JP4781873B2 - 開閉部材制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は開閉部材制御装置に係り、特に開閉部材による異物の挟み込みを検出可能な開閉部材制御装置に関する。
従来、異物の挟み込み防止機能を備えた車両のパワーウインドウ装置において、挟み込み検出の設定を行う場合、硬いものに合わせて設定を行うと、軟らかいものを挟み込んだときには異物の挟み込みを検出しなかったり、検出時期が遅れてしまったりするという問題があった。一方、軟らかいものに合わせて設定を行うと、設定値が小さくなるため挟み込みを誤検出してしまったりするという問題があった。
このような問題を解消するために、軟らかいもの用,硬いもの用の2つの判定値を設定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、ウインドウガラス駆動用のモータ回転をあらわすパルス信号によって、回転周期変化率が算出され、この回転周期変化率が第1判定値(硬いものを挟み込んだ場合に対応する判定値)を超えた場合に直ちに異物の挟み込みと判定される。一方、回転周期変化率が第1判定値を下回るが第2判定値(軟らかいものを挟み込んだ場合に対応する判定値)を所定パルス回数連続して超えた場合に、異物の挟み込みと判定される。このようにして、特許文献1の技術では、硬いものと軟らかいものの両方に対応して挟み込みを検出することが可能である。
特開平7−158338号公報(第4頁、図4)
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、軟らかいものと硬いものの中間程度の硬さのものを挟み込んだ場合、軟らかいものに対応する第2判定値を所定回数連続して超えるまで挟み込みを検出できないため、挟み込み検出時には挟み込み荷重が高くなってしまい、低荷重での挟み込み判定を行うことができないという問題があった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、挟み込まれる異物の硬さによらず、低荷重で挟み込みを検出することができる開閉部材制御装置を提供することにある。
前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材を開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される開閉部材の移動に応じた速度検出信号を出力する移動速度検出手段と、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の異物の挟み込みを検出する挟み込み検出手段と、を備え、該挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて移動速度の変化量を算出し、該移動速度の変化量に基づいて開閉部材による異物の挟み込みの開始を検出し、挟み込みの開始を検出してからの移動速度の変化量を算出し、該移動速度の変化量が挟み込み判定しきい値を超えた場合に開閉部材による異物の挟み込みを確定するとともに、前記移動速度の変化量に基づいて外乱判定を行い、外乱が生じたと判定した場合に前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させ、その後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことにより解決される。
このように本発明では、挟み込みを開始してからの移動速度の変化量に基づいて挟み込みを検出(確定)するため、挟み込みによって生じた変化量だけを確実に検出できる。これにより、硬いものは挟み込み荷重が大きくなる前に速やかに挟み込みを検出でき、軟らかいものでも確実に挟み込み検出が可能となる。
さらに、挟み込みを確定するにあたり外乱判定を行い、外乱が生じたと判定された場合には、挟み込み判定しきい値を負側に増大させることにより挟み込みの誤判定を防止する。一方、その後の外乱判定において、外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には、外乱期間が終了したものとし、負側に増大させた挟み込み判定しきい値を初期値に戻す。これにより、外乱終了後の挟み込みの確定は、通常(すなわち、外乱が生じていない場合)の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、前記挟み込み検出手段は、前記移動速度の変化量が、変動判定しきい値を超えた場合に前記挟み込みの開始を検出するように構成することができる。このように構成すると変動判定しきい値の設定値を適切なものとすることにより、挟み込んだ異物の硬さ軟らかさによらず確実に挟み込み開始時を検出することができる。
また、前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときからの前記移動速度の変化量の累積値を、前記移動速度の変化量として算出するように構成すると好適である。このように、移動速度の変化量を累積して、移動速度自体の変化量を算出するので、挟み込み荷重の上昇分のみを確実に検出することができる。
また、前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときまでの前記移動速度の変化量の累積値と、現在までの移動速度の変化量の累積値との差を、前記移動速度の変化量として算出するように構成してもよい。このようにしても、挟み込み荷重の上昇分のみを確実に検出することができる。
また、前記挟み込み検出手段は、前記移動速度の変化量が正側に設定された外乱判定しきい値を超えた場合、外乱が生じたと判定して前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させるように構成すると、外乱が発生した場合に、移動速度の変化量が挟み込み判定しきい値を超えにくくなるので、挟み込みの誤検出を防ぐことができる。
また、前記挟み込み検出手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記移動速度の変化量が所定値を超えないために挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すようにすると、外乱の終了後は、通常の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、具体的には、前記駆動手段は、モータを含んでなり、前記移動速度検出手段は、前記速度検出信号として前記モータの回転速度信号を出力し、前記挟み込み検出手段は、前記回転速度信号に基づいて算出した前記モータの回転速度の変化量を前記移動速度の変化量として用いるように構成することができる。このように構成すると、挟み込み荷重をダイレクトに検出可能となる。
また、前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出するように構成することができる。このように構成すると、移動速度検出手段の検出出力Dutyのばらつきを相殺することができ、ばらつき分が相殺された回転速度を算出することが可能となる。
また、前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に算出された回転速度を連続する所定数分毎に平均した平均回転速度から前記移動速度の変化量を算出するように構成することができる。このように構成すると、回転速度データに含まれ得る位相差を相殺することができる。
また、前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材を開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される開閉部材の移動に応じた速度検出信号を出力する移動速度検出手段と、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の移動速度を演算する移動速度演算手段と、該移動速度演算手段によって算出された移動速度を記憶する移動速度記憶手段と、該移動速度記憶手段によって以前記憶された移動速度と新たに記憶された移動速度に基づいて開閉部材の移動速度の変動値を演算する移動速度変動値演算手段と、該移動速度変動値演算手段によって演算された変動値に基づいて挟み込みの開始を検出する挟み込み開始検出手段と、該挟み込み開始検出手段によって挟み込みの開始が検出されてからの前記変動値に基づいて開閉部材による異物の挟み込みを確定する挟み込み確定手段と、を備え、前記挟み込み確定手段は、前記移動速度変動値演算手段によって演算された変動値に基づいて外乱判定を行い、外乱が生じたと判定した場合に前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させ、その後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合には負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことにより解決される。
このように本発明では、挟み込みを開始してからの移動速度の変動値に基づいて挟み込みを検出(確定)するため、挟み込みによって生じた変動値だけを確実に検出できる。これにより、硬いものは挟み込み荷重が大きくなる前に速やかに挟み込みを検出でき、軟らかいものでも確実に挟み込み検出が可能となる。特に、移動速度の変動値を累積して、移動速度自体の変動量を算出するので、挟み込み荷重の上昇分のみを確実に検出することができる。
さらに、挟み込みを確定するにあたり外乱判定を行い、外乱が生じたと判定された場合には、挟み込み判定しきい値を負側に増大させることにより挟み込みの誤判定を防止する。一方、その後の外乱判定において、外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には、外乱期間が終了したものとし、負側に増大させた挟み込み判定しきい値を初期値に戻す。これにより、外乱終了後の挟み込みの確定は、通常(すなわち、外乱が生じていない場合)の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、前記挟み込み開始検出手段は、前記変動値が、変動判定しきい値を超えた場合に前記挟み込みの開始を検出するように構成することができる。このように構成すると変動判定しきい値の設定値を適切なものとすることにより、挟み込んだ異物の硬さ軟らかさによらず確実に挟み込み開始時を検出することができる
また、前記挟み込み確定手段は、前記変動値が正側に設定された外乱判定しきい値を超えた場合、外乱が生じたと判定して前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させるように構成すると、外乱が発生した場合に、移動速度の変動値が挟み込み判定しきい値を超えにくくなるので、挟み込みの誤検出を防ぐことができる。
また、前記挟み込み確定手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記変動値が所定値を超えないために前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すようにすると、外乱の終了後は、通常の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、具体的には、前記駆動手段は、モータを含んでなり、前記移動速度検出手段は、前記速度検出信号として前記モータの回転速度信号を出力し、前記移動速度演算手段は、前記回転速度信号に基づいて開閉部材の移動速度を演算するように構成することができる。このように構成すると、挟み込み荷重をダイレクトに検出可能となる。
また、前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、前記移動速度演算手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出するように構成することができる。このように構成すると、移動速度検出手段の検出出力Dutyのばらつきを相殺することができ、ばらつき分が相殺された回転速度を算出することが可能となる。
本発明の開閉部材制御装置によれば、挟み込みの開始を検出して、挟み込みの開始以降の移動速度の変化量によって挟み込みを判定(確定)するようにしたので、挟み込まれる異物の硬さによらず、低荷重で挟み込みを検出することができる。
さらに、挟み込みを確定するにあたり外乱判定を行い、外乱が生じたと判定された場合には、挟み込み判定しきい値を負側に増大させることにより挟み込みの誤判定を防止する。一方、その後の外乱判定において、外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には、外乱期間が終了したものとし、負側に増大させた挟み込み判定しきい値を初期値に戻す。これにより、外乱終了後の挟み込みの確定は、通常(すなわち、外乱が生じていない場合)の判定処理が行われるようになるので好適である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する構成、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図5は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はパワーウインドウ装置の説明図、図2はパワーウインドウ装置の電気構成図、図3は挟み込み判定処理の説明図、図4は挟み込み判定の処理フロー、図5は外乱が生じたときの回転速度差の説明図である。
以下に本発明をパワーウインドウの制御装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に本例のパワーウインドウ装置1の説明図、図2にその電気構成図を示す。本例のパワーウインドウ装置1は、車両のドア10に配設される開閉部材としてのウインドウガラス11をモータ23の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。パワーウインドウ装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する駆動手段2と、駆動手段2の作動を制御するための制御手段3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4を主要構成要素としている。
本例の駆動手段2は、ドア10のインナパネル10aに配設された上下のブラケット21a,21bと、この上下のブラケット21a,21bを連結するように配設されたガイドレール22と、下方のブラケット21bに取り付けられたモータ23と、モータ23の出力軸に連結されたスプロケットと上方のブラケット21aとに回動可能に掛け渡されている無端状のテープ24と、テープ24に取り付けられガイドレール22に摺動可能に案内されるスライダ25と、ウインドウガラス11を開閉方向に案内する一対のガイドフレーム26a,26bを主要構成要素としている。スライダ25には、ウインドウガラス11の下端部を支持するキャリアプレート11aが取り付けられている。
本例のモータ23は、制御手段3から電力が供給されることにより、正逆回転可能に構成されている。本例の駆動手段2では、モータ23が正逆回転すると、スプロケットを介して回転力がテープ24に伝達され、この回転力によってテープ24が回動することにより、スライダ25がガイドレール22によって上下方向に案内される。スライダ25がガイドレール22によって上下方向に案内されると、スライダ25はキャリアプレート11aを介してウインドウガラス11をガイドフレーム26a,26bに沿って上下方向に移動させる。このように駆動手段2は、モータ23の作動によってウインドウガラス11を開閉駆動する。
本例のモータ23には、移動速度検出手段としての回転検出装置27が一体に備えられている。回転検出装置27は、モータ23の回転と同期したパルス信号(速度検出信号,回転速度信号)を制御手段3へ出力するものである。本例の回転検出装置27は、モータ23の出力軸と共に回動するマグネットの磁気変化を複数のホール素子で検出するように構成されている。このような構成により、回転検出装置27は、モータ23の回転に同期したパルス信号を出力する。すなわち、パルス信号は、ウインドウガラス11の所定移動量毎もしくはモータ23の所定回転角毎に出力される。これにより、回転検出装置27は、モータ23の回転速度に略比例するウインドウガラス11の移動に応じた信号を出力可能である。
なお、本例では、回転検出装置27にホール素子を用いたものを採用しているが、これに限らず、モータ23の回転速度を検出することができれば、エンコーダを採用してもよい。また、本例では、ウインドウガラス11の移動に応じたモータ23の出力軸の回転速度を検出するために、モータ23に回転検出装置27を一体に設けているが、これに限らず、公知の手段によってウインドウガラス11の移動速度を直接的に検出するようにしてもよい。
本例の制御手段3は、コントローラ31と、駆動回路32から構成されている。コントローラ31,駆動回路32には、車両に搭載されるバッテリ5から作動に必要な電力が供給される。
本例のコントローラ31は、CPU31a、ROM31b,RAM31c等のメモリ、入力回路、出力回路等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。CPU31aは、メモリ、入力回路及び出力回路と、バスを介して互いに接続されている。なお、これに限らず、コントローラ31をDSPやゲートアレイで構成してもよい。
コントローラ31は、通常時、操作スイッチ4からの操作信号に基づいて駆動回路32を介してモータ23を正逆回転させて、ウインドウガラス11を開閉動作させる。また、コントローラ31は、回転検出装置27からパルス信号を受け取り、このパルス信号に基づいてウインドウガラス11の上端部と窓枠との間における異物の挟み込みの検出が可能となっている。異物の挟み込みが検出された場合には、コントローラ31は、駆動回路32を介してモータ23を開方向へ回転させて、ウインドウガラス11を開駆動する。このように、本例のコントローラ31は、挟み込み検出手段として機能する。
本例の駆動回路32は、FETによって構成されており、コントローラ31からの入力信号に基づいて、モータ23への電力供給の極性を切換えている。すなわち、駆動回路32は、コントローラ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ23を正回転方向に回転させるようにモータ23へ電力を供給し、コントローラ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ23を逆回転方向に回転させるようにモータ23へ電力を供給する。なお、駆動回路32は、リレー回路を用いて極性を切換えるように構成してもよい。また、駆動回路32がコントローラ31内に組み込まれた構成であってもよい。
コントローラ31は、入力されるパルス信号からパルス信号の立上がり部,立下り部(パルスエッジ)を検出し、このパルスエッジの間隔(周期)に基づいてモータ23の回転速度(回転周期)を算出すると共に、各パルス信号の位相差に基づいてモータ23の回転方向を検出する。つまり、コントローラ31は、モータ23の回転速度(回転周期)に基づいてウインドウガラス11の移動速度を間接的に算出し、モータ23の回転方向に基づいてウインドウガラス11の移動方向を特定している。また、コントローラ31は、パルスエッジをカウントしている。このパルスカウント値は、ウインドウガラス11の開閉動作に伴って加減算される。コントローラ31は、このパルスカウント値の大きさによってウインドウガラス11の開閉位置を特定する。
本例の操作スイッチ4は、2段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成され、開スイッチ,閉スイッチ及びオートスイッチを有している。この操作スイッチ4を乗員が操作することにより、コントローラ31へウインドウガラス11を開閉動作させるための指令信号が出力される。
具体的には、操作スイッチ4は、一端側へ1段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常開動作(すなわち操作している間だけ開動作)させるための通常開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
また、操作スイッチ4は、一端側へ2段階操作されると開スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート開動作(すなわち操作を止めても全開位置まで開動作)させるためのオート開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ2段階操作されると閉スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート閉動作(すなわち操作を止めても全閉位置まで閉動作)させるためのオート閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
コントローラ31は、操作スイッチ4から通常開指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を通常開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4から通常閉指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を通常閉動作させる。
また、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート開指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を全開位置までオート開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート閉指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を全閉位置までオート閉動作させる。
コントローラ31は、ウインドウガラス11を閉動作(通常閉動作及びオート閉動作)させているとき、ウインドウガラス11による挟み込みの有無を監視している。すなわち、挟み込みが生じると、ウインドウガラス11の移動速度およびこれに関連してモータ23の回転速度が低下する(回転周期が長くなる)。このため本例のコントローラ31は、モータ23の回転速度の変動を常時監視している。
本例のコントローラ31では、この回転速度の変動に基づいて、まず挟み込みの開始を検出し、次いで挟み込みの開始が検出されてから回転速度が所定量変動したことを検出した場合に、挟み込みと判定(確定)する。
そして、挟み込みを確定した場合には、コントローラ31は、ウインドウガラス11にて挟持された異物を解放すべくモータ23を反転させ、ウインドウガラス11を所定量だけ開動作させるように制御する。なお、挟み込みと判定した場合に、モータ23の作動を停止してウインドウガラス11のそれ以上の閉動作を停止させて、ウインドウガラス11にて挟持した異物を解放可能とするように制御してもよい。
次に、図3に基づいて、本例のパワーウインドウ装置1における挟み込み判定の概略処理について説明する。本例のパワーウインドウ装置1では、移動速度演算手段としてのコントローラ31は、回転検出装置27から受け取るパルス信号に基づいて、モータ23の回転速度ωを算出し、移動速度記憶手段としてのRAM31cは、算出した回転速度ωを記憶する。図3(A)は、このようにして算出された回転速度ωの変動状況を表している。図3(A)の縦軸はモータ回転速度,横軸はパルスカウント数に対応する。図3(A)の例は、モータ23の回転速度ωが挟み込みにより途中から減速している状況である。データ線A1は、硬いものを挟み込んで回転速度ωが大きな減速率で低下している状況を示しており、データ線B1は、軟らかいものを挟み込んで回転速度ωが小さな減速率で低下している状況を示している。なお、図3(B),(C)では、データ線A2,A3が硬いものを挟み込んだ場合に対応しており、データ線B2,B3が軟らかいものを挟み込んだ場合に対応している。
そして、本例のパワーウインドウ装置1では、移動速度変動値演算手段としてのCPU31aは、この回転速度ωのデータに基づいて、現在の回転速度ωと数パルスエッジ前の回転速度ωとの差である回転速度差Δωを算出する。すなわち、数パルスエッジ前の回転速度ωに対する現在の回転速度ωの変動値を算出する。回転速度差Δωは、回転速度(移動速度)の変化率に相当する(もしくは、数パルスエッジ前からの回転速度の変化量または変化分に相当する)。図3(B)は、この回転速度差Δωの変動状況を表している。なお、図3(A)では、データ線A1の方がデータ線B1と比べて、回転速度差Δωの絶対値が大きくなっていることが分かる。
そして、まず、挟み込み開始検出手段としてのコントローラ31は、このようにして算出した回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えたか否かを判定する。この変動判定しきい値αを超えると、挟み込みが開始したと判定される。図3(B)では、点P1,点P2でそれぞれ挟み込みの開始が検出される。しかし、この時点では、挟み込みが確定したわけではないので、モータ23は回転を継続し、ウインドウガラス11は上昇を続ける。この変動判定しきい値αは、パワーウインドウ装置1がたとえ軟らかいものを挟み込んだ場合においても、これによって生じる回転速度差Δωがこの値を超えるような大きさに設定される。
このようにして、一旦、挟み込みの開始が検出されると、パワーウインドウ装置1では、挟み込み確定手段としてのコントローラ31は、この時点からの回転速度差Δωの累積値(すなわち、回転速度ωの変化量)が、挟み込み判定しきい値βを超えたか否かを判別する。そして、回転速度ωの変化量が、挟み込み判定しきい値βを超えた場合に、挟み込みが検出(確定)される。図3(C)は、回転速度差Δωの累積値の変動状況を表している。コントローラ31は、累積値が挟み込み判定しきい値βを超えた場合に、挟み込みと判定(確定)する。
なお、上述のように、挟みこみの開始が検出されてからの回転速度差Δωの累積値(すなわち、回転速度ωの変化量)が、挟み込み判定しきい値βを超えた場合に、挟み込みを検出(確定)するのに換えて、挟みこみの開始が検出されてからの所定期間の回転速度差Δωの累積値、または所定数個分の回転速度差Δωの累積値(すなわち、これらの場合は回転速度ωの変化率)が、挟み込み判定しきい値βを超えた場合に、挟み込みを検出(確定)するように構成してもよい。
以上のように、本例のパワーウインドウ装置1では、2つのしきい値が設定されているが、一方の変動判定しきい値αは回転速度差Δωに対して設定されており、他方の挟み込み判定しきい値βは回転速度ωの変化量(回転速度差Δωの総和)に対して設定されており、これらは判定対象が異なる。
そして、本例のパワーウインドウ装置1では、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えた後の継続時間やパルス信号数等によって実際に挟み込みが発生したと確定されるのではなく、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えた後の回転速度ωの変動量によって挟み込みが確定される。
したがって、本例のパワーウインドウ装置1では、異物を挟み込んだ場合に、挟み込み荷重が大きくなり過ぎることがないので、挟み込んだ異物に損傷を与えることなく、挟み込みを確定することができる。
また、本例のパワーウインドウ装置1では、軟らかいものを挟み込んだ場合にでも、回転速度差Δωは、比較的早い段階で変動判定しきい値αを超えるので、その後の変化量が挟み込み判定しきい値βを超えた時点で挟み込みが確定される。この場合、挟み込んだものが軟らかいため、回転速度差Δωが小さな値(絶対値としては大きな値)とならないが、一旦、変動判定しきい値αを超えれば、回転速度差Δωの累積が開始されるので、この累積値が挟み込み判定しきい値βを超えた時点で確実に挟み込みを確定することができる。
また、中程度の硬さのものを挟み込んだ場合にも、軟らかいものを挟み込んだ場合と同様に、早い段階で回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えて、回転速度差Δωの累積が開始されるので、この値が挟み込み判定しきい値βを超えた時点で確実に挟み込みを確定することができる。
このように、本例のパワーウインドウ装置1では、挟み込んだものの硬さ軟らかさによらず、低荷重で確実に挟み込みを確定することができる。
また、ウインドウガラス11が移動する際には、挟み込みがなくても摺動抵抗や外的要因によって、モータ23の回転速度は影響を受ける。このような影響によって、仮に回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えた場合でも、その後に回転速度差Δωの累積値が挟み込み判定しきい値βを超えなければ挟み込みが確定されることがないので、変動判定しきい値αを軟らかいものを挟み込んだとき用の値に設定しても、誤判定を起こすことがなく、むしろ挟み込みの開始を確実に検出することができる。
次に、図4に基づいて、本例のコントローラ31の挟み込み判定処理について説明する。
本例のコントローラ31は、まず、回転検出装置27から受け取ったパルス信号に基づいて、モータ23の回転速度データの更新を行う(ステップS1)。具体的には、コントローラ31は、まず回転検出装置27から受け取ったパルス信号を信号処理してパルスエッジを検出する。そして、パルスエッジを検出する毎に、前回検出されたパルスエッジと今回検出されたパルスエッジとのパルス幅(時間間隔)Tを算出してメモリ内に順次格納していく。
本例では、パルス幅Tは、新たなパルスエッジが検出される度に順送りに更新されていき、最新の4つのパルス幅T(0)〜T(3)が記憶される。すなわち、パルスエッジが検出されると、新たにパルス幅T(0)を算出すると共に、前回のパルス幅T(0)〜T(2)を1ずらして、それぞれパルス幅T(1)〜T(3)として記憶し、前回のパルス幅T(3)を消去する。
そして、コントローラ31は、時間的に連続するn個のパルスエッジのパルス幅Tの総和(パルス周期P)の逆数から回転速度ωを算出する。この回転速度ωは実際の回転速度に比例する値である。
本例では、現パルスエッジから4パルスエッジ前までのパルス幅T(0)〜T(3)によって(平均)回転速度ω(0)が算出される。そして、次のパルスエッジを検出すると、新たに算出されたパルス幅T(0)〜T(3)によって回転速度ω(0)が更新される。このとき、前回の回転速度ω(0)は回転速度ω(1)として記憶される。このようにして、コントローラ31内には、パルスエッジを検出する度に(所定移動量毎に又は所定回転角毎に)更新される最新の8つの回転速度ω(0)〜ω(7)が常時記憶される。このように、複数のパルス幅Tによって回転速度ωを算出することにより、受信する各パルス信号出力のセンサーDutyのばらつきを相殺し、誤差変動分が相殺された回転速度を算出することができる。
次に、コントローラ31は、この回転速度ωから(平均)回転速度差(回転速度変化率)Δωを算出する(ステップS2)。具体的には、回転速度ω(0)〜ω(3)を現ブロックデータ、回転速度ω(4)〜ω(7)を前ブロックデータとし、それぞれのブロック内データの和を差し引く処理を行っている。すなわち、回転速度差Δωは、回転速度ω(4)〜ω(7)の和から回転速度ω(0)〜ω(3)の和を引くことにより算出され、パルスエッジを検出する度に(所定移動量毎に又は所定回転角毎に)更新されていく。なお、算出された値を加算したデータ数(本例では4)で除してもよい。このように、複数の回転速度ωによって回転速度差Δωを算出することにより、回転速度ω間の位相差を相殺することができる。
そして、本例のコントローラ31は、ウインドウガラス11の所定位置を基準として、算出された回転速度差Δωを加算していく(ステップS3)。回転速度差Δωが算出される毎にこれを累積していくことによって、基準位置に対する回転速度ωの差が算出される。
次に、算出された回転速度差Δωが外乱判定しきい値γを正側に超えているか否かが判別される(ステップS4)。車両が段差に乗り上げたり、ウインドウガラス11が閉められたりすると、このような外乱によってウインドウガラス11に衝撃が加わり、その結果、モータ23の回転速度に影響が及ぶ場合がある。本例では、この処理により外乱によって挟み込みを誤検出してしまうことを防止している。
図5に示すように、外乱が加わると、回転速度差Δωは、通常、正負に大きな値をとる。正側に回転速度差Δωが振れることは、ウインドウガラス11を閉める方向にモータ23の回転が加速されることを意味し、反対に、負側に回転速度差Δωが振れることは、モータ23の回転が減速されることを意味する。負側に回転速度差Δωが振れることは、挟み込みを擬似するものとなる。ここで、外乱判定しきい値γは、正側に設定された値であり、本例のコントローラ31では、回転速度差Δωがこの外乱判定しきい値γを正側に超えた場合は、外乱が生じたものと判定する。
外乱が生じたと判定された場合(ステップS4;有)、コントローラ31は、挟み込み判定しきい値βを負側に増大させた後(ステップS7)、ステップS8へ移行する。これにより、引き続いて、外乱によって負側に回転速度差Δωが振れて、挟み込みの開始が検出されたとしても、その後の回転速度差Δωの累積値が増大された挟み込み判定しきい値βを超えることがないので、挟み込みの誤判定を防止することができる。なお、本例では、外乱判定しきい値γが変動判定しきい値αと無関係に設定されているが、例えば、外乱判定しきい値γを変動判定しきい値αの正負を反対にした値に設定してもよい。
ステップS4で外乱が生じたと判定されなかった場合(ステップS4;無)、コントローラ31は、挟み込み開始の判定処理を行う(ステップS5)。具体的には、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを負側に超えた場合は挟み込みの開始と判定され、超えていない場合は挟み込みの開始と判定しない。
挟み込みの開始と判定された場合(ステップS5;有)、ステップS8へ移行する。一方、挟み込みの開始と判定されなかった場合(ステップS5;無)、ステップS6で回転速度差Δωの累積値と挟み込み判定しきい値βへの初期値の設定が行われる。具体的には、ステップS3で算出された回転速度差Δωの累積値が、回転速度ωの初期変化量Sにセットされると共に、挟み込み判定しきい値βが増大されていない通常値に戻される。このように、外乱期間が終了したと判定されると、挟み込み判定しきい値βが通常値に戻され、通常の処理が行われる。
そして、ステップS8では、回転速度ωの変化量Sの演算処理が行われる。具体的には、コントローラ31は、挟み込み開始と判定される直前にステップS6でセットされた回転速度ωの初期変化量S(回転速度差Δωの累積値)からステップS3で算出された回転速度差Δωの累積値を差し引いて、挟み込み開始以降の回転速度ωの変化量S(回転速度差Δωの累積値)を算出する。これにより、挟み込みによる回転速度の変化分(すなわち、挟み込み荷重分)を確実に算出することができる。
なお、本例では、基準値からの変化量の差を算出して、挟み込み開始以降の回転速度ωの変化量を算出しているが、これに限らず、挟み込み開始が検出されないときには、回転速度差Δωの累積値を初期化し、挟み込み開始が検出されたときには、初期化しないようにして、挟み込み開始検出以降の分についてのみ回転速度差Δωを累積して、これにより回転速度ωの変化量を算出してもよい。
次に、コントローラ31は、ステップS8で算出された回転速度ωの変化量Sが挟み込み判定しきい値βを超えたか否かを判定する(ステップS9)。
回転速度ωの変化量Sが挟み込み判定しきい値βを超えたと判断された場合(ステップS9;有)、コントローラ31は、挟み込み解除処理(ステップS10)を行い、処理を終了する。挟み込み解除処理では、具体的には、コントローラ31は上述のように異物を解放すべくモータ23を反転させ、ウインドウガラス11を所定量だけ開動作させる。
一方、回転速度ωの変化量Sが挟み込み判定しきい値βを超えていないと判断された場合(ステップS9;無)は、処理をそのまま終了する。
なお、上記実施形態では、変動判定しきい値α,挟み込み判定しきい値β,外乱判定しきい値γをウインドウガラス11の位置によらず一定の値としていたが、これに限らず、ウインドウガラス11の位置によって変動させるように設定してもよい。
また、上記実施形態では、車両のパワーウインドウ装置1に本発明の開閉部材制御装置を適用した例を示したが、これに限らず、サンルーフ開閉装置やスライドドア開閉装置等の開閉部材を開閉駆動する装置に全般に適用してもよい。
本発明の一実施形態に係るパワーウインドウ装置の説明図である。 図1のパワーウインドウ装置の電気構成図である。 挟み込み判定処理の説明図である。 挟み込み判定の処理フローである。 外乱が生じたときの回転速度差の説明図である。
符号の説明
1‥パワーウインドウ装置、2‥駆動手段、3‥制御手段、4‥操作スイッチ、
5‥バッテリ、10‥ドア、10a‥インナパネル、11‥ウインドウガラス、
11a‥キャリアプレート、21a,21b‥ブラケット、22‥ガイドレール、
23‥モータ、24‥テープ、25‥スライダ、26a,26b‥ガイドフレーム、
27‥回転検出装置、31‥コントローラ、31a‥CPU、31b‥ROM、
31c‥RAM、32‥駆動回路

Claims (15)

  1. 開閉部材を開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される開閉部材の移動に応じた速度検出信号を出力する移動速度検出手段と、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の異物の挟み込みを検出する挟み込み検出手段と、を備え、
    該挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて移動速度の変化量を算出し、該移動速度の変化量に基づいて開閉部材による異物の挟み込みの開始を検出し、挟み込みの開始を検出してからの移動速度の変化量を算出し、該移動速度の変化量が挟み込み判定しきい値を超えた場合に開閉部材による異物の挟み込みを確定するとともに、前記移動速度の変化量に基づいて外乱判定を行い、外乱が生じたと判定した場合に前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させ、その後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする開閉部材制御装置。
  2. 前記挟み込み検出手段は、前記移動速度の変化量が、変動判定しきい値を超えた場合に前記挟み込みの開始を検出することを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  3. 前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときからの前記移動速度の変化量の累積値を、前記移動速度の変化量として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉部材制御装置。
  4. 前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときまでの前記移動速度の変化量の累積値と、現在までの移動速度の変化量の累積値との差を、前記移動速度の変化量として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉部材制御装置。
  5. 前記挟み込み検出手段は、前記移動速度の変化量が正側に設定された外乱判定しきい値を超えた場合、外乱が生じたと判定して前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。
  6. 前記挟み込み検出手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記移動速度の変化量が所定値を超えないために挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする請求項5に記載の開閉部材制御装置。
  7. 前記駆動手段は、モータを含んでなり、
    前記移動速度検出手段は、前記速度検出信号として前記モータの回転速度信号を出力し、
    前記挟み込み検出手段は、前記回転速度信号に基づいて算出した前記モータの回転速度の変化量を前記移動速度の変化量として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。
  8. 前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、
    前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出することを特徴とする請求項7に記載の開閉部材制御装置。
  9. 前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に算出された回転速度を連続する所定数分毎に平均した平均回転速度から前記移動速度の変化量を算出することを特徴とする請求項8に記載の開閉部材制御装置。
  10. 開閉部材を開閉駆動する駆動手段と、
    該駆動手段によって開閉駆動される開閉部材の移動に応じた速度検出信号を出力する移動速度検出手段と、
    前記速度検出信号に基づいて開閉部材の移動速度を演算する移動速度演算手段と、
    該移動速度演算手段によって算出された移動速度を記憶する移動速度記憶手段と、
    該移動速度記憶手段によって以前記憶された移動速度と新たに記憶された移動速度に基づいて開閉部材の移動速度の変動値を演算する移動速度変動値演算手段と、
    該移動速度変動値演算手段によって演算された変動値に基づいて挟み込みの開始を検出する挟み込み開始検出手段と、
    該挟み込み開始検出手段によって挟み込みの開始が検出されてからの前記変動値の累積値を演算し、該累積値が挟み込み判定しきい値を超えた場合に開閉部材による異物の挟み込みを確定する挟み込み確定手段と、を備え
    前記挟み込み確定手段は、前記移動速度変動値演算手段によって演算された変動値に基づいて外乱判定を行い、外乱が生じたと判定した場合に前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させ、その後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合には負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする開閉部材制御装置。
  11. 前記挟み込み開始検出手段は、前記変動値が、変動判定しきい値を超えた場合に前記挟み込みの開始を検出することを特徴とする請求項10に記載の開閉部材制御装置。
  12. 前記挟み込み確定手段は、前記変動値が正側に設定された外乱判定しきい値を超えた場合、外乱が生じたと判定して前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させることを特徴とする請求項10又は11に記載の開閉部材制御装置。
  13. 前記挟み込み確定手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記変動値が所定値を超えないために前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  14. 前記駆動手段は、モータを含んでなり、
    前記移動速度検出手段は、前記速度検出信号として前記モータの回転速度信号を出力し、
    前記移動速度演算手段は、前記回転速度信号に基づいて開閉部材の移動速度を演算することを特徴とする請求項10〜1のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。
  15. 前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、
    前記移動速度演算手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
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