JP2019006067A - 成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品の意匠性を高めることが可能な耐傷つき性に優れた成形型を提供する。【解決手段】成形型20は、平均突起径が0.1μm〜2.0μmの微細凹凸31を有するようにして形成されためっき層である微細凹凸層30と、微細凹凸31を有する面を被覆するようにして形成されためっき層であり、微細凹凸層30の層厚より小さい層厚を有するとともに微細凹凸層30より硬質な被覆層40と、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、成形型に関する。
従来、下記特許文献1のような成形型が知られている。特許文献1に記載の成形型は、めっき処理によって生じためっき結晶核が粗大化して微細凹凸が形成される成形面を有すると記載されている。そして、この成形型を用いて、樹脂成型品を成形することにより、樹脂成型品の質感(艶消し感)を向上することができると記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、微細凹凸の微細さの程度が開示も示唆もされておらず、どのような凹凸によれば、成形品の意匠性を向上することができるのか不明である。
本願発明者等は、鋭意研究した結果、成形品の意匠性を高めることが可能な微細凹凸の性状を新たに見出だした。一方、本願発明者等は、そのような成形型においては、微細凹凸を有することに起因して、メンテナンス等により成形面に傷がつき易いという別の問題があることを確認するに至った。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、成形品の意匠性を高めることが可能な耐傷つき性に優れた成形型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の成形型は、平均突起径が0.1μm〜2.0μmの微細凹凸を有するようにして形成されためっき層である微細凹凸層と、前記微細凹凸を有する面を被覆するようにして形成されためっき層であり、前記微細凹凸層の層厚より小さい層厚を有するとともに前記微細凹凸層より硬質な被覆層と、を備える。
本発明によれば、微細凹凸層の層厚より小さい層厚の被覆層によって、微細凹凸を有する面を被覆するから、成形面を微細凹凸層の微細凹凸に倣う微細凹凸形状を有する面とすることができる。このため、そのような微細凹凸形状を備えない成形型で成形された成形品に比べて、成形品の意匠面の意匠性を高めることができる。さらに、被覆層は微細凹凸層より硬質なものとされるから、成形面の微細凹凸形状に傷がつく事態の発生を抑制することができる。
上記構成において、前記被覆層は、0.1μm以上10μm以下の層厚を有するものであってもよい。このような構成によれば、好適に、被覆層の表面を微細凹凸層の微細凹凸に倣う微細凹凸を有する面とすることができ、好適に、成形品の意匠性を高めることができる。
上記構成において、前記微細凹凸層は、記被覆層の層厚より大きくかつ5μm以上20μm以下の層厚を有するものであってもよい。このような構成によれば、微細凹凸を好適に形成し、成形品の意匠性を高めることができる。
上記構成において、前記被覆層は、300より大きいビッカース硬さを有するものであってもよい。このような構成によれば、好適に、成形面の微細凹凸に傷がつく事態の発生を抑制することができる。
上記構成において、金型母材の成形面を被覆するようにして形成されためっき層であり、前記金型母材と前記微細凹凸層との間に配された下地層を更に備えてもよい。このような構成によれば、仮に微細凹凸層にピットやピンホールのような孔が形成された場合であっても、成形面に金型母材が露出することがなく、そのような箇所において金型母材に錆が生じる事態の発生を抑制することができる。
上記構成において、成形品の表面にシボを形成するための凹凸を有する金型母材を更に備え、前記微細凹凸層は、前記微細凹凸が前記金型母材の前記凹凸より微細なものとされていてもよい。このような構成によれば、シボの凹凸と微細凹凸とにより、成形品の意匠面を複雑な形状とすることができ、より一層好適に成形品の明度及び光沢値を低くすることができる。
本発明によれば、成形品の意匠性を高めることが可能な耐傷つき性に優れた成形型を提供することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図11によって説明する。本実施形態では、車両用内装材50(成形品)を製造するための成形装置10(図1参照)を例示する。車両用内装材50は、例えば、合成樹脂(例えばポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂)製とされ、黒色を呈するものとされる。車両用内装材50としては、例えば、車両用ドアトリムを構成するトリムボード(アッパートリムやロアトリムなど)を挙げることができる。
本発明の実施形態1を図1から図11によって説明する。本実施形態では、車両用内装材50(成形品)を製造するための成形装置10(図1参照)を例示する。車両用内装材50は、例えば、合成樹脂(例えばポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂)製とされ、黒色を呈するものとされる。車両用内装材50としては、例えば、車両用ドアトリムを構成するトリムボード(アッパートリムやロアトリムなど)を挙げることができる。
成形装置10は、図1に示すように、開閉可能に設けられた一対の成形型11,20と、射出装置15と、を備えている。成形型11は、車両用内装材50の裏面を成形するための成形面11Aを有しており、成形型20は、車両用内装材50の意匠面51(表面)を成形するための成形面20Aを有する。一対の成形型11,20を閉じた状態では、成形面20A及びこれと対向配置される成形面11Aとの間に、車両用内装材50の形状に倣う成形空間S1が形成される。また、成形型11の内部にはランナー12が設けられており、ランナー12を介して、射出装置15から射出された溶融樹脂が成形空間S1に供給される構成となっている。
成形型20は、図4に示すように、金型母材21と、金型母材21に積層された微細凹凸層30と、微細凹凸層30に積層された被覆層40と、を備えている。金型母材21は、例えば、鉄を主成分とし、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄などを含む鋼材を切削することで、成形面が車両用内装材50の外形に倣う形状となっている。微細凹凸層30と被覆層40は、金型母材21の成形面に積層された2層のめっき層である。
金型母材21は、図3に示すように、車両用内装材50の意匠面51にシボを形成するための凹凸23を有する。詳細には、金型母材21の成形面には、図2に示すように、形成方法の異なる3種類の凹凸23,24,25が形成されている。凹凸23は、例えば、化学エッチングによって形成される(図3参照)。凹凸24は、例えば、凹凸23よりも細かいものとされ、サンドブラスト加工によって形成される(図3及び図4参照)。凹凸25は、例えば、凹凸24よりも細かいものとされ、電解エッチングによって形成される(図4参照)。凹凸25としては、凹部の径D1が、例えば、10μm以上とすることができる。なお、上述した凹凸23,24,25の細かさは、一例であり、これに限定されるものではない。
微細凹凸層30は、クロムめっきからなり、後述する第2めっき工程により形成されている。なお、図4においては、微細凹凸31を模式的に描いているが、微細凹凸31は図9の比較例1の試験片の表面写真にみられるような複雑な凹凸形状をなしている。
微細凹凸層30は、平均突起径が0.1μm〜2.0μmの微細凹凸31を有するようにして形成されためっき層である。「平均突起径」は、レーザー顕微鏡を用いて、被覆層40を形成する前のめっき層の表面を9000倍で観察し、約100個の突起の径の平均値を算出したものである。図5において、微細凹凸31の一の突起の径D2を模式的に表す。本願発明者等は、鋭意研究した結果、微細凹凸31の平均突起径と車両用内装材50の意匠性と間に相関があり、このような微細凹凸31を有する微細凹凸層30を備える成形型30によれば、車両用内装材50の意匠性を向上する効果が得られるという知見を得た。この微細凹凸31は、金型母材21のシボを形成するための凹凸23より微細なものとされている。本実施形態では、微細凹凸31は、さらに金型母材21の凹凸24,25より微細なものとされている。
微細凹凸層30は、微細凹凸31を有する面の算術平均粗さRaが0.2μm以上1.0μm以下の範囲内になるように形成されている。なお、「微細凹凸31を有する面の算術平均粗さRa」の測定は、凹凸23,24,25の影響を避けるために、後述するような試験片を用いて行う。算術平均粗さRaが0.2μm以上であれば、例えば、比較例2の試験片に形成された被覆層40に相当するめっき層(いわゆる光沢めっき)より、表面が粗いものとすることができ、好ましい。また、算術平均粗さRaが1.0μm以下であれば、例えば、化学エッチングによって形成され得る凹凸23や、サンドブラスト工程により形成され得る凹凸24より微細な凹凸を有するものとすることができ、好ましい。
微細凹凸層30は、図5に示すように、5μm以上20μm以下の層厚T2を有する。本願発明者等は、鋭意研究した結果、このような層厚によれば、めっき層に好適に微細凹凸31が形成され得ることを見出した。さらに、微細凹凸層30の層厚は、微細凹凸31を形成するうえで、10μm以上20μm以下が好ましく、15μm程度が特に好ましい。
被覆層40は、クロムめっきからなり、後述する第3めっき工程により形成されている。なお、被覆層40はクロムめっきからなるものに限定されないが、微細凹凸層30と同じ金属めっきとされることが、成形型20を製造するうえで好ましい。
被覆層40は、図5に示すように、微細凹凸層30の微細凹凸31を有する面を被覆するようにして形成されためっき層である。被覆層40は、いわゆる光沢めっきと呼ばれるような、ほぼ一定の層厚の平滑性に優れためっき層とされる。
被覆層40は、図5に示すように、微細凹凸層30の層厚T2より小さい層厚T3を有する。具体的には、被覆層40は、0.1μm以上10μm以下の層厚を有する。本願発明者等は、鋭意研究した結果、このような層厚によれば、好適に被覆層40の表面(微細凹凸層30とは反対側の面)に微細凹凸31に倣う凹凸形状が形成され得ることを見出した。さらに、被覆層40の層厚は、成形型20の耐傷つき性の観点から0.6μm以上が好ましく、また、表面を微細凹凸31に倣う形状とする観点から5μm以下が好ましく、特に5μm程度が好ましい。
被覆層40は、微細凹凸層30より硬質なものとされている。具体的には、被覆層40は、300より大きいビッカース硬さ(Hv)を有する。本実施形態では、金型母材21がHv170、微細凹凸層30がHv300、被覆層40がHv800の硬さを有している。なお、硬度の測定方法については後述する。
車両用内装材50の意匠面51は、図6に示すように、成形面20Aの凹凸形状が転写された凹凸形状をなしている。なお、図6に示す凹凸52は、被覆層40表面の凹凸形状が転写されたものであり、凹凸52より粗い凹凸53は、成形面20Aの凹凸25の形状が転写されたものである。そして、これらの凹凸52,53は、意匠面51の成形面20Aの凹凸23が転写されたシボの凸部表面や凹部内面に形成されている。
次に、成形型20の製造方法について説明する。成形型20の製造方法は、図2に示すように、凹凸23を形成するシボ模様形成工程と、凹凸24を形成するサンドブラスト工程と、凹凸25を形成するエッチング工程と、微細凹凸層30を形成する第2めっき工程と、被覆層40を形成する第3めっき工程と、を備える。なお、本実施形態の製造方法は、実施形態2における後述する下地層45を形成する第1めっき工程を備えていない。
(シボ模様形成工程)
シボ模様形成工程では、エッチング処理によって凹凸23を形成する。エッチング処理は、金型母材21を構成する金属を腐食させる酸性の溶液(例えば硝酸など)と、この溶液を遮断する耐酸性のインクと、を使用して行う。まず、金型母材21を洗浄した後、成形面以外の面をテープ等でマスキングする。続いて、耐酸性のインクによって金型母材21の成形面にシボ模様を転写する。その後、酸性の溶液を使って成形面を腐食させる。そうすると、耐酸性のインクに覆われたところは腐食されずに残り、覆われていない部分が腐食されることで凹部となる。この結果、金型母材21の成形面に凹凸23が形成される(図3参照)。
シボ模様形成工程では、エッチング処理によって凹凸23を形成する。エッチング処理は、金型母材21を構成する金属を腐食させる酸性の溶液(例えば硝酸など)と、この溶液を遮断する耐酸性のインクと、を使用して行う。まず、金型母材21を洗浄した後、成形面以外の面をテープ等でマスキングする。続いて、耐酸性のインクによって金型母材21の成形面にシボ模様を転写する。その後、酸性の溶液を使って成形面を腐食させる。そうすると、耐酸性のインクに覆われたところは腐食されずに残り、覆われていない部分が腐食されることで凹部となる。この結果、金型母材21の成形面に凹凸23が形成される(図3参照)。
(サンドブラスト工程)
シボ模様形成工程の後に行われるサンドブラスト工程では、金型母材21の成形面に対してサンドブラスト加工を行うことで凹凸24を形成する。具体的には、コンプレッサー等によって生成された圧縮空気を用いて、ノズルから研磨剤を成形面に吹き付ける。これにより、研磨剤によって成形面が削られることで、凹凸24(図3参照)が形成される。ここで、研磨剤としては、例えば、その粒度が80〜150番手であるものを用いる。このようにすれば、これよりも大きい番手(例えば、150〜250番手)の研磨剤を用いる場合と比べて、研磨剤の粒径が大きくなるから、成形面に対する衝撃力が大きくなり、凹凸24をより形成し易い。
シボ模様形成工程の後に行われるサンドブラスト工程では、金型母材21の成形面に対してサンドブラスト加工を行うことで凹凸24を形成する。具体的には、コンプレッサー等によって生成された圧縮空気を用いて、ノズルから研磨剤を成形面に吹き付ける。これにより、研磨剤によって成形面が削られることで、凹凸24(図3参照)が形成される。ここで、研磨剤としては、例えば、その粒度が80〜150番手であるものを用いる。このようにすれば、これよりも大きい番手(例えば、150〜250番手)の研磨剤を用いる場合と比べて、研磨剤の粒径が大きくなるから、成形面に対する衝撃力が大きくなり、凹凸24をより形成し易い。
(エッチング工程)
サンドブラスト工程の後に行われるエッチング工程では、後述する第2めっき工程と同様のめっき浴に金型母材21を浸し、電源に接続する。そして、金型母材21を陽極とし、めっき浴に配された電極を負極とすることで、金型母材21に対して電解エッチングを行う。これにより、成形型20に含まれる鉄成分が溶融し、金型母材21の成形面に凹凸25が形成される(図4参照)。なお、電解エッチングの条件としては、電流密度15〜20A/dm2、処理時間1分〜20分の範囲で行うことが好ましい。このような条件とすれば、ある程度の大きさ(例えば、10μm以上の孔径、図4のD1)を有する凹部を確実に形成することができる。
サンドブラスト工程の後に行われるエッチング工程では、後述する第2めっき工程と同様のめっき浴に金型母材21を浸し、電源に接続する。そして、金型母材21を陽極とし、めっき浴に配された電極を負極とすることで、金型母材21に対して電解エッチングを行う。これにより、成形型20に含まれる鉄成分が溶融し、金型母材21の成形面に凹凸25が形成される(図4参照)。なお、電解エッチングの条件としては、電流密度15〜20A/dm2、処理時間1分〜20分の範囲で行うことが好ましい。このような条件とすれば、ある程度の大きさ(例えば、10μm以上の孔径、図4のD1)を有する凹部を確実に形成することができる。
(第2めっき工程)
電解エッチング工程の後に行われる第2めっき工程では、図7に示すように、クロム酸と硫酸を主成分とするめっき浴(クロムめっき浴、サージェント浴)に金型母材21を浸し、電源63に接続する。そして、金型母材21を負極とし、電極62を正極とすることで、金型母材21に対して電気めっきを行う。これにより、めっき浴61中のクロムイオンが還元され、金型母材21の成形面にめっき層として析出する。ここでは、微細凹凸31が形成されるとともに、このめっき層の厚さが上述した微細凹凸層30の厚さとなるような条件でめっき処理を行う。
電解エッチング工程の後に行われる第2めっき工程では、図7に示すように、クロム酸と硫酸を主成分とするめっき浴(クロムめっき浴、サージェント浴)に金型母材21を浸し、電源63に接続する。そして、金型母材21を負極とし、電極62を正極とすることで、金型母材21に対して電気めっきを行う。これにより、めっき浴61中のクロムイオンが還元され、金型母材21の成形面にめっき層として析出する。ここでは、微細凹凸31が形成されるとともに、このめっき層の厚さが上述した微細凹凸層30の厚さとなるような条件でめっき処理を行う。
(第3めっき工程)
第2めっき工程の後に行われる第3めっき工程では、第2めっき工程と同様の装置により電気めっきを行う。第3めっき工程では、例えば、第2めっき工程より、低い電流密度、高い浴温で、短時間処理をする。これにより、めっき浴61中のクロムイオンが還元され、金型母材21の成形面に微細凹凸層30を構成するめっき層とは性状が異なるめっき層として析出する。なお、第3めっき工程は、これに限定されるものではないが、第2めっき工程と同じ装置を用いて行うことが、成形型20の製造方法を効率化するうえで好ましい。
第2めっき工程の後に行われる第3めっき工程では、第2めっき工程と同様の装置により電気めっきを行う。第3めっき工程では、例えば、第2めっき工程より、低い電流密度、高い浴温で、短時間処理をする。これにより、めっき浴61中のクロムイオンが還元され、金型母材21の成形面に微細凹凸層30を構成するめっき層とは性状が異なるめっき層として析出する。なお、第3めっき工程は、これに限定されるものではないが、第2めっき工程と同じ装置を用いて行うことが、成形型20の製造方法を効率化するうえで好ましい。
次に、成形装置10による車両用内装材50の製造方法について説明する。まず、図1に示すように、一対の成形型11,20を閉じた状態とする。これにより、成形面20Aと成形面11Aの間に、車両用内装材50の形状に倣う成形空間S1が形成される。次に、ランナー12を通じて、成形空間S1に対して射出装置15から黒色の溶融樹脂を射出する。その後、成形空間S1に充填された溶融樹脂が冷却されることで、車両用内装材50が成形される(成形工程)。その後、一対の成形型11,20を開き、車両用内装材50を脱型する。これにより、車両用内装材50の製造が完了する。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、微細凹凸層30の層厚より小さい層厚の被覆層40によって、微細凹凸31を有する面を被覆するから、成形面20A(被覆層40の表面)を微細凹凸層30の微細凹凸31に倣う微細凹凸形状を有する面とすることができる。このため、そのような微細凹凸形状を備えない成形型で成形された車両用内装材に比べて、車両用内装材50の意匠面51の意匠性を高めることができる。具体的には、本実施形態の成形型20で成形された車両用内装材50の意匠面51は、そのような微細凹凸形状を備えない成形型で成形された成形品に比べて、光が散乱し易い表面となる。これにより、車両用内装材50の意匠面51の光反射率が低くなり、意匠面51の明度及び光沢値を低くすることができる。したがって、より黒味が強い(低グロス・漆黒調の)車両用内装材50を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、被覆層40は微細凹凸層30より硬質なものとされるから、成形面20Aの微細凹凸形状に傷がつく事態の発生を抑制することができる。具体的には、微細凹凸層30は、ウェスやブラシをかけると、微細凹凸31の突起の先端がつぶれるようにして塑性変形し、ウェスやブラシの移動方向に沿って線状の傷ができ易い。また、本願発明者等が鋭意研究した結果、微細凹凸31を有する微細凹凸層30の形成条件では、被覆層40の形成条件に比べて、析出速度が速く、めっき効率が高くなることがわかった。クロムめっきは、表面に含有する水素量が多い程、硬度が高くなることが知られている。微細凹凸層30は、めっき効率の高さに起因して、界面での水素発生が抑制され、被覆層40に比べて表面の水素量が少なくなり、硬度が低くなるものと推察される。一方、本実施形態では、微細凹凸31の表面が、微細凹凸層30より硬質な被覆層40により覆われるから、被覆層40を備えない構成に比べて、微細凹凸31の突起の先端が塑性変形し難いものとすることができる。
つまり、本実施形態によれば、成形型に微細凹凸31を設けて、成形品の意匠性を向上する技術において、相反する課題である耐傷つき性という問題を、2種類の性状の異なるめっき層を設けることで、両立して解決することができる。
さらに、本実施形態では、成形型20が微細凹凸層30及び被覆層40を備えるから、車両用内装材50に白モヤ等の不良が生じることを抑制することができる。白モヤは、射出成形型内で溶融樹脂が固化する過程における樹脂収縮により発生する。本実施形態では、シボを形成するための凹凸23は、エッチング処理により形成されており、腐食過程で凹凸23の細部でアンダー形状や垂直に近い形状となる部位が生じることがある。このような部位で樹脂収縮が起きるとカジル現象となり樹脂製品の表面に傷が生じることがある。そのような傷が成形品において、白モヤとして視認され得る。一方、本実施形態では、凹凸23の細部でアンダー形状や垂直に近い形状となる部位を2層のめっき層で平滑化することができ、樹脂収縮の際、意匠面51に傷をつけることなく(滑る状態で)車両用内装材50を成形することができる。
また、本実施形態では、被覆層40は、0.1μm以上10μm以下の層厚を有する。このため、好適に、被覆層40の表面を微細凹凸層30の微細凹凸31に倣う微細凹凸31を有する面とすることができ、好適に、車両用内装材50の意匠性を高めることができる。
また、本実施形態では、微細凹凸層30は、被覆層40の層厚より大きくかつ5μm以上20μm以下の層厚を有する。このため、微細凹凸を好適に形成し、車両用内装材50の意匠性を高めることができる。
また、本実施形態では、被覆層40は、300より大きいビッカース硬さを有する。このため、好適に、成形面20Aの微細凹凸31に傷がつく事態の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、微細凹凸層30の微細凹凸31が金型母材21の凹凸23より微細なものとされている。このため、凹凸23と微細凹凸31とで、ドアトリム20の意匠面を複雑な形状とすることができ、より一層好適にドアトリム20の明度及び光沢値を低くすることができる。
また、本実施形態では、微細凹凸層30及び被覆層40はクロムによって構成されている。クロムは、鉄と比べて熱伝導率が高いため、成形面20Aが局所的に冷える事態を抑制することができ、車両用内装材50の成形不良(ウェルドや艶ムラなど)を低減することができる。また、クロムは、成形型20の主成分である鉄と比べて、硬度が高く、耐摩耗性に優れることから、成形面20Aに形成するめっき層として好適である。
<実施例>
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
まず、次のようにして実施例1の試験片を準備した。実施例1の試験片は、金型母材21と同様の材質を有する平板の一の面に、第2めっき工程により微細凹凸層30に相当するめっき層を形成し、第3めっき工程により被覆層40に相当するめっき層を形成したものである。試験片に用いる平板は一の面が平坦なものを用いた。第2めっき工程は、電流密度30A/dm2、浴温30℃の条件で行った。第3めっき工程は、電流密度20A/dm2、浴温50℃の条件で行った。
次に、実施例1の成形品を準備した。まず、凹凸23,24,25を有する金型母材21に、上述した条件と同様の条件で第2めっき工程及び第3めっき工程を行い、成形型20を形成した。そして、成形型20を用いて、黒色の成形品を成形した。
比較例1は、第3めっき工程を行わない他は、実施例1と同様にして試験片及び成形品を準備した。比較例3は、第2めっき工程を行わない他は、実施例1と同様にして試験片及び成形品を準備した。
実施例及び比較例の試験片の表面をレーザー顕微鏡を用いて1000倍で観察した。実施例1の写真を図8に、比較例1の写真を図9に、比較例2の写真を図10にそれぞれ示す。なお、比較例1に示される、微細凹凸層30に相当するめっき層の微細凹凸の平均突起径は、0.5μmであった。
また、実施例1、比較例1、比較例2の試験片について、次のようにして表面粗さ及び硬さを測定するとともに、ふき取り試験を行った。結果を図11の表に示す。
算術平均粗さRa及び最大高さRy:JIS B 0601−1994に準拠して測定した。
めっき層の硬さ(HV):JIS Z 2244−2009に準拠して測定した。なお、実施例1においては、微細凹凸層と被覆層の各層の硬さをそれぞれ算出するために、比較例1のめっき層の硬さを微細凹凸層の硬さとし、比較例2のめっき層の硬さを被覆層の硬さとした。
傷つき性:ウェスで試験片の表面を5回ふき取った後、傷の有無を目視にて評価するふき取り試験を行った。図11の表では、ふき取り試験の結果、「傷なし」を記号「〇」で示し、「傷あり」を記号「×」で示した。
算術平均粗さRa及び最大高さRy:JIS B 0601−1994に準拠して測定した。
めっき層の硬さ(HV):JIS Z 2244−2009に準拠して測定した。なお、実施例1においては、微細凹凸層と被覆層の各層の硬さをそれぞれ算出するために、比較例1のめっき層の硬さを微細凹凸層の硬さとし、比較例2のめっき層の硬さを被覆層の硬さとした。
傷つき性:ウェスで試験片の表面を5回ふき取った後、傷の有無を目視にて評価するふき取り試験を行った。図11の表では、ふき取り試験の結果、「傷なし」を記号「〇」で示し、「傷あり」を記号「×」で示した。
また、実施例1、比較例1、比較例2の成形品について、次のようにして明度及び光沢度を測定するとともに、意匠性の評価をした。結果を図11の表に示す。
明度(L*):分光測色計(CM−700d、コニカミノルタ社製)によって、明度(L*a*b*表色系における明度)を測定した。
光沢度:光沢計(オールインワン光沢計IQ、RHOPOINT INSTRUMENTS社製)によって、60度光沢値を測定した。
意匠性:成形品の意匠面を、低グロス・漆黒性の観点で目視にて評価した。図11の表では、意匠性が良好なものを記号「〇」で示し、意匠性が不良なものを記号「×」で示した。
明度(L*):分光測色計(CM−700d、コニカミノルタ社製)によって、明度(L*a*b*表色系における明度)を測定した。
光沢度:光沢計(オールインワン光沢計IQ、RHOPOINT INSTRUMENTS社製)によって、60度光沢値を測定した。
意匠性:成形品の意匠面を、低グロス・漆黒性の観点で目視にて評価した。図11の表では、意匠性が良好なものを記号「〇」で示し、意匠性が不良なものを記号「×」で示した。
顕微鏡観察の結果、比較例1では、図11に示されるように、めっき層の表面にしもふり状の微細凹凸が形成されている様子が確認された。比較例2では、図11に示されるように、めっき層の表面が鏡面状で微細凹凸が形成されていない様子が確認された。つまり、第3めっき工程では、いわゆる光沢めっきが形成されることがわかった。実施例1では、図11に示されるように、比較例1より突起の径が大きい、つまりやや目の粗い微細凹凸が形成されている様子が確認された。
図11の表に示されるように、実施例1及び比較例1の試験片は、比較例2の試験片より算術平均粗さRa及び最大高さRyが大きく、表面が粗いことがわかった。また、実施例1の試験片は、表面に露出するめっき層の硬さ、つまり被覆層に相当する層の硬さ(Hv800)が比較例1の表面に露出するめっき層の硬さ、つまり微細凹凸層に相当する層の硬さ(Hv300)より大きく、硬度が高いことが確認できた。また、実施例1の試験片はふき取り試験により傷ができなかったが、比較例1の試験片はふき取り試験により傷ができた。この結果、実施例1の試験片の方が比較例1の試験片より耐傷つき性に優れることがわかった。
図11の表に示されるように、実施例1の成形品は、比較例1の成形品より明度及び光沢度がやや高いものの、比較例2の成形品より明度が低かった。さらに、実施例1の成形品は、低グロス・漆黒性の観点において、意匠性が良好であった。
<実施形態2>
次いで、本発明の実施形態2を、図12及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態では、上記実施形態1とは下地層45を備える点において相違する成形型120について例示する。なお、上記した実施形態と同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
次いで、本発明の実施形態2を、図12及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態では、上記実施形態1とは下地層45を備える点において相違する成形型120について例示する。なお、上記した実施形態と同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
成形型120は、図13に示すように、金型母材21と、金型母材21に積層された下地層45と、下地層45に積層された微細凹凸層30と、微細凹凸層30に積層された被覆層40と、を備えている。下地層45、微細凹凸層30、被覆層40は、金型母材21の成形面21Aに積層された3層のめっき層からなる。
下地層45は、図13に示すように、金型母材21の成形面21Aを被覆するようにして形成されためっき層であり、金型母材21と微細凹凸層30との間に配される。下地層45はいわゆる光沢めっきと呼ばれるような、ほぼ一定の層厚の平滑性に優れためっき層とされ、金型母材21の凹凸23,24,25に倣う形で積層されている。本実施形態では、下地層45がクロムめっきからなり、後述する第1めっき工程により形成されたものを例示する。なお、下地層45はクロムめっきからなるものに限定されないが、微細凹凸層30と同じ金属めっきとされることが、成形型120を製造するうえで好ましい。下地層45は、金型母材21の防錆性の観点から、ニッケルめっき、ニッケル−リンめっき、又はニッケル−タングステンめっきとされてもよい。
下地層45は、5μm以上20μm以下の層厚を有する。本願発明者等は、鋭意研究した結果、このような層厚によれば、下地層45から金型母材21の表面が露出することがなく、また、下地層45表面の平滑性を確保可能であることを見出した。さらに、下地層45の層厚は、金型母材21の表面が露出しないという点において8μm以上が好ましく、その表面を金型母材21の凹凸23に倣う形状とする観点から15μm以下が好ましく、特に12μm程度が好ましい。
次に、成形型120の製造方法について説明する。成形型120の製造方法は、図12に示すように、凹凸23を形成するシボ模様形成工程と、凹凸24を形成するサンドブラスト工程と、凹凸25を形成するエッチング工程と、下地層45を形成する第1めっき工程と、微細凹凸層30を形成する第2めっき工程と、被覆層40を形成する第3めっき工程と、を備える。なお、シボ模様形成工程、サンドブラスト工程、エッチング工程、第2めっき工程、及び第3めっき工程は、実施形態1と同様とされており、説明を省略する。
(第1めっき工程)
電解エッチング工程の後であって、第2めっき工程に先立って行われる第1めっき工程では、第2めっき工程と同様の装置により電気めっきを行う。また、第1めっき工程では、例えば、第3めっき工程と同様の電流密度、及び浴温で、第3めっき工程より長時間処理をする。これにより、めっき浴61中のクロムイオンが還元され、金型母材21の成形面21Aに、被覆層40と同じような性状であって、これより大きい層厚を有するめっき層として析出する。なお、第1めっき工程は、これに限定されるものではないが、第2めっき工程と同じ装置を用いて行うことが、成形型120の製造方法を効率化するうえで好ましい。
電解エッチング工程の後であって、第2めっき工程に先立って行われる第1めっき工程では、第2めっき工程と同様の装置により電気めっきを行う。また、第1めっき工程では、例えば、第3めっき工程と同様の電流密度、及び浴温で、第3めっき工程より長時間処理をする。これにより、めっき浴61中のクロムイオンが還元され、金型母材21の成形面21Aに、被覆層40と同じような性状であって、これより大きい層厚を有するめっき層として析出する。なお、第1めっき工程は、これに限定されるものではないが、第2めっき工程と同じ装置を用いて行うことが、成形型120の製造方法を効率化するうえで好ましい。
本実施形態では、成形型120が下地層45を更に備えるから、仮に微細凹凸層30にピットやピンホールのような孔が形成された場合であっても、成形面20Aに金型母材21が露出することがなく、そのような箇所において金型母材21に錆が生じる事態の発生を抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、成形型として射出成形型を例示したが、これに限定されない。成形型は、成形面の形状が成形品の表面に転写される成形方法に用いるものであればよく、プレス成形に用いるプレス成形型や真空成形に用いる真空成形型などを例示することができる。
(2)上記実施形態では、めっき層がクロムであるものを例示したが、これに限定されない。例えば、めっき層がクロム以外の金属(ニッケルや銅など)によって構成されていてもよい。
(3)上記実施形態では、成形品として車両用内装材を例示したが、成形品はこれに限られない。また、車両用内装材として、アッパートリムやロアトリムを例示したが、これに限定されない。車両用内装材は、車両に設けられると共に意匠面を有する部材であればよく、例えば、合成樹脂製(例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーなど)の表皮材や、インストルメントパネル、アシストグリップなどを例示することができる。また、車両用内装材が複数の層から構成されているものであってもよい。
(4)上記実施形態では、車両用内装材として黒色を呈するものを例示したが、車両用内装材の色は黒色に限定されない。黒色以外の色を呈する車両用内装材に適用した場合であっても、その明度及び光沢度を下げることができる。
(5)上記実施形態においては、成形面20Aに凹凸23,24,25が形成されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、3種類の凹凸23,24,25のうち、凹凸23のみが形成されていてもよく、凹凸23と他の凹凸が形成されていてもよい。また、凹凸23の形成方法も適宜変更可能である。
(6)めっき浴の構成は上述したものに限定されない。例えば、めっき浴としては、クロム酸、硫酸、及びケイフッ酸を主成分とするケイフッ酸浴などを用いてもよい。
(7)上記実施形態では、車両用内装材を例示したが、車両用に限定されない。車両以外の乗物に搭載される内装材に適用することが可能である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、成形型として射出成形型を例示したが、これに限定されない。成形型は、成形面の形状が成形品の表面に転写される成形方法に用いるものであればよく、プレス成形に用いるプレス成形型や真空成形に用いる真空成形型などを例示することができる。
(2)上記実施形態では、めっき層がクロムであるものを例示したが、これに限定されない。例えば、めっき層がクロム以外の金属(ニッケルや銅など)によって構成されていてもよい。
(3)上記実施形態では、成形品として車両用内装材を例示したが、成形品はこれに限られない。また、車両用内装材として、アッパートリムやロアトリムを例示したが、これに限定されない。車両用内装材は、車両に設けられると共に意匠面を有する部材であればよく、例えば、合成樹脂製(例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーなど)の表皮材や、インストルメントパネル、アシストグリップなどを例示することができる。また、車両用内装材が複数の層から構成されているものであってもよい。
(4)上記実施形態では、車両用内装材として黒色を呈するものを例示したが、車両用内装材の色は黒色に限定されない。黒色以外の色を呈する車両用内装材に適用した場合であっても、その明度及び光沢度を下げることができる。
(5)上記実施形態においては、成形面20Aに凹凸23,24,25が形成されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、3種類の凹凸23,24,25のうち、凹凸23のみが形成されていてもよく、凹凸23と他の凹凸が形成されていてもよい。また、凹凸23の形成方法も適宜変更可能である。
(6)めっき浴の構成は上述したものに限定されない。例えば、めっき浴としては、クロム酸、硫酸、及びケイフッ酸を主成分とするケイフッ酸浴などを用いてもよい。
(7)上記実施形態では、車両用内装材を例示したが、車両用に限定されない。車両以外の乗物に搭載される内装材に適用することが可能である。
(8)上記した実施形態のエッチング工程において、電解エッチングに替えて、化学エッチングを行ってもよい。例えば、化学エッチングとしては、エッチング液として、例えば、アルカリ溶液(水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなど)を用いることで、成形型に含まれる鉄成分を溶融させることができる。また、この時のエッチング時間は、例えば0.5〜24時間の範囲で設定することが好ましい。また、エッチング液としては、アルカリ溶液に限定されず、酸性溶液(硝酸など)を用いてもよい。
20,120…成形型、21…金型母材、21A…成形面(金型母材の成形面)、23…凹凸、30…微細凹凸層、31…微細凹凸、40…被覆層、45…下地層、50…車両用内装材(成形品)、51…意匠面(成形品の表面)
Claims (6)
- 平均突起径が0.1μm〜2.0μmの微細凹凸を有するようにして形成されためっき層である微細凹凸層と、
前記微細凹凸を有する面を被覆するようにして形成されためっき層であり、前記微細凹凸層の層厚より小さい層厚を有するとともに前記微細凹凸層より硬質な被覆層と、を備える成形型。 - 前記被覆層は、0.1μm以上10μm以下の層厚を有する請求項1に記載の成形型。
- 前記微細凹凸層は、前記被覆層の層厚より大きくかつ5μm以上20μm以下の層厚を有する請求項1又は請求項2に記載の成形型。
- 前記被覆層は、300より大きいビッカース硬さを有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形型。
- 金型母材の成形面を被覆するようにして形成されためっき層であり、前記金型母材と前記微細凹凸層との間に配された下地層を更に備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成形型。
- 成形品の表面にシボを形成するための凹凸を有する金型母材を更に備え、
前記微細凹凸層は、前記微細凹凸が前記金型母材の前記凹凸より微細なものとされる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形型。
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