JPH0932414A - ウインドウ開閉制御装置 - Google Patents

ウインドウ開閉制御装置

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JPH0932414A
JPH0932414A JP7180328A JP18032895A JPH0932414A JP H0932414 A JPH0932414 A JP H0932414A JP 7180328 A JP7180328 A JP 7180328A JP 18032895 A JP18032895 A JP 18032895A JP H0932414 A JPH0932414 A JP H0932414A
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規朗 寺島
Yoshihisa Sato
善久 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアの閉動作との関連にて、異物の挟み込み
の判定感度を鈍くすることにより、ドア閉動作時の振動
による異物挟み込みとの誤判定を確実に防止するウイン
ドウ開閉制御装置を提供することを目的とする。 【構成】 ドアスイッチがドアの閉動作によりオフする
と、ステップ160での判定がYESとなり、ステップ
161でタイマによる計時が開始され、次のステップ1
62において、閾値SがSHに増大設定され、この増大
閾値は、タイマの計時値がTαになるまで保持される。
このため、ドアの閉動作により生ずる振動によりモータ
の回転速度変動率が増大しても、この増大回転速度変動
率は増大閾値よりも小さく、異物挟み込みとの誤判定が
なされることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のドアその他各
種ドアのウインドウを開閉制御するに適したウインドウ
開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、自動車用ウインドウ開閉
制御装置においては、ウインドウの閉動作中において、
このウインドウを駆動するモータの回転速度或いは駆動
電流の変動を検出し、この変動量が閾値以上になったと
き、ウインドウによる異物の挟み込みと判定するように
したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なウインドウ開閉制御装置において、モータの回転速度
或いは駆動電流の変動は、ウインドウによる異物の挟み
込み時だけでなく、自動車のドアを閉めたときのドアの
振動によっても発生することが確認された。そして、こ
のようなドアの振動によるモータの回転速度或いは駆動
電流の変動に基づき、ウインドウの異物挟み込みと誤判
定がなされるという不具合があることも確認された。
【0004】これに対しては、一般的に、ドアを閉じる
ときの振動によるモータの回転速度或いは駆動電流の変
動量に比べ、実際のウインドウによる異物挟み込み時の
モータの回転速度或いは駆動電流の変動量の方が大きい
ことから、上記閾値を大きくし、ウインドウによる異物
挟み込みの判定感度を鈍感にして、上述した異物挟み込
みとの誤判定を防止することも考えられる。
【0005】しかし、単純に閾値を大きくするのみで
は、ウインドウによる本来の異物の挟み込み時の荷重ま
で増大してしまうという不具合が生ずる。これに対し、
本発明者らが、自動車のドアの閉動作の関係で振動がど
のようなタイミングで発生するかについて検討してみた
ところ、この振動は、ドアの閉動作完了直後に限って発
生することが分かった。
【0006】また、ドアの閉動作過程においては、異物
がウインドウにより挟み込まれる可能性は殆どないこと
も分かった。従って、ドアの閉動作による振動の発生時
間内ならば、上記閾値をかなり大きくして実際上不便が
ないことが分かった。そこで、本発明は、以上のような
ことに着目して、ドアの閉動作との関連にて、異物の挟
み込みの判定感度を鈍くすることにより、ドア閉動作時
の振動による異物挟み込みとの誤判定を確実に防止する
ウインドウ開閉制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、ドア(10)の
ウインドウ(12)を駆動する駆動手段(30、M)
と、この駆動手段の作動状態を検出する作動状態検出手
段(70)と、この作動状態検出手段による検出作動状
態の変化に応じて閾値を基準に前記ウインドウの異物挟
み込みの有無を判定する挟み込み判定手段(200)
と、この判定手段の判定結果に基づき前記駆動手段の作
動状態を制御する制御手段(201、90)とを備える
ウインドウ開閉制御装置において、前記ドアの閉作動を
検出するドア検出手段(60)と、このドア検出手段に
よる閉作動検出に伴い所定時間の間前記閾値を増大させ
る閾値増大手段(160乃至163)とを備え、前記判
定手段が、その判定を、前記所定時間の間には、前記増
大閾値を基準に行うことを特徴とするウインドウ開閉制
御装置が提供される。
【0008】また、請求項2に記載の発明においては、
ドア(10)のウインドウ(12)を駆動する駆動手段
(30、90、M)と、この駆動手段の作動状態を検出
する作動状態検出手段(70)と、この作動状態検出手
段による検出作動状態の変化に応じて閾値を基準に前記
ウインドウの異物挟み込みの有無を判定する挟み込み判
定手段(200)と、この判定手段の判定結果に基づき
前記駆動手段の作動状態を制御する制御手段(201、
90)とを備えるウインドウ開閉制御装置において、前
記ドアの動作を検出するドア検出手段(60)と、この
ドア検出手段による前記ドアの開動作の検出に基づき前
記閾値を増大しこの増大閾値を前記ドア検出手段による
前記ドアの閉動作の検出後所定期間の経過まで保持する
閾値増大手段(210、211、160乃至163)と
を備え、前記判定手段が、その判定を、前記ドア検出手
段による開動作検出以後前記所定時間の経過までは、前
記増大閾値を基準に行うことを特徴とするウインドウ開
閉制御装置が提供される。
【0009】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1又は2に記載のウインドウ開閉制御装置において、前
記閾値増大手段が、前記閾値を、前記ドアの閉動作時に
このドアに生ずる振動に対応する値よりも大きく前記ウ
インドウによる異物挟み込み時の値より小さい値に増大
させることを特徴とする。
【0010】また、請求項4に記載の発明では、請求項
1乃至3のいずれか一つに記載のウインドウ開閉制御装
置において、前記ドアが自動車のドアであって、前記ド
ア検出手段が自動車のカーテシランプスイッチであるこ
とを特徴とする。
【0011】なお、上記各手段及び要素のカッコ内の符
号は、後述する実施例記載の具体的手段及び要素との対
応関係を示すものである。
【0012】
【発明の作用効果】上記請求項1、3に記載の発明によ
れば、ドア検出手段がドアの閉作動を検出すると、この
検出に伴い、閾値増大手段が所定時間の間閾値を増大さ
せ、判定手段が、その判定を、所定時間の間には、上記
増大閾値を基準に行う。これにより、ドアの閉動作によ
りこのドアに振動が生じても、この振動が生じている
間、上記増大閾値が保持される。このため、ドア閉時の
振動により作動状態検出手段の検出作動状態が変化して
も、判定手段の判定にあたり異物挟み込みとの誤判定が
なされることがない。この場合、ドア検出手段によるド
アの閉動作の検出に基づき異物挟み込みとの誤判定を防
止するので、ドアの剛性を高めてドアの閉動作に伴う振
動抑制対策を講じる必要もない。
【0013】また、請求項2、3に記載の発明によれ
ば、ドア検出手段がドアの開動作を検出すると、閾値増
大手段が当該開動作検出に基づき閾値を増大しこの増大
閾値をドア検出手段によるドアの閉動作の検出後所定期
間の経過まで保持し、判定手段が、その判定を、ドア検
出手段による開動作検出以後所定時間の経過までは、上
記増大閾値を基準に行う。
【0014】これにより、ドア検出手段によるドアの閉
動作に基づく判定手段の判定がドアの閉動作に伴う振動
発生時期より遅延しても、上記増大閾値がドア検出手段
による開動作検出後上記所定時間の経過まで保持される
ので、判定手段の判定にあたり異物挟み込みとの誤判定
がなされることがない。この場合、ドア検出手段による
ドアの閉動作の検出に基づき異物挟み込みとの誤判定を
防止するので、ドアの剛性を高めてドアの閉動作に伴う
振動抑制対策を講じる必要もない。
【0015】また、請求項4に記載の発明によれば、ド
ア検出手段が自動車のカーテシランプスイッチにより構
成されるので、ドアスイッチとして専用のスイッチを採
用することなく、自動車に汎用的に装備されるカーテシ
ランプスイッチをドアスイッチに兼用するのみでよい。
その結果、コスト低減にも役立つ。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図1及び図2は、自動車用ウインドウ開閉制御装置
に本発明が適用された例を示している。図2において、
符号10は、当該自動車のドアを示しており、このドア
10は、そのドア本体11の基部11aにて、当該自動
車の車体ドア枠20の支持部21に横方向へ開閉可能に
支持されている。
【0017】また、ドア10は、ウインドウ12を有し
ており、このウインドウ12は、ドア本体11の窓枠1
1bに上下方向に開閉可能に組み付けられている。ここ
で、ウインドウ12は、その上昇に伴い閉じ、一方、そ
の下降に伴い開く。ウインドウ開閉制御装置は、駆動機
構30を備えており、この駆動機構30は、モータM
(図1参照)の正転或いは逆転に伴いウインドウ12を
上昇或いは下降させる。
【0018】また、ウインドウ開閉制御装置は、図1に
て示すように、閉操作スイッチ40、開操作スイッチ5
0と、ドアスイッチ60と、回転センサ70と、これら
閉操作スイッチ40、開操作スイッチ50、ドアスイッ
チ60及び回転センサ70に接続したマイクロコンピュ
ータ80と、このマイクロコンピュータ80とモータM
との間に接続した駆動回路90を備えている。
【0019】閉操作スイッチ40は、そのオン操作によ
り、ウインドウ12を閉じるための閉操作信号を発生す
る。一方、開操作スイッチ50は、そのオン操作によ
り、ウインドウ12を開くための開操作信号を発生す
る。ドアスイッチ60は、図2にて破線により示すごと
く、車体ドア枠20の後縁下方部に装着されており、こ
のドアスイッチ60は、ドア10を車体ドア枠20に完
全に閉めたときにオフし、一方、ドア10を車体ドア枠
20から開くとオンする。なお、本実施例では、ドアス
イッチ60は、当該自動車に装備されたカーテシランプ
スイッチでもって兼用されており、このドアスイッチ6
0のオンによりカーテシランプが点灯する。
【0020】回転センサ70は、例えば、ホール素子か
らなるもので、この回転センサ70は、モータMの回転
を検出してパルス信号を発生する。マイクロコンピュー
タ80は、バッテリBからの給電電圧を受けて作動状態
となり、図3乃至図5にて示すフローチャートに従いコ
ンピュータプログラムを実行し、この実行中において、
閉操作スイッチ40、開操作スイッチ50、ドアスイッ
チ60及び回転センサ70の各出力に基づき、モータM
の回転速度の算出、その変動率の累積和(即ち積分)、
ドア10の開閉判定やウインドウ12の開閉制御等のた
めの演算処理をする。
【0021】駆動回路90は、当該自動車のイグニッシ
ョンスイッチIGを介しバッテリBから給電されて、マ
イクロコンピュータ80による制御のもとに駆動機構3
0を介しモータMを正転或いは逆転させるように駆動す
る。以下、このように構成した本実施例の作動について
説明する。本発明に係る窓開閉制御装置が当該自動車に
搭載されると、マイクロコンピュータ80が、図1にて
示すごとく、バッテリBの正側端子に接続される。な
お、現段階において、ウインドウ12は全閉位置にある
ものとする。
【0022】上述のようにバッテリBがマイクロコンピ
ュータ80に接続されると、マイクロコンピュータ80
が、図3乃至図5のフローチャートに従いコンピュータ
プログラムの実行を開始し、ステップ100において初
期化の処理をする。このとき、マイクロコンピュータ8
0に内蔵の位置カウンタの値(ウインドウ12の絶対位
置を表す)が、ウインドウ12が全閉位置にあるため、
P=Pmaxとセットされる。なお、ウインドウ12の
全開時にはP=0である。
【0023】また、ウインドウ12による異物の挟み込
みを判定するための閾値Sが通常の閾値SNに初期化設
定される。この閾値SNとしては、ウインドウ開閉制御
装置において、通常状態(異物の挟み込みのない状態)
でウインドウの開閉制御をしたとき異物の挟み込みとの
誤判定がなく、異物を挟み込んだときにこの異物に対し
て過負荷とならない程度の値を予めデータにより導出し
ておく。
【0024】このような状態においては、閉操作スイッ
チ40及び開操作スイッチ50のいずれからの出力もな
ければ、各ステップ110、120におけるNOとの判
定及びステップ121におけるモータMの停止処理が繰
り返されている。なお、ステップ100は、マイクロコ
ンピュータ60のバッテリBへの接続が遮断されるまで
スキップされる。
【0025】このような段階にて、開操作スイッチ50
から開操作信号を発生させれば、ウインドウ12に対す
る下降要求ありとの判断のもとに、ステップ110にお
いてYESと判定される。この判定に伴い、ステップ1
11(図4参照)において、ウインドウ12を下降させ
るための下降信号が出力される。このため、駆動回路9
0が当該下降信号に基づき駆動機構30を介しモータM
を駆動し、ウインドウ12がその下降により開動作を開
始する。このとき、回転センサ70がモータMの回転を
検出し順次パルス信号を出力し始める。
【0026】ステップ111における処理後、回転セン
サ70からパルス信号の入力があると、ステップ130
において、YESと判定され、ステップ131にて、上
記位置カウンタの値がデクリメントされてP=P−1=
Pmax−1との更新処理がなされる。ついで、ステッ
プ132において、回転センサ70からの今回のパルス
信号と前回のパルス信号とにより定まる周期に基づき、
モータMの回転速度Nが算出され、ステップ140にお
いてNOと判定される。
【0027】なお、ステップ130においてNOと判定
された場合には、ステップ132において、回転センサ
70からの前回のパルス信号の入力時からの経過時間に
基づき回転速度Nが推定される。然る後、ウインドウ1
2がさらに開いてステップ131における位置カウンタ
の値がP≦0になると、ステップ140における判定が
YESとなり、ステップ141にてP=0とセットされ
る。なお、ステップ140では、P>0の場合には、N
Oと判定される。
【0028】ここで、ステップ132における回転速度
Nの演算値或いは推定値が、ウインドウ12の停止を表
す所定値Nαよりも小さければ、ステップ150におけ
る判定がYESとなり、ステップ151において、下降
信号の発生が停止される。これにより、モータMが停止
して、ウインドウ12が全開状態に維持される。なお、
ステップ150では、N≧Nαの場合に、NOと判定さ
れる。
【0029】このような状態にて、開操作スイッチ50
をオフし、閉操作スイッチ40から閉操作信号を発生さ
せると、ウインドウ12に対する上昇要求ありとの判断
に基づき、ステップ110におけるNOとの判定後、ス
テップ120においてYESと判定される。然る後、次
のステップ160において、ドア10の開閉動作状態が
次のようにして判定される。現段階において、ドア10
が一時的な開動作後閉じられると、ドアスイッチ60が
一時的にオン後オフする(図6参照)。
【0030】すると、ステップ160における判定がY
ESとなり、ドア10の開から閉との判断に基づき、ス
テップ161において、マイクロコンピュータ80に内
蔵のタイマがリセットスタートされて計時を開始する。
このタイマの計時値をTで表す。ついで、ステップ16
2において、閾値SがS=SNからS=SHに変更設定
される(図6参照)。ここで、閾値SHは、閾値SNよ
りも大きい値を有しており、閾値が大きい程異物挟み込
み判定感度が鈍くなる。また、閾値SHは、ドア10の
閉時に当該ドア10に生ずる振動によっては異物の挟み
込みとの誤判定となることのない値に相当し、予めデー
タ等により導出されている。
【0031】然る後、ステップ170(図5参照)にお
いて、ウインドウ12を上昇させるための上昇信号が出
力される。このため、駆動回路90が当該上昇信号に基
づき駆動機構30を介しモータMを駆動し、ウインドウ
12がその上昇により閉動作を開始する。このとき、回
転センサ70がモータMの回転を検出し順次パルス信号
を出力し始める。
【0032】ステップ170における処理後、回転セン
サ70からパルス信号の入力があると、ステップ180
において、YESと判定され、ステップ181において
位置カウンタの値がインクリメントされてP=P+1=
1となる。ついで、ステップ182において、モータM
の回転速度Nが回転センサ70からの今回のパルス信号
と前回のパルス信号とにより定まる周期により算出され
るとともに、変動率RNが、前回の回転速度Nに対する
今回の回転速度Nの変動率から算出される。ここで、変
動率RNは、回転速度の上昇方向では「+」、減少方向
では「−」というように、符号付きで算出される。
【0033】なお、ステップ180においてNOと判定
された場合には、ステップ182において、回転センサ
70からの前回のパルス信号の入力時からの経過時間に
基づき回転速度N及び変動率RNが推定される。現段階
では、ウインドウ12は、上昇し始めたばかり故、異物
の挟み込み検出範囲(即ち、ウインドウ12の全閉位置
付近を除く位置の範囲)にある。そこで、ウインドウ1
2の全閉位置付近を除く位置の範囲における位置カウン
タの最大値をPSとすれば、P≦PS故、ステップ19
0においてYESと判定される。
【0034】この判定後、ステップ191において、変
動率累積和Σ(RN)が、次の数1の算出式から算出さ
れる。
【0035】
【数1】 変動率累積和Σ(RN)=(RN)+(RN−1)+(RN−2)・・・ +(RN−K) ここで、RNは、現在、ステップ162で算出した変動
率を表し、RN−1は、RNの一回前に算出した変動率
を表し、・・・、RN−Kは、RNのK回前に算出した
変動率を表す。また、Kは、外乱周期や回転速度を考慮
し、外乱に対して有効に働く範囲で最小となる値に設定
されている。なお、数1の算出式は、マイクロコンピュ
ータ80のROMに予め記憶されている。
【0036】次のステップ200においては、変動率累
積和Σ(RN)が閾値Sと比較される。現段階では、上
述のごとく閾値S=SHと設定されており、変動率累積
和Σ(RN)は、ウインドウ12による異物の挟み込み
によるものではなく、ドア10の閉動作に基づく振動に
よるものであるため、この変動率累積和Σ(RN)は閾
値SHよりも小さい。従って、ステップ200における
判定がYESとなる。
【0037】然る後、コンピュータプログラムがステッ
プ160に進むと、ドアスイッチ60が既にオフ状態に
なったまま故、当該ステップ160における判定がNO
となる。現段階では、閾値S=SHであり上記タイマの
計時値Tが所定時間Tαよりも小さいため、ステップ1
60aにおける判定がYESとなる。その後、ステップ
170以後の演算処理が上述と同様に繰り返される。こ
のような演算処理は、T=Tαになりステップ160a
におけるYESとの判定がなされるまで繰り返される。
【0038】但し、上述した所定時間Tαは、ドア10
を閉じたときに生ずるドア10の振動により、ドア10
の閉後ウインドウ12の上昇速度(つまり、モータMの
回転速度)に変動が生ずると予測される期間(通常、数
百msec程度)に設定されている(図6参照)。然る
後、T=Tαになりステップ160aにおける判定がN
Oとなると、ステップ163において、閾値SがS=S
HからS=SNに変更設定される。このことは、閾値S
が、ドア10の閉後所定時間Tαの間SHに保持され、
所定時間Tαの経過時にSNに戻ることを意味する(図
6参照)。
【0039】これにより、ドア10の閉によりこのドア
10に振動が発生しても、この振動が発生している間は
閾値SがSHに保持され、その結果、ドア10の閉によ
る振動に基づくステップ200におけるNOとの誤判
定、即ち、異物挟み込みとの誤判定を防止できる。ま
た、この誤判定防止にあたり、ドアスイッチ60とし
て、最近の自動車で汎用されているカーテシランプスイ
ッチを利用しているので、特に専用のドアスイッチを別
途設ける必要もなく、また、ドア10の剛性を高める必
要もないので、コストの低減に役立つ。
【0040】また、ドア10の閉時直後の短時間の間に
限って、閾値SをSHに大きくするので、ウインドウ1
2による本来の異物挟み込み判断時における閾値SはS
Hよりも小さいSNのままである。従って、異物挟み込
み時の荷重を増大させることもない。また、ドアスイッ
チ60のチャタリングによりステップ160(図3参
照)におけるYESとの誤判定(ドア10の閉動作との
誤判定)が生じても、所定時間Tαは短時間なので、こ
の間にウインドウ12による異物挟み込みが生ずるおそ
れはない。
【0041】上述のようにステップ163にて閾値S=
SNと設定した後、変動率累積和Σ(RN)が閾値S=
SN以上になると、異物の挟み込みであるとの判断に基
づき、ステップ200における判定がNOとなり、次の
ステップ201において、下降信号が所定時間の間発生
される。ここで、この所定時間は、異物を除去できる程
度のウインドウ12の所定下降距離を表す。これによ
り、上述と実質的に同様にして、ウインドウ12が所定
下降距離だけ下降する。
【0042】かかる場合、上述のごとく、閾値S=SN
と変更されているので、異物挟み込みの荷重値を増大さ
せることなく、異物の挟み込み判定が可能である。従っ
て、挟み込まれた異物に損傷を与えることもない。な
お、ステップ120でNOと判定されることなくYES
と判定された場合には、閾値S=SNのまま異物挟み込
み有無の判定処理がなされる。
【0043】また、ステップ190におけるYESとの
判定がなされることなくウインドウ12が上昇してステ
ップ190における判定が最終的にNOとなる場合に
は、ステップ182における回転速度Nの算出値或いは
推定値が所定値Nαよりも小さければ、ステップ150
における判定がYESとなり、ステップ151におい
て、上昇信号の発生が停止される。これにより、モータ
Mが停止する。
【0044】次に、上記実施例の変形例を図7に基づい
て説明する。この変形例においては、上記実施例にて述
べたフローチャート(図3乃至図5参照)のうち、図3
のフローチャートの一部が図7に示すように変更されて
いる。また、ドアスイッチ60の出力が、図示しない制
御回路により所定時間の遅延でもって、マイクロコンピ
ュータ80に付与されるようになっている。その他の構
成は上記実施例と同様である。
【0045】このように構成した本変形例において、上
記実施例と同様にステップ120(図3及び図7参照)
における判定がYESになると、次のステップ210に
おいてドア10の開閉動作判定処理がなされる。現段階
において、ドア10が開かれてドアスイッチ60がオフ
状態からオン状態になると、ステップ210における判
定がYESとなり、ステップ211において、閾値Sが
S=SHと変更設定される。このことは、上記実施例と
は異なり、閾値S=SHとの変更設定が、ドア10の開
によりなされることを意味する。ついで、各ステップ1
60、160aにおいてNOと判定される。
【0046】然る後、ドア10が閉じられてドアスイッ
チ60がオンからオフになると、ステップ160におい
て上記タイマがリセットスタートされる。これにより、
当該タイマが計時を開始する。このような状態にて、計
時値Tが所定時間Tαに達すると、ステップ160aに
おける判定がNOとなり、ステップ163において、閾
値SがS=SNに変更設定される。
【0047】このように、閾値S=SHは、ドア10が
閉から開になった後(即ち、ドアスイッチ60がオフか
らオンになった後)のこのドア10の開から閉後(即
ち、ドアスイッチ60のオンからオフへの変化後)、計
時値T=Tαになるまで保持される。これにより、ステ
ップ200におけるNOとの判定が、上述のように閾値
S=SHに保持されている間、保持される。
【0048】従って、ドアスイッチ60の出力(ここで
は、オンからオフへの変化の出力)が、図8にて示すご
とく、ドア10の閉完了時よりも遅延したタイミングに
て、上記制御回路により、マイクロコンピュータ80に
付与された場合、ドア10の閉により生ずる振動が、図
8にて示すごとく、ドアスイッチ10の出力がマイクロ
コンピュータ80に付与される前に発生するが、上述の
ように、閾値Sが既にドア10の閉動作前の開動作時に
SHに変更されているので、本変形例においても、ドア
10の閉時の振動による異物挟み込みとの誤判定を上記
実施例と同様に確実に防止できる。
【0049】なお、上記実施例や変形例では、モータM
の回転速度の変動に基づき異物挟み込みの有無を判定す
る場合に本発明を適用した例について説明したが、これ
に限らず、モータMの駆動電流の変動に基づき異物挟み
込みの有無を判定する場合に本発明を適用して実施して
も、上記実施例や変形例と同様の作用効果を達成でき
る。この場合、モータMの駆動電流を検出する検出回路
を採用し、かつ、変動率RNを当該駆動電流の変動率に
基づき算出するようにすればよい。
【0050】また、本発明の実施にあたっては、上記実
施例や変形例において、ドア10の閉動作時にウインド
ウ12による異物を挟み込む可能性は殆どないことか
ら、閾値S=SHを、実際にはあり得ない程の変動率に
相当する値に大きくして、ドア10の閉時の異物挟み込
み判定を実質的にマスクするようにしてもよい。また、
本発明の実施にあたっては、上記変形例にて述べたドア
スイッチ60が、図2にて示す位置に代えて、例えば、
車体ドア枠20の傾斜部22(図2にて二点鎖線にて示
す符号22参照)に設けられている場合にも本発明を適
用して実施してもよい。
【0051】この場合、ドアスイッチ60は、ドア10
の窓枠11b傾斜部が車体ドア枠20の傾斜部22に当
接したときオンからオフするため、ドアスイッチ60か
らマイクロコンピュータ80への出力時期が上記変形例
の場合よりも早くなるが、所定時間Tαを適当に長くす
ることにより上記変形例と同様の作用効果を達成でき
る。
【0052】また、上記実施例において、同様に、ドア
スイッチ60の位置を車体ドア枠20の傾斜部22に変
更した場合には、所定時間Tαの計時開始時期がドア1
0の閉動作完了時期よりも早くなるが、この場合にも、
所定時間Tαの長さを適当に長く設定することにより、
上記実施例と同様の作用効果を達成できる。また、本発
明の実施にあたっては、ドアスイッチ60としては、カ
ーテシランプスイッチに限ることなく、適宜なスイッチ
を採用して実施してもよい。
【0053】また、本発明の実施にあたっては、上記所
定時間Tαは、ドア10の開から閉の角度を検出し、こ
の検出結果により所定時間Tαを予測するようにしても
よい。また、上記実施例においては、自動車のドアのウ
インドウ開閉制御装置に本発明を適用した例について説
明したが、これに限らず、自動車のサンルーフ、各種車
両や船舶或いは建築物等のウインドウの開閉制御装置に
本発明を適用して実施してもよい。この場合、ウインド
ウの開閉方向は、上下方向に限らず、横方向等任意の方
向に開閉するものであってもよい。
【0054】また、本発明の実施にあたり、上記実施例
における閾値は、モータMの回転速度の変動率に対応す
るものに限ることなく、モータMの回転速度の周期に対
応するものであってもよい。また、本発明の実施にあた
っては、モータMの回転に限らず、例えば、駆動機構2
0の作動状態を検出するセンサの出力をホール素子50
の出力に代えてマイクロコンピュータ60に入力するよ
うにして実施してもよい。
【0055】また、上記実施例及び変形例の各フローチ
ャートにおける各ステップは、それぞれ、機能実行手段
としてハードロジック構成により実現するようにして実
施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】自動車のドアの側面図である。
【図3】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートの前段部である。
【図4】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートの後段部である。
【図5】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートの他の後段部である。
【図6】上記実施例におけるドアの開閉動作、ドアの閉
動作により生ずる振動、ドアスイッチのオンオフ動作、
閾値の変更設定及び所定時間Tαとの関係を示すタイミ
ングチャートである。
【図7】上記実施例の変形例を示す要部フローチャート
である。
【図8】上記変形例におけるドアの開閉動作、ドアの閉
動作により生ずる振動、ドアスイッチのオンオフ動作、
閾値の変更設定及び所定時間Tαとの関係を示すタイミ
ングチャートである。
【符号の説明】
10・・・ドア、12・・・ウインドウ、40・・・閉
操作スイッチ、60・・・ドアスイッチ、70・・・回
転センサ、80・・・マイクロコンピュータ、90・・
・駆動回路、M・・・モータ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアのウインドウを駆動する駆動手段
    と、 この駆動手段の作動状態を検出する作動状態検出手段
    と、 この作動状態検出手段による検出作動状態の変化に応じ
    て閾値を基準に前記ウインドウの異物挟み込みの有無を
    判定する挟み込み判定手段と、 この判定手段の判定結果に基づき前記駆動手段の作動状
    態を制御する制御手段とを備えるウインドウ開閉制御装
    置において、 前記ドアの閉作動を検出するドア検出手段と、 このドア検出手段による閉作動検出に伴い所定時間の間
    前記閾値を増大させる閾値増大手段とを備え、 前記判定手段が、その判定を、前記所定時間の間には、
    前記増大閾値を基準に行うことを特徴とするウインドウ
    開閉制御装置。
  2. 【請求項2】 ドアのウインドウを駆動する駆動手段
    と、 この駆動手段の作動状態を検出する作動状態検出手段
    と、 この作動状態検出手段による検出作動状態の変化に応じ
    て閾値を基準に前記ウインドウの異物挟み込みの有無を
    判定する挟み込み判定手段と、 この判定手段の判定結果に基づき前記駆動手段の作動状
    態を制御する制御手段とを備えるウインドウ開閉制御装
    置において、 前記ドアの動作を検出するドア検出手段と、 このドア検出手段による前記ドアの開動作の検出に基づ
    き前記閾値を増大しこの増大閾値を前記ドア検出手段に
    よる前記ドアの閉動作の検出後所定期間の経過まで保持
    する閾値増大手段とを備え、 前記判定手段が、その判定を、前記ドア検出手段による
    開動作検出以後前記所定時間の経過までは、前記増大閾
    値を基準に行うことを特徴とするウインドウ開閉制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記閾値増大手段が、前記閾値を、前記
    ドアの閉動作時にこのドアに生ずる振動に対応する値よ
    りも大きく前記ウインドウによる異物挟み込み時の値よ
    り小さい値に増大させることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のウインドウ開閉制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ドアが自動車のドアであって、 前記ドア検出手段が自動車のカーテシランプスイッチで
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに
    記載のウインドウ開閉制御装置。
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