JP7231923B2 - 複合体の検出方法、並びにそれに用いる担体及び検出キット - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 平成30年9月4日、http://www3.scej.org/meeting/50f/index.html http://www3.scej.org/meeting/50f/pages/jp_gen-schedule.html http://www3.scej.org/meeting/50f/pages/jp_appl-intellectual.html http://www3.scej.org/meeting/50f/prog/ http://www3.scej.org/meeting/50f/abst/PB288.pdf 発表日 平成30年9月19日、化学工学会第50回秋季大会 発行日 平成30年11月1日、膜シンポジウム2018要旨集、日本膜学会 発表日 平成30年11月13日、膜シンポジウム2018
本発明は、複合体の検出方法、並びにそれに用いる担体及び検出キットに関する。本発明によれば、例えば酵素免疫法による抗原検出のシグナルの強度を向上させることができる。
疾患の診断方法として、疾患によって患者の検体中に増加又は出現するバイオマーカーを検出する方法がある。しかし、バイオマーカーは、患者の検体中に微量しか存在しないことも多く、低濃度のバイオマーカーを短時間で検出する方法の開発が求められている。
例えば、
特開2008-2918号公報
「分析化学」(日本)2005年、第9巻、p.817-823
バイオマーカーの検出法として、酵素免疫測定法(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay:ELISA法)が汎用されている。ELISA法では、ウェルプレート内での抗原抗体反応によりバイオマーカーを捕捉し、続く酵素反応による発色で検出される。しかしながら、ELISA法は、検査に時間を要するといった問題がある。また、ウェルプレートに代えて、マイクロ流路を用いる抗原抗体反応があるが、再現性及び感度は十分ではなかった(非特許文献1)。
従って、本発明の目的は、短時間でバイオマーカーを検出できる方法を提供することである。
本発明者は、短時間でバイオマーカーを検出できる方法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、バイオマーカーを捕捉する捕捉成分が固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体を用い、バイオマーカーを含む検体を前記細孔中に流入させることにより、短時間でバイオマーカー検出できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]複合体の検出方法であって、
(A)(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体において、前記捕捉成分に結合する被検出成分を含む可能性のある検体を、前記細孔に流入させる工程、(2)前記被検出成分に結合する検出成分を含む溶液を前記細孔に流入させ、捕捉成分/被検出成分/検出成分の複合体を形成させる工程、及び(3)前記複合体を検出する工程、を含むか、又は(B)(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体において、前記捕捉物質に結合する被検出成分を含む可能性のある検体、及び前記捕捉成分に結合する前記被検出成分と競合する競合検出成分を、前記細孔に流入させ、捕捉成分/競合検出成分の複合体を形成させる工程、及び(2)前記複合体を検出する工程、を含む、複合体の検出方法、
[2]前記細孔の細孔分布が、下記式(1):(D10-D90)/D50≦1 (1)(式中、D10は累積体積百分率が10%の細孔径であり、D90は累積体積百分率が90%の細孔径であり、D50は累積体積百分率が50%の細孔径である)を満たす、[1]に記載の検出方法、
[3]前記担体が、トラックエッチング膜である、[2]に記載の検出方法、
[4]前記捕捉成分が抗体又は抗原である、[1]~[3]のいずれかに記載の検出方法、
[5]被検出成分を捕捉するための捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体であって、前記細孔の細孔分布が、下記式(1):(D10-D90)/D50≦1 (1)(式中、D10は累積体積百分率が10%の細孔径であり、D90は累積体積百分率が90%の細孔径であり、D50は累積体積百分率が50%の細孔径である)を満たす担体、
[6]前記担体が、トラックエッチング膜である、[5]に記載の担体、
[7]前記捕捉成分が抗体又は抗原である、[5]又は[6]に記載の担体、又は
[8](A)[5]~[7]のいずれかに記載の担体、及び被検出成分に結合する検出成分を含む溶液;又は(B)[5]~[7]のいずれかに記載の担体、及び捕捉成分と結合する競合検出成分を含む溶液;を含む複合体の検出キット、
に関する。
なお、特許文献1には、「イ)細孔を有する多孔性基材であって外部環境変化により実質的に変化しない多孔性基材;ロ)前記細孔中に配置されるポリマーであって外部環境変化に応答するポリマー;及びハ)前記ポリマーと結合するように配置される捕捉物質であって被捕捉物質を特異的に捕捉する捕捉物質;を有する被捕捉物質認識装置」が記載されている。しかしながら、短時間でバイオマーカーを検出する方法については、開示も示唆もされていなかった。
本発明の複合体の検出方法によれば、短時間で疾患を診断するバイオマーカーを検出することができる。また、本発明の複合体の検出方法は、生体中の疾患に関連する抗体を短時間で検出することができる。本発明の複合体の検出方法は、免疫測定法であるサンドイッチ法又は競合法に用いることができる。
本発明の担体及び前記担体を含む複合体の検出キットは、前記複合体の検出方法に用いることができる。
更に、本発明の複合体の検出方法においては、捕捉物質を固相化するポリマーが親水性であるために、捕捉物質の固相化の後に親水性物質によるブロッキングを行わなくても、十分な感度を得ることができる。また、本発明の複合体の検出方法においては、検出工程の発色又は発光を酵素反応で行う場合、ELISA法と異なり、発色又は発光停止液を添加しなくてもよく、工程が簡略化できる。
均一な細孔を有するトラックエッチング膜を示した写真である 担体の細孔にポリマーを重合し、エステル化した後に抗体を固相化する手中を示した図である。 本発明の複合体の検出方法(特に、検体流入工程(1))を模式的に示した図である。 本発明の複合体の検出方法の1つの具体的な実施態様を示した図である。 本発明の複合体の検出方法と、従来のELISA法とのシグナル強度を比較したグラフである。 グラフト重合体が結合した膜の基を解析した図である。 本発明の担体の細孔に捕捉抗体が固相化されていることを確認するために、蛍光標識抗体を固相化した実施例4の細孔の透過像(a)及び蛍光像(b)、並びに活性化エステル化を実施しなかった比較例2の細孔の透過像(c)及び蛍光像(d)を示した図である。
[1]複合体の検出方法
本発明の複合体の検出方法は、(A)(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体において、前記捕捉成分に結合する被検出成分を含む可能性のある検体を、前記細孔に流入させる工程、(2)前記被検出成分に結合する検出成分を含む溶液を前記細孔に流入させ、捕捉成分/被検出成分/検出成分の複合体を形成させる工程、及び(3)前記複合体を検出する工程を含み得る(以下、サンドイッチ法と称することがある)。
また、本発明の複合体の検出方法は、(B)(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体において、前記捕捉物質に結合する被検出成分を含む可能性のある検体、及び前記捕捉成分に結合する前記被検出成分と競合する競合検出成分を、前記細孔に流入させ、捕捉成分/競合検出成分の複合体を形成させる工程、及び(2)前記複合体を検出する工程、を含み得る(以下、競合法と称することがある)。
《担体》
本発明の検出方法に用いる担体は、平均細孔直径10μm以下の細孔を有する限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば多数の細孔を有する多孔質体、又はバイオリアクターが挙げられる。
担体がバイオリアクターの場合、1本のバイオリアクターを担体として用いてもよく、複数のバイオリアクターを組み合わせて担体として用いてもよい。
担体が多孔質体の場合、本発明の検出方法に用いるために、多孔質体は多孔質膜が好ましい。多孔質体の細孔は、本発明の検出方法において、被検出物質を含む検体、検出成分、及び競合検出成分などを通過させるために、基本的には連通孔である。多孔質膜の場合の形状は特に限定されず、方形及び円形等が挙げられるが、検体等を細孔に均等に通過させるため、好ましくは円形である。多孔質膜が円形の場合、本発明の効果が得られる限りにおいて、多孔質膜の直径は特に限定されるものではないが、例えば0.3~5cmの直径の多孔質膜を用いることができ、より好ましくは0.5~2cmの直径の多孔質膜を用いることができる。
担体の平均細孔直径は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、平均細孔直径の上限は好ましくは8μm以下であり、より好ましくは6μm以下であり、更に好ましくは4μm以下であり、最も好ましくは2μm以下である。平均細孔直径の下限は、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは30nm以上であり、更に好ましくは50nm以上であり、最も好ましくは100nm以上である。
前記担体は、好ましくはシャープな細孔分布を有する。細孔分布がブロードである担体と比較すると、シャープな細孔分布を有する担体は、短時間で被検出成分を検出することができる。
従って、前記細孔の細孔分布は、好ましくは下記式(1):
(D10-D90)/D50≦1 (1)
(式中、D10は累積体積百分率が10%の細孔径であり、D90は累積体積百分率が90%の細孔径であり、D50は累積体積百分率が50%の細孔径である)
を満たす。
前記(D10-D90)/D50の値は、1以下であるが、好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.6以下であり、更に好ましくは0.4以下であり、更に好ましくは0.2以下である。(D10-D90)/D50が0.2以下である場合、細孔直径はほぼ均一である。
前記累積体積百分率は、例えば水銀圧入法、又はガス吸着法によって測定することができる。
例えば、水銀圧入法による細孔容積の測定は、例えば水銀ポロシメーターを用い、以下のように実施することができる。
試料を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を試料の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて試料の細孔容積分布を測定する。例えば、細孔直径22μmに相当する圧力(0.06MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに試料に圧入された水銀の体積を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力を「γ」とし、水銀と細孔壁との接触角を「θ」とすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:
-πDγcosθ=π(D/2)2・P
が成り立つ。従って
D=(-4γcosθ)/P
となる。
ガス吸着法(BET法)による細孔容積の測定は、比表面積連続流通式の比表面積測定器を用いて、試料のガス吸着量を測定し、BETの式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料を試料管に充填し、その試料管に窒素30vol%を含有するヘリウムガスを流しながら以下の操作を行い、試料への窒素吸着量を求める。すなわち、試料管を-196℃に冷却し、試料に窒素を吸着させる。次に、試料管を室温に戻す。このとき試料から脱離してくる窒素量を熱伝導度型検出器で測定し、吸着ガス量(v)とする。BETの式から誘導された近似式:v=1/(v・(1-x))
を用いて液体窒素温度における、窒素吸着による1点法(相対圧力x=0.3)によりvを求め、次式:比表面積=4.35×v(m/g)
により試料の比表面積を計算する。前記の各計算式で、vは試料表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量(cm/g)であり、vは実測される吸着量(cm/g)であり、xは相対圧力である。
なお、後述のトラックエッチング膜などの細孔がほぼ均一な担体の場合、水銀圧入法又はガス吸着法などの細孔容積の測定法以外に、電子顕微鏡写真の観察像から直接細孔直径を測定することができる。
(トラックエッチング膜)
細孔分布がシャープな多孔質膜として、高分子膜をエッチング処理することにより、均一なシリンダー様の細孔(連通孔)が形成されたトラックエッチング膜を挙げることができる(図1)。トラックエッチング膜は、例えば「ip PORE」(登録商標)としてエア・ブラウン社から市販されている。
前記担体の材質は、特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、多孔性ガラス、又は多孔性セラミックスなどを挙げることができる。
(空孔率)
前記担体の空孔率は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは5~70%であり、より好ましくは10~60%である。前記担体がトラックエッチング膜の場合、空孔率の下限は、好ましくは5%であり、より好ましくは7%であり、更に好ましくは10%であり、更に好ましくは15%である。また、前記担体がトラックエッチング膜の場合、空孔率の上限は、好ましくは40%であり、より好ましくは35%であり、更に好ましくは30%であり、更に好ましくは25%である。前記空孔率のそれぞれの下限及び上限を組み合わせて、好ましい範囲とすることができる。
《親水性ポリマー》
前記捕捉成分は、親水性ポリマーを介して担体に固相化されている。親水性ポリマーとは、限定されるものではないが、親水基を分子内に有するポリマーを挙げることができる。親水性ポリマーに含まれる親水基としては、カルボキシル基、水酸基、スルホ基、又はアミノ基が挙げられる。具体的な親水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、又はポリビニルアルコールが挙げられる。
《捕捉成分》
前記捕捉成分は、被検出成分に結合できる物質である限りにおいて、特に限定されるものではなく、例えば抗体、抗原、又はレクチンを挙げることができるが、好ましくは抗体又は抗原である。例えば、抗体の重鎖及び軽鎖の超可変領域(CDR)が、抗原のエピトープと特異的に結合する。また、抗原のエピトープとしては、特定のアミノ酸配列が挙げられるが、抗体のCDRは、アミノ酸配列以外に、アミノ酸のメチル化、リン酸化、又はアセチル化を認識することもでき、アミノ酸に結合した糖鎖を認識することもできる。
また、レクチンを捕捉成分として用いた場合、抗原の特定の糖鎖を特異的に認識して、抗原を捕捉することができる。
前記捕捉成分は、前記親水性ポリマーの官能基を介して親水性ポリマーと結合させることができる。官能基は、導入する捕捉成分によって、適宜選択することができるが、例えば捕捉成分のアミノ基(-NH基)を用いて親水性ポリマーと結合させる場合、N-アクリルオキシスクシンイミド、又は炭酸ビス(ペンタフルオロフェニル)などの活性エステルを用いることができる。また、ジメチルスベリミデートまたはジメチルピメリミデート、又はジメチルアジピミデートなどのイミドエステル架橋剤を用いて、親水性ポリマーと結合することもできる。
具体的に、捕捉成分として抗体のアミノ基を用いて、担体のポリマーに結合させる場合、図2に示すように行うことができる。
担体にアクリル酸を、担体の細孔中でプラズマグラフト重合法により細孔表面に固定化する。固定化されたアクリル酸を足場にN-ヒドロキシスクシンイミド(以下、「NHS」と称することがある)及び水溶性カルボジイミド(以下、EDCと称することがある)を用いて、溶媒下、例えばジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と称することがある)下で反応させ、アクリル酸をN-アクリルオキシスクシンイミド(以下、「NAS」と称することがある)化する。さらに、リン酸緩衝液中でNASの活性エステル基と抗体のアミノ基とを反応させ、抗体固定グラフトポリマーを得ることができる。最後に、残ったNASの活性エステル基を不活化するために、イソプロピルアミンと反応させ、N-イソプロピルアクリルアミド化し、NASと抗体との反応を完全に停止させる。
なお、抗原又はレクチンのアミノ基(-NH基)を用いても、同様に親水性ポリマーと結合させることができる。
《被検出成分》
本発明の検出方法において、検出される被検出成分は、特に限定されるものではないが、抗原又は抗体が挙げられる。抗原としては、疾患によって体内で上昇する生体内タンパク質(例えば、酵素、受容体、リガンドなどの疾患のバイオマーカー)、又は病原体のタンパク質(例えば、ウイルスのタンパク質、細菌のタンパク質、真菌のタンパク質、寄生虫のタンパク質)が挙げられる。抗体としては、体内で外来抗原(例えば病原体)に対して産生される抗体、自己抗体、又はアレルギー抗体(IgE抗体)などが挙げられる。
被検出成分は、基本的には疾患の発症時に生体内で増加又は減少するバイオマーカーであり、被検出成分に特異的に結合する捕捉成分によって、担体上に捕捉される。
疾患のバイオマーカーとしては、がんマーカー、感染症マーカー、又は生活習慣病マーカーなどが挙げられる。具体的ながんマーカーとしては、大腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、腎癌、胸腺腫、小腸癌、膵臓癌、膀胱癌、骨癌、血液癌、脳癌、乳房、子宮頸部癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、肝癌、又は咽頭癌のマーカーが挙げられる。 具体的な感染症マーカーとしては、細菌感染症マーカー(肺炎球菌、ブドウ球菌、バチルス、レンサ球菌、髄膜炎菌、淋菌、大腸菌類、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、サルモネラ、赤痢菌、ヘモフィルス、エルシニア、リステリア、コリネバクテリウム、ビブリオ、クロストリジウム、クラミジア、マイコバクテリウム、ヘリコバクター、およびトレポネーマ)、真菌感染症マーカー(カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、表在性および深在性真菌症を引き起こす真菌)、ウイルス感染症マーカー(HIV、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、ラブドウイルス、風疹ウイルス、痘瘡ウイルス、ポックスウイルス、パラミクソウイルス、およびモルビリウイルス)、又は寄生虫感染症マーカー(トリパノソーマ、シストソーマ、リーシュマニア、アメーバ、および条虫)が挙げられる。
具体的な生活習慣病マーカーとしては、肥満、脂質異常症、糖尿病、耐糖能異常、高血圧症、動脈硬化症、高尿酸血症、又は高インスリン血症のマーカーが挙げられる。
《検出成分》
前記サンドイッチ法における検出成分は、被検出成分である抗原又は抗体に結合できる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば抗体又はレクチンを挙げることができる。被検出成分が抗原である場合、検出成分は抗原に結合することができる抗体、又はレクチンが好ましい。一方、被検出成分が抗体である場合、検出成分は被検出成分の抗体に結合することができる抗体が好ましい。
検出成分は、検出成分自体が酵素などの標識物によって標識されてもよいが、検出成分である抗体又はレクチンに対する二次抗体が酵素などの標識物によって標識されていてもよい。しかしながら、検出成分自体が酵素などの標識物によって標識されている、酵素標識抗体が好ましい。検出成分に対する標識二次抗体を用いる場合、工程が1つ増えるからである。
《競合検出成分》
前記競合法における競合検出成分は、被検出成分と競合して捕捉成分と結合できる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば抗原又は抗体が挙げられる。被検出成分が抗原である場合、競合検出成分は捕捉成分(例えば抗体又はレクチン)と結合できる抗原が好ましい。一方、被検出成分が抗体である場合、競合検出成分は捕捉成分(例えば、抗原)と結合できる抗原が好ましい。
競合検出成分は、好ましくは競合検出成分が酵素などの標識物によって標識される。
検出成分又は競合検出成分の標識物としては、酵素又はアビジンを挙げることができる。前記標識物がアビジンの場合、アビジンと特異的に結合する酵素標識ビオチンによって、シグナルを検出することができる。
前記酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ又はカタラーゼなどを用いることができる。これらの酵素と基質の組み合わせにより、発色又は発光によって、複合体を検出することができる。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼの基質としては、例えば3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine,TMB)、3,3’-ジアミノベンジジン(3,3'-Diaminobendizine,DAB)、又はルミノール(発光)を用いることができる。例えば、アルカリホスファターゼの基質としては、p-ニトロフェニルリン酸、又はジオキセタン(発光)を用いることができる。
《サンドイッチ法》
前記サンドイッチ法は、(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体において、前記捕捉成分に結合する被検出成分を含む可能性のある検体を、前記細孔に流入させる工程(以下、検体流入工程(1)と称することがある)、(2)前記被検出成分に結合する検出成分を含む溶液を前記細孔に流入させ、捕捉成分/被検出成分/検出成分の複合体を形成させる工程(複合体形成工程(2))、及び(3)前記複合体を検出する工程(以下、サンドイッチ検出工程(3)と称することがある)を含む。サンドイッチ法としては、限定されるものではないが、被検出物質が抗原である抗原検出法、又は被検出物質が抗体である抗体検出法が挙げられる。
前記検体流入工程(1)においては、担体の細孔に検体を通過させ、捕捉成分に検体を接触させる。検体流入工程(1)において、捕捉成分と被検出成分との1次複合体(捕捉成分/被検出成分)が形成される。1次複合体は、例えば抗体/抗原、又は抗原/抗体の免疫複合体である。次に、複合体形成工程(2)において、担体の細孔に検出成分を通過させ、前記1複合体に検出成分を接触させ、2次複合体(捕捉成分/被検出成分/検出成分)を形成させる。前記2次複合体は、例えば抗体/抗原/抗体、又は抗原/抗体/抗体の免疫複合体である。複合体形成工程(2)において形成された、複合体がサンドイッチ検出工程(3)において検出される。検出は、前記の通り、酵素などの標識物と基質とを反応させ、発色又は発光などのシグナルを得ることによって検出できる。前記検体流入工程(1)及び複合体形成工程(2)の間、並びに複合体形成工程(2)及び検出工程(3)の間には、細孔内に残存している被検出成分又は検出成分を取り除くために、洗浄液によって洗浄することが好ましい。洗浄液としては、PBS又はTBSを用いることができる。
なお、ELISAにおいては、ウェル中に酵素が存在しているため時間の経過とともに、発色又は発光が進行する為、一定の時間で発色又は発光を停止する必要がある。しかしながら、本発明においては、検出工程(3)において、担体の細孔に基質を通過させて反応させる。従って細孔を通過した基質は発色又は発光が停止しており、発色等の停止液を加えなくてもよい。
また、ELISAにおいては、プレートのウェルに抗体又は抗原が非特異的に結合し、非特異反応が起きる。従って、抗体又は抗原を固相化した後に、BSA、OVA、又はスキムミルクなどの親水性タンパク質によってブロッキングを行う。しかしながら、本発明の検出方法においては、親水性ポリマーにより担体が覆われているため、ブロッキングなしでも担体が親水性となっている。そのため、ブロッキングなしで、抗体又は抗原の担体への非特異的吸着を抑制することができる。
《競合法》
前記競合法は、(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体において、前記捕捉物質に結合する被検出成分を含む可能性のある検体、及び前記捕捉成分に結合する前記被検出成分と競合する競合検出成分を、前記細孔に流入させ、捕捉成分/競合検出成分の複合体を形成させる工程(以下、検体流入工程(1)と称することがある)、及び(2)前記複合体を検出する工程(以下、競合検出工程(2))を含む。競合法においては、捕捉成分/被検出成分の複合体、及び捕捉成分/競合検出成分の複合体が形成されるが、競合検出成分を標識することにより捕捉成分/競合検出成分の複合体を検出し、検体中の被検出成分の量を求める。
競合法としては、被検出成分が抗原である抗原検出法、又は被検出物質が抗体である抗体検出法が挙げられる。
競合法における検体流入工程(1)は、競合検出成分を被検出成分と一緒に細孔に流入させることを除いては、基本的にサンドイッチ法における検体流入工程(1)と同じように実施することができる。この検体流入工程(1)において、捕捉成分/競合検出成分の複合体が形成される。競合法における検出工程(2)も、基本的にサンドイッチ法における検出工程(3)に従って実施することができる。前記検体流入工程(1)及び検出工程(2)の間には、細孔内に残存している被検出成分又は検出成分を取り除くために、洗浄液によって洗浄することが好ましい。
更に、競合法においても、サンドイッチ法と同じように、発色等の停止液を加えなくてもよく、ブロッキングなしで、抗体又は抗原の担体への非特異的吸着を抑制することができる。
前記サンドイッチ法の検体流入工程(1)における検体、及び複合体形成工程(2)における検出成分(例えば、標識抗体)、並びに競合法の検体流入工程(1)における検体及び競合検出成分(例えば、標識抗体又は標識抗原)は、適当な緩衝液で希釈して細孔に流入させる。これらの細孔に流入される検体等の容量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、0.2~5mLであり、好ましくは0.5~2mLである。また、サンドイッチ法の検出工程(3)及び競合法の検出工程(2)における基質の容量も特に限定されるものではないが、0.2~5mLであり、好ましくは0.5~2mLである。また、使用する膜の面積が大きくなれば、容量も増加することが望ましいが、例えば前記検体等の容量は、0.2~5mL/cmであり、好ましくは0.5~2mL/cmである。
また、検体等及び基質の反応時間(流入時間)も、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば1~30分であり、好ましくは2~20分であり、より好ましくは5~15分である。前記の時間の範囲であることにより、従来のELISA法と比較して短時間で、バイオマーカーの測定を行うことができる。
《作用》
本発明の複合体の検出方法において、短時間で疾患等のバイオマーカーを検出できる機構は、完全に解明されたわけではないが、以下のように推定できる。しかしながら、本発明は、以下の推定によって限定されるものではない。
本発明においては、図3に示すように、担体の細孔に捕捉抗体などの捕捉成分が固相化されており、その細孔に抗原などの被検出成分を通過させる。前記細孔の平均細孔直径は、10μm以下と細いため、捕捉成分と被検出成分との接触の機会が増加し、捕捉成分と被検出成分との結合が促進されると考えられる。更に、細孔に被検出成分及び検出成分等を含む溶液を流入させることにより、捕捉成分と被検出成分との接触の機会が増加し、更に捕捉成分と被検出成分との結合が促進されると考えられる。
[2]担体
本発明の担体は、被検出成分を捕捉するための捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有する担体であって、前記細孔の細孔分布が、下記式(1):
(D10-D90)/D50≦1 (1)
(式中、D10は累積体積百分率が10%の細孔径であり、D90は累積体積百分率が90%の細孔径であり、D50は累積体積百分率が50%の細孔径である)
を満たす。
本発明の担体の、平均細孔直径、捕捉成分、空孔率、親水性ポリマー及び材質などは、前記「[1]複合体の検出方法」の項に記載したものと同様である。
[3]複合体の検出キット
本発明の複合体の検出キットは、(A)本発明の担体、及び被検出成分に結合する検出成分を含む溶液を含む。また、本発明の複合体の検出キットは、(B)本発明の担体、及び捕捉成分と結合する競合検出成分を含む溶液を含む。
前記(A)の複合体検出キットは、本発明のサンドイッチ法の複合体検出方法に用いることができる。また、前記(B)の複合体検出キットは、本発明の競合法の複合体検出方法に用いることができる。
複合体検出キットに含まれる担体は、前記「[2]担体」の項に記載の担体を用いることができる。
被検出成分に結合する検出成分を含む溶液は、被検出成分に結合する検出成分を含む限りにおいて、特に限定されるものではない。前記被検出成分及び検出成分は、前記「[1]複合体の検出方法」の項に記載したものと同様である。
また、捕捉成分と結合する競合検出成分を含む溶液は、捕捉成分と結合する競合検出成分を含む限りにおいて特に限定されるものではない。前記捕捉成分及び競合検出成分は、前記「[1]複合体の検出方法」の項に記載したものと同様である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
本実施例では、直径1μmの細孔を有するトラックエッチング膜を用いて、細孔に親水性ポリマーを介して抗体を固相化した。用いたトラックエッチング膜は、平均細孔直径1.0μm、空孔率19.6%、膜厚22μmであった。
溶媒を水としたアクリル酸モノマー濃度3.75wt%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)界面活性剤濃度5wt%を用い、遊離ラジカル法によりプラズマグラフト重合を行った。プラズマ照射条件はAr 10Paの雰囲気下で照射強度30W、照射時間60秒で行った。また重合は80℃、30分間振とうすることにより行った。多孔質細孔へ導入したアクリル酸は重量変化によりその固定量を評価した。
次に、N-ヒドロキシスクシンイミド(N-Hydroxysuccinimide;NHS)0.115g、水溶性カルボジイミド(Water soluble carbodiimide;WSC)0.192gを超純水20mLに溶解し、50mM NHS/WSC水溶液を調製した。この溶液に、前記ポリアクリル酸グラフト膜(φ=4%)を入れて、振とう恒温槽内で30℃で3時間反応させた。ポリアクリル酸グラフト膜は、反応前にエタノールと純水を用いて、溶媒を置換した。
ポリアクリル酸グラフト膜を直径1cmに切り取り、洗浄バッファー(TBS with Tween 20、pH8.0)で1mg/mLに希釈したヒツジ由来抗BSA抗体(ベチル・ラボラトリーズ)を100μLを滴下し、4℃で一昼夜、インキュベートした。インキュベート終了後、ポリアクリル酸グラフト膜を洗浄バッファー(TBS with Tween 20、pH8.0)で1分、超純水で1分洗浄し、抗体固相化膜を得た。抗体固相化膜は、洗浄バッファー中に保存した。
《実施例2》
本実施例では、実施例1で得られた担体、及び被検出成分としてBSAを用いて、本発明の検出方法によるBSAの検出を行った。図4に検出方法の1つの実施態様を示す。
実施例1で得られた抗体固相化膜を、フィルターホルダー(メルク:Swinnex Filter Holder 13mm)にセットした。BSA(ベチル・ラボラトリーズ)を洗浄バッファーを用いて、10ng/mL、25ng/mL、及び100ng/mLに希釈した。それぞれの濃度のBSA溶液を、シリンジポンプを用いて、10分間抗体固相化膜に透過させた。BSA溶液の流速は6mL/時間とした。抗体固相化膜をフィルターホルダーから取り出し1分間洗浄液(TBS with Tween 20、pH8.0)中で洗浄し、そして膜ホルダにセットして5分間洗浄液で洗浄した。
次に、HRP標識された抗BSA抗体(二次抗体)を、シリンジポンプを用いて、10分透過させた(6mL/時間)。抗体固相化膜を同様に洗浄した。TMB溶液(ベチル・ラボラトリーズ)をシリンジポンプを用いて、10分透過させた(6mL/時間)。基質溶液をサンプリングし、UV/vis分光計で650nmの吸光度を測定した。
比較として、ベチル・ラボラトリーズの「Bovine Albumin ELISA Quantification Set(Cat. No. E10-113)」の説明書に記載のELISAの標準曲線のデータを示す。実施例2において使用した捕捉抗体、二次抗体、及び洗浄バッファー等は、ベチル・ラボラトリーズのELISAの標準曲線で使用されてものと同じものである。なお、ELISAの1次反応及び2次反応は、それぞれ1時間であり、基質によるHRPの発色は15分間である。結果を図5に示す。
実施例2の本発明の検出方法では、比較例1のELISA法と比べて、高い発色シグナルが得られた。すなわち、反応時間を1/6にしているにも関わらず、迅速そして高感度に抗原を検出することができる。
《実施例3》
本実施例では、ポリエチレン多孔質膜を用いて、細孔にポリアクリル酸(親水性ポリマー)を形成し、その側鎖にN-アクリルオキシスクシンイミドを結合させ、グラフト重合体膜を得た(図6A)。用いたポリエチレン多孔質膜は、平均細孔直径150nm、空孔率50%、膜厚27μmであった。
水を溶媒としてNHSとEDCを溶解し、NHS/EDC水溶液(50mM)を調製した。この溶液にグラフト率6%のアクリル酸グラフト膜を入れて、30℃で2時間反応させた。膜は反応前に、エタノールと純水を用いて溶媒置換を行った。反応は振とう恒温槽内において行った。反応後はエタノールを用いて1分、続いて超純水を用いて1分反応後の膜を洗浄した。洗浄後の膜は乾燥機で真空乾燥し、FT-IRによって分析を行った。
図6Bに示すように、重合の後にカルボキシル基(COOH基)のシグナルが観察され、エステル化後に活性化エステルのシグナルが観察された。
《実施例4及び比較例2》
本実施例では、細孔に捕捉抗体が固相化されていることを確認するために、蛍光標識された抗体を用いて、トラックエッチング膜に固相化した。
ヒツジ由来抗BAS抗体に代えて、標識ヒツジ由来抗BAS抗体を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、標識抗体固相化膜を得た。得られた膜からミクロトームを用いて、3μmの厚さの切片を作製し、その断面を蛍光観察した(図7)。
また、比較例として、活性化エステル化(NHS及びWSCによる処理)を行わなかったことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、膜を得た(比較例2)。
図7(a)及び(b)は、それぞれ実施例4の膜断面の透過像及び蛍光像である。抗体が膜厚方向にかなり均一に固定されていることがわかる。図7(c)及び(d)は、それぞれ比較例2の膜断面の透過像及び蛍光像である。比較例2においては、合蛍光標識抗体がほとんど固定されていなかった。実施例4の膜は、蛍光標識抗体は化学固定されていると考えられる。一方、比較例2では、膜細孔内における抗体の非特異的な残存や吸着がほとんど起こっていないことが分かる。
本発明の複合体の検出方法、担体、及び複合体の検出キットは、疾患等のバイオマーカーの検出に用いることができる。

Claims (6)

  1. 複合体の検出方法であって、
    (A)(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有するトラックエッチング膜において、前記捕捉成分に結合する被検出成分を含む可能性のある検体を、前記細孔に流入させる工程、
    (2)前記被検出成分に結合する検出成分を含む溶液を前記細孔に流入させ、捕捉成分/被検出成分/検出成分の複合体を形成させる工程、及び
    (3)前記複合体を検出する工程、を含むか、又は
    (B)(1)捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有するトラックエッチング膜において、前記捕捉物質に結合する被検出成分を含む可能性のある検体、及び前記捕捉成分に結合する前記被検出成分と競合する競合検出成分を、前記細孔に流入させ、捕捉成分/競合検出成分の複合体を形成させる工程、及び
    (2)前記複合体を検出する工程、を含む、
    複合体の検出方法であって、
    前記細孔が均一なシリンダー様の細孔である、複合体の検出方法
  2. 前記細孔の細孔分布が、下記式(1):
    (D10-D90)/D50≦1 (1)
    (式中、D10は累積体積百分率が10%の細孔径であり、D90は累積体積百分率が90%の細孔径であり、D50は累積体積百分率が50%の細孔径である)
    を満たす、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記捕捉成分が抗体又は抗原である、請求項1又は2に記載の検出方法。
  4. 被検出成分を捕捉するための捕捉成分が親水性のポリマーを介して固相化された平均細孔直径10μm以下の細孔を有するトラックエッチング膜であって、
    前記細孔の細孔分布が、下記式(1):
    (D10-D90)/D50≦1 (1)
    (式中、D10は累積体積百分率が10%の細孔径であり、D90は累積体積百分率が90%の細孔径であり、D50は累積体積百分率が50%の細孔径である)
    を満たし、前記細孔が均一なシリンダー様の細孔であるトラックエッチング膜
  5. 前記捕捉成分が抗体又は抗原である、請求項に記載のトラックエッチング膜
  6. (A)請求項4又は5に記載のトラックエッチング膜、及び被検出成分に結合する検出成分を含む溶液;又は
    (B)請求項4又は5に記載のトラックエッチング膜、及び捕捉成分と結合する競合検出成分を含む溶液;
    を含む複合体の検出キット。
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