JP2716324B2 - 電鋳加工による多孔質成形型の製造方法 - Google Patents
電鋳加工による多孔質成形型の製造方法Info
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Description
形品の真空成形に用いられる多孔質成形型を電鋳加工に
より製造する方法を改良した電鋳加工による多孔質成形
型の製造方法に関する。
にあたっては、成形品の外形と逆の凹凸形状を有する反
転型を製作し、その反転型から、原型と同一の凹凸形状
を表面に有する例えばエポキシ樹脂製の母型を製造する
ようにしている。そして、この母型の表面全体に例えば
銀鏡反応により導電層を形成した後、電鋳加工を行うこ
とにより、母型の表面に例えばニッケルを所定厚みに電
着させ、その電着ニッケル層を母型から離型して成形型
を得るものである。
プラスチック成形品の真空成形に使用される多孔質の成
形型を製造する技術が開発されてきている。このような
多孔質成形型を製造する技術としては、特開昭60−1
52692号公報や、特開昭61−253392号公報
に示されたものがある。
を導電部と絶縁部とのいわば微細な斑状とするポーラス
化用処理を行い、この母型を例えばスルファミン酸ニッ
ケル浴にて電鋳加工を行うことにより、母型の表面にニ
ッケルを多孔状に電着させようとするものである。即
ち、母型の表面に、導電部と絶縁部とを斑状に有したポ
ーラス化用処理がなされていることにより、導電部の表
面にニッケルが析出すると共に、導電部と絶縁部と境界
部で過電界が生じて水素ガスの微細な気泡が多数発生
し、ニッケルはこの気泡を包み込むようにしながら成長
し、以て電着ニッケルの多孔質化を図るものである。
真空成形に用いられる成形型にあっては、厚みが均一で
あることが求められる。これに対して、電鋳加工におい
ては、1個の母型にあっても、その表面形状や位置によ
って電流密度が相違するため、電着金属の厚みが厚い部
分と薄い部分とが生ずるようになる。
孔質としないもの)においては、母型にある程度の電着
が行われたところで電鋳加工を中断し、母型を一旦電鋳
槽から引上げ、電着金属層のうち厚みが厚い部分に対し
てシリコン樹脂等でマスキングを行うようにしている。
そして、マスキング後に、再度電鋳加工を行うことによ
り、電着金属の厚みが薄い部分に対してさらなる電着を
行い、以て成形型の厚みの均一化を図るようにしてい
る。
金属を多孔状に電着させる場合には、一旦電鋳加工を中
断してしまうと、電着金属層内の気孔となるべき気泡が
母型及び電着金属層から外れてしまうため、その後電鋳
加工を再開しても、電着金属が多孔状とならず、またそ
れまでに形成されていた電着金属層内の気孔が新たな電
着金属により塞がれてしまうことになる。このため、従
来では、電鋳加工により多孔質成形型を製造する場合に
は、電鋳加工を途中で中断することができず、この結
果、成形型の厚みが不均一となることが避けがたく、厚
みの薄いところで割れ等が起りやすいといった強度面な
どでの問題があった。
対策として、電鋳加工時に、母型の表面のうち電流密度
が高くなる部分に対応して邪魔板を配置し、電流密度が
高くなる部分への電着を少しでも緩和させて電流密度の
低い部分との電着厚みの均衡を図ることも行われてい
る。ところが、電鋳槽内に邪魔板を配置する程度では、
電着厚みの均一化を十分に図るまでには至っておらず、
根本的な解決策が求められるのである。
で、その目的は、電鋳加工によって母型の表面に金属を
多孔状に電着させて多孔質成形型を製造する方法にあっ
て、電着金属層の多孔質化を十分に図りつつ、電鋳加工
の中断,再開を可能とすることができる電鋳加工による
多孔質成形型の製造方法を提供するにある。
多孔質成形型の製造方法は、成形品と同一外形を有する
母型の表面に、電鋳加工によって金属を多孔状に電着さ
せた後、その電着層を前記母型から離型することにより
多孔質成形型を得るようにした多孔質成形型の製造方法
であって、電鋳加工を行うための電解液に、イオン移動
度が25℃にて50.1以上の陽イオンとイオン移動度
が25℃にて69.3以上の陰イオンとを組合わせた電
解質からなる気泡発生促進用の添加剤を添加するように
したところに特徴を有するものである。
酸が好適である。
素原子数3以下の低級脂肪酸,三価あるいは四価のアル
コール及び二価以下の低級アルコールのうちの1種以上
からなる、表面張力を大きくする界面活性剤を添加して
おくことが好ましい。
が微細斑状に混在したポーラス化用処理しておけば、よ
り効果的である。
は、成形品の外形と逆の凹凸形状を有する反転型の表面
に多数の微細斑点状に絶縁塗料を付着硬化させると共
に、その反転型の表面全体に前記絶縁塗料の上から導電
塗料を付着硬化させた塗料層を、反転型から離型するこ
とにより行うことができる。
いるものであっても良い。
は、母型の表面に水素ガス等の微細な気泡を無数に発生
させ、その気泡を包み込むようにさせながら金属を電着
させれば良い。この場合、従来では、多孔質化に必要な
気泡を発生させるためには、母型の表面に対して、導電
部と絶縁部とを微細斑状に混在させたポーラス化用の処
理を行うことが必須であると考えられていた。
来の常識に囚われずに、電解液側において新たな手段を
講じることにより、母型表面のポーラス化用処理によら
ずとも、電着金属の多孔質化に必要な気泡を発生させる
ことを可能にできるのではないかという着想を得、種々
の実験,研究を重ねた。その結果、電解液に、イオン移
動度の高い陽イオンと陰イオンとを組合わせた電解質か
らなる気泡発生促進用の添加剤を添加することにより、
表面がポーラス化用処理された母型は勿論、表面全体が
導電層である母型にあっても、電着金属の多孔質化に必
要な気泡を発生させることができることを究明したので
ある。
で陽イオン及び陰イオンに電離しており、電鋳加工が開
始されることにより、それらイオンが夫々陰極及び陽極
に引寄せられるのであるが、それらイオンのイオン移動
度が高いため、両極におけるそれらイオンの反応が速や
かに行われるようになり、陰極即ち母型表面において多
量の水素ガスが発生するようになる。従って、本発明に
よれば、ポーラス化用処理の有無にかかわらず、電着金
属の十分な多孔質化に必要な気泡を発生させることが可
能となる。
は、イオン移動度が25℃にて50.1以上の陽イオン
とイオン移動度が25℃にて69.3以上の陰イオンと
を組合わせた電解質であれば、種々のものが使用できる
が、HCl,HBr,HI等のハロゲン化水素酸が特に
好適する。
加剤に加えて、表面張力を大きくするための界面活性剤
を添加しておけば、発生した気泡が母型あるいは電着金
属から離脱しにくくなって、気泡の付着状態が極力維持
されるようになる。この界面活性剤としては、炭素原子
数3以下の低級脂肪酸や三価あるいは四価のアルコー
ル、さらには二価以下の低級アルコールが好適する。
は、表面全体が導電層とされた例えば金属製のものであ
っても、電着金属の多孔質化を十分に図ることができる
が、母型の表面が導電部と絶縁部とを微細斑状に混在さ
せたポーラス化用処理されたものであれば、気泡の発生
がより促進されて一層効果的となる。
転型の表面に付着硬化された絶縁及び導電塗料からなる
塗料層をその反転型から離型した表面層を有するものと
すれば、母型の表面のポーラス化用処理を後の表面処理
によることなく済ませることができ、しかも転写精度に
優れたものとなる。
照して説明する。まず、本実施例において使用する母型
1について、図4及び図5を参照して述べる。この母型
1は、後述するように、例えばプラスチックの真空成形
用の多孔質成形型を電鋳加工により製造するためのもの
であり、図4に示すように、電着が行われる表面層が、
塗料が硬化した塗料層2とされており、この塗料層2の
裏面に、例えばエポキシ樹脂及び強化用繊維等を積層し
ていわばFRP構造とされた裏打層3を備えて構成され
ている。
側全体にわたって付着硬化された導電塗料からなる導電
部2aと、この導電部2aの表面に無数の微細斑点状に
付着硬化された絶縁塗料からなる絶縁部2bとから構成
され、これにてポーラス化用処理がなされている。
を参照しながら簡単に説明する。母型1を製造するに
は、まず、図5(a)に示すように、成形品(図示せ
ず)と同一形状を備えた木型からなる原型4を製作す
る。また、図示はしないが、この原型4の表面には、必
要に応じて例えば皮しぼ模様等の細密な凹凸模様を有す
るビニールレザーが貼付けられている。
ような、原型4(成形品)の外形とは逆の凹凸形状を有
する反転型5が製作される。この反転型5は、前記原型
4の表面部に例えばシリコン樹脂を注型して硬化させ、
その後、原型4から離型することにより得られる。この
場合、シリコン樹脂の注型方式で製作されるので、高い
転写精度が得られ、また、アンダーカット形状等の複雑
な形状を有する原型4にも対応できる。
ることにより、原形4(成形品)と同一外形を有した母
型1が製作されるのであるが、本実施例においては、ま
ず、例えばスプレーにより、反転型5の内表面に向けて
絶縁塗料を霧状に吹付けることにより、絶縁塗料を多数
の微細斑点状に付着させるようにしている。絶縁塗料の
硬化により、図5(c)に示すように、前記塗料層2の
うちまず絶縁部2bが、反転型5の内表面に付着した形
態に形成される。
の内表面全体に向けて導電塗料を所定厚みに吹付け、硬
化させることにより、図5(d)に示すように、表面側
において導電部2aと絶縁部2bとがいわば微細な斑状
に混在し且つ裏面側において導電部2aが全体に渡って
形成された塗料層2が、反転型5の内表面に付着した形
態に形成される。尚、この際、絶縁塗料及び導電塗料は
比較的粘度が低いから、反転型5の内表面と塗料層2と
の間に気泡を巻込む虞はない。
料層2の上にエポキシ樹脂及び強化用繊維等を積層して
裏打層3が形成され、最後に、前記塗料層2を裏打層3
と共に前記反転型5から離型することにより、図5
(f)に示すような、裏打層3の表面に塗料層2を有し
た母型1が得られるのである。この母型1は、表面に反
転型5の内表面の凹凸形状がそのまま反転転写された、
言換えれば成形品の表面の凹凸形状がそのまま転写され
た塗料層2を有した状態に製造されるものである。そし
て、上述のように、母型1の表面は、導電部2aの中に
無数の微細斑点状の絶縁部2bを有したポーラス化用処
理がなされた状態とされるのである。
用いて、電鋳加工により多孔質成形型6を製造する手順
について、図1,図2及び図3も参照して述べる。図2
は電鋳加工装置7を概略的に示しており、ここで、電鋳
槽8内には、例えばスルファミン酸ニッケルを主な組成
としてなる電解液9が、所要のpH及び温度に保たれた
状態で収容されている。
度の高い陽イオンと陰イオンとを組合わせた電解質から
なる気泡発生促進用の添加剤例えば臭化水素酸(HB
r)が、所要量(例えば2cc/l)添加されており、
さらに、表面張力を大きくするための界面活性剤例えば
グリセリンが所要量(例えば1cc/l)添加されてい
る。
び陰イオンとしては、次の表1に示すものが上げられ、
陽イオンとしてはイオン移動度が25℃にて50.1以
上のもの、陰イオンとしてはイオン移動度が25℃にて
69.3以上のものが好適するのである。
オンと陰イオンとを組合わせた電解質であれば、どの組
合わせでも採用することが可能であるが、水素イオンと
ハロゲンイオンを組合わせたHCl,HBr,HI等の
ハロゲン化水素酸が特に好適する。この場合、陽イオン
としては、水素イオンのイオン移動度が最も高いが、金
属イオンを採用することも可能である。
面活性剤としては、ギ酸,酢酸,アクリル酸等の炭素原
子数3以下の低級脂肪酸や、グリセリン,エリトリトー
ル,ペンタエリトリトール等の三価あるいは四価のアル
コール、あるいは、エチレングリコール,プロピレング
リコールなどの二価以下の低級アルコールが好適する。
尚、低級アルコールを添加する場合には、電解液9中の
スルファミン酸ニッケルの濃度を、通常の電鋳加工時よ
りも若干高く設定しておくことが望ましい。
にニッケル電極10(陽極)及び前記母型1(陰極)を
配置すると共に、それらの間に直流電源11を接続し、
母型1の塗料層2(導電部2a)と前記ニッケル電極1
0との間に所要の電流密度となるように直流電流を流
す。すると、母型1(塗料層2)の表面にニッケル金属
が析出し電着が行われるのであるが、この際、電解液9
に添加されている添加剤(臭化水素酸)が、水素イオン
及び臭素イオンに電離し、通電により、それらイオンが
夫々陰極及び陽極に引寄せられる。このとき、それらイ
オンのイオン移動度が高いため、母型1の表面やニッケ
ル電極10におけるそれらイオンの反応が速やかに行わ
れるようになり、陰極即ち母型1表面において多量の水
素ガスの微細な気泡が発生するようになる。
多数個の気泡を包み込むように延びながら母型1の表面
に析出するようになり、ニッケルの電着が進行するに伴
い、母型1の表面部の気泡やアルコール粒子から連続す
るようにして母型1の外側に向けてさらに気泡が付着
し、ニッケルはさらにその気泡を包むように延びながら
析出して行く。これにて、ニッケルは母型1表面に多孔
状に電着されるようになるのである。
料層2)の表面は導電部2aと絶縁部2bとがいわば微
細斑状となったポーラス化用処理がなされているため、
導電部2aと絶縁部2bと境界部で過電界が生じて水素
ガスの微細な気泡が多数発生するようになるので、上述
の添加剤による気泡発生と相俟って、十分な量の気泡が
生ずるようになり、十分に多孔状とされた電着金属層を
得ることができる。
力を大きくする界面活性剤(グリセリン等)が添加され
ているので、発生した気泡が母型1あるいは電着金属か
ら離脱しにくくなって、気泡の付着状態が極力維持され
るようになる。この結果、より一層高品質な多孔質金属
を得ることができるのである。
型にあっては、強度あるいは熱伝達性等の理由から成形
型の厚みが極力均一であることが求められる。これに対
して、電鋳加工においては、1個の母型1にあっても、
その表面形状や位置によって電流密度が相違するため、
電着金属の厚みが厚い部分と薄い部分とが生ずるように
なる。特に、図3(a)に示すように、母型1の表面に
深い凹凸形状があるような場合には、電着金属層Aは、
凸部の先端部や角部にて厚く、凹部にて薄く電着するよ
うになる。
たところで電鋳加工を中断し、母型1を一旦電鋳槽8か
ら引上げるようにし、図3(b)に示すように、電着金
属層Aのうち厚みが厚い部分に対して例えばシリコン樹
脂12によってマスキングを行う。そして、この後、そ
の母型1を再度電鋳槽8内に収容して電鋳加工を再開す
る。
ングされていない部分即ち電着金属層Aのうち厚みが薄
い部分に対してのみ、さらなる電着が行われ、電着金属
層Aの厚みの均一化が図られるのである。このとき、マ
スキング作業を行うために一旦電鋳加工を中断すると、
それまでに母型1の表面や電着金属層Aに付着していた
気泡は外れてしまうようになる。ところが、本実施例で
は、電解液9に添加剤(臭化水素酸)が添加されている
ことにより、新たに多量の水素ガスの微細な気泡を発生
させることが可能となり、電鋳加工の再開によって新た
に電着される電着金属に対しても多孔質化を図ることが
できるものである。
グ,再開を繰返し、母型1に対する均一な所定厚み(例
えば3mm)の電着が終了した後、電着ニッケル層を母
型1から離型することにより、図1に示すような、厚み
方向に連続する多数個の微細な気孔6aを有する高品質
な多孔質成形型6が得られるのである。尚、この成形型
6の表面は、母型1の表面の凹凸形状がそのまま反転転
写された状態となり、従って、この成形型6を用いた真
空成形品の表面には、母型1ひいては原型4の外形と同
一の凹凸形状が転写されるのである。
に、イオン移動度が25℃にて50.1以上の陽イオン
とイオン移動度が25℃にて69.3以上の陰イオンと
を組合わせた電解質からなる気泡発生促進用の添加剤を
添加したことにより、従来必須と考えられていた母型1
表面のポーラス化用処理の有無にかかわらず、電着金属
の十分な多孔質化に必要な気泡を発生させることが可能
となった。
図ることができ、従来技術により製造されたものと比較
し、極めて高品質な多孔質成形型6を得ることができる
ようになった。しかも、従来では不可能であった電鋳加
工の中断,再開が可能となり、ひいては、強度や熱伝達
性に優れた均一な厚みの多孔質成形型6を製造すること
ができるものである。
面張力を大きくする界面活性剤を添加するようにしてい
るので、発生した気泡が母型1あるいは電着金属から離
脱しにくくなって、気泡の付着状態が極力維持されるよ
うになり、より一層高品質な多孔質成形型6を得ること
ができる。
面に付着硬化された塗料層2を裏打層3と共に離型して
表面がポーラス化用処理がなされた母型1を得るように
したので、反転型からの離型後に母型の表面に塗料や銀
鏡層等を付着させることによりポーラス化用処理を行っ
ていた従来技術と異なり、母型1の表面のポーラス化用
処理を後の表面処理によることなく済ませることがで
き、母型1の製造を極めて容易且つ安価に済ませること
ができるという効果も得ることができる。
皮しぼ模様等の細密な凹凸模様が反転型5から確実に転
写されるようになり、しかも、反転型5と母型1との間
に気泡を巻込むことによるピンホールの発生もなくな
る。この結果、従来のものに比べて、成形型6及び成形
品に対する極めて高い転写精度を得ることができるもの
である。因みに、本実施例の方法によれば、0.1μ程
度の凹凸模様の転写も可能となった。但し、ポーラス面
は穴状となる場合がある。
に加えて表面張力を大きくする界面活性剤をも添加する
ようにしたが、界面活性剤を必ずしも添加しなくとも、
所期の目的を達成することができる。また、上記実施例
では、母型1の表面をポーラス化用処理するようにした
が、本発明においては、その趣旨から明らかなように、
表面全体に銀鏡等の導電処理を行った母型や、金属製の
母型にあっても、電着金属の多孔質化を図ることができ
るものである。さらには、母型の表面がポーラス化用処
理されていれば、1回目は通常の電解液を用いて電鋳加
工を行い、マスキング後の再加工時に添加剤を含んだ電
解液を用いるようにしても良い。
ものではなく、他の方法によりポーラス化用処理された
母型を用いても良く、また、ニッケルに限らず銅,亜
鉛,錫などの他の電鋳加工にも適用することができるな
ど、要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であ
る。
の電鋳加工による多孔質成形型の製造方法によれば、電
鋳加工を行うための電解液に、イオン移動度が25℃に
て50.1以上の陽イオンとイオン移動度が25℃にて
69.3以上の陰イオンとを組合わせた電解質からなる
気泡発生促進用の添加剤を添加するようにしたので、電
鋳加工によって母型の表面に金属を多孔状に電着させて
多孔質成形型を製造する方法にあって、電着金属層の多
孔質化を十分に図りつつ、電鋳加工の中断,再開を可能
とすることができ、ひいては高品質,高強度の多孔質成
形型を製造することができるという優れた実用的効果を
奏するものである。
の部分的な拡大縦断面図
ングの様子(b)を示す拡大縦断面
絶縁部、3は裏打層、4は原型、5は反転型、6は多孔
質成形型、6aは気孔、7は電鋳加工装置、8は電鋳
槽、9は電解液、10はニッケル電極、11は直流電源
を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 成形品と同一外形を有する母型の表面
に、電鋳加工によって金属を多孔状に電着させた後、そ
の電着層を前記母型から離型することにより多孔質成形
型を得るようにした多孔質成形型の製造方法において、
前記電鋳加工を行うための電解液に、イオン移動度が2
5℃にて50.1以上の陽イオンとイオン移動度が25
℃にて69.3以上の陰イオンとを組合わせた電解質か
らなる気泡発生促進用の添加剤を添加するようにしたこ
とを特徴とする電鋳加工による多孔質成形型の製造方
法。 - 【請求項2】 添加剤は、ハロゲン化水素酸からなるこ
とを特徴とする請求項1記載の電鋳加工による多孔質成
形型の製造方法。 - 【請求項3】 電解液には、炭素原子数3以下の低級脂
肪酸,三価あるいは四価のアルコール及び二価以下の低
級アルコールのうちの1種以上からなる、表面張力を大
きくする界面活性剤が添加されていることを特徴とする
請求項1又は2のいずれかに記載の電鋳加工による多孔
質成形型の製造方法。 - 【請求項4】 母型の表面は、導電部と絶縁部とが微細
斑状に混在したポーラス化用処理がなされていることを
特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電鋳加工
による多孔質成形型の製造方法。 - 【請求項5】 母型は、成形品の外形と逆の凹凸形状を
有する反転型の表面に多数の微細斑点状に付着硬化され
た絶縁塗料と、前記反転型の表面全体に前記絶縁塗料の
上から付着硬化された導電塗料とからなる塗料層が、前
記反転型から離型されて表面層とされることにより、表
面がポーラス化用処理されていることを特徴とする請求
項4記載の電鋳加工による多孔質成形型の製造方法。 - 【請求項6】 母型の表面は全体が導電層とされている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電
鋳加工による多孔質成形型の製造方法。
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JP4223888A JP2716324B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 電鋳加工による多孔質成形型の製造方法 |
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JP4223888A JP2716324B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 電鋳加工による多孔質成形型の製造方法 |
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