JP3298287B2 - 電鋳金型の製造方法 - Google Patents

電鋳金型の製造方法

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JP3298287B2 JP01058594A JP1058594A JP3298287B2 JP 3298287 B2 JP3298287 B2 JP 3298287B2 JP 01058594 A JP01058594 A JP 01058594A JP 1058594 A JP1058594 A JP 1058594A JP 3298287 B2 JP3298287 B2 JP 3298287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電鋳金型の製造方法
に関し、特に、プラスチックの成形金型として好適な電
鋳金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチックのブロー成形、
真空成形などの金型には、成形加工時に、成形用材料で
あるパリソンあるいは加熱したシートから発生するガス
や型内の空気を抜く微細な孔が多数設けられている。
【0003】これらの孔をあける方法としては、金型を
作成した後に微細なドリルなどで孔を明けるという機械
的方法、あるいは型自体を多孔質体から構成すべく、多
孔質電着層が得られる電気鋳造などで金型を製造する電
気化学的方法等がある。
【0004】しかし、前者の方法では、多数個の小孔を
形成する作業が非常に煩雑であるためにコスト・日数が
かかりすぎ、余り好ましいものとは言えなかった。他
方、後者による金型は製造過程で多孔質になるのでコス
ト・日数の点では問題は生じないが、その製造方法の特
性から孔の形成、形状が不確実であり、かつ孔の周りの
壁の厚さが薄くなり易く、あるいは微小な気泡を内蔵す
る析出物になり易い等から金型としての所要強度が得ら
れ難いなどの欠点があった。しかも、更に、金型として
の使用に耐えても使用途中に損傷した場合の修理が非常
に難しいという問題点も見られる。
【0005】特開平5−156486号公報には、電鋳法によ
り形成された通気孔を多数備えた電鋳金型の製造方法が
開示されているが、これは予め穴を明けた母型を陰極と
して用い、界面活性剤を実質的に加えない電鋳液で電鋳
操作を行うのである。その考えは従来ピンホール生成を
抑制するために添加されてきたラウリル硫酸ナトリウム
等の界面活性剤を添加しないことで、予め母型に穴を明
けて作った非導電部に電着の際に発生する水素ガスを溜
り易くし、それにより穴の部分は穴のままに成長させよ
うとするものである。
【0006】しかし、電鋳型の製造においては肉厚を均
一化させることが重要であり、このために製造過程にお
いて適当な時期に電鋳液から出して既電着部の肉厚を測
定し、規定の肉厚に達している部分を非導電材料でマス
キングした後に、再度電鋳液の中に入れて、電鋳操作を
繰り返すことが行われる。通常このような作業を5回程
度繰り返すが、型の形状によって回数は増減する。
【0007】ところが、マスキング作業の後に電鋳液へ
入れて再度電着を始める場合、この電着初期には穴の部
分は既電着によって確かに凹にはなっていて穴を形づく
っているものの、電着再開時には水素ガス溜りがないた
めに非導電部分となっておらず、電鋳液のレベリング作
用によって、水素ガスが溜るまでの間に穴の回りに電着
されることにより穴が徐々に小さくなる。このように、
マスキング作業を繰り返すことによってついには穴がな
くなるという現象が生じ易いために、従来のように電鋳
金型にドリルなどで孔を明けると同様の問題は避けられ
ない。
【0008】また、上記方法は電着過程で発生する水素
ガスによって、予め母型に明けた穴を維持し且つ成長さ
せる方法であるために、電鋳液のレベリング作用によっ
て微少な水素ガスの泡を内蔵する脆い析出物になりやす
いなどの、従来よりの多孔質金型の欠点が何ら解消され
ていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明は、
従来の電鋳法により得られる多孔質金型に見られる強度
不足、そして気孔組織、形状の不均一性の問題を解消し
た新しい電鋳法による多孔質金型の簡便な製造方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】ところで、本発明者ら
は、原型を模した絶縁性基体上に形成した導電層上に電
気鋳造を施す過程において、電鋳液にレベリングレス剤
を添加することで、いわゆるピット (非電着部) が極め
て容易に形成され、確実に生長することを知り、この発
明に至ったものである。
【0011】すなわち、本発明は、基体上に電気鋳造に
より金属を析出させて金属電着層を形成する電鋳金型の
製造方法において、基体上に電着開始時に形成されたピ
ットを、引き続き金属を析出させる過程で電鋳液に添加
したレベリングレス剤(ただし、ギ酸、酢酸、アクリル
等の低級脂肪酸、グリセリン、エリトリトール、ペン
タエリトリトール等の高級アルコールの場合を除く)の
作用によって電着を活性化支配として前記ピットを安定
して保存することを特徴とする多孔質電鋳金型の製造方
法である。別の面からは本発明は、基体上に電気鋳造に
より金属を析出させて金属電着層を形成する電鋳金型の
製造方法において、基体上に電着開始時に形成されたピ
ットを、引き続き金属を析出させる過程で電鋳液に添加
したレベリングレス剤 (ただし、ギ酸、酢酸、アクリル
等の低級脂肪酸、グリセリン、エリトリトール、ペン
タエリトリトール等の高級アルコールの場合を除く)の
作用によって基体の垂直方向への電着金属の結晶成長を
進めるが水平方向へは進まないようにして前記ピットを
安定して保存することを特徴とする多孔質電鋳金型の製
造方法である。
【0012】さらに具体的には、本発明は基体上に電気
鋳造により金属を析出させて金属電着層を形成する電鋳
金型の製造方法において、基体上に電着開始時に形成さ
れたピットを、引き続き金属を析出させる過程で電鋳液
に添加したレベリングレス剤の作用によって電着を活性
化支配として前記ピットを安定して保存して電着を行
い、次いで非導電性粒子を懸濁させた電解液を使ってさ
らに電着を行うことを特徴とする多孔質電鋳金型の製造
方法である。 別の面からは本発明は、基体上に電気鋳造
により金属を析出させて金属電着層を形成する電鋳金型
の製造方法において、基体上に電着開始時に形成された
ピットを、引き続き金属を析出させる過程で電鋳液に添
加したレベリングレス剤の作用によって基体の垂直方向
への電着金属の結晶成長を進めるが水平方向へは進まな
いようにして前記ピットを安定して保存して電着を行
い、次いで非導電性粒子を懸濁させた電解液を使ってさ
らに電着を行うことを特徴とする多孔質電鋳金型の製造
方法である。
【0013】ここに、「レベリングレス剤」は、めっき
電解液のレベリング性能に作用することにより、めっき
電着の横方向への広がり生長を減少させ、かつ厚さ方向
である縦方向に積極的に電着を生長させる働きを有する
ものであるので、電着初期に種々の要因により発生した
電着の未着部 (ピット生成の素) を塞ぐことなく、孔と
して電着と共に生長させる作用を発揮するものである。
【0014】ちなみに、「界面活性剤」は、その働きと
しては、固体・液体の分子に吸着することにより、被電
着物である基体およびめっき電鋳液の浸透性あるいは親
水性を高め、電着表面の微細部分への電鋳液の進入を容
易にすると共に、電着初期に基体の表面に付着している
空気の薄膜、あるいは電着の進行によって発生し電着表
面へ付着した水素ガスの離脱性の向上を図るものであ
る。
【0015】この発明にあっては、さらに、適量の界面
活性剤との併用によって、電着時に発生する水素ガスの
電着表面からの離脱性を向上させることにより、電着金
属層への微少な水素ガスの泡の内蔵を防止できるため
に、電着金属の物性の改善および機械的強度の向上を図
るようにしてもよい。
【0016】
【作用】以下、この発明の作用について具体的に説明す
る。この発明にかかる製造方法の実施に当たっては、先
ず原型に模した形状を有する基体を用意する。この基体
を構成する材料は導電性、非導電性のいずれであっても
よく、特に限定されるものではないが、後述するよう
に、この基体は鋳造される電鋳体から剥離するものであ
るから、再使用を意図しない限り安価な材料、例えばエ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素
樹脂等容易に所定の形状を付与できるプラスチック材料
の使用が好ましい。
【0017】したがって、この基体は、例えば、自動車
のドアトリム等所定の表面形状に、製品モデルの反転型
等を利用し、エポキシ樹脂等によって複製される。次
に、この基体を構成する材料として非導電性であるエポ
キシ樹脂を用いる場合を例にとってこの発明をさらに具
体的に説明する。
【0018】エポキシ樹脂は、本来的に絶縁体であるこ
とから、その転写予定表面に銀の化学メッキの一種であ
る銀鏡反応を利用し、或は銀ラッカー等導電塗料を塗布
することにより、連続する被膜状の導電層を形成する。
なお、導電層に銀鏡反応を使用する場合は、この導電層
の成形に先立ち、基体に対する導電層の付着力を高める
ために、基体の転写予定表面に脱脂処理を施し、さらに
塩化第一錫溶液を塗布するなどして、より感応性を高め
ておくことが望ましい。
【0019】このようにして表面に導電層を設けた基体
を、レベリングレス剤を含む所定組成の電解めっき液、
つまり電鋳液を満たした電鋳槽の中に入れ、前記基体の
導電層を陰極とする一方、電着する金属と同一の金属板
などから他方の陽電極を構成し、両電極間に所定の電圧
を加え電鋳を行う。
【0020】通常はピット防止のために、電鋳槽へ入れ
る前に導電層の表面の酸化膜を化学的に除去して活性化
させ、さらに、界面活性剤の水溶液をかけるなどして親
水性を持たせるなどの前処理を行うのであるが、この発
明ではピットを積極的に発生させるために、前処理は行
わずに、導電層表面が乾燥したままで電鋳槽へ入れるこ
とが望ましい。
【0021】なお、ピットの形成は、前述のようにして
導電層を設けてから該導電層の表面に形成される空気酸
化による酸化膜の、電着に際してある種の絶縁破壊現象
の程度、入槽の際に導電層の表面に付着している空気の
薄膜の離脱の程度、あるいは、表面に存在する微少な局
部的凹部などの不連続部などによって発生し、導電層金
属と電着金属との水素発生過電圧電位の差などによって
発生する水素ガスの基体への付着、あるいは、電鋳液中
のごみ (微少な異物) の電着面への付着などによっても
促進される。もちろん、予め基体上に多数の微小な孔を
ドリル明け等の機械的手段によってあけておいてもよ
い。
【0022】また、電鋳に際して、ピット (非導電部)
の形成をより容易にするため、基体表面に適宜疎水性非
導電粒子等を吹き付けても、あるいは樹脂内に予め配合
してもよい。
【0023】導電性基体の場合には、陰極としての導電
性のみを考えた場合には改めて導電層を設ける必要はな
いが、電鋳型は電着金属部分を基体から剥離して使用す
るものであるため、剥離の利便を考え、非導電性基体と
同様に銀鏡反応などの表面導電層を設けることが望まし
い。電鋳操作それ自体は、レベリングレス剤を含む以外
は、電鋳液組成も含めて慣用のものであってもよく、こ
の発明においてそれらは何ら制限されない。
【0024】電鋳の進行に伴って、基体表面の酸化被膜
の微小残部あるいは基体表面の微小凹部の存在などによ
って、形成された非電着部 (ピット) が生長し、これが
レベリングレス剤の吸着作用により、電着金属層の成長
に伴って安定して保存され、成長するのである。ここ
で、この発明で使用するレベリングレス剤の具体的種類
について説明すると、次の通りである。
【0025】この発明で使用するレベリングレス剤はそ
の作用として、電着の際にレベリングレス剤の拡散支配
に対して活性化支配を発揮するもので、その成分は、ベ
ンゼンスルホン酸またはその誘導体、ヘミメリト酸など
のカルボン酸またはその塩、ニコチン酸またはニコチン
酸アミドなどのニコチン酸誘導体、メチルプチノールお
よびその誘導体などを適宜配合することにより構成され
ている。好ましいレベリングレス剤はベンゼンスルホン
、ニコチン酸およびメチルプチノールである。活性化
支配であるために、基体の垂直方向への電着金属の結晶
成長は進むが、水平方向へはほとんど進まないので、ピ
ットはそのまま残るのである。
【0026】すなわち、図1に示すように、この発明に
よれば、基体10上に電着開始時に形成されたピット12
は、レベリングレス剤の作用によって、安定して保存さ
れ、電着金属層14が形成されるにつれ、いわば成長を続
けるのである。図1は、この基体表面に存在するピット
12が保存、成長する様子の模式図である。
【0027】このように、この発明によってレベリング
レス剤を配合した場合、その作用によって電着が活性化
支配となるため、めっき素地の形状のまま、つまりピッ
トにはめっき金属が拡散されないままにめっきが継続さ
れ、電流の届き難い微小凹部の底部はめっきされにく
く、めっきの厚みが増すにしたがってますますその傾向
が著しくなるものである。めっき層の成長にもかかわら
ず非電着部はそのまゝ残るのである。
【0028】本発明者らの、電鋳液のレベリング性をな
くする予備試験では、ベンゼンスルホン酸またはギ酸を
レベリングレス剤として標準組成のニッケル電鋳液に添
加したところ、添加量0.05〜0.8 g/L の範囲で、黄銅板
に#800の紙ヤスリで付けた研磨目を全く消滅させること
なく、かつ均一な電着を得ることが可能であった。
【0029】また、レベリングレス剤としてニコチン酸
誘導体またはメチルブチノールおよびその誘導体などを
使用した場合においても、添加量0.001 〜0.1 g/L の範
囲で同様な結果が得られた。
【0030】有孔電鋳体を得る予備試験においても、レ
ベリングレス剤の作用により電着初期に銀鏡面に発生し
付着した水素ガスによるめっきの未着部が未着のままに
そのほかの部分のめっきが成長することによって、めっ
き未着部はピットとして残り、有孔電鋳体が得られた。
この状態で数日間電鋳を行い、多孔質電鋳金型を形成す
る。このようにして得た電鋳金型は十分な通気性を有す
ることから、そのままプラスチックの成形に使用しても
よいが、さらに強度を改善するには補強用にバックアッ
プ層を設けるようにしてもよい。
【0031】この発明の好適態様によれば、上述のよう
にして形成された有孔電着面の厚さが希望する厚さ、例
えば 0.2〜0.8 mmになったと判断したら、疎水性の非導
電性粒子、例えばPTFEなどのプラスチック材料の微
粒子を界面活性剤などで懸濁させた水溶液を電解槽へ混
入してもよい。
【0032】電鋳液中に入ったPTFEなどの微粒子
は、界面活性剤の作用および電鋳液の攪拌により液中に
拡散され、その一部が基体の電着面に付着する。微粒子
の拡散、分散は均一に行われるため、基体電着面への付
着もほぼ全面的に均一に行われる。したがって、混入す
る微粒子の量を調整することにより電着面への付着密度
を調整できる。
【0033】かくして、上記態様の場合、電着面、つま
り第一電着金属層上に付着した状態で存在する微粒子は
絶縁体であるために、その部分には金属イオンが電着さ
れず、当該部分は電着の凹部となり始める。さらに付着
した微粒子が絶縁体であると同時に疎水性である場合に
は、電着時に不可避的に発生する水素ガスが当該部分に
付着し易くなり、その結果、下層の有孔電着金属層のピ
ットと比較してより大きなピットとして成長を始める。
【0034】図2は、このときの電着金属層の構成を模
式的に表わす説明図である。図1で説明したようにして
成長したピット12は、第一電着金属層14の上に第二電着
金属層18が形成され、成長するにつれ大きく成長し、拡
大ピット20を形成する。
【0035】上記実施態様で用いたPTFEなどの微粒
子の非電導性粒子は、前述したように電鋳液中に均一に
拡散されるから、基体の電着面全体に付着することにな
り、それらの各々の箇所で上述のピットが発生するた
め、通常の電着の途中から全体でみると均質な連通孔構
造の第二電着金属層ができるのであり、好ましい。この
ようにして電着される第二電着金属層の厚さは特に制限
されないが、一般には全厚さのほぼ 2/3〜3/4 程度あれ
ば充分であろう。
【0036】かくして、この発明にしたがって製造した
電鋳金型は電着金属層である表面層の成形面はレベリン
グレス剤の助成作用で有孔電着金属層であるが、この有
孔電着金属層はいわゆるめっきのピットの多発したもの
であり、ピット部分以外は通常のめっき皮膜であるので
成形面の強度は充分にあり、また必要により前述の第二
電着金属層をさらに形成させる場合、途中から二層の多
孔質電着層となっているのでそのままで使用できる所定
の多孔質電鋳金型が得られる。
【0037】
【実施例】次に、この発明の実施例を挙げるが、それら
はこの発明の単なる例示として示すものであって、この
発明がそれらによって何ら限定されるものでないことは
理解されよう。
【0038】(実施例1)反転型を利用して自動車用ドア
トリムの表面形状を有する基体をエポキシ樹脂により製
作した。その基体上に、通常の銀鏡反応により、銀の薄
膜からなる導電層を形成してから電鋳槽に入れる。
【0039】このようにして用意した基体を陰極とし、
一方、金属チタン製バスケットケースに入ったニッケル
小片を陽極として使用し、表1に示す組成の電解めっき
液である電鋳液を満たした電鋳槽で電着を行った。この
ときの電着条件は表1に示す。なお、この実施例では前
述のレベリングレス剤を使用した。
【0040】
【表1】 第一層形成の電鋳液: スルファミン酸ニッケル 300〜400 g/L 塩化ニッケル 5〜 10 g/L 硼酸 30〜 40 g/L 界面活性剤 適量 レベリングレス剤 (ベンゼンスルホン酸) 0.1〜0.5 g/L 電着条件: pH 3〜4 温度 40〜 50 ℃ 電流密度 0.5 A/dm2 期間 4日間 製造された電鋳金型は、電着金属層の厚さが0.3 〜0.5
mm、1dm2 に10〜20μmのピット (孔) が約70個ある電
鋳体であった。
【0041】(実施例2)実施例1の電鋳終了後、さらに
下記第二電鋳液に粒径5μmのPTFE粒子を0.02〜0.
05 g/L配合し、さらに2日間電着作業を続けた。得られ
た2層構造の電鋳体は充分な通気性を有していた。 第二層形成の電鋳液: スルファミン酸ニッケル 300〜400 g/L 塩化ニッケル 5〜 10 g/L 硼酸 30〜 40 g/L 界面活性剤 適量 ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) 0.02〜0.05 g/L
【0042】
【発明の効果】この発明により製造される電鋳金型は、
以上詳述したように、多孔質の電着金属層とから構成さ
れるのであって、そのような多孔質な電鋳体を製造する
に際しても、従来法のように、基体の導電層上に微少孔
を形成するための絶縁部を予め点在させるが、それによ
り形成された非電着部はレベリングレス剤を使用するこ
とでそのまま成長しつづけ、電着金属の所定の強度が得
られ、また微小孔が埋まることがなく、したがって電鋳
金型として機械的強度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にしたがってレベリングレス剤を添加
した電鋳液を用いて電着を行ったときの電着金属層とピ
ット( 非電着層) の成長の様子を示す模式図である。
【図2】この発明の好適例を示す図1と同様の模式図で
ある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−65777(JP,A) 特開 平6−65779(JP,A) 特開 平6−33291(JP,A) 特開 昭51−11025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 1/00 B29C 33/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に電気鋳造により金属を析出させ
    て金属電着層を形成する電鋳金型の製造方法において、
    基体上に電着開始時に形成されたピットを、引き続き金
    属を析出させる過程で電鋳液に添加したレベリングレス
    剤(ただし、ギ酸、酢酸、アクリル酸等の低級脂肪酸、
    グリセリン、エリトリトール、ペンタエリトリトール等
    の高級アルコールの場合を除く)の作用によって電着を
    活性化支配として前記ピットを安定して保存することを
    特徴とする多孔質電鋳金型の製造方法。
  2. 【請求項2】 基体上に電気鋳造により金属を析出させ
    て金属電着層を形成する電鋳金型の製造方法において、
    基体上に電着開始時に形成されたピットを、引き続き金
    属を析出させる過程で電鋳液に添加したレベリングレス
    剤 (ただし、ギ酸、酢酸、アクリル酸等の低級脂肪酸、
    グリセリン、エリトリトール、ペンタエリトリトール等
    の高級アルコールの場合を除く)の作用によって基体の
    垂直方向への電着金属の結晶成長を進めるが水平方向へ
    は進まないようにして前記ピットを安定して保存するこ
    とを特徴とする多孔質電鋳金型の製造方法。
  3. 【請求項3】 基体上に電気鋳造により金属を析出させ
    て金属電着層を形成する電鋳金型の製造方法において、
    基体上に電着開始時に形成されたピットを、引き続き金
    属を析出させる過程で電鋳液に添加したレベリングレス
    剤の作用によって電着を活性化支配として前記ピットを
    安定して保存して電着を行い、次いで非導電性粒子を懸
    濁させた電解液を使ってさらに電着を行うことを特徴と
    する多孔質電鋳金型の製造方法。
  4. 【請求項4】 基体上に電気鋳造により金属を析出させ
    て金属電着層を形成する電鋳金型の製造方法において、
    基体上に電着開始時に形成されたピットを、引き続き金
    属を析出させる過程で電鋳液に添加したレベリングレス
    剤の作用によって基体の垂直方向への電着金属の結晶成
    長を進めるが水平方向へは進まないようにして前記ピッ
    トを安定して保存して電着を行い、次いで非導電性粒子
    を懸濁させた電解液を使ってさらに電着を行うことを特
    徴とする多孔質電鋳金型の製造方法。
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