JP2943470B2 - 電鋳金型およびその製造方法 - Google Patents

電鋳金型およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電鋳金型およびその
製造方法に関し、特にはプラスチックの成形金型として
好適な電鋳金型とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチックのブロー成形、
真空成形などの金型には、成形用材料であるパリソンあ
るいは加熱したシートから発生するガスや型内の空気を
抜く微細な孔が多数設けられている。これらの孔をあけ
る方法としては、金型を作成した後に微細なドリルなど
で孔を明けるという機械的方法、あるいは型自体を多孔
質体として電気鋳造などで製造する電気化学的方法等が
ある。
【0003】しかし、前者の方法では、多数個の小孔を
形成する作業が非常に煩雑であるためにコスト・日数が
かかりすぎ、余り好ましいものとは言えなかった。他
方、後者による金型は製造過程で多孔質になるのでコス
ト・日数の点では問題は生じないが、その製造方法の特
性から孔の形成が不確実であり、かつ孔の周りの壁の厚
さが薄くなり易く、あるいは微小な気泡を内蔵する析出
物になりやすいので金型としての強度が得られ難いなど
の欠点があった。しかも、更に、金型としての使用に耐
えても使用途中に損傷した場合の修理が非常に難しいと
いう問題点も見られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明は、
従来の多孔質金型に見られる強度不足そして気孔組織の
不均一性の問題を解消した電鋳金型およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】ところで、本発明者ら
は、原型を模した導電性基体または絶縁性基体上に形成
した導電層上に電気鋳造を施す過程において、電着面に
非導電性粒子が存在すると当該箇所へは電着が妨げられ
て、いわゆるピット (非電着部) が形成されることに着
目し、この発明に至ったものである。
【0006】
【0007】の発明は、金型の成形面を構成する表面
層と、該表面層に続く支持層とから構成され、前記支持
層が連通孔構造の多孔質電鋳層からなり、前記表面層
無孔性層に成形面側から支持層に至る多数の細孔が設け
られた構造を有している電鋳金型である。
【0008】さらに、この発明によれば、基体表面の導
電層の上に電気鋳造により所望の金属層を形成する電鋳
体の製造方法において、金属を析出電着させる過程で基
体上に最初に電着させた第一電鋳層のうえに、電着面で
の非導電性粒子の存在下で電気鋳造を継続し、連通孔構
造の第二電鋳層を形成するのである。例えば、第一電鋳
層が所定の厚さに達したと判断したときに、非導電性粒
子、例えばアルミナ、TiO2などの酸化物、ホウ化物、P
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのプラスチ
ック材料またはその他の非導電性微粒子、好ましくは疎
水性の非導電性物質の微粒子を溶液に懸濁させたものを
電解液に混入させ、電気鋳造の途中から電鋳層を多孔質
とし、前記第一電鋳層の上に連通孔構造の第二電鋳層を
形成するものである。
【0009】このようにして電気鋳造法で製造した電鋳
金型は、所要の通気性を確保するために、型形成後に、
必要に応じて、上記第一電鋳層に例えばドリルを使うな
どして機械的方法で孔明けをすればよい。その他、レー
ザなどの手段でもって孔を明けてしてもよい。
【0010】成形面を構成する第一電鋳層の型肉厚は比
較的薄いので孔を明け易く、かつ金型としての強度も充
分にあるから、従来の多孔質金型の長所を合わせ持つ多
孔質電鋳金型が得られる。なお、この発明で云う「連通
孔構造」は表裏面を貫通した気孔が存在する多孔質構造
を云うのであり、貫通孔を有する限りにおいて従来の多
孔質構造をも包含する。
【0011】
【作用】以下、この発明の構成を作用と共に説明する。
図1は、この発明にかかる電鋳金型の断面構造の略式説
明図であり、基体10の上には慣用の電気鋳造によって成
形された第一電鋳層12が設けられており、その上には多
孔質の第二電鋳層14が設けられている。特に、この発明
によれば第二電鋳層は連通孔構造となっており、一つの
孔が一方の側から反対の側に貫通している。そのため、
金型として使用した場合のガス抜き性に優れている。な
お、図1に示す構造を有する金型16はそのままで使用し
てもよいが、ガス抜き用に第一電鋳層12に多数の孔を設
けてから使用するのが好ましい。
【0012】図2は、第電鋳層に多数の孔18を設けた
場合の金型20の断面構造を示す。かかる金型の用途とし
ては、例えば前述のプラスチック成形用の型などが代表
例として挙げられるが、特にそれにのみ制限されるもの
ではない。また電気鋳造する金属も限定されるものでは
なく、ニッケル、鉄、銅、あるいはそれらの合金など電
気鋳造が可能なものならば如何なる金属でも使用でき
る。
【0013】この発明にかかる製造方法の実施に当たっ
ては、先ず原型に模した形状を有する基体を用意する。
この基体を構成する材料は特に限定されるものではない
が、後述するように、この基体は鋳造される電鋳体から
剥離するものであるから、再使用を意図しない限り安価
な材料、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂、尿素樹脂等容易に所定の形状を付形できる
プラスチック材料の使用が好ましい。
【0014】この基体は、例えば、自動車のドアトリム
等所定の表面形状に、製品モデルの反転型等を利用し、
エポキシ樹脂等によって複製される。この基体を構成す
るエポキシ樹脂は、本来的に絶縁体であることから、そ
の転写予定表面に銀鏡反応を利用し或いは銀ラッカー等
導電塗料を塗布することにより、連続する被膜状の導電
層を形成する。なお、この導電層の形成に先立ち、基体
に対する導電層の付着力を高めるために、脱脂処理を施
し、さらに塩化第一スズ溶液を塗布する等して、より感
応性を高めることが望ましい。
【0015】このようにして表面に導電層を設けた基体
を、所定組成の電解液を満たした電鋳槽の中に入れ、前
記基体の導電層を陰極とする一方、他方の陽電極を電着
する金属と同一の金属板などから構成し、両極間に所定
の電圧を加え電鋳を行う。この場合、基体は3次元の複
雑な形状を成しているので、各部に均一に電着するよう
に小さな電流で電鋳を行うのが好ましい。
【0016】電鋳操作それ自体は、電解液組成も含めて
慣用のものであってもよく、この発明においてそれらは
何ら制限されない。この状態で数日間電鋳を行い、第一
電鋳層を形成する。この発明の好適態様によれば、電着
面の厚さが希望する厚さ、例えば 0.2〜0.8 mmになった
と判断したら、疎水性の非導電性粒子、例えばPTFE
などのプラスチック材料の微粒子を懸濁させた溶液を電
解液へ混入する。
【0017】なお、別法としてこれまで知られている方
法でもって、この第一電鋳層の上に貫通孔をもった多孔
質電鋳層を形成するようにしてもよい。電解液中に入っ
たPTFEなどの微粒子は液中に拡散され、その一部が
基体の電着面に付着する。通常、微粒子の拡散、分散は
均一に行われるため、基体電着面への付着もほぼ全面的
に均一に行われる。したがって、微粒子の濃度を調整す
ることで電着面への付着密度を調整できる。
【0018】かくして、上記態様の場合、電着面、つま
り第一電鋳層上に付着した状態で存在する微粒子は絶縁
体であるために、その部分には金属イオンが電着され
ず、当該部分は電着の凹部となり始める。さらに付着し
た微粒子が絶縁体であると同時に疎水性である場合に
は、電着時に不可避的に発生する水素ガスが当該部分に
付着しやすくなり、その結果ピットとして成長を始め
る。
【0019】上記実施態様で用いたPTFEの微粒子な
どの非導電性粒子は、前述したように電解液へ均一に拡
散されるから、基体の電着面全体に付着することにな
り、それらの各々の箇所で上述のピットが発生するた
め、通常の電着の途中から全体でみると均質な連通孔構
造の第二電鋳層ができるのであり、好ましい。すでに述
べたように、この第二電鋳層は貫通孔を有する構造のも
のである限り、いずれの方法で形成されてもよいことは
云うまでもない。
【0020】このようにして電着される第二電鋳層の厚
さは特に制限されないが、一般には全厚さのほぼ 2/3〜
3/4 程度あれば十分であろう。かくして、この発明にし
たがって製造した電鋳金型は表面層の成形面は通常の孔
のない緻密な電鋳層であるので成形面の強度は充分にあ
り、また途中から多孔質電鋳層となっているので第一電
鋳層、つまり表面層は孔が明けやすくなり、従来法に比
べて大幅に製造工数・日数の削減ができる。
【0021】
【実施例】次に、この発明の実施例を挙げるが、それら
はこの発明の単なる例示として示すものであって、この
発明がそれらによって何ら限定されるものでないことは
理解されよう。
【0022】自動車用ドアトリムの表面形状を有する基
体をエポキシ樹脂により製作した。その基体上に、通常
の銀鏡反応により、銀の薄膜からなる導電層を形成し
た。このようにして用意した基体を陰極とする一方、陽
極として金属チタン製バスケットケースに入ったニッケ
ル金属の小片を使用し、表1に示す組成の電解液を使っ
て電鋳槽で電着を行った。このときの電着条件も表1に
示す。
【0023】なお、本例では非導電性微粒子としてPTFE
粒子 (粒径5μm)を電解液濃度で100ppm使用した。電解
液は連続濾過を行って微粒子の混在はそれの電着面への
付着が行われる期間のみとした。
【0024】
【表1】
【0025】製造された電鋳金型は図1に示すように、
基体に接する側は通常の電鋳体であり、その途中から連
通孔構造の電鋳体となっている。各々の厚さは電着する
時間数によって左右され、PTFE粒子懸濁水溶液を電
解液へ混入するタイミングを遅くすれば、通常の電鋳体
となる第一電鋳層の厚さを厚くでき、タイミングを早く
すればそれが薄くなる。
【0026】得られた電鋳金型は、次いでドリルを使っ
て孔明けを行い、第一電鋳層に径0.25〜0.3 mmの孔を10
〜15mmピッチで明けた。従来の電鋳金型では強度をもた
せるため電鋳層の厚さは2mm以上必要であり、厚さが2
mmの場合、孔明けの所要時間は1孔に付き約5分を必要
としたが、この発明の電鋳金型では第1電鋳層が薄いの
で5〜10秒で明けることができた。
【0027】
【発明の効果】この発明は、詳述したように、第一電鋳
層とその下に支持層として設けた連通孔構造の第二電鋳
層とから構成されるのであって、そのような多孔質な電
鋳体を製造するに際しても、この発明の好適態様によれ
ば、従来法のように、基体の導電層上に微少孔を形成す
るための絶縁部を予め点在させる必要性や、特殊な電解
液を使用する必要が全くなく、ごく普通の方法で通常の
孔の無い電着析出層上に連通孔構造の電着析出層を形成
でき、製造した電鋳金型の孔のない厚さ部分は従来の孔
を明ける電鋳金型に比べて格段に薄いので容易に孔を明
けて多孔質の電鋳金型にすることができるものである。
また型自体を多孔質として製造した電鋳金型に比べて、
成形する製品に接する面の型の厚さは充分に厚いので強
度があり、かつ型断面構造が半ば多孔質であるので軽量
であり、取扱いが容易であるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる金型の断面構造の説明図であ
る。
【図2】この発明にかかる金型の別の断面構造の説明図
である。
【符号の説明】
10 : 基体 12 : 第一電鋳層 14 : 第二電鋳層 16 : 電鋳金型 18 : 孔 20 : 電鋳金型

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型の成形面を構成する表面層と、該表
    面層に続く支持層とから構成され、前記支持層が連通孔
    構造の多孔質電鋳層からなり、前記表面層が無孔性層に
    成形面側から支持層に至る多数の細孔が設けられた構造
    を有している電鋳金型。
  2. 【請求項2】 基体の表面に導電層を設け、その上に電
    気鋳造により金属層を形成する電鋳金型の製造方法にお
    いて、電気鋳造初期には所定の金属イオンを含む電解液
    から該金属イオンを析出電着させることにより無孔性の
    第一電鋳層を形成し、しかる後前記電解液に非導電性粒
    子を混入することにより前記第一電鋳層上に非導電性粒
    子を付着させて多数の非導電部を形成し、その後電気鋳
    造を継続し、前記第一電鋳層上に、連通孔構造の多孔質
    第二電鋳層を形成することを特徴とする電鋳金型の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記非導電性粒子がプラスチック微粒子
    である請求項2記載の電鋳金型の製造方法。
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