JP7081480B2 - 成形型の製造方法、成形型、乗物用内装材の製造方法 - Google Patents

成形型の製造方法、成形型、乗物用内装材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、成形型の製造方法、成形型、乗物用内装材の製造方法に関する。
従来、成形型の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。具体的には、特許文献1には、乗物用内装材の表面を成形するための成形面を有する成形型の製造方法であって、成形面にめっき層を形成するめっき形成工程を備え、めっき形成工程では、所定の条件下で成形型に対して電気めっきを行うことが開示されている。そしてこのような工程により、微細な凹凸形状をなすめっき層を、成形型の表面に形成することができる、と記載されている。
特開2017-185753号公報
しかしながら、特許文献1に開示の製造方法によって得られる成形型を用いて、例えばグロスが徐変するようなグラデーションが表面(意匠面)に施された乗物用内装材を製造しようとすると、別途、加飾パネルを貼り付けたり、2色成形(混合成形)を行ったりしなければならず、製造工程の複雑化及びコストの増加が懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、グロスが徐変するようなグラデーションを乗物用内装材に好適に施すことを目的とする。
本願発明は、乗物用内装材を成形するための成形型の製造方法であって、
前記成形型を負極とし、前記成形型の成形面に対向する対向冶具を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、前記成形面に微細な凹凸を形成する電気めっき工程を含み、
前記電気めっき工程において、前記対向冶具が、所定方向に向かうほど前記成形面との距離が小さくなるものとされることで、前記成形面に、
前記乗物用内装材の意匠面に対して所定のグロスを付与する第1凹凸部と、
前記第1凹凸部が付与するグロスよりも低いグロスを前記意匠面に対して付与する第2凹凸部と、
前記第1凹凸部が付与するグロスから前記第2凹凸部が付与するグロスへ徐変するグロスを前記意匠面に対して付与する第3凹凸部と、が前記所定方向に並んでなる前記微細な凹凸を形成することに特徴を有する。
このような成形型の製造方法によると、電気めっき工程において、負極(成形型)と正極(対向冶具)との距離が所定方向に向かうほど小さくなると、電流密度が徐々に大きくなることで、めっきの形成態様が変化していく。すると、成形型の成形面において、所定方向に凹凸形状が徐変した微細な凹凸を形成させることができる。これにより、当該成形型を用いて、乗物用内装材の意匠面に微細な凹凸を転写し、所定方向にグロスが徐変するようなグラデーションを乗物用内装材の意匠面に施すことが可能となる。また、例えば、加飾フィルムを用いたり、2色成形(混合成形)を行ったりすることなく、上記グラデーションを乗物用内装材に施すことが可能となるので、乗物用内装材の製造工程の簡素化やコストの削減につながる。
また、前記電気めっき工程において、前記成形面に、前記第1凹凸部、前記第3凹凸部、前記第2凹凸部、前記第3凹凸部、前記第1凹凸部、の順で前記所定方向に並んでなる前記微細な凹凸を形成することとすることができる。
例えば、2色成形によってグラデーションを施した乗物用内装材を成形する場合、成形型の形状によっては、圧力損失によって2色目の材料に微細な凹凸がうまく転写できないことがある。しかし、上記のような成形型の製造方法によると、製造された成形型を用いて、乗物用内装材の意匠面に微細な凹凸を転写し、所定方向において、グロスが高い部分から低い部分へ徐変し、当該低い部分から高い部分へ再度徐変するようなグラデーションを乗物用内装材の意匠面に好適に施すことが可能となる。
また、本願発明は、乗物用内装材を成形するための成形型であって、
その成形面には、めっき層が形成され、
前記めっき層は、
前記乗物用内装材の意匠面に対して所定のグロスを付与する第1凹凸部と、
前記第1凹凸部が付与するグロスよりも低いグロスを前記意匠面に対して付与する第2凹凸部と、
前記第1凹凸部が付与するグロスから前記第2凹凸部が付与するグロスへ徐変するグロスを前記意匠面に対して付与する第3凹凸部と、が所定方向に並んでなる微細な凹凸を有することに特徴を有する。
このような成形型を用いることで、乗物用内装材の意匠面に微細な凹凸を転写し、所定方向にグロスが徐変するようなグラデーションを乗物用内装材の意匠面に施すことが可能となる。また、例えば、加飾フィルムを用いたり、2色成形(混合成形)を行ったりすることなく、上記グラデーションを乗物用内装材に施すことが可能となるので、乗物用内装材の製造工程の簡素化やコストの削減につながる。
また、上記構成において、前記微細な凹凸は、前記第1凹凸部、前記第3凹凸部、前記第2凹凸部、前記第3凹凸部、前記第1凹凸部、の順で前記所定方向に並んでなることができる。
このような成形型を用いることで、乗物用内装材の意匠面に微細な凹凸を転写し、所定方向において、グロスが高い部分から低い部分へ徐変し、当該低い部分から高い部分へ再度徐変するようなグラデーションを乗物用内装材の意匠面に好適に施すことが可能となる。
また、本願発明は、乗物用内装材の製造方法であって、上記構成における前記成形型を用いて前記乗物用内装材を成形する成形工程を含むことに特徴を有する。
このような乗物用内装材の製造方法によると、成形型の成形面に形成されためっき層の微細な凹凸が、意匠面に転写された乗物用内装材を得ることができる。そして、当該所定方向にグロスが徐変するようなグラデーションが、意匠面に施された乗物用内装材を好適に得ることができる。
本発明によれば、グロスが徐変するようなグラデーションを乗物用内装材に好適に施すことが可能となる。
実施形態に係る成形型を示す断面図 下型の成形面を示す拡大断面図 電気めっき工程を示す模式図 内装材の意匠面を示す拡大断面図 電極間距離とグロス等との関係の表を示す図 電極間距離とグロスとの関係のグラフを示す図 高グロス部(P4の部分)を拡大した写真を示す図 徐変グロス部(P3の部分)を拡大した写真を示す図 低グロス部(P2の部分)を拡大した写真を示す図 高グロス部(P1の部分)を拡大した写真を示す図
<実施形態>
本発明の実施形態を図1から図10によって説明する。なお、本実施形態においては、乗物としての車両の内装材(乗物用内装材)2を成形するための成形型1及びその製造方法について説明するものとする。内装材2としては、例えば、ドアパネルに車室内側から取り付けられるドアトリムや、車室の天井を構成するルーフトリム等を採用することができる。
図1に示すように、成形型1は、上方に配され、内装材2における裏面(車室外側の面)となる面側から成形する上型10と、上型10に対向するように下方に配され、内装材2における表面(車室内側の面:意匠面)2Aとなる面側から成形する下型20と、を有する。下型20は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、上型10に対し上下方向へ移動が可能な可動型とされる。図1では、下型20を上型10に対し上方向へ移動させて型閉じした状態を示している。尚、成形型1の素材としては、例えば、鉄を主成分とし、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄等を含むものを採用することができる。
上型10には、内装材2を構成する熱可塑性樹脂を射出する射出装置3が取り付けられていると共に、射出装置3から射出される熱可塑性樹脂を、型閉じした上型10と下型20との間に通すためのスプルー11が設けられている。尚、内装材2を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等を採用することができる。
下型20は、内装材2の意匠面2Aとなる面側に接する(内装材2の意匠面2Aを成形する)成形面20Aを有する。図2に示すように、下型20の本体部分21の表面には、微細な凹凸を有するめっき層30が形成されていることで、成形面20Aをなしている。めっき層30の素材は、本実施形態においてはクロムとするが、他にも、鉄、銀、その他の金属であってもよい。
めっき層30は、第1凹凸部31,35と、第1凹凸部31,35の面内内側に配される第2凹凸部33と、第1凹凸部31,35と第2凹凸部33との間に配される第3凹凸部32,34を有する。
第1凹凸部31,35は、内装材2の意匠面2Aに対して所定のグロス(詳細は後述する)を付与するものとされる。第2凹凸部33は、第1凹凸部31,35が付与するグロスよりも低いグロスを意匠面2Aに対して付与するものとされる。第2凹凸部33は、例えば、その粗さが、第1凹凸部31,35よりも粗い構成となっている。
第3凹凸部32,34は、第1凹凸部31,35が意匠面2Aに対して付与するグロスから、第2凹凸部33が意匠面2Aに対して付与するグロスへ、徐変するグロスを意匠面2Aに対して付与するものとされる。第3凹凸部32は、第1凹凸部31と第2凹凸部33との間の部分であって、例えば、その粗さが、第1凹凸部31から第2凹凸部33に向かうほど粗くなる部分である。また、第3凹凸部34は、第1凹凸部35と第2凹凸部33との間の部分であって、例えば、その粗さが、第1凹凸部35から第2凹凸部33に向かうほど粗くなる部分である。
成形面20Aのめっき層30においては、所定方向Xに向かって第1凹凸部31、第3凹凸部32、第2凹凸部33、第3凹凸部34、第1凹凸部35の順で並んでいることで、微細な凹凸が所定パターン(即ち、第1凹凸部31,35から第2凹凸部33に向かうほど、例えば、その粗さが粗くなる態様)で形成されている。
続いて、図1及び図4を用いて、内装材2について説明する。図1に示すように、成形型1を用いて成形された内装材2において、その意匠面(表面)2Aは、下型20の成形面20Aが転写された形をなしている。具体的には、図4に示すように、内装材2の意匠面2Aは、高グロス部41,45と、高グロス部41,45よりもグロスが低い低グロス部43と、高グロス部41,45から低グロス部43へグロスが徐変する徐変グロス部42,44と、を有する。そして、内装材2の意匠面2Aにおける各グロス部41,42,43,44,45が所定方向X(図3における所定方向Xと同一の方向とする)に並んでなる微細な凹凸は、下型20の成形面20Aのめっき層30における各凹凸部31,32,33,34,35が所定方向Xに並んでなる微細な凹凸(図2参照)が転写された形とされている。
続いて、成形型1の製造方法について説明する。成形型1の製造方法は、ブロック状の鋼材を切削して成形面20Aを有する下型20(成形型1)を形成する切削工程と、下型20に所定条件下で電気めっきを行うことで、成形面20Aに微細な凹凸を形成する電気めっき工程と、を含む。
図3に示すように、電気めっき工程では、クロム酸と硫酸を主成分とするめっき浴70(クロムめっき浴、サージェント浴)に下型20及び対向冶具50を浸す。そして、下型20を負極、下型20の成形面20Aに対向する対向冶具50を正極として、電源60に接続して、下型20に対し電気めっきを行う。これにより、めっき浴70中のクロムイオンが還元され、成形面20A(下型20の本体部分21の表面)に、微細な凹凸を有するめっき層30が析出する(図2参照)。めっき処理条件としては、例えば、浴温25~40℃、電流密度20~80A/dmとすることができる。
対向冶具50は、下型20の成形面20Aとの距離(電極間距離)L1,L2が、所定方向Xに向かうほど小さくなるものとされる。具体的には、対向冶具50は、下型20と対向する対向面50Aが、所定方向Xに向かうほど成形面20Aに近づく方向に傾いた斜面状をなしている。そして、対向冶具50の対向面50Aと成形面20Aとの距離は、所定方向Xとは反対の方向側(上側)の電極間距離L1よりも、所定方向X側(下側)の電極間距離L2が小さい。
すると、所定方向Xに向かうほど電流密度が徐々に大きくなることで、図2に示すように、成形面20Aのめっき層30に、第1凹凸部31、第3凹凸部32、第2凹凸部33、第3凹凸部34、第1凹凸部35、の順で所定方向X(図3,図4における所定方向Xと同一の方向とする)に並んでなる微細な凹凸が形成される。尚、図2及び図3に示すように、第1凹凸部31から第2凹凸部33に向かうほど、電極間距離は小さくなるものとされ、第2凹凸部33から第1凹凸部35に向かうほど、電極間距離はさらに小さくなるものとされている。
次に、電極間距離と、内装材2における意匠面2Aのグロス(及び下型20におけるめっき層30の膜厚)との関係を示した表及びグラフを、図5及び図6を用いて説明する。尚、図5の表における点P1~P4は、図6のグラフにおけるP1~P4に対応している。また、グロスの値は、JIS規格(Z8741)に準拠した試験方法で測定した値とする。
電極間距離が50mm(P1)から30mm(P2)に小さくなるほど、グロスが0.9から0.7に低くなる。また、電極間距離が30mm(P2)から10mm(P3)を経て3mm(P4)に小さくなるほど、グロスが0.7から1.6に高くなる。一方、電極間距離が大きくなるほど、めっき層30の膜厚は薄くなっていく。
ここで、内装材2における意匠面2Aのうち、P1及びP4の部分を、高グロス部41,45とすると、P2の部分は、高グロス部41,45よりもグロスが低い低グロス部43であり、P3の部分は、高グロス部45から低グロス部43へグロスが徐変する徐変グロス部44であるといえる。
図7から図10では、内装材2における意匠面2Aを1000倍に拡大した写真を示す。図7は、高グロス部45としてのP4の部分における微細な凹凸を示している。図8は、徐変グロス部44としてのP3の部分における微細な凹凸を示している。図9は、低グロス部43としてのP2の部分における微細な凹凸を示している。図10は、高グロス部41としてのP1の部分における微細な凹凸を示している。
続いて、得られた成形型1を用いて内装材2を成形する成形工程を含む内装材2の製造方法を説明する。成形工程においては、図1に示すように、上型10と下型20とを型閉じして、射出装置3から熱可塑性樹脂を射出する。すると、熱可塑性樹脂がスプルー11を通って上型10と下型20との間に充満し、内装材2が成形される。
このとき、内装材2の意匠面2Aに、下型20の成形面20Aが転写される。具体的には、図2に示すように、下型20の成形面20Aのめっき層30における各凹凸部31,32,33,34,35が所定方向Xに並んでなる微細な凹凸が転写されることで、図4に示すように、内装材2の意匠面2Aに、各グロス部41,42,43,44,45が所定方向Xに並んでなる微細な凹凸が形成される。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態おいて、内装材2を成形するための成形型1の製造方法では、成形型1を負極とし、成形型1の成形面20Aに対向する対向冶具50を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、成形面20Aに微細な凹凸を形成する電気めっき工程を含み、電気めっき工程において、対向冶具50が、所定方向Xに向かうほど成形面20Aとの距離が小さくなるものとされることで、成形面20Aに、内装材2の意匠面2Aに対して所定のグロスを付与する第1凹凸部31,35と、第1凹凸部31,35が付与するグロスよりも低いグロスを意匠面2Aに対して付与する第2凹凸部33と、第1凹凸部31,35が付与するグロスから第2凹凸部33が付与するグロスへ徐変するグロスを意匠面2Aに対して付与する第3凹凸部32,34と、が所定方向Xに並んでなる微細な凹凸を形成する。
このような成形型1の製造方法によると、電気めっき工程において、負極(成形型1)と正極(対向冶具50)との距離が所定方向Xに向かうほど小さくなると、電流密度が徐々に大きくなることで、めっきの形成態様が変化していく。すると、成形型1の成形面20Aにおいて、所定方向Xに凹凸形状が徐変した微細な凹凸を形成させることができる。これにより、当該成形型1を用いて、内装材2の意匠面2Aに微細な凹凸を転写し、所定方向Xにグロスが徐変するようなグラデーションを内装材2の意匠面2Aに施すことが可能となる。また、例えば、加飾フィルムを用いたり、2色成形(混合成形)を行ったりすることなく、上記グラデーションを内装材2に施すことが可能となるので、内装材2の製造工程の簡素化やコストの削減につながる。
また、電気めっき工程では、成形面20Aに、第1凹凸部31、第3凹凸部32、第2凹凸部33、第3凹凸部34、第1凹凸部35、の順で所定方向Xに並んでなる微細な凹凸を形成する。
例えば、2色成形によってグラデーションを施した内装材2を成形する場合、成形型1の形状によっては、圧力損失によって2色目の材料に微細な凹凸がうまく転写できないことがある。しかし、上記のような成形型1の製造方法によると、製造された成形型1を用いて、内装材2の意匠面2Aに微細な凹凸を転写し、所定方向Xにおいて、グロスが高い部分(高グロス部41)から低い部分(低グロス部43)へ徐変し、当該低い部分(低グロス部43)から高い部分(高グロス部45)へ再度徐変するようなグラデーションを内装材2の意匠面2Aに好適に施すことが可能となる。
また、本実施形態では、内装材2を成形するための成形型1において、その成形面20Aには、めっき層30が形成され、めっき層30は、内装材2の意匠面2Aに対して所定のグロスを付与する第1凹凸部31,35と、第1凹凸部31,35が付与するグロスよりも低いグロスを意匠面2Aに対して付与する第2凹凸部33と、第1凹凸部31,35が付与するグロスから第2凹凸部33が付与するグロスへ徐変するグロスを意匠面2Aに対して付与する第3凹凸部32,34と、が所定方向Xに並んでなる微細な凹凸を有する。
このような成形型1を用いることで、内装材2の意匠面2Aに微細な凹凸を転写し、所定方向Xにグロスが徐変するようなグラデーションを内装材2の意匠面2Aに施すことが可能となる。また、例えば、加飾フィルムを用いたり、2色成形(混合成形)を行ったりすることなく、上記グラデーションを内装材2に施すことが可能となるので、内装材2の製造工程の簡素化やコストの削減につながる。
また、上記微細な凹凸は、第1凹凸部31、第3凹凸部32、第2凹凸部33、第3凹凸部34、第1凹凸部35、の順で所定方向Xに並んでなる。
このような成形型1を用いることで、内装材2の意匠面2Aに微細な凹凸を転写し、所定方向Xにおいて、グロスが高い部分(高グロス部41)から低い部分(低グロス部43)へ徐変し、当該低い部分(低グロス部43)から高い部分(高グロス部45)へ再度徐変するようなグラデーションを内装材2の意匠面2Aに好適に施すことが可能となる。
また、本実施形態において、内装材2の製造方法では、上記構成における成形型1を用いて内装材2を成形する成形工程を含む。
このような内装材2の製造方法によると、成形型1の成形面20Aに形成されためっき層30の微細な凹凸が、意匠面2Aに転写された内装材2を得ることができる。そして、当該所定方向Xにグロスが徐変するようなグラデーションが、意匠面2Aに施された内装材2を好適に得ることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、対向冶具の構成は適宜変更可能である。上記実施形態では、対向冶具は、下型と対向する対向面が、所定方向に向かうほど成形面に近づく方向に傾いた斜面状をなすものとしたが、これに限られない。例えば、対向冶具は、下型と対向する対向面が、所定方向に向かうほど成形面に近づく階段状(段差状)をなすものであってもよい。
(2)上記実施形態で例示した乗物用内装材は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用内装材を適用することができる。
1…成形型、2…内装材(乗物用内装材)、2A…意匠面、3…射出装置、10…上型、20…下型、20A…成形面、30…めっき層、31,35…第1凹凸部、32,34…第3凹凸部、33…第2凹凸部、50…対向冶具、70…めっき浴、L1,L2…電極間距離、X…所定方向

Claims (5)

  1. 乗物用内装材を成形するための成形型の製造方法であって、
    前記成形型を負極とし、前記成形型の成形面に対向する対向冶具を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、前記成形面に微細な凹凸を形成する電気めっき工程を含み、
    前記電気めっき工程において、前記対向冶具が、所定方向に向かうほど前記成形面との距離が小さくなるものとされることで、前記成形面に、
    前記乗物用内装材の意匠面に対して所定のグロスを付与する第1凹凸部と、
    前記第1凹凸部が付与するグロスよりも低いグロスを前記意匠面に対して付与する第2凹凸部と、
    前記第1凹凸部が付与するグロスから前記第2凹凸部が付与するグロスへ徐変するグロスを前記意匠面に対して付与する第3凹凸部と、が前記所定方向に並んでなる前記微細な凹凸を形成することを特徴とする成形型の製造方法。
  2. 前記電気めっき工程において、前記成形面に、前記第1凹凸部、前記第3凹凸部、前記第2凹凸部、前記第3凹凸部、前記第1凹凸部、の順で前記所定方向に並んでなる前記微細な凹凸を形成することを特徴とする請求項1に記載の成形型の製造方法。
  3. 乗物用内装材を成形するための成形型であって、
    その成形面には、めっき層が形成され、
    前記めっき層は、
    前記乗物用内装材の意匠面に対して所定のグロスを付与する第1凹凸部と、
    前記第1凹凸部が付与するグロスよりも低いグロスを前記意匠面に対して付与する第2凹凸部と、
    前記第1凹凸部が付与するグロスから前記第2凹凸部が付与するグロスへ徐変するグロスを前記意匠面に対して付与する第3凹凸部と、が所定方向に並んでなる微細な凹凸を有することを特徴とする成形型。
  4. 前記微細な凹凸は、前記第1凹凸部、前記第3凹凸部、前記第2凹凸部、前記第3凹凸部、前記第1凹凸部、の順で前記所定方向に並んでなることを特徴とする請求項3に記載の成形型。
  5. 請求項3または請求項4に記載の前記成形型を用いて前記乗物用内装材を成形する成形工程を含むことを特徴とする乗物用内装材の製造方法。
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