JP4781873B2 - 開閉部材制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、上記課題に鑑み、挟み込まれる異物の硬さによらず、低荷重で挟み込みを検出することができる開閉部材制御装置を提供することにある。
さらに、挟み込みを確定するにあたり外乱判定を行い、外乱が生じたと判定された場合には、挟み込み判定しきい値を負側に増大させることにより挟み込みの誤判定を防止する。一方、その後の外乱判定において、外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には、外乱期間が終了したものとし、負側に増大させた挟み込み判定しきい値を初期値に戻す。これにより、外乱終了後の挟み込みの確定は、通常(すなわち、外乱が生じていない場合)の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときからの前記移動速度の変化量の累積値を、前記移動速度の変化量として算出するように構成すると好適である。このように、移動速度の変化量を累積して、移動速度自体の変化量を算出するので、挟み込み荷重の上昇分のみを確実に検出することができる。
また、前記挟み込み検出手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記移動速度の変化量が所定値を超えないために挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すようにすると、外乱の終了後は、通常の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出するように構成することができる。このように構成すると、移動速度検出手段の検出出力Dutyのばらつきを相殺することができ、ばらつき分が相殺された回転速度を算出することが可能となる。
さらに、挟み込みを確定するにあたり外乱判定を行い、外乱が生じたと判定された場合には、挟み込み判定しきい値を負側に増大させることにより挟み込みの誤判定を防止する。一方、その後の外乱判定において、外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には、外乱期間が終了したものとし、負側に増大させた挟み込み判定しきい値を初期値に戻す。これにより、外乱終了後の挟み込みの確定は、通常(すなわち、外乱が生じていない場合)の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、前記挟み込み確定手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記変動値が所定値を超えないために前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すようにすると、外乱の終了後は、通常の判定処理が行われるようになるので好適である。
また、前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、前記移動速度演算手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出するように構成することができる。このように構成すると、移動速度検出手段の検出出力Dutyのばらつきを相殺することができ、ばらつき分が相殺された回転速度を算出することが可能となる。
さらに、挟み込みを確定するにあたり外乱判定を行い、外乱が生じたと判定された場合には、挟み込み判定しきい値を負側に増大させることにより挟み込みの誤判定を防止する。一方、その後の外乱判定において、外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には、外乱期間が終了したものとし、負側に増大させた挟み込み判定しきい値を初期値に戻す。これにより、外乱終了後の挟み込みの確定は、通常(すなわち、外乱が生じていない場合)の判定処理が行われるようになるので好適である。
図1〜図5は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はパワーウインドウ装置の説明図、図2はパワーウインドウ装置の電気構成図、図3は挟み込み判定処理の説明図、図4は挟み込み判定の処理フロー、図5は外乱が生じたときの回転速度差の説明図である。
図1に本例のパワーウインドウ装置1の説明図、図2にその電気構成図を示す。本例のパワーウインドウ装置1は、車両のドア10に配設される開閉部材としてのウインドウガラス11をモータ23の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。パワーウインドウ装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する駆動手段2と、駆動手段2の作動を制御するための制御手段3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4を主要構成要素としている。
本例のコントローラ31は、CPU31a、ROM31b,RAM31c等のメモリ、入力回路、出力回路等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。CPU31aは、メモリ、入力回路及び出力回路と、バスを介して互いに接続されている。なお、これに限らず、コントローラ31をDSPやゲートアレイで構成してもよい。
具体的には、操作スイッチ4は、一端側へ1段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常開動作(すなわち操作している間だけ開動作)させるための通常開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
また、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート開指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を全開位置までオート開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート閉指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を全閉位置までオート閉動作させる。
本例のコントローラ31では、この回転速度の変動に基づいて、まず挟み込みの開始を検出し、次いで挟み込みの開始が検出されてから回転速度が所定量変動したことを検出した場合に、挟み込みと判定(確定)する。
そして、まず、挟み込み開始検出手段としてのコントローラ31は、このようにして算出した回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えたか否かを判定する。この変動判定しきい値αを超えると、挟み込みが開始したと判定される。図3(B)では、点P1,点P2でそれぞれ挟み込みの開始が検出される。しかし、この時点では、挟み込みが確定したわけではないので、モータ23は回転を継続し、ウインドウガラス11は上昇を続ける。この変動判定しきい値αは、パワーウインドウ装置1がたとえ軟らかいものを挟み込んだ場合においても、これによって生じる回転速度差Δωがこの値を超えるような大きさに設定される。
そして、本例のパワーウインドウ装置1では、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えた後の継続時間やパルス信号数等によって実際に挟み込みが発生したと確定されるのではなく、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えた後の回転速度ωの変動量によって挟み込みが確定される。
また、本例のパワーウインドウ装置1では、軟らかいものを挟み込んだ場合にでも、回転速度差Δωは、比較的早い段階で変動判定しきい値αを超えるので、その後の変化量が挟み込み判定しきい値βを超えた時点で挟み込みが確定される。この場合、挟み込んだものが軟らかいため、回転速度差Δωが小さな値(絶対値としては大きな値)とならないが、一旦、変動判定しきい値αを超えれば、回転速度差Δωの累積が開始されるので、この累積値が挟み込み判定しきい値βを超えた時点で確実に挟み込みを確定することができる。
このように、本例のパワーウインドウ装置1では、挟み込んだものの硬さ軟らかさによらず、低荷重で確実に挟み込みを確定することができる。
本例のコントローラ31は、まず、回転検出装置27から受け取ったパルス信号に基づいて、モータ23の回転速度データの更新を行う(ステップS1)。具体的には、コントローラ31は、まず回転検出装置27から受け取ったパルス信号を信号処理してパルスエッジを検出する。そして、パルスエッジを検出する毎に、前回検出されたパルスエッジと今回検出されたパルスエッジとのパルス幅(時間間隔)Tを算出してメモリ内に順次格納していく。
本例では、現パルスエッジから4パルスエッジ前までのパルス幅T(0)〜T(3)によって(平均)回転速度ω(0)が算出される。そして、次のパルスエッジを検出すると、新たに算出されたパルス幅T(0)〜T(3)によって回転速度ω(0)が更新される。このとき、前回の回転速度ω(0)は回転速度ω(1)として記憶される。このようにして、コントローラ31内には、パルスエッジを検出する度に(所定移動量毎に又は所定回転角毎に)更新される最新の8つの回転速度ω(0)〜ω(7)が常時記憶される。このように、複数のパルス幅Tによって回転速度ωを算出することにより、受信する各パルス信号出力のセンサーDutyのばらつきを相殺し、誤差変動分が相殺された回転速度を算出することができる。
次に、算出された回転速度差Δωが外乱判定しきい値γを正側に超えているか否かが判別される(ステップS4)。車両が段差に乗り上げたり、ウインドウガラス11が閉められたりすると、このような外乱によってウインドウガラス11に衝撃が加わり、その結果、モータ23の回転速度に影響が及ぶ場合がある。本例では、この処理により外乱によって挟み込みを誤検出してしまうことを防止している。
挟み込みの開始と判定された場合(ステップS5;有)、ステップS8へ移行する。一方、挟み込みの開始と判定されなかった場合(ステップS5;無)、ステップS6で回転速度差Δωの累積値と挟み込み判定しきい値βへの初期値の設定が行われる。具体的には、ステップS3で算出された回転速度差Δωの累積値が、回転速度ωの初期変化量S0にセットされると共に、挟み込み判定しきい値βが増大されていない通常値に戻される。このように、外乱期間が終了したと判定されると、挟み込み判定しきい値βが通常値に戻され、通常の処理が行われる。
回転速度ωの変化量Sが挟み込み判定しきい値βを超えたと判断された場合(ステップS9;有)、コントローラ31は、挟み込み解除処理(ステップS10)を行い、処理を終了する。挟み込み解除処理では、具体的には、コントローラ31は上述のように異物を解放すべくモータ23を反転させ、ウインドウガラス11を所定量だけ開動作させる。
一方、回転速度ωの変化量Sが挟み込み判定しきい値βを超えていないと判断された場合(ステップS9;無)は、処理をそのまま終了する。
また、上記実施形態では、車両のパワーウインドウ装置1に本発明の開閉部材制御装置を適用した例を示したが、これに限らず、サンルーフ開閉装置やスライドドア開閉装置等の開閉部材を開閉駆動する装置に全般に適用してもよい。
5‥バッテリ、10‥ドア、10a‥インナパネル、11‥ウインドウガラス、
11a‥キャリアプレート、21a,21b‥ブラケット、22‥ガイドレール、
23‥モータ、24‥テープ、25‥スライダ、26a,26b‥ガイドフレーム、
27‥回転検出装置、31‥コントローラ、31a‥CPU、31b‥ROM、
31c‥RAM、32‥駆動回路
Claims (15)
- 開閉部材を開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される開閉部材の移動に応じた速度検出信号を出力する移動速度検出手段と、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の異物の挟み込みを検出する挟み込み検出手段と、を備え、
該挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて移動速度の変化量を算出し、該移動速度の変化量に基づいて開閉部材による異物の挟み込みの開始を検出し、挟み込みの開始を検出してからの移動速度の変化量を算出し、該移動速度の変化量が挟み込み判定しきい値を超えた場合に開閉部材による異物の挟み込みを確定するとともに、前記移動速度の変化量に基づいて外乱判定を行い、外乱が生じたと判定した場合に前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させ、その後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、挟み込みの開始を検出しなかった場合には負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする開閉部材制御装置。 - 前記挟み込み検出手段は、前記移動速度の変化量が、変動判定しきい値を超えた場合に前記挟み込みの開始を検出することを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
- 前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときからの前記移動速度の変化量の累積値を、前記移動速度の変化量として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉部材制御装置。
- 前記挟み込み検出手段は、前記速度検出信号に基づいて開閉部材の所定移動量毎の移動速度の変化分を前記移動速度の変化量として算出し、挟み込みの開始を検出したときまでの前記移動速度の変化量の累積値と、現在までの移動速度の変化量の累積値との差を、前記移動速度の変化量として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉部材制御装置。
- 前記挟み込み検出手段は、前記移動速度の変化量が正側に設定された外乱判定しきい値を超えた場合、外乱が生じたと判定して前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。
- 前記挟み込み検出手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記移動速度の変化量が所定値を超えないために挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする請求項5に記載の開閉部材制御装置。
- 前記駆動手段は、モータを含んでなり、
前記移動速度検出手段は、前記速度検出信号として前記モータの回転速度信号を出力し、
前記挟み込み検出手段は、前記回転速度信号に基づいて算出した前記モータの回転速度の変化量を前記移動速度の変化量として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。 - 前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、
前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出することを特徴とする請求項7に記載の開閉部材制御装置。 - 前記挟み込み検出手段は、前記モータの所定回転角毎に算出された回転速度を連続する所定数分毎に平均した平均回転速度から前記移動速度の変化量を算出することを特徴とする請求項8に記載の開閉部材制御装置。
- 開閉部材を開閉駆動する駆動手段と、
該駆動手段によって開閉駆動される開閉部材の移動に応じた速度検出信号を出力する移動速度検出手段と、
前記速度検出信号に基づいて開閉部材の移動速度を演算する移動速度演算手段と、
該移動速度演算手段によって算出された移動速度を記憶する移動速度記憶手段と、
該移動速度記憶手段によって以前記憶された移動速度と新たに記憶された移動速度に基づいて開閉部材の移動速度の変動値を演算する移動速度変動値演算手段と、
該移動速度変動値演算手段によって演算された変動値に基づいて挟み込みの開始を検出する挟み込み開始検出手段と、
該挟み込み開始検出手段によって挟み込みの開始が検出されてからの前記変動値の累積値を演算し、該累積値が挟み込み判定しきい値を超えた場合に開閉部材による異物の挟み込みを確定する挟み込み確定手段と、を備え、
前記挟み込み確定手段は、前記移動速度変動値演算手段によって演算された変動値に基づいて外乱判定を行い、外乱が生じたと判定した場合に前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させ、その後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合には負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする開閉部材制御装置。 - 前記挟み込み開始検出手段は、前記変動値が、変動判定しきい値を超えた場合に前記挟み込みの開始を検出することを特徴とする請求項10に記載の開閉部材制御装置。
- 前記挟み込み確定手段は、前記変動値が正側に設定された外乱判定しきい値を超えた場合、外乱が生じたと判定して前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させることを特徴とする請求項10又は11に記載の開閉部材制御装置。
- 前記挟み込み確定手段は、前記挟み込み判定しきい値を負側に増大させた後の前記外乱判定において外乱が生じたと判定しなかった場合であって、かつ、前記変動値が所定値を超えないために前記挟み込み開始検出手段が挟み込みの開始を検出しなかった場合、負側に増大させた前記挟み込み判定しきい値を初期値に戻すことを特徴とする請求項12に記載の開閉部材制御装置。
- 前記駆動手段は、モータを含んでなり、
前記移動速度検出手段は、前記速度検出信号として前記モータの回転速度信号を出力し、
前記移動速度演算手段は、前記回転速度信号に基づいて開閉部材の移動速度を演算することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の開閉部材制御装置。 - 前記移動速度検出手段は、前記回転速度信号として前記モータの回転に同期するパルス信号を出力し、
前記移動速度演算手段は、前記モータの所定回転角毎に連続する所定数の前記パルス信号を用いて前記モータの回転速度を算出することを特徴とする請求項14に記載の開閉部材制御装置。
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