JP3484789B2 - ウィンドウ開閉制御装置 - Google Patents

ウィンドウ開閉制御装置

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JP3484789B2
JP3484789B2 JP29823694A JP29823694A JP3484789B2 JP 3484789 B2 JP3484789 B2 JP 3484789B2 JP 29823694 A JP29823694 A JP 29823694A JP 29823694 A JP29823694 A JP 29823694A JP 3484789 B2 JP3484789 B2 JP 3484789B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両のウィンド
ウその他各種のウィンドウの開閉を制御するに適したウ
ィンドウ開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のウィンドウ開閉制御装置
においては、例えば、特開昭63−165682号公報
にて例示されているように、ウィンドウの閉動作中にお
いて、このウィンドウを駆動するモータの回転速度の減
少度合がしきい値を超えたとき、異物の挟み込みと判定
するようになっている。
【0003】この場合、モータがその起動時に増減変動
等の不安定な動作をするため、上述したモータの回転速
度の減少度合が不安定となり、異物の挟み込みの有無に
対する誤判定を招くおそれがある。このため、上記ウィ
ンドウ開閉制御装置においては、モータの起動後所定の
マスク時間(例えば、200ms程度)の間挟み込み判
定作用にマスクをかけることにより、異物挟み込みの有
無の誤判定を防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、モータの回
転速度は、バッテリ電圧の低下或いはモータ内グリース
の低温化や経年変化による硬化等により低下する。そこ
で、モータの起動時の不安定動作時間が、モータの回転
速度の高低によって、どのように変動するかにつき実験
により観察してみた。
【0005】これによれば、モータ起動時の回転速度が
安定するまでの時間、即ち、上記モータの不安定動作時
間は、図7にて符号T1 及びT2 により示すように、回
転速度が低い程長くなることが観察された。このため、
上記ウィンドウ開閉制御装置においては、その所定のマ
スク時間が、モータの不安定動作時間の長い方に合わせ
て、長めに設定されていることが必要である。
【0006】しかし、上記マスク時間が長過ぎると、モ
ータ起動時の異物挟み込みを判定できない不感帯の時間
的幅が広くなって、挟み込み判定の時期が遅延する。そ
の結果、例えば、ウィンドウの全閉に近い閉動作中にお
いて異物の挟み込みが判定されず、結果として、当該異
物がウィンドウにより挟み込まれてしまう可能性があ
る。この可能性は、特に、異物が細い場合に大きい。ま
た、上述のように挟み込み判定の時期が遅延すると、異
物を挟み込んだ場合にその挟み込み力が大きくなるおそ
れがある。
【0007】また、上記マスク時間を、図7にて示すよ
うなモータ起動時の回転速度の高さに応じた不安定動作
時間の変化に合わせて設定したり、或いは、上記マスク
時間を、図8にて示すような温度や電圧の変化に応じて
定めた必要マスク時間特性を利用して設定することも考
えられるが、いずれの設定にあたっても、多量のデータ
分析という面倒な作業が必要となりコスト上昇を招く。
【0008】そこで、本発明は、以上のことに鑑み、異
物の挟み込み判定に対するマスク時間を適正にかつ簡単
に設定するウィンドウ開閉制御装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、モータ(M)に
よりウィンドウ(12)を開閉駆動する駆動手段(2
0、70)と、ウィンドウ(12)の閉動作中における
モータ(M)の回転変化度合を異物挟み込み判定のため
のしきい値と比較し、この比較結果に応じてウィンドウ
(12)の異物挟み込みの有無を判定する挟み込み判定
手段(60、151、160)と、この挟み込み判定手
段の判定結果に基づき駆動手段(20、70)によるモ
ータ(M)の駆動を制御する制御手段(60、130、
170)とモータ(M)の起動に伴う回転角に基づき
挟み込み判定手段(60、151、160)による判定
をマスクするマスク手段(60、120、140乃至1
50)を備えたウィンドウ開閉制御装置であって、モー
タ(M)の起動に伴う回転角を、ウィンドウ(12)の
動作パターンの違いに応じて補正する補正手段を備え、
マスク手段(60、120、140乃至150)が、そ
のマスク作用を、前記補正回転角に基づき行うことを特
徴とするウィンドウ開閉制御装置が提供される。
【0010】
【0011】また、請求項に記載の発明では、請求項
記載のウィンドウ開閉制御装置において、モータ
(M)の回転角を検出する回転角検出手段(50)を備
え、マスク手段(60、120、140乃至150)
が、前記検出回転角のモータ(M)の起動に伴う回転角
への到達時まで、前記マスク作用を継続することを特徴
とする。
【0012】
【0013】また、請求項に記載の発明では、請求項
記載のウィンドウ開閉制御装置において、モータ
(M)の回転に応答してパルスを発生するパルス発生手
段(50)を備え、また、マスク手段(60、120、
140乃至150)が、モータ(M)の起動に伴う回転
角に相当する前記パルスの数を計数する計数手段(14
0乃至150)を備え、前記マスク作用を、計数手段
(140乃至150)の計数終了まで継続することを特
徴とする。
【0014】
【0015】なお、上記各手段のカッコ内の符号は、後
述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0016】
【発明の作用効果】上記のように構成した請求項1に記
載の発明によれば、マスク手段が、モータの起動に伴う
回転角に基づき挟み込み判定手段による判定をマスクす
る。このように、モータの起動に伴う回転角に基づき挟
み込み判定手段による判定作用がマスクされるので、モ
ータ起動時の異物挟み込み判定に対するマスク時間が、
モータ起動時の回転速度に応じ適正に維持される。この
ため、モータの起動時における不安定動作の間の異物挟
み込み有無の判定がモータ起動時の回転速度に応じたマ
スク時間でもって禁止される。従って、モータの起動時
に回転速度の高低があっても、異物挟み込みの有無の判
定が誤ってなされることはない。
【0017】また、上記マスクの基準であるモータの起
動に伴う回転角は簡単に選定できる。さらに、請求項1
に記載の発明によれば、補正手段が、モータの起動に伴
う回転角を、ウィンドウの動作パターンの違いに応じて
補正し、かつ、マスク手段が、そのマスク作用を、前記
補正回転角に基づき行う。これにより、モータ起動時に
おける挟み込み判定に対するマスクがウィンドウの動作
パターンの違いに応じてより一層適正になされ得る。
【0018】また、請求項に記載の発明によれば、マ
スク手段が、回転角検出手段による検出回転角のモータ
の起動に伴う回転角への到達時まで、前記マスク作用を
継続する。これにより、請求項1記載の発明と同様の
作用効果を達成できる
【0019】た、請求項に記載の発明によれば、パ
ルス発生手段が、モータの回転に応答してパルスを発生
し、計数手段が、モータの起動に伴う回転角に相当する
前記パルスの数を計数し、マスク手段が、そのマスク作
用を、計数手段の計数終了まで継続する。これにより、
請求項1記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0020】
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図1及び図2は、自動車用ウィンドウ開閉制御装置
に本発明が適用された例を示している。図2において、
符号10は、当該自動車のドアを示しており、このドア
10の窓枠11には、ウィンドウ12が開閉可能に装着
されている。かかる場合、ウィンドウ12はその上昇に
伴い閉じ、一方、その下降に伴い開く。
【0022】ウィンドウ開閉制御装置は、駆動機構20
を備えており、この駆動機構20は、モータMの正転或
いは逆転に伴いウィンドウ12を上昇或いは下降させ
る。本実施例において、この駆動機構20は、モータM
により駆動される歯車減速機を備えており、この歯車減
速機は、ドア10の下部内に固定されている。また、駆
動機構20は、上記歯車減速機の出力軸21に軸支した
プーリ22と、ドア10の下部内に上下に固定してなる
一対のローラ23、24を備えており、これらプーリ2
2及び一対のローラ23、24には、リング状ワイヤ2
5が巻装されている。このワイヤ25は、両ローラ2
3、24間に位置する上下方向部分25aにて、ウィン
ドウ12の下縁に固定部材12aにより固定されてい
る。なお、ワイヤ25は、ワイヤ25の両ローラ22、
23に対する巻装部分に対し8の字状となるようにプー
リ22に巻装されている。
【0023】このように構成した駆動機構20によれ
ば、プーリ22がモータMの正転に伴い図2にて図示実
線による矢印方向に回転すると、ワイヤ25が図示実線
による矢印方向に回動してウィンドウ12を上動(図示
実線による矢印方向)させる。一方、プーリ22がモー
タMの逆転に伴い図2にて図示破線による矢印方向に回
転すると、ワイヤ25が図示破線による矢印方向に回動
してウィンドウ12を下動(図示破線による矢印方向)
させる。
【0024】また、ウィンドウ開閉制御装置は、図1に
て示すように、閉操作スイッチ30及び開操作スイッチ
40と、回転センサ50と、これら閉操作スイッチ3
0、開操作スイッチ40及び回転センサ50に接続した
マイクロコンピュータ60と、このマイクロコンピュー
タ60に接続した駆動回路70を備えている。閉操作ス
イッチ30は、そのオン操作により、ウィンドウ12を
閉じるための閉操作信号を発生する。一方、開操作スイ
ッチ40は、そのオン操作により、ウィンドウ12を開
くための開操作信号を発生する。
【0025】回転センサ50は、例えば、ホール素子か
らなるもので、この回転センサ50は、モータMの回転
を検出してパルスを発生する。電源回路60aは、当該
自動車への本発明装置の搭載時にバッテリBに直結され
て、常時定電圧を発生している。マイクロコンピュータ
60は、電源回路60aから定電圧を受けて作動状態と
なり、図3にて示すフローチャートに従いコンピュータ
プログラムを実行し、この実行中において、モータMの
起動時の異物挟み込み判定作用のマスク処理、異物挟み
込み判定処理及びウィンドウ12の開閉制御処理等のた
めの演算処理をする。
【0026】本実施例においては、モータMの起動時の
異物挟み込み判定作用のマスク処理にあたり、所定のマ
スク値Nが次のようにして設定されている。この設定に
あたり、本発明者は、モータMの起動時における不安定
動作の要因について種々の考察を加えてみた。まず、モ
ータMについて検討したところ、モータMのアーマチュ
ア軸には、通常、ゴムダンパが使用されている。このた
め、このゴムダンパがモータMへの負荷に応じて捩じれ
を生ずる。
【0027】また、駆動機構20について検討したとこ
ろ、この駆動機構20の歯車減速機内の各歯車間には、
バックラッシュ等による遊びが生じる。さらに、駆動機
構20が、歯車減速機の出力トルクを、プーリ22、一
対のローラ23、24及びリング状ワイヤ25を介して
ウィンドウ12に伝達する場合、ワイヤ25にたるみが
与えられているのが通常である。
【0028】このような検討の結果、上述したゴムダン
パの捩じれ、歯車間の遊び及びワイヤ25のたるみが、
モータMの起動時にそのトルクがモータMの回転に追随
してウィンドウ12に伝達されるようになるまでの間、
モータMの空転等による回転速度変動を招くことが分か
った。以下、このような現象をゆるみ現象という。即
ち、このゆるみ現象が、モータMの起動時の回転速度を
不安定にする要因となっている。
【0029】一方、上述したゴムダンパの捩じれ、歯車
間の遊び及びワイヤ25のたるみは、車種及び仕様によ
り一義的に決まる固有の量を有する。このため、モータ
Mがその起動時に回転速度の増減変動により不安定な動
作をしても、モータMの起動後上記ゆるみ現象がなくな
るまでのモータMの回転角はほぼ一定であることが分か
った。
【0030】以上の検討結果から、上述のようにモータ
Mの起動時の回転速度が低い程その不安定動作時間が長
くなるのは、回転速度が低い程上記ゆるみ現象がなくな
るのに時間がかかるためであることが確認された。さら
に、モータMの起動後上記ゆるみ現象がなくなるまでの
モータMの回転角を活用すれば、モータ起動時の回転速
度変動に応じて、上記マスク時間を適正にかつ簡単に設
定できることが分かった。
【0031】これに伴い、ウィンドウ12の動作パター
ンを観察してみると、このウィンドウ12は種々の動作
パターンを辿る。そこで、本実施例では、マスク値Nの
設定にあたり、図4にて示すように、ウィンドウ12が
下降(図4の左図参照)→停止→上昇(図4の右図参
照)の過程を辿る動作パターンを採用した。この動作パ
ターンにおいては、ウィンドウ12の下降過程では、下
側ローラ24とプーリ21との間でワイヤ25にたるみ
は生じないが、上側ローラ23とプーリ21との間では
ワイヤ25にたるみが生じる。
【0032】従って、ウィンドウ12のその後の上昇に
あたりモータMが逆転すると、図4の右図にて示すワイ
ヤ25の破線部分の実線部分への変位により、上側ロー
ラ23とプーリ21との間のワイヤ25のたるみがなく
なる。即ち、上側ローラ23とプーリ21との間におけ
るワイヤ25のたるみが、主として、ウィンドウ12の
上昇にあたり、ゆるみ現象として作用する。なお、この
ゆるみ現象には、モータMの上記ゴムダンパの捩じれ及
び上記歯車減速機の歯車間の遊びも影響する。
【0033】ここで、図5にて示すごとく、モータMの
起動後回転速度の最初の波形部分はその後の波形部分よ
りも大きいため、当該最初の波形部分の立ち下がり終了
時(図5(b)にて点P参照)近傍にてウィンドウ12
が上昇し始めるもの(図5(a)参照)とした。なお、
この点については、実験により確認済みである。そし
て、この前提のもとに、モータMの起動後回転速度の上
記最初の波形部分の立ち下がり終了時の近傍までに回転
センサ50から生ずるパルス(図5(b)の曲線上のプ
ロット点参照)の数を繰り返しサンプリングして、その
うちの最大パルス数を選択し、これに数パルスを加算し
た値を、上記マスク値Nとして設定した。
【0034】この場合、上記数パルスは、モータMの起
動後回転速度の最初の波形部分の立ち下がり終了時以後
に回転速度の変動分に相当し、モータMの起動時の不安
定動作範囲により精度よく対応させるためのものであ
る。駆動回路70は、当該自動車のイグニッションスイ
ッチIGのオンによりバッテリBから直流電圧を受けて
作動状態となり、マイクロコンピュータ60による制御
のもとに駆動機構20を介しモータMを正転或いは逆転
させるように駆動する。
【0035】以下、このように構成した本実施例の作動
について説明する。マイクロコンピュータ60は、電源
回路60aからの定電圧を受けて、図3のフローチャー
トに従い、コンピュータプログラムの実行を繰り返し行
っている。このような状態においては、閉操作スイッチ
30及び開操作スイッチ40のいずれからの出力もなけ
れば、各ステップ100、110におけるNOとの判定
及びステップ112におけるウィンドウ12の停止処理
が繰り返されている。
【0036】ここで、イグニッションスイッチIGをオ
ンすれば、バッテリBが駆動回路70に直流電圧を供給
する。このとき、ウィンドウ12が図2にて示す開状態
にあるものとする。このような段階にて、閉操作スイッ
チ30からそのオンにより閉操作信号を発生させれば、
ウィンドウ12に対する上昇要求ありとの判断のもと
に、ステップ100においてYESと判定される。
【0037】次のステップ120においては上記マスク
値Nがセットされ、ステップ130において、ウィンド
ウ12を上昇させるための上昇信号が出力される。この
ため、駆動回路70が上昇信号に基づき駆動機構20を
介しモータMを駆動し、ウィンドウ12がその上昇によ
り閉動作を開始する。このとき、回転センサ50がモー
タMの回転を検出し順次パルスを出力し始める。
【0038】しかして、回転センサ50からマイクロコ
ンピュータ60に対しパルスの入力があれば、ステップ
140においてYESと判定される。ついで、次のステ
ップ141において、所定のマスク値Nがデクレメント
されてN=N−1と更新され、かつ、ステップ150に
おいてNOと判定される。以後、回転センサ50からの
パルス入力があるごとに、ステップ140にてYESと
判定され、ステップ141にてN=N−1と更新され、
かつ、ステップ150においてNOと判定される。然る
後、マスク値NがN=0になると、ステップ150にお
ける判定がYESとなる。換言すれば、マスク値Nに対
応するパルス数、即ち、このパルス数に対応するモータ
Mの所定回転角だけモータMが回転するまで挟み込み判
定が禁止された後に、この異物挟み込み判定禁止が解除
される。
【0039】このようなステップ150における判定
後、ステップ151において回転センサ50からマイク
ロコンピュータ60に順次入力される各パルス間隔から
パルス周期が順次算出され、かつこれらパルス周期から
パルス周期減少率rが算出される。ついで、ステップ1
60において、ステップ151におけるパルス周期減少
率rがしきい値kと比較判定される。
【0040】パルス周期減少率rがしきい値kよりも大
きければ、異物挟み込みとの判断により、ステップ16
0においてYESと判定される。次のステップ170に
おいて、モータセーフティリターン動作処理が行われ
る。これにより、このステップ170において、ウィン
ドウ12を反転動作させるべく下降信号が出力される。
これに伴い、モータMが駆動回路70により駆動されて
ウィンドウ12を下降させる。これにより、異物の排除
が可能となる。
【0041】以上説明したように、モータMの起動時の
不安定動作時間を上記ゆるみ現象を活用して、マスク値
Nを設定し、これにより、モータMの起動時の異物挟み
込み有無の判定を禁止するようにした。この場合、マス
ク値Nが、モータM起動時の回転速度ではなく、上記ゆ
るみ現象により定まるパルス数、即ちモータMの起動後
の所定の回転角でもって特定されている。従って、モー
タMの起動時の異物挟み込み判定に対するマスク時間が
モータMの回転速度の高低に応じて適正に維持される。
このため、モータの起動時における不安定動作の間の異
物挟み込み有無の判定がモータ起動時の回転速度に応じ
たマスク時間でもって禁止される。従って、モータの起
動時に回転速度の高低があっても、異物挟み込みの有無
の判定が誤ってなされることはない。
【0042】また、上述のように、モータMの起動後回
転速度の最初の波形部分の立ち下がり終了時近傍までに
回転センサ50から生ずるパルスの数を繰り返しサンプ
リングして、そのうちの最大パルス数を選択し、これに
数パルスを加算した値をマスク値Nと設定するのみ故、
このマスク値Nの設定が簡単でありコスト高を招くこと
はない。
【0043】次に、上記実施例の変形例について説明す
る。上記実施例にて採用したゆるみ現象は、モータMの
起動時の回転速度変動のみならず、ウィンドウ12の動
作パターンにより異なる。そこで、この動作パターンの
差異を考慮して、所定マスク値Nを補正することを試み
た。まず、ウィンドウ12の動作パターンにつき、上記
実施例における動作パターンの他に、次の第1及び第2
の動作パターンを想定した。
【0044】 第1動作パターンは、ウィンドウ12
が、上昇(図6(a)の左図参照)→停止→上昇(図6
(a)の右図参照)の過程を辿るパターンとする。 第2動作パターンは、ウィンドウ12が、下降(図
6(b)の左図参照)→全開ロック状態→上昇(図6
(b)の右図参照)の過程を辿るパターンとする。
【0045】このような各動作パターンについてゆるみ
現象を検討してみたところ、第1動作パターンにおいて
は、ウィンドウ12の各上昇過程においてモータMが同
一方向に回転する。このため、下側ローラ24とプーリ
21との間でワイヤ25にたるみが生じても、上側ロー
ラ23とプーリ21との間ではワイヤ25のたるみが生
じない。従って、ワイヤ25のたるみを原因とするゆる
み現象は殆どない。
【0046】また、第2動作パターンにおいては、第2
動作パターンでのウィンドウ12の下降によりウィンド
ウ12が全開ロック状態となるのであるから、上側ロー
ラ23とプーリ21との間ではワイヤ25のたるみは最
大となる(図6(b)の左図参照)。従って、この最大
のたるみが、ウィンドウ12をその後上昇させるにあた
り、最大のゆるみ現象として作用する(図6(b)の右
図参照)。
【0047】以上のような検討結果を利用することによ
り、上記実施例のステップ120においてセットしたマ
スク値Nを次のように補正する(請求項における補正
手段による補正に相当する)。即ち、ウィンドウ12の
第1動作パターンのときは、マスク値Nをこれより小さ
めの値に補正し、一方、ウィンドウ12の第2動作パタ
ーンのときは、マスク値Nをこれより大きめの値に補正
する。
【0048】これにより、ウィンドウ12の動作パター
ンの違いに応じたマスク値Nの補正結果に基づき、図3
の各ステップ140乃至150における処理が行われ
る。その結果、モータMの起動時における挟み込み判定
に対するマスクが、ウィンドウ12の動作パターンの違
いに応じて、過不足なくより一層適正になされ得る。ま
た、本発明の実施にあたっては、上記マスク値Nを、モ
ータMの起動後ウィンドウ12の上昇動作開始までのモ
ータMの所定回転角、或いはモータMの起動時のウィン
ドウ12に対する駆動機構20の駆動遅れに基づき設定
してもよい。これにより、上記実施例と同様の作用効果
を達成できる。
【0049】また、本発明の実施にあたっては、上記実
施例にて述べた駆動機構20に限らず、駆動機構20に
類似する各種の駆動機構を採用して実施してもよい。こ
の場合、駆動機構20のワイヤに限らず、例えば、リン
グ状のチェーンやタイミングベルト等のベルトを、モー
タMからウィンドウ12への動力伝達要素として採用し
てもよい。
【0050】また、上記実施例及び変形例においては、
自動車のドアのウィンドウ開閉制御装置に本発明を適用
した例について説明したが、これに限らず、自動車のサ
ンルーフ、各種車両や船舶、若しくは建造物等のウィン
ドウの開閉制御装置に本発明を適用して実施してもよ
い。この場合、ウィンドウの開閉方向は、上下方向に限
らず、横方向等任意の方向に開閉するものであってもよ
い。
【0051】また、上記実施例の各フローチャートにお
ける各ステップは、それぞれ、機能実行手段としてハー
ドロジック構成により実現するようにして実施してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】自動車のドアの側面図である。
【図3】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図4】ゆるみ現象を説明するための駆動機構のワイヤ
のたるみ状況を示す例示図である。
【図5】マスク値を設定するにあたり必要なウィンドウ
の上昇位置の時間的変化及びモータの回転速度の起動後
の変動を示すグラフである。
【図6】上記実施例の変形例のための駆動機構ののワイ
ヤのたるみ状況を示す例示図である。
【図7】従来のウィンドウ開閉制御装置におけるモータ
起動時の回転速度変動を、回転速度の高低に応じて示す
グラフである。
【図8】従来のウィンドウ開閉制御装置における必要マ
スク時間と電圧との関係を温度をパラメータとして示す
グラフである。
【符号の説明】
10・・・ドア、12・・・ウィンドウ、20・・・駆
動機構、25・・・ワイヤ、30・・・閉操作スイッ
チ、50・・・回転センサ、60・・・マイクロコンピ
ュータ、70・・・駆動回路、M・・・モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05F 15/00 - 15/20 B60J 1/00 - 1/17

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータによりウィンドウを開閉駆動する
    駆動手段と、 前記ウィンドウの閉動作中における前記モータの回転変
    化度合を異物挟み込み判定のためのしきい値と比較し、
    この比較結果に応じて前記ウィンドウの異物挟み込みの
    有無を判定する挟み込み判定手段と、 この挟み込み判定手段の判定結果に基づき前記駆動手段
    による前記モータの駆動を制御する制御手段と 前記モータの起動に伴う回転角に基づき前記挟み込み判
    定手段による判定をマスクするマスク手段を備えたウィ
    ンドウ開閉制御装置であって、 前記モータの起動に伴う回転角を、前記ウィンドウの動
    作パターンの違いに応じて補正する補正手段を備え、 前記マスク手段が、そのマスク作用を、前記補正回転角
    に基づき行う ことを特徴とするウィンドウ開閉制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記モータの回転角を検出する回転角検出
    手段を備え、前記マスク手段が、前記検出回転角の前記
    モータの起動に伴う回転角への到達時まで、前記マスク
    作用を継続することを特徴とする請求項1記載のウィ
    ンドウ開閉制御装置。
  3. 【請求項3】前記モータの回転に応答してパルスを発生
    するパルス発生手段を備え、また、前記マスク手段が、
    前記モータの起動に伴う回転角に相当する前記パルスの
    数を計数する計数手段を備え、前記マスク作用を、前記
    計数手段の計数終了まで継続することを特徴とする請求
    項1記載のウィンドウ開閉制御装置。
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