JP5592285B2 - 開閉部材制御装置及び車両 - Google Patents

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Description

本発明は、開閉部材制御装置及び車両に係り、特に、ウィンドウ及びスライドドアその他開閉部材の開閉を制御する開閉部材制御装置、及び、当該開閉部材制御装置を搭載した車両に関する。
従来から、車両に設けられたウィンドウガラス、ドア、スライドルーフなどの開閉部材をモータ等の駆動力により移動させる開閉部材制御装置が知られている。ところで、この種の開閉部材制御装置においては、開閉部材の移動に伴い開閉部材が何らかの異物を挟み込んでしまう虞がある。そこで、異物の挟み込みを防止するために、開閉部材における異物の挟み込みを検出し、挟み込みを検出した場合には、開閉部材を停止させるか、あるいは反転動作させるようにした開閉部材制御装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1に示されている技術では、ウィンドウの閉動作中において、このウィンドウを駆動するモータの回転速度の減速度合いが閾値を超えたときに異物の挟み込みと判定している。そして、回転速度が不安定になるモータ起動時に間違った判定が行われることを防止するため、モータの起動後は所定時間が経過するまでは挟み込みの判定にマスクをかけている。
しかし、モータ回転速度は、温度変化によるモータ内のグリスの粘性変化や、バッテリ電圧の変動若しくは経年変化により低下する。また、ウィンドウへの動力伝達要素としてワイヤ等の可撓性部材を使用したワイヤ式ウィンドウ開閉制御装置においては、ウィンドウの閉動作後及び開動作後に閉動作を行った場合のそれぞれにおいて、可撓性部材のたるみが生じる部位が変化することによって回転速度が不安定になるモータの回転範囲が変動する。このようなモータ回転数の変動による挟み込みの誤判定を防止するために、モータの起動後のマスク時間は長めに設定されているが、これにより、挟み込み判定のタイミングが遅延し、挟み込み力が大きくなる虞があった。
これに対し、特許文献2に示されている可撓性部材を介してウィンドウを開閉動作する開閉部材制御装置においては、ウィンドウの動作パターンに応じて異なる可撓性部材のたるみ状態を考慮したマスク値を設定すると共に、挟み込み判定のマスク値としてモータの回転角度を採用することで、モータの回転速度を変化させる多様な要素に対応した挟み込み判定を可能としている。ただし、特許文献2の技術では、マスク値の算出において経年変化による可撓性部材の寸法変化までは考慮されておらず、可撓性部材の経年変化によるマスク値の変動を補正することができない結果、長期間に亘る使用によりマスク値が適正な範囲から逸脱する虞があった。
以上のような状況に鑑みて、特許文献3に示されている開閉部材制御装置においては、開閉部材が上限位置(閉め切った状態の位置)から下限位置(開き切った状態の位置)まで移動する間のモータ作動量を、予め設定された基準値と比較してマスク値の補正量を算出することとしている。すなわち、特許文献3の技術では、開閉部材が可動範囲全体を移動する間のモータ作動量の変化が可撓性部材の経年変化に起因するものとして、開閉部材が可動範囲全体を移動する間のモータ作動量をその初期値と比較して補正量を算出して、可撓性部材の経年変化に相当する分だけマスク値を補正することとしている。
特開昭63−165682号公報 特開平08−158738号公報 特開2010−24646号公報
ところで、特許文献3の技術では、開閉部材を可動範囲全体に亘って移動させる動作が実行されない限り、マスク値の補正量が算出されない。したがって、開閉部材の開閉移動のパターンによっては(例えば、開閉部材を可動範囲の中途位置で停めてしまうような開閉動作が繰り返される場合)、可撓性部材の寸法が経年変化しているにも拘わらず、マスク値が補正されないことになる。この結果、長期間に亘る使用によりマスク値が適正な範囲から逸脱する虞がある。
一方、可撓性部材の寸法変化による適正なマスク値の変動を解消するため、ばねに連結された可動ローラなどを用いて常時一定のテンションを可撓性部材に負荷するオートテンショナー機構を装着して自動的に可撓性部材のたるみを矯正する方法も考えられる。ただし、かかる場合には、オートテンショナー機構の装着による部品点数の増加とコストの上昇が避けられない。
そこで、本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、低コストで、かつ、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなく、経年変化による可撓性部材の伸びを考慮して適切に挟み込み判定をすることが可能な開閉部材制御装置、及び、当該開閉部材制御装置を搭載した車両を提供することである。
前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉移動可能な開閉部材と係合し、該開閉部材を開閉移動させるために駆動する可撓性駆動部材と、該可撓性駆動部材に駆動力を与えるためのモータと、該モータの回転状況を検知し、該回転状況に応じた信号を出力する検知部と、前記開閉部材の開閉移動動作の実行履歴に関する指標値を求める演算部と、前記信号に対するマスク範囲を前記指標値に基づいて設定する設定部と、前記マスク範囲がマスクされた前記信号に基づいて、前記開閉移動動作の実行中に前記開閉部材が異物を挟み込んだか否かを判定する判定部と、を有することにより解決される。
上記の開閉部材制御装置であれば、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値に基づいてマスク範囲を設定し、そのマスク範囲がマスクされた信号に基づいて上述の挟み込み判定をするので、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなくマスク範囲を補正することができ、挟み込みの誤判定を長期間に亘って防止することができる。すなわち、開閉移動動作の実行履歴に応じて自動的にマスク範囲が設定されるため、マスク範囲を見直すためにわざわざ開閉部材を可動範囲全体に亘って移動させる必要がなく、通常の動作において適宜マスク範囲の見直しが行われる使い勝手の良い開閉部材制御装置が得られる。また、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値に基づいてマスク範囲を設定する構成であるため特別な装置を取り付ける必要がなく部品点数の増加やコストの上昇を抑えることができる。
なお、上記の開閉部材制御装置において、前記演算部は、前記指標値として、前記開閉移動動作の実行回数、前記開閉部材が開閉移動した距離の合計値、及び、前記開閉部材が開閉移動する経路内に設けられた基準位置に前記開閉部材が到達した回数のうち、少なくとも一つの値を求めることとしてもよい。これらの数値は、開閉部材を可動範囲全体に亘って移動させなくとも求められる値であり、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなくマスク範囲を見直すことができる構成として好適である。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記基準位置は、前記経路における端位置であることとしてもよい。
かかる構成により、指標値をより簡易に求めることが可能になる。すなわち、基準位置を開閉部材の可動範囲の端位置とすれば、基準位置が明確になる結果、当該基準位置に到達した回数を求めることが容易になる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記指標値と前記マスク範囲との対応関係を記憶した記憶部を更に有し、前記設定部は、前記マスク範囲を、前記演算部が求めた前記指標値及び前記対応関係に基づいて設定することとしてもよい。
かかる構成により、マスク範囲の設定がより容易になる。すなわち、対応関係を参照することにより、演算部が求めた指標値と対応するマスク範囲を割り出し、かかるマスク範囲を採用することで、マスク範囲の設定が容易になる。
また、上記の開閉部材制御装置において、前記可撓性駆動部材は、ワイヤであり、周面に前記ワイヤが掛け回された状態で回転する回転ローラが更に備えられ、前記モータは、前記回転ローラを回転させることにより前記ワイヤに駆動力を与え、前記検知部は、前記モータの角速度に応じた前記信号を出力し、前記設定部は、前記開閉移動動作の実行にあたって前記マスク範囲を前記指標値に基づいて設定することとしてもよい。
かかる構成であれば、ワイヤのたるみ状態を考慮してマスク範囲を設定する際に、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなく、ワイヤ寸法の経年変化に応じて適宜なマスク範囲を設定することが可能になる。つまり、上記の構成であれば、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなくマスク範囲を見直すことができるという本発明の効果がより有意義に発揮されることになる。
さらに、車両本体と、該車両本体に対して開閉移動可能に取り付けられた開閉部材と、該開閉部材の開閉移動動作を制御するための開閉部材制御装置と、を有し、該開閉部材制御装置は、前記開閉部材と係合し、前記開閉部材を開閉移動させるために駆動する可撓性駆動部材と、該可撓性駆動部材に駆動力を与えるためのモータと、該モータの回転状況を検知し、該回転状況に応じた信号を出力する検知部と、前記開閉部材の開閉移動動作の実行履歴に関する指標値を求める演算部と、前記信号に対するマスク範囲を前記指標値に基づいて設定する設定部と、前記マスク範囲がマスクされた前記信号に基づいて、前記開閉移動動作の実行中に前記開閉部材が異物を挟み込んだか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴とする車両も実現可能である。
かかる車両では、低コストで、かつ、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなく、経年変化による可撓性部材の伸びを考慮して適切に挟み込み判定をすることが可能となる。
本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材の開閉移動のパターンに影響されることなく、マスク範囲を補正することができ、挟み込みの誤判定を長期間に亘って防止することが可能となる。また、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値に基づいてマスク範囲を設定する構成であるため、特別な装置を取り付ける必要がなく部品点数の増加やコストの上昇を抑えることができる。
本実施形態に係る自動車1の外観図である。 本実施形態に係るウィンドウ開閉制御装置4の構成例を示す図である。 本実施形態に係る自動車1のドア2aの側面図である。 図4(a)は、ウィンドウ3の開動作時におけるワイヤ13の状態を示しており、図4(b)は閉動作時におけるワイヤ13の状態を示している。 図5(a)、(b)は、起動直後におけるモータMの回転角度とモータ回転速度の関係図である。 図6(a)、(b)は、本実施形態に係るモータMの起動直後におけるモータ回転角度と回転速度の関係図(経年変化後の状態)である。 本実施形態に係るウィンドウ開閉制御に関する第1の例を示す図である。 本実施形態に係る開閉移動動作の実行回数とマスク範囲との対応関係の説明図である。 図9(a)、(b)は、本実施形態に係る開閉移動動作の実行回数とマスク範囲との対応関係の変更例を示す図である。
<<本実施形態に係る開閉部材制御装置及び車両について>>
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について説明する。
先ず、本実施形態に係る自動車1について図1乃至図3を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る自動車1の外観図である。図2は、本実施形態に係るウィンドウ開閉制御装置4の構成例を示す図である。図3は、本実施形態に係る自動車1のドア2aの側面図である。
本実施形態に係る自動車1は、車両の一例であり、図1に示すように、車体本体2とウィンドウ3とを有する。車体本体2は、自動車1のうち、ウィンドウ3及び後述のウィンドウ開閉制御装置4を除いた部分である。ウィンドウ3は、開閉部材の一例であり、車両本体2の一部であるドア2a(より正確にはドア2aの窓枠)に対して開閉移動可能に取り付けられている。なお、本実施形態においてウィンドウ3は、車体本体2の上下方向に沿って開閉移動する。
さらに、自動車1は、ウィンドウ3の開閉移動動作を制御するウィンドウ開閉制御装置4を搭載している。ウィンドウ開閉制御装置4は、開閉部材制御装置の一例であり、図2に示すように駆動ユニット10と制御ユニット20とを主たる構成要素として有する。以下、駆動ユニット10と制御ユニット20の各々について説明する。
<駆動ユニット10について>
駆動ユニット10は、ウィンドウ3の開閉移動動作を実行するためのものである。駆動ユニット10は、図2及び図3に示すように、ドア2a側に取り付けられたモータMと、モータMの出力軸14に連結されたプーリ11と、2つの従動ローラ12a、12bと、無端状に配置されたワイヤ13と、を有して構成されている。
モータMは、ウィンドウ3を開閉移動させるための駆動源となるものであり、本実施形態ではウィンドウ3にプーリ11を介して駆動力を与える。モータMとしては、例えば、ブラシ付き直流モータやブラシレスモータが好適である。
プーリ11は、回転ローラの一例であり、2つの従動ローラ12a、12bと協働してワイヤ13を回転駆動させるものである。具体的に説明すると、プーリ11と、上下方向に配設された2つの従動ローラ12a、12bとは、いずれもその周面にワイヤ13が掛け回された状態で回転する。そして、モータMが起動すると、プーリ11及び各従動ローラ12a、12bがワイヤ13を連れ回すように回転する。換言すると、本実施形態に係るモータMは、プーリ11や従動ローラ12a、12bを回転させることによりワイヤ13に駆動力を与える。なお、プーリ11の周面にはワイヤ13が一巻き以上巻回されて装着されており、ワイヤ13とプーリ11との間の滑りを防いでいる。
ワイヤ13は、可撓性駆動部材の一例であり、ウィンドウ3を開閉移動させるために回転駆動する。本実施形態に係るワイヤ13は、プーリ11及び2つの従動ローラ12a、12bの各々の周面に掛け渡された状態にあり、さらに、従動ローラ12a、12bの間の位置で、ウィンドウ3に形成された固定部材3aに係止されている。これにより、ウィンドウ3とワイヤ13とは一体的に動作し、ワイヤ13の駆動に連動してウィンドウ3が開閉移動するようになっている。
なお、ワイヤ13の材質としては、高い引っ張り強度を有する鋼製の線材あるいは樹脂製のものが好適である。
以上のような構成を有する駆動ユニット10では、モータMが起動すると、プーリ11が2つの従動ローラ12a、12bと共転することで、ワイヤ13をその張架方向に回転させ、最終的にウィンドウ3がワイヤ13の駆動に連動する形で上下方向に沿って開閉移動するように構成されている。
<制御ユニット20について>
制御ユニット20は、ウィンドウ3の開閉移動動作の実行(具体的には、モータMの運転)を制御するためのものである。制御ユニット20は、図2に示すように、モータMに取り付けられたパルスセンサ21、コントローラ22、及び、駆動回路23を有して構成されている。
パルスセンサ21は、検知部の一例であり、モータMの回転状況を検知し、当該回転状況に応じた信号としてのパルス信号を出力するものである。具体的に説明すると、パルスセンサ21は、例えば、ホール素子、ロータリーエンコーダ、レゾルバ等により構成されており、モータMの回転速度(より正確には角速度)及び回転方向を検知して、一定の回転角度毎にパルス信号を出力する。出力されたパルス信号は、コントローラ22に入力される。
なお、本実施形態ではパルス信号に基づいて、回転角度に対するモータ回転速度及び回転方向、及び、ウィンドウ3の開閉移動動作に伴うワイヤ13の駆動量等を算出し、更にはウィンドウ3が開閉移動する経路(すなわち、ウィンドウ3の可動範囲)内で位置している位置を特定することが可能である。
コントローラ22には、電源供給手段としてのバッテリBaと操作手段としてのスイッチSWが接続されており、また、予めインストールされたプログラムに従って、ウィンドウ開閉制御(開閉移動動作の実行制御)を行うマイクロコンピュータ24が備えられている。マイクロコンピュータ24は、ウィンドウ開閉制御のための演算処理を行うCPU24aと、各種データや信号並びにプログラムを記憶する記憶部としてのメモリ24bとを有して構成されており、パルスセンサ21等から入力された信号に基づいて所定の処理を行い、駆動回路23を介してモータMを制御するものである。
駆動回路23は、図2に示すように、モータMを駆動する電源供給回路23a等の各種回路を有して構成されている。そして、マイクロコンピュータ24による制御の下に電源供給回路23aが操作されると、モータMが正転若しくは逆転するようになる。スイッチSWは、閉操作スイッチと開操作スイッチとからなりそれぞれの操作に応じた信号をコントローラ22に出力する。なお、スイッチSWには、スイッチ操作がなされた回数(すなわち、開閉移動動作の実行回数)をカウントするカウンター25が取り付けられている。
また、制御ユニット10には、閉動作中においてウィンドウ3とドア2aとの間に異物が挟み込まれた場合にウィンドウ3を一時的に開動作させて異物の挟み込みを防止する機能が具備されている。挟み込みの判定は、モータ回転速度(より正確には、モータMの角速度)を挟み込み判定のための閾値と比較することで行っている。より詳しく説明すると、閉動作中にウィンドウ3が異物を挟み込むとモータ回転速度(角速度)が変化し、これに伴って、パルス信号の間隔が変化する。かかる現象に着目し、本実施形態では、パルス信号の間隔の変動を検知して挟み込み判定のための所定の閾値と比較することにより挟み込み判定を行うこととしている。そして、(異物の)挟み込み有りと判定した場合には、モータMを所定回転数逆転させる挟み込み解除作動が行われる。
さらに、本実施形態に係る制御ユニット10は、起動直後にモータ回転速度が不安定になる範囲に対してマスク処理を行うことで挟み込みの誤判定を防いでいる。
以上のような機能を実現するため、駆動回路23には、ウィンドウ3が開閉移動動作の実行中に異物を挟み込んだか否かを判定するための判定回路23bと、挟み込みの誤判定を防止するためにマスク範囲を設定するための設定回路23cが備えられている。
判定回路23bは、マイクロコンピュータ24がパルスセンサ21から出力されたパルス信号を受信すると、当該パルス信号に基づいて挟み込み判定を行う際に操作される。すなわち、本実施形態では、マイクロコンピュータ24と判定回路23bとが協働して、挟み込み判定を行う判定部として機能し、パルス信号からモータ回転速度(モータMの角速度)を割り出して当該モータ回転速度と挟み込み判定のための閾値と比較して異物挟み込みの有無を判定している。
設定回路23cは、挟み込みの誤判定を防止すべく、モータ回転速度が不安定になる範囲を挟み込み判定から除くためにパルス信号に対するマスク範囲を設定する際に操作される。すなわち、本実施形態では、マイクロコンピュータ24と設定回路23cとが協働して、マスク範囲を設定する設定部として機能する。
マスク範囲が設定された後には、開閉移動動作(より具体的には、閉動作)において、挟み込み判定がマスクされる領域以外の領域で挟み込み判定が行われる。換言すると、マイクロコンピュータ24が判定回路23bを操作して、マスク範囲がマスクされたパルス信号に基づいて開閉移動動作の実行中に挟み込み判定を実行する。
<モータ回転速度が不安定になる原因について>
以下では、起動直後にモータ回転速度が不安定になる原因について考察する。
モータ回転速度が不安定になる原因としては、(ア)モータMの回転子のゴムダンパのねじれ、(イ)歯車間のバックラッシュ等の噛み合わせの遊び、(ウ)ウィンドウ3の動作パターンの違いによるワイヤ13のたるみ状態の変化、(エ)温度変化によるグリスの物性変化、(オ)経年変化によるワイヤ13の寸法変化などが挙げられる。
(ア)モータMの回転子に取り付けられたゴムダンパのねじれは、モータMの起動時に回転方向の負荷に応じてゴムダンパにねじれが生じることが原因である。(イ)歯車間のバックラッシュ等の噛み合わせの遊びは、モータMの出力をプーリ11に伝達する歯車間に生じるバックラッシュ等の噛み合わせの遊びである。これらは、一定の回転角度範囲でモータ回転速度を不安定にする。
(ウ)ウィンドウ3の動作パターンの違いによるワイヤ13のたるみ状態の変化は、ワイヤ13の中でたるみが生じる部位が前回のウィンドウ3の動作方向によって変化することを原因として生じる。かかる内容について、図4(a)及び図4(b)に基づき、具体的に説明する。図4(a)は、ウィンドウ3の開動作時におけるワイヤ13の状態を示しており、図4(b)は閉動作時におけるワイヤ13の状態を示している。
ウィンドウ3の開動作では、従動ローラ12a、12bの間に位置する固定部材3aが下方に移動するため、ワイヤ13に対して下方向の引っ張り応力が負荷される。この結果、図4(a)に示すように、プーリ11と上側の従動ローラ12aとの間において、ワイヤ13にたるみが生じる。そして、ワイヤ13のたるみが、図4(a)の状態にあるとき、図4(b)に示すようにウィンドウ3の閉動作を行うと、プーリ11と上側の従動ローラ12aの間に生じていたワイヤ13のたるみが解消されてから、固定部材3aが上方に移動するようになる。
一方、ウィンドウ3の閉動作の後に再度閉動作を行う動作パターンにおいては、2回目の閉動作時にはプーリ11と上側の従動ローラ12aの間にワイヤ13のたるみがないので、固定部材3aが直ちに上方に移動することになる。
以上の如く、ウィンドウ3の開動作の後に閉動作を行う動作パターンでは、閉動作の後に閉動作を行う動作パターンに比して、モータ回転速度が不安定になる範囲が増えることになる。
(エ)温度変化によるグリスの物性変化は、モータMや歯車などに塗られたグリスの粘性値が温度によって変化することが原因である。グリスの粘性値は温度に大きく依存するため、グリスの粘性の変化を原因とするモータ回転速度が不安定になる範囲も温度から算出できる。(オ)経年変化によるワイヤ13の寸法変化は、長期間の使用によりワイヤ13が伸びることが原因であり、巻装されたワイヤ13のたるみ量が増えることで、モータ回転速度が不安定になる範囲が変化する。このワイヤ13の寸法変化については、ワイヤ13の使用条件によって大きく変動するため、一般的に時間の関数として算出することが困難である。
<マスク範囲の設定について>
挟み込み判定を適切に実行する上で、上述した(ア)〜(オ)に示したモータ回転速度が不安定になる原因を考慮して、マスク処理を行う範囲(マスク範囲)を適切な範囲に設定する必要がある。
このため、本実施形態では、先ず、ウィンドウ3の動作パターンの違いに応じてマスク範囲を設定する。つまり、本実施形態では、起動直後のモータMの不安定な動作範囲がウィンドウ3の動作パターンによって異なることを考慮して、ウィンドウ3の動作パターンに応じたマスク範囲を設定する。
具体的に説明すると、ウィンドウ3を閉動作(すなわち、ウィンドウ3を上昇させる動作)の後に閉動作を行う動作パターンにおいて、起動直後のモータ回転速度には、図5(a)に示すように、一時的に大きな値を示す不安定な動作範囲が認められる。これは、モータMの回転子に使用されているゴムダンパのねじれや、歯車のバックラッシュ等の噛み合わせの遊びによってモータMへの負荷が不安定になることが原因である。図5(a)は、ウィンドウ3を閉動作の後に閉動作を行う動作パターンでの起動直後におけるモータMの回転角度とモータ回転速度の関係図である。
そこで、上記の動作パターンでは、上述のモータ回転速度が不安定になる領域で挟み込み判定を解除するマスク範囲を、モータ回転速度が不安定になるパルス信号数(モータ回転角度)を繰り返し測定して、そのうちの最大パルス信号数を選択し、これに数パルスを加算した範囲をマスク範囲Aとして設定する。
一方、図5(b)に示すように、ウィンドウ3を開動作(すなわち、ウィンドウ3を下降させる動作)の後に閉動作を行う動作パターンでは、図5(a)に比して、起動直後にモータ回転速度が一時的に大きな値を示す不安定な動作範囲が広くなっている。これは、開動作の後に閉動作を行ったことにより、生じたワイヤ13のたるみによってモータMに負荷が掛からない領域が増加したことが原因である。図5(b)は、ウィンドウ3を開動作の後に閉動作を行う動作パターンでの起動直後のモータMの回転角度とモータ回転速度の関係図である。
そこで、上記の動作パターンについても、上記のモータ回転速度が不安定になるパルス信号数(モータ回転角度)を繰り返し測定して、そのうちの最大パルス信号数を選択し、これに数パルスを加算した範囲を初期マスク範囲B0として設定する。
なお、上述したマスク範囲A及び初期マスク範囲B0については、モータ回転速度が不安定になる動作領域が温度変化によって変動した場合、その変動量に見合う分だけ、マスク範囲A及び初期マスク範囲B0を補正することとしてもよい。例えば、温度センサ(不図示)の測定値に基づいて補正値を算出し、かかる補正値をモータ回転速度が不安定になるパルス信号数から増減すればよい。
以上までに説明してきた手順により、ウィンドウ3の動作パターンに応じて、マスク範囲Aと初期マスク範囲B0を設定することが可能である。ただし、ウィンドウ3の動作パターンに応じてマスク範囲を設定するだけでは、適切なマスク範囲が設定されない場合がある。つまり、本実施形態ではワイヤ13が可撓性を有しているため、長期間の使用によりワイヤ寸法が変化し、ワイヤ寸法の変化に応じて適正なマスク範囲が変動する。つまり、経年的なワイヤ13の伸びに応じてマスク範囲の見直し(再設定)が必要となる。
以下に、ワイヤ13の経年変化による伸びに応じてマスク範囲を設定する方法を説明する。
ワイヤ13が経年変化により伸びた場合、起動直後のモータMの回転角度とモータ回転速度の関係は、図6(a)や図6(b)に示す通りになる。図6(a)及び図6(b)は、経年変化により伸びたワイヤ13を使用して測定したモータM起動直後のモータ回転角度と回転速度の関係図であり、図6(a)は、閉動作の後に閉動作を行う動作パターンにおける図であり、図6(b)は、開動作の後に閉動作を行う動作パターンにおける図である。
ワイヤ13が経年変化により伸びた状況で閉動作の後に閉動作を行う動作パターンでは、図6(a)に示すように、前回の動作が閉動作であるため、プーリ11と上側の従動ローラ12aの間にはワイヤ13のたるみが生じておらず、経年変化していない初期のワイヤ13を用いた場合と同様の曲線を示している。このため、挟み込み判定のためのマスク範囲としては、初期のワイヤ13を用いたときに設定されたマスク範囲Aをそのまま用いることができる。
一方、ワイヤ13が経年変化により伸びた状況で開動作の後に閉動作を行う動作パターンでは、図6(b)に示すように、図6(a)に比して、起動直後にモータ回転速度が一時的に大きな値を示す不安定な動作領域が広くなっていると共に、図5(b)との比較においても不安定な動作領域が広くなっている。これは、経年変化によりワイヤ13が伸びたことにより、プーリ11と上側の従動ローラ12aの間におけるワイヤ13のたるみ量が増加したことに起因する。
ワイヤ13のたるみに対する措置としては、一般的に、モータ回転速度の不安定な動作領域が増加した領域を変化量ΔDとして、ワイヤ13が伸びた状態でのマスク範囲Bを下記の式により求めることが行われている。
B=B0+ΔD (1)
上記の式(1)中、変化量ΔDは、ウィンドウ3を全開状態から全閉状態まで動作させる際にモータMから出力されるパルス信号数を、初期状態と経年変化状態の各々について測定して比較することで算出される。すなわち、初期状態におけるウィンドウ3の全開状態から全閉状態までにカウントされたパルス信号数を初期回転角度D0(初期値)としてマイクロコンピュータ24のメモリ24bに記憶しておき、一方、経年変化後の全開状態から全閉状態までにカウントされたパルス信号数を測定して回転角度D1とすると、変化量ΔDは、回転角度D1と初期回転角度D0との差として算出される。
以上のように、ウィンドウ3を全開状態から全閉状態まで移動させる際のパルス信号数から変化量ΔDを算出することにより、ワイヤ13が経年変化による伸びた状況で開動作の後に閉動作を行う動作パターンであっても、初期マスク範囲B0に変化量ΔDだけ加算して適正なマスク範囲Bを改めて設定することが可能になる。
しかしながら、上記の手順では、ウィンドウ3を全開状態から全閉状態まで移動させない限り、ΔDが算出されないのでマスク範囲の見直しが行われない。すなわち、ウィンドウ3の開閉移動のパターンによっては(例えば、ウィンドウ3を可動範囲の中途位置で停めてしまうような開閉移動動作が繰り返された場合)、ワイヤ13が経年変化により伸びているにもかかわらず、適正なマスク範囲が設定されないことになる。この結果、長期間に亘る使用によりマスク範囲が適正な範囲から逸脱し、異物の挟み込みの有無に関しても正しく判定されなくなる虞がある。
そこで、本実施形態では、ウィンドウ3を全開状態から全閉状態まで移動させなくとも、開閉移動動作の実行履歴に応じてマスク範囲の見直し(再設定)を行うこととしている。このため、駆動回路23には、上述した判定回路23b及び設定回路23cに加えて、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値を求めるための演算回路23dが更に備えられている。
演算回路23dは、パルスセンサ21やスイッチSW若しくはバッテリBa又はカウンター25等から入力された信号に基づいて、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値を求める際に操作される。すなわち、本実施形態では、マイクロコンピュータ24と演算回路23dとが協働して、上記指標値を求める演算部として機能する。求めた指標値は、マイクロコンピュータ24のメモリ24bに記憶される。
なお、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値とは、開閉移動動作の実行回数、これまでに実行された開閉移動動作においてウィンドウ3が開閉移動してきた距離の合計値、及び、ウィンドウ3が開閉移動する経路(可動範囲)内に設けられた基準位置にウィンドウ3が到達した回数など、開閉移動動作の実行に伴って変化し得る数値であって、開閉移動動作の実行回数分だけ集計した際の集計結果を意味する。
そして、本実施形態では、マスク範囲を上述の指標値に基づいて設定する。具体的には、開動作の後に閉動作を行う動作パターンに対するマスク範囲Bを設定する場合、メモリ24bに記憶された指標値を読み込んで設定回路23cを操作し、当該指標値に基づいて適当なマスク範囲Bを設定する。
以下、マスク範囲を設定するまでの処理の流れを分かり易く説明するために、閉スイッチが操作されて閉動作信号が入力された場合に、開閉移動動作の実行回数に基づいてマスク範囲を設定する例(第1の例)を説明する。
第1の例における処理は、図7に示された流れに従って実行される。図7は、本実施形態に係るウィンドウ開閉制御に関する第1の例を示す図である。
先ず、閉スイッチが操作されて閉操作信号が入力されると(ステップS001)、前回の動作が閉動作であるか否かが判定される(ステップS002)。前回の動作が閉動作(ステップS002でYes)であれば、マスク範囲Aをマスク範囲として設定する(ステップS003)。一方、前回の動作が開動作(ステップS002でNo)であれば、マスク範囲Bをマスク範囲として設定する(ステップS004)。マスク範囲の設定後にウィンドウ3の閉動作を実行する(ステップS005)。この閉動作中、設定されたマスク範囲がマスクされたパルス信号に基づいて、異物挟み込みの判定が行われる。
すなわち、前回のウィンドウ3の動作が閉動作であれば、ウィンドウ3の閉動作開始後、モータMがマスク範囲Aとして設定されたパルス信号数に応じた回転角度を回転するまでは挟み込み判定が行われない。一方、前回のウィンドウ3の動作が開動作であれば、ウィンドウ3の閉動作開始後、モータMがマスク範囲Bとして設定されたパルス信号数に応じた回転角度を回転するまでは判定が行われない。このようにして、起動直後にモータ回転速度が不安定になる範囲で過不足なく挟み込み判定を解除する適正なマスク範囲を設定して誤判定を防止している。
次に、引き続き図7を参照しながら、マスク範囲Bを設定する際の手順について説明する。マスク範囲Bの設定に際し、カウンター25から入力された信号に基づいてマイクロコンピュータ24が演算回路23dを操作して、これまでに実行された開閉移動動作の実行回数が特定される(ステップS006)。ここで、開閉移動動作の実行回数については、自動車1の出荷時点からの実行回数としてもよく、あるいはワイヤ交換等の整備を行った時点からの実行回数としてもよい。
その後、図8に示された実行回数とマスク範囲との対応関係から、求めた実行回数に対応する範囲を割り出し、当該範囲をマスク範囲Bとして設定する(ステップS007)。図8は、本実施形態に係る開閉移動動作の実行回数とマスク範囲との対応関係の説明図であり、同図においてマスク範囲はB1、B2、B3、B4の順に広くなっている。例えば、実行回数が150回である場合、対応する範囲B2をマスク範囲Bとする。以上の対応関係については、予めマイクロコンピュータ24のメモリ24bに記憶されており、設定回路23cを操作する際にメモリ24bから読み出される。
実行回数とマスク範囲との対応関係について詳しく説明すると、本実施形態では、図8に示されているように、所定の実行回数(図8では100回)毎にマスク範囲が一定量ずつ段階的に拡大していく(マスク範囲の上限値が増加する)。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、マスク範囲が拡大する際の実行回数の範囲が一定ではなくともよい(換言すると、一定の実行回数毎にマスク範囲を拡大させるものでなくともよい)。また、実行回数の増加に対するマスク範囲の拡大幅についても変動することとしてもよい(一定でなくともよい)。
さらに、実行回数とマスク範囲との対応関係については、マスク範囲(マスク範囲の上限値)について実行回数を変数とした関数により表現することとしてもよい(図9(a)、9(b)参照)。かかる場合には、より細やかなマスク範囲Bの設定が可能になる。図9(a)、9(b)は、本実施形態に係る開閉移動動作の実行回数とマスク範囲との対応関係の変更例を示す図である。
以上のように開閉移動動作の実行履歴に関する指標値に基づいてマスク範囲Bを設定することにより、本実施形態では、ウィンドウ3を全開状態から全閉状態まで移動させる開閉移動動作を実行しなくとも、上記の指標値に応じてマスク範囲Bの再設定(見直し)が適宜行われるようになる。これにより、ワイヤ13が経年変化により伸びているにも拘わらず適正なマスク範囲が設定されない、という不具合が解消される。
また、本実施形態における開閉部材制御装置4によれば、オートテンショナー機構を取り付ける必要がないため部品点数の増加、及び、コストの上昇を抑えることができる。さらに、ウィンドウ3の動作に応じて自動的にマスク範囲Bが設定されることから、更新のための特別な操作を必要とせず、通常の使用条件において適宜マスク範囲Bの更新をすることが可能となる。
なお、本実施形態では、開閉移動動作の実行履歴に関する指標値とマスク範囲との対応関係をメモリ24bに記憶しておき、マスク範囲Bを設定する際にメモリ24bから上記の対応関係を読み出すこととした。そして、求めた指標値及び上記の対応関係に基づいてマスク範囲Bを設定することとした。これにより、マスク範囲の設定がより容易になる。すなわち、求めた指標値と対応するマスク範囲を対応関係から割り出し、かかるマスク範囲を採用することでマスク範囲Bの設定が容易になる。
ところで、上述した例(第1の例)では、開閉移動動作の実行回数を開閉移動動作の実行履歴に関する指標値としたが、これに限定されるものではない。例えば、これまでに実行された開閉移動動作においてウィンドウ3が開閉移動してきた距離の合計値、あるいはウィンドウ3が開閉移動する経路(可動範囲)内に設けられた基準位置にウィンドウ3が到達した回数を指標値とすることとしてもよい。なお、これらの指標値は、パルスセンサ21から入力されたパルス信号に基づいて求めることが可能である。
特に、ウィンドウ3が可動範囲内の基準位置に到達した回数を指標値として求める場合、当該基準位置は、可動範囲における端位置(上限位置及び下限位置)であることが好適である。このようにすれば、基準位置が明確になる結果、当該基準位置に到達した回数を求めることが容易になる。
また、上述した指標値(開閉移動動作の実行回数、これまでに実行された開閉移動動作においてウィンドウ3が開閉移動してきた距離の合計値、及び、可動範囲内の基準位置にウィンドウ3が到達した回数)については複数採用することとしてもよい。すなわち、上記3つの値のうち、少なくとも1つの値が指標値として求められればよいのであり、複数の値を求めて、当該複数の値をマスク範囲Bの設定に用いることとしてもよい。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態には、主として本発明の開閉部材制御装置及び車両について説明した。しかし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
また、上記の実施形態では、本発明に係る開閉部材の一例として車両に設けられたウィンドウ3を用いて説明したが、その他にも、本発明に係る開閉部材は、車両に設けられた可動フロア、ヒンジ式のドア、スライド式のドア、跳ね上げ式ドア、可動ステップ、サンルーフ、トランクリッド、スライド及び高さ調節式車両用シートの座面、リクライニング式車両用シートのシートバック、チルト&テレスコピックステアリング、展開格納式ドアミラー、可動式エアスポイラー、コンバーチブル車用の展開格納式ルーフ等にも適用できる。
また、上記の実施形態では、ワイヤ13を可撓性駆動部材の一例として挙げたが、これに限定されるものではなく、可撓性を有する駆動力伝達部材であればよく、例えば、ベルト等の帯部材であることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、閉動作の際に挟み込み判定を行うこととしたが、これに限定されるものではなく、開動作の際に挟み込み判定を行う形態、あるいは、開閉双方の動作の際に挟みこみ判定を行う形態であってもよい。
1 自動車、2 車体本体、2a ドア、3 ウィンドウ、3a 固定部材、
4 ウィンドウ開閉制御装置、10 駆動ユニット、11 プーリ、
12a,12b 従動ローラ、13 ワイヤ、14 出力軸、
20 制御ユニット、21 パルスセンサ、22 コントローラ、23 駆動回路、
23a 電源供給回路、23b 判定回路、23c 設定回路、23d 演算回路、
24 マイクロコンピュータ、24a CPU、24b メモリ、25 カウンター、
Ba バッテリ、M モータ、SW スイッチ

Claims (6)

  1. 開閉移動可能な開閉部材と係合し、該開閉部材を開閉移動させるために駆動する可撓性駆動部材と、
    該可撓性駆動部材に駆動力を与えるためのモータと、
    該モータの回転状況を検知し、該回転状況に応じた信号を出力する検知部と、
    前記開閉部材の開閉移動動作の実行履歴に関する指標値を求める演算部と、
    前記信号に対するマスク範囲を前記指標値に基づいて設定する設定部と、
    前記マスク範囲がマスクされた前記信号に基づいて、前記開閉移動動作の実行中に前記開閉部材が異物を挟み込んだか否かを判定する判定部と、を有することを特徴とする開閉部材制御装置。
  2. 前記演算部は、前記指標値として、前記開閉移動動作の実行回数、前記開閉部材が開閉移動した距離の合計値、及び、前記開閉部材が開閉移動する経路内に設けられた基準位置に前記開閉部材が到達した回数のうち、少なくとも一つの値を求めることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  3. 前記基準位置は、前記経路における端位置であることを特徴とする請求項2に記載の開閉部材制御装置。
  4. 前記指標値と前記マスク範囲との対応関係を記憶した記憶部を更に有し、
    前記設定部は、前記マスク範囲を、前記演算部が求めた前記指標値及び前記対応関係に基づいて設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。
  5. 前記可撓性駆動部材は、ワイヤであり、
    周面に前記ワイヤが掛け回された状態で回転する回転ローラが更に備えられ、
    前記モータは、前記回転ローラを回転させることにより前記ワイヤに駆動力を与え、
    前記検知部は、前記モータの角速度に応じた前記信号を出力し、
    前記設定部は、前記開閉移動動作の実行にあたって前記マスク範囲を前記指標値に基づいて設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。
  6. 車両本体と、
    該車両本体に対して開閉移動可能に取り付けられた開閉部材と、
    該開閉部材の開閉移動動作を制御するための開閉部材制御装置と、を有し、
    該開閉部材制御装置は、
    前記開閉部材と係合し、前記開閉部材を開閉移動させるために駆動する可撓性駆動部材と、
    該可撓性駆動部材に駆動力を与えるためのモータと、
    該モータの回転状況を検知し、該回転状況に応じた信号を出力する検知部と、
    前記開閉部材の開閉移動動作の実行履歴に関する指標値を求める演算部と、
    前記信号に対するマスク範囲を前記指標値に基づいて設定する設定部と、
    前記マスク範囲がマスクされた前記信号に基づいて、前記開閉移動動作の実行中に前記開閉部材が異物を挟み込んだか否かを判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする車両。
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