JP7133131B2 - 成形型の製造方法、成形型、乗物用内装材の製造方法 - Google Patents

成形型の製造方法、成形型、乗物用内装材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、成形型の製造方法、成形型、乗物用内装材の製造方法に関する。
従来、成形型の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。具体的には、特許文献1には、乗物用内装材の表面を成形するための成形面を有する成形型の製造方法であって、成形面にめっき層を形成するめっき形成工程を備え、めっき形成工程では、所定の条件下で成形型に対して電気めっきを行うことが開示されている。そしてこのような工程により、微細な凹凸形状をなすめっき層を、成形型の表面に形成することができる、と記載されている。
特開2017-185753号公報
しかしながら、特許文献1に開示の工程では、微細な凹凸形状をなすめっき層を所定パターンで形成させるために、例えば、めっき形成工程において、成形型の成形面(表面)を絶縁体で部分的に被覆した後に、成形型に対して電気めっきを行うと、絶縁体の近傍部分の電流密度が比較的高くなることで、当該部分のめっき層の厚みや粗さ等が変化してしまう。すると、めっき層の微細な凹凸形状の形成態様にムラが出てしまい、微細な凹凸形状をなすめっき層を、成形面に安定して形成させることが難しい。また、このような工程によって製造された成形型を用いて乗物用内装材を製造した場合、乗物用内装材の意匠面において、所望のグロスや柄等(所望の意匠)を好適に得ることができない可能性が考えられる。
さらに、シボ模様を有する乗物用内装材において、シボ模様をなす凹部及び凸部の両方に微細な凹凸を形成させた場合、凸部に形成された微細な凹凸は、傷や汚れが付きやすくなることで潰れてしまったり、凹部と凸部とでコントラスト差が低下し、シボ模様がうまく発現しなかったりすることがある。従って、シボ模様を有する乗物用内装材において、シボ模様をなす凹部にのみ部分的に微細な凹凸を形成することができる成形型を提供することが望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、微細な凹凸形状をなすめっき層が好適に付与された成形型を提供することを目的の一つとする。また、所望の意匠を乗物用内装材に好適に付与することができる成形型を提供することをさらなる目的の一つとする。
本発明は、乗物用内装材を成形するための成形型の製造方法であって、前記成形型を負極とし、前記成形型の成形面に対向する対向冶具を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、微細な凹凸を有するめっき層を前記成形面に形成する電気めっき工程と、前記電気めっき工程の後に、前記めっき層をめっき層被覆絶縁体で部分的に被覆することで、前記めっき層を、前記微細な凹凸が前記めっき層被覆絶縁体で被覆された被覆部と、前記微細な凹凸が前記めっき層被覆絶縁体で被覆されずに露出した露出部と、に区分する部分被覆工程と、前記部分被覆工程の後に、前記成形型を正極とし、前記対向冶具を負極として、所定条件下で電解処理を行うことで、前記露出部を溶解する逆電気めっき工程と、前記逆電気めっき工程の後に、前記めっき層被覆絶縁体を除去する絶縁体除去工程と、を含むことに特徴を有する。
このような成形型の製造方法によると、電気めっき工程において、微細な凹凸を有するめっき層を成形面にあらかじめ形成しておき、部分被覆工程において、めっき層を絶縁体で部分的に被覆した後に、逆電気めっき工程において、露出部を溶解することとなる。即ち、逆電気めっき工程によって、微細な凹凸を有するめっき層を部分的に形成する(溶解する)ので、電気めっきの際の電流密度の違いに起因して、絶縁体の近傍でめっき層の厚みや粗さ等が変化し、微細な凹凸形状の形成態様にムラが生じてしまうことを防ぐことができる。そして、成形型の成形面の面積が比較的大きいものであったとしても、微細な凹凸形状を有するめっき層を好適に当該成形面に形成させることができる。
上記工程において、前記成形面には、凹部と凸部とからなるシボ模様が形成されているものとし、前記電気めっき工程の前に、前記成形面を成形面被覆絶縁体で被覆した後、前記凸部を被覆する前記成形面被覆絶縁体を除去して前記凸部を露出させる凸部露出工程を含み、前記電気めっき工程において、前記微細な凹凸を有する前記めっき層を前記凸部に形成することとすることができる。
このような成形型の製造方法によると、部分被覆工程を経ることで、めっき層が形成された凸部において、被覆部と露出部とを形成させることができる。そして、逆電気めっき工程と絶縁体除去工程(めっき層被覆絶縁体と成形面被覆絶縁体とを除去する工程)を経ることで、微細な凹凸を有するめっき層が形成された凸部と、当該めっき層が形成されていない凸部及び凹部と、を備える成形型を製造することができる。これにより、成形面の形状を乗物用内装材の意匠面に転写することで、微細な凹凸が形成された凹部と、微細な凹凸が形成されていない凹部及び凸部と、からなるシボ模様を意匠面に備える乗物用内装材を製造することが可能となる。
また、本発明は、乗物用内装材を成形する成形型であって、その成形面は、複数の凹部と複数の凸部とからなるシボ模様と、前記シボ模様上に形成され、微細な凹凸を有するめっき層と、を備え、前記めっき層は、前記複数の凸部のうち、一部の前記凸部の突出端にのみ形成されていることに特徴を有する。
このような成形型によると、成形面の形状を乗物用内装材の意匠面に転写することで、
微細な凹凸が形成された凹部と、微細な凹凸が形成されていない凹部及び凸部と、からなるシボ模様を意匠面に備える乗物用内装材を製造することが可能となる。
また、本発明は、上記成形型を用いて前記乗物用内装材を成形する成形工程を含むことに特徴を有する。
このような乗物用内装材の製造方法によると、成形工程において、成形面の形状を乗物用内装材の意匠面に転写することで、微細な凹凸が形成された凹部と、微細な凹凸が形成されていない凹部及び凸部と、からなるシボ模様を意匠面に備える乗物用内装材を製造することが可能となる。
本発明によれば、微細な凹凸形状をなすめっき層が好適に付与された成形型を提供することが可能となる。また、所望の意匠を乗物用内装材に好適に付与することができる成形型を提供することが可能となる。
実施形態1に係る成形型を示す断面図 成形面を成形面被覆絶縁体で被覆する工程を示す断面図 凸部露出工程を示す断面図 電気めっき工程を示す断面図 部分被覆工程を示す断面図 逆電気めっき工程を示す断面図 下型の成形面付近の断面構成を拡大して示す断面図 内装材の意匠面付近の断面構成を拡大して示す断面図 内装材の意匠面を拡大して示す正面図 実施形態2に係る部分被覆工程を示す断面図 逆電気めっき工程を示す断面図 下型の成形面付近の断面構成を拡大して示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図9によって説明する。なお、本実施形態においては、乗物としての車両の内装材(乗物用内装材)40を成形するための成形型1、成形型1の製造方法、内装材40の製造方法について説明するものとする。内装材40としては、例えば、ドアパネルに車室内側から取り付けられるドアトリムや、車室の天井を構成するルーフトリム等を採用することができる。
図1に示すように、成形型1は、上方に配され、内装材40における裏面(車室外側の面)となる面側から成形する上型10と、上型10に対向するように下方に配され、内装材40における表面(車室内側の面:意匠面)40Aとなる面側から成形する下型20と、を有する。下型20は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、上型10に対し上下方向へ移動が可能な可動型とされる。図1では、下型20を上型10に対し上方向へ移動させて型閉じした状態を示している。尚、成形型1の素材としては、例えば、鉄を主成分とし、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄等を含むものを採用することができる。
上型10には、内装材40を構成する熱可塑性樹脂を射出する射出装置3が取り付けられていると共に、射出装置3から射出される熱可塑性樹脂を、型閉じした上型10と下型20との間に通すためのスプルー11が設けられている。尚、内装材40を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等を採用することができる。
下型20は、内装材40の意匠面40Aとなる面側に接する(内装材40の意匠面40Aを成形する)成形面20Aを有する。図7に示すように、下型20の成形面20Aは、複数の凹部21と複数の凸部22,23とからなるシボ模様29と、シボ模様29上に形成され、微細な凹凸を有するめっき層30と、を備える。めっき層30は、複数の凸部22,23のうち、一部の凸部22の突出端22Aにのみ形成されている。尚、めっき層30の素材は、本実施形態においてはクロムとするが、他にも、鉄、銅、銀、ニッケル、その他の金属であってもよい。また、めっき層30における微細な凹凸は、例えば、算術平均粗さRaが0.2μm以上1.0μm以下の範囲内となるように形成されているものとすることができる。
続いて、図1,図8,及び図9を用いて、内装材40について説明する。図1に示すように、成形型1を用いて成形された内装材40において、その意匠面(表面)40Aは、下型20の成形面20Aが転写された形をなしている。具体的には、図8に示すように、意匠面40Aは、成形面20Aの複数の凹部21が転写されてなる複数の意匠面側凸部41と、成形面20Aの複数の凸部22,23が転写されてなる複数の意匠面側凹部42,43と、を有する。意匠面40Aは、複数の意匠面側凸部41と複数の意匠面側凹部42,43とによって、シボ模様をなしている。
複数の意匠面側凹部42,43のうち、一部の意匠面側凹部42の凹底面42Aには、めっき層30の凹凸形状(図7参照)が転写されてなる微細な凹凸が形成されている。凹底面42Aに形成された微細な凹凸は、複数の意匠面側凸部41と複数の意匠面側凹部42,43とがなすシボ模様よりもグロスが低いものとされる。そのため、例えば図9に示すように、内装材40の意匠面40Aに、複数の意匠面側凸部41と、複数の意匠面側凹部42,43と、凹底面42Aに形成された微細な凹凸と、を所定パターンで配置することで、シボ模様に柄や文字等を付与することができる。
続いて、成形型1の製造方法について説明する。成形型1の製造方法は、大別すると、切削工程と、シボ模様形成工程と、凸部露出工程と、電気めっき工程と、部分被覆工程と、逆電気めっき工程と、絶縁体除去工程と、を含んでいる。そして、各工程は、当該順序で行われる。
まず、切削工程では、ブロック状の鋼材を切削して成形面20Aを有する下型20(成形型1)を形成する。続いて、シボ模様形成工程では、エッチング処理やサンドブラスト加工を行うことで、成形面20Aに、複数の凹部21と複数の凸部22,23とからなるシボ模様29を形成する(図2参照)。
凸部露出工程では、図2に示すように、成形面20Aを成形面被覆絶縁体50で被覆した後、図3に示すように、凸部22,23を被覆する成形面被覆絶縁体50を除去して、凸部22,23の突出端22A,23Aを露出させる。具体的には、複数の凹部21と複数の凸部22,23とからなるシボ模様29を有する成形面20Aに、溶融した成形面被覆絶縁体50を塗布する。そして、成形面被覆絶縁体50が固化した後、例えば、ラバータイプのスクレーパー等を用いて、凸部22,23の突出端22A,23Aに堆積した成形面被覆絶縁体50を研削し、突出端22A,23Aを露出させる。一方、凹部21に堆積した成形面被覆絶縁体50は、除去されることなく凹部21を被覆する。
尚、成形面被覆絶縁体50は、後述する電気めっき工程及び逆電気めっき工程の際に、めっき浴70中で溶融することのない絶縁体である。成形面被覆絶縁体50の成分としては、融点が50~90℃程度の絶縁性を有するワックスや、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を採用することができる。その中でも、ポリ塩化ビニルが好ましい。
電気めっき工程では、図4に示すように、下型20を負極とし、下型20の成形面20Aに対向する対向冶具60を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、微細な凹凸を有するめっき層30を成形面20Aに形成する。具体的には、クロム酸と硫酸を主成分とするめっき浴70(クロムめっき浴、サージェント浴)に下型20及び対向冶具60を浸す。そして、下型20が負極、対向冶具60が正極となるように、電源80に接続して電気めっきを行う。これにより、めっき浴70中のクロムイオンが還元され、成形面20Aの凸部22,23における突出端22A,23Aに、微細な凹凸を有するめっき層30が析出する。凹部21においては、その表面が成形面被覆絶縁体50によって被覆されているので、めっき層30が析出しない。尚、電気めっき工程におけるその他の条件としては、例えば、浴温25~40℃、電流密度20~80A/dmとすることができる。
部分被覆工程では、図5に示すように、めっき層30をめっき層被覆絶縁体51で部分的に被覆することで、めっき層30を、微細な凹凸がめっき層被覆絶縁体51で被覆された被覆部32と、微細な凹凸がめっき層被覆絶縁体51で被覆されずに露出した露出部33と、に区分する。複数の凸部22,23のうち、凸部22の突出端22A上に形成されためっき層30は、その微細な凹凸が、めっき層被覆絶縁体51で被覆されているので、被覆部32であり、凸部23の突出端23A上に形成されためっき層30は、その微細な凹凸が、めっき層被覆絶縁体51で被覆されずに露出しているので、露出部33である。
尚、めっき層被覆絶縁体51の成分としては、成形面被覆絶縁体50の成分と同一のものとする。即ち、凸部露出工程と部分被覆工程において、同じ成分の絶縁体を用いることとする。これにより、電気めっき工程と逆電気めっき工程において、同じ成分のめっき浴70を用いることができる。また、絶縁体除去工程において、当該絶縁体(成形面被覆絶縁体50とめっき層被覆絶縁体51)を一工程で一気に除去することができる。
逆電気めっき工程では、図6に示すように、下型20を正極とし、対向冶具60を負極として、所定条件下で電解処理を行うことで、露出部33を溶解する。具体的には、電気めっき工程において用いためっき浴70に、下型20及び対向冶具60を浸し、下型20が正極、対向冶具60が負極となるように、電源80に接続する。そして、所定条件下で電流を流すと、凸部23の突出端23A上に形成されためっき層30である、露出部33(図5参照)が酸化され、クロムイオンとなってめっき浴70中に溶解する。凸部22の突出端22A上に形成されためっき層30である、被覆部32おいては、その表面がめっき層被覆絶縁体51によって被覆されているので、めっき層30が溶解しない。尚、逆電気めっき工程におけるその他の条件としては、例えば、浴温25~40℃、電流密度20~80A/dm2とすることができる。
絶縁体除去工程では、成形面20Aから成形面被覆絶縁体50とめっき層被覆絶縁体51とを除去する。具体的には、成形面20Aに高圧スチームをかけたり、下型20をボイルドウォーターに浸漬したりすることで、成形面被覆絶縁体50とめっき層被覆絶縁体51とを溶解して取り除く。すると、図7に示すように、成形面20Aにおいて、凸部22の突出端22Aにのみめっき層30が形成された下型20(成形型1)を得る。
続いて、得られた成形型1を用いて内装材40を成形する成形工程を含む内装材40の製造方法を説明する。成形工程においては、図1に示すように、上型10と下型20とを型閉じして、射出装置3から熱可塑性樹脂を射出する。すると、熱可塑性樹脂がスプルー11を通って上型10と下型20との間に充満し、内装材40が成形される。
このとき、内装材40の意匠面40Aに、下型20の成形面20Aが転写される。具体的には、図7に示すように、下型20の成形面20Aにおける複数の凹部21と複数の凸部22,23とからなるシボ模様29と、凸部22の突出端22Aにのみ形成されているめっき層30の微細な凹凸と、が転写されることで、図8及び図9に示すように、内装材40の意匠面40Aに、複数の意匠面側凸部41と複数の意匠面側凹部42,43とからなるシボ模様と、意匠面側凹部42の凹底面42Aにおける微細な凹凸と、が形成される。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、内装材40を成形するための成形型1の製造方法であって、成形型1を負極とし、成形型1の成形面20Aに対向する対向冶具60を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、微細な凹凸を有するめっき層30を成形面20Aに形成する電気めっき工程と、電気めっき工程の後に、めっき層30をめっき層被覆絶縁体51で部分的に被覆することで、めっき層30を、微細な凹凸がめっき層被覆絶縁体51で被覆された被覆部32と、微細な凹凸がめっき層被覆絶縁体51で被覆されずに露出した露出部33と、に区分する部分被覆工程と、部分被覆工程の後に、成形型1を正極とし、対向冶具60を負極として、所定条件下で電解処理を行うことで、露出部33を溶解する逆電気めっき工程と、逆電気めっき工程の後に、めっき層被覆絶縁体51を除去する絶縁体除去工程と、を含む。
このような成形型1の製造方法によると、電気めっき工程において、微細な凹凸を有するめっき層30を成形面20Aにあらかじめ形成しておき、部分被覆工程において、めっき層30を絶縁体で部分的に被覆した後に、逆電気めっき工程において、露出部33を溶解することとなる。即ち、逆電気めっき工程によって、微細な凹凸を有するめっき層30を部分的に形成する(溶解する)ので、電気めっきの際の電流密度の違いに起因して、絶縁体の近傍でめっき層の厚みや粗さ等が変化し、微細な凹凸形状の形成態様にムラが生じてしまうことを防ぐことができる。そして、成形型1の成形面20Aの面積が比較的大きいものであったとしても、微細な凹凸形状を有するめっき層30を好適に当該成形面20Aに形成させることができる。
上記工程において、成形面20Aには、凹部21と凸部22,23とからなるシボ模様29が形成されているものとし、電気めっき工程の前に、成形面20Aを成形面被覆絶縁体50で被覆した後、凸部22,23を被覆する成形面被覆絶縁体50を除去して凸部22,23を露出させる凸部露出工程を含み、電気めっき工程において、微細な凹凸を有するめっき層30を凸部22,23に形成することとされている。
このような成形型1の製造方法によると、部分被覆工程を経ることで、めっき層30が形成された凸部22,23において、被覆部32と露出部33とを形成させることができる。そして、逆電気めっき工程と絶縁体除去工程(めっき層被覆絶縁体51と成形面被覆絶縁体50とを除去する工程)を経ることで、微細な凹凸を有するめっき層30が形成された凸部22と、当該めっき層30が形成されていない凸部23及び凹部21と、を備える成形型1を製造することができる。これにより、成形面20Aの形状を内装材40の意匠面40Aに転写することで、微細な凹凸が形成された意匠面側凹部42と、微細な凹凸が形成されていない意匠面側凹部43及び意匠面側凸部41と、からなるシボ模様を意匠面40Aに備える内装材40を製造することが可能となる。
また、本実施形態は、内装材40を成形する成形型1であって、その成形面20Aは、複数の凹部21と複数の凸部22,23とからなるシボ模様29と、シボ模様29上に形成され、微細な凹凸を有するめっき層30と、を備え、めっき層30は、複数の凸部22,23のうち、一部の凸部22の突出端22Aにのみ形成されている。
このような成形型1によると、成形面20Aの形状を内装材40の意匠面40Aに転写することで、微細な凹凸が形成された意匠面側凹部42と、微細な凹凸が形成されていない意匠面側凹部43及び意匠面側凸部41と、からなるシボ模様を意匠面40Aに備える内装材40を製造することが可能となる。
また、本実施形態は、上記成形型1を用いて内装材40を成形する成形工程を含むこととされている。
このような内装材40の製造方法によると、成形工程において、成形面20Aの形状を内装材40の意匠面40Aに転写することで、微細な凹凸が形成された意匠面側凹部42と、微細な凹凸が形成されていない意匠面側凹部43及び意匠面側凸部41と、からなるシボ模様を意匠面40Aに備える内装材40を製造することが可能となる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10および図12によって説明する。本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、工程、作用及び効果について重複する説明は省略する。なお、本実施形態においては、上記実施形態2とは構成及び製造工程が異なる成形型101、成形型101の製造方法について説明する。
図12に示すように、成形型101における下型120の成形面120Aは、その表面上に微細な凹凸を有するめっき層130が形成されためっき層形成部122と、その表面上に微細な凹凸を有するめっき層130が形成されていない非めっき層形成部123と、を有している。即ち、実施形態1における成形面20Aに比して、凹部と凸部とからなるシボ模様が形成されておらず、平面状をなしている。
成形型101の製造方法は、大別すると、切削工程と、電気めっき工程と、部分被覆工程と、逆電気めっき工程と、絶縁体除去工程と、を含んでいる。そして、各工程は、当該順序で行われる。即ち、実施形態1における成形型1の製造方法に比して、シボ模様形成工程と、凸部露出工程と、を含んでいない。
部分被覆工程では、図10に示すように、平面状の成形面120Aにおいて、その全面に亘って形成されためっき層130を、めっき層被覆絶縁体151で部分的に被覆する。そして、めっき層130を、微細な凹凸がめっき層被覆絶縁体151で被覆された被覆部132と、微細な凹凸がめっき層被覆絶縁体151で被覆されずに露出した露出部133と、に区分する。めっき層形成部122の表面122A上に形成されためっき層130は、その微細な凹凸が、めっき層被覆絶縁体151で被覆されているので、被覆部132であり、非めっき層形成部123の表面123A上に形成されためっき層130は、その微細な凹凸が、めっき層被覆絶縁体151で被覆されずに露出しているので、露出部133である。
逆電気めっき工程では、図11に示すように、下型120を正極とし、対向冶具60を負極として、所定条件下で電解処理を行うことで、露出部133を溶解する。具体的には、所定条件下で電流を流すと、非めっき層形成部123の表面123A上に形成されためっき層130である、露出部133(図10参照)が酸化され、クロムイオンとなってめっき浴70中に溶解する。めっき層形成部122の表面122A上に形成されためっき層130である、被覆部132おいては、その表面がめっき層被覆絶縁体151によって被覆されているので、めっき層130が溶解しない。
絶縁体除去工程では、成形面120Aからめっき層被覆絶縁体151を除去する。すると、図12に示すように、成形面120Aにおいて、めっき層形成部122の表面122A上にのみめっき層130が形成された下型120(成形型101)を得る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、成形型として、上型に射出装置が取り付けられた射出成形型を例示したが、これに限られない。成形型は、成形面の形状が成形品の表面に転写される成形方法に用いるものであればよく、プレス成形に用いるプレス成形型や真空成形に用いる真空成形型などを例示することができる。
(2)上記実施形態では、乗物用内装材として、ドアトリムやルーフトリムを例示したが、これに限られない。例えば、乗物用内装材は、乗物に設けられると共に意匠面を有する部材であればよく、合成樹脂製(例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーなど)の表皮材や、インストルメントパネル、アシストグリップなどを例示することができる。
(3)上記実施形態以外にも、めっき浴の成分は適宜変更可能である。上記実施形態では、めっき浴の成分は、クロム酸と硫酸を主成分とするものとしたが、これに限られない。例えば、めっき浴は、クロム酸、硫酸、及びケイフッ酸を主成分とするケイフッ酸浴等を用いてもよい。
(4)上記実施形態で例示した乗物用内装材は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用内装材を適用することができる。
1,101…成形型、10…上型、20,120…下型、20A,120A…成形面、21…凹部、22,23…凸部、22A,23A…突出端、29…シボ模様、30,130…めっき層、32,132…被覆部、33,133…露出部、40…内装材(乗物用内装材)、40A…意匠面、50…成形面被覆絶縁体、51,151…めっき層被覆絶縁体、60…対向冶具、70…めっき浴

Claims (4)

  1. 乗物用内装材を成形するための成形型の製造方法であって、
    前記成形型を負極とし、前記成形型の成形面に対向する対向冶具を正極として、所定条件下で電気めっきを行うことで、微細な凹凸を有するめっき層を前記成形面に形成する電気めっき工程と、
    前記電気めっき工程の後に、前記めっき層をめっき層被覆絶縁体で部分的に被覆することで、前記めっき層を、前記微細な凹凸が前記めっき層被覆絶縁体で被覆された被覆部と、前記微細な凹凸が前記めっき層被覆絶縁体で被覆されずに露出した露出部と、に区分する部分被覆工程と、
    前記部分被覆工程の後に、前記成形型を正極とし、前記対向冶具を負極として、所定条件下で電解処理を行うことで、前記露出部を溶解する逆電気めっき工程と、
    前記逆電気めっき工程の後に、前記めっき層被覆絶縁体を除去する絶縁体除去工程と、を含むことを特徴とする成形型の製造方法。
  2. 前記成形面には、凹部と凸部とからなるシボ模様が形成されているものとし、
    前記電気めっき工程の前に、前記成形面を成形面被覆絶縁体で被覆した後、前記凸部を被覆する前記成形面被覆絶縁体を除去して前記凸部を露出させる凸部露出工程を含み、
    前記電気めっき工程において、前記微細な凹凸を有する前記めっき層を前記凸部に形成することを特徴とする請求項1に記載の成形型の製造方法。
  3. 乗物用内装材を成形する成形型であって、
    その成形面は、複数の凹部と複数の凸部とからなるシボ模様と、前記シボ模様上に形成され、微細な凹凸を有するめっき層と、を備え、
    前記めっき層は、前記複数の凸部のうち、一部の前記凸部の突出端にのみ形成されていることを特徴とする成形型。
  4. 請求項3に記載の前記成形型を用いて前記乗物用内装材を成形する成形工程を含むことを特徴とする乗物用内装材の製造方法。
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