JP3582267B2 - ウインドウ開閉制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両のウインドウその他各種のウインドウの開閉を制御するに適したウインドウ開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両用ウインドウ開閉制御装置においては、ウインドウの閉動作中において、このウインドウを駆動するモータの負荷変動値が所定の閾値を超えたとき、ウインドウの異物の挟み込みと判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このウインドウ開閉制御装置では、大きな外乱、例えば、車両の悪路走行時におけるような大きな負荷変動が生ずると、上述のような閾値の更新では閾値の更新量が不足して、挟み込みの誤判定を招くおそれがある。
これに対し、本発明者等は、車両の悪路走行時における大きな負荷変動の発生状態を検討してみた。これによれば、悪路走行時における大きな負荷変動の方向は、一側方向に偏ることなく、一側方向及びその反対側方向に、周期的に変わることが分かった。
【0004】
このことは、負荷変動の加速側変動率が大きいときは負荷変動の減速側変動率も大きく、逆に、負荷変動の減速側変動率が大きいときは負荷変動の加速側変動率も大きいこと意味する。
従って、このような負荷変動の周期的特徴を活用して、上記閾値を、挟み込み感度を鈍感にするように補正すれば、大きな外乱を起因とした挟み込みの誤判定の防止が可能である。
【0005】
本発明は、このような観点から、大きな外乱による周期的負荷変動の特徴を有効に活用し、当該負荷変動をウインドウの異物の挟み込みとして誤判定することを防止するようにしたウインドウ開閉制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1乃至4に記載の発明によれば、変化度合判定手段が、算出手段による算出変化度合がウインドウに対する大きな外乱負荷を表す所定変化度合より大きいかと判定すると、閾値補正手段が、所定の閾値を、ウインドウの異物挟み込みの検知感度を鈍くするように補正し、挟み込み判定手段が、その判定を、所定の閾値に代えて閾値補正手段による補正閾値に基づき行う。
【0007】
これにより、ウインドウに大きな外乱負荷が作用しても、この外乱負荷に基づく算出変化度合が補正閾値を超えることがない。このため、当該大きな外乱負荷のために異物挟み込みと誤判定することがない。この場合、請求項1又は3に記載の発明によれば、閾値補正手段が、算出手段によって算出された変化度合に追従して補正閾値を変化させるので、かかる補正閾値のきめ細かい変化に基づき上記外乱負荷による異物挟み込みとの誤判定の防止をきめ細かく行える。
【0008】
また、請求項2に記載の発明によれば、閾値補正手段が、その補正閾値を、変化度合判定手段による大きいとの判定後の所定期間経過後に所定の閾値に戻す。このため、所定期間を適正に選んでおけば、上述した閾値の補正及びこれに基づく挟み込み判定が、ウインドウに上記外乱が作用している間に限られる。従って、その後の通常の挟み込み判定が適正な閾値に基づきなされ得る。
【0009】
また、請求項4に記載の発明によれば、閾値補正手段が、変化度合判定手段による大きいとの判定回数に応じて期間補正手段により所定期間を補正した補正期間の経過後に上記補正閾値を所定の閾値に戻す。このため、上記補正期間が、ウインドウに上記外乱が作用する期間の変動に合わせて変化する。従って、請求項2又は3に記載の作用効果がウインドウに上記外乱が作用する期間の変動に追随してきめ細かくなされ得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施の形態を図面により説明する。
図1及び図2は、本発明が適用された自動車用ウインドウ開閉制御装置の構成を示している。
当該自動車はドア10を有しており、このドア10の窓枠11には、ウインドウ12が開閉可能に装着されている。ここで、ウインドウ12はその上昇に伴い閉じ、一方、その下降に伴い開く。
【0011】
ウインドウ開閉制御装置は、駆動機構20を備えており、この駆動機構20は、モータMの正転或いは逆転に伴いウインドウ12を上昇或いは下降させる。
また、ウインドウ開閉制御装置は、図1にて示すように、閉操作スイッチ30及び開操作スイッチ40と、回転センサ50と、これら閉操作スイッチ30、開操作スイッチ40及び回転センサ50に接続したマイクロコンピュータ60と、このマイクロコンピュータ60に接続した駆動回路70を備えている。
【0012】
閉操作スイッチ30は、ウインドウ12を閉じるとき、オン操作される。開操作スイッチ40は、ウインドウ12を開くとき、オン操作される。
回転センサ50は、例えば、ホール素子からなるもので、この回転センサ50は、モータMの回転を検出してパルス信号(図3参照)を発生する。
電源回路60aは、当該自動車への本発明装置の搭載時にバッテリBに直結されて、常時、定電圧を発生する。
【0013】
マイクロコンピュータ60は、電源回路60aから定電圧を受けて作動状態となり、図4及び図5にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、この実行中において、モータMの回転周期に相当するパルス信号の周期T(以下、パルス周期Tという)の算出、このパルス周期Tの変動率Rn及びウインドウ12の開閉制御等のための演算処理をする。
【0014】
駆動回路70は、マイクロコンピュータ60による制御のもと、駆動機構20を介しモータMを正転或いは逆転させるように駆動する。
このように構成した本第1実施の形態において、本発明に係る窓開閉制御装置が当該自動車に搭載されると、マイクロコンピュータ60が、図1にて示すごとく、電源回路60aを介してバッテリBの正側端子に接続される。
【0015】
このような接続により電源回路60aから定電圧が発生すると、マイクロコンピュータ60が、図4及び図5のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。なお、ウインドウ12は当該自動車の走行のもと開状態にあるものとする。
しかして、ステップ100においてNOとの判定が繰り返されている間に、閉操作スイッチ30がオン操作されると、ウインドウ12の上昇要求ありとの判断のもとに、両ステップ100における判定がYESとなる。
【0016】
ついで、ステップ101にて閾値補正フラグFがF=0とセットされるとともに閾値補正量DがD=0とクリアされる。その後、ステップ110において、上記閉操作スイッチ30のオン操作に基づき、ウインドウ12の上昇要求ありとの判断のもと、YESと判定される。
すると、ステップ111において、ウインドウ12を上昇させるための上昇処理がなされて上昇指令がマイクロコンピュータ60から出力される。
【0017】
このため、駆動回路70が上記上昇指令の出力に基づき駆動機構20を介しモータMを駆動し、ウインドウ12がその上昇により閉動作を開始する。このとき、回転センサ50がモータMの回転を検出し順次パルス信号を出力し始める。
ステップ111における処理後、回転センサ50からパルス信号の入力があると、ステップ120にてYESと判定され、ステップ121において、前回のパルス周期TがTn−1 とセットされる。さらに、回転センサ50からの今回のパルス信号と前回のパルス信号とによりパルス周期Tが演算されてパルス周期Tn とセットされる。
【0018】
ついで、ステップ122において、変動率Rnが、次の数1の式に基づきパルス周期Tn−1 及びパルス周期Tn に応じて演算される。
【0019】
【数1】
Rn={1−(Tn /Tn−1 )}×100(%)
この数1はマイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。
ステップ122における演算後、ステップ123において、ウインドウ12の異物挟み込みを表す所定の閾値th(マイクロコンピュータ60のROMに予め記憶済み)が閾値THとしてセットされる。ここで、th<0である。
【0020】
然る後、ステップ130にて、変動率Rnが所定値+n(n>0)と比較判定される。ここで、所定値+nは、当該自動車が、大きな外乱、例えば悪路を走行している場合に生ずると予測される大きな周期的負荷変動の正の最大変動率よりも幾分小さい値であって、マイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。
【0021】
しかして、ステップ122での最新の変動率Rnが所定値+nより大きい場合には、当該自動車が悪路走行に入ったとの判断に基づき、ステップ130における判定がYESとなる。このYESとの判定は、ウインドウ12の上昇中にて当該自動車が上記悪路走行に入ったことを前提に、モータMが加速状態にあるためになされる。このことは、モータMの加速状態はその後減速状態に反転し、このときの変動率Rnが、上記最新の変動率Rnを負にした値をとるものと予測できることを意味する。
【0022】
その後、ステップ131において、閾値補正フラグFがF=1とセットされるとともに、補正期間カウンタデータtがt=0とクリアされる。ここで、F=1は、当該自動車が悪路走行に入ったことを表す。
ついで、ステップ132にて、閾値補正量DがD=所定補正量hとセットされる。ここで、所定補正量hは、後述する(TH−D)の絶対値が上記ステップ122における最新の変動率Rnよりも大きい値をとるように、所定の正の値としてマイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。
【0023】
しかして、ステップ133にて、閾値THが、次の数2の式の基づき、D=h及びステップ123における閾値TH=thに基づき算出される。
【0024】
【数2】
TH=TH−D
これにより、ステップ123における閾値THの絶対値が所定補正量hだけ増大される。このことは、モータMの減速方向におけるウインドウ12の挟み込み感度が所定補正量hだけ鈍くなることを意味する。
【0025】
一方、上記ステップ122における最新の変動率Rnが所定値+nよりも小さいために上記ステップ130における判定がNOとなる場合には、ステップ140において閾値補正フラグFについて判定される。
現段階ではF=0故、このステップ140における判定がYESとなり、次のステップ150において、上記最新の変動率Rnが所定値−nと比較判定される。ここで、所定値−nは、上記所定値+nとは反対の符号をとる値であって、マイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。
【0026】
上記最新の変動率Rnが所定値−nよりも小さい場合には、ステップ150における判定がYESとなる。このYESとの判定は、ウインドウ12の上昇中にて当該自動車が上記悪路走行に入ったことを前提に、モータMが減速状態にあるためになされる。このことは、モータMの減速状態はその後加速状態に反転し、このときの変動率Rnが、上記最新の変動率Rnを正にした値をとるものと予測できることを意味する。
【0027】
その後、ステップ151において、閾値補正フラグFがF=1とセットされるとともに、補正期間カウンタデータtがt=0とクリアされる。ついで、ステップ132にて、上述と同様に、閾値補正量DがD=所定補正量hとセットされ、ステップ133にて、閾値THが、数2の式の基づき、D=h及びステップ123における閾値TH=thに基づき算出される。
【0028】
これにより、ステップ123における閾値THの絶対値が所定補正量hだけ増大される。このことは、モータMの加速方向におけるウインドウ12の挟み込み感度が所定補正量hだけ鈍くなることを意味する。
また、上述したステップ150における判定がNOとなる場合には、上記ステップ122における最新の変動率Rnが、所定値+n以下であり所定値−n以上であって、当該自動車の走行路面が悪路ではないと判断される。従って、閾値THがステップ133において補正されることなく所定閾値thのままに維持される。
【0029】
このため、ステップ170にて、上記ステップ122における最新の変動率Rnが、閾値TH=thと比較判定される。ここで、ステップ170における判定がNOとなる場合には、この判定結果に基づきステップ180における判定がYESとなり、ステップ111における上昇処理が再びなされる。
このような処理過程にて、Rn<thの成立によりステップ170における判定がYESになる場合には、ステップ171において、ウインドウ12が異物を挟み込んだ旨判定される(図6(a)参照)。すると、ステップ172において、ウインドウ12の反転処理(下降処理)がなされ、この反転処理の指令が駆動回路70に出力される。
【0030】
これにより、ウインドウ12が駆動回路70によるモータMの逆転に伴い下降する。その結果、ウインドウ12による異物挟み込みが解消される。なお、ステップ173にてウインドウ12の停止処理がなされると、ウインドウ12が停止する。また、図6(a)にて示すマスク期間は、ウインドウ12の上昇開始に伴う初期負荷変動に基づく挟み込み誤判定を排除するためこれをマスクする期間である。
【0031】
また、上述のようなステップ131乃至133の処理後、両ステップ130、140におけるNOとの判定がなされる場合には、当該自動車が悪路走行に入ったときの最初の周期変動率Rnが正(即ち、ウインドウ12に作用する最初の負荷変動方向が正方向)である。
そして、コンピュータプログラムがステップ141に進むと、補正期間カウンタデータがt=t+1と更新される。現段階では、補正期間カウンタデータt が、上記悪路が通常継続すると予測される所定継続時間Taよりも小さいため、ステップ160における判定がYESとなり、ステップ133における閾値THの補正処理がなされる。以後、この補正処理が、補正期間カウンタデータtが所定継続時間Taに達するまで繰り返され、この補正閾値TH=TH−Dと、ステップ122にて繰り返し演算される変動率Rnとを比較する判定がステップ170にて繰り返される。
【0032】
その後、ステップ170における判定がYESとなることなくステップ160における判定がYESになる場合には、当該自動車の悪路走行中における異物挟み込みとの判定をすることなく、所定継続時間Taが経過したことになる(図6(b)参照)。
これにより、当該自動車の悪路走行に入ったときウインドウに対する最初の正側への負荷変動後にこれと同じ大きさの負の負荷変動が発生しても、これをウインドウ12の異物挟み込みとする誤って判定することがないのは勿論のこと、その後の悪路走行中の負荷変動に対しても同様に誤判定することがない。
【0033】
従って、悪路走行による誤判定で閉動作中のウインドウを停止させたり反転させるような事態の発生を未然に防止できる。
ステップ160におけるNOとの判定後は、ステップ161にてt=0とクリアされ、F=0及びTH=thとセットされる。これにより、ウインドウ12の挟み込み判定処理が、当該自動車が悪路から脱出した後の通常の処理に移行する。
【0034】
また、上述したステップ160におけるYESとの判定処理の繰り返し中において、ステップ122における変動率Rnとステップ133における補正閾値THとの比較判定により、ステップ170にてYESとの判定がなされた場合には、ステップ171にて、当該自動車の悪路走行中においてウインドウ12が異物を挟み込んだものと判定される。その後は、ステップ172以後の処理で異物挟み込みが解除される。
【0035】
また、上述のようなステップ151乃至133の処理後、両ステップ130、140におけるNOとの判定がなされる場合には、当該自動車が悪路走行に入ったときの最初の周期変動率Rnが負(即ち、ウインドウ12に作用する最初の負荷変動方向が負方向)である。
このような場合にも、ステップ131乃至133の処理後、両ステップ130、140におけるNOとの判定がなされた場合と実質的に同様の作用効果が得られる。但し、この場合には、当該自動車の悪路走行に入ったときウインドウに対する最初の負側への負荷変動後にこれと同じ大きさの正の負荷変動が発生しても、これをウインドウ12の異物挟み込みとする誤って判定することがないのは勿論のこと、その後の悪路走行中の負荷変動に対しても同様に誤判定することがない。
【0036】
なお、ウインドウ12が閉じておりステップ110にてNOとの判定がなされた場合には、ステップ112においてウインドウ12の下降処理がなされる。
また、上記第1実施の形態では、両ステップ130、150における判定基準の絶対値を同一の値nとした例について説明したが、これに代えて、両ステップ130、150における判定基準の絶対値を互いに異なる値としてもよい。
【0037】
また、上記第1実施の形態では、ステップ160におけるYESとの処理後ステップ133における閾値の補正処理を行うようにしたが、これに代えて、ステップ160におけるYESとの処理後ステップ180における処理を行うようにして、ステップ170における判定を、ステップ160におけるNOとの判定までマスクするようにしてもよい。
【0038】
また、上記第1実施の形態において、ステップ132において閾値補正量Dを所定値hとする例について説明したが、これに代えて、ステップ132において閾値補正量Dをステップ122における最新の変動率Rnの絶対値とするように変形して実施してもよい。
これにより、この変形例では、ステップ133における補正閾値THが、図7にて示すごとく、当該自動車の悪路走行中における逐次変わる最新の変動率Rnに伴い変化するので、ステップ170における挟み込み判定処理が、変動率Rnの変化に追随してきめ細かくなされ得る。
【0039】
図8乃至図10は、上記第1実施の形態の他の変形例の要部を示している。
この他の変形例においては、上記第1実施の形態にて述べたフローチャート(図4及び図5参照)に代えて、図8及び図9にて示すフローチャートが採用されている。
このように構成した本他の変形例において、上記第1実施の形態と同様にステップ100における判定がYESになると、第1実施の形態におけるステップ101における処理とは異なり、ステップ101Aにおいて閾値補正量DのみがD=0とクリアされる。
【0040】
然る後、コンピュータプログラムがステップステップ130に進むと、上記第1実施の形態と同様に、ステップ122において演算した最新の変動率Rnが所定値+nと比較判定される。
しかして、当該最新の変動率Rnが所定値+nより大きい場合には、上記第1実施の形態と同様に、ステップ130における判定がYESとなる。すると、次のステップ134において、閾値補正量Dが上記最新の変動率の絶対値|Rn|と比較判定される。このステップ134における比較判定は、上記第1実施の形態にて述べたごとく、ステップ130におけるNOとの判定後ステップ150にてYESと判定した場合にもなされる。
【0041】
ここで、Dが|Rn|よりも小さければ、ステップ134における判定がYESとなり、ステップ132Aにおいて、D=|Rn|とセットされる。これにより、閾値補正量Dが時々刻々変動する|Rn|に応じて設定される。一方、Dが|Rn|以上であれば、ステップ134における判定がNOとなる。このことは、閾値補正量Dが|Rn|の最大値に制限されることを意味する。
【0042】
その後、ステップ133では、ステップ132Aにおける最新の閾値補正量Dに基づき数2の式から閾値THが演算される。その他の演算処理は、上記第1実施の形態と同様である。
以上説明したように、本他の変形例では、ステップ132Aにおける閾値補正量Dが最新の|Rn|に追随して変動するので、ステップ133における閾値THが、図10にて示すごとく、最大の|Rn|に追随してきめ細かく変化する値をとる。このため、ステップ170における判定基準THを過不足のない適正な値に随時変化させる。その結果、ステップ170における判定が、常に、最大の|Rn|を加味した過不足のない鈍い感度にて、余分な荷重を伴うことなくなされ得る。
【0043】
また、本他の変形例では、上記第1実施の形態に述べたようなステップ160の判定を採用していないので、当該自動車は、一度悪路走行へ入ったと判定(ステップ130、140参照)されると、ウインドウ12は、ステップ170にてYESとの判定がない限り、その閉動作を停止位置まで維持する。その他の作用効果は上記第1実施の形態と同様である。
【0044】
なお、上記他の変形例では、ステップ130又は150におけるYESとの判定後にステップ134にてDを|Rn|と比較判定する例について説明したが、これに限らず、図11にて示すように、ステップ134を廃止するようにしてもよい。この場合、ステップ132Aにおける処理を、D=|Rn|とするのに代えて、D=hとセットするようにしてもよく、このとき、ステップ133における閾値TH=TH−Dは、図12にて示すような値をとる。
【0045】
図13乃至図15は本発明の第2実施の形態の要部を示している。
この第2実施の形態では、上記第1実施の形態にて述べたフローチャートに代えて、図13及び図14にて述べたフローチャートが採用されている。その他の構成は上記第1実施の形態と同様である。
このように構成した本第2実施の形態では、上記第1実施の形態にて述べたと同様にステップ100における判定がYESになると、第1実施の形態におけるステップ101における処理に加え、パルスカウントデータINC、補正期間カウンタデータt、周期データP、バッファデータh1、h2が共に零とクリアされる。また、補正期間データTMが初期値eに設定される。
【0046】
然る後、ステップ130或いは150における判定が上記第1実施の形態と同様にYESになると、ステップ135において、バッファデータh2=h1及びh1=INCとセットされるとともに、周期データPがP=h2−h1に基づき演算される。ここで、このステップ135における周期データPの演算は、上記第1実施の形態にて述べたように当該自動車が悪路走行に入ったためになされるものである。
【0047】
次のステップ136では、閾値フラグF=1とセットされ、補正期間データTMがTM=kP(kは正の定数)と演算される。さらに、補正期間カウンタデータtがt=0とクリアされるとともに、閾値補正量Dがステップ122における最新の変動率の絶対値|Rn|と設定される。このことは、閾値補正量Dが時々刻々変動する|Rn|に応じてきめ細かく設定されることを意味する。このため、ステップ133における閾値THの演算が、閾値補正量Dの変動に応じて過不足なくきめ細かくなされ得る。
【0048】
然る後、上記第1実施の形態と同様にステップ140における判定がNOとなると、ステップ141におけるt=t+1の処理がなされる。そして、補正期間カウンタデータtが補正期間データTMより短ければ、ステップ160Aにおける判定がYESとなり、上記第1実施の形態と同様にステップ133における閾値THの演算処理がなされる。
【0049】
このような状態にてステップ160Aにおける判定がNOになると、当該自動車が悪路走行を脱したとの判断に基づき、ステップ161にてt=0とクリアされ、F=0及びTH=thとセットされる。その他の処理は、上記第1実施の形態と実質的に同様である。
以上説明したように、本第2実施の形態では、ステップ130或いは140におけるYESとの判定(当該自動車が悪路走行に入ったとの判定)後この悪路走行中においてステップ135、136、133の処理繰り返す。そして、当該自動車がステップ140におけるNOとの判定(当該自動車が悪路走行から脱出したとの判定)後、補正期間カウンタデータtがステップ136における最新の周期データTMに達するまで、ステップ133にて絶対値|Rn|に基づき演算した閾値THによりステップ170における判定を繰り返す(図15参照)。
【0050】
この場合、周期データTMが、周期データPの値、即ち、当該自動車の悪路走行期間に合わせて変化するので、ステップ133での演算閾値THに基づくステップ170における判定期間が周期データTMの変化に追随して変化する。このため、当該自動車の悪路走行期間の変化に追随して、ステップ170における判定が、挟み込み感度を鈍くした状態でなされ得る。
【0051】
また、ステップ133における閾値THが変動率の絶対値|Rn|に追随して変化するので、ステップ170における挟み込み判定感度が|Rn|に追随して過不足ない値に変化する。このため、きめ細かい挟み込み判定が可能となる。その他の作用効果は上記第1実施の形態と同様である。
なお、上記各実施の形態においては、自動車のドアのウインドウ開閉制御装置に本発明を適用した例について説明したが、これに限らず、自動車のサンルーフ、各種車両や船舶或いは建築物等のウインドウの開閉制御装置に本発明を適用して実施してもよい。この場合、ウインドウの開閉方向は、上下方向に限らず、横方向等任意の方向に開閉するものであってもよい。
【0052】
また、本発明の実施にあたり、上記各実施の形態における閾値は、モータMの回転速度の周期の変動率に対応するものに限ることなく、モータMの回転速度に対応するものであってもよい。この場合、ステップ122において、周期に代えてこれに対応する回転速度を算出し、この回転速度を上記各実施の形態のフローチャートの各対応ステップにおける周期に代えて採用する。
【0053】
また、本発明の実施にあたっては、モータMの回転に限らず、例えば、駆動機構20の作動を検出するセンサの出力をホール素子50の出力に代えてマイクロコンピュータ60に入力するようにして実施してもよい。
また、上記各実施の形態のフローチャートにおける各ステップは、それぞれ、機能実行手段としてハードロジック構成により実現するようにして実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すブロック図である。
【図2】自動車のドアの側面図である。
【図3】図1の回転センサの出力波形を示すタイミングチャートである。
【図4】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの前段部である。
【図5】当該フローチャートの後段部である。
【図6】(a)は、上記第1実施の形態における通常の異物挟み込みの場合の変動率Rnとウインドウの上昇位置との関係を示すグラフであり、及び(b)は、当該自動車の悪路走行における変動率Rnとウインドウの上昇位置との関係を示すグラフである。
【図7】上記第1実施の形態の変形例における変動率Rnとウインドウの上昇位置との関係を示すグラフである。
【図8】上記第1実施の形態の他の変形例を示すフローチャートの前段部である。
【図9】当該フローチャートの後段部である。
【図10】上記他の変形例における変動率Rnとウインドウの上昇位置との関係を示すグラフである。
【図11】図9のフローチャートの部分的変形例を示すフローチャートである。
【図12】上記他の変形例の部分的変形例における変動率Rnとウインドウの上昇位置との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の第2実施の形態の要部を示すフローチャートの前段部である。
【図14】当該フローチャートの後段部である。
【図15】上記第2実施の形態における変動率Rnとウインドウの上昇位置との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ドア、12…ウインドウ、30…閉操作スイッチ、
50…回転センサ、60…マイクロコンピュータ、70…駆動回路、
B…バッテリ、M…モータ。
Claims (4)
- ウインドウ(12)を作動に応じて開閉駆動する駆動手段(20、M)と、
この駆動手段の作動を検出する検出手段(50)と、
この作動検出手段の検出作動の変化度合を算出する算出手段(121、122)と、
この算出手段によって算出された前記変化度合を、前記ウインドウの異物挟み込みを表す所定の閾値と比較して、この比較結果に応じ前記ウインドウの異物挟み込みの有無を判定する挟み込み判定手段(170)と、
この挟み込み判定手段の判定結果に基づき前記ウインドウの閉動作中の前記駆動手段の作動を制御する制御手段(70、172)とを備えるウインドウ開閉制御装置において、
前記算出手段によって算出された前記変化度合が、前記ウインドウに対する大きな外乱負荷を表す所定変化度合より大きいか否かにつき判定する変化度合判定手段(130、150)と、
この変化度合判定手段による大きいとの判定に基づき、前記所定の閾値を、前記ウインドウの異物挟み込みの検知感度を鈍くするように補正する閾値補正手段(132、133)とを備えて、
前記挟み込み判定手段が、その判定を、前記所定の閾値に代えて前記閾値補正手段によって補正された補正閾値に基づき行うウインドウ開閉制御装置であって、
前記閾値補正手段が、前記算出手段によって算出された前記変化度合に追従して前記補正閾値を変化させることを特徴とするウインドウ開閉制御装置。 - ウインドウ(12)を作動に応じて開閉駆動する駆動手段(20、M)と、
この駆動手段の作動を検出する検出手段(50)と、
この作動検出手段の検出作動の変化度合を算出する算出手段(121、122)と、
この算出手段によって算出された前記変化度合を、前記ウインドウの異物挟み込みを表す所定の閾値と比較して、この比較結果に応じ前記ウインドウの異物挟み込みの有無を判定する挟み込み判定手段(170)と、
この挟み込み判定手段の判定結果に基づき前記ウインドウの閉動作中の前記駆動手段の作動を制御する制御手段(70、172)とを備えるウインドウ開閉制御装置において、
前記算出手段によって算出された前記変化度合が、前記ウインドウに対する大きな外乱負荷を表す所定変化度合より大きいか否かにつき判定する変化度合判定手段(130、150)と、
この変化度合判定手段による大きいとの判定に基づき、前記所定の閾値を、前記ウインドウの異物挟み込みの検知感度を鈍くするように補正する閾値補正手段(132、133)とを備えて、
前記挟み込み判定手段が、その判定を、前記所定の閾値に代えて前記閾値補正手段によって補正された補正閾値に基づき行うウインドウ開閉制御装置であって、
前記閾値補正手段が、その補正閾値を、前記変化度合判定手段による大きいとの判定後の所定期間経過後に前記所定の閾値に戻すことを特徴とするウインドウ開閉制御装置。 - 前記閾値補正手段が、前記算出手段によって算出された前記変化度合に追従して前記補正閾値を変化させることを特徴とする請求項2に記載の請求項1に記載のウインドウ開閉制御装置。
- 前記閾値補正手段が、前記所定期間を、前記変化度合判定手段による大きいとの判定回数に応じて補正する期間補正手段(135、136)を備え、この期間補正手段による補正期間の経過後に前記補正閾値を前記所定の閾値に戻すことを特徴とする請求項2又は3に記載のウインドウ開閉制御装置。
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