発明の詳細な説明
本明細書は、本発明の例示的な実施形態及び用途を記載する。しかし、本発明は、これらの例示的な実施形態及び用途、又は例示的な実施形態及び用途が動作する様式若しくは本明細書に記載される様式に限定されない。更に、図は、簡易化された図又は部分図を示し得、図中の要素の寸法は、強調されることもあれば、又は他の方法で一定の比率ではないことがある。加えて、「上」、「付着される」、「接続される」、「結合される」、又は同様の用語が本明細書において使用される場合、ある要素(例えば、材料、層、基板等)は、ある要素が他の要素の直接上にあるか、それに直接付着されるか、それに直接接続されるか、又はそれに直接結合されるか否かに関係なく、又はある要素と別の要素との間に1つ若しくは複数の介在要素があるか否かに関係なく、別の要素の「上」にあるか、別の要素に「付着される」か、それに「接続される」か、又はそれに「結合される」ことができる。また、文脈により別のことが示される場合を除き、方向(例えば、上方、下方、上部、下部、横、上、下、下の、上の、上部の、下部の、水平、垂直、「x」、「y」、「z」等)は、提供される場合、相対的なものであり、単に例として例示及び考察を容易にするために提供され、限定として提供されるものではない。加えて、要素のリスト(例えば、要素a、b、c)が言及される場合、そのような言及は、リスト自体に列挙された要素のいずれか1つ、列挙された要素の全て未満の任意の組合せ、及び/又は列挙された全ての要素の組合せを包含することが意図される。本明細書でのセクション分割は、検討を容易にすることのみを目的とし、考察されるいかなる要素の組合せも限定しない。
本明細書で使用される場合、「実質的に」は、意図される目的で十分に機能することを意味する。したがって、「実質的に」という用語は、全体的な性能にあまり影響しない、当業者により予期されるような絶対的又は完全な状態、寸法、測定、結果等からの小さい些細な変動を許容する。数値として表現することができる数値、パラメータ、又は特性に関して使用される場合、「実質的に」は、10%以内を意味する。
「それぞれの1つ(ones)」という用語は、2つ以上を意味する。
本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれを上回るものであり得る。
本明細書で使用される場合、「配置される」という用語は、その意味内に「位置する」を包含する。
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体デバイス」又は「マイクロ流体装置」は、流体を保持するように構成される1つ又は複数の別個のマイクロ流体回路であって、各マイクロ流体回路は、領域、流路、チャネル、チャンバ、及び/又はペンを含むがこれに限定されない流体的に相互接続された回路要素で構成される、1つ又は複数の別個のマイクロ流体回路と、流体(及び任意選択的に流体中に懸濁した微小物体)をマイクロ流体デバイス内及び/又は外に流すように構成される少なくとも1つのポートとを含むデバイスである。通常、マイクロ流体デバイスのマイクロ流体回路は、マイクロ流体チャネルを含み得るフロー領域及び少なくとも1つのチャンバを含み、約1mL未満、例えば、約750μL未満、約500μL未満、約250μL未満、約200μL未満、約150μL未満、約100μL未満、約75μL未満、約50μL未満、約25μL未満、約20μL未満、約15μL未満、約10μL未満、約9μL未満、約8μL未満、約7μL未満、約6μL未満、約5μL未満、約4μL未満、約3μL未満、又は約2μL未満の容量の流体を保持する。特定の実施形態では、マイクロ流体回路は、約1μL~約2μL、約1μL~約3μL、約1μL~約4μL、約1μL~約5μL、約2μL~約5μL、約2μL~約8μL、約2μL~約10μL、約2μL~約12μL、約2μL~約15μL、約2μL~約20μL、約5μL~約20μL、約5μL~約30μL、約5μL~約40μL、約5μL~約50μL、約10μL~約50μL、約10μL~約75μL、約10μL~約100μL、約20μL~約100μL、約20μL~約150μL、約20μL~約200μL、約50μL~約200μL、約50μL~約250μL、又は約50μL~約300μLを保持する。マイクロ流体回路は、マイクロ流体デバイスの第1のポート(例えば、流入口)に流体的に接続される第1の端部と、マイクロ流体デバイスの第2のポート(例えば、流出口)に流体的に接続される第2の端部とを有するように構成し得る。
本明細書で使用される場合、「ナノ流体デバイス」又は「ナノ流体装置」は、約1μL未満、例えば、約750nL未満、約500nL未満、約250nL未満、約200nL未満、約150nL未満、約100nL未満、約75nL未満、約50nL未満、約25nL未満、約20nL未満、約15nL未満、約10nL未満、約9nL未満、約8nL未満、約7nL未満、約6nL未満、約5nL未満、約4nL未満、約3nL未満、約2nL未満、約1nL未満、又はそれを下回る容量の流体を保持するように構成される少なくとも1つの回路要素を含むマイクロ流体回路を有するタイプのマイクロ流体デバイスである。ナノ流体デバイスは、複数の回路要素(例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、50個、75個、100個、150個、200個、250個、300個、400個、500個、600個、700個、800個、900個、1000個、1500個、2000個、2500個、3000個、3500個、4000個、4500個、5000個、6000個、7000個、8000個、9000個、10,000個、又はそれを超える)を含み得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの回路要素の1つ又は複数(例えば、全て)は、約100pL~約1nL、約100pL~約2nL、約100pL~約5nL、約250pL~約2nL、約250pL~約5nL、約250pL~約10nL、約500pL~約5nL、約500pL~約10nL、約500pL~約15nL、約750pL~約10nL、約750pL~約15nL、約750pL~約20nL、約1nL~約10nL、約1nL~約15nL、約1nL~約20nL、約1nL~約25nL、又は約1nL~約50nLの容量の流体を保持するように構成される。他の実施形態では、少なくとも1つの回路要素の1つ又は複数(例えば、全て)は、約20nL~約200nL、約100nL~約200nL、約100nL~約300nL、約100nL~約400nL、約100nL~約500nL、約200nL~約300nL、約200nL~約400nL、約200nL~約500nL、約200nL~約600nL、約200nL~約700nL、約250nL~約400nL、約250nL~約500nL、約250nL~約600nL、又は約250nL~約750nLの容量の流体を保持するように構成される。
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体チャネル」又は「フローチャネル」は、横寸法及び縦寸法の両方よりも大幅に長い長さを有するマイクロ流体デバイスのフロー領域を指す。例えば、フローチャネルは、横寸法又は縦寸法のいずれかの長さの少なくとも5倍、例えば、長さの少なくとも10倍、長さの少なくとも25倍、長さの少なくとも100倍、長さの少なくとも200倍、長さの少なくとも500倍、長さの少なくとも1,000倍、長さの少なくとも5,000倍、又はそれよりも長い長さであり得る。幾つかの実施形態では、フローチャネルの長さは、それらの間の任意の範囲を含む約100,000μm~約500,000μmの範囲である。幾つかの実施形態では、横寸法は、約100μm~約1000μm(例えば、約150μm~約500μm)の範囲であり、縦寸法は、約25μm~約200μmの範囲、例えば、約40μm~約150μmの範囲である。なお、フローチャネルは、マイクロ流体デバイスにおいて多様な異なる空間構成を有し得、したがって完全に線形の要素に限定されない。例えば、フローチャネルは、以下の構成:曲線、湾曲、螺旋、傾斜、下降、分岐(例えば、複数の異なる流路)、及びそれらの任意の組合せを有する1つ又は複数の部分であり得るか又はそれを含み得る。加えて、フローチャネルは、経路に沿って異なる断面積を有し得、広がるか又は収縮して所望の流体フローを内部に提供し得る。フローチャネルは弁を含み得、弁は、マイクロ流体の分野で既知の任意のタイプのものであり得る。弁を含むマイクロ流体チャネルの例は、米国特許第6,408,878号及び同第9,227,200号に開示されており、これらのそれぞれは、全体的に参照により本明細書に援用される。
本明細書で使用される場合、「障害物」という用語は、一般に、マイクロ流体デバイス内の2つの異なる領域又は回路要素間の標的微小物体の移動を部分的に(しかし、完全にではない)妨げるのに十分に大きいバンプ又は同様のタイプの構造を指す。2つの異なる領域/回路要素は、例えば、マイクロ流体隔離ペンの接続領域及び分離領域であり得る。
本明細書で使用される場合、「狭窄」という用語は、一般に、マイクロ流体デバイス内の回路要素(又は2つの回路要素間の界面)の幅の狭まりを指す。狭窄は、例えば、本開示のマイクロ流体隔離ペンの分離領域と接続領域との界面に位置することができる。
本明細書で使用される場合、「透明」という用語は、可視光が透過する際、可視光を実質的に変更せずに透過させる材料を指す。
本明細書で使用される場合、「微小物体」という用語は、一般に、本発明により分離及び/又は操作され得る任意の顕微鏡的物体を指す。微小物体の非限定的な例としては、微粒子;微小ビーズ(例えば、ポリスチレンビーズ、Luminex(商標)ビーズ等);磁性ビーズ;微小ロッド;微小ワイヤ;量子ドット等の無生物微小物体、細胞;生物学的細胞小器官;ベシクル又は複合体;合成ベシクル;リポソーム(例えば、合成又は膜標本由来);脂質ナノラフト(lipid nanoraft)等の生物学的微小物体、又は無生物微小物体と生物学的微小物体との組合せ(例えば、細胞に付着した微小ビーズ、リポソームコーティング微小ビーズ、リポソームコーティング磁性ビーズ等)が挙げられる。ビーズは、蛍光標識、タンパク質、炭水化物、抗原、小分子シグナリング部分、又はアッセイで使用可能な他の化学/生物種等の共有結合的又は非共有結合的に付着された部分/分子を含み得る。脂質ナノラフトは、例えば、Ritchie et al. (2009)“Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bilayer Nanodiscs”, Methods Enzymol., 464:211-231に説明されている。
本明細書で使用される場合、「細胞」という用語は、用語「生体細胞」と同義で使用される。生体細胞の非限定的な例としては、真核細胞、植物細胞、哺乳類細胞、爬虫類細胞、鳥類細胞、魚類細胞等の動物細胞、原核細胞、細菌細胞、真菌細胞、原生細胞等、筋肉、軟骨組織、脂肪、皮膚、肝臓、肺、神経組織等の組織から解離された細胞、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ等の免疫細胞、胚(例えば、接合子)、卵母細胞、卵子、精子細胞、ハイブリドーマ、培養細胞、細胞株からの細胞、がん細胞、感染細胞、トランスフェクト細胞及び/又は形質転換細胞、レポーター細胞等が挙げられる。哺乳類細胞は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、霊長類等からの細胞であり得る。
生体細胞のコロニーは、生殖可能なコロニー内の生細胞の全てが単一の親細胞由来の娘細胞である場合、「クローン」である。特定の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、10以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。他の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、14以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。他の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、17以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。他の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、20以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。「クローン細胞」という用語は、同じクローンコロニーの細胞を指す。
本明細書で使用される場合、生体細胞の「コロニー」は、2つ以上の細胞(例えば、約2~約20個、約4~約40個、約6~約60個、約8~約80個、約10~約100個、約20~約200個、約40~約400個、約60~約600個、約80~約800個、約100~約1000個、又は1000個を超える細胞)を指す。
本明細書で使用される場合、「細胞を維持する」という用語は、細胞を生存した状態に保ち、及び/又は増殖させるのに必要な条件を提供する流体成分及びガス成分の両方並びに任意選択的に表面を含む環境を提供することを指す。
本明細書で使用される場合、「増殖」という用語は、細胞を指す場合、細胞数の増大を指す。
流体の媒体の「成分」は、溶媒分子、イオン、小分子、抗生物質、ヌクレオチド及びヌクレオシド、核酸、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖、炭水化物、脂質、脂肪酸、コレステロール、代謝産物等を含む、媒体に存在する任意の化学分子又は生化学分子である。
本明細書で使用される場合、「捕捉部分」は、微小物体の認識部位を提供する化学種、生物種、機能性、又はモチーフである。選択されたクラスの微小物体は、インサイチュー生成捕捉部分を認識し得、インサイチュー生成捕捉部分と結合し得るか、又はそれに対する親和性を有し得る。非限定的な例として、抗原、抗体、及び細胞表面結合モチーフが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「流動性ポリマー」は、流体媒体(例えば、プレポリマー溶液)内で溶解可能又は分散可能なポリマーモノマー又はマクロマーである。流動性ポリマーは、マイクロ流体フロー領域に流入し得、内部の流体媒体の他の成分と共に流れ得る。
本明細書で使用される場合、「光開始ポリマー」は、光に露出されると共有結合的に架橋するか、特定の共有結合を形成するか、硬質化化学モチーフの周囲の位置化学を変更するか、又は物理的状態を変更させるイオン対を形成し、それにより、ポリマー網目構造を形成可能なポリマー(又はポリマーの生成に使用することができる単量体分子)を指す。幾つかの場合、光開始ポリマーは、共有結合的に架橋するか、特定の共有結合を形成するか、硬質化化学モチーフの周囲の位置化学を変更するか、又は物理的状態を変更させるイオン対を形成することが可能な1つ又は複数の化学部分に結合するポリマーセグメントを含み得る。幾つかの場合、光開始ポリマーは、ポリマー網目構造の形成を開始する(例えば、ポリマーの重合化を介して)ために、光活性化可能なラジカル開始剤を必要とし得る。
本明細書で使用される場合、「抗体」は、免疫グロブリン(Ig)を指し、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方、霊長類化(例えば、ヒト化)抗体、ネズミ抗体、マウス-ヒト抗体、マウス-霊長類抗体、並びにキメラ抗体を含み、完全な分子、その断片(scFv、Fv、Fd、Fab、Fab’、及びF(ab)’2断片等)、或いは完全な分子及び/又は断片の多量体若しくは凝集体であってよく、天然に存在するか、又は免疫処置、合成若しくは遺伝子操作等によって製造することができる。本明細書で使用される場合、「抗体断片」は、抗原を結合する、抗体に由来するか又は抗体に関係する断片を指し、幾つかの実施形態では、例えば、ガラクトース残基の組み入れにより、クリアランス及び取り込みを容易にする構造上の特徴を示すように誘導体化し得る。これには、例えば、F(ab)、F(ab)’2、scFv、軽鎖可変領域(VL)、重鎖可変領域(VH)、及びそれらの組合せが含まれる。
流体媒体を参照して本明細書で使用される場合、「拡散する」及び「拡散」は、濃度勾配を下がる流体媒体の成分の熱力学的移動を指す。
「媒体の流れ」という語句は、拡散以外の任意のメカニズムに主に起因する流体媒体のバルク移動を意味する。例えば、媒体の流れは、ポイント間の圧力差に起因する流体媒体のあるポイントから別のポイントへの移動を含むことができる。そのようなフローは、液体の連続フロー、パルスフロー、周期的フロー、ランダムフロー、断続的フロー、又は往復フロー、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。ある流体媒体が別の流体媒体中に流れる場合、媒体の乱流及び混合が生じ得る。
「実質的に流れがない」という語句は、流体媒体内への又は流体媒体内の材料(例えば、対象となる検体)の成分の拡散率未満である、経時平均される流体媒体の流量を指す。そのような材料の成分の拡散率は、例えば、温度、成分のサイズ、及び成分と流体媒体との相互作用の強さに依存することができる。
マイクロ流体デバイス内の異なる領域を参照して本明細書で使用される場合、「流体的に接続される」という語句は、異なる領域が流体媒体等の流体で実質的に充填されているとき、各領域内の流体が接続されて単一の流体を形成することを意味する。これは、異なる領域内の流体(又は流体媒体)の組成が必ずしも同一であることを意味しない。正確に言えば、マイクロ流体デバイスの流体的に接続される異なる領域内の流体は、溶質が各濃度勾配を下に移動し、及び/又は流体がマイクロ流体を通って流れるとき、流動的である異なる組成(例えば、タンパク質、炭水化物、イオン、又は他の分子等の異なる濃度の溶質)を有することができる。
本明細書で使用される場合、「流路」は、媒体の流れの軌道を画定し、媒体の流れの軌道を受ける1つ又は複数の流体的に接続された回路要素(例えば、チャネル、領域、チャンバ等)を指す。したがって、流路は、マイクロ流体デバイスの掃引領域の例である。他の回路要素(例えば、非掃引領域)は、流路における媒体の流れを受けることなく、流路を含む回路要素に流体的に接続し得る。
本明細書で使用される場合、「微小物体の分離」は、マイクロ流体デバイス内の画定エリアに微小物体を閉じ込めることを意味する。微小物体は、それでもなおインサイチュー生成捕捉構造内で動くことが可能であり得る。
マイクロ流体(又はナノ流体)デバイスは、「掃引」領域及び「非掃引」領域を含むことができる。本明細書で使用される場合、「掃引」領域は、流体がマイクロ流体回路を流れているときに媒体の流れを受ける、マイクロ流体回路の1つ又は複数の流体的に相互接続された回路要素で構成される。掃引領域の回路要素は、例えば、領域、チャネル、及びチャンバの全て又は一部を含むことができる。本明細書で使用される場合、「非掃引」領域は、流体がマイクロ流体回路を流れているときに流体流動を実質的に受けない、マイクロ流体回路の1つ又は複数の流体的に相互接続された回路要素で構成される。非掃引領域は、流体接続が、掃引領域と非掃引領域との間の拡散は可能であるが、実質的に媒体フローがないような構造を有する場合、掃引領域に流体的に接続することができる。したがって、マイクロ流体デバイスは、実質的に掃引領域と非掃引領域との間の拡散流通のみを可能にしながら、掃引領域内の媒体のフローから非掃引領域を実質的に分離するような構造を有することができる。例えば、マイクロ流体デバイスのフローチャネルは、掃引領域の例であり、一方、マイクロ流体デバイスの分離領域(以下に更に詳細に説明する)は、非掃引領域の例である。
そのようなマイクロ流体デバイスにおいて、特定の生物学的材料(例えば、抗体等のタンパク質)を生成する生物学的微小物体(例えば、生体細胞)の能力をアッセイすることができる。アッセイの特定の実施形態では、対象となる検体の生産についてアッセイする生物学的微小物体(例えば、細胞)を含む試料材料をマイクロ流体デバイスの掃引領域に装填することができる。生物学的微小物体(例えば、ヒト細胞等の哺乳類細胞)のそれぞれは、特定の特性に関して選択することができ、非掃引領域に配置することができる。次に、残りの試料材料を掃引領域から流出させ、アッセイ材料を掃引領域に流入させることができる。選択された生物学的微小物体は非掃引領域にあるため、選択された生物学的微小物体は、残りの試料材料の流出又はアッセイ材料の流入による影響を実質的に受けない。選択された生物学的微小物体は、対象となる検体を生成することが可能であり得、検体は非掃引領域から掃引領域中に拡散することができ、掃引領域において、対象となる検体はアッセイ材料と反応して、それぞれを特定の非掃引領域に相関付けることができる局所化された検出可能反応を生成することができる。検出された反応に関連する任意の非掃引領域を分析して、非掃引領域中の生物学的微小物体のうち、対象となる検体の十分な生産者物体がある場合、それがいずれかを特定することができる。
インサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイス
マイクロ流体デバイス内で微小物体に対してアッセイを実行する場合、そのようなアッセイが、隔離ペン、トラップ、又はマイクロ流体チャネルを含むがこれに限定されないフロー領域の一部等のマイクロ流体回路の特定のエリア及び/又は特徴に付着した(例えば、アッセイ検体若しくはアッセイ試薬を付着させるか、又はアッセイ検体若しくはアッセイ試薬の移動及び/又は拡散を制限することにより)アッセイ検体又はアッセイ試薬を組み込み得ることが有利であり得る。幾つかの場合、アッセイ検体又はアッセイ試薬は、ポリマー網目構造を使用してマイクロ流体デバイスの特定の部分(例えば、隔離ペンの一部)に付着し得る。固化ポリマー網目構造は、選択された位置においてインサイチューで生成し得る。例えば、構造化光を使用して、ポリマーを架橋して網目構造にすることによりポリマーを固化する重合化/架橋反応の光誘導を通して、ポリマーの固化された網目構造を生成し得る。固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体と反応することができ(固化ポリマー網目構造の形成中又は形成後のいずれか)、それによりアッセイ試薬又はアッセイ検体を含むインサイチュー生成捕捉構造を形成することができる。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、このようにして固化ポリマー網目構造内又は少なくとも固化ポリマー網目構造の表面の近くに維持され、それによりアッセイを最適化する(例えば、アッセイ信号を1つ又は複数の予め定義された位置に集中させることにより)ことができる。
驚くべきことに、多様な捕捉構造が、本明細書に記載のようにマイクロ流体(又はナノ流体)デバイス内にインサイチューで生成可能であることが発見された。インサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイス、これらのクラスのデバイスで使用される組成物及び使用方法について本明細書に記載する。
基板及びマイクロ流体回路材料260を含むエンクロージャであって、それぞれエンクロージャ(図示せず)内に配置されるフロー領域(例えば、フローチャネル410)及び少なくとも1つの隔離ペン430を画定する、エンクロージャと、エンクロージャ内に配置される少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404であって、固化ポリマー網目構造を含む、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404とを含むマイクロ流体デバイス400を提供し得る。マイクロ流体回路材料260は、フロー領域の壁を画定し得、エンクロージャ内に他のマイクロ流体回路要素を画定し得る。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイス400はカバー(図示せず)を含み得る。様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスは、それもマイクロ流体回路材料260で形成し得る少なくとも1つの隔離ペン430を含み得る。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404は、少なくとも1つの隔離ペン430内に配置し得る。マイクロ流体デバイスは、エンクロージャ内に複数の隔離ペンを更に含み得る。少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造は、微小物体の生物学的産物を捕捉することが可能であり、及び/又は微小物体若しくは微小物体の生物学的産物により作用されるように構成される。少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造は、アッセイ試薬若しくはアッセイ検体を含み得、又はアッセイ試薬若しくはアッセイ検体を受け入れるように構成し得る(例えば、官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体と反応するように構成される官能化部位を含み得る)。アッセイ試薬は、微小物体の生物学的産物を捕捉するように構成し得る。アッセイ検体は、微小物体の生物学的産物を捕捉するか、又は微小物体若しくは微小物体の生物学的産物により作用されるように構成し得る。
マイクロ流体デバイス400の一部を図4Aに示す。少なくとも1つの隔離ペン430は、フロー領域(例えば、フローチャネル410)に流体的に接続し得る。少なくとも1つの隔離ペン430は、分離領域及び接続領域を含み得、任意の隔離ペン124、126、128、130、224、226、228、266に対して、上述した任意の組の寸法を有し得、接続領域は、フロー領域(例えば、フローチャネル410)への基端開口部と、分離領域への先端開口部とを有する。マイクロ流体デバイスのフロー領域(例えば、フローチャネル410)は、マイクロ流体チャネル410を含み得る。フロー領域(例えば、フローチャネル410)への隔離ペンの基端開口部は、フロー領域(図示せず)における流体媒体のフローに略平行な向きを有し得る。隔離ペンのフロー領域内の流体媒体と分離領域内の流体媒体との間での成分の交換は、実質的に拡散によってのみ行われ得る。少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404は、隔離ペン430の分離領域内に配置し得る。
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404は、隔離ペンの接続領域又は分離領域内に配置し得る。インサイチュー生成捕捉構造404は、妨げなく細胞を分離領域に搬入し得るように、隔離ペンの分離領域の位置にあるように選択的に更に形成され得る。少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404は、妨げなく細胞をインサイチュー生成捕捉構造404から分離領域から搬出し得るように、分離領域内に位置し得る。マイクロ流体デバイスは複数の隔離ペン430を含み得、隔離ペン430は、任意の組合せにおいて、本明細書に記載される任意の適する配置で構成し得る。1つのマイクロ流体チャネル及び複数の隔離ペンが存在する場合、複数の隔離ペンを行に位置合わせし得、複数の各隔離ペンは、マイクロ流体チャネル410の片側において開く。複数の各隔離ペンの基端開口部は、共通の方向においてマイクロ流体チャネル410に向かって開き得る。
別の実施形態では、基板及びカバーを含むエンクロージャであって、エンクロージャ(図示せず)内にそれぞれ位置するフロー領域(例えば、フローチャネル410)及び少なくとも1つの隔離ペン430を画定する、エンクロージャと、少なくとも1つの隔離ペン430内に配置される少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造406であって、アッセイ試薬又はアッセイ検体(R/A、例えば、図4C及び図4Dの406B又は406A)を更に含む固化ポリマー網目構造を含む、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造406とを含むマイクロ流体デバイス450が提供され、その一部を図4Bに示す。
基板
マイクロ流体デバイス400、450の基板は、エンクロージャ(図示せず)内で泳動誘導(DEP)力を生成する構成を更に含み得る。DEP構成を有するマイクロ流体デバイス基板は、本明細書に記載される任意のDEP構成を含み得る。DEP力は光学的に作動され得る。他の実施形態では、マイクロ流体デバイス400、500の基板は、オプトエレクトロウェッティング構成(図示せず)を含むように構成し得る。幾つかの実施形態では、オプトエレクトロウェッティング基板は、光学的に作動され得る。更に他の実施形態では、マイクロ流体デバイス400、450は、DEP力を生成するように構成される基板と、エレクトロウェッティング力を生成するように構成される基板との組合せを含み得、これらは、それぞれ光学的に作動される。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイス400、450のカバーは、1つ又は複数のインサイチュー生成捕捉構造からの蛍光信号、比色信号、又は発光信号を実質的に透過し得る。
様々な実施形態では、少なくとも1つの捕捉構造を有するマイクロ流体デバイス400、450は、上述したように、細胞の成長、生存性、可搬性、及びそれらの任意の組合せを強化する動的被覆又は調整表面を有し得る。任意の適する動的被覆又は調整表面が使用可能である。幾つかの実施形態では、調整表面は、本明細書に記載される任意の適する共有結合的に修飾された表面であり得る共有結合修飾表面を含み得る。共有結合修飾表面は、インサイチュー生成捕捉構造のポリマー網目構造を固化する前に存在し得る。動的被覆が使用される場合、共有結合修飾表面は、インサイチュー生成捕捉構造のポリマー網目構造を固化する前又はその後に導入し得る。
マイクロ流体デバイス400、450は、任意の組合せにおいて、本明細書に記載されるマイクロ流体デバイス100、200、230、250、280、290、320、500、700について説明した任意の他の構成要素、特徴、又は構成を有し得る。
固化ポリマー網目構造を含むインサイチュー生成捕捉構造
インサイチュー生成捕捉構造404、406(図4A、図4B)の固化ポリマー網目構造は、光開始ポリマーを含み得、インサイチューで固化し得る。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、シリコーンポリマーを含まない。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、シリコンを含まない。固化ポリマー網目構造は、任意の適するポリマーから作られ得、本明細書に記載されるような任意のポリマーであり得る。
官能化部位
マイクロ流体デバイス400の少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404の固化ポリマー網目構造は、1つ又は複数の官能化部位を含み得る。幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造は、2つ以上の官能化部位を含み得る。官能化部位は、固化ポリマー網目構造に付着され得る(非特異的非共有結合を含み得るか、又は特定の結合対若しくはモチーフを介する非共有結合を含み得る)。他の実施形態では、固化ポリマー網目構造の官能化部位は、固化ポリマー網目構造のポリマーに共有結合的に結合され得る。
官能化部位は、アッセイ試薬又はアッセイ検体をそこに導入させる反応部分Rfsを含み得る。反応部分Rfsは、会合(例えば、非限定的な一例では、キレート)、結合(例えば、ビオチンとストレプトアビジンとの間又は抗体/抗原結合対間等の非共有結合)、又は反応(例えば、クリック反応対間等の共有結合の形成)を含む共有又は非共有反応モードを提供し得る。簡明にするために、結合という用語は、3つ全てのタイプの相互作用の包含に使用し得るが、特定の実施形態では、これらの相互作用の1つ又は複数が好ましいことがある。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の官能化部位の反応部分Rfsは、ビオチン、アビジン、又はストレプトアビジンであり得る。他の実施形態では、1つ又は複数の官能化部位の反応部分Rfsは、キレート部分又はオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション配列を含み得る。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位は、固化ポリマー網目構造を含むインサイチュー生成捕捉構造403から、少なくとも1つの官能化部位を有する固化ポリマー網目構造を含むインサイチュー生成捕捉構造404への変換について概略的に示したように、ポリマー網目構造の固化後に導入し得る(例えば、反応部分Rfsを含む非特異的に付着した種を隔離ペンに流入させ、ある時間期間にわたり固化ポリマー網目構造に接触させ、適するアッセイ条件に向けて、反応部分Rfsを含む十分な数の種を付着させ得る)。他の実施形態では、反応部分Rfsを含む1つ又は複数の官能化部位は、図4C及び図4Dに概略的に示されるように、ポリマー網目構造の固化前にプレポリマー401に導入される。
アッセイ試薬又はアッセイ検体(例えば、図4Bの406のR/A)を含む少なくともインサイチュー生成された1つの捕捉構造406を有するマイクロ流体デバイス450は、アッセイ試薬又はアッセイ検体と既に会合、結合、又は反応した反応部分Rfsをそれぞれ有する1つ又は複数の官能化部位を含み得る。反応部分Rfsは、マイクロ流体デバイス400及び各インサイチュー生成捕捉構造404について上述したような任意の反応部分から選択し得る。上記のように、結合という用語は、3つ全てのタイプの相互作用の包含に使用し得るが、特定の実施形態では、これらの相互作用の1つ又は複数が好ましいことがある。アッセイ試薬又はアッセイ検体の結合は、以下に説明され、図4Cに示されるように、ポリマー網目構造の固化前又は固化に続けて行い得る。
幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造404、406の固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位は、全て同じ反応部分Rfsを含み得る。他の実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造404、406の固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位は、異なるRfsを含み得る。幾つかの他の実施形態では、2つ以上のタイプのポリマーを使用して固化ポリマー網目構造を形成し得、各ポリマーは、同じ又は異なる官能化部位(例えば、結合又は付着される反応部分Rfs)を有し得る。
アッセイ試薬又はアッセイ検体
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造406の固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬及び/又はアッセイ検体(図4B、図4C、図4D)を更に含み得る。固化ポリマー網目構造に結合したアッセイ試薬又はアッセイ検体を既に含む、マイクロ流体デバイス450のインサイチュー生成捕捉構造406を提供し得る。代替的に、マイクロ流体デバイス400は、アッセイ試薬又はアッセイ検体と会合、結合、又は反応して、アッセイ試薬又はアッセイ検体(図4BのR/A)を含むインサイチュー生成捕捉構造406を提供するように構成され、図4Cにより詳細に示されるインサイチュー生成捕捉構造404(図4A)を有し得る。更に別の代替では、固化ポリマー網目構造及びそれに会合するアッセイ試薬又はアッセイ検体は、アッセイ実験自体の開始前に導入し得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位に共有結合的又は非共有結合的に結合されるように構成し得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、例えば、流動性ポリマー溶液(例えば、プレポリマー内に既に組み込まれている)に共有結合的に結合することにより、インサイチュー生成捕捉構造の初期形成中に導入し得る。非限定的な一例は、標的生体細胞上のインテグリンにより認識し得る、RGDモチーフ等の認識モチーフの組み込みであり得る。
代替的に、アッセイ試薬又はアッセイ検体は、1つ又は複数の官能化部位を含むインサイチュー生成捕捉構造404を有するマイクロ流体デバイス400に流入し得る(例えば、固化ポリマー網目構造が固化した後のある時間において)。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造404の固化ポリマー網目構造の官能化部位のRfsと会合、結合、又は反応して、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造406を生成するように構成される官能部分Mfsを含み得る。上記のように、結合という用語は、3つ全てのタイプの相互作用の包含に使用し得るが、特定の実施形態では、これらの相互作用の1つ又は複数が好ましいことがある。任意の適する官能部分Mfsが使用可能である。例えば、アッセイ試薬又はアッセイ検体のキレート基質Mfsを捕捉構造404の固化ポリマー網目構造の官能化部位のキレートリガンドRfsによりキレートし得る。官能部分Mfsは、捕捉構造404の官能化部位の各アビジン、ストレプトアビジン、又はビオチンRfsと非共有結合的に結合するビオチン又はストレプトアビジンを含み得る。代替的に、官能部分Mfsは、固化ポリマー網目構造の官能化部位のRfsと共有結合的に反応するように構成し得る。例えば、官能部分Mfsはアジドであり得、インサイチュー生成捕捉構造404の官能化部位の対応するクリック反応対のアルキニル官能基と共有結合的に反応し得る。
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスの幾つかの実施形態では、アッセイ試薬又はアッセイ検体は検出可能な標識を含み得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体の検出可能な標識は、蛍光標識、比色標識、又は発光標識であり得る。幾つかの実施形態では、検出可能な標識は蛍光標識であり得る。幾つかの実施形態では、アッセイ試薬又はアッセイ検体が検出可能な標識を含む場合、標識は、アッセイが進むまで検出可能ではなく、検出可能な標識は、アッセイ試薬又はアッセイ検体から生成又は解放される。
反応部分及び/又はアッセイ試薬若しくはアッセイ検体を含み得る固化ポリマー網目構造を導入する方法
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の準備は、図4C及び図4Dに概略的に示されるように様々に実行し得る。図4Cに示される一ルートでは、1つ又は複数のプレポリマー401は、反応部分Rfsを含む少なくとも1つの官能化部位を含むプレポリマー405を提供するように修飾し得る。この非固化プレポリマー405は、続けてマイクロ流体デバイスのエンクロージャに流入し得、インサイチューで固化して、インサイチュー生成捕捉構造404を提供し得、これは、任意選択的に、流動性プレポリマーを隔離ペンに導入することを含み得る。代替的に、反応部分Rfsを含む少なくとも1つの官能化部位を有するプレポリマー405は、官能部分Mfsを有するアッセイ検体と反応して、アッセイ検体を既に含むプレポリマー407Aを提供し得る。アッセイ検体が既に組み込まれたこのプレポリマー407Aは、続けてマイクロ流体デバイス及び任意選択的に隔離ペンに流入し得、インサイチューで固化して、アッセイ検体を有するインサイチュー生成捕捉構造406Aを提供し得る。
別の実施形態では、反応部分Rfsを含む少なくとも1つの官能部位を有するプレポリマー405は、官能部分Mfsを有するアッセイ試薬と反応して、アッセイ試薬を既に含むプレポリマー407Bを提供し得る。プレポリマー407Bは、続けてマイクロ流体デバイスのエンクロージャに流入し得、任意選択的に隔離ペンに導入されて、インサイチューで固化して、アッセイ試薬を含むインサイチュー生成捕捉構造406Bを提供し得る。
更に別の実施形態では、プレポリマー401自体がマイクロ流体デバイスのエンクロージャ及び任意選択的に隔離ペンに流入し得、インサイチューで固化して、インサイチュー生成捕捉構造の一部を形成する固化ポリマー網目構造403を提供し得る。固化ポリマー網目構造は、固化ポリマー網目構造に付着又は結合する材料を流入させ、それにより、少なくとも1つの反応基Rfs(例えば、インサイチュー生成捕捉構造404)を含む固化ポリマー網目構造を提供することにより、反応基Rfsを有する少なくとも1つの官能部位を導入するように修飾し得る。インサイチュー生成捕捉構造404は、捕捉構造404のRfsと反応して、アッセイ検体を含むインサイチュー生成捕捉構造406Aを提供する官能部分Mfsを有するアッセイ検体を流入させることにより更に修飾し得る。代替的に、インサイチュー生成捕捉構造404は、捕捉構造404のRfsと反応して、アッセイ試薬を含むインサイチュー生成捕捉構造406Bを提供する官能部分Mfsを有するアッセイ試薬を流入させることにより更に修飾し得る。
図4Dに示される更に別の実施形態では、例えば、RGD又はプロテアーゼ基質(例えば、図4DにおけるPEP)モチーフを含むペプチドセグメント等のプレポリマー中に既に組み込まれたアッセイ検体又はアッセイ試薬を有するプレポリマー401’が準備される。プレポリマー401’は、マイクロ流体デバイスのエンクロージャ及び任意選択的に隔離ペンに流入し、インサイチューで固化して、固化ポリマー網目構造内に組み込まれたアッセイ試薬又はアッセイ検体を有するインサイチュー生成捕捉構造406Cを提供し得る。
インサイチュー生成捕捉構造を導入する方法について更に詳細に以下に説明する。
インサイチュー生成捕捉構造のアッセイ試薬
アッセイ試薬は、タンパク質、核酸、有機分子、及び/又はサッカリドを含み得る。アッセイ試薬は、対象となる核酸にハイブリダイズすることができるインサイチュー生成捕捉オリゴヌクレオチドを含み得る。オリゴヌクレオチドは、合成して生成してもよく、又は生体細胞により生成してもよい。オリゴヌクレオチドは、生物学的生成後、サイズについて又は他の官能基を導入するように更に処理し得る。タンパク質アッセイ試薬は、抗体、構造タンパク質、細胞表面マーカ、又はサイトカインを含み得るが、これに限定されない。有機分子アッセイ試薬は、約2000Da以下の分子重量を有する合成、半合成、又は生物学的に生成される有機分子を含み得る。有機分子は、キレート基質、キレートリガンド、ペプチド、又は非ペプチド有機分子を含み得る。幾つかの実施形態では、アッセイ試薬は、タンパク質、核酸、有機分子、又はサッカリドの2つ以上の組合せを含み得る。幾つかの実施形態では、アッセイ試薬は抗体又はその断片を含み得る。他の実施形態では、アッセイ試薬は抗原を含み得る。幾つかの実施形態では、抗原アッセイ試薬は、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンα(IFN-α)、インターロイキン2(IL-2)、又はIFNγを含むがこれに限定されないサイトカインであり得る。
幾つかの実施形態では、アッセイ試薬が抗体を含む場合、アッセイ試薬抗体は腫瘍抗原に特異的に結合し得、腫瘍抗原は本明細書に記載される任意の腫瘍抗原であり得る。他の実施形態では、アッセイ試薬抗体はサイトカインに特異的に結合し得、サイトカインは、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンα(IFN-α)、インターロイキン2(IL-2)、又はIFNγを含むがこれに限定されない任意の適するサイトカインであり得る。
幾つかの実施形態では、アッセイ試薬が抗原を含む場合、抗原試薬は腫瘍抗原であり得る。腫瘍抗原試薬は、腫瘍特異抗原又は腫瘍関連抗原であり得る。アッセイ試薬として使用し得る腫瘍抗原の非限定的なリストは、WT1、MUC1、LMP2、HPV E6 E7、EGFRvIII、HER-2/neu、MAGE A3、p53非変異体、NY-ESO-1、PSMA、GD2、CEA、メランA/MART1、RAS変異体、gp100、p53変異体、プロテアーゼ3(PR1)、BCR-ABLE、チロシナーゼ、サバイビン、PSA、hTERT、EphA2、PEP、ML-IAP、AFP、EpCAM、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、RhoC、TRP-2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、又はPSCAを含む。
図5Aは、マイクロ流体チャネル264に開いた少なくとも1つの隔離ペン530を有するマイクロ流体デバイス500の一例を示す。隔離ペン530は、ここでは抗体として示されるアッセイ試薬504を含む固化ポリマー網目構造を有する1つのインサイチュー生成捕捉構造502を有する。
アッセイ試薬のこれらの例は、決して限定ではなく、当業者が選択し得る任意の適するアッセイ試薬であり得る。
インサイチュー生成捕捉構造のアッセイ検体
アッセイ検体は、アッセイ試薬との共有結合又は非共有結合相互作用を介してインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造に結合し得る。実施形態のいくつかでは、アッセイ検体がインサイチュー生成捕捉構造に結合/構造内に組み込まれる場合、アッセイ検体は、蛍光、比色、又は目視可能な色の染料の標識等の検出可能な標識も含む。アッセイ検体は、タンパク質、核酸、有機分子(上述したような)、及び/又はサッカリドを含み得る。幾つかの実施形態では、アッセイ検体は、タンパク質、核酸、有機分子、又はサッカリドの2つ以上の組合せを含み得る。タンパク質アッセイ検体は、抗体、構造タンパク質、細胞表面マーカ、又はサイトカインを含み得るがこれに限定されない。
幾つかの実施形態では、アッセイ検体は抗体又はその断片を含み得る。非限定的な一例では、抗体を研究する場合、第1の抗体の結合部位に結合する「抗イディオタイプ」抗体をスクリーニングすることは希ではない。抗イディオタイプ抗体は、第1の抗体が結合する抗原を模倣することができ、それにより、(1)第1の抗体が結合する抗原のモデリング又は(2)動物のワクチン接種(したがって、第1の抗体に類似する新しい抗体を生成することに使用することができる。したがって、抗イディオタイプ抗体は、これに関してアッセイ検体として見ることができ、又は代替的にアッセイ試薬と見なし得、それに従って使用し得る。
他の実施形態では、タンパク質アッセイ検体は、インサイチュー生成捕捉構造に非共有結合的に結合される抗原であり得る。有機分子アッセイ検体は、ペプチド又は非ペプチド有機分子を含み得る。アッセイ検体の非限定的な一例は、プロテアーゼの基質である。基質は、ペプチド又は非ペプチド有機分子であり得る。アッセイは、商業生産に使用し得る、対象となるプロテアーゼを効率的に生産する細胞を識別し得る。代替的に、基質は、病原体プロテアーゼ発現の標的であり得、病原性活性を有する細胞の識別に使用することができる。
例えば、プレポリマー(例えば、401’)内への組み込み又はインサイチュー生成捕捉構造の官能化部位への導入(例えば、架橋剤を介して、プレポリマー407Aの生成、及び/又はインサイチュー生成捕捉構造406Aを介して)等の任意の適する様式において、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)基質(例えば、基質配列Gly-Pro-Gln-Gly-Trp-Gly-Gln(例えば、PEP)を有し得るMMP-2等)をインサイチュー生成捕捉構造に組み込み得る。特定のメタロプロテアーゼの発現は、転移能及びがん進行に関連する。MMP基質モチーフを組み込んだインサイチュー生成捕捉構造は、MMPを発現している細胞の識別に使用し得る。MMP基質がインサイチュー生成捕捉構造406C(図4D参照)の固化ポリマー網目構造の一部である場合、固化ポリマー網目構造は浸食され得、網目構造の損失を監視し得る。例えば、MMP基質モチーフを組み込んだ固化ポリマー網目構造は、プロテアーゼ活性が続くにつれて解放される蛍光標識を更に含み得る。固化ポリマー網目構造内の信号の損失を監視し得、又は隔離ペン内の液体媒体内の信号の取得を監視し得る。インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造に結合又は構造内に組み込み得る基質は、いかなる特定のタイプの基質にも限定されないが、アッセイに望ましいことがある任意の適する基質であり得る。
インサイチュー生成捕捉構造への結合又は構造内への組み込みに有用なアッセイ検体であり得る別のプロテアーゼ基質は、フューリン基質であり得る。フューリン(セリンエンドプロテアーゼ活性を有するプロタンパク質転換酵素)は、Th1表現型へのT細胞の分化に関わり得る。アッセイは、本明細書に記載されるように、インサイチュー生成捕捉構造を使用して様々な方法で実行し得るが、一実施形態では、ペプチドは、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造内の官能部位への付着を可能にするビオチン及びフューリンにより切断されると解放されるペプチド内の位置に付着したフルオロフォア等の官能部分Mfsである、フューリンの切断モチーフを組み込み得る。フューリン活性を発現する細胞は、インサイチュー生成捕捉構造から蛍光を解放し、信号の損失を検出し得、更に定量化し得る。
更に別の実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造406の固化ポリマー網目構造内の付着又は可能な場合には別の非共有モードのいずれかにより、蛍光標識された抗原を埋め込み得る。アッセイを実行して、B細胞により抗原抽出を測定し得る。B細胞が固化ポリマー網目構造に会合又は結合するため、B細胞が抗原に特異的な抗体を発現する場合、抗原を固化ポリマー網目構造から抽出し得る。親和性が高い抗体ほど高いレベルの抗原抽出を示し得、したがって、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造からの蛍光信号の損失が大きくなる。
アッセイ検体のこれらの例は決して限定ではなく、アッセイ検体は、当業者が選択し得る任意の適するアッセイ検体であり得る。
検出試薬
アッセイ試薬(又は検体)とその意図される標的との相互作用の結果は、検出試薬により検出し得る。検出試薬は検出可能な標識を含み得る。検出試薬の検出可能な標識は、蛍光、比色、又は発光標識を含み得る。幾つかの実施形態では、検出試薬は、少なくとも第1の抗体を含み得る。検出試薬は、検出可能に標識される第1の抗体を含み得る。幾つかの実施形態では、検出試薬は第2の抗体を含み得、第2の抗体は検出可能な標識を組み込み得る。幾つかの実施形態では、標識された第2の抗体が二次抗体であり、少なくとも第1の抗体に結合する。第1及び/又は第2の抗体はIgG抗体であり得る。第1及び/又は第2の抗体は、抗体の断片であり得る。他の実施形態では、検出試薬は挿入染料を含み得る。更に他の実施形態では、検出試薬はFRET標識オリゴヌクレオチドを含み得、これは、限定ではなく、分子ビーコン、デュアルハイブリダイゼーションプローブ、Scorpion(登録商標)プローブ、又はEclipse(登録商標)プローブを含み得る。FRET標識オリゴヌクレオチドプローブ又はプローブ対は、ハイブリダイゼーションイベントが行われるまで蛍光しない蛍光標識を含み得る。検出試薬は、限定ではなくフェナントリジン又はアクリジン染料を含む挿入染料であり得る。
多重アッセイに向けて1つ又は複数のインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイス
任意選択的にマイクロ流体デバイス400、450の少なくとも1つの隔離ペン内に配置され得る、エンクロージャ内の少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造は、2つ以上の相互作用を検出するように構成し得(例えば、インサイチュー生成捕捉構造に結合した2つ、3つ、又はそれを超える異なるアッセイ試薬又は検体を有し得)、それにより、多重アッセイを行う1つのモードを提供する。幾つかの実施形態では、エンクロージャ又は少なくとも1つの隔離ペンの1つのインサイチュー生成捕捉構造は、2つの異なる検体(例えば、細胞の生物学的産物)を検出する2つのアッセイ試薬を含むように構成し得る。
他の実施形態では、マイクロ流体デバイス400、450のエンクロージャは、その中に配置された2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造を含み得る。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイス400、450の少なくとも1つの隔離ペンは、その中に配置された2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造を含み得る。2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペンの分離領域内に配置し得る。マイクロ流体デバイス450では、第1のインサイチュー生成捕捉構造の第1の固化ポリマー網目構造は、第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得、第2のインサイチュー生成捕捉構造の第2の固化ポリマー網目構造は、第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得、少なくとも1つの隔離ペン内の追加のインサイチュー生成捕捉構造ごとに以下同様である。マイクロ流体デバイス400では、第1のインサイチュー生成捕捉構造の第1の固化ポリマー網目構造は、第1のタイプの官能化部位を含み得、第2のインサイチュー生成捕捉構造の第2の固化ポリマー網目構造は、第2のタイプの官能化部位を含み得、官能化部位は、それぞれ異なる種類のアッセイ試薬又はアッセイ検体を受け入れることができる。エンクロージャ内又は少なくとも1つの隔離ペン内に複数のインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイス400、450の実施形態では、第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体は、第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得、追加のアッセイ試薬又はアッセイ検体ごとに以下同様である。第1のインサイチュー生成捕捉構造及び第2のインサイチュー生成捕捉構造は、マイクロ流体デバイスのエンクロージャ内又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内の異なる位置に配置し得る。第1のインサイチュー生成捕捉構造及びインサイチュー生成された第2の捕捉構造は、エンクロージャの第1の壁及び第2の壁にそれぞれ配置し得、又は同じ壁に互いに隣接して位置し得る。第1のインサイチュー生成捕捉構造及びインサイチュー生成された第2の捕捉構造は、隔離ペンの第1の壁及び第2の壁にそれぞれ配置し得、又は隔離ペンの第1の壁に互いに隣接して配置し得る。
隔離ペンが2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造を含む少なくとも1つの隔離ペンを含むマイクロ流体デバイスの例を図7に示す。マイクロ流体デバイス700の一部を示し、1つの隔離ペン730を示す。マイクロ流体デバイス700は、当業者により選択され得る、任意の適する組合せでのマイクロ流体デバイス100、200、230、250、280、290、400、450、500の任意のデバイスの構成要素及び特徴の任意の組合せを有し得る。隔離ペン730は、チャネル264も画定する同じマイクロ流体回路材料260で構築し得る。第1の流体媒体(図示せず)は、マイクロ流体チャネル264内でフロー278と共に流れ得る。隔離ペン730は、ペン730内の3つの物理的に区別可能な位置に配置された3つの捕捉構造702、704、708を有する。この実施形態では、生物学的産物716、718、及び720を生成している、ペン730に装填される2つの微小物体706がある。選択されたアッセイに適し得るように、わずか1つの微小物体706が存在してもよく、又は複数の微小物体706が存在してもよい。生物学的産物716、718、720は、全て異なる生物学的産物であってもよく、又は図4Bのインサイチュー生成捕捉構造406若しくは図4Cのインサイチュー生成捕捉構造406A及び/若しくは406Bと均等であるインサイチュー生成捕捉構造(702及び710)、(704及び712)、並びに(708及び714)を形成する捕捉構造702、704、708内及び/又はその上にそれぞれ含まれるアッセイ試薬710、712、714(代替的に、任意の選択されたアッセイ試薬及び/又はアッセイ検体であり得る)により、3つの異なる特性についてアッセイされる同じ生物学的産物であってもよい。アッセイ試薬710、712、714は、それぞれ互いに異なり、異なる生物学的産物又は生物学的産物の異なる特性のいずれかについてテストされる。図7に示されるように、アッセイ試薬710、712、714は、見やすくするために抗体として示されているが、インサイチュー生成捕捉構造における多重化は抗体アッセイ試薬のみの包含に限定されず、本明細書に記載されるようなアッセイ試薬(又はアッセイ検体)の任意の適する組合せであり得る。
少なくとも1つの捕捉構造の他の特性
インサイチュー生成捕捉構造がエンクロージャ内及び任意選択的にフロー領域内に位置する場合、インサイチュー生成捕捉構造のサイズは、フロー領域を流体媒体が流れ得る任意の適するサイズを有し得る。幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域の幅の80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、又はそれを下回る、フロー領域(マイクロ流体チャネルであり得る)にわたる寸法を有し得る。マイクロ流体デバイスの隔離ペンの分離領域は、約50μm~約250μmの幅を有し得、その中に生成されるインサイチュー生成捕捉構造の幅は、分離領域の幅の約1/8~約3/4の範囲又はそれらの間の任意の値であり得る。分離領域にわたるインサイチュー生成捕捉構造の幅は、約50μmの幅を有する分離領域では約5μm~約35μmの範囲(又はそれらの間の任意の値)又は約250μmの幅を有する分離領域では約60μm~約190μmの範囲(又はそれらの間の任意の値)であり得る。様々な実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造は、生物学的微小物体(例えば、生体細胞又は胚)又は微小ビーズを含むがこれに限定されない微小物体が隔離ペンから出られるようにするように構成され得る。
幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造は、流体媒体の流れに対して浸透性を有し得る。固化ポリマー網目構造は、複数の微小物体の少なくともサブセットに対して浸透性を有さない。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、約1nm以上、約2nm以上、約10nm以上、約100nm以上、約250nm以上、約500nm以上、約600nm以上、約700nm以上、約800nm以上、約900nm以上、約1μm以上、約2μm以上、約3μm以上、約4μm以上、約5μm以上、約6μm以上、約7μm以上、約8μm以上、約9μm以上、約10μm以上、約11μm以上、約12μm以上、約13μm以上、約14μm以上、約15μm以上、又はそれを超える直径を有する微小物体に対して実質的に浸透性を有さない。
幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造の少なくとも一部は除去可能であり得る。インサイチュー生成捕捉構造は、後述するように、加水分解、タンパク質分解、浸透圧変更、温度変更、又は光学照明により少なくとも部分的に除去可能であり得る。
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイスの他の特徴
マイクロ流体デバイスは、本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイスであり得、以下に説明する任意の構成要素、特徴、又は寸法を任意の組合せで含み得る。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、選択セクタを更に含み得る。選択領域は、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造及びフロー領域の少なくとも一部を含み得る。選択セクタは、アッセイが本明細書に記載されるように実行されるマイクロ流体デバイスのエンクロージャの別個の領域であり得る。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、分離セクタを更に含み得る。分離セクタは、アッセイセクタで得られるアッセイ結果に基づいて、選択された微小物体を維持し、成長させ、及び/又は増殖させるのに使用し得る。分離セクタは、上述したような選択セクタの隔離ペンのように構成し得るが、隔離ペン内に位置するいかなる捕捉構造も有さない少なくとも1つの隔離ペンを含み得る。分離セクタは複数の隔離ペンを含み得る。分離セクタは、選択セクタに流体的に接続されたマイクロ流体デバイスのエンクロージャ内の別個の領域であり得る。分離セクタは、フロー領域の一部であるマイクロ流体チャネルを更に含み得、少なくとも1つの隔離ペンのそれぞれはマイクロ流体チャネルに向かって開く。分離セクタの少なくとも1つの隔離ペンの開口部は、マイクロ流体チャネルから側方に開き得る。
インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造で使用されるポリマー
インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の様々な実施形態では、固化ポリマー網目構造は、合成ポリマー、修飾合成ポリマー、又は光若しくは温度活性化可能な生体ポリマーであり得る。固化ポリマー網目構造の形成に使用される官能化プレポリマーは、固化ポリマー網目構造内での使用について本明細書に記載される任意のポリマーであり得る。生体ポリマーは、温度又は光により活性化可能であり、それにより固化ポリマー網目構造を形成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、生体ポリマーは、温度又は光活性化可能である能力を提供する部分を組み込むように修飾し得る。合成ポリマー修飾は、サイズ変更モチーフ、切断モチーフ、反応末端モチーフ、及び/又は細胞認識モチーフを含み得る。
インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド(PAM)、修飾ポリアクリルアミド、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)、修飾ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、ポリカプロラクトン(PCL)、修飾ポリカプロラクトン、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ゼラチン、修飾ゼラチン、ラミニン、修飾ラミニン、ポリサッカリド、修飾ポリサッカリド、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。他の実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、ポリカプロラクトン(PCL)、修飾ポリカプロラクトン、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、ポリサッカリド、修飾ポリサッカリド、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。更に他の実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、シリコーンポリマーを含まない。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリ乳酸(PLA)又は修飾ポリ乳酸ポリマーを含まない。他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリグリコール酸(PGA)又は修飾ポリグリコール酸ポリマーを含まない。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリアクリルアミド又は修飾ポリアクリルアミドポリマーを含まない。更に他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリビニルアルコール(PVA)又は修飾ポリビニルアルコールポリマーを含まない。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリアクリル酸(PAA)又は修飾ポリアクリル酸ポリマーを含まない。幾つかの他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリカプロラクトン(PCL)又は修飾ポリカプロラクトンポリマーを含まない。他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、フィブロネクチン又は修飾フィブロネクチンポリマーから形成されない。幾つかの他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、コラーゲン又は修飾コラーゲンポリマーから形成されない。幾つかの他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ラミニン又は修飾ラミニンポリマーから形成されない。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は、1種類のみのポリマーを含み得る。様々な実施形態では、1種類のみのポリマーを含む固化ポリマー網目構造は、修飾ポリエチレングリコールポリマーを含む。
固化ポリマー網目構造に使用されるポリマーの適性を決める物理的特性及び化学的特性は、分子量、疎水性、溶解性、拡散速度、粘度(例えば、媒体の)、励起及び/又は放射範囲(例えば、その中で不動化される蛍光試薬の)、既知の背景蛍光、重合化に影響する特性、及び固化ポリマー網目構造の孔サイズを含み得る。固化ポリマー網目構造は、流動性ポリマー(例えば、プレポリマー溶液)の重合化又は熱ゲル化により形成される。
使用し得る多くのポリマーの中でも特に、1つのタイプのポリマーは、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)であり、これは、修飾ポリエチレングリコールポリマーのグループのメンバである。光開始重合化のメカニズムを式1に示す。非常に効率的であり、無黄変ラジカルであり、αヒドロキシケトン光開始剤である遊離基開始剤Igracure(登録商標)2959(BASF)は、通常、UV領域(例えば、365nm)の波長での開始に使用されるが、他の開始剤を使用することも可能である。重合化反応に有用な別の光開始剤クラスの例は、リチウムアシルホスフィン酸塩(lithium acyl phosphinate salt)のグループであり、そのリチウムフェニル2,4,6,-トリメチルベンゾイルホスフィン酸塩は、αヒドロキシケトンクラスよりも長い波長(例えば、405nm)でのより効率的な吸収に起因して、特定の有用性を有する。
光重合化し得る他のタイプのPEGとしては、PEGジメチルアクリラート及び/又はマルチアームPEG(n-PEG)アクリラート(n-PEG-Acr)が挙げられる。使用し得る他のポリマークラスとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリグリコール酸(PGA)、又はポリカプロラクトン(PCL)が挙げられる。
ポリマーの分子量範囲は、開示されるインサイチュー捕捉構造の性能の必要性に応じて様々であり得る。ポリマーの構造に応じて広範囲の分子量の流動性ポリマーが適し得る。有用な星型ポリマーは、約500Da~約20kDa(例えば、4アームポリマー)の範囲のMw(重量平均分子量)、又は各アーム若しくは線状ポリマーに最高で約5kDa、又はそれらの間の任意の値を有し得る。
限定ではなく、上記列挙したポリマー又はフィブロネクチン、コラーゲン、若しくはラミニン等の生体ポリマーを含め、様々なコポリマークラスが使用可能である。デキストラン又は修飾コラーゲン等のポリサッカリドが使用可能である。重合化に光活性化可能な官能基を有する生体ポリマーを使用することも可能である。
架橋は、線状又は分岐PEGポリマーの放射、PRGアクリラートの遊離基重合化、及びマイケル付加、凝縮、クリック化学、ネイティブケミカルライゲーション、及び/又は酵素反応等の特に適合された化学反応により実行し得る。
ポリマーは、ポリマーの性質(星型、マルチアーム、又は櫛形ポリマー等の流動性ポリマーの構成、架橋可能な官能基間のポリマーセグメント長)及び重合化条件(温度又は光開始の程度、存在する光活性化開始剤の量、存在するラジカル停止種の量等)に基づいて、所望の範囲の架橋を有するように選択し得る。
幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造のポリマーは修飾PEGポリマーであり得る。このポリマーは、星型、4アーム、又は2アームPEGジアクリレートポリマーであり得る。
膨張可能ポリマー
PEGポリマーは、様々な条件下で膨張可能であり得、元の媒体/温度に戻すことにより元に戻し得る。ポリN-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)は、温度を上げることにより膨張し、冷却により収縮し得る。
サイズ変更モチーフ
ポリN-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)又はポリアクリルアミド(PAM)を含む幾つかのヒドロゲルは、官能化ポリマーの表面が光に露出されると、シス/トランス配向を変化させるアゾベンゼン等の特定の部分を組み込むこともできる。このシフトは、ペン内のインサイチュー生成捕捉構造等のポリマーの部分のサイズの大幅な変更を提供することができる。これらのポリマーは、代替的に、UV光に露出されると架橋する桂皮酸官能基を含み得、これは光をなくすと元に戻すことができる。架橋ポリマーは、非架橋状態と比較して細長い。これらのポリマーに導入し得る別の部分は、トリフェニルロイコメタン(triphenyl leucomethane)を含み、これは、光の適用時、光に露出されると可逆的にイオン対を形成する。活性化光の波長は、三ナトリウム銅クロロフィリンがポリマーに組み込まれる場合、可視範囲にすることができる。
官能化のための他の修飾
ポリマー(例えば、PEG)は、(PEG)ポリマーの末端の一方又は両方に官能基を組み込むことにより修飾し得、これは、チオール、マレイミド、カルボキシル、アミン、メトキシ、アジド、ビニルスルホン、アセチレン、又はアクリレート官能基を含み得る。導入される官能基は同じであっても又は異なってもよい。部分がポリマー上の対応する官能基と特定的に反応可能なように、所望のペプチドモチーフ、抗体、又は適切な化学的技巧による他の定義された分子官能化を導入し得る。ビオチン化を導入して、ストレプトアビジンにリンクされた別の種と後に反応し得、又はこの逆を行い得る。
ポリマーは、切断モチーフ、反応末端モチーフ、又は細胞認識モチーフを含め、様々なモチーフを含み得る。切断モチーフは、限定ではなく、マトリクスメタロプロテアーゼ、コラーゲン分解酵素、又はカスパーゼ若しくはカテプシン等のシステインプロテアーゼを含む1つ又は複数のプロテアーゼの基質であるポリマーに挿入されるペプチド配列を含み得る。別のカテゴリの切断モチーフは、プレポリマーの選択された位置に挿入し得るニトロベンジル光切断可能リンカー等の光切断可能モチーフを含み得る。切断モチーフは、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の除去に使用し得るか、又は記載されるように、インサイチュー生成捕捉構造内に組み込まれた場合、アッセイ検体自体として使用し得る。ポリマーは、上述したように、アッセイ試薬又はアッセイ検体をインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造に導入するのに使用し得る、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)、ビオチン、アルキニル、又はアジド部分等であるがこれに限定されない化学反応モチーフを組み込むように修飾し得る。他の実施形態では、ポリマーは、限定ではなく、インテグリンにより認識されるRGDペプチドモチーフ又はアッセイ検体若しくはアッセイ試薬として使用し得る上述したフューリン基質を含む細胞認識モチーフを含み得る。
インサイチュー生成捕捉構造の逆化/除去/最小化
インサイチュー生成捕捉構造に関する更なる目的がない場合、インサイチュー生成捕捉構造を除去又は縮小する幾つかのメカニズムを使用し得る。例えば、アッセイが完了し、望ましい生体細胞が識別されると、望ましい活動又は特性を示している生体細胞を引き続き培養し増殖させるために、インサイチュー生成捕捉構造を除去することが有用であり得る。
機械力。インサイチュー生成捕捉構造の少なくとも一部が、ペンの分離領域とは対照的にフロー領域内に配置される場合、フローの増大を使用することができる。例えば、インサイチュー生成捕捉構造がエンクロージャのフロー領域内に配置される場合、フロー領域を通る流体フローの流量を増大させ得、これは、少なくとも1つの捕捉構造を、限定されないが、基板、フロー領域の壁(マイクロ流体回路材料から形成し得る)、又はカバーを含め、その構造が取り付けられた表面から切り離し得る。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペンの分離領域内に位置し得、アッセイが完了した後、隔離ペン又はその内部の分離領域は、分離領域を通る流れを生じさせるように変更し得、同様に、インサイチュー生成捕捉構造が取り付けられた表面からインサイチュー生成捕捉構造を切り離す。
加水分解への感受性:インサイチュー生成捕捉構造形成時、光開始ポリマーに化学的に結合することができないポリマーを含み得る粒子集合体が含まれ得る。形成されたヒドロゲル内の開口部の程度/サイズは、インサイチュー生成捕捉構造内のアクセス可能性を介して加水分解速度をカスタマイズすることができる)。他の実施形態では、形成された孔を利用して、インサイチュー生成捕捉構造に分泌材料又は化学試薬を透過させるが、インサイチュー生成捕捉構造を透過する細胞の移動を阻止し得る。他の実施形態では、ポリエステル、アセタール、フマル酸塩、ポリ(フマル酸プロピレン)、又はポリヒドロキシ酸等の分解可能なセグメントをポリマー(例えば、PEGポリマー)に導入することにより、これらのポリマーの分解性を上げることができる。
還元剤:PEGは、ランダム又は所定であり得る、マクロマーに沿った間隔でジスルフィド結合を用いて形成し得る。ジスルフィド結合は、ジチオトレイトール(DTT)、メルカプトエタノール、又はTCEPにより破り得る。
熱:ポリN-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)又は他の適するLCSTポリマーを使用して、加熱して捕捉構造を導入し得る。これらは、形成されたポリマー捕捉構造の温度を下げることにより除去し得る。ポリマーは、加水分解又はタンパク質分解等の他のメカニズムによる除去も可能にするELP又は他のモチーフを含み得る。特に、PNIPAmを使用して付着細胞への表面を作製し得るが、次に搬出を可能にするように切り替え得る。他のポリマーは、温度に応じてサイズ変更を示すこともできる。例えば、インサイチュー生成捕捉構造内に組み込まれるPEGDAヒドロゲルは、約40℃から約20℃に温度が下がると、約20%だけ膨張し得る。PEGDAヒドロゲルインサイチュー生成捕捉構造のサイズは、インサイチュー生成捕捉構造の下にある基板、又は例えばITOであり得るインサイチュー生成捕捉構造にわたる透明カバーに向けられたレーザ照明を使用することにより、局所的に上げ得る。
タンパク質分解への感受性:ヒドロゲルは、選択されたプロテアーゼによる選択されたモチーフへの選択的タンパク質分解が、ヒドロゲル捕捉構造を除去/逆化/又は最小化することができるように改変された任意の種類のペプチド配列を有し得る。幾つかのクラスの修飾PEGは、エラスチン様ペプチド(ELP)モチーフを有し、及び/又は様々なプロテアーゼに対する感受性のペプチドモチーフ(酵素感受性ペプチドESP)を有するPEGを含む。多数のこれらのモチーフが既知である。1つの有用なモチーフは、環式であるように制約し得るRGDである。
浸透圧変化感受性:カルシウム濃度/他の浸透圧方策を利用してインサイチュー生成捕捉構造を分解及び除去することができる。上記のように、媒体変更を使用して捕捉構造を寸法的に膨張又は縮小させる。
光開始の光切断:上述したように、ニトロベンジル光切断可能なリンカー等の光切断可能モチーフをインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造内に組み込み得る。光切断可能モチーフを含むインサイチュー生成捕捉構造は、光切断可能モチーフの切断を開始するのに適する波長を有する少なくとも幾つかの光を含む光への露出により、除去又はサイズ縮小を受けやすいことができる。
幾つかの用途では、インサイチュー生成捕捉構造は除去されず、光又は媒体/溶媒の変更を使用して単に膨張又は縮小し得る。幾つかのタイプのヒドロゲルは、光に対して可逆的に応答する(例えば、剛性結合周囲の位置化学の変更、ポリマー内での可逆的架橋の形成、又はイオン対の形成/破断)部分を組み込み得る。
マイクロ流体デバイス支援の加熱
マイクロ流体デバイスは、基板のインサイチュー生成捕捉構造の位置に配置された金属パッドを更に含み得る。金属パッドは、連続金属形状又は金属形状のパターンを基板上に堆積させることにより作製し得る。熱パッドは、光源により励起して、発熱することができる任意のタイプの金属を含むことができる。適する金属としては、クロム、金、銀、アルミニウム、インジウムスズ酸化物、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。複数の金属、例えば、クロムの層、チタンの層、金の層は、多層熱パッドにおいて組み合せ得る。他の金属(及び合金)も当技術分野で既知である。熱パッドは、連続金属表面を含むこともでき、又は金属のパターン(例えば、ドット、正方形、線、円錐、不規則形等の金属形状)を含むこともできる。幾つかの実施形態では、金パッドを基板のインサイチュー生成捕捉構造が生成されることになる/生成された位置に配置し得る。熱パッドを使用して、インサイチュー生成捕捉構造をゲル化、膨張、縮小、又は除去するための熱を生成し得る。熱は、そのようなゲル化、膨張、縮小、又は除去が望まれるマイクロ流体デバイスの位置に光を向けることにより生成し得る。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造は感熱性ポリマーを含み得る。インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造が感熱性ポリマーを含む場合、デバイスは、基板の、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造が導入されることになる位置の下に配置された熱パッドを更に含み得る。
官能化捕捉構造を使用して微小物体をアッセイする方法
少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイスにおいて、微小物体(例えば、生体細胞若しくは胚)又は微小物体によって生成される生物学的産物をアッセイする方法が提供され、この方法は、マイクロ流体デバイス内において、第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置するステップであって、インサイチュー生成捕捉構造は、固化ポリマー網目構造を含み、更に、固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を含む、ステップと、アッセイ試薬又はアッセイ検体を微小物体又は微小物体の生物学的産物に接触させるステップと、アッセイ試薬又はアッセイ検体と微小物体又は生物学的産物との相互作用を検出するステップとを含む。様々な実施形態では、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイスにおいて、微小物体(例えば、生体細胞)をアッセイする方法が提供され、この方法は、マイクロ流体デバイス内において、インサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置するステップであって、インサイチュー生成捕捉構造は、固化ポリマー網目構造を含み、更に、固化ポリマー網目構造は、アッセイ検体を含む、ステップと、アッセイ検体を微小物体の生物学的産物に接触させるステップと、アッセイ検体と生物学的産物との相互作用を検出するステップとを含む。
更に他の実施形態では、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイスにおいて、微小物体(例えば、生体細胞)をアッセイする別の方法が提供され、この方法は、マイクロ流体デバイス内において、第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置するステップであって、インサイチュー生成捕捉構造は、固化ポリマー網目構造を含み、更に、固化ポリマー網目構造は、アッセイ検体を含む、ステップと、アッセイ検体を微小物体に接触させるステップと、アッセイ検体と微小物体との相互作用を検出するステップとを含む。更に他の実施形態では、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を有するマイクロ流体デバイスにおいて、微小物体(例えば、生体細胞)をアッセイする方法が提供され、この方法は、マイクロ流体デバイス内において、第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置するステップであって、インサイチュー生成捕捉構造は、固化ポリマー網目構造を含み、更に、固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬を含む、ステップと、アッセイ試薬を微小物体又は微小物体の生物学的産物に接触させるステップと、アッセイ試薬と微小物体又は生物学的産物との相互作用を検出するステップとを含む。
任意の上記方法のアッセイ試薬又はアッセイ検体は、本明細書に記載される任意のアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体は、上述した任意の方法でインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造に共有結合的又は非共有結合的に付着され得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、有機分子、又はサッカリドを含み得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、それぞれ上述した任意のアッセイ試薬又はアッセイ検体であり得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、微小物体の生物学的産物は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、有機分子、又はサッカリドを含み得る。微小物体の生物学的産物は、本明細書に記載される任意の生物学的産物であり得、方法において、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬により測定される検体として機能し得る。代替的に、微小物体の生物学的産物は、インサイチュー生成捕捉物体内及び/又はその上に含まれるアッセイ検体に結合し、アッセイ検体と反応し、及び/又はアッセイ検体を切断し得、それにより、生物学的産物は、アッセイ方法において試薬として機能する。
微小物体(例えば、生体細胞又は胚)をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスは、基板、マイクロ流体回路材料、及びエンクロージャ内に配置されるフロー領域を含むエンクロージャを含み、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造がエンクロージャ内に配置される。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、少なくとも1つの隔離ペンを更に含み、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造は、少なくとも1つの隔離ペン内に配置し得る。隔離ペンは、分離領域及び接続領域を含み得、接続領域は、フロー領域への基端開口部及び分離領域への先端開口部を有し得る。幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペンの分離領域内に配置し得る。フロー領域はチャネルを含み得る。少なくとも1つの捕捉構造は、隔離ペンの第1の壁に隣接する第1の位置に配置し得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、エンクロージャは複数の隔離ペンを含み得る。複数の隔離ペンは行に位置合わせし得、複数の各隔離ペンの基端開口部は、フロー領域内で共通する方向に開き得る。幾つかの実施形態では、フロー領域はチャネルを含み得、複数の各隔離ペンの基端開口部は、マイクロ流体チャネルの片側に開き得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスの基板は、エンクロージャ内の流体媒体中の微小物体に対して誘電泳動(DEP)力を生成するように構成し得る。マイクロ流体デバイス内において、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体(例えば、生体細胞)を配置するステップは、誘電泳動力を使用して微小物体を移動させることを含み得る。誘電泳動力は光学的に作動され得る。代替的に、マイクロ流体デバイスの基板は、エンクロージャ内の液滴に対してエレクトロウェッティング力を生成するように構成し得る。マイクロ流体デバイス内において、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置するステップは、エレクトロウェッティング力を使用して微小物体を移動させることを含み得る。エレクトロウェッティング力は光学的に作動され得る。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスは、マイクロ流体デバイスのエンクロージャ内で誘電泳動力及びエレクトロウェッティング力の両方を生成するように構成され得る1つ又は複数の基板を含み得、これらの力は、それぞれ光作動され得る。代替的に、フロー領域(例えば、マイクロ流体チャネル)内の流体及び/又は重力を使用して、微小物体をマイクロ流体デバイス内に配置し得る。幾つかの実施形態では、誘電泳動力、エレクトロウェッティング力、重力、及び/又は流体フローの組合せを使用して微小物体を配置し得る。様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスは、被覆材料を含む少なくとも1つの表面を有し得る。幾つかの実施形態では、被覆材料は、少なくとも1つの表面を共有結合的に修飾して、細胞の成長、生存性、可搬性、及びそれらの任意の組合せを強化する調整表面を提供し得る。調整表面は、本明細書に記載される任意の適する調整表面であるように選択し得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体は、微小物体(例えば、生体細胞若しくは胚)又は微小物体の生物学的産物と相互作用することが許容される。幾つかの実施形態では、相互作用は、非共有結合、例えば、微小物体の生物学的産物である抗原又はサイトカイン(例えば、検体)等のタンパク質と、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれる抗体(例えば、アッセイ試薬)との結合であり得る。非共有結合的な相互作用の別の例では、インサイチュー生成捕捉構造は、微小物体の表面に発現するタンパク質の結合認識モチーフを含み得、ここで、微小物体が対象となるタンパク質を発現する場合、微小物体はインサイチュー生成捕捉構造に結合し得る。他の実施形態では、例えば、インサイチュー生成捕捉構造がプロテアーゼ認識モチーフを含み、それにより、インサイチュー生成捕捉構造に結合されたアッセイ検体を提供する場合、相互作用により化学結合を切断し得る。この実施形態では、相互作用は、認識モチーフと相互作用して、インサイチュー生成捕捉構造内に組み込まれた基質を切断する、微小物体により分泌されるか、又は微小物体の表面上に発現するプロテアーゼの相互作用であり得る。更に他の実施形態では、相互作用は共有結合的な相互作用を含み得る。例えば、インサイチュー生成捕捉構造は、生物学的産物(例えば、抗原、サイトカイン、又は任意の分泌された生物学的産物)に特異的に結合するように構成される抗体等のアッセイ試薬を含み得、インサイチュー生成捕捉構造又は抗体は、抗体アッセイ試薬に非共有結合的に結合する生物学的産物に共有結合的に結合する、架橋部分(例えば、カルボン酸、アミノ部分、チオール部分、又はその活性種)等の反応部分も含む。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、検出するステップは、少なくとも1つの捕捉構造から信号を検出することを含む。方法の様々な実施形態では、検出可能な信号は、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体内に組み込まれ得る。検出可能な信号は、少なくとも1つの捕捉構造の表面に集中され得、又はエンクロージャ内又は代替的に隔離ペン内でインサイチュー生成捕捉構造に直接隣接する領域において検出してもよい。更に他の実施形態では、検出可能な信号は、インサイチュー生成捕捉構造の内部に集中され得、これは、固化ポリマー網目構造全体を通した拡散を介して生じ得る。検出可能な信号は、蛍光性、発光性、又は比色性であり得る。幾つかの実施形態では、信号は蛍光性であり得る。幾つかの実施形態では、蛍光信号を検出するステップは、蛍光信号を定量化することを更に含み得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの幾つかの実施形態では、少なくとも1つの捕捉構造から信号を検出するステップは、少なくとも1つの捕捉構造の初期蛍光信号の損失を検出することを含み得る。例えば、インサイチュー生成捕捉構造は、アッセイ検体等のプロテアーゼ基質モチーフを含む固化ポリマー網目構造を含み得、基質モチーフは蛍光標識等の検出可能な信号を含む。アッセイ検体と、アッセイ検体を切断可能なプロテアーゼとの相互作用を検出することは、蛍光プロテアーゼ基質モチーフを組み込んだインサイチュー生成捕捉構造からの蛍光信号の損失の程度を検出することを含み得る。別の実施形態では、方法は、アッセイ検体としてプロテアーゼ基質モチーフを組み込んだインサイチュー生成捕捉構造が、消光蛍光対(例えば、挿入された基質モチーフにおいて適宜離間された異なるアミノ酸上に二重標識を有し得るか、又は分子ビーコン若しくは他のFRETプローブ構造を含み得るFRET対)を含む場合、蛍光信号の取得を検出することを含み得る。この実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造のプロテアーゼ基質モチーフと、微小物体によって生成されるプロテアーゼ(例えば、生物学的産物)との相互作用により、プロテアーゼによる基質の切断が消光蛍光対の空間間隔を増大させる場合、信号の増大を検出し得る。1つ又は複数の蛍光信号が検出可能である。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの他の実施形態では、蛍光信号は、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体と相互作用する生物学的産物又は微小物体内に組み込まれ得る。例えば、微小物体により分泌される、対象となるタンパク質(例えば、生物学的産物)も緑色蛍光タンパク質(GFP)等の信号を含むことができ、したがって、対象となるタンパク質に特異的に結合するインサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれる抗体と相互作用するとき、直接検出可能であり得る。他の実施形態では、表面に対象となるタンパク質を発現している微小物体も、微小物体内に含まれる検出可能な信号を有し得(イソギンチャク(Discoma sp.)に関連する配列を有する挿入タンパク質であるmCherry等)、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれる抗体(例えば、アッセイ試薬)と結合すると、細胞内タンパク質の蛍光を直接検出し得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの更に他の実施形態では、検出するステップは、検出可能な標識を有する検出試薬を、インサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に導入することを更に含む。本明細書に記載される任意の適する検出試薬が使用可能である。検出試薬の導入は、マイクロ流体デバイスのフロー領域を通して、検出試薬を含む溶液を流入させることを含み得る。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造が隔離ペン内に位置する場合、検出試薬は、マイクロ流体デバイスのエンクロージャに流入した後、実質的に拡散により又は拡散のみにより、インサイチュー生成捕捉構造を含む隔離ペンに入り得る。検出試薬の導入は、微小物体をエンクロージャ又は代替的に隔離ペンに配置するステップが実行された後に実行し得る。幾つかの実施形態では、検出試薬は、微小物体がエンクロージャ又は隔離ペンに導入される前に導入し得る。幾つかの実施形態では、検出試薬を導入するステップは、検出するステップを実行する直前に実行し得る。様々な実施形態では、検出試薬は、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬が生物学的産物又は微小物体自体(例えば、アッセイの検体)と相互作用するとき、インサイチュー生成捕捉構造に集中するように構成される。検出試薬は、結合対の形成、標的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション、それ自体がアッセイ試薬若しくはアッセイ検体/微小物体又はその生物学的産物の相互作用によりインサイチュー生成捕捉構造の直近領域に拘束される、生物学的産物又は微小物体の挿入又は共有結合的反応等の任意の適するメカニズムにより、インサイチュー生成捕捉構造に集中され得る(例えば、インサイチュー生成捕捉構造の直近領域に拘束される)。幾つかの実施形態では、検出試薬/微小物体又はその生物学的産物/アッセイ試薬又はアッセイ検体/インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造間の相互作用は、検出試薬の検出可能な信号を集中させるように機能し得る複合体を形成し得る。幾つかの実施形態では、検出試薬の検出可能な標識は、インサイチュー生成捕捉構造に集中されるまで検出されない。例えば、検出試薬がインターカレーター染料又は分子ビーコン(FRET消光ヘアピンプローブ)、Scorpion(FRET消光プローブ/プライマー組合せ)、又はオリゴヌクレオチドの任意の他のFRET標識である場合、信号の検出は、検出試薬が微小物体の生物学的産物又は微小物体自体に結合するまで実行されず、幾つかの実施形態では、生物学的産物又は微小物体は、インサイチュー生成捕捉構造に固定し得る。様々な実施形態では、検出試薬の検出可能な標識は、アッセイ試薬又はアッセイ検体に非共有結合的に付着される。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの幾つかの実施形態では、検出試薬は少なくとも第1の抗体を含む。1つ又は複数の抗体を使用して、インサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体と、微小物体の生物学的産物又は微小物体自体との相互作用を検出し得る。幾つかの実施形態では、方法は、アッセイ検体/(生物学的産物又は微小物体)対又はアッセイ試薬/(生物学的産物又は微小物体)対への特異性を有する第1の検出抗体を導入し、その後、標識され、アッセイ検体/(生物学的産物又は微小物体)対又はアッセイ試薬/(生物学的産物又は微小物体)対の少なくとも一部に結合することができる第2の抗体を導入することを含み得る。幾つかの実施形態では、方法は、第1の検出抗体への特異性を有する第2の抗体を導入することを含み得る。他の実施形態では、標識された第2の抗体は、アッセイ検体/(生物学的産物又は微小物体)対の複合体又はアッセイ試薬/(生物学的産物又は微小物体)対の複合体への特異性を有し得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、方法は、マイクロ流体デバイスから微小物体を搬出するステップを更に含み得る。微小物体は、アッセイの結果(例えば、検出ステップにおいて所望レベルの信号を示す)に基づいて搬出し得る。方法の様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスから微小物体を搬出することは、マイクロ流体デバイスの基板の別の部分に微小物体を移動させることを更に含み得る。例えば、アッセイするステップは、本明細書に記載されるように選択セクタ内で実行し得、アッセイする方法により識別された、選択された特性を示す微小物体は、DEP力、エレクトロウェッティング力、重力、又は流体フローにより、更なる処理のためにマイクロ流体デバイスの分離セクタに移動させ得る。
微小物体をアッセイする方法のいずれかの様々な実施形態では、方法は、加水分解剤の導入、タンパク質分解剤の導入、フロー領域及び/又は隔離ペン内の流体媒体の浸透圧を増減する流体媒体の導入、インサイチュー生成捕捉構造の温度の変更、又はインサイチュー生成捕捉構造の光学的照明を行い、それによって少なくとも1つの捕捉構造を縮小又は除去することにより、インサイチュー生成捕捉構造を縮小又は除去するステップを更に含み得る。温度を変更するステップは、インサイチュー生成捕捉構造に隣接するか、又はインサイチュー生成捕捉構造の下の基板上において熱パッドを光学的に照明することを更に含み得る。幾つかの実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造を縮小(例えば、インサイチュー生成捕捉構造のサイズ又は官能化部位数を低減する)又は除去することは、微小物体をインサイチュー生成捕捉構造への集中/拘束から解放し得る。
他の実施形態では、微小物体を搬出するステップは、上述したように、微小物体が結合されたアッセイ試薬/アッセイ検体の競合結合パートナーを導入することを含み得る。アッセイ試薬/アッセイ検体の競合結合パートナーは、アレイ試薬/アッセイ検体との結合相互作用から微小物体を解放させ、微小物体の搬出を可能にし得る。
図5A~図5Eは、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造をエンクロージャ内に有するマイクロ流体デバイスにおいて微小物体(例えば、生体細胞又は胚)をアッセイする方法の一実施形態を示す。この実施形態では、エンクロージャは、その中に配置された少なくとも第1の捕捉構造を含む隔離ペンを含み、インサイチュー生成捕捉構造は、予め選択されたアッセイ領域として機能する。インサイチュー生成捕捉構造は、例えば、図5Aに示されるように、アッセイ試薬を用いて官能化し得る。方法はそのように限定されず、インサイチュー生成捕捉構造は、代わりにアッセイ検体を含むように官能化されてもよい。
図5Aでは、インサイチュー生成捕捉構造502が示され、この構造は、例えば、固化ポリマー網目構造に導入されたストレプトアビジンを有する。構造ポリマーのプレポリマー溶液(例えば、ストレプトアビジン修飾反応プレポリマー)及び可溶性開始剤は、マイクロ流体デバイスに流入し得る。インサイチュー生成捕捉構造の精密で選択的な固化は、インサイチュー生成捕捉構造404へのプレポリマー405の変換について図4Cに示された概略化プロセスと同様に、隔離ペン530の1つの角を照明することにより達成することができる。この実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造502は、流体媒体が流れる(278)マイクロ流体チャネル264への隔離ペン530の開口部への先端にある分離領域の角において、マイクロ流体回路材料260で形成される壁の近傍/壁に位置するように生成される。インサイチュー生成捕捉構造の形成後、マイクロ流体チャネル264を洗い流し、使用されなかった試薬を隔離ペン530から拡散により出すことにより、余分なポリマー溶液及び開始剤をシステムから除去し得る。インサイチュー生成捕捉構造502は、インサイチュー生成捕捉構造の表面上及び固化ポリマー網目構造全体の両方を通してストレプトアビジンを提示し得る。
官能化抗体は、隔離ペン530の分離領域に導入し得る。官能化抗体はビオチン官能基を有し得、ビオチン官能基は、インサイチュー生成捕捉構造502の表面上又はインサイチュー生成捕捉構造502内のストレプトアビジン部位に結合し、それにより、インサイチュー生成捕捉構造502の表面又は内部に含まれる抗体504を提供し、図4Bの捕捉構造406(これはまた、図4Cの概略的なインサイチュー生成捕捉構造406Bと均等である)と均等なインサイチュー生成捕捉構造(502+504)を提供し得る。抗体504は、分泌された生物学的産物に特異的な任意の抗体であり得る。幾つかの実施形態では、抗体504は、IL-2、IFNα/β、TNFα等のサイトカインであり得る。抗体504を使用して、対象となるサイトカインを分泌する細胞を検出し得る。ビオチン化抗体504の全てが少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造内及び/又はその上に含まれる必要があるわけではない。ビオチン化抗体504の幾つかの部分は、溶液中を自由に浮遊することもできる。逆の対を使用することもでき、例えば、インサイチュー生成捕捉構造502は、ポリマー網目構造の光開始固化により組み込まれたビオチン化部位を有し得、抗体504は、ストレプトアビジンを含むように修飾し得る。ストレプトアビジン官能基は、インサイチュー生成捕捉構造502上のビオチン部位に結合することができ、それによりまた、インサイチュー生成捕捉構造502の表面又は内部に含まれる抗体504を提供する。
図5A~図5Eでは、アッセイ試薬は、便宜上及び簡明にするために抗体として示されているが、方法はそのように限定されない。アッセイ試薬は、本明細書に記載される任意の適するアッセイ試薬であり得る。
生体細胞506は、マイクロ流体チャネル264に流入し、本明細書に記載される任意の適する方法により隔離ペン530の分離領域に配置することができる。対象となる細胞506は、ストレプトアビジン官能化抗体が導入される前又は後に、ストレプトアビジン官能化捕捉構造を有するペンに導入し得る。対象となる1つ又は複数の細胞506が存在し得る。幾つかの実施形態では、1つの細胞506があり得る。
細胞は、培養することができ、生物学的産物を分泌し得る。生物学的産物はタンパク質であり得る。細胞のタンパク性生物学的産物の非限定的な一例は、サイトカインであり得る。サイトカインを生成し得る細胞の非限定的な一例はT細胞であり得る。
図5Bに示されるように、細胞の培養が続くにつれて、細胞506は、抗体アッセイ試薬504に結合することができる生物学的産物508を生成し得る。生物学的産物508は、インサイチュー生成捕捉構造502上のアッセイ試薬504との相互作用により捕捉され、例えば、インサイチュー生成捕捉構造内又はその上に組み込まれた抗体により捕捉される。図5Cは、図5Bのインサイチュー生成捕捉構造502の拡大図を示し、生物学的産物508とインサイチュー生成捕捉構造502のアッセイ試薬504(例えば、抗体)との相互作用(例えば、結合)により形成された複合体510を示す。インサイチュー生成捕捉構造502は、ペン内のマイクロ流体チャネルへの基端開口部の近傍に位置することもでき、又はペンの接続領域のより先端のセクション内若しくは分離領域内に位置することもできる。
インサイチュー生成捕捉構造502の表面又は内部に含まれるアッセイ試薬504である抗体は、対象となる生物学的産物508(例えば、検体)を捕捉し集中させる。複合体510の集中された捕捉された生物学的産物508/抗体504は、図5Dに示されるように、蛍光標識し得る標識抗体512の導入により検出可能になり得る。インサイチュー生成捕捉構造502/504の固化ポリマー網目構造に集中された不動化された抗体/サイトカイン/抗体複合体514の蛍光信号の検出により、分泌している生体細胞を検出し、分泌の積極性の高/低をランク付けすることができる。図5Eは、インサイチュー生成捕捉構造502が位置する隔離ペンの領域の拡大図を示す。不動化された抗体504/サイトカイン(例えば、生物学的産物508)/標識抗体512の複合体514を示す。ここでは、簡明にするために、検出試薬は抗体として示されているが、検出試薬はそのように限定されず、本明細書に記載される任意の適する検出試薬であり得る。
幾つかの他の実施形態では、生物学的産物508は、それ自体、限定ではなく、緑色蛍光タンパク質等である検出可能な標識を含み得る。生物学的産物508が検出可能な標識を含む場合、検出試薬による追加の標識は実行されなくてもよく、生物学的産物508の検出可能な標識の量を直接検出し得る。したがって、方法の幾つかの実施形態では、検体(例えば、生物学的産物508)は、検出可能な検体であり得、アッセイ試薬504と相互作用し、アッセイ試薬504により捕捉されて、検出可能な複合体510’(図示せず)を形成し得、この複合体が検出され得る。
多重アッセイ方法
1つ又は複数の微小物体(例えば、生体細胞又は胚)をアッセイする方法の様々な実施形態では、多重アッセイを実行し得る。一実施形態では、エンクロージャ内又は任意選択的に隔離ペン内に位置する少なくとも1つの捕捉構造は、2つ以上のアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る。他の実施形態では、エンクロージャ又は任意選択的にその内部の隔離ペンは、第1の捕捉構造及び第2の捕捉構造を含み得る。第1の捕捉構造は、上述したようなものであり得、第1のアッセイ試薬又は第1のアッセイ検体を含み得る。第2の捕捉構造は、第2の固化ポリマー網目構造を含み得、第2の固化ポリマー網目構造は、第2のアッセイ試薬又は第2のアッセイ検体を含み得る。第2の固化ポリマー網目構造及び第2のアッセイ試薬又は第2のアッセイ検体は、上述した任意の特徴を任意の組合せで含み得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2の捕捉構造のそれぞれは、異なるアッセイ試薬又はアッセイ検体を含む。幾つかの実施形態では、第1及び第2の捕捉構造は、互いに異なる第1のアッセイ試薬及び第2のアッセイ試薬を含み得る。他の実施形態では、第1及び第2の捕捉構造は、互いに異なる第1のアッセイ検体及び第2のアッセイ検体を含み得る。更に他の実施形態では、第1の捕捉構造及び第2の捕捉構造は、一方の捕捉構造にアッセイ試薬を含み、第2の捕捉構造にアッセイ検体を含み得る。多重アッセイの幾つかの実施形態では、第1の捕捉構造及び第2の捕捉構造は、エンクロージャ又は代替的に隔離ペン内の区別可能な位置に配置し得る。第1及び第2の捕捉構造の区別可能な位置は、エンクロージャの同じ壁若しくはその内部の隔離ペンの同じ壁に隣接してもよく、又はエンクロージャの異なる壁若しくはその内部の隔離ペンの異なる壁に隣接してもよい。
多重アッセイの様々な実施形態では、検出するステップは、第1の検体及び第2の検体を検出することを含み、第1の検体は第2の検体と異なる。第1の検体及び第2の検体は、微小物体により分泌される第1の生物学的産物及び第2の生物学的産物であり得る。他の実施形態では、第1の検体及び第2の検体は、微小物体から分泌される生物学的産物であり得、及び第2の検体は、微小物体の表面に存在する生物学的産物であり得、互いに異なり得る。他の実施形態では、検出するステップは、第1の捕捉構造上の第1のアッセイ検体と相互作用する第1の生物学的産物を検出し、且つ第2の捕捉構造上の第2のアッセイ検体と相互作用する第2の生物学的検体を検出することを含み得る。更に他の実施形態では、検出するステップは、第1のアッセイ試薬と相互作用する第1の生物学的産物を検出し、且つ第2のアッセイ試薬と相互作用する第2の生物学的検体を検出することを含み得る。
相互作用を検出するステップは、第1及び第2の捕捉構造に近位する領域に第1の検出試薬及び第2の検出試薬を導入することを更に含み得、第1及び第2の検出試薬は、それぞれ検出可能な標識を含む。第1の検出試薬及び第2の検出試薬の検出可能な標識は、それぞれ独立して蛍光性、比色性、又は発光性であり得る。検出するステップは、第1の検出可能な標識の第1の蛍光信号及び第2の検出可能な標識の第2の蛍光信号を検出することを更に含み得る。幾つかの実施形態では、第1の蛍光信号及び第2の蛍光信号は、物理的に区別可能であり得、例えば、エンクロージャ内の異なる位置又は代替的にその内部の隔離ペン内の異なる位置に位置し得る。他の実施形態では、第1の蛍光信号及び第2の蛍光信号は、スペクトルで区別可能であり得る。他の実施形態では、第1又は第2の検出可能な信号の一方は、蛍光性であり得、第1又は第2の検出可能な信号の他方は、蛍光性ではない。
多重方法の様々な実施形態では、第1及び第2の検出可能な試薬のそれぞれは、第1又は第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体にそれぞれ非共有結合的に付着され得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2の検出試薬のそれぞれは抗体を含み得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2の検出試薬のそれぞれは、第3及び第4の抗体をそれぞれ含み、各抗体は検出可能な標識を有し得、第3の抗体は、第1のアッセイ試薬又は第1のアッセイ検体/(生物学的産物又は微小物体)対に特異的に結合し、第4の抗体は、第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体/(生物学的産物又は微小物体対に特異的に結合する。幾つかの実施形態では、第1のアッセイ試薬が抗体である場合、第3の抗体は、第1のアッセイ試薬への二次抗体であり得る。幾つかの実施形態では、第2のアッセイ試薬が抗体である場合、第4の抗体は第2のアッセイ試薬への二次抗体であり得る。
多重アッセイの様々な実施形態では、第1及び/又は第2の蛍光信号は定量化され得る。
方法の様々な実施形態では、多重アッセイは、生物学的産物の3つ以上の特性、3つ以上の異なる微小物体の生物学的産物若しくは微小物体自体、又はそれらの任意の組合せに対して実行し得る。エンクロージャ内又は代替的にその内部の少なくとも1つの隔離ペン内に第3以上の捕捉構造が存在し得る。第3以上の捕捉構造のそれぞれは、固化ポリマー網目構造を含み得、第3以上の固化ポリマー網目構造のそれぞれの固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る。第3以上の捕捉構造のそれぞれのアッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の捕捉構造の第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得、及び/又は第2の捕捉構造の第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得る。第3以上の捕捉構造のアッセイ試薬又はアッセイ検体のそれぞれは、互いと異なり得る。他の実施形態では、第1及び第2の捕捉構造の一方又は両方は、代替的に、第1の捕捉構造の第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体から区別可能であり、且つ第2の捕捉構造の第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体から区別可能な2つ以上のアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る。
1つ又は複数の微小物体をアッセイする多重方法の様々な実施形態では、検出するステップは、少なくとも隔離ペン内で位置が別個であるか、検出可能にスペクトルが別個であるか、又はそれらの組合せである第1、第2、又は第3以上の検出可能な信号を検出することを更に含む。
多重方法は、エンクロージャ内若しくはその内部の隔離ペン内の2つ以上の特性をアッセイするように構成される少なくとも1つの捕捉構造を含むか、又は代替的にエンクロージャ内に2つ以上の捕捉構造若しくは少なくとも1つの隔離ペン内に2つ以上の捕捉構造を含み、2つ以上の捕捉構造のそれぞれが1つの特性をアッセイするように構成されるマイクロ流体デバイス内に1つ又は複数の微小物体を配置すること、微小物体に1つ又は複数の生物学的産物(それらの任意の組合せを、上述した任意の多重アッセイ試薬及び/又はアッセイ検体のアッセイ試薬又はアッセイ検体と任意の組合せで使用し得る)を解放又は生成させること、アッセイ検体又はアッセイ試薬を生物学的産物又は微小物体自体と相互作用させること、及び相互作用を検出する任意の態様を含むがこれに限定されない、シングルプレックス方法について上述した任意のステップを含み得る。
図7は、本明細書に記載される方法による多重アッセイを示すと共に、エンクロージャ(図示せず)内のフロー領域(マイクロ流体チャネル264)及びチャネル264を画定する壁を形成するマイクロ流体回路材料260を示す。マイクロ流体デバイス700内の1つの隔離ペン730が示され、上述したように、マイクロ流体回路材料260で作られた、隔離ペンを囲む壁を有する。隔離ペン730は、ペン730内の3つの物理的に区別可能な位置に配置された3つの捕捉構造702、704、708を有する。ペン730に装填された2つの微小物体706があり、微小物体は、この実施形態では、生物学的産物716、718、及び720を生成している。生物学的産物716、718、720は全て異なってもよく、又は捕捉構造702、704、708内及び/又はその上にそれぞれ含まれるアッセイ試薬710、712、714により3つの異なる特性についてアッセイされる同じ生物学的産物であってもよい。アッセイ試薬710、712、714は、それぞれ互いから異なり、異なる生物学的産物又は生物学的産物の異なる特性のいずれかについてテストされる。図7に示されるように、アッセイ試薬710、712、714は、見やすくするために抗体として示されているが、方法は抗体アッセイ試薬に限定されず、本明細書に記載されるアッセイ試薬及び/又はアッセイ検体の任意の適する組合せであり得る。図7に示される時点は、微小物体706が生物学的産物716、718、720を生成することが許容され、生物学的産物716、718、720が、各捕捉構造702、704、708にそれぞれ不動化されたアッセイ試薬710、712、714と既に相互作用した後及び検出試薬722、724、726が既に隔離ペン730に導入され、それぞれの標的716、718、720に特異的に結合した時点後の時点である。見やすくするために、検出試薬722、724、726は抗体として表されるが、方法は、上述したような抗体検出試薬に限定されない。また、見やすくするために、検出試薬722、724、726は、それぞれ標識(図示せず)を含み、標識は、検出試薬722、724、726に直接結合する検出可能な標識であってもよく、又は代替的に、標識は、抗体722、724、726に特異的に結合する二次抗体(図示せず)に結合してもよい。検出試薬722、724、726に直接結合する検出可能な各標識は、スペクトルで区別可能であることにより他の検出可能な標識のそれぞれから検出可能に区別可能であり得、又は検出試薬の検出可能な標識が結合するインサイチュー生成捕捉構造の位置により検出可能に区別可能であり得る。捕捉構造、アッセイ試薬又はアッセイ検体(例えば、実行中のアッセイに応じて)、微小物体又は生物学的産物(例えば、アッセイ試薬又はアッセイ検体が微小物体と相互作用するか、それとも微小物体の生物学的産物と相互作用するか)、及び検出試薬の組合せを含み得、図7では、(702/710/716/722)、(704/712/718/724)、及び/又は(708/714/720/726)として示される各アッセイ複合体は、独立して検出し得、又は同時に検出し得る。各複合体からの検出可能な信号は、インサイチュー標準化信号との比較により、互いへの正規化により、及び/又は任意の適する定量化により定量化し得る。
準備方法
マイクロ流体デバイス内に少なくとも1つの捕捉構造を準備する方法が提供される。インサイチュー生成捕捉構造は、細胞をマイクロ流体(又はナノ流体)デバイスに導入する前又は後に導入し得る。インサイチュー生成捕捉構造は、一時的であるように設計してもよく、又は実験/アッセイ/ソート/培養プロセスの終わりまで定位置に維持し得る。
インサイチュー生成捕捉構造は、マイクロ流体内に存在するポリマー溶液に、生体細胞又はビーズがインサイチュー生成捕捉構造を超えないようにすることが可能なインサイチュー生成捕捉構造を形成させることができる光活性化、温度変更、又は浸透圧変更により導入し得る。インサイチュー生成捕捉構造のメッシュサイズに応じて、異なるカテゴリの化学種にインサイチュー生成捕捉構造を透過させ得る。メッシュサイズが約2nmであるように選択される場合、小分子成分のみを透過させ得るが、タンパク質等はインサイチュー生成捕捉構造により隔離し得る。インサイチュー生成捕捉構造は、タンパク質、核酸、細胞小器官、又はシグナリング分子等のより小さい物質がインサイチュー生成捕捉構造を超えることを阻止しないより大きいメッシュサイズを有する架橋ポリマーを含み得る。インサイチュー生成捕捉構造は、媒体を透過させながら、細胞又はビーズがインサイチュー生成捕捉構造を透過しないようにし得る。
光活性化重合化を導入するプロセスは、マイクロ流体デバイス内で実行することができる。拡散が重合化プロセスと競合し、したがって遊離基を迅速に生成する能力が有用であり得る。更に、遊離基は遊離酸素と迅速に結合することができる。光重合化は、媒体中に酸素がない場合、非常に効率的で高速であるが、生体細胞が存在する(したがって酸素の存在が必要とされる)場合、開始ラジカル数への調整を行い、補償し得る。実際には、特に、小さい制限された量のポリマーを導入して、ペン又はチャネルへの流入又は流出を全体的にはブロックしない小さい捕捉構造を形成する場合、連鎖停止がより高速に生じ、形成される無関係なポリマー量を制限するため、酸素の制限効果は有用である。
幾つかの実施形態では、流動性ポリマーの固化を開始するステップは、フロー領域の少なくとも1つの選択されたエリアを光学的に照明することを含み得、更に、流動性ポリマーを固化するステップは、流動性ポリマーのポリマーを重合化して、固化ポリマー網目構造を形成することを含み得る。流動性ポリマーを導入するステップは、光活性化可能な重合化開始剤を導入することを更に含み得る。
幾つかの他の実施形態では、流動性ポリマーの固化を開始するステップは、基板の少なくとも1つの選択されたエリアにおける温度を変更することを含み得る。ポリマーを固化するステップは、ポリマーをゲル化して、ポリマー網目構造を形成することを更に含み得る。基板の選択されたエリアにおいて温度を変更するステップは、基板上の熱パッドを光学的に照明することを更に含み得る。
インサイチュー生成捕捉構造は、例えば、一方がRGDペプチドモチーフを有する2つのポリマーを共重合化することにより形成することができる。他の実施形態では、前駆体であるプレポリマー(図4Dのプレポリマー401’のような)は、そのようなモチーフを有するように修飾し得、インサイチュー重合化は、アッセイ検体を含むインサイチュー生成捕捉構造を提供する(例えば、図4Dのインサイチュー生成捕捉構造406Cを形成する)。別の代替は、プレポリマー内に抗体を組み込む(図4Cの407Bのように)ことであり、ポリマー網目構造のインサイチューでの固化により、抗体アッセイ試薬を既に含むインサイチュー生成捕捉構造を提供する(図4Cの406Bのように)。更に別の代替は、インサイチュー生成捕捉構造が形成された後、抗体を導入することである(インサイチュー生成捕捉構造404を図4Cのインサイチュー生成捕捉構造406Bに変換するのと同様に)。一例では、ビオチン化又はストレプトアビジン部位をインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造全体を通して又は表面のみに導入することができ、ストレプトアビジン又はビオチン標識抗体を各結合対に会合し得る。代替的に、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の表面への光開始挿入をインサイチュー生成捕捉構造の形成と同時に又はその後に受け得る、ベンゾフェノン等の光活性化可能官能基を含む修飾抗体を考案し得、これは、固化ポリマー網目構造を含むインサイチュー生成構造403の、捕捉構造の固化ポリマー網目構造が図4C(プロセスは図示せず)の官能化部位に結合したアッセイ試薬を含むインサイチュー生成捕捉構造406Bへの直接変換と同様のプロセスを提供する。同じタイプの変換戦略を実行して、アッセイ検体を含むインサイチュー生成捕捉構造を等しく導入することができる。
ポリマー捕捉構造をマイクロ流体デバイスに導入するプロセスの一例では、10%w/vPEGDA(6Kd)及び1%光開始剤(IRGACURE 2959、200Da)を含む溶液をマイクロ流体デバイスに流入させ得る。10分未満にわたり平衡させた後、所望の領域を、400mW/cm2の電力を有する約340nm(+/-20nm)のUV光を用いて1秒間照明して、図4~図7に示される等のインサイチュー生成捕捉構造を作製する重合化を開始し得る。
少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスを準備する方法が提供され、この方法は、マイクロ流体デバイスを提供することであって、マイクロ流体デバイスは、基板及びマイクロ流体回路材料を含むエンクロージャを含み、エンクロージャは、フロー領域を画定する、提供することと、第1の流動性官能化プレポリマーをフロー領域に導入することと、エンクロージャの少なくとも1つの選択されたエリアにおいて第1の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化し、それにより、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を形成することとを含む。第1の流動性官能化プレポリマーを導入するステップは、光活性化可能な重合化開始剤をフロー領域に導入することを更に含み得、光活性化可能な重合化開始剤を導入するステップは、第1の流動性プレポリマーを導入するステップの前に、それと同時に、又はその後に実行し得る。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、フロー領域に流体的に接続された少なくとも1つの隔離ペンを更に含み、固化を活性化するステップは、少なくとも1つの隔離ペンの少なくとも1つの選択されたエリアにおいて第1の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化することを含む。少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造は、1つ又は複数の官能化部位を含む固化ポリマー網目構造を含み得る。1つ又は複数の官能化部位は、ビオチン部分、アビジン部分、又はストレプトアビジン部分を含み得る。1つ又は複数の官能化部位は、第1の流動性官能化プレポリマーの少なくとも1つの成分に共有結合的に結合され得る。固化しなかった流動性官能化プレポリマーは、マイクロ流体デバイスから流出し得る。実施形態では、流動性官能化プレポリマーが少なくとも1つの隔離ペンに導入された場合、固化しなかった流動性官能化プレポリマーは、ペン外に拡散し得、次にマイクロ流体デバイスから流出し得る。
方法は、マイクロ流体デバイスのフロー領域を通して第1の容量の第1の流体媒体を流し、それにより、固化しなかった第1の流動性官能化プレポリマーを少なくとも1つの隔離ペン外に拡散させることを更に含み得る。方法は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体をエンクロージャ内又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内の少なくとも第1の捕捉構造に導入することと、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位に会合させることとを更に含み得る。第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、抗体、抗原、有機分子、又はオリゴヌクレオチドを含み得る。第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体の有機分子は、酵素、抗原、細胞表面マーカ、サイトカイン、又は本明細書に記載される任意の適するアッセイ試薬若しくはアッセイ検体への基質を含み得る。第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位に会合させるように構成される部分を更に含み得る。様々な実施形態では、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体に会合するように構成される部分は、少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位へのビオチン結合パートナー、アビジン結合パートナー、又はストレプトアビジン結合パートナーを含み得る。様々な実施形態では、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1のアッセイ試薬であり得る。方法は、マイクロ流体デバイスを通して第2の容量の第1の流体媒体を流し、それにより、会合しなかった第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を少なくとも1つの隔離ペン外に拡散させることを更に含み得る。会合しなかった官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、ペン外に拡散すると、マイクロ流体デバイスから流出し得る。
方法は、第2以上の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を導入するステップを更に含み得る。第2以上の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の第2以上の官能化部位に会合し得る。第2以上の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得、及び/又は第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体から検出可能に区別可能であり得る。第2以上の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体と併用される検出試薬から区別可能な検出試薬を用いて検出されるように構成し得る。第2以上の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、エンクロージャ内又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内の第2以上の捕捉構造上の第2以上の官能化部位に会合し得る。
方法は、エンクロージャ内又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内に第2以上の捕捉構造を導入するステップを更に含み得、第2以上の捕捉構造を導入することは、更なる容量の第1の流体媒体をマイクロ流体デバイスのフロー領域に導入するステップと、第2の流動性官能化プレポリマーをフロー領域に導入するステップと、エンクロージャの又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内の少なくとも第2の選択されたエリアにおいて第2の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化し、それにより、第2のインサイチュー生成捕捉構造を形成するステップと、更なる容量の第1の流体媒体をマイクロ流体デバイスのフロー領域に流すステップとを含み得る。第2の流動性官能化プレポリマーを導入するステップは、光活性化可能な重合化開始剤をフロー領域に導入することを更に含み得、光活性化可能な重合化開始剤を導入するステップは、第2の流動性プレポリマーの導入の前に、それと同時に、又はその後に実行し得る。第2の捕捉構造が形成された後、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体と同様に、第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を流入させ、第2の捕捉構造に会合し得る。第2の官能化アッセイ試薬及びアッセイ検体の会合が完了した後、余分な会合しなかった官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、隔離ペン外に拡散され得、任意選択的にマイクロ流体デバイスから流出し得る。
方法は、第3以上の捕捉構造を少なくとも1つの隔離ペンに導入するステップを更に含み得、第3以上の捕捉構造を導入することは、更なる容量の第1の流体媒体をマイクロ流体デバイスのフロー領域に導入することと、第3の流動性官能化プレポリマーをフロー領域に導入することと、エンクロージャの又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内の少なくとも第3の選択されたエリアにおいて第3の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化し、それにより、第3のインサイチュー生成捕捉構造を形成することと、更なる容量の第1の流体媒体をマイクロ流体デバイスのフロー領域に流すこととを含み得る。第3の流動性官能化プレポリマーを導入するステップは、光活性化可能な重合化開始剤をフロー領域に導入することを更に含み得、光活性化可能な重合化開始剤を導入するステップは、第3の流動性プレポリマーを導入するステップの前に、それと同時に、又はその後に実行し得る。第3の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1及び/又は第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体について上述したように、同様に第3の捕捉構造に導入し得る。第3の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1又は第2の官能化アッセイ試薬と異なり得、及び/又は第1又は第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体から検出可能に区別可能であり得る。
幾つかの実施形態では、第1の流動性官能化プレポリマーは、第2の流動性官能化プレポリマーと異なり得る。他の実施形態では、第1の流動性官能化プレポリマーは、第2の流動性官能化プレポリマーと同じであり得る。様々な実施形態では、第1、第2、及び第3の流動性官能化プレポリマーのそれぞれは、互いに異なり得る。他の実施形態では、第1、第2、及び第3の流動性官能化プレポリマーのそれぞれは、同じ官能化プレポリマーであり得る。方法の様々な実施形態では、第1、第2、又は第3のインサイチュー生成捕捉構造のいずれかの固化ポリマー網目構造は、合成ポリマー、修飾合成ポリマー、又は生体ポリマーを含み得る。幾つかの実施形態では、合成ポリマー修飾は、サイズ変更モチーフ、切断モチーフ、反応末端モチーフ、及び/又は細胞認識モチーフを含む。固化ポリマー網目構造は、ポリエチレングリコール(PEG)、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド(PAM)、修飾ポリアクリルアミド、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)、修飾ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、ポリカプロラクトン(PCL)、修飾ポリカプロラクトン、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、ポリサッカリド、修飾ポリサッカリド、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。更に他の実施形態では、固化ポリマー網目構造は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造のポリマーは修飾PEGポリマーであり得る。ポリマーは、星型、4アーム、又は2アームPEGジアクリレートポリマーであり得る。
キット
更に別の態様では、基板、マイクロ流体回路材料、及び任意選択的にカバーを含むエンクロージャであって、フロー領域を画定する、エンクロージャと、制御可能に活性化されて、固化ポリマー網目構造を形成することができる官能化プレポリマーとを有するマイクロ流体デバイスを含むキットが提供される。キットはアッセイ試薬又はアッセイ検体を更に含むことができ、アッセイ試薬又はアッセイ検体は、官能化プレポリマーの一部であり得るか、官能化プレポリマーと混合され得るか、又は官能化プレポリマーとは別個に提供され得る(例えば、別個のバイアル、管等内で)。代替的に、基板、マイクロ流体回路材料、及び任意選択的にカバーを含むエンクロージャであって、フロー領域を画定する、エンクロージャと、エンクロージャ内に配置される少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造であって、固化ポリマー網目構造を含む(例えば、マイクロ流体デバイス400、700)、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造とを有するマイクロ流体デバイスを含むキットが提供される。キットはアッセイ試薬を更に含むことができ、アッセイ試薬は、インサイチュー生成捕捉構造と一体であり得るか若しくはそれに会合し得、又は別個に(例えば、バイアル、管内等で)提供され得る。いずれのキットでのマイクロ流体デバイスも、エンクロージャ内に少なくとも1つの隔離ペンを含むことができる。インサイチュー生成捕捉構造がマイクロ流体デバイス内に既に配置されているキットでは、インサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域、マイクロ流体デバイスの隔離ペン(例えば、隔離ペン内の分離領域)、又は両方内に位置することができる。固化ポリマー網目構造は、1つ又は複数の官能化部位を更に含み得る。固化ポリマー網目構造の官能化部位は、本明細書に記載される任意の官能化部位であり得、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスを含むキットの様々な実施形態では、固化ポリマー網目構造は、合成ポリマー、修飾合成ポリマー、又は生体ポリマーを含み得る。官能化プレポリマーが提供されるキットの実施形態では、官能化プレポリマーは、合成ポリマー、修飾合成ポリマー、又は生体ポリマーを含み得る。幾つかの実施形態では、合成ポリマー修飾は、サイズ変更モチーフ、切断モチーフ、反応末端モチーフ、及び/又は細胞認識モチーフを含む。固化ポリマー網目構造又は官能化プレポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド(PAM)、修飾ポリアクリルアミド、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)、修飾ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、ポリカプロラクトン(PCL)、修飾ポリカプロラクトン、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、ポリサッカリド、修飾ポリサッカリド、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。更に他の実施形態では、固化ポリマー網目構造又は官能化プレポリマーは、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態では、固化ポリマー網目構造又は官能化プレポリマーのポリマーは修飾PEGポリマーであり得る。ポリマーは、星型、4アーム、又は2アームPEGジアクリレートポリマーであり得る。様々な実施形態では、エンクロージャ又は少なくとも1つの隔離ペンが2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造を含む場合、各捕捉構造は、同じポリマーを含むか、又は代替的に第1のインサイチュー生成捕捉構造、第2のインサイチュー生成捕捉構造、第3のインサイチュー生成捕捉構造等のそれぞれで異なるポリマーを含み得る。官能化プレポリマーを提供するキットでは、2つ以上の官能化プレポリマーを提供し得る。キットは2つ以上のポリマーを含み得、ポリマーは、少なくとも第1の官能化ポリマーと一緒に組み合わせられて、固化して固化ポリマー網目構造を形成するように構成される流動性ポリマー溶液を形成することができる。少なくとも第1の官能化ポリマーは、流動性ポリマー溶液として提供してもよく、又はゲル、脱水、若しくは凍結乾燥された形態として提供されてもよく、これらのいずれも、流体媒体を用いて希釈することにより流動性ポリマー溶液としてエンドユーザにより調合されるように構成し得る。インサイチュー生成捕捉構造の形成に使用し得るキットにおいて提供される他のポリマーは、少なくとも第1の官能化ポリマーとは別個の1つ又は複数の容器において提供し得る。
キットのアッセイ試薬又はアッセイ検体は、本明細書に記載される任意のアッセイ試薬又はアッセイ検体であり得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、少なくとも1つの捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位に会合するように構成される官能部分を含み得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、マイクロ流体デバイスのフロー領域に導入可能な状態であるように構成される調合で提供し得る。代替的に、アッセイ試薬又はアッセイ検体は、マイクロ流体デバイスに導入し、続けてインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位に会合させるために適切な媒体に溶解するための指示と共に、固体又は凍結乾燥された形態で提供し得る。キットの幾つかの実施形態では、任意の適する組合せでの2つ以上のアッセイ試薬又は2つ以上のアッセイ検体を多重実験に提供し得、以下の段落に記載される任意のアッセイ試薬又は検体であり得る。
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスを含むキットの様々な実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を既に含み得る(例えば、アッセイ試薬又はアッセイ検体が、供給されたマイクロ流体デバイスの少なくとも1つの捕捉構造の固化ポリマー網目構造内/上に既に存在するマイクロ流体デバイス450)。アッセイ試薬又はアッセイ検体は、固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位に共有結合的又は非共有結合的に結合され得る。幾つかの実施形態では、アッセイ試薬又はアッセイ検体は、ビオチン/ストレプトアビジン又はビオチン/アビジン複合体を介して固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位に非共有結合的に結合され得る。
アッセイ試薬又はアッセイ検体が、インサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造の一部として提供され既に組み込まれているか、それともそのようなアッセイ試薬又はアッセイ検体を有するインサイチュー生成捕捉構造を準備するキットの構成要素として提供され既に組み込まれているか否かに関係なく、アッセイ試薬又はアッセイ検体は、本明細書に記載される任意の適する部分であり得る。インサイチュー生成捕捉構造内に組み込まれているか又は組み込まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体は、タンパク質、核酸、有機分子、又はサッカリドであり得る。少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスを含むキットの幾つかの実施形態では、アッセイ試薬又はアッセイ検体は抗体であり得、本明細書に記載される任意の種類の抗体であり得る。他の実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造内に組み込まれているか又は組み込まれるアッセイ試薬又はアッセイ検体は、抗原であり得る。抗原であるアッセイ試薬又はアッセイ検体は、本明細書に記載される任意の適する抗原であり得る。更に他の実施形態では、インサイチュー生成捕捉構造内に組み込まれているか又は組み込まれるアッセイ試薬、オリゴヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドアッセイ試薬は、本明細書に記載される任意の適するオリゴヌクレオチドであり得る。
キットの幾つかの実施形態では、アッセイ試薬又はアッセイ検体は、検出可能な標識を含み得る。アッセイ試薬又はアッセイ検体の検出可能な標識は、蛍光標識、比色標識、又は発光標識であり得る。幾つかの実施形態では、アッセイ試薬又はアッセイ検体が検出可能な標識を含む場合、標識は、アッセイプロセスが実行されるまで検出可能ではなく、検出可能な標識は、アッセイ試薬又はアッセイ検体から生成又は解放される。
キットの他の実施形態では、キットは検出試薬を更に含み得る。検出試薬は検出可能な標識を含み得る。検出試薬の検出可能な標識は、蛍光標識、比色標識、又は発光標識を含み得る。幾つかの実施形態では、検出試薬の検出可能な標識は蛍光性であり得る。幾つかの実施形態では、検出試薬は少なくとも第1の抗体を含む。幾つかの実施形態では、検出試薬は第2の抗体を含み得、第2の抗体はアッセイプロセスの二次抗体であり、検出試薬を含む第1及び第2の抗体の組合せへの検出可能な標識を組み込む。他の実施形態では、検出試薬はインターカレーター染料を含み得る。更に他の実施形態では、検出試薬はFRET標識オリゴヌクレオチドを含み得、これは、本明細書に記載される任意のFRET標識オリゴヌクレオチドであり得る。
キットの様々な実施形態では、2つ以上の検出試薬を提供し得る。2つ以上の検出試薬の第1の検出試薬は、第2の検出試薬からスペクトルが別個であり得、異なる各アッセイ試薬又はアッセイ検体について以下同様である。
キットの他の実施形態では、マイクロ流体デバイスは、エンクロージャ内又は代替的にその内部の隔離ペン内に配置される2つ以上の捕捉構造を含み得、第1の捕捉構造の第1の固化ポリマー網目構造は、第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体を既に含み/それを組み込むように設計され、第2の捕捉構造の第2の固化ポリマー網目構造は、第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体を既に含む/又はそれを組み込むように設計され、エンクロージャ内又は代替的に少なくとも1つの隔離ペン内の追加の捕捉構造ごとに以下同様である。第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体は、第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得、少なくとも1つの隔離ペン内の追加の各捕捉構造内に組み込まれているか又は組み込まれるように設計される追加のアッセイ試薬又はアッセイ検体ごとに以下同様である。第1の捕捉構造及び第2の捕捉構造は、マイクロ流体デバイスのエンクロージャ又は、その内部の少なくとも1つの隔離ペン内の異なる位置に配置し得る。
第1の捕捉構造が第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体を組み込むか又は組み込むように設計され、第2の捕捉構造が第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体を組み込むか又は組み込むように設計される場合、キットは、第1の検出試薬及び第2の検出試薬のそれぞれを更に含み得、第1の検出試薬は第2の検出試薬と異なり得る。捕捉構造上に組み込まれているか又は組み込まれるように構成される任意の追加のアッセイ試薬又は検体の第1の検出試薬及び第2の検出試薬等は、本明細書に記載される任意の検出試薬を含み得、独立して選択され得る。幾つかの実施形態では、第1の検出試薬は少なくとも第1の一次抗体を含み得、第2の検出試薬は、各アッセイの各生物学的標的に向けられた少なくとも第2の一次抗体を含む。一次抗体を含む各検出試薬は二次抗体を更に含み得、二次抗体は、それ自体、実行中の各アッセイの検出可能な標識を含み得る。2つ以上の捕捉構造がエンクロージャ又は代替的にその内部の少なくとも1つの隔離ペンに提供される場合、各検出試薬の各標識は、スペクトル的に別個であるか、又は各検出試薬の標識は、空間的に別個である。幾つかの実施形態では、標識はスペクトル的及び空間的の両方で別個である。
少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスを含むキットの様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスは複数の隔離ペンを更に含み得る。幾つかの実施形態では、複数の隔離ペンのそれぞれは、固化ポリマー網目構造を含む少なくとも1つの捕捉構造を含み得る。複数の隔離ペンは、本明細書に記載される任意の隔離ペンについて記載されたように、任意の組合せで構成し得る。キットのマイクロ流体デバイスは、本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイス100、200、23、250、280、290、320、400、450、500、700の任意の構成要素又は特徴を任意の組合せで更に含み得る。
キットの幾つかの実施形態では、1つ又は複数の流体媒体が含まれ得、1つ又は複数の流体媒体は、マイクロ流体デバイス内の動的被覆用の添加剤を含め、本明細書に記載される1つ又は複数の添加剤を更に含み、成長、生存性、又は可搬性の強化を提供し得る。キットの他の実施形態では、エンクロージャの表面の1つ又は複数は被覆を含み得る。被覆は、本明細書に記載される任意の被覆であり得る。幾つかの実施形態では、被覆は、調整表面を提供する共有結合被覆である。共有結合被覆は、マイクロ流体デバイスのエンクロージャの全ての内面に存在し得る。幾つかの実施形態では、調整表面を提供する共有結合被覆は親水性であり得る。
キットの様々な実施形態では、キットは光活性化可能な重合化開始剤を更に含み得る。光活性化可能な重合化開始剤は、流体媒体及び/又は官能化プレポリマーとは別個の容器で提供し得る。
例1.ヒドロゲルサイトカインアッセイ
T細胞。1ビーズ/1細胞の割合で抗CD3/抗CD28磁性ビーズ(Dynabeads(登録商標)、ThermoFisher Scientific、カタログ番号11453D)と混合した、AllCells Inc.からのCD3+細胞。混合物を培養実験自体と同じ媒体中で48時間にわたり5%CO2培養器内において37℃で培養した。培養後、T細胞/ビーズ混合物を使用に向けて再懸濁した。
培養媒体。RPMI-1640(GIBCO(登録商標)、ThermoFisher Scientific、カタログ番号11875-127)10%FBS、2%ヒトAB血清(50U/ml IL2;R&D Systems)。
プライミング手順:100%二酸化炭素250μLを12μL/秒の流量で流入させた。この後、0.1%Pluronic(登録商標)F27(Life Technologies(登録商標)カタログ番号P6866)を含有するPBS250μLを12μL/秒で流入させた。プライミングの最後のステップは、12μL/秒でPBS250μLを流入させることを含んだ。続いて、培養媒体を導入した。
灌流方式(チップ上での細胞培養中):灌流方法は以下の2つの方法のいずれかであった。
1.0.01μL/秒で2時間灌流し、2μL/秒で64秒間灌流し、及び繰り返す。
2.0.02μL/秒で100秒間灌流し、フローを500秒間停止し、2μL/秒で64秒間灌流し、及び繰り返す。
システム及びマイクロ流体デバイス:システム及びマイクロ流体デバイス:Berkeley Lights, Inc.製。システムは、少なくとも、フローコントローラ、温度コントローラ、流体媒体調整及びポンプ構成要素、光活性化DEP構成用の光源、マイクロ流体デバイス、マウントステージ、及びカメラを含んだ。隔離ペンは約7×105立方μmの容積を有する。
ヒドロゲル準備。N-モルホリノエタンスルホン酸(MES)中のストレプトアビジン(Nanocs)を0.1M炭酸塩-重炭酸塩(pH9.0のCBB緩衝剤)で希釈し、最終濃度10mg/200μLで5重量%を提供するように計算された比率でAc-PEG-ヒドロキシスクシンイミドと反応させた。反応を4℃で少なくとも一晩にわたり継続した。
脱イオン限外濾過水(DIUF)中の0.606重量%溶液のIgracure光開始剤の溶液を作製した。
Ac PEG星型固体(Laysan Bioからの4アームPEGアクリレート(10k MW)(#4アーム-PEG-アクリル-10k-1g))の5重量%溶液を0.606%光開始剤溶液中に溶解させることにより、官能ヒドロゲルのプレポリマーを作製した。
NHS-PEG-ストレプトアビジン共役28μLと、Ac PEG星型アクリレート/光開始剤溶液132μLとを化合させることにより、160μLプレポリマーロットを作製した。
プライミングされたマイクロ流体デバイスにプレポリマー溶液を0.5μL/秒で装填し、光開始前に少なくとも1時間培養して、マイクロ流体デバイスのペン中にプレポリマーを拡散させる。培養が完了した後、光に10秒間露出させて、ペンの下角部においてポリマー固化を開始した。
固化が開始された後、8μL/秒で2×250μLのPBS、0.2μL/秒で250μLのPBS、及びPBS中で一晩のリンス(0.005μL/秒で250μL)を含むリンス液の組を使用して、余分な可溶性ポリマー及び開始剤を除去した。
ヒドロゲル官能化。ヒドロゲルが準備されたマイクロ流体デバイスに1μg/mLの捕捉抗体(R&D Systemsからのビオチン化ヤギ抗ヒトTNFα(#BAF210)を装填し、ここで、インサイチュー生成捕捉抗体溶液を5μL/秒において250μL以内で流入させ、その後、250μLのインサイチュー生成捕捉抗体溶液を0.075μL/秒で流入させる第2のフロー期間が続いた。インサイチュー生成捕捉抗体の導入を完了した後、マイクロ流体デバイスをPBS(5μL/秒で250μL)で5回洗い流した。
T細胞の導入及びTNFαの検出。T細胞を導入し、37℃で一晩培養した。培養期間が終了した後、Abcamからのウサギ抗ヒトTNFα(#ab9635)溶液を5μL/秒において250μL以内で流し、その後、0.075μL/秒での250μLの第1の検出抗体溶液の第2の流入期間が続くことにより、第1の検出抗体を導入した。第1の検出抗体の導入を完了した後、マイクロ流体デバイスをPBS(5μL/秒で250μL)で5回洗い流した。
次に、250μLの溶液を5μL/秒で流し、続けて0.075μL/秒での2μg/mL溶液の第2の250μLフローが続くことにより、二次検出抗体(Life Technologiesからのアレクサ488ヤギ抗ウサギIgG(#A11053))を2μg/mLの濃度で導入した。
図6A~図6Cは、高分泌T細胞、中分泌T細胞、及び低分泌T細胞を区別する能力を示した。図6Aでは、蛍光は、低分泌T細胞を含むこのペンでのみ検出可能である。左側の画像は明視野であり、4個の細胞を見ることができ、一方、右側の画像は、同じペンの蛍光画像を示し、官能化ヒドロゲルはペンの左下角においてかすかに見える。
図6Bは、中分泌組のT細胞を示す。左側の画像は、異なるペン中の1~3個のT細胞の画像であり、それと同じペンの右側の蛍光画像は、ペンの左下角における官能化ヒドロゲルの表面に集中された著しい蛍光を明らかに示している。
図6Cは、第3のペン中の高分泌組のT細胞を示す。図6Cの左側の画像は明視野であり、塊になった約4~5個のT細胞のグループ及び1つの単独の細胞を示す。右側の画像は、蛍光検出下の同じ第3のペンを示し、官能化ヒドロゲル及びペン内の細胞の塊は両方とも良好に照明される。
この例は、マイクロ流体ペン内で異なるレベルのTNFαサイトカイン産出が検出され且つランク付けられ得ることを明らかに示した。
マイクロ流体デバイス及びそのようなデバイスを操作し観測するシステム
図1Aは、卵子、及び/又は卵母細胞、及び/又は精子の選択及び評価を含め、インビトロでの胚の生成に使用することができるマイクロ流体デバイス100及びシステム150の例を示す。カバー110を一部切り欠き、マイクロ流体デバイス100内の部分図を提供するマイクロ流体デバイス100の斜視図を示す。マイクロ流体デバイス100は、一般に、流路106を含むマイクロ流体回路120を含み、流路106を通って流体培地180が流れることができ、任意選択的に1つ又は複数の微小物体(図示せず)をマイクロ流体回路120内及び/又はマイクロ流体回路120を通して搬送する。1つのマイクロ流体回路120が図1Aに示されているが、適するマイクロ流体デバイスは、複数(例えば、2又は3個)のそのようなマイクロ流体回路を含むことができる。それに関係なく、マイクロ流体デバイス100はナノ流体デバイスであるように構成され得る。図1Aに示されるように、マイクロ流体回路120は、複数のマイクロ流体隔離ペン124、126、128、及び130を含み得、ここで、各隔離ペンは、流路106に流体接続する1つ又は複数の開口部を有し得る。図1Aのデバイスの幾つかの実施形態では、隔離ペンは、流路106と流通する1つのみの開口部を有し得る。更に以下で考察するように、マイクロ流体隔離ペンは、培地180が流路106を通って流れているときであっても、マイクロ流体デバイス100等のマイクロ流体デバイスに微小物体を保持するように最適化された様々な特徴及び構造を含む。しかし、上記を参照する前に、マイクロ流体デバイス100及びシステム150の概説を提供する。
図1Aに概して示されるように、マイクロ流体回路120はエンクロージャ102により画定される。エンクロージャ102は異なる構成で物理的に構造化することができるが、図1Aに示される例では、エンクロージャ102は、支持構造体104(例えば、基部)、マイクロ流体回路構造108、及びカバー110を含むものとして示されている。支持構造体104、マイクロ流体回路構造108、及びカバー110は、互いに取り付けることができる。例えば、マイクロ流体回路構造108は、支持構造体104の内面109に配置することができ、カバー110は、マイクロ流体回路構造108を覆って配置することができる。支持構造体104及びカバー110と一緒に、マイクロ流体回路構造108は、マイクロ流体回路120の要素を画定することができる。
図1Aに示されるように、支持構造体104は、マイクロ流体回路120の下部にあり得、カバー110はマイクロ流体回路120の上部にあり得る。代替的に、支持構造体104及びカバー110は、他の向きで構成され得る。例えば、支持構造体104は、マイクロ流体回路120の上部にあり得、カバー110はマイクロ流体回路120の下部にあり得る。それに関係なく、それぞれがエンクロージャ102内又は外への通路を含む1つ又は複数のポート107があり得る。通路の例としては、弁、ゲート、貫通孔等が挙げられる。示されるように、ポート107は、マイクロ流体回路構造108のギャップにより作られる貫通孔である。しかし、ポート107は、カバー110等のエンクロージャ102の他の構成要素に配置することができる。1つのみのポート107が図1Aに示されているが、マイクロ流体回路120は2つ以上のポート107を有することができる。例えば、流体がマイクロ流体回路120に入るための流入口として機能する第1のポート107があり得、流体がマイクロ流体回路120を出るための流出口として機能する第2のポート107があり得る。ポート107が流入口として機能するか、それとも流出口として機能するかは、流体が流路106を通って流れる方向に依存し得る。
支持構造体104は、1つ又は複数の電極(図示せず)と、基板又は複数の相互接続された基板を含むことができる。例えば、支持構造体104は、1つ又は複数の半導体基板を含むことができ、各半導体基板は電極に電気的に接続される(例えば、半導体基板の全て又はサブセットは、1つの電極に電気的に接続することができる)。支持構造体104は、プリント回路基板組立体(「PCBA」)を更に含むことができる。例えば、半導体基板はPCBA上に搭載することができる。
マイクロ流体回路構造108は、マイクロ流体回路120の回路要素を画定することができる。そのような回路要素は、マイクロ流体回路120に流体が充填される場合、流体的に相互接続することができる、フロー領域(1つ又は複数のフローチャネルを含み得る)、チャンバ、ペン、トラップ等の空間又は領域を含むことができる。図1Aに示されるマイクロ流体回路120では、マイクロ流体回路108は、枠114及びマイクロ流体回路材料116を含む。枠114は、マイクロ流体回路材料116を部分的又は完全に囲むことができる。枠114は、例えば、マイクロ流体回路材料116を実質的に囲む比較的剛性の構造であり得る。例えば、枠114は金属材料を含むことができる。
マイクロ流体回路材料116には、キャビティ等をパターニングして、マイクロ流体回路120の回路要素及び相互接続を画定することができる。マイクロ流体回路材料116は、ガス透過可能であり得る可撓性ポリマー(例えば、ゴム、プラスチック、エラストマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)等)等の可撓性材料を含むことができる。マイクロ流体回路材料116を構成することができる材料の他の例としては、成形ガラス、シリコーン(フォトパターニング可能シリコーン又は「PPS」)等のエッチング可能材料、フォトレジスト(例えば、SU8)等が挙げられる。幾つかの実施形態では、そのような材料 - したがって、マイクロ流体回路材料116 - は、剛性及び/又はガスを実質的に不透過であり得る。それに関係なく、マイクロ流体回路材料116は、支持構造体104上及び枠114内部に配置することができる。
カバー110は、枠114及び/又はマイクロ流体回路材料116の一体部分であり得る。代替的に、カバー110は、図1Aに示されるように、構造的に別個の要素であり得る。カバー110は、枠114及び/又はマイクロ流体回路材料116と同じ又は異なる材料を含むことができる。同様に、支持構造体104は、示されるように枠114若しくはマイクロ流体回路材料116とは別個の構造であってもよく、又は枠114若しくはマイクロ流体回路材料116の一体部分であってもよい。同様に、枠114及びマイクロ流体回路材料116は、図1Aに示されるように別個の構造であってもよく、又は同じ構造の一体部分であってもよい。
幾つかの実施形態では、カバー110は剛性材料を含むことができる。剛性材料は、ガラス又は同様との特性を有する材料であり得る。幾つかの実施形態では、カバー110は変形可能材料を含むことができる。変形可能材料は、PDMS等のポリマーであり得る。幾つかの実施形態では、カバー110は、剛性材料及び変形可能材料の両方を含むことができる。例えば、カバー110の1つ又は複数の部分(例えば、隔離ペン124、126、128、130上に位置する1つ又は複数の部分)は、カバー110の剛性材料と界面を接する変形可能材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、カバー110は1つ又は複数の電極を更に含むことができる。1つ又は複数の電極は、ガラス又は同様の絶縁材料でコーティングし得る、インジウム-錫-酸化物(ITO)等の導電性酸化物を含むことができる。代替的に、1つ又は複数の電極は、ポリマー(例えば、PDMS)等の変形可能ポリマーに埋め込まれた単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性ナノ粒子のクラスタ、又はそれらの組合せ等の可撓性電極であり得る。マイクロ流体デバイスで使用することができる可撓性電極は、例えば、米国特許出願公開第2012/0325665号(Chiouら)に記載されており、この内容は参照により本明細書に援用される。幾つかの実施形態では、カバー110は、細胞の接着、生存、及び/又は成長を支持するように変更することができる(例えば、マイクロ流体回路120に向かって内側に面する表面の全て又は部分を調整することにより)。変更は、合成ポリマー又は天然ポリマーのコーティングを含み得る。幾つかの実施形態では、カバー110及び/又は支持構造体104は、光を透過することができる。カバー110は、ガス透過可能な少なくとも1つの材料(例えば、PDMS又はPPS)を含むこともできる。
図1Aは、マイクロ流体デバイス100等のマイクロ流体デバイスを動作させ制御するシステム150も示す。システム150は、電源192、撮像デバイス194(撮像モジュール164内に組み込まれ、デバイス194自体は図1Aに示されていない)、及び傾斜デバイス190(傾斜モジュール166の部分であり、デバイス190は図1Aに示されていない)を含む。
電源192は、電力をマイクロ流体デバイス100及び/又は傾斜デバイス190に提供し、バイアス電圧又は電流を必要に応じて提供することができる。電源192は、例えば、1つ又は複数の交流(AC)及び/又は直流(DC)電圧源又は電流源を含むことができる。撮像デバイス194(以下で述べられる撮像モジュール164の一部)は、マイクロ流体回路120内部の画像を捕捉する、デジタルカメラ等のデバイスを含むことができる。幾つかの場合、撮像デバイス194は、高速フレームレート及び/又は高感度(例えば、低光用途用)を有する検出器を更に含む。撮像デバイス194は、刺激放射線及び/又は光線をマイクロ流体回路120内に向け、マイクロ流体回路120(又はマイクロ流体回路120内に含まれる微小物体)から反射されるか、又は発せられる放射線及び/又は光線を収集する機構を含むこともできる。発せられる光線は可視スペクトル内であり得、例えば、蛍光放射を含み得る。反射光線は、LED又は水銀灯(例えば、高圧水銀灯)若しくはキセノンアーク灯等の広域スペクトル灯から発せられた反射放射を含み得る。図3Bに関して考察するように、撮像デバイス194は顕微鏡(又は光学縦列)を更に含み得、これは接眼レンズを含んでもよく、又は含まなくてもよい。
システム150は、1つ又は複数の回転軸の周りでマイクロ流体デバイス100を回転させるように構成される傾斜デバイス190(以下で述べられる傾斜モジュール166の一部)を更に含む。幾つかの実施形態では、傾斜デバイス190は、マイクロ流体デバイス100(したがって、マイクロ流体回路120)を水平向き(すなわち、x軸及びy軸に相対して0°)、垂直向き(すなわち、x軸及び/又はy軸に相対して90°)、又はそれらの間の任意の向きで保持することができるように、少なくとも1つの軸の周りでマイクロ流体回路120を含むエンクロージャ102を支持及び/又は保持するように構成される。軸に相対するマイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)の向きは、本明細書では、マイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)の「傾斜」と呼ばれる。例えば、傾斜デバイス190は、x軸に相対して0.1°、0.2°、0.3°、0.4°、0.5°、0.6°、0.7°、0.8°、0.9°、1°、2°、3°、4°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、90°、又はそれらの間の任意の度数でマイクロ流体デバイス100を傾斜させることができる。水平向き(したがって、x軸及びy軸)は、重力により定義される垂直軸に垂直なものとして定義される。傾斜デバイスは、マイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)をx軸及び/又はy軸に相対して90°よりも大きい任意の角度に傾斜させるか、又はマイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)をx軸若しくはy軸に相対して180°に傾斜させて、マイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)を真逆にすることもできる。同様に、幾つかの実施形態では、傾斜デバイス190は、流路106又はマイクロ流体回路120の何らかの他の部分により定義される回転軸の周りでマイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)を傾斜させる。
幾つかの場合、マイクロ流体デバイス100は、流路106が1つ又は複数の隔離ペンの上方又は下方に位置するように、垂直向きに傾斜する。「上方」という用語は、本明細書で使用される場合、流路106が、重力により定義される垂直軸上で1つ又は複数の隔離ペンよりも高く位置する(すなわち、流路106の上方の隔離ペン内の物体が流路内の物体よりも高い重力位置エネルギーを有する)ことを示す。「下方」という用語は、本明細書で使用される場合、流路106が、重力により定義される垂直軸上で1つ又は複数の隔離ペンよりも下に位置する(すなわち、流路106の下方の隔離ペン内の物体が流路内の物体よりも低い重力位置エネルギーを有する)ことを示す。
幾つかの場合、傾斜デバイス190は、流路106と平行な軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜させる。更に、マイクロ流体デバイス100は、流路106が、隔離ペンの真上又は真下に配置されずに、1つ又は複数の隔離ペンの上方又は下方に配置されるように、90°未満の角度に傾斜することができる。他の場合、傾斜デバイス190は、流路106に直交する軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜させる。更に他の場合、傾斜デバイス190は、流路106に平行でもなく直交もしない軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜させる。
システム150は培地源178を更に含むことができる。培地源178(例えば、容器、リザーバ等)は、それぞれが異なる流体培地180を保持する複数のセクション又は容器を含むことができる。したがって、培地源178は、図1Aに示されるように、マイクロ流体デバイス100の外部にある、マイクロ流体デバイス100とは別個のデバイスであり得る。代替的に、培地源178は、全体的又は部分的に、マイクロ流体デバイス100のエンクロージャ102内部に配置することができる。例えば、培地源178は、マイクロ流体デバイス100の部分であるリザーバを含むことができる。
図1Aは、システム150の一部を構成し、マイクロ流体デバイス100と併せて利用することができる制御及び監視機器152の例の簡易ブロック図表現も示す。示されるように、そのような制御及び監視機器152の例は、培地源178を制御する培地モジュール160と、マイクロ流体回路120での微小物体(図示せず)及び/又は培地(例えば、培地の液滴)の移動及び/又は選択を制御する原動モジュール162と、画像(例えば、デジタル画像)を捕捉する撮像デバイス194(例えば、カメラ、顕微鏡、光源、又はそれらの任意の組合せ)を制御する撮像モジュール164と、傾斜デバイス190を制御する傾斜モジュール166とを含むマスタコントローラ154を含む。制御機器152は、マイクロ流体デバイス100に関する他の機能を制御、監視、又は実行する他のモジュール168を含むこともできる。示されるように、機器152は、表示デバイス170及び入/出力デバイス172を更に含むことができる。
マスタコントローラ154は、制御モジュール156及びデジタルメモリ158を含むことができる。制御モジュール156は、例えば、メモリ158内に非一時的データ又は信号として記憶される機械実行可能命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、ソースコード等)に従って動作するように構成されるデジタルプロセッサを含むことができる。代替的に又は追加として、制御モジュール156は、ハードワイヤードデジタル回路及び/又はアナログ回路を含むことができる。培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び/又は他のモジュール168は、同様に構成され得る。したがって、マイクロ流体デバイス100又は任意の他のマイクロ流体装置に関して実行されるものとして本明細書で考察される機能、プロセス、行動、動作、又はプロセスのステップは、上述したように構成されるマスタコントローラ154、培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び/又は他のモジュール168の任意の1つ又は複数により実行され得る。同様に、マスタコントローラ154、培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び/又は他のモジュール168は、通信可能に結合されて、本明細書において考察される任意の機能、プロセス、行動、動作、又はステップで使用されるデータを送受信し得る。
培地モジュール160は培地源178を制御する。例えば、培地モジュール160は、培地源178を制御して、選択された流体培地180をエンクロージャ102に入れる(例えば、流入口107を介して)ことができる。培地モジュール160は、エンクロージャ102からの培地の取り出し(例えば、流出口(図示せず)を通して)を制御することもできる。したがって、1つ又は複数の培地を選択的にマイクロ流体回路120に入れ、マイクロ流体回路120から搬出することができる。培地モジュール160は、マイクロ流体回路120内部の流路106での流体培地180のフローを制御することもできる。例えば、幾つかの実施形態では、培地モジュール160は、傾斜モジュール166が傾斜デバイス190に所望の傾斜角までマイクロ流体デバイス100を傾斜させる前に、流路106内及びエンクロージャ102を通る培地180のフローを停止させる。
原動モジュール162は、マイクロ流体回路120での微小物体(図示せず)の選択、捕捉、及び移動を制御するように構成され得る。図1B及び図1Cに関して後述するように、エンクロージャ102は、誘電泳動(DEP)構成、光電子ピンセット(OET)構成、及び/又は光電子ウェッティング(OEW)構成(図1Aに示されず)を含むことができ、原動モジュール162は、電極及び/又はトランジスタ(例えば、フォトトランジスタ)のアクティブ化を制御して、流路106及び/又は隔離ペン124、126、128、130で微小物体(図示せず)及び/又は培地の液滴(図示せず)を選択し移動させることができる。
撮像モジュール164は撮像デバイス194を制御することができる。例えば、撮像モジュール164は、撮像デバイス194から画像データを受信し、処理することができる。撮像デバイス194からの画像データは、撮像デバイス194により捕捉された任意のタイプの情報を含むことができる(例えば、微小物体、培地の液滴、蛍光標識等の標識の蓄積の有無等)。撮像デバイス194により捕捉された情報を使用して、撮像モジュール164は、物体(例えば、微小物体、培地の液滴)の位置及び/又はマイクロ流体デバイス100内のそのような物体の移動速度を更に計算することができる。
傾斜モジュール166は、傾斜デバイス190の傾斜移動を制御することができる。代替的に又は追加として、傾斜モジュール166は、重力を介して1つ又は複数の隔離ペンへの微小物体の移送を最適化するように、傾斜率及びタイミングを制御することができる。傾斜モジュール166は、撮像モジュール164と通信可能に結合されて、マイクロ流体回路120での微小物体及び/又は培地の液滴の移動を記述するデータを受信する。このデータを使用して、傾斜モジュール166は、マイクロ流体回路120の傾斜を調整して、マイクロ流体回路120内で微小物体及び/又は培地の液滴が移動する率を調整し得る。傾斜モジュール166は、このデータを使用して、マイクロ流体回路120内での微小物体及び/又は培地の液滴の位置を繰り返し調整することもできる。
図1Aに示される例では、マイクロ流体回路120は、マイクロ流体チャネル122及び隔離ペン124、126、128、130を含むものとして示されている。各ペンは、チャネル122への開口部を含むが、ペンがペン内部の微小物体を流体培地180及び/又はチャネル122の流路106又は他のペン内の微小物体から実質的に分離することができるように、その他では閉じられている。隔離ペンの壁は、ベースの内面109からカバー110の内面まで延び、エンクロージャを提供する。マイクロ流体チャネル122へのペンの開口部は、フロー106がペン内に向けられないように、フロー106に対して傾斜して向けられる。フローは、ペンの開口部の平面に対して接線方向にあり得るか又は直交し得る。幾つかの場合、ペン124、126、128、130は、1つ又は複数の微小物体をマイクロ流体回路120内に物理的に囲い入れるように構成される。本開示による隔離ペンは、以下に詳細に考察し示すように、DEP、OET、OEW、流体フロー、及び/又は重力との併用に最適化された様々な形状、表面、及び特徴を含むことができる。
マイクロ流体回路120は、任意の数のマイクロ流体隔離ペンを含み得る。5つの隔離ペンが示されているが、マイクロ流体回路120は、より少数又はより多数の隔離ペンを有し得る。示されるように、マイクロ流体回路120のマイクロ流体隔離ペン124、126、128、及び130は、ある卵子の隣接卵子からの分離等の胚を生成するに当たり有用な1つ又は複数の利点を提供し得る異なる特徴及び形状をそれぞれ含む。テスト、シミュレーション、及び受精は、全て個々単位で実行し得、幾つかの実施形態では、個々のタイムスケールで実行し得る。幾つかの実施形態では、マイクロ流体回路120は、複数の同一のマイクロ流体隔離ペンを含む。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体回路120は、複数のマイクロ流体隔離ペンを含み、その場合、隔離ペンの2つ以上は、胚の生成において異なる利点を提供する異なる構造及び/又は特徴を含む。非限定的な一例として、あるタイプのペン内に卵子を維持しながら、異なるタイプのペン内に精子を維持することを挙げることができる、別の実施形態では、隔離ペンの少なくとも1つは、卵子に電気活性化を提供するのに適した電気接点を有するように構成される。更に別の実施形態では、異なるタイプの細胞(例えば、子宮細胞、子宮内膜細胞、卵管(uterine tube)(例えば、卵管(oviduct)若しくはファローピウス管)等)由来のPEG(介在)細胞、卵丘細胞、又はそれらの組合わせ)は、卵子を含む隔離ペンに隣接する隔離ペンに配置し得、それにより、周囲の隔離ペンからの分泌物は各ペンから出て、卵子を含むペン中に拡散し得、これは、マクロスケールでのインビトロ培養及び受精では不可能である。胚の生成に有用なマイクロ流体デバイスは、隔離ペン124、126、128、及び130又はそれらの変形形態のいずれかを含み得、及び/又は後述するように、図2B、図2C、図2D、図2E、及び図2Fに示されるように構成されるペンを含み得る。
図1Aに示される実施形態では、1つのチャネル122及び流路106が示される。しかし、他の実施形態は、それぞれが流路106を含むように構成される複数のチャネル122を含み得る。マイクロ流体回路120は、流路106及び流体培地180と流体連通する流入弁又はポート107を更に含み、それにより、流体培地180は、流入口107を介してチャネル122にアクセスすることができる。幾つかの場合、流路106は1つの経路を含む。幾つかの場合、1つの経路はジグザグパターンで配置され、それにより、流路106は、交互になった方向で2回以上にわたってマイクロ流体デバイス100にわたり移動する。
幾つかの場合、マイクロ流体回路120は、複数の平行チャネル122及び流路106を含み、各流路106内の流体培地180は同じ方向に流れる。幾つかの場合、各流路106内の流体培地は、順方向又は逆方向の少なくとも一方で流れる。幾つかの場合、複数の隔離ペンは、隔離ペンが標的微小物体と並列に配置されることができるように構成される(例えば、チャネル122に相対して)。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体回路120は、1つ又は複数の微小物体トラップ132を更に含む。トラップ132は、一般に、チャネル122の境界を形成する壁に形成され、マイクロ流体隔離ペン124、126、128、130の1つ又は複数の開口部の逆に位置し得る。幾つかの実施形態では、トラップ132は、流路106から1つの微小物体を受け取り、又は捕捉するように構成される。幾つかの実施形態では、トラップ132は、流路106から複数の微小物体を受け取り、又は捕捉するように構成される。幾つかの場合、トラップ132は、1つの標的微小物体の容積に概ね等しい容積を含む。
トラップ132は、標的微小物体のトラップ132へのフローを支援するように構成される開口部を更に含み得る。幾つかの場合、トラップ132は、1つの標的微小物体の寸法に概ね等しい高さ及び幅を有する開口部を含み、それにより、より大きい微小物体が微小物体トラップに入らないようにされる。トラップ132は、トラップ132内への標的微小物体の保持を支援するように構成される他の特徴を更に含み得る。幾つかの場合、トラップ132は、微小流体隔離ペンの開口部と位置合わせされ、微小流体隔離ペンの開口部に関してチャネル122の逆側に配置され、それにより、マイクロ流体チャネル122に平行な軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜されると、捕捉された微小物体は、微小物体を隔離ペンの開口部に落とす軌道でトラップ132を出る。幾つかの場合、トラップ132は、標的微小物体よりも小さく、トラップ132を通るフローを促進し、それによりトラップ132内への微小物体の捕捉確率を増大させるサイド通路134を含む。
幾つかの実施形態では、誘電泳動(DEP)力は、1つ又は複数の電極(図示せず)を介して流体培地180にわたり適用されて(例えば、流路及び/又は隔離ペンにおいて)、内部に配置された微小物体の操作、輸送、分離、及びソートを行う。例えば、幾つかの実施形態では、DEP力は、マイクロ流体回路120の1つ又は複数の部分に適用されて、1つの微小物体を流路106から所望のマイクロ流体隔離ペンに輸送する。幾つかの実施形態では、DEP力を使用して、隔離ペン(例えば、隔離ペン124、126、128、又は130)内の微小物体が隔離ペンから変位しないようにする。更に、幾つかの実施形態では、DEP力を使用して、本開示の形態により前に収集された微小物体を隔離ペンから選択的に取り出す。幾つかの実施形態では、DEP力は、光電子ピンセット(OET)力を含む。
他の実施形態では、光電子ウェッティング(OEW)力が、1つ又は複数の電極(図示せず)を介してマイクロ流体デバイス100の支持構造体104(及び/又はカバー110)での1つ又は複数の位置(例えば、流路及び/又は隔離ペンの画定に役立つ位置)に適用されて、マイクロ流体回路120に配置された液滴の操作、輸送、分離、及びソートを行う。例えば、幾つかの実施形態では、OEW力は支持構造体104(及び/又はカバー110)の1つ又は複数の位置に適用されて、1つの液滴を流路106から所望のマイクロ流体隔離ペンに輸送する。幾つかの実施形態では、OEW力を使用して、隔離ペン(例えば、隔離ペン124、126、128、又は130)内の液滴が隔離ペンから変位しないようにする。更に、幾つかの実施形態では、OEW力を使用して、本開示の形態により前に収集された液滴を隔離ペンから選択的に取り出す。
幾つかの実施形態では、DEP力及び/又はOEW力は、フロー及び/又は重力等の他の力と組み合わせられて、マイクロ流体回路120内の微小物体及び/又は液滴の操作、輸送、分離、及びソートを行う。例えば、エンクロージャ102は傾斜して(例えば、傾斜デバイス190により)、流路106及び流路106内に配置された微小物体をマイクロ流体隔離ペンの上に位置決めすることができ、重力は、微小物体及び/又は液滴をペン内に輸送することができる。幾つかの実施形態では、DEP力及び/又はOEW力は、他の力の前に適用することができる。他の実施形態では、DEP力及び/又はOEW力は、他の力の後に適用することができる。更に他の場合、DEP力及び/又はOEW力は、他の力と同時に又は他の力と交互に適用することができる。
図1B、図1C及び図2A~図2Hは、本開示の形態に使用することができるマイクロ流体デバイスの様々な実施形態を示す。図1Bは、マイクロ流体デバイス200が光学作動動電学的デバイスとして構成される実施形態を示す。光電子ピンセット(OET)構成を有するデバイス及び光電子ウェッティング(OEW)構成を有するデバイスを含め、様々な光学作動動電学的デバイスが当技術分野で既知である。適するOET構成の例は、以下の米国特許文献に示されており、各文献は全体的に参照により本明細書に援用される:米国特許第RE44,711号(Wuら)(元々は米国特許第7,612,355号として発行された);及び米国特許第7,956,339号(Ohtaら)。OEW構成の例は、米国特許第6,958,132号(Chiouら)及び米国特許出願公開第2012/0024708号(Chiouら)に示されており、これらは両方とも全体的に参照により本明細書に援用される。光学作動動電的デバイスの更に別の例は、OET/OEW結合構成を含み、その例は、米国特許出願公開第20150306598号(Khandrosら)及び同第20150306599号(Khandrosら)並びにそれらの対応するPCT公報である国際公開第2015/164846号及び国際公開第2015/164847号に示されており、これらは全て全体的に参照により本明細書に援用される。
卵母細胞、卵子、又は胚を配置し、培養し、及び/又は監視することができる隔離ペンを有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米国特許出願公開第2014/0116881号(出願番号14/060,117、2013年10月22日出願)、米国特許出願公開第2015/0151298号(出願番号14/520,568、2014年10月22日出願)、及び米国特許出願公開第2015/0165436号(出願番号14/521,447、2014年10月22日出願)に記載されており、これらはそれぞれ全体的に参照により援用される。米国特許出願公開第14/520,568号及び同第14/521,447号は、マイクロ流体デバイスで培養された細胞の分泌物を分析する例示的な方法についても記載している。上記の各出願は、光電子ツイーザ(OET)等の誘電泳動(DEP)力を生成するように構成されるか、又は光電子ウェッティング(OEW)を提供するように構成されるマイクロ流体デバイスを更に記載している。例えば、米国特許出願公開第2014/0116881号の図2に示される光電子ツイーザデバイスは、本開示の実施形態で利用して、個々の生物学的微小物体又は生物学的微小物体のグループを選択し移動させることができるデバイスの例である。
原動マイクロ流体デバイス構成
上述したように、システムの制御及び監視機器は、マイクロ流体デバイスのマイクロ流体回路において微小物体又は液滴等の物体を選択し移動させる原動モジュールを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、移動される物体のタイプ及び他の考慮事項に応じて様々な原動構成を有することができる。例えば、誘電泳動(DEP)構成を利用して、マイクロ流体回路において微小物体を選択し移動させることができる。したがって、マイクロ流体デバイス100の支持構造体104及び/又はカバー110は、マイクロ流体回路120内の流体培地180内の微小物体に対してDEP力を選択的に誘導し、それにより個々の微小物体又は微小物体群の選択、捕捉、及び/又は移動を行うDEP構成を含むことができる。代替的に、マイクロ流体デバイス100の支持構造体104及び/又はカバー110は、マイクロ流体回路120内の流体培地180内の液滴に対して電子ウェッティング(EW)力を選択的に誘導し、それにより個々の液滴又は液滴群の選択、捕捉、及び/又は移動を行う電子ウェッティング(EW)構成を含むことができる。
DEP構成を含むマイクロ流体デバイス200の一例を図21B及び図1Cに示す。簡潔にするために、図1B及び図1Cは、開放領域/チャンバ202を有するマイクロ流体デバイス200のエンクロージャ102の部分の側面断面図及び上面断面図をそれぞれ示すが、領域/チャンバ202が、成長チャンバ、隔離ペン、フロー領域、又はフローチャネル等のより詳細な構造を有する流体回路要素の部分であり得ることを理解されたい。更に、マイクロ流体デバイス200は他の流体回路要素を含み得る。例えば、マイクロ流体デバイス200は、マイクロ流体デバイス100に関して本明細書に記載される等の複数の成長チャンバ、或いは隔離ペン及び/又は1つ若しくは複数のフロー領域又はフローチャネルを含むことができる。DEP構成は、マイクロ流体デバイス200の任意のそのような流体回路要素に組み込み得るか、又はその部分を選択し得る。上記又は下記の任意のマイクロ流体デバイス構成要素及びシステム構成要素がマイクロ流体デバイス200内に組みこまれ得、及び/又はマイクロ流体デバイス200と組み合わせて使用し得ることを更に理解されたい。例えば、培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び他のモジュール168の1つ又は複数を含む上述した制御及び監視機器152を含むシステム150は、マイクロ流体デバイス200と併用し得る。
図1Bにおいて見られるように、マイクロ流体デバイス200は、下部電極204及び下部電極204に重なる電極活性化基板206を有する支持構造体104と、上部電極210を有するカバー110とを含み、上部電極210は下部電極204から離間される。上部電極210及び電極活性化基板206は、領域/チャンバ202の両面を画定する。したがって、領域/チャンバ202に含まれる培地180は、上部電極210と電極活性化基板206との間に抵抗接続を提供する。下部電極204と上部電極210との間に接続され、領域/チャンバ202でのDEP力の生成のために必要に応じて電極間にバイアス電圧を生成するように構成される電源212も示されている。電源212は、例えば、交流(AC)電源であり得る。
特定の実施形態では、図1B及び図1Cに示されるマイクロ流体デバイス200は、光学作動DEP構成を有することができる。したがって、原動モジュール162により制御し得る光源216からの光218の変更パターンは、電極活性化基板206の内面208の領域214においてDEP電極の変更パターンを選択的に活性化又は非活性化することができる。(以下ではDEP構成を有するマイクロ流体デバイスの領域214を「DEP電極領域」と呼ぶ)。図1Cに示されるように、電極活性化基板206の内面208に向けられる光パターン218は、正方形等のパターンで、選択されたDEP電極領域214a(白色で示される)を照明することができる。照明されないDEP電極領域214(斜線が付される)を以下では「暗」DEP電極領域214と呼ぶ。DEP電極活性化基板206を通る相対電気インピーダンス(すなわち、下部電極204から、フロー領域106において培地180と界面を接する電極活性化基板206の内面208まで)は、各暗DEP電極領域214での領域/チャンバ202において培地180を通る(すなわち、電極活性化基板206の内面208からカバー110の上部電極210まで)相対電気インピーダンスよりも大きい。しかし、照明DEP電極領域214aは、各照明DEP電極領域214aでの領域/チャンバ202での培地180を通る相対インピーダンス未満である電極活性化基板206を通る相対インピーダンスの低減を示す。
電源212が活性化されている場合、上記のDEP構成は、照明DEP電極領域214aと隣接する暗DEP電極領域214との間に流体培地180内で電場勾配を生じさせ、次に、電場勾配は、流体培地180内の付近の微小物体(図示せず)を引き寄せるか、又は排斥する局所DEP力を生成する。したがって、流体培地180内の微小物体を引き寄せるか、又は排斥するDEP電極は、光源216からマイクロ流体デバイス200に投射される光パターン218を変更することにより、領域/チャンバ202の内面208での多くの異なるそのようなDEP電極領域214において選択的に活性化及び非活性化することができる。DEP力が付近の微小物体を引き寄せるか、それとも排斥するかは、電源212の周波数並びに培地180及び/又は微小物体(図示せず)の誘電特性等のパラメータに依存し得る。
図1Cに示される照明DEP電極領域214aの正方形パターン220は単なる例である。マイクロ流体デバイス200に投射される光パターン218により、任意のパターンのDEP電極領域214を照明する(それにより活性化する)ことができ、照明/活性化されるDEP電極領域214のパターンは、光パターン218を変更又は移動させることにより繰り返し変更することができる。
幾つかの実施形態では、電極活性化基板206は、光伝導性材料を含むか、又は光導電性材料からなることができる。そのような実施形態では、電極活性化基板206の内面208は、特徴を有さないことができる。例えば、電極活性化基板206は、水素化非晶質シリコン(a-Si:H)の層を含むか、又はa-Si:Hの層からなることができる。a-Si:Hは、例えば、約8%~40%の水素を含むことができる(水素原子の数/水素及びケイ素原子の総数に100を掛けたものとして計算)。a-Si:Hの層は厚さ約500nm~約2.0μmを有することができる。そのような実施形態では、DEP電極領域214は、光パターン218により、電極活性化基板206の内面208上の任意の場所に任意のパターンで作成することができる。したがって、DEP電極領域214の数及びパターンは、固定される必要がなく、光パターン218に対応することができる。上述したような光伝導層を含むDEP構成を有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米国特許第RE44,711号(Wuら)(元々は米国特許第7,612,355号として発行された)に記載されており、その内容全体は参照により本明細書に援用される。
他の実施形態では、電極活性化基板206は、半導体分野で既知等の半導体集積回路を形成する複数のドープ層、絶縁層(又は領域)、及び導電層を含む基板を含むことができる。例えば、電極活性化基板206は、例えば、横型バイポーラフォトトランジスタを含む複数のフォトトランジスタを含むことができ、各フォトトランジスタはDEP電極領域214に対応する。代替的に、電極活性化基板206は、フォトトランジスタスイッチにより制御される電極(例えば、導電性金属電極)を含むことができ、そのような各電極はDEP電極領域214に対応する。電極活性化基板206は、パターンになったそのようなフォトトランジスタ又はフォトトランジスタ制御される電極を含むことができる。パターンは、例えば、図2Bに示される等、行列に配置された実質的に正方形のフォトトランジスタ又はフォトトランジスタ制御される電極のアレイであり得る。代替的に、パターンは、六角形格子を形成する実質的に六角形のフォトトランジスタ又はフォトトランジスタ制御される電極のアレイであり得る。パターンに関係なく、電気回路素子は、電極活性化基板206の内面208におけるDEP電極領域214と下部電極210との間に電気接続を形成することができ、それらの電気接続(すなわち、フォトトランジスタ又は電極)は、光パターン218により選択的に活性化又は非活性化することができる。活性化されない場合、各電気接続は、電極活性化基板206を通る(すなわち、下部電極204から、領域/チャンバ202内の培地180と界面を接する電極活性化電極206の内面208まで)相対インピーダンスが、対応するDEP電極領域214における培地180を通る(すなわち、電極活性化基板206の内面208からカバー110の上部電極210まで)相対インピーダンスよりも大きいような高いインピーダンスを有することができる。しかし、光パターン218内の光により活性化される場合、電極活性化基板206を通る相対インピーダンスは、各照明DEP電極領域214での培地180を通る相対インピーダンス未満であり、それにより、上述したように、対応するDEP電極領域214でのDEP電極を活性化する。したがって、培地180内の微小物体(図示せず)を引き寄せるか、又は排斥するDEP電極は、光パターン218により決まるように、領域/チャンバ202での電極活性化基板206の内面208での多くの異なるDEP電極領域214において選択的に活性化及び非活性化することができる。
フォトトランジスタを含む電極活性化基板を有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米国特許第7,956,339号(Ohtaら)に記載されており(例えば、図21及び図22に示されるデバイス300並びにその説明を参照されたい)、この内容全体は参照により本明細書に援用される。フォトトランジスタスイッチにより制御される電極を含む電極活性化基板を有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米国特許出願公開第2014/0124370号(Shortら)に記載されており(例えば、図面全体を通して示されるデバイス200、400、500、600、及び900並びにその説明を参照されたい)、これらの内容全体は参照により本明細書に援用される。
DEP構成のマイクロ流体デバイスの幾つかの実施形態では、上部電極210はエンクロージャ102の第1の壁(又はカバー110)の一部であり、電極活性化基板206及び下部電極204は、エンクロージャ102の第2の壁(又は支持構造体104)の一部である。領域/チャンバ202は、第1の壁と第2の壁との間にあり得る。他の実施形態では、電極210は第2の壁(又は支持構造体104)の一部であり、電極活性化基板206及び/又は電極210の一方又は両方は、第1の壁(又はカバー110)の一部である。更に、光源216は代替的に、下からエンクロージャ102を照明するのに使用することができる。
DEP構成を有する図1B及び図1Cのマイクロ流体デバイス200を用いて、原動モジュール162は、光パターン218をマイクロ流体デバイス200に投射して、微小物体を囲み捕捉するパターン(例えば、正方形パターン220)で電極活性化基板206の内面208のDEP電極領域214aでの第1の組の1つ又は複数のDEP電極を活性化することにより、領域/チャンバ202での培地180内の微小物体(図示せず)を選択することができる。次に、原動モジュール162は、光パターン218をマイクロ流体デバイス200に相対して移動させて、DEP電極領域214での第2の組の1つ又は複数のDEP電極を活性化することにより、インサイチューで生成され捕捉された微小物体を移動させることができる。代替的に、マイクロ流体デバイス200を光パターン218に相対して移動させることができる。
他の実施形態では、マイクロ流体デバイス200は、電極活性化基板206の内面208でのDEP電極の光活性化に依存しないDEP構成を有することができる。例えば、電極活性化基板206は、少なくとも1つの電極を含む表面(例えば、カバー110)とは逆に位置する、選択的にアドレス指定可能且つエネルギー付与可能な電極を含むことができる。スイッチ(例えば、半導体基板のトランジスタスイッチ)を選択的に開閉して、DEP電極領域214でのDEP電極を活性化又は非活性化し得、それにより、活性化されたDEP電極の近傍での領域/チャンバ202内の微小物体(図示せず)に対する正味DEP力を生成する。電源212の周波数及び培地(図示せず)及び/又は領域/チャンバ202内の微小物体の誘電特性等の特徴に応じて、DEP力は、付近の微小物体を引き寄せるか、又は排斥することができる。DEP電極の組(例えば、正方形パターン220を形成するDEP電極領域214の組における)を選択的に活性化又は非活性化することにより、領域/チャンバ202における1つ又は複数の微小物体を捕捉し、領域/チャンバ202内で移動させることができる。図1Aの原動モジュール162は、そのようなスイッチを制御し、したがって、DEP電極の個々の電極を活性化及び非活性化して、領域/チャンバ202の周囲の特定の微小物体(図示せず)を選択、捕捉、及び移動させることができる。選択的にアドレス指定可能且つエネルギー付与可能な電極を含むDEP構成を有するマイクロ流体デバイスは、当技術分野で既知であり、例えば、米国特許第6,294,063号(Beckerら)及び同第6,942,776号(Medoro)に記載されており、これらの内容全体は参照により本明細書に援用される。
更なる別例として、マイクロ流体デバイス200は電子ウェッティング(EW)構成を有することができ、EW構成は、DEP構成の代わりであってもよく、又はDEP構成を有する部分とは別個のマイクロ流体デバイス200の部分に配置されてもよい。EW構成は、光電子ウェッティング構成又は誘電体上の電子ウェッティング(EWOD)構成であり得、これらは両方とも当技術分野で既知である。幾つかのEW構成では、支持構造体104は、以下に記載するように、誘電層(図示せず)と下部電極204との間に挟まれた電極活性化基板206を有する。誘電層は、疎水性材料を含むことができ、及び/又は疎水性材料でコーティングすることができる。EW構成を有するマイクロ流体デバイス200の場合、支持構造体104の内面208は、誘電層の内面又はその疎水性コーティングである。
誘電層(図示せず)は、1つ又は複数の酸化物層を含むことができ、厚さ約50nm~約250nm(例えば、約125nm~約175nm)を有することができる。特定の実施形態では、誘電層は、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウム)等の酸化物の層を含むことができる。特定の実施形態では、誘電層は、酸化ケイ素又は窒化物等の金属酸化物以外の誘電材料を含むことができる。厳密な組成及び厚さに関係なく、誘電層は約10kオーム~約50kオームのインピーダンスを有することができる。
幾つかの実施形態では、領域/チャンバ202に向かって内側に面した誘電層の表面は、疎水性材料でコーティングされる。疎水性材料は、例えば、フッ素化炭素分子を含むことができる。フッ素化炭素分子の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、TEFLON(登録商標)又はポリ(2,3-ジフルオロメチレニル-ペルフルオロテトラヒドロフラン)(例えば、CYTOP(商標))などのパーフルオロポリマーが挙げられる。疎水性材料を構成する分子は、誘電層の表面に共有結合され得る。例えば、疎水性材料の分子は、シロキサン基、ホスホン酸基、又はチオール基等のリンカーにより、誘電層の表面に共有結合され得る。したがって、幾つかの実施形態では、疎水性材料は、アルキル末端シロキサン、アルキル末端ホスホン酸、又はアルキル末端チオールを含むことができる。アルキル基は長鎖炭化水素(例えば、少なくとも10個の炭素又は少なくとも16個、18個、20個、22個、若しくはそれを超える個数の炭素の鎖を有する)であり得る。代替的に、フッ素化(又はパーフルオロ化)炭素鎖をアルキル基の代わりに使用することができる。したがって、例えば、疎水性材料は、フルオロアルキル末端シロキサン、フルオロアルキル末端ホスホン酸、又はフルオロアルキル末端チオールを含むことができる。幾つかの実施形態では、疎水性コーティングは約10nm~約50nmの厚さを有する。他の実施形態では、疎水性コーティングは厚さ10nm未満(例えば、5nm未満又は約1.5~3.0nm)を有する。
幾つかの実施形態では、電子ウェッティング構成を有するマイクロ流体デバイス200のカバー110も同様に疎水性材料(図示せず)でコーティングされる。疎水性材料は、支持構造体104の誘電層のコーティングに使用されるものと同じ疎水性材料であり得、疎水性コーティングは、支持構造体104の誘電層の疎水性コーティングの厚さと略同じである厚さを有することができる。更に、カバー110は、支持構造体104の様式で、誘電層と上部電極210との間に挟まれた電極活性化基板206を含むことができる。電極活性化基板206及びカバー110の誘電層は、電極活性化基板206及び支持構造体104の誘電層と同じ組成及び/又は寸法を有することができる。したがって、マイクロ流体デバイス200は2つの電子ウェッティング表面を有することができる。
幾つかの実施形態では、電子活性化基板206は、上述した光伝導性材料等の光伝導性材料を含むことができる。したがって、特定の実施形態では、電極活性化基板206は、水素化非晶質シリコン(a-Si:H)の層を含むか、又はa-Si:Hの層からなることができる。a-Si:Hは、例えば、約8%~40%の水素を含むことができる(水素原子の総数及びケイ素原子の総数/水素原子の総数に100を掛けたものとして計算)。a-Si:Hの層は厚さ約500nm~約2.0μmを有することができる。代替的に、電子活性化基板206は、上述したように、フォトトランジスタスイッチにより制御される電極(例えば、導電性金属電極)を含むことができる。光電子ウェッティング構成を有するマイクロ流体デバイスは当技術分野で既知であり、及び/又は当技術分野で既知の電極活性化基板を用いて構築することができる。例えば、内容全体が参照により本明細書に援用される米国特許第6,958,132号(Chiouら)には、a-Si:H等の光伝導性材料を有する光電子ウェッティング構成が開示されており、一方、上記で引用した米国特許出願公開第2014/0124370号(Shortら)には、フォトトランジスタスイッチにより制御される電極を有する電極活性化基板が開示されている。
したがって、マイクロ流体デバイス200は光電子ウェッティング構成を有することができ、光パターン218を使用して、電極活性化基板206での光応答性EW領域又は光応答性EW電極を活性化することができる。電極活性化基板206のそのような活性化されたEW領域又はEW電極は、支持構造体104の内面208(すなわち、重なった誘電層の内面又はその疎水性コーティング)において電子ウェッティング力を生成することができる。電子活性化基板206に入射する光パターン218を変更する(又は光源216に相対してマイクロ流体デバイス200を移動させる)ことにより、支持構造体104の内面208に接触する液滴(例えば、水性培地、水溶液又は水性溶媒を含む)は、領域/チャンバ202内に存在する不混和流体(例えば、油媒体)を通って移動することができる。
他の実施形態では、マイクロ流体デバイス200は、EWOD構成を有することができ、電極活性化基板206は、活性化のために光に依存しない、選択的にアドレス指定可能且つエネルギー付与可能な電極を含むことができる。したがって、電極活性化基板206は、パターンになったそのような電子ウェッティング(EW)電極を含むことができる。パターンは、例えば、図2Bに示される等の行列に配置された略正方形のEW電極のアレイであり得る。代替的に、パターンは、六角形格子を形成する略六角形のEW電極のアレイであり得る。パターンに関係なく、EW電極は、電気スイッチ(例えば、半導体基板のトランジスタスイッチ)により選択的に活性化(又は非活性化)することができる。電極活性化基板206でのEW電極を選択的に活性化及び非活性化することにより、重なった誘電層の内面208又はその疎水性コーティングに接触する液滴(図示せず)は、領域/チャンバ202内で移動することができる。図1Aの原動モジュール162は、そのようなスイッチを制御することができ、したがって、個々のEW電極を活性化及び非活性化して、領域/チャンバ202の周囲で特定の液滴を選択し移動させることができる。選択的にアドレス指定可能且つエネルギー付与可能な電極を有するEWOD構成を有するマイクロ流体デバイスは、当技術分野で既知であり、例えば、米国特許第8,685,344号(Sundarsanら)に記載されており、この内容全体は参照により本明細書に援用される。
マイクロ流体デバイス200の構成に関係なく、電源212を使用して、マイクロ流体デバイス200の電気回路に給電する電位(例えば、AC電源電位)を提供することができる。電源212は、図1で参照される電源192と同じ又は電源192の構成要素であり得る。電源212は、上部電極210及び下部電極204にAC電圧及び/又は電流を提供するように構成され得る。AC電圧の場合、電源212は、上述したように、領域/チャンバ202内の個々の微小物体(図示せず)を捕捉して移動させ、及び/又はこれらも上述したように、領域/チャンバ202内の支持構造体104の内面208(すなわち、誘電層及び/又は誘電層上の疎水性コーティング)のウェッティング特性を変更するのに十分に強い正味DEP力(又は電子ウェッティング力)を生成するのに十分な周波数範囲及び平均又はピーク電力(例えば、電圧又は電流)を提供することができる。そのような周波数範囲及び平均又はピーク電力範囲は、当技術分野で既知である。例えば、米国特許第6,958,132号(Chiouら)、米国特許第RE44,711号(Wuら)(元々は米国特許第7,612,355号として発行された)、並びに米国特許出願公開第2014/0124370号(Shortら)、同第2015/0306598号(Khandrosら)、及び同第2015/0306599号(Khandrosら)を参照されたい。
隔離ペン。一般的な隔離ペン224、226、及び228の非限定的な例は、図2A~図2Cに示されるマイクロ流体デバイス230内に示されている。各隔離ペン224、226、及び228は、分離領域240と、分離領域240をチャネル122に流体接続する接続領域236とを画定する分離構造体232を含むことができる。接続領域236は、マイクロ流体チャネル122への基端開口部234及び分離領域240への先端開口部238を含むことができる。接続領域236は、マイクロ流体チャネル122から隔離ペン224、226、228内に流れる流体培地(図示せず)のフローの最大侵入深さが分離領域240内に及ばないように構成され得る。したがって、接続領域236に起因して、隔離ペン224、226、228の分離領域240内に配置された微小物体(図示せず)又は他の材料(図示せず)は、チャネル122内の培地180のフローから分離され、マイクロ流体チャネル122内の培地180のフローにより実質的に影響されないことができる。
図2A~図2Cの隔離ペン224、226、及び228は、マイクロ流体チャネル122に対して直接開く単一の開口部をそれぞれ有する。隔離ペンの開口部は、マイクロ流体チャネル122から横に開く。電極活性化基板206がマイクロ流体チャネル122及び隔離ペン224、226、及び228の両方の下にある。隔離ペンのフロアを形成する、隔離ペンのエンクロージャ内の電極活性化基板206の上面は、マイクロ流体デバイスのフローチャネル(又はそれぞれフロー領域)のフロアを形成する、マイクロ流体チャネル122(又はチャネルが存在しない場合、フロー領域)内の電極活性化基板206の上面と同じ高さ又は略同じ高さに配置される。電極活性化基板206は、特徴を有さなくてもよく、又は約3μm未満、約2.5μm未満、約2μm未満、約1.5μm未満、約1μm未満、約0.9μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、約0.2μm未満、約0.1μm未満、又はそれを下回って最高隆起部から最低陥没部まで変化する不規則又はパターン化表面を有してもよい。マイクロ流体チャネル122(又はフロー領域)及び隔離ペンの両方にわたる基板の上面の隆起の変動は、隔離ペンの壁の高さ又はマイクロ流体デバイスの壁の高さの約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.5%未満、約0.3%未満、又は約0.1%未満であり得る。マイクロ流体デバイス200について詳細に説明したが、これは、本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイス100、230、250、280、290、320、400、450、500、700にも当てはまる。
したがって、マイクロ流体チャネル122は掃引領域の例であり得、隔離ペン224、226、228の分離領域240は非掃引領域の例であり得る。述べたように、マイクロ流体チャネル122及び隔離ペン224、226、228は、1つ又は複数の流体培地180を含むように構成され得る。図2A~図2Bに示される例では、ポート222はマイクロ流体チャネル122に接続され、流体培地180がマイクロ流体デバイス230内に導入又は外に取り出せるようにすることができる。流体培地180を導入する前に、マイクロ流体デバイスは、二酸化炭素ガス等のガスでプライミングし得る。マイクロ流体デバイス230が流体培地180を含むと、マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242は選択的に生成及び停止させることができる。例えば、示されるように、ポート222はマイクロ流体チャネル122の異なる位置(例えば、両端部)に配置することができ、流入口として機能するあるポート222から流出口として機能する別のポート222への培地のフロー242を生成することができる。
図2Cは、本開示による隔離ペン224の例の詳細図を示す。微小物体246の例も示されている。
既知のように、隔離ペン224の基端開口部234を越えたマイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242は、隔離ペン224内及び/又は外への培地180の2次フロー244を生じさせることができる。隔離ペン224の分離領域240内の微小物体246を2次フロー244から分離するために、隔離ペン224の接続領域236の長さLcon(すなわち、基端開口部234から先端開口部238まで)は、接続領域236への2次フロー244の侵入深さDpよりも大きい値であるはずである。2次フロー244の侵入深さDpは、マイクロ流体チャネル122内を流れる流体培地180の速度並びにマイクロ流体チャネル122及びマイクロ流体チャネル122への接続領域236の基端開口部234の構成に関連する様々なパラメータに依存する。所与のマイクロ流体デバイスでは、マイクロ流体チャネル122及び開口部234の構成は固定され、一方、マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242の速度は可変である。したがって、隔離ペン224毎に、2次フロー244の侵入深さDpが接続領域236の長さLconを超えないことを保証するチャネル122内の流体培地180のフロー242の最高速度Vmaxを識別することができる。マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242の流量が最大速度Vmaxを超えない限り、結果として生成される、マイクロ流体チャネル122及び接続領域236への2次フロー244を制限することができ、分離領域240に入らないようにすることができる。したがって、マイクロ流体チャネル122内の培地180のフロー242は、微小物体246を分離領域240外に引き込まない。むしろ、分離領域240内に配置された微小物体246は、マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242に関係なく、分離領域240内に留まる。
更に、マイクロ流体チャネル122内の培地180のフロー242の流量がVmaxを超えない限り、マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242は、様々な粒子(例えば、微粒子及び/又はナノ粒子)をマイクロ流体チャネル122から隔離ペン224の分離領域240内に移動させない。したがって、接続領域236の長さLconを2次フロー244の最大侵入深さDpよりも大きくすることで、ある隔離ペン224の、マイクロ流体チャネル122又は別の隔離ペン(例えば、図2Dの隔離ペン226、228)からの様々な粒子による汚染を回避することができる。
マイクロ流体チャネル122及び隔離ペン224、226、228の接続領域236は、マイクロ流体チャネル122内の培地180のフロー242により影響を及ぼすことができるため、マイクロ流体チャネル122及び接続領域236は、マイクロ流体デバイス230の掃引(又はフロー)領域と見なすことができる。他方、隔離ペン224、226、228の分離領域240は、非掃引(又は非フロー)領域と見なすことができる。例えば、マイクロ流体チャネル122内の第1の流体培地180中の成分(図示せず)は、実質的に、マイクロ流体チャネル122から接続領域236を通り分離領域240内の第2の流体培地248への第1の培地180の成分の拡散によってのみ、分離領域240内の第2の流体培地248と混合することができる。同様に、分離領域240内の第2の培地248の成分(図示せず)は、実質的に、分離領域240から接続領域236を通り、マイクロ流体チャネル122内の第1の培地180への第2の培地248の成分の拡散によってのみ、マイクロ流体チャネル122内の第1の培地180と混合することができる。幾つかの実施形態では、拡散による隔離ペンの分離領域とフロー領域との間での流体媒体交換の程度は、流体交換の約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%よりも高い割合である。第1の培地180は、第2の培地248と同じ培地であってもよく、又は異なる培地であってもよい。更に、第1の培地180及び第2の培地248は、同じ培地として開始され、異なるようになることができる(例えば、分離領域240内の1つ又は複数の細胞により又はマイクロ流体チャネル122を通って流れる培地180を変更することにより、第2の培地248を調整することを通して)。
マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242により生じる2次フロー244の最大侵入深さDpは、上述したように、幾つかのパラメータに依存し得る。そのようなパラメータの例としては、マイクロ流体チャネル122の形状(例えば、チャネルは、培地を接続領域236に向けることができ、接続領域236から培地を逸らすことができ、又はマイクロ流体チャネル122への接続領域236の基端開口部234に実質的に直交する方向に培地を向けることができる)、基端開口部234でのマイクロ流体チャネル122の幅Wch(又は断面積)及び基端開口部234での接続領域236の幅Wcon(又は断面積)、マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242の速度V、第1の培地180及び/又は第2の培地248の粘度等が挙げられる。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体チャネル122及び隔離ペン224、226、228の寸法は、マイクロ流体チャネル122内の流体培地180のフロー242のベクトルに対して以下のように向けることができる:マイクロ流体チャネル幅Wch(又はマイクロ流体チャネル122の断面積)は、培地180のフロー242に略直交することができ、開口部234での接続領域236の幅Wcon(又は断面積)は、マイクロ流体チャネル122内の培地180のフロー242に略平行であり得、及び/又は接続領域の長さLconは、マイクロ流体チャネル122内の培地180のフロー242に略直交することができる。上記は単なる例であり、マイクロ流体チャネル122及び隔離ペン224、226、228の相対位置は、互いに対して他の向きであり得る。
図2Cに示されるように、接続領域236の幅Wconは、基端開口部234から先端開口部238まで均一であり得る。したがって、先端開口部238での接続領域236の幅Wconは、基端開口部234での接続領域236の幅Wconについて本明細書において識別された任意の範囲内にあり得る。代替的に、先端開口部238での接続領域236の幅Wconは、基端開口部234での接続領域236の幅Wconよりも大きい値であり得る。
図2Cに示されるように、先端開口部238での分離領域240の幅は、基端開口部234での基端領域236の幅Wconと略同じであり得る。したがって、先端開口部238での分離領域240の幅は、基端開口部234での接続領域236の幅Wconについて本明細書において識別された任意の範囲内であり得る。代替的に、先端開口部238での分離領域240の幅は、基端開口部234での接続領域236の幅Wconよりも大きくてもよく、又は小さくてもよい。更に、先端開口部238は基端開口部234よりも小さくてよく、接続領域236の幅Wconは、基端開口部234と先端開口部238との間で狭め得る。例えば、接続領域236は、様々な異なるジオメトリ(例えば、接続領域を面取りする、接続領域に勾配を付ける)を使用して基端開口部と先端開口部との間で狭め得る。更に、接続領域236の任意の部分又はサブ部分を狭め得る(例えば、基端開口部234に隣接する接続領域の部分)。
図2D~図2Fは、図1Aの各マイクロ流体デバイス100、回路132、及びチャネル134の変形形態であるマイクロ流体回路262及びフローチャネル264を含むマイクロ流体デバイス250の別の例示的な実施形態を示す。マイクロ流体デバイス250は、上述した隔離ペン124、126、128、130、224、226、又は228の追加の変形形態である複数の隔離ペン266も有する。特に、図2D~図2Fに示されるデバイス250の隔離ペン266をデバイス100、200、230、280、290、320、400、450、500、700での上述した隔離ペン124、126、128、130、224、226、又は228のいずれかで置換可能なことを理解されたい。同様に、マイクロ流体デバイス250は、マイクロ流体デバイス100の別の変形形態であり、上述したマイクロ流体デバイス100、200、230、280、290、320、400、450、500、700と同じ又は異なるDEP構成及び本明細書に記載される任意の他のマイクロ流体システム構成要素を有することもできる。
図2D~図2Fのマイクロ流体デバイス250は、支持構造体(図2D~図2Fでは見えないが、図1Aに示されるデバイス100の支持構造体104と同じ又は概して同様であり得る)、マイクロ流体回路構造256、及びカバー(図2F~図2Fでは見えないが、図1Aに示されるデバイス100のカバー122と同じ又は概して同様であり得る)を含む。マイクロ流体回路構造256は枠252及びマイクロ流体回路材料260を含み、これらは図1Aに示されるデバイス100の枠114及びマイクロ流体回路材料116と同じ又は概して同様であり得る。図2Dに示されるように、マイクロ流体回路材料260により画定されるマイクロ流体回路262は複数のチャネル264(2つが示されるが、より多くのチャネルがあり得る)を含むことができ、チャネル264に複数の隔離ペン266が流体接続される。
各隔離ペン266は、分離構造272、分離構造272内の分離領域270、及び接続領域268を含むことができる。マイクロ流体チャネル264の基端開口部274から分離構造272での先端開口部276まで、接続領域268はマイクロ流体チャネル264を分離領域270に流体接続する。一般に、図2B及び図2Cの上記考察によれば、チャネル264内の第1の流体培地254のフロー278は、マイクロ流体チャネル264から隔離ペン266の各接続領域268内及び/又は外への第1の培地254の2次フロー282をもたらすことができる。
図2Eに示されるように、各隔離ペン266の接続領域268は、一般に、チャネル264の基端開口部274と分離構造272の先端開口部276との間に延びるエリアを含む。接続領域268の長さLconは、2次フロー282の最大侵入深さDpよりも大きい値であり得、その場合、2次フロー282は、分離領域270に向かってリダイレクトされずに接続領域268内に延びる(図2Dに示されるように)。代替的に、図2Fに示されるように、接続領域268は、最大侵入深さDpよりも小さい長さLconを有することができ、その場合、2次フロー282は、接続領域268を通って延び、分離領域270に向かってリダイレクトされる。この後者の状況では、接続領域268の長さLc1及びLc2との和は最大侵入深さDpよりも大きく、したがって、2次フロー282は分離領域270内に延びない。接続領域268の長さLconが侵入深さDpよりも大きいか否か又は接続領域268の長さLc1及びLc2の和が侵入深さDpよりも大きいか否かに関係なく、最大速度Vmaxを超えないチャネル264内の第1の培地254のフロー278は、侵入深さDpを有する2次フローをもたらし、隔離ペン266の分離領域270内の微小物体(示されていないが、図2Cに示される微小物体246と同じ又は概して同様であり得る)は、チャネル264内の第1の培地254のフロー278により分離領域270外に引き出されない。チャネル264内のフロー278は、様々な材料(図示せず)もチャネル264から隔離ペン266の分離領域270内に引き込まない。したがって、マイクロ流体チャネル264内の第1の培地254内の成分をマイクロ流体チャネル264から隔離ペン266の分離領域270内の第2の培地258内に移動させることができる唯一の機構は、拡散である。同様に、隔離ペン266の分離領域270内の第2の培地258内の成分を分離領域270からマイクロ流体チャネル264内の第1の培地254内に移動させることができる唯一の機構も拡散である。第1の培地254は、第2の培地258と同じ培地であり得、又は第1の培地254は、第2の培地258と異なる培地であり得る。代替的に、第1の培地254及び第2の培地258は、同じ培地から始まり、例えば、分離領域270内の1つ又は複数の細胞により又はマイクロ流体チャネル264を通って流れる培地を変更することにより、第2の培地を調整することを通して異なるようになることができる。
図2Eに示されるように、マイクロ流体チャネル264内のマイクロ流体チャネル264の幅Wch(すなわち、図2Dにおいて矢印278で示されるマイクロ流体チャネルを通る流体培地フローの方向を横断してとられる)は、基端開口部274の幅Wcon1に略直交することができ、したがって、先端開口部276の幅Wcon2に略平行であり得る。しかし、基端開口部274の幅con1及び先端開口部276の幅Wcon2は、互いに略直交する必要はない。例えば、基端開口部274の幅Wcon1が向けられる軸(図示せず)と、先端開口部276の幅Wcon2が向けられる別の軸との間の角度は、直交以外であり得、したがって、90°以外であり得る。代替的に向けられる角度の例としては、以下の任意の範囲内の角度を含む:約30°~約90°、約45°~約90°、約60°~約90°等。
隔離ペンの様々な実施形態(例えば、124、126、128、130、224、226、228、又は266)では、分離領域(例えば、240又は270)は、複数の微小物体を含むように構成される。他の実施形態では、分離領域は、1つのみ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は同様の相対的に少数の微小物体を含むように構成され得る。したがって、分離領域の容積は、例えば、少なくとも1×106立方μm、少なくとも2×106立方μm、少なくとも4×106立方μm、少なくとも6×106立方μm、又はこれを超える大きさであり得る。
隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)でのマイクロ流体チャネル(例えば、122)の幅Wchは、以下の任意の範囲内であり得る:約50~1000μm、約50~500μm、約50~400μm、約50~300μm、約50~250μm、約50~200μm、約50~150μm、約50~100μm、約70~500μm、約70~400μm、約70~300μm、約70~250μm、約70~200μm、約70~150μm、約90~400μm、90~300μm、約90~250μm、約90~200μm、約90~150μm、約100~300μm、約100~250μm、約100~200μm、約100~150μm、及び約100~120μm。幾つかの他の実施形態では、基端開口部(例えば、234)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、122)の幅Wchは、約200~800μm、約200~700μm、又は約200~600μmの範囲であり得る。上記は単なる例であり、マイクロ流体チャネル122の幅Wchは、他の範囲(例えば、上記列挙された任意の端点により定義される範囲)であってもよい。更に、マイクロ流体チャネル122の幅Wchは、隔離ペンの基端開口部以外のマイクロ流体チャネルの領域において、これらの任意の範囲であるように選択することができる。
幾つかの実施形態では、隔離ペンは、約30~約200μm又は約50~約150μmの高さを有する。幾つかの実施形態では、隔離ペンは、約1×104~約3×106平方μm、約2×104~約2×106平方μm、約4×104~約1×106平方μm、約2×104~約5×105平方μm、約2×104~約1×105平方μm、又は約2×105~約2×106平方μmの断面積を有する。
隔離ペンの様々な実施形態において、基端開口部(例えば、234)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、122)の高さHchは、以下の任意の範囲内であり得る:20~100μm、20~90μm、20~80μm、20~70μm、20~60μm、20~50μm、30~100μm、30~90μm、30~80μm、30~70μm、30~60μm、30~50μm、40~100μm、40~90μm、40~80μm、40~70μm、40~60μm、又は40~50μm。上記は単なる例であり、マイクロ流体チャネル(例えば、122)の高さHchは、他の範囲(例えば、上記列挙された任意の端点により定義される範囲)であってもよい。マイクロ流体チャネル122の高さHchは、隔離ペンの基端開口部以外のマイクロ流体チャネルの領域において、これらの任意の範囲であるように選択することができる。
隔離ペンの様々な実施形態において、基端開口部(例えば、234)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、122)の断面積は、以下の任意の範囲内であり得る:500~50,000平方μm、500~40,000平方μm、500~30,000平方μm、500~25,000平方μm、500~20,000平方μm、500~15,000平方μm、500~10,000平方μm、500~7,500平方μm、500~5,000平方μm、1,000~25,000平方μm、1,000~20,000平方μm、1,000~15,000平方μm、1,000~10,000平方μm、1,000~7,500平方μm、1,000~5,000平方μm、2,000~20,000平方μm、2,000~15,000平方μm、2,000~10,000平方μm、2,000~7,500平方μm、2,000~6,000平方μm、3,000~20,000平方μm、3,000~15,000平方μm、3,000~10,000平方μm、3,000~7,500平方μm、又は3,000~6,000平方μm。上記は単なる例であり、基端開口部(例えば、234)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、122)の断面積は、他の範囲(例えば、上記列挙された任意の端点により定義される範囲)であってもよい。
隔離ペンの様々な実施形態では、接続領域(例えば、236)の長さLconは、以下の任意の範囲内であり得る:約1~600μm、5~550μm、10~500μm、15~400μm、20~300μm、20~500μm、40~400μm、60~300μm、80~200μm、又は約100~150μm。上記は単なる例であり、接続領域(例えば、236)の長さLconは、上記例と異なる範囲(例えば、上記列挙される任意の終点により定義される範囲)内であることもできる。
隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)での接続領域(例えば、236)の幅Wconは、以下の任意の範囲内であり得る:20~500μm、20~400μm、20~300μm、20~200μm、20~150μm、20~100μm、20~80μm、20~60μm、30~400μm、30~300μm、30~200μm、30~150μm、30~100μm、30~80μm、30~60μm、40~300μm、40~200μm、40~150μm、40~100μm、40~80μm、40~60μm、50~250μm、50~200μm、50~150μm、50~100μm、50~80μm、60~200μm、60~150μm、60~100μm、60~80μm、70~150μm、70~100μm、及び80~100μm。上記は単なる例であり、基端開口部(例えば、234)の接続領域(例えば、236)の幅Wconは、上記例と異なることができる(例えば、上記列挙される任意の終点により定義される範囲)。
隔離ペンの様々な実施形態において、基端開口部(例えば、234)における接続領域(例えば、236)の幅Wconは、隔離ペンが意図される微小物体(例えば、T細胞、B細胞、卵子、又は胚であり得る生体細胞)の最大寸法と少なくとも同じ大きさであり得る。例えば、卵母細胞、卵子、又は胚が配置される隔離ペンの基端開口部234における接続領域236の幅Wconは、以下の任意の範囲であり得る:約100μm、約110μm、約120μm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、約200μm、約225μm、約250μm、約300μm、又は約100~400μm、約120~350μm、約140~200~200 300μm、又は約140~200μm。上記は単なる例であり、基端開口部(例えば、234)における接続領域(例えば、236)の幅Wconは、上記例と異なってもよい(例えば、上記列挙される任意の端点により定義される範囲)。
隔離ペンの様々な実施形態において、接続領域の基端開口部の幅Wprは、隔離ペンが意図される微小物体(例えば、細胞等の生物学的微小物体)の最大寸法と少なくとも同じ大きさであり得る。例えば、幅Wprは、約50μm、約60μm、約100μm、約200μm、約300μm、又は約50~300μm、約50~200μm、約50~100μm、約75~150μm、約75~100μm、又は約200~300μmの範囲であり得る。
隔離ペンの様々な実施形態において、接続領域(例えば、236)の長さLconと基端開口部234における接続領域(例えば、236)の幅Wconとの比率は、以下の任意の比率以上であり得る:0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、又はこれを超える比率。上記は単なる例であり、接続領域236の長さLconと基端開口部234における接続領域236の幅Wconとの比率は、上記例と異なってもよい。
マイクロ流体デバイスの様々な実施形態100、200、23、250、280、290、320、400、450、500、700において、Vmaxは、約0.2マイクロリッター/秒、約0.3マイクロリッター/秒、約0.4マイクロリッター/秒、約0.5マイクロリッター/秒、約0.6マイクロリッター/秒、約0.7マイクロリッター/秒、約0.8マイクロリッター/秒、約0.9マイクロリッター/秒、約1.0マイクロリッター/秒、約1.1マイクロリッター/秒、約1.2マイクロリッター/秒、約1.3マイクロリッター/秒、約1.4マイクロリッター/秒、又は約1.5マイクロリッター/秒に設定することができる。
隔離ペンを有するマイクロ流体デバイスの様々な実施形態において、隔離ペンの分離領域(例えば、240)の容積は、例えば、少なくとも5×105立方μm、少なくとも8×105立方μm、少なくとも1×106立方μm、少なくとも2×106立方μm、少なくとも4×106立方μm、少なくとも6×106立方μm、少なくとも8×106立方μm、少なくとも1×107立方μm、少なくとも5×107立方μm、少なくとも1×108立方μm、少なくとも5×108立方μm、少なくとも8×108立方μm、又はそれを超える容積であり得る。隔離ペンを有するマイクロ流体デバイスの様々な実施形態において、隔離ペンの容積は、約5×105立方μm、約6×105立方μm、約8×105立方μm、約1×106立方μm、約2×106立方μm、約4×106立方μm、約8×106立方μm、約1×107立方μm、約3×107立方μm、約5×107立方μm、又は約8×107立方μm、又はそれを超える容積であり得る。幾つかの他の実施形態では、隔離ペンの容積は、約1ナノリットル~約50ナノリットル、2ナノリットル~約25ナノリットル、2ナノリットル~約20ナノリットル、約2ナノリットル~約15ナノリットル、又は約2ナノリットル~約10ナノリットルであり得る。
様々な実施形態において、マイクロ流体デバイスは、本明細書に記載される任意の実施形態でのように構成された隔離ペンを有し、その場合、マイクロ流体デバイスは、約5~約10個の隔離ペン、約10~約50個の隔離ペン、約100~約500個の隔離ペン、約200~約1000個の隔離ペン、約500~約1500個の隔離ペン、約1000~約2000個の隔離ペン、又は約1000~約3500個の隔離ペンを有する。隔離ペンは、全て同じサイズである必要はなく、様々な構成(例えば、異なる幅、隔離ペン内の異なる特徴を含み得る。
図2Gは、一実施形態によるマイクロ流体デバイス280を示す。マイクロ流体デバイス280は図2Gに示され、マイクロ流体デバイス100の定型化された図である。実際には、マイクロ流体デバイス280及びその構成回路要素(例えば、チャネル122及び隔離ペン128)は本明細書で考察された寸法を有する。図2Gに示されるマイクロ流体回路120は、2つのポート107、4つの別個のチャネル122、及び4つの別個の流路106を有する。マイクロ流体デバイス280は、各チャネル122に通じる複数の隔離ペンを更に含む。図2Gに示されるマイクロ流体デバイスでは、隔離ペンは、図2Cに示されるペンと同様のジオメトリを有し、したがって、接続領域及び分離領域の両方を有する。したがって、マイクロ流体回路120は、掃引領域(例えば、チャネル122及び2次フロー244の最大侵入深さDp内の接続領域236の部分)及び非掃引領域(例えば、分離領域240及び2次フロー244の最大侵入深さDp内にない接続領域236の部分)の両方を含む。
図3A~図3Bは、本開示によるマイクロ流体デバイス(例えば、100、200、230、250、280、290、320、400、450、500、700)を動作させるため及び観測のために使用することができるシステム150の様々な実施形態を示す。図3Aに示されるように、システム150は、マイクロ流体デバイス100(図示せず)又は本明細書に記載される任意の他のマイクロ流体デバイスを保持するように構成された構造体(「ネスト」)300を含むことができる。ネスト300は、マイクロ流体デバイス320(例えば、光学的に作動される動電学的デバイス100)と界面を接することができ、電源192からマイクロ流体デバイス320への電気接続を提供することができるソケット302を含むことができる。ネスト300は、一体型電気信号生成サブシステム304を更に含むことができる。電気信号生成サブシステム304は、マイクロ流体デバイス320がソケット302により保持されているとき、バイアス電圧がマイクロ流体デバイス320内の電極の対にわたり印加されるように、バイアス電圧をソケット302に供給するように構成され得る。したがって、電気信号生成サブシステム304は電源192の部分であり得る。バイアス電圧をマイクロ流体デバイス320に印加する能力は、マイクロ流体デバイス320がソケット302により保持されている場合には常にバイアス電圧が印加されることを意味しない。むしろ、大半の場合、バイアス電圧は、断続的に、例えば、マイクロ流体デバイス320内での電気泳動又は電子ウェッティング等の動電力の生成を促進するために必要な場合にのみ印加される。
図3Aに示されるように、ネスト300は、プリント回路基板組立体(PCBA)322を含むことができる。電気信号生成サブシステム304は、PCBA322に搭載され、PCBA322に電気的に集積することができる。例示的な支持体は、同様にPCBA322に搭載されるソケット302も含む。
通常、電気信号生成サブシステム304は波形生成器(図示せず)を含む。電気信号生成サブシステム304は、波形生成器から受信される波形を増幅するように構成されたオシロスコープ(図示せず)及び/又は波形増幅回路(図示せず)を更に含むことができる。オシロスコープは、存在する場合、ソケット302により保持されるマイクロ流体デバイス320に供給される波形を測定するように構成され得る。特定の実施形態では、オシロスコープは、マイクロ流体デバイス320の基端位置(及び波形生成器の先端位置)において波形を測定し、それにより、デバイスに実際に印加されている波形を測定するに当たりより大きい精度を保証する。オシロスコープ測定から得られるデータは、例えば、フィードバックとして波形生成器に提供され得、波形生成器は、そのようなフィードバックに基づいて出力を調整するように構成され得る。適する結合された波形生成器及びオシロスコープの例は、Red Pitaya(商標)である。
特定の実施形態では、ネスト300は、電気信号生成サブシステム304の検知及び/又は制御に使用される、マイクロプロセッサ等のコントローラ308を更に含む。適するマイクロプロセッサの例としては、Arduino Nano(商標)等のArduino(商標)マイクロプロセッサが挙げられる。コントローラ308を使用して機能及び分析を実行し、又は外部マスタコントローラ154(図1Aに示される)と通信して機能及び分析を実行し得る。図3Aに示される実施形態では、コントローラ308は、インタフェース310(例えば、プラグ又はコネクタ)を通してマスタコントローラ154と通信する。
幾つかの実施形態では、ネスト300は、Red Pitaya(商標)波形生成器/オシロスコープユニット(「Red Pitayaユニット」)を含む電気信号生成サブシステム304と、Red Pitayaユニットにより生成された波形を増幅し、増幅電圧をマイクロ流体デバイス100に渡す波形増幅回路とを含むことができる。幾つかの実施形態では、Red Pitayaユニットは、マイクロ流体デバイス320での増幅電圧を測定し、次に、マイクロ流体デバイス320での測定電圧が所望の値であるように、必要に応じてそれ自体の出力電圧を調整するように構成される。幾つかの実施形態では、波形増幅回路は、PCBA322に搭載されるDC-DCコンバータの対により生成される+6.5V~-6.5V電源を有することができ、その結果、マイクロ流体デバイス100において13Vppまでの信号が生成される。
図3Aに示されるように、支持構造体300(例えば、ネスト)は、熱制御サブシステム306を更に含むことができる。熱制御サブシステム306は、支持構造体300により保持されるマイクロ流体デバイス320の温度を調整するように構成され得る。例えば、熱制御サブシステム306は、ペルチェ熱電デバイス(図示せず)及び冷却ユニット(図示せず)を含むことができる。ペルチェ熱電デバイスは、マイクロ流体デバイス320の少なくとも1つの表面と界面を接するように構成された第1の表面を有することができる。冷却ユニットは、例えば、液冷アルミニウムブロック等の冷却ブロック(図示せず)であり得る。ペルチェ熱電デバイスの第2の表面(例えば、第1の表面とは逆の表面)は、そのような冷却ブロックの表面と界面を接するように構成され得る。冷却ブロックは、冷却ブロックを通して冷却流体を循環させるように構成された流体路314に接続することができる。図3Aに示される実施形態では、支持構造体300は、流入口316及び流出口318を含む、外部リザーバ(図示せず)から冷却された流体を受け取り、冷却された流体を流体路314に導入し、冷却ブロックを通し、次に、冷却された流体を外部リザーバに戻す。幾つかの実施形態では、ペルチェ熱電デバイス、冷却ユニット、及び/又は流体路314は、支持構造体300のケース312に搭載することができる。幾つかの実施形態では、熱制御サブシステム306は、ペルチェ熱電デバイスの温度を調整して、マイクロ流体デバイス320の標的温度を達成するように構成される。ペルチェ熱電デバイスの温度調整は、例えば、Pololu(商標)熱電電源(Pololu Robotics and Electronics Corp.)等の熱電電源により達成することができる。熱制御サブシステム306は、アナログ回路により提供される温度値等のフィードバック回路を含むことができる。代替的に、フィードバック回路はデジタル回路により提供され得る。
幾つかの実施形態では、ネスト300は、抵抗(例えば、抵抗1kオーム+/-0.1%、温度係数+/-0.02ppm/C0)及びNTCサーミスタ(例えば、公称抵抗1kオーム+/-0.01%を有する)を含むアナログ分圧回路(図示せず)であるフィードバック回路を有する熱制御サブシステム306を含むことができる。幾つかの場合、熱制御サブシステム306は、フィードバック回路からの電圧を測定し、次に、計算された温度値をオンボードPID制御ループアルゴリズムへの入力として使用する。PID制御ループアルゴリズムからの出力は、例えば、Pololu(商標)モーター駆動デバイス(図示せず)上の方向信号及びパルス幅変調信号ピンの両方を駆動して熱電電源を作動させることができ、それにより、ペルチェ熱電デバイスを制御する。
ネスト300はシリアルポート350を含むことができ、シリアルポート324により、コントローラ308のマイクロプロセッサは、インタフェース310(図示せず)を介して外部マスタコントローラ154と通信することができる。加えて、コントローラ308のマイクロプロセッサは、電気信号生成サブシステム304及び熱制御サブシステム306と通信することができる(例えば、Plinkツール(図示せず)を介して)。したがって、コントローラ308、インタフェース310、及びシリアルポート324の組合せを介して、電気信号生成サブシステム304及び熱制御サブシステム306は、外部マスタコントローラ154と通信することができる。このようにして、マスタコントローラ154は、特に、出力電圧調整のためにスケーリング計算を実行することにより電気信号生成サブシステム304を支援することができる。外部マスタコントローラ154に結合された表示デバイス170を介して提供されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)(図示せず)は、熱制御サブシステム306及び電気信号生成サブシステム304からそれぞれ得られる温度データ及び波形データをプロットするように構成され得る。代替的に又は追加として、GUIは、コントローラ308、熱制御サブシステム306、及び電気信号生成サブシステム304への更新を可能にすることができる。
上述したように、システム150は撮像デバイス194を含むことができる。幾つかの実施形態では、撮像デバイス194は光変調サブシステム330(図3B参照)を含む。光変調サブシステム330は、デジタルミラーデバイス(DMD)又はマイクロシャッタアレイシステム(MSA)を含むことができ、これらのいずれかは、光源332から光を受け取り、受け取った光のサブセットを顕微鏡350の光学縦列に送るように構成され得る。代替的に、光変調サブシステム330は、有機発行ダイオードディスプレイ(OLED)、液晶オンシリコン(LCOS)デバイス、強誘電性液晶オンシリコンデバイス(FLCOS)、又は透過型液晶ディスプレイ(LCD)等のそれ自体の光を生成する(したがって、光源332の必要性をなくす)デバイスを含むことができる。光変調サブシステム330は、例えば、プロジェクタであり得る。したがって、光変調サブシステム330は、構造化光及び非構造化光の両方を発することが可能であり得る。適する光変調サブシステム422の一例は、Andor Technologies(商標)のMosaic(商標)システムである。特定の実施形態では、システム150の撮像モジュール164及び/又は原動モジュール162は、光変調サブシステム330を制御することができる。
特定の実施形態では、撮像デバイス194は顕微鏡350を更に含む。そのような実施形態では、ネスト300及び光変調サブシステム330は、顕微鏡350に搭載されるように個々に構成され得る。顕微鏡350は、例えば、標準の研究等級の光学顕微鏡又は蛍光顕微鏡であるように構成され得る。したがって、ネスト300は、顕微鏡350のステージ344に搭載するように構成され得、及び/又は光変調サブシステム330は、顕微鏡350のポートに搭載されるように構成され得る。他の実施形態では、本明細書に記載されるネスト300及び光変調サブシステム330は、顕微鏡350の一体構成要素であり得る。
特定の実施形態では、顕微鏡350は1つ又は複数の検出器348を更に含むことができる。幾つかの実施形態では、検出器348は撮像モジュール164により制御される。検出器348は、接眼レンズ、電荷結合素子(CCD)、カメラ(例えば、デジタルカメラ)、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。少なくとも2つの検出器348が存在する場合、1つの検出器は、例えば、高速フレームレートカメラであり得、一方、他の検出器は高感度カメラであり得る。更に、顕微鏡350は、マイクロ流体デバイス320から反射された光及び/又は発せられた光を受け取り、反射光及び/又は放射光の少なくとも部分を1つ又は複数の検出器348に結像するように構成された光学縦列を含むことができる。顕微鏡の光学縦列は、各検出器での最終倍率が異なることができるように、異なる検出器で異なるチューブレンズ(図示せず)を含むこともできる。
特定の実施形態では、撮像デバイス194は、少なくとも2つの光源を使用するように構成される。例えば、第1の光源332は構造化光の生成(例えば、光変調サブシステム330を介した)に使用することができ、第2の光源334は非構造化光の提供に使用することができる。第1の光源332は、光学的に作動される動電学的及び/又は蛍光励起のために構造化光を生成することができ、第2の光源334は、明視野照明の提供に使用することができる。これらの実施形態では、原動モジュール164を使用して第1の光源332を制御することができ、撮像モジュール164を使用して第2の光源334を制御することができる。顕微鏡350の光学縦列は、(1)デバイスがネスト300により保持されているとき、構造化光を光変調サブシステム330から受け取り、構造化光を光学作動式動電学的デバイス等のマイクロ流体デバイス内の少なくとも第1の領域で結像し、(2)マイクロ流体デバイスから反射された光及び/又は発せられた光を受け取り、そのような反射光及び/又は放射光の少なくとも部分を検出器348上に結像するように構成され得る。光学縦列は、デバイスがネスト300により保持されているとき、非構造化光を第2の光源から受け取り、非構造化光をマイクロ流体デバイスの少なくとも第2の領域で結像するように更に構成され得る。特定の実施形態では、マイクロ流体デバイスの第1及び第2の領域は重複領域であり得る。例えば、第1の領域は、第2の領域のサブセットであり得る。
図3Bでは、光を光変調サブシステム330に供給している第1の光源332が示されており、光変調サブシステム330は構造化光をシステム355(図示せず)の顕微鏡350の光学縦列に提供する。ビームスプリッタ336を介して非構造化光を光学縦列に提供している第2の光源334が示される。光変調サブシステム330からの構造化光及びに示されるように、第2の光源334からの非構造化光は、ビームスプリッタ336から光学縦列を通って一緒に移動して、第2のビームスプリッタ(又は光変調サブシステム330によって提供される光に応じて、ダイクロイックフィルタ338)に到達し、ここで、光は反射し、対物レンズ336を通して試料面342まで下がる。次に、試料面342からの反射光及び/又は放射光は再び対物レンズ340を通って移動し、ビームスプリッタ及び/又はダイクロイックフィルタ338を通り、ダイクロイックフィルタ346に到達する。ダイクロイックフィルタ346に達する光の一部のみが透過され、検出器348に到達する。
幾つかの実施形態では、第2の光源334は青色光を発する。適切なダイクロイックフィルタ346を用いて、試料面342から反射された青色光は、ダイクロイックフィルタ346を透過し、検出器348に到達することが可能である。これとは対照的に、光変調サブシステム330から来る構造化光は、試料面342で反射されるが、ダイクロイックフィルタ346を透過しない。この例では、ダイクロイックフィルタ346は、495nmよりも長い波長を有する可視光を濾波して除外する。光変調サブシステム330からの光のそのような濾波は、光変調サブシステムから発せられる光が495nmよりも短いいかなる波長も含まない場合にのみ完了する(示されるように)。実際には、光変調サブシステム330から来る光が495nmよりも短い波長(例えば、青色波長)を含む場合、光変調サブシステムからの光の幾らかがフィルタ346を透過して検出器348に到達する。そのような実施形態では、フィルタ346は、第1の光源332から検出器348に到達する光の量と第2の光源334から検出器348に到達する光の量とのバランスを変更する役割を果たす。これは、第1の光源332が第2の光源334よりもはるかに強力な場合、有益であり得る。他の実施形態では、第2の光源334は、赤色光を発することができ、ダイクロイックフィルタ346は、赤色光以外の可視光(例えば、650nmよりも短い波長を有する可視光)を濾波して除外することができる。
被覆溶液及び被覆剤
理論による限定を意図せずに、マイクロ流体デバイス(例えば、DEP構成及び/又はEW構成マイクロ流体デバイス)内での生物学的微小物体(例えば、生体細胞)の維持は、マイクロ流体デバイスの少なくとも1つ又は複数の内面が、マイクロ流体デバイスと内部に維持される生物学的微小物体との間の主な界面を提供する有機分子及び/又は親水性分子の層を提示するように調整又は被覆される場合に促進し得る(すなわち、生物学的微小物体は、マイクロ流体デバイス内で生存率の増大、より大きい増殖、及び/又はより大きい可搬性を示す)。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの内面の1つ又は複数(例えば、DEP構成マイクロ流体デバイスの電極活性化基板の内面、マイクロ流体のカバー、及び/又は回路材料の表面)は、有機分子及び/又は親水性分子の所望の層を生成するように、被覆溶液及び/又は被覆剤により処理又は修飾し得る。
被覆は、生物学的微小物体を導入する前又は後に塗布してもよく、又は生物学的微小物体と同時に導入してもよい。幾つかの実施形態では、生物学的微小物体は、マイクロ流体デバイスの1つ又は複数の被覆剤を含む流体媒体中に搬入し得る。他の実施形態では、マイクロ流体デバイス(例えば、DEP構成マイクロ流体デバイス)の内面は、生物学的微小物体をマイクロ流体デバイスに導入する前に、被覆剤を含む被覆溶液を用いて処理又は「プライミング」される。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの表面は、生物学的微小物体の維持及び/又は増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供する(例えば、後述するような調整面を提供する)被覆剤を含む。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの略全ての内面は被覆材料を含む。被覆された内面は、フロー領域(例えば、チャネル)の表面、チャンバの表面、隔離ペンの表面、又はそれらの組合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、複数の隔離ペンのそれぞれは、被覆材料で被覆された少なくとも1つの内面を有する。他の実施形態では、複数のフロー領域又はチャネルのそれぞれは、被覆材料で被覆された少なくとも1つの内面を有する。幾つかの実施形態では、複数の隔離ペンのそれぞれ及び複数のチャネルのそれぞれの少なくとも1つの内面は、被覆材料で被覆される。
被覆剤/溶液
限定ではなく、血清又は血清因子、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリマー、洗剤、酵素、及びそれらの任意の組合わせを含む任意の従来の被覆剤/被覆溶液を使用することができる。
ポリマーベースの被覆材料
少なくとも1つの内面は、ポリマーを含む被覆材料を含み得る。ポリマーは、少なくとも1つの表面に共有結合又は非共有結合し得る(又は非特異的に付着し得る)。ポリマーは、ブロックポリマー(及びコポリマー)、星型ポリマー(星型コポリマー)、並びにグラフト又は櫛形ポリマー(グラフトコポリマー)に見られる等の多種多様な構造モチーフを有し得、これらは全て本明細書に開示される方法に適し得る。
ポリマーは、アルキレンエーテル部分を含むポリマーを含み得る。広範囲のアルキレンエーテル含有ポリマーが、本明細書に記載されるマイクロ流体デバイスでの使用に適し得る。アルキレンエーテル含有ポリマーの非限定的で例示的な一クラスは、ポリマー鎖内で異なる比率及び異なる場所にあるポリエチレンオキシド(PEO)サブユニット及びポリプロピレンオキシド(PPO)サブユニットのブロックを含む両親媒性非イオンブロックコポリマーである。Pluronic(登録商標)ポリマー(BASF)は、このタイプのブロックコポリマーであり、生細胞と接触する場合の使用に適することが当技術分野で既知である。ポリマーは、平均分子質量MWで、約2000Da~約20KDaの範囲であり得る。幾つかの実施形態では、PEO-PPOブロックコポリマーは、約10よりも大きい(例えば、12~18)の親水性親油性バランス(HLB)を有することができる。被覆された表面をもたらすのに有用な特定のPluronic(登録商標)ポリマーは、Pluronic(登録商標)L44、L64、P85、及びF127(F127NFを含む)を含む。別のクラスのアルキレンエーテル含有ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG MW<100,000Da)又は代替的にポリエチレンオキシド(PEO、MW>100,000)である。幾つかの実施形態では、PEGは約1000Da、5000Da、10,000Da、又は20,000DaのMWを有し得る。
他の実施形態では、被覆材料は、カルボン酸部分を含むポリマーを含み得る。カルボン酸サブユニットは、アルキル、アルケニル、又は芳香族部分含有サブユニットであり得る。非限定的な一例はポリ乳酸(PLA)である。他の実施形態では、被覆材料は、ポリマー骨格の末端又はポリマー骨格からのペンダントのいずれかにリン酸部分を含むポリマーを含み得る。更に他の実施形態では、被覆材料は、スルホン酸部分を含むポリマーを含み得る。スルホン酸サブユニットは、アルキル、アルケニル、又は芳香族部分含有サブユニットであり得る。非限定的な一例はポリスチレンスルホン酸(PSSA)又はポリアネトールスルホン酸である。更なる実施形態では、被覆材料はアミン部分を含むポリマーを含み得る。ポリアミノポリマーは、天然ポリアミンポリマー又は合成ポリアミンポリマーを含み得る。天然ポリアミンの例としては、スペルミン、スペルミジン、及びプトレッシンが挙げられる。
他の実施形態では、被覆材料は、糖類部分を含むポリマーを含み得る。非限定的な例では、キサンタンガム又はデキストラン等のポリサッカリドが、マイクロ流体デバイスにおける細胞の突き刺しを低減又は阻止し得る材料を形成するのに適し得る。例えば、約3kDaのサイズを有するデキストランポリマーを使用して、マイクロ流体デバイス内の表面に被覆材料を提供し得る。
他の実施形態では、被覆材料は、リボヌクレオチド部分又はデオキシリボヌクレオチド部分を有し、高分子電解質表面を提供し得る、ヌクレオチド部分、すなわち、核酸を含むポリマーを含み得る。核酸は、天然ヌクレオチド部分のみを含んでもよく、又は限定ではなく、7-デアザアデニン、ペントース、メチルホスホン酸、又はホスホロチオエート部分等の核酸塩基、リボース、リン酸塩部分類似物を含む非天然ヌクレオチド部分を含んでもよい。
更に他の実施形態では、被覆材料は、アミノ酸部分を含むポリマーを含み得る。アミノ酸部分を含むポリマーは、天然アミノ酸含有ポリマー又は非天然アミノ酸含有ポリマーを含み得、これらのいずれかはペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質を含み得る。非限定的な一例では、被覆剤として、タンパク質は、ウシ血清アルブミン(BSA)並びに/或いはアルブミン及び/又は1つ又は複数の他の同様のタンパク質を含む血清(又は複数の異なる血清の組合わせ)であり得る。血清は、限定ではなく、ウシ胎仔血清、ヒツジ血清、ヤギ血清、ウマ血清等を含む任意の好都合のソースからのものであり得る。特定の実施形態では、被覆溶液中のBSAは、5mg/mL、10mg/mL、20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、又はそれを超えるか、若しくはそれらの間の任意の値を含め、約1mg/mL~約100mg/mLの範囲で存在する。特定の実施形態では、被覆溶液中の血清は、25%、30%、35%、40%、45%、又はそれを超えるか、若しくはそれらの間の任意の値を含め、約20%(v/v)~約50%v/vの範囲で存在し得る。幾つかの実施形態では、BSAは、5mg/mLで被覆溶液中に被覆剤として存在し得、一方、他の実施形態では、BSAは、70mg/mLで被覆溶液中に被覆剤として存在し得る。特定の実施形態では、血清は、30%で被覆溶液中に被覆剤として存在する。幾つかの実施形態では、フォスター細胞成長への細胞の付着を最適化するために、細胞外基質(ECM)タンパク質を被覆材料内に提供し得る。被覆材料に包含し得る細胞基質タンパク質としては、限定ではなく、コラーゲン、エラスチン、RGD含有ペプチド(例えば、フィブロネクチン)、又はラミニンを挙げることができる。更に他の実施形態では、成長因子、サイトカイン、ホルモン、又は他の細胞シグナリング種をマイクロ流体デバイスの被覆材料内に提供し得る。
幾つかの実施形態では、被覆材料は、アルキレンオキシド部分、カルボン酸部分、スルホン酸部分、リン酸塩部分、サッカリド部分、ヌクレオチド部分、又はアミノ酸部分の2つ以上を含むポリマーを含み得る。他の実施形態では、ポリマーの調整された表面は、被覆材料に独立して又は同時に組み込み得る、アルキレンオキシド部分、カルボン酸部分、スルホン酸部分、リン酸塩部分、サッカリド部分、ヌクレオチド部分、及び/又はアミノ酸部分をそれぞれ有する2つ以上のポリマーの混合物を含み得る。
共有結合される被覆材料
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの内面は、マイクロ流体デバイス内の生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供して、そのような細胞に調整面を提供する共有結合分子を含む。
共有結合分子は結合基を含み、結合基は、後述するように、マイクロ流体デバイスの1つ又は複数の表面に共有結合する。結合基は、生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分にも共有結合する。
幾つかの実施形態では、生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される共有結合部分は、アルキル又はフルオロアルキル(ペルフルオロアルキルを含む)部分;モノ又はポリサッカリド(デキストランを含み得るが、これに限定されない);アルコール(プロパルギルアルコールを含むが、これに限定されない);ポリビニルアルコールを含むが、これに限定されないポリアルコール;ポリエチレングリコールを含み得るが、これに限定されないアルキレンエーテル;高分子電解質(ポリアクリル酸又はポリビニルホスホン酸を含むが、これに限定されない);アミノ基(アルキル化アミン、モルホルニル又はピペラジニル等であるが、これらに限定されない非芳香族化された窒素環原子を含むヒドロキシアルキル化されたアミノ基、グアニジニウム基、及びヘテロ環基等であるが、これらに限定されないその誘導体);プロピオル酸(カルボン酸塩アニオン表面を提供し得る)を含むが、これに限定されないカルボン酸;エチニルホスホン酸(ホスホン酸塩アニオン表面を提供し得る)を含むが、これに限定されないホスホン酸;スルホン酸アニオン;カルボキシベタイン;スルホベタイン;スルファミン酸;又はアミノ酸を含み得る。
様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスにおける生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される共有結合部分は、アルキル部分、フルオロアルキル部分(ペルフルオロアルキル部分を含むが、これに限定されない)等の置換アルキル部分、アミノ酸部分、アルコール部分、アミノ部分、カルボン酸部分、ホスホン酸部分、スルホン酸部分、スルファミン酸部分、又はサッカリド部分等の非ポリマー部分を含み得る。代替的には、共有結合部分は、上述した任意の部分であり得るポリマー部分を含み得る。
幾つかの実施形態では、共有結合部分は、線状鎖(例えば、少なくとも10個の炭素又は少なくとも14、16、18、20、22、若しくはそれを超える個数の炭素の線状鎖)を形成する炭素原子を含むことができ、且つ直鎖アルキル部分であり得る。幾つかの実施形態では、アルキル基は置換アルキル基を含み得る(例えば、アルキル基の炭素の幾つかはフッ素化又はパーフルオロ化することができる)。幾つかの実施形態では、アルキル基は、非置換アルキル基を含み得る第2のセグメントに結合される、ペルフルオロアルキル基を含み得る第1のセグメントを含み得る。第1及び第2のセグメントは、直接又は間接的(例えば、エーテル結合により)に結合され得、ここで、アルキル基の第1のセグメントは、結合基の先端部に配置し得、アルキル基の第2のセグメントは、結合基の基端部に配置し得る。
他の実施形態では、共有結合部分は、2つ以上の種類のアミノ酸を含み得る少なくとも1つのアミノ酸を含み得る。したがって、共有結合部分は、ペプチド又はタンパク質を含み得る。幾つかの実施形態では、共有結合部分は、双性イオン性表面を提供して、細胞成長、生存、可搬性、又はそれらの任意の組合せを支持し得るアミノ酸を含み得る。
他の実施形態では、共有結合部分は、少なくとも1つのアルキレンオキシド部分を含み得、上述した任意のアルキレンオキシドポリマーを含み得る。アルキレンエーテル含有ポリマーの有用な1クラスは、ポリエチレングリコール(PEG Mw<100,000Da)又は代替的にはポリエチレンオキシド(PEO、Mw>100,000)である。幾つかの実施形態では、PEGは約1000Da、約5000Da、約10,000Da、又は約20,000DaのMwを有し得る。
共有結合部分は1つ又は複数のサッカリドを含み得る。共有結合サッカリドはモノ、ジ、又はポリサッカリドであり得る。共有結合サッカリドは、表面に付着するような結合又は加工を可能にする反応ペア部分を導入するように修飾し得る。例示的な反応ペア部分は、アルデヒド、アルキン、又はハロ部分を含み得る。ポリサッカリドは、ランダムに修飾し得、各サッカリドモノマーが修飾されてもよく、又はポリサッカリド内のサッカリドモノマーの一部のみが、表面に直接若しくは間接的に結合され得る反応ペア部分を提供するように修飾される。一例は、直鎖リンカーを介して表面に間接的に結合され得るデキストランポリサッカリドを含み得る。
共有結合部分は1つ又は複数のアミノ基を含み得る。アミノ基は、置換アミン部分、グアニジン部分、窒素含有ヘテロ環部分又はヘテロアリール部分であり得る。アミノ含有部分は、マイクロ流体デバイス内及び任意選択的に隔離ペン及び/又はフロー領域(例えば、チャネル)内の環境のpH変更を可能にする構造を有し得る。
調整面を提供する被覆材料は、一種のみの共有結合部分を含んでもよく、又は2つ以上の異なる種類の共有結合部分を含んでもよい。例えば、フルオロアルキル調整面(ペルフルオロアルキルを含む)は、全て同じ、例えば、表面への同じ結合基及び共有結合、同じ全体長、及びフルオロアルキル部分を含む同数のフルオロメチレン単位を有する複数の共有結合部分を有し得る。代替的には、被覆材料は、表面に付着する2種類以上の共有結合部分を有し得る。例えば、被覆材料は、指定された数のメチレン又はフルオロメチレン単位を有する共有結合アルキル又はフルオロアルキル部分を有する分子を含み得、被覆面においてより嵩張った部分を提示する能力をお提供し得る、より多数のメチレン又はフルオロメチレン単位を有するアルキル又はフルオロアルキル鎖に共有結合した荷電部分を有する更なる組の分子を更に含み得る。この場合、異なる、立体的に要求が余り厳しくない末端及びより少数の骨格原子を有する第1の組の分子は、基板表面全体を官能化し、それにより基板自体を構成するケイ素/酸化ケイ素、酸化ハフニウム、又はアルミナへの望ましくない付着又は接触を回避するのに役立つことができる。別の例では、共有結合部分は、表面上でランダムに交流電荷を提示する両性イオン表面を提供し得る。
調整面特性
調整された表面の組成以外で、疎水性材料の物理的厚さ等の他の要因がDEP力に影響し得る。調整された表面が基板に形成される様式(例えば、蒸着、液相堆積、スピンコーティング、フラッディング、及び静電コーティング)等の様々な要因が調整された表面の物理的厚さを変更し得る。幾つかの実施形態では、調整面は、約1nm~約10nm、約1nm~約7nm、約1nm~約5nm、又はそれらの間の任意の個々の値の厚さを有する。他の実施形態では、共有結合部分により形成される調整面は、約10nm~約50nmの厚さを有し得る。様々な実施形態では、本明細書において記載されるように準備される調整面は、10nm未満の厚さを有する。幾つかの実施形態では、調整面の共有結合部分は、マイクロ流体デバイスの表面(例えば、DEP構成基板表面)に共有結合した場合、単層を形成し得、10nm未満(例えば、5nm未満又は約1.5nm~3.0nm)の厚さを有し得る。これらの値は、約30nmの範囲の厚さを有するCYTOP(登録商標)(Asahi Glass Co., Ltd.、日本)フルオロポリマースピンコーティングの厚さとは対照的である。幾つかの実施形態では、調整面は、DEP構成マイクロ流体デバイス内での動作に適宜機能的であるために、完全に形成された単層を必要としない。
様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスの調整面を提供する被覆材料は、所望の電気特性を提供し得る。理論による限定を意図せずに、特定の被覆材料が被覆された表面の堅牢性に影響する一因子は、本質的に電荷捕獲である。異なる被覆材料は電子を捕獲し得、これは被覆材料の破壊に繋がる恐れがある。被覆材料の欠陥は、電荷捕獲を増大させ、被覆材料の更なる破壊に繋がる恐れがある。同様に、異なる被覆材料は異なる絶縁耐力(すなわち、絶縁破壊が生じる最小印加電場)を有し、これは電荷捕獲に影響を有し得る。特定の実施形態では、被覆材料は、その電荷捕獲量を低減又は制限する全体構造(例えば、高密度単層構造)を有することができる。
調整された表面は、その電気特性に加えて、生体分子との併用に有利な特性を有することもできる。例えば、フッ化(又はパーフルオロ化)炭素鎖を含む調整された表面は、表面ファウリング量を低減するに当たり、アルキル末端鎖と比較して利点を提供し得る。表面ファウリングは、本明細書で使用される場合、タンパク質及びその老廃物、核酸及び各老廃物等のバイオ材料の永久的又は半永久的な堆積を含み得る、マイクロ流体デバイスの表面への無差別材料堆積量を指す。
単一又は複数パートの調整面
共有結合被覆材料は、後述するように、マイクロ流体デバイスにおける生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分を既に含む分子の反応により形成し得る。代替的には、共有結合被覆材料は、生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分を、それ自体が表面に共有結合した表面修飾リガンドに結合することにより、2部シーケンスで形成し得る。
共有結合された被覆材料を準備する方法
幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの表面(例えば、隔離ペン及び/又はフロー領域の少なくとも1つの表面を含む)に共有結合した被覆材料は、式1又は式2の構造を有する。被覆材料は、表面に1ステップで導入される場合、式1の構造を有し、一方、被覆材料は、複数ステッププロセッサで導入される場合、式2の構造を有する。
被覆材料は、DEP構成又はEW構成基板の表面の酸化物に供給結合し得る。DEP又はEW構成基板は、ケイ素、酸化ケイ素、アルミナ、又は酸化ハフニウムを含み得る。酸化物は、基板の元の化学構造の一部として存在してもよく、又は後述するように導入し得る。
被覆材料は、結合基(「LG」)を介して酸化物に結合し得、LGは、シロキサン基又はホスホン酸基と酸化物との反応から形成されるシロキシ又はホスホネートエステル基であり得る。マイクロ流体デバイスにおける生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分は、本明細書に記載される任意の部分であり得る。結合基LGは、マイクロ流体デバイスにおける生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分に直接又は間接的に接続し得る。結合基LGがその部分に直接接続される場合、任意選択的なリンカーLは存在せず、nは0である。結合基LGが部分に間接的に接続される場合、リンカーLが存在し、nは1である。リンカーLは、線状部の骨格が、当技術分野で既知の化学結合制約を受けるケイ素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びリン原子の任意の組合せから選択される1~200個の非水素原子を含み得る線状部を有し得る。それは、エーテル基、アミノ基、カルボニル基、アミド基、又はリン酸基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、又はヘテロ環基からなる群から選択される1つ又は複数の部分の任意の組合せで中断され得る。幾つかの実施形態では、リンカーLの骨格は10~20個の炭素を含み得る。他の実施形態では、リンカーLの骨格は約5原子~約200原子、約10原子~約80原子、約10原子~約50原子、又は約10原子~約40原子を含み得る。幾つかの実施形態では、骨格原子は全て炭素原子である。
幾つかの実施形態では、生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分は、複数ステッププロセスで基板の表面に追加し得、上で示された式2の構造を有する。この部分は、上述した任意の部分であり得る。
幾つかの実施形態では、結合基CGは、反応部分Rxとペアとなる反応部分Rpx(すなわち、反応部分Rxと反応するように構成される部分)との反応の結果生成される基を表す。例えば、典型的な1つの結合基CGはカルボキサミジル(carboxamidyl)基を含み得、これは、アミノ基と、活性化エステル、酸クロリド等のカルボン酸の誘導体との反応の結果である。他のCGは、トリアゾリレン(triazolylene)基、カルボキサミジル(carboxamidyl)、チオアミジル、オキシム、メルカプチル(mercaptyl)、二硫化物、エーテル、又はアルケニル基、又は反応部分とペアとなる各反応部分との反応時に形成し得る任意の他の適する基を含み得、結合基CGは、リンカーLの第2の端部(すなわち、マイクロ流体デバイスにおける生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分に近い端部)に配置し得、これは上述した要素の任意の組合せを含み得る。幾つかの他の実施形態では、結合基CGは、リンカーLの骨格を中断し得る。結合基CGは、トリアゾリレン(triazolylene)である場合、クリック結合反応からの結果である産物であり得、更に置換し得る(例えば、ジベンゾシクロオクチル溶融トリアゾリレン(triazolylene)基)。
幾つかの実施形態では、被覆材料(又は表面修飾リガンド)は、化学蒸着を使用してマイクロ流体デバイスの内面に堆積する。蒸着プロセスは任意選択的に、例えば、溶媒浴への露出、超音波処理、又はそれらの組合せにより、カバー110、マイクロ流体回路材料116、及び/又は基板(例えば、DEP構成基板の電極活性化基板206の内面208又はEW構成基板の支持構造体104の誘電層)を予めクリーニングすることにより改善することができる。代替又は追加として、そのような事前クリーニングは、カバー110、マイクロ流体回路材料116、及び/又は基板を酸素プラズマクリーナにおいて処理することを含むことができ、酸素プラズマクリーナは、様々な不純物を除去することができ、それと同時に酸化表面(例えば、表面における酸化物、本明細書に記載されるように共有結合的に修飾し得る)を導入することができる。代替的には、塩酸と過酸化水素との混合物又は硫酸と過酸化水素との混合物(例えば、硫酸と過酸化水素との比率が約3:1~約7:1であり得るピラニア溶液)等の液相処理を酸素プラズマクリーナの代わりに使用することもできる。
幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイス200が組み立てられて、マイクロ流体回路120を画定するエンクロージャ102を形成した後、蒸着を使用して、マイクロ流体デバイス200の内面を被覆し得る。理論による限定を意図せずに、そのような被覆材料を完全に組み立てられたマイクロ流体回路120に堆積させることは、マイクロ流体回路材料116と電極活性化基板206の誘電層及び/又はカバー110との結合の弱化により生じる剥離を回避するに当たり有利であり得る。2ステッププロセスが利用される実施形態では、表面修飾リガンドは、上述したように蒸着を介して導入し得、続けて、生物学的微小物体の維持/増殖に適した有機分子及び/又は親水性分子の層を提供するように構成される部分が導入される。続く反応は、表面修飾マイクロ流体デバイスを溶液中の適する結合試薬に露出させることにより実行し得る。
図2Hは、調整面を提供する例示的な共有結合被覆材料を有するマイクロ流体デバイス290の断面図を示す。示されるように、被覆材料298(概略的に示される)は、DEP基板であり得る基板286の内面294と、マイクロ流体デバイス290のカバー288の内面292と、の両方に共有結合した高密度分子の単層を含むことができる。被覆材料298は、幾つかの実施形態では、上述したように、マイクロ流体デバイス290内の回路要素及び/又は構造の画定に使用されるマイクロ流体回路材料(図示せず)の表面を含む、マイクロ流体デバイス290のエンクロージャ284に近くエンクロージャ284に向かって内側に面する略全ての内面294、292に配置することができる。代替の実施形態では、被覆材料298は、マイクロ流体デバイス290の内面の1つのみ又は幾つかに配置することができる。
図2Hに示される実施形態では、被覆材料298は、オルガノシロキサン分子の単層を含むことができ、各分子は、シロキシリンカー296を介してマイクロ流体デバイス290の内面292、294に共有結合する。上記の被覆材料298のいずれかを使用することができ(例えば、アルキル末端、フルオロアルキル末端部分、PEG末端部分、デキストラン末端部分、又はオルガノシロキサン部分に正電荷又は負電荷を含む末端部分)、末端部分は、エンクロージャに面する末端に配置される(すなわち、内面292、294に結合されず、エンクロージャ284に近い被覆材料298の単層の部分)。
他の実施形態では、マイクロ流体デバイス290の内面292、294の被覆に使用される被覆材料298はアニオン部分、カチオン部分、両性イオン部分、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。理論による限定を意図せずに、カチオン部分、アニオン部分、及び/又は両性イオン部分をマイクロ流体回路120のエンクロージャ284の内面に提示することにより、被覆材料298は、その結果生成される水和の水が、生物学的微小物体を非生物学的分子(例えば、基板のケイ素及び/又は酸化ケイ素)との相互作用から分離する層(又は「シールド」)として機能するような、強力な水との水素結合を形成することができる。加えて、被覆材料298が被覆剤と併用される実施形態では、被覆材料298のアニオン、カチオン、又は両性イオンは、エンクロージャ284内の媒体180(例えば、被覆溶液)中に存在する非共有結合被覆剤(例えば、溶液中のタンパク質)の荷電部分とイオン結合を形成することができる。
更に他の実施形態では、被覆材料は、エンクロージャに面した末端において親水性被覆剤を含み得るか、又は提示するように化学的に修飾し得る。幾つかの実施形態では、被覆材料は、PEG等のアルキレンエーテル含有ポリマーを含み得る。幾つかの実施形態では、被覆材料は、デキストラン等のポリサッカリドを含み得る。上述した荷電部分(例えば、アニオン部分、カチオン部分、及び両性イオン部分)のように、親水性被覆剤は、その結果生成される水和の水が、生物学的微小物体を非生物学的分子(例えば、基板のケイ素及び/又は酸化ケイ素)との相互作用から分離する層(又は「シールド」)として機能するような、強力な水との水素結合を形成することができる。
適切な被覆処理及び修飾の更なる詳細については、2016年4月22日に出願された米国特許出願公開第15/135,707号において見出し得、この特許出願は全体的に参照により本明細書に援用される。
マイクロ流体デバイスの隔離ペン内の細胞の生存性を維持する追加のシステム構成要素
細胞集団の成長及び/又は増殖を促進するために、システムの追加の構成要素により、機能的な細胞の維持を促す環境状況を提供し得る。例えば、そのような追加の構成要素は、栄養素、細胞成長シグナリング種、pH調整、ガス交換、温度制御、及び細胞からの老廃物の除去を提供することができる。
マイクロ流体デバイス、方法、及びキットの幾つかの実施形態の記載
1.基板及びマイクロ流体回路材料を含むエンクロージャであって、フロー領域を画定するエンクロージャと、エンクロージャ内及び任意選択的にフロー領域内に配置される少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造であって、固化ポリマー網目構造を含む、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造とを含むマイクロ流体デバイス。
2.固化ポリマー網目構造は、1つ又は複数の官能化部位を含み得る、実施形態1に記載のマイクロ流体デバイス。
3.固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る、実施形態1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
4.マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、少なくとも1つの隔離ペンを含み得、任意選択的に、フロー領域への隔離ペンの基端開口部は、フロー領域中の流体媒体のフローの平均方向に実質的に平行する向きを有し得る、実施形態1~3のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
5.少なくとも1つの隔離ペンは、分離領域及び接続領域を含み得、接続領域は、フロー領域への基端開口部及び分離領域への先端開口部を有する、実施形態4に記載のマイクロ流体デバイス。
6.1つ又は複数のインサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペン内及び任意選択的に隔離ペンの分離領域内に配置し得る、実施形態4又は5に記載のマイクロ流体デバイス。
7.アッセイ試薬は、固化ポリマー網目構造に共有結合的に付着され得る、実施形態3~6のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
8.アッセイ試薬は、固化ポリマー網目構造に非共有結合的に付着され得る、実施形態3~6のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
9.アッセイ試薬は、ビオチン/ストレプトアビジン複合体を介して固化ポリマー網目構造に非共有結合的に付着され得る、実施形態8に記載のマイクロ流体デバイス。
10.アッセイ試薬は、タンパク質、核酸、有機分子、及び/又はサッカリドであり得る、実施形態3~9のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
11.アッセイ試薬は、抗体を含み得る、実施形態10に記載のマイクロ流体デバイス。
12.アッセイ試薬は、抗原を含み得る、実施形態10に記載のマイクロ流体デバイス。
13.アッセイ試薬は、捕捉オリゴヌクレオチドを含み得る、実施形態10に記載のマイクロ流体デバイス。
14.アッセイ検体は、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造の固化ポリマー網目構造に非共有結合的に結合され得る、実施形態3~6のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
15.アッセイ検体は、タンパク質を含み得る、実施形態3~6のいずれか1つ又は14に記載のマイクロ流体デバイス。
16.アッセイ検体は、オリゴヌクレオチドを含み得る、実施形態3~6のいずれか1つ又は14に記載のマイクロ流体デバイス。
17.アッセイ検体は、抗体又はサイトカインを含み得る、実施形態3~6のいずれか1つ又は14に記載のマイクロ流体デバイス。
18.アッセイ検体は、有機分子を含み得る、実施形態3~6のいずれか1つ又は14に記載のマイクロ流体デバイス。
19.2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域及び/又は少なくとも1つの隔離ペンに配置され得る、実施形態1~18のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
20.2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造の第1の捕捉構造は、第1のアッセイ試薬又は第1のアッセイ検体に結合し得、及び2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造の第2の捕捉構造は、第2のアッセイ試薬又は第2のアッセイ検体に結合し得、第1のアッセイ試薬又は第1のアッセイ検体は、第2のアッセイ試薬又は第2のアッセイ検体と異なる、実施形態19に記載のマイクロ流体デバイス。
21.2つ以上のインサイチュー生成捕捉構造のそれぞれは、少なくとも1つの隔離ペン内の異なる位置に配置され得る、実施形態19又は20に記載のマイクロ流体デバイス。
22.マイクロ流体デバイスのカバーは、1つ又は複数の捕捉構造からの蛍光信号、比色信号、又は発光信号を実質的に透過し得る、実施形態1~21のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
23.固化ポリマー網目構造は、光開始ポリマーを含み得る、実施形態1~22のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
24.固化ポリマー網目構造は、合成ポリマー、修飾合成ポリマー、生体ポリマー、又はそれらの任意の組合せを含み得る、実施形態1~23のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
25.修飾合成ポリマーは、切断モチーフ、反応末端モチーフ、及び/又は細胞認識モチーフを含み得る、実施形態24に記載のマイクロ流体デバイス。
26.固化ポリマー網目構造は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド(PAM)、修飾ポリアクリルアミド、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)、修飾ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、ポリカプロラクトン(PCL)、修飾ポリカプロラクトン、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、ポリサッカリド、修飾ポリサッカリド、又はそれらの任意のコポリマーの組合せの少なくとも1つを含み得る、実施形態1~25のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
27.固化ポリマー網目構造は、修飾ポリエチレングリコールポリマーを含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
28.複数の隔離ペンを含み得る、実施形態1~27のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
29.少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造は、微小物体が隔離ペンから出られるようにするように構成され得る、実施形態4~28のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
30.基板は、エンクロージャ内で誘導泳動(DEP)力を生成するように構成され得る、実施形態1~29のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
31.DEP力は、光学的に作動され得る、実施形態30に記載のマイクロ流体デバイス。
32.マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの内面は、調整表面を更に含み得る、実施形態1~31のいずれか1つに記載のマイクロ流体デバイス。
33.少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスにおいて微小物体をアッセイする方法であって、マイクロ流体デバイス内において、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置することであって、インサイチュー生成捕捉構造は、固化ポリマー網目構造を含み、固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を含む、配置することと、アッセイ試薬又はアッセイ検体を微小物体又は微小物体の生物学的産物に接触させることと、アッセイ試薬又はアッセイ検体と微小物体又は生物学的産物との相互作用を検出することとを含む方法。
34.マイクロ流体デバイスは、基板、フロー領域、及び任意選択的に少なくとも1つの隔離ペンを含むエンクロージャを含み得、第1のインサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域又は少なくとも1つの隔離ペン内に配置される、実施形態33に記載の方法。
35.少なくとも1つの隔離ペンは、分離領域及び接続領域を含み得、接続領域は、フロー領域への基端開口部及び分離領域への先端開口部を有する、実施形態33又は34に記載の方法。
36.少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペンの分離領域内に配置され得る、実施形態35に記載の方法。
37.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、固化ポリマー網目構造に非共有結合的に付着され得る、実施形態33~36のいずれか1つに記載の方法。
38.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、有機分子、又はサッカリドを含み得る、実施形態33~37のいずれか1つに記載の方法。
39.アッセイ試薬は、抗体を含み得る、実施形態33~38のいずれか1つに記載の方法。
40.生物学的産物は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、有機分子、又はサッカリドを含み得る、実施形態33~39のいずれか1つに記載の方法。
41.タンパク質生物学的産物は、抗体及び抗原を含み得る、実施形態40に記載の方法。
42.微小物体は、生物学的微小物体を含み得る、実施形態33~41のいずれか1つに記載の方法。
43.微小物体は、ハイブリドーマ細胞、B細胞、又はT細胞を含み得る、実施形態33~42のいずれか1つに記載の方法。
44.第1のインサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペンの第1の壁に隣接する第1の位置に配置され得る、実施形態33~43のいずれか1つに記載の方法。
45.アッセイ試薬又はアッセイ検体を生物学的産物又は微小物体に接触させるステップは、非共有結合複合体を形成することを更に含み得る、実施形態33~44のいずれか1つに記載の方法。
46.相互作用を検出するステップは、検出可能な標識を有する検出試薬を、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に導入することを更に含み得る、実施形態33~45のいずれか1つに記載の方法。
47.検出可能な標識は、アッセイ試薬又はアッセイ検体が生物学的産物又は微小物体と相互作用するとき、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造へ集中されるように構成され得る、実施形態46に記載の方法。
48.検出試薬の検出可能な標識は、蛍光性、比色性、又は発光性である、実施形態46又は47に記載の方法。
49.検出試薬は、少なくとも第1の抗体を含み得る、実施形態46~48のいずれか1つに記載の方法。
50.抗体検出試薬は、二次抗体を更に含み得る、実施形態49に記載の方法。
51.検出試薬は、インターカレーター染料を含み得る、実施形態46~48のいずれか1つに記載の方法。
52.検出試薬は、オリゴヌクレオチドを含み得る、実施形態46~48のいずれか1つに記載の方法。
53.アッセイ試薬又はアッセイ検体と微小物体又は生物学的産物との相互作用を検出するステップは、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造に結合される検出可能な標識の量を定量化することを更に含み得る、実施形態46~53に記載の方法。
54.検出するステップは、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造からの蛍光信号を検出することを含み得る、実施形態33~53のいずれか1つに記載の方法。
55.マイクロ流体デバイスは、少なくとも1つの隔離ペンのフロー領域内に配置される第2のインサイチュー生成捕捉構造を更に含み得、インサイチュー生成される第2の捕捉構造は、第2の固化ポリマー網目構造を含み得、更に、インサイチュー生成される第2の固化ポリマー網目構造は、第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る、実施形態34~54のいずれか1つに記載の方法。
56.第1及び第2のインサイチュー生成捕捉構造のそれぞれは、異なるアッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る、実施形態55に記載の方法。
57.第1及び第2のインサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域又は隔離ペン内の区別可能な位置に配置され得る、実施形態55又は56に記載の方法。
58.検出するステップは、微小物体の第1の生物学的産物及び微小物体の第2の生物学的産物を検出することを含み得、第1の生物学的産物は、第2の生物学的産物と異なる、実施形態55~57のいずれか1つに記載の方法。
59.相互作用を検出するステップは、第1のインサイチュー生成捕捉構造及び第2のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に第1の検出試薬及び第2の検出試薬を導入することを更に含み得、第1の検出試薬及び第2の検出試薬は、それぞれ検出可能な標識を含み得る、実施形態55~58のいずれか1つに記載の方法。
60.検出するステップは、第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識のそれぞれを、それぞれの第1のアッセイ試薬又はアッセイ検体及び第2のアッセイ試薬又はアッセイ検体に非共有結合的に付着されるようにすることを含み得る、実施形態59に記載の方法。
61.相互作用を検出するステップは、第1の検出可能な標識から第1の蛍光信号を、且つ第2の検出可能な標識から第2の蛍光信号を検出することを更に含み得る、実施形態59又は60に記載の方法。
62.第1の蛍光信号及び第2の蛍光信号は、スペクトルが別個である、実施形態61に記載の方法。
63.第1の蛍光信号及び第2の蛍光信号は、位置によって区別可能であり得る、実施形態61又は62に記載の方法。
64.第1の蛍光信号及び/又は第2の蛍光信号を定量化するステップを更に含む、実施形態61~63のいずれか1つに記載の方法。
65.少なくとも1つの隔離ペンのフロー領域内に配置される第3以上のインサイチュー生成捕捉構造を更に含み、第3以上のインサイチュー生成捕捉構造のそれぞれは、固化ポリマー網目構造を含み得、更に、第3以上の固化ポリマー網目構造のそれぞれの固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る、実施形態55~64のいずれか1つに記載の方法。
66.検出するステップは、フロー領域又は少なくとも1つの隔離ペン内で位置が別個であるか、互いに検出可能にスペクトルが別個であるか、又はそれらの組合せである第1、第2、第3以上の検出可能な信号を検出することを更に含み得る、実施形態65に記載の方法。
67.マイクロ流体デバイス内において、少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造に近位する領域に微小物体を配置するステップは、誘電泳動力を使用して微小物体を移動させることを含み得る、実施形態33~66のいずれか1つに記載の方法。
68.誘電泳動力は、光学的に作動され得る、実施形態67に記載の方法。
69.マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの内面は、調整表面を更に含み得る、実施形態33~68のいずれか1つに記載の方法。
70.基板、マイクロ流体回路材料、及び任意選択的にカバーを含むエンクロージャを有するマイクロ流体デバイスであって、エンクロージャはフロー領域を画定する、マイクロ流体デバイスと、制御可能に活性化されて、固化ポリマー網目構造を形成することができる官能化プレポリマーとを含むキット。
71.基板、マイクロ流体回路材料、及び任意選択的にカバーを含むエンクロージャであって、フロー領域を画定する、エンクロージャと、エンクロージャ内に配置される少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造であって、固化ポリマー網目構造を含む、少なくとも1つのインサイチュー生成捕捉構造とを有するマイクロ流体デバイス含むキット。
72.マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、フロー領域に流体的に接続される少なくとも1つの隔離ペンを更に含む、実施形態70又は71のキット。
73.固化ポリマー網目構造は、1つ又は複数の官能化部位を含み得る、実施形態70~72のいずれか1つのキット。
74.アッセイ試薬又はアッセイ検体を更に含む、実施形態70~73のいずれか1つのキット。
75.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を更に含み得る、実施形態74のキット。
76.官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、固化ポリマー網目構造の1つ又は複数の官能化部位に会合又は結合するように構成される部分を含み得る、実施形態75のキット。
77.固化ポリマー網目構造は、アッセイ試薬又はアッセイ検体を含み得る、実施形態74~76のいずれか1つのキット。
78.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、固化ポリマー網目構造に共有結合的に付着され得る、実施形態77のキット。
79.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、固化ポリマー網目構造に非共有結合的に付着され得る、実施形態77のキット。
80.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、ビオチン/ストレプトアビジン複合体を介して固化ポリマー網目構造に非共有結合的に付着され得る、実施形態79のキット。
81.固化ポリマー網目構造は、合成ポリマー、修飾合成ポリマー、又は生体ポリマーを含み得る、実施形態70~80のいずれか1つのキット。
82.合成ポリマー修飾は、サイズ変更モチーフ、切断モチーフ、反応末端モチーフ、及び/又は細胞認識モチーフを含み得る、実施形態81のキット。
83.固化ポリマー網目構造は、ポリエチレングリコール、修飾ポリエチレングリコール、ポリ乳酸(PLA)、修飾ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、修飾ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド(PAM)、修飾ポリアクリルアミド、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)、修飾ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(PAA)、修飾ポリアクリル酸、ポリカプロラクトン(PCL)、修飾ポリカプロラクトン、フィブロネクチン、修飾フィブロネクチン、コラーゲン、修飾コラーゲン、ラミニン、修飾ラミニン、ポリサッカリド、修飾ポリサッカリド、又は任意の組合せのコポリマーの少なくとも1つを含み得る、実施形態70~82のいずれか1つのキット。
84.固化ポリマー網目構造は、修飾ポリエチレングリコールを含む、実施形態70~83のいずれか1つのキット。
85.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、タンパク質、核酸、有機分子、又はサッカリドを含み得る、実施形態74~84のいずれか1つのキット。
86.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、抗体を含み得る、実施形態74~85のいずれか1つのキット。
87.アッセイ試薬又はアッセイ検体は、抗原を含み得る、実施形態74~85のいずれか1つのキット。
88.アッセイ試薬は、捕捉オリゴヌクレオチドを含み得る、実施形態74~85のいずれか1つのキット。
89.検出試薬を更に含む、実施形態70~88のいずれか1つのキット。
90.検出試薬は、検出可能な標識を含み得る、実施形態89のキット。
91.検出試薬の検出可能な標識は、蛍光標識、比色標識、又は発光標識を含み得る、実施形態90のキット。
92.検出試薬は、少なくとも第1の抗体を含み得る、実施形態89~91のいずれか1つのキット。
93.検出試薬は、インターカレーター染料を含み得る、実施形態89~91のいずれか1つのキット。
94.検出試薬は、FRET標識オリゴヌクレオチドを含み得る、実施形態89~91のいずれか1つのキット。
95.エンクロージャは、その中に配置される少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造及び第2のインサイチュー生成捕捉構造を含み得、第1のインサイチュー生成捕捉構造は、第1の固化ポリマー網目構造を含み、第2のインサイチュー生成捕捉構造は、第2の固化ポリマー網目構造を含む、実施形態71~94のいずれか1つのキット。
96.第1のインサイチュー生成捕捉構造及び第2のインサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域内に配置される、実施形態95のキット。
97.第1のインサイチュー生成捕捉構造及び第2のインサイチュー生成捕捉構造は、少なくとも1つの隔離ペン内に配置される、実施形態95のキット。
98.第1のインサイチュー生成捕捉構造及び第2のインサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域又は隔離ペン内の異なる位置に配置され得る、実施形態95~97のいずれか1つのキット。
99.制御可能に活性化されて、第2の固化ポリマー網目構造を形成することができる第2の官能化プレポリマーを更に含む、実施形態70のキット。
100.第1のアッセイ試薬及び第2のアッセイ試薬を更に含み、更に、第1のアッセイ試薬は、第2のアッセイ試薬と異なり得る、実施形態95~99のいずれか1つのキット。
101.第1の固化ポリマー網目構造は、第1のアッセイ試薬を含み、及び第2の固化ポリマー網目構造は、第2のアッセイ試薬を含む、実施形態100のキット。
102.第1の検出試薬及び第2の検出試薬を更に含み、第1の検出試薬は、第2の検出試薬と異なり得る、実施形態95~101のいずれか1つのキット。
103.第1の検出試薬は、第1の検出可能な標識を含み、及び第2の検出試薬は、第2の検出可能な標識を含み、第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識は、スペクトルが別個であり得る、実施形態102のキット。
104.マイクロ流体デバイスのエンクロージャは、複数の隔離ペンを更に含み得る、実施形態70~103のいずれか1つのキット。
105.複数の隔離ペンのそれぞれは、固化ポリマー網目構造を含む少なくとも1つの捕捉構造を含み得る、実施形態104のキット。
106.マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの内面は、調整表面を更に含み得る、実施形態70~105のいずれか1つのキット。
107.少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を含むマイクロ流体デバイスを準備する方法であって、マイクロ流体デバイスを提供することであって、マイクロ流体デバイスは、基板及びマイクロ流体回路材料を含むエンクロージャを含み、エンクロージャは、フロー領域を画定する、提供することと、第1の流動性官能化プレポリマーをフロー領域に導入することと、エンクロージャの少なくとも1つの選択されたエリアにおいて第1の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化し、それにより、その中で少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造を形成することとを含む方法。
108.エンクロージャは、少なくとも1つの隔離ペンを更に画定する、実施形態107に記載の方法。
109.第1のインサイチュー生成捕捉構造は、フロー領域に形成される、実施形態107又は108に記載の方法。
110.第1のインサイチュー生成捕捉構造は、隔離ペンに形成される、実施形態108に記載の方法。
111.少なくとも第1のインサイチュー生成捕捉構造は、1つ又は複数の官能化部位を含む固化ポリマー網目構造を含み得る、実施形態107~110のいずれか1つに記載の方法。
112.1つ又は複数の官能化部位は、ビオチン部分、アビジン部分、又はストレプトアビジン部分を含み得る、実施形態110に記載の方法。
113.1つ又は複数の官能化部位は、第1の流動性官能化プレポリマーの少なくとも1つの成分に共有結合され得る、実施形態111又は112に記載の方法。
114.マイクロ流体デバイスのフロー領域を通して第1の容量の第1の流体媒体を流し、それにより、固化しなかった第1の流動性官能化プレポリマーをフロー領域及び任意選択的に少なくとも1つの隔離ペン外に拡散させるステップを更に含む、実施形態107~113のいずれか1つに記載の方法。
115.第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を少なくとも第1の捕捉構造に導入することと、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位に会合させることとを更に含む、実施形態107~114のいずれか1つに記載の方法。
116.マイクロ流体デバイスを通して第2の容量の第1の流体媒体を流し、それにより、会合しなかった第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体をフロー領域及び任意選択的に少なくとも1つの隔離ペン外に拡散させることを更に含む、実施形態115に記載の方法。
117.第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、抗体、抗原、有機分子、又はオリゴヌクレオチドを含み得る、実施形態115又は116に記載の方法。
118.第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体の有機分子は、酵素、抗原、細胞表面マーカ、又はサイトカインへの基質を含み得る、実施形態117に記載の方法。
119.第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位に会合させるように構成される部分を更に含み得る、実施形態115~118のいずれか1つに記載の方法。
120.第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を会合させるように構成される部分は、少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の官能化部位へのビオチン結合パートナー、アビジン結合パートナー、又はストレプトアビジン結合パートナーを含み得る、実施形態119に記載の方法。
121.第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1のアッセイ試薬であり得る、実施形態115~120のいずれか1つに記載の方法。
122.第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を導入するステップを更に含む、実施形態107~121のいずれか1つに記載の方法。
123.第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、少なくとも第1の捕捉構造の固化ポリマー網目構造の第2の官能化部位に会合し得る、実施形態122に記載の方法。
124.第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体から検出可能に区別可能であり得る、実施形態123に記載の方法。
125.第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、少なくとも1つの隔離ペン内の第2の捕捉構造上の第1の官能化部位に会合し得る、実施形態123に記載の方法。
126.第2の捕捉構造をフロー領域又は少なくとも1つの隔離ペン内に導入することを更に含み、第2の捕捉構造を導入することは、第2の流動性官能化プレポリマーをフロー領域に導入するステップと、エンクロージャの少なくとも第2の選択されたエリアにおいて第2の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化し、それにより、その中に第2のインサイチュー生成捕捉構造を形成するステップと、更なる容量の第1の流体媒体をマイクロ流体デバイスのフロー領域に流すステップとを含み得る、実施形態125に記載の方法。
127.第3の捕捉構造をフロー領域又は少なくとも1つの隔離ペンを導入することを更に含み、第3の捕捉構造を導入することは、第3の流動性官能化プレポリマーをフロー領域内に導入することと、エンクロージャの少なくとも第3の選択されたエリアにおいて第3の流動性官能化プレポリマーの固化を活性化し、それにより、その中に第3のインサイチュー生成捕捉構造を形成することと、更なる容量の第1の流体媒体をマイクロ流体デバイスのフロー領域に流すこととを含み得る、実施形態126に記載の方法。
128.第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得る、実施形態122~127のいずれか1つに記載の方法。
129.第1の流動性官能化プレポリマーは、第2の流動性官能化プレポリマーと異なる、実施形態126~128のいずれか1つに記載の方法。
130.第1、第2、及び第3の流動性官能化プレポリマーのそれぞれは、互いに異なり得る、実施形態127~129のいずれか1つに記載の方法。
131.第3の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体を導入するステップを更に含む、実施形態127~130のいずれか1つに記載の方法。
132.第3の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、少なくとも1つの隔離ペン内の第3の捕捉構造上の第1の官能化部位に会合し得る、実施形態131に記載の方法。
133.第3の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体は、第1の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体及び第2の官能化アッセイ試薬又はアッセイ検体と異なり得る、実施形態131又は132に記載の方法。
134.マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの内面は、調整表面を更に含み得る、実施形態107~133のいずれか1つに記載の方法。
任意の上述した変更形態に加えて、本説明の趣旨及び範囲から逸脱せずに多くの他の変形形態及び代替構成を当業者は考案し得、添付の特許請求の範囲は、そのような変更形態及び構成を包含することが意図される。したがって、情報は、最も実際的且つ好ましい態様であると現在考えられるものに関連して具体的且つ詳細に上述したが、本明細書に記載される原理及び概念から逸脱せずに、形態、機能、動作様式、及び使用を含むがこれに限定されない多くの変更形態がなされ得ることが当業者に明らかである。また、本明細書で使用される場合、例及び実施形態は、全ての点に関して単なる例示が意味され、決して限定として解釈されるべきではない。更に、本明細書において要素のリスト(例えば、要素a、b、c)が言及される場合、そのような言及は、リスト自体に列挙された要素のいずれか1つ、列挙された要素の全て未満の任意の組合せ、及び/又は列挙された全ての要素の組合せを包含することが意図される。本明細書で使用される場合、1つの(a)、1つの(an)、及び1つ(one)という用語は、それぞれ少なくとも1つ及び1つ又は複数という用語と同義であり得る。ステップという用語が本明細書において使用されるが、この用語は、単に、説明される方法の異なる部分に注意を引くために使用され得、方法の任意の部分の開始点若しくは停止点を区切るか又は他の方法での限定として意図されないことにも留意されたい。