物
の挟み込み開始して次第に負荷を増大して行く傾向と同
じ傾向であるからである。
【0080】ウィンドウガラス14が異物を挟み込んで
いく傾向にあると判定すると、CPU18は回転速度変
動演算処理に移る。又、上記、TAF>TM1、TBF
>TM2、且つ、TCF>TM3、の条件、及び、TA
F>TCFを満たさなかった時には、ウィンドウガラス
14が異物を挟み込んでいく傾向ではなく何らかの外乱
によって回転速度NS1が変動したものと判定(外乱判
定)して、CPU18は回転速度変動演算処理に移る。
【0081】次に、上記の回転速度変動演算処理につい
て、図7に示すフローチャートに従って説明する。 [回転速度変動演算処理]CPU18は、外乱判定処理
の挟み込み傾向判定処理においてウィンドウガラス14
が異物を挟み込んでいく傾向と判断すると、前記合計計
算処理で行った第1グループAと第3グループCにおけ
る合計値TAS,TCSを使用し、新たな長期的偏差と
しての低域微分値TF1を求める(ステップ1)。この
とき、CPU18は、合計値TAS,TCSを下記の式
に代入して低域微分値TF1を求める。
【0082】 TF1=TAS−TCS =(T1+T2+T3+T4+T5+T6+T7+T8) −(T11+T12+T13+T14+T15+T16+T17+T18) この低域微分値TF1は、第3グループCという第2グ
ループBより前の補正後の回転速度NS1と第1グルー
プAという最新時期の補正後の回転速度NS1とを比較
することにより求められ、その回転速度NS1の変動分
に相当する周期変動分の値である。従って、低域微分値
TF1が第1の基準値としての「0」を超えて正(TF
1>0)ならば、駆動電圧VBの変動以外で回転速度N
S1が遅くなっていることを意味する。
【0083】CPU18は、低域微分値TF1が「0」
又は負(TF1<0)であると判断すると(ステップS
2でNO)、駆動電圧VBの変動以外に起因する回転速
度NS1の遅れはないと判断し、低域微分値TF1を
「0」にする。
【0084】同様に、CPU18は、前記外乱判定処理
の判定処理にて外乱判定と判定された時、低域微分値T
F1を「0」にする。そして、CPU18は、低域微分
値TF1を「0」にしたときは、カウンタ数NC1を
「0」にリセットし、処理を終了する(ステップS
3)。
【0085】また、CPU18は、低域微分値TF1が
正(TF1>0)であると判断すると(ステップS2で
YES)、駆動電圧VBの変動以外の理由により回転速
度NS1が遅くなっていると判断する。そして、CPU
18は駆動電圧VBの変動以外の理由による回転速度N
S1の遅れが、異物挟み込みによる遅れであるかどうか
を判定するために次の処理を行う。
【0086】異物挟み込みが起きている場合には、回転
速度NS1は徐々に小さくなっているので、最新の負荷
判定用回転周期T1はその前の負荷判定用回転周期T2
に比較して必ず大きくなっている。これに対して、悪路
走行時などによる回転速度NS1の遅れの場合は、グル
ープで比較する前記低域微分値TF1が正(TF1>
0)であっても、最新の負荷判定用回転周期T1は、そ
の1つ前の負荷判定用回転周期T2と比較して必ずしも
大きくなるとは限らない。
【0087】従って、CPU18は、下記の式に代入し
て新たな短期的偏差としての低域微分値TNを求める
(ステップ4)。 TN=T1−T2 そして、CPU18は、この低域微分値TNが第2の基
準値としての「0」を超えて正(TN>0)でないと判
断すると(ステップS5でNO)、駆動電圧VBの変動
以外に起因する回転速度NS1の遅れは、異物挟み込み
による遅れではないと判断する。そしてCPU18は、
CPU18に内蔵された判定カウンタのカウンタ数NC
1の値を変化させずに処理を終了する。
【0088】また、CPU18が、この低域微分値TN
が正(TN>0)であると判断すると(ステップS5で
YES)、駆動電圧VBの変動以外に起因する回転速度
NS1の遅れは、異物挟み込みによる遅れであると判断
する。そして、CPU18は、内蔵する判定カウンタの
カウンタ数NC1の値に「1」を加算して処理を終了す
る(ステップS6)。従って、低域微分値TF1,TN
が求められそれらの値が共に正(TF1>0,TN>
0))ならば、判定カウンタのカウンタ数NC1は順次
加算されていくことになる。
【0089】続いて、CPU18は、低域微分値TF1
を予め用意された基準値TJ1と比較する。この基準値
TJ1は、予め実験等で求めた値であって、異物がウィ
ンドウガラス14に挟さみ込まれた時においてそのかか
る負荷に対して回転速度NS1が遅くなった時に得られ
た低域微分値TF1を基準値TJ1としている。この基
準値TJ1は予めROM18aに記憶されている。従っ
て、その時々で求められた低域微分値TF1が基準値T
J1よりも大きい場合は、ウィンドウガラス14にかか
る負荷、即ち直流モータ15にかかる負荷が異物を挟み
込んだ状態と同等の負荷となったことになる。
【0090】CPU18は、前記条件を満たし、直流モ
ータ15にかかる負荷が異物を挟み込んだ状態と同等の
負荷となったと判断されると、CPU18は、挟み込み
決定処理に移る。 [挟み込み決定処理]CPU18は、TF1>TJ1と
判断すると、挟み込み決定処理に移る。TF1>TJ1
と判断すると、CPU18は前記判定カウンタのカウン
タ数NC1を読み出し予め定めた判定値NK1と比較す
る。
【0091】判定値NK1は予め実験等を行って設定す
る値であって、ROM18aに記憶されている。すなわ
ち、ウィンドウガラス14に異物が挟み込まれて、異物
挟み込みであると最初に判定する時の該異物に加えられ
ている荷重の大きさ(検出限界荷重値)により判定値N
K1は決定される。本実施形態では、異物挟み込みの感
度を良くするために、前記検出限界荷重値を小さくし、
判定値NK1を小さく設定している。従って、前記カウ
ンタ数NC1が判定値NK1に到達するまでの余裕度が
小さくなっている。
【0092】そして、CPU18はその時の判定カウン
タのカウンタ数NC1が判定値NK1以上になった時、
ルーフガラス6に異物が挟み込まれたと判定し挟み込み
判定処理を終了する。そして、CPU18は再び次の検
出信号PS1の立ち上がり又は立ち下がりを待って上記
した電圧変動分補正処理、外乱判定処理、回転速度変動
演算処理、挟み込み決定処理からなる異物挟み込み検出
処理を再び実行する。
【0093】反対に、判定カウンタのカウンタ数NC1
が判定値NK1未満の時(NC1<NK1)、ルーフガ
ラス6に異物が挟み込まれたと判定するには時間が短す
ぎ挟み込みではないと判定し判定処理を終了する。そし
て、CPU18は再び次の検出信号PS1の立ち上がり
又は立ち下がりを待って上記した異物挟み込み検出処理
を再び実行する。つまり、図8に示すように、振動等に
よって直流モータ15の負荷が一時的に変動するような
場合は、低域微分値TNが正(TN>0)とならない場
合があるため、判定カウンタのカウンタ数NC1が判定
値NK1に到達するまでに負荷の増加傾向が消失し、判
定カウンタのカウンタ数NC1がリセットされる。従っ
て、悪路走行による振動等によって直流モータ15の負
荷が一時的に変動するような場合は、CPU18はウィ
ンドウガラス14に異物が挟み込まれているといった誤
判定をすることはない。
【0094】尚、CPU18はウィンドウガラス14に
異物が挟み込まれたと判定すると、挟み込み回避処理を
実行する。この挟み込み回避処理は、全閉方向に移動中
のウィンドウガラス14を直ちに全開方向に移動させ
る。つまり、CPU18は、直流モータ15を正回転さ
せるべく、第1励磁コイル29を通電し、第2励磁コイ
ル32を非通電の状態に制御する。従って、ウィンドウ
ガラス14に挟み込まれた異物は、該ガラス14から開
放される。
【0095】次に、上記実施形態で説明したパワーウィ
ンドウ装置の特徴を以下に記載する。 (1)本実施形態では、直流モータ15の負荷判定用回
転周期T1から、低域微分値TF1と低域微分値TNと
を求め、低域微分値TF1と低域微分値TNとが共に正
であると、判定カウンタのカウンタ数NC1を「1」増
加させるようにした。また、低域微分値TF1が負であ
るとカウンタ数NC1をリセットさせ、また、低域微分
値TF1が正で、低域微分値TNが負であるときは、カ
ウンタ数NC1を維持させるようにした。そして、低域
微分値TF1が基準値TJ1に、判定カウンタのカウン
タ数NC1が判定値NK1に到達すると、CPU18は
ウィンドウガラス14に異物が挟み込まれたと判断する
ようにした。
【0096】従って、ウィンドウガラス14に異物が挟
み込まれている場合には、直流モータ15の負荷判定用
回転周期Tが長期的に徐々に大きくなるが、この状態
は、低域微分値TF1によって判断される。加えて、悪
路走行等によって自動車11に振動が生じている場合に
は、直流モータ15の負荷判定用回転周期Tは短期的に
大小に変動するが、この状態は低域微分値TNによって
判断される。
【0097】その結果、悪路走行等による振動によって
負荷判定用回転周期Tが長期的に徐々に大きくなり、低
域微分値TF1によりウィンドウガラス14に異物が挟
み込まれていると誤った判断がされても、低域微分値T
Nによって異物挟み込みとは異なる性質の負荷判定用回
転周期Tの変動であると判断される。
【0098】従って、振動等による誤判断が減少するた
め、検出限界荷重値を小さくして、精度の高いウィンド
ウガラス14の異物挟み込み検出を行うことができる。 (2)低域微分値TNは、最新の負荷判定用回転周期T
1と、その半周期前の負荷判定用回転周期T2との偏差
として求めるようにした。
【0099】従って、低域微分値TNは、非常に微小な
時間における偏差となり、悪路走行時の振動のように、
非常に微小な時間で直流モータ15の負荷に変動を生じ
させる振動を、異物挟み込みではないと判定するのに最
適な偏差となり、精度の高い開閉部材の異物挟み込み検
出を行うことができる。
【0100】(3)CPU18は、低域微分値TF1が
正であっても、低域微分値TNが正でないと判断すると
カウンタ数NC1を変化させないようにした。 従って、低域微分値TNが正でないときにカウンタ数N
C1を変化させないようにしたので、悪路走行等による
振動と異物の挟み込みとが同時に起きている場合にも、
CPU18は速やかに異物の挟み込みであると判断する
ことができる。
【0101】上記実施形態は以下のように変更してもよ
い。 ・上記実施形態では、低域微分値TNは最新の負荷判定
用回転周期T1とその1つ前に検出した負荷判定用回転
周期T2との差で求めるようにしたが、他の負荷判定用
回転周期Tを用いて低域微分値TNを求めるようにして
も良い。例えば、最新の負荷判定用回転周期T1と、そ
の3つ前に検出した負荷判定用回転周期T4との差とし
ても良いし、負荷判定用回転周期T2と負荷判定用回転
周期T3との差で求めるようにしても良い。
【0102】・上記実施形態では、低域微分値TF1が
正で、低域微分値TNが正でないときには、カウンタN
Cを変化させないようにしたが、変化させるようにして
もよい。例えば、低域微分値TF1が正で、低域微分値
TNが正でない時に、カウンタ数NC1を1つ減少させ
るようにし、カウンタ数NC1が判定値NK1を超える
までの余裕度を若干増やすようにしてもよい。
【0103】・上記実施形態ではパワーウィンドウ装置
における異物挟み込み検出装置として説明したが、サン
ルーフ装置、スライドドア装置等の異物挟み込み検出装
置に応用してもよい。さらに、開閉部材がスライド動作
以外の、例えば回動動作で開閉する装置における異物挟
み込み検出装置に応用してもよい。
【0104】・上記実施形態では、駆動電圧VBの変動
に対する直流モータ15の変動推移をフィルタ回路34
によって検出した。これを、CPU18が直接に駆動電
圧VBを検出し、その駆動電圧VBの変動からフィルタ
回路34が出力する補正用電圧VBFと同じ推移の補正
用電圧をCPU18で演算して、即ちソフトウェアで求
めるようにしてもよい。この場合、フィルタ回路34が
不要となるため、より回路構成を簡単にすることができ
る。
【0105】・上記実施形態では、フィルタ回路34
は、駆動電圧VBの変動に対する直流モータ15の変動
推移と相対的に一致する変動推移となる補正用電圧を生
成した。これを、駆動電圧VBの変動に対する直流モー
タ15の変動推移と相対的に近似する変動推移となる補
正用電圧VBFを生成して実施してもよい。この場合に
も、上記実施形態と同様な効果を奏する。
【0106】・上記実施形態では、挟み込み傾向判定処
理において、TAF>TM1,TBF>TM2,TCF
>TM3及びTAF>TCFの条件で挟み込み傾向と判
定した。これをTAF>TCFの条件のみで判定した
り、TAF>TM1,TBF>TM2,TCF>TM3
の条件のみで判定したりするようにしてもよい。又、T
AF,TBF,TCFにそれぞれ別の係数を付加した後
に比較してもよい。
【0107】又、TAF>TM1,TBF>TM2,T
CF>TM3の条件を、例えばTAF>TM1とTBF
>TM2の条件で実施したり、TAF>TM1とTCF
>TM3の条件で実施したりしてもよい。
【0108】・上記実施形態では、入力装置16はアッ
プスイッチSW1及びダウンスイッチSW2とを備える
ようにしたが、スイッチSW1,SW2に加えて、ウィ
ンドウガラス14を自動的に開閉するオートスイッチを
備えるようにしてもよい。
【0109】・上記実施形態では、第1の基準値及び第
2の基準値は共に「0」としたが、その他の基準値とし
てもよい。 ・上記実施形態では、直流モータの実回転周期tを検出
するセンサとしてホールIC24,25を使用したが、
その他の検出センサ、例えばホール素子によって構成さ
れるもの等を使用するようにしても良い。
【0110】次に上記実施形態及び別例から把握できる
技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記
する。 (1) 請求項2に記載の開閉部材の異物挟み込み検出
装置において、前記回転周期検出手段は、前記駆動モー
タの実回転周期を求める検出信号を出力する実回転周期
検出センサと、前記駆動モータの駆動電圧の変動に対す
る前記駆動モータの実回転周期の変動推移と相対的に一
致又は近似した変動推移を有する補正用電圧を、前記駆
動電圧の変動から求める検出電圧補正手段と、前記検出
電圧補正手段にて求められた補正用電圧に基づいて前記
実回転周期検出センサからの前記検出信号に基づいて得
られた前記実回転周期から前記駆動電圧の変動に対する
前記駆動モータの前記実回転周期の変動推移分を除去す
ることにより、負荷判定用回転周期を求める電圧変動分
補正手段とによって構成されることを特徴とする開閉部
材の異物挟み込み検出装置。
【0111】従って、この(1)に記載の発明によれ
ば、駆動電圧が何らかの原因で急激に変動し、駆動モー
タの回転周期が送れて追従する場合でも、正確に挟み込
みの有無を判定することができる。
【0112】(2) 上記(1)に記載の開閉部材の異
物挟み込み検出装置において、前記電圧変動分補正手段
における前記実回転周期の変動推移分は回転周期変動補
正値であり、前記電圧変動分補正手段は予め定めた基準
電圧とその時の補正用電圧とを比較して前記回転周期変
動補正値を演算する補正値演算手段を備えたことを特徴
とする開閉部材の異物挟み込み検出装置。
【0113】従って、この(2)に記載の発明によれ
ば、非常に簡単な構成で回転周期変動補正値を演算する
ことができる。 (3) 上記(1)又は上記(2)に記載の開閉部材の
異物挟み込み検出装置において、前記回転周期検出手段
は、前記駆動モータの実回転周期をパルス検出信号にて
検出するセンサであり、前記検出電圧補正手段は、抵抗
とコンデンサとを直列に接続したフィルタ回路であっ
て、抵抗を介して充放電されるコンデンサの充電電圧を
補正用電圧とするとともに、前記補正用電圧が前記駆動
電圧を入力し駆動電圧の変動に対する前記駆動モータの
実回転周期の変動の推移と相対的に一致又は近似した変
動推移となるように、抵抗及びコンデンサの値を予め設
定したことを特徴とする開閉部材の異物挟み込み検出装
置。
【0114】従って、この(3)に記載の発明によれ
ば、例えば、駆動電圧が何らかの原因で急激に変動した
時、駆動モータの回転周期が遅れて追従する場合でも、
挟み込み判定処理手段は負荷判定用回転速度を用いて挟
み込みの有無を正確に判定することができる。
【0115】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1〜3及
び5に記載の発明によれば、振動等による誤判断を減少
させ、検出限界荷重値を小さくして、精度の高い開閉部
材の異物挟み込み検出を行うことができる。
【0116】加えて、請求項4に記載の発明によれば、
悪路走行等による振動と、異物の挟み込みとが同時に起
きている場合にも、速やかに異物の挟み込みであると判
断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のパワーウィンドウ装置を搭載し
た自動車を示す要部斜視図である。
【図2】 同じく、パワーウィンドウ装置の電気ブロッ
ク回路図である。
【図3】 同じく、直流モータに供給する直流電圧、フ
ィルタ回路からの電圧、及び、直流モータの回転速度と
の関係を示す図である。
【図4】 同じく、直流モータに供給される直流電圧の
回転速度とトルクとの関係を示す図である。
【図5】 同じく、補正用電圧と直流モータの実回転周
期との関係を示す図である。
【図6】 同じく、実回転周期及び負荷判定用回転周期
を説明するための検出信号の波形を示す図である。
【図7】 同じく、回転速度変動演算処理を説明するた
めのフローチャートの図である。
【図8】 同じく、直流モータの負荷の変動に対する低
域微分値の変動を示す図である。
【図9】 従来の直流モータの負荷の変動に対する低域
微分値の変動を示す図である。
【符号の説明】
14…ウィンドウガラス、15…直流モータ、18…長
期的偏差演算手段及び、短期的偏差処理手段、計数手
段、挟み込み決定処理手段、計数制御手段としてのCP
U、A,B,C…グループ、BT…バッテリー、NK1
…判定値、t1〜t18…実回転周期、T1〜T18…
負荷判定用回転周期、TAS,TBS,TCS…合計
値、TF1…長期的偏差としての低域微分値、TN…短
期的偏差としての低域微分値、VB…駆動電圧、Δt…
変動分としての周期補正値。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉部材を開閉動作させる駆動モータの
    実回転周期から、前記駆動モータの駆動電圧の変化によ
    る変動分を補正して、前記駆動モータの負荷判定用回転
    周期を求め、前記負荷判定用回転周期を、時系列的に少
    なくとも2つのグループに分類し、そのグループ毎にそ
    れぞれの前記負荷判定用回転周期を加算した合計値を求
    め、そのグループ毎の合計値の偏差を求めるとともに、
    前記偏差と第1の基準値とを比較させその第1の基準値
    を超える毎に、その超えた回数を判定カウンタにてカウ
    ントさせ、第1の基準値以下になる毎に、前記判定カウ
    ンタの内容をリセットさせ、前記判定カウンタの内容が
    判定値に到達した時、前記開閉部材に異物が挟み込まれ
    ていると判断するようにした開閉部材の異物挟み込み検
    出方法において、 前記負荷判定用回転周期の少なくとも2つから最新の偏
    差を求め、前記最新の偏差を第2の基準値と比較させそ
    の第2の基準値を超えているとき、前記判定カウンタの
    カウント動作を可能にし、第2の基準値以下のとき、前
    記判定カウンタのカウント動作を少なくとも禁止するよ
    うにしたことを特徴とする開閉部材の異物挟み込み検出
    方法。
  2. 【請求項2】 開閉部材を開閉動作させる駆動モータの
    実回転周期から、前記駆動モータの駆動電圧の変化によ
    る変動分を補正して、前記駆動モータの負荷判定用回転
    周期を検出する回転周期検出手段と、 前記負荷判定用回転周期を、時系列的に少なくとも2つ
    のグループに分類し、そのグループ毎にそれぞれの前記
    負荷判定用回転周期を加算した合計値を求め、そのグル
    ープ毎の合計値の偏差を長期的偏差としてその時々で演
    算し求める長期的偏差演算手段と、 前記長期的偏差を第1の基準値と比較させその第1の基
    準値を超える毎に、その超えた数を判定カウンタにてカ
    ウントさせ、第1の基準値以下になる毎に、前記判定カ
    ウンタの内容をリセットさせる計数手段と、 前記判定カウンタの内容が判定値に到達した時、前記開
    閉部材に異物が挟み込まれていると判断する挟み込み決
    定手段と からなる開閉部材の異物挟み込み検出装置において、 前記負荷判定用回転周期の少なくとも2つから最新の偏
    差を短期的偏差としてその時々で演算し求める短期的偏
    差演算手段と、 前記短期的偏差を第2の基準値と比較させその第2の基
    準値を超えているとき、前記計数手段による前記カウン
    ト動作を可能にし、第2の基準値以下のとき、前記計数
    手段による前記カウント動作を少なくとも禁止する計数
    制御手段とを備えたことを特徴とする開閉部材の異物挟
    み込み検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の開閉部材の異物挟み込
    み検出装置において、 前記短期的偏差演算手段は、前記回転周期検出手段によ
    り検出された最新の負荷判定用回転周期とその最新の負
    荷判定用回転周期より半周期前又は1周期前に検出され
    た負荷判定用回転周期との偏差を演算することにより前
    記短期的偏差を求めることを特徴とする開閉部材の異物
    挟み込み検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の開閉部材の異物
    挟み込み検出装置において、 前記計数手段は、前記長期的偏差が第1の基準値を超え
    る毎に、その超えた数を判定カウンタにて加算カウント
    させるものであり、 前記計数制御手段は、前記短期的偏差が第2の基準値以
    下のとき、前記計数手段による判定カウンタの加算動作
    を禁止しその判定カウンタの内容を維持又は減算させる
    ものであることを特徴とする開閉部材の異物挟み込み検
    出装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1つに記載の開
    閉部材の異物挟み込み検出装置において、前記開閉部材
    は、自動車の側面に設けられたドアのウィンドウガラス
    であり、前記駆動モータはそのウィンドウガラスを開閉
    する直流モータであり、その直流モータに印加される駆
    動電圧は自動車に搭載されたバッテリーの電源電圧であ
    って、そのバッテリーの電源電圧は他の電気機器にも供
    給されていることを特徴とする開閉部材の異物挟み込み
    検出装置。
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