JP7079751B2 - タッチパネル、センサ本体及び表示装置 - Google Patents
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これらの導電性フィルムは、透明基体上に格子パターンを形成するようにしており、特許文献1では格子パターンの交差部に隣接してモアレ抑止部を形成し、特許文献2では格子パターンを有する電磁波シールドフィルムと、モアレ抑止部を配置したモアレ抑止フィルムとを貼付することにより、モアレの発生を抑制するようにしている。
[2] 本発明の第2の態様は、第1導電部と、前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、前記第1導電部は、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、前記第2導電部は、複数のひし形の格子が組み合わされて構成され、前記第1導電部及び前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、前記メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°であり、前記メッシュパターンは、多数の小格子が均一に敷き詰められた形態になる。
[3] 本発明の第3の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様と表示パネルとを備える。
[4] 本発明の第4の態様は、第1導電部と、前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、前記第1導電部は、第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による第1導電パターンを含み、前記第2導電部は、前記第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に2つ以上配列された金属細線による第2導電パターンを含み、前記第1導電パターンは、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、前記第2導電パターンは、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、前記第1導電部と前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、前記メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°である。
[5] 本発明の第5の態様は、第1導電部と、前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、前記第1導電部は、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、前記第2導電部は、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、前記第1導電部及び前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、当該メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°であり、前記メッシュパターンは、多数の小格子が均一に敷き詰められた形態になる。
[6] 本発明の第6の態様は、前記第4の態様又は前記第5の態様と表示パネルとを備える。
[7] 本発明の第7の態様は、基体と、前記基体の一方の主面に形成された導電部と、を有し、前記導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による導電パターンを有し、前記導電パターンは、2以上の格子が組み合わされて構成され、各前記格子は、それぞれひし形状を有し、各前記格子における少なくとも1つの辺と前記第1方向とのなす角が32°~44°又は46°~58°であり、各前記格子の少なくとも1つの頂角は、前記1つの辺と前記第1方向とのなす角の2倍であり、前記導電パターンと分離されて、前記導電パターンの周辺に配線された金属細線による格子の一部が断線した補助パターンを有する。
[8] 本発明の第8の態様は、前記第7の態様と表示パネルとを備える。
具体的には、導電部14は、第1方向(図1においてx方向)に延び、且つ、第2方向(図1においてy方向)にピッチPsで並ぶ複数の第1金属細線16aと、第2方向に延び、且つ、第1方向にピッチPsで並ぶ複数の第2金属細線16bとがそれぞれ交差して形成されたメッシュパターン20を有する。この場合、第1方向は基準方向(水平方向)に対して+30°以上+60°以下の角度で傾斜し、第2方向は基準方向に対して-30°以上-60°以下の角度で傾斜している。従って、メッシュパターン20の1つのメッシュ形状22、すなわち、1つの開口部18と、該1つの開口部18を囲む4つの金属細線16の組み合わせ形状は、頂角部が60°以上120°以下のひし形状となる。
ここで、ピッチPs(細線ピッチPsとも記す)は、100μm以上400μm以下から選択可能である。また、金属細線16の線幅は、30μm以下から選択可能である。導電性フィルム10を電磁波シールドフィルムとして使用する場合には、金属細線16の線幅は1μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上9μm以下がより好ましく、2μm以上7μm以下がさらに好ましい。導電性フィルム10をタッチパネル用の導電性フィルムとして使用する場合には、金属細線16の線幅は0.1μm以上15μm以下が好ましく、1μm以上9μm以下がより好ましく、2μm以上7μm以下がさらに好ましい。
従って、導電性フィルム10を例えば電磁波シールドフィルムとして使用する場合、導電性フィルム10は表示装置30における表示パネル58上に配置されることになるが、上述したように、画素の配列周期と金属細線16の配列周期とのずれが小さくなり、モアレの発生が抑制される。しかも、メッシュパターン20を構成する金属細線16のピッチPsを、200μm以上400μm以下とし、金属細線16の線幅を、30μm以下としたので、高い電磁波シールド性と高い透光性とを同時に持たせることができる。
先ず、タッチパネル50は、センサ本体52と図示しない制御回路(IC回路等で構成)とを有する。センサ本体52は、図5、図6及び図7Aに示すように、後述する第1導電性フィルム10Aと第2導電性フィルム10Bとを積層して構成された積層導電性フィルム54と、その上に積層された保護層56(図7Aでは保護層56の記述を省略している)とを有する。積層導電性フィルム54及び保護層56は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置30における表示パネル58上に配置されるようになっている。センサ本体52は、上面から見たときに、表示パネル58の表示画面58aに対応した領域に配されたセンサ部60と、表示パネル58の外周部分に対応する領域に配された端子配線部62(いわゆる額縁)とを有する。
各第1導電パターン64Aは、それぞれ2以上の小格子70が組み合わされて構成されている。図6及び図8の例では、各第1導電パターン64Aは、2以上の第1大格子68Aが第3方向に直列に接続されて構成され、各第1大格子68Aは、それぞれ2以上の小格子70が組み合わされて構成されている。また、第1大格子68Aの辺の周囲に、第1大格子68Aと非接続とされた上述の第1補助パターン66Aが形成されている。m方向は、例えば後述する投影型静電容量方式のタッチパネル50(図5参照)の水平方向(又は垂直方向)あるいはタッチパネル50を設置した表示パネル58の水平方向(又は垂直方向)を示す。
小格子70の線幅(金属細線16の線幅)は30μm以下から選択可能である。上述したように、タッチパネル50に使用される場合には、金属細線16の線幅は0.1μm以上15μm以下が好ましく、1μm以上9μm以下がより好ましく、2μm以上7μm以下がさらに好ましい。
小格子70の一辺の長さは100μm以上400μm以下から選択可能である。ここで、小格子70の第1辺70a及び第3辺70c(第1辺70aと対向する辺)に沿った方向は第1方向(x方向)であり、第2辺70b及び第4辺70d(第2辺70bと対向する辺)に沿った方向は第2方向(y方向)である。
また、隣接する第1導電パターン64A間は電気的に絶縁された第1絶縁部78Aが配されている。
ここで、第1補助パターン66Aは、第1大格子68Aの辺のうち、第1方向に沿った辺に沿って配列された複数の第1補助線80A(第2方向を軸線方向とする)と、第1大格子68Aの辺のうち、第2方向に沿った辺に沿って配列された複数の第1補助線80A(第1方向を軸線方向とする)と、第1絶縁部78Aにおいて、それぞれ2つの第1補助線80AがL字状に組み合わされた2つの第1L字状パターン82Aが互いに対向して配置されたパターンとを有する。
すなわち、タッチパネル50に適用した第1導電性フィルム10Aは、図5及び図6に示すように、センサ部60に対応した部分に、上述した多数の第1導電パターン64Aが配列され、端子配線部62には各第1結線部84aから導出された複数の第1端子配線パターン86aが配列されている。
図5の例では、第1導電性フィルム10Aの外形は、上面から見て長方形状を有し、センサ部60の外形も長方形状を有する。端子配線部62のうち、第1導電性フィルム10Aの一方の長辺側の周縁部には、その長さ方向中央部分に、複数の第1端子88aが前記一方の長辺の長さ方向に配列形成されている。また、センサ部60の一方の長辺(第1導電性フィルム10Aの一方の長辺に最も近い長辺:n方向)に沿って複数の第1結線部84aが直線状に配列されている。各第1結線部84aから導出された第1端子配線パターン86aは、第1導電性フィルム10Aの一方の長辺におけるほぼ中央部に向かって引き回され、それぞれ対応する第1端子88aに電気的に接続されている。
各第2導電パターン64Bは、それぞれ2以上の小格子70が組み合わされて構成されている。図6及び図10の例では、第2導電パターン64Bは、2以上の第2大格子68Bが第4方向(n方向)に直列に接続されて構成され、各第2大格子68Bは、それぞれ2以上の小格子70が組み合わされて構成されている。また、第2大格子68Bの辺の周囲に、第2大格子68Bと非接続とされた上述の第2補助パターン66Bが形成されている。
また、隣接する第2導電パターン64B間は電気的に絶縁された第2絶縁部78Bが配されている。
第2補助パターン66Bは、第2大格子68Bの辺のうち、第1方向に沿った辺に沿って配列された複数の第2補助線80B(第2方向を軸線方向とする)と、第2大格子68Bの辺のうち、第2方向に沿った辺に沿って配列された複数の第2補助線80B(第1方向を軸線方向とする)と、第2絶縁部78Bにおいて、それぞれ2つの第2補助線80BがL字状に組み合わされた2つの第2L字状パターン82Bが互いに対向して配置されたパターンとを有する。
すなわち、タッチパネル50に適用した第2導電性フィルム10Bは、図6に示すように、センサ部60に対応した部分に、多数の第2導電パターン64Bが配列され、端子配線部62には各第2結線部84bから導出された複数の第2端子配線パターン86bが配列されている。
複数の第2導電パターン64Bのうち、例えば奇数番目の第2導電パターン64Bが、それぞれ対応する奇数番目の第2結線部84bに接続され、偶数番目の第2導電パターン64Bが、それぞれ対応する偶数番目の第2結線部84bに接続されている。奇数番目の第2結線部84bから導出された第2端子配線パターン86b並びに偶数番目の第2結線部84bから導出された第2端子配線パターン86bは、第2導電性フィルム10Bの一方の長辺におけるほぼ中央部に向かって引き回され、それぞれ対応する第2端子88bに電気的に接続されている。
なお、第1端子配線パターン86aの導出形態を上述した第2端子配線パターン86bと同様にし、第2端子配線パターン86bの導出形態を上述した第1端子配線パターン86aと同様にしてもよい。
第1補助パターン66A(第1補助線80A)及び第2補助パターン66B(第2補助線80B)の線幅はそれぞれ0.1~15μmである。この場合、第1導電パターン64Aの線幅や第2導電パターン64Bの線幅と同じでもよく、異なっていてもよい。ただ、第1導電パターン64A、第2導電パターン64B、第1補助パターン66A及び第2補助パターン66Bの各線幅を同じにすることが好ましい。
積層導電性フィルム54を上面から見たとき、図11に示すように、第1導電性フィルム10Aに形成された第1大格子68Aの隙間を埋めるように、第2導電性フィルム10Bの第2大格子68Bが配列された形態となる。このとき、第1大格子68Aと第2大格子68Bとの間に、第1補助パターン66Aと第2補助パターン66Bとが対向することによる組合せパターン90が形成される。組合せパターン90は、図12に示すように、第1補助線80Aの第1軸線92Aと第2補助線80Bの第2軸線92Bとが一致し、且つ、第1補助線80Aと第2補助線80Bとが重ならず、且つ、第1補助線80Aの一端と第2補助線80Bの一端とが一致し、これにより、小格子70(メッシュ形状)の1つの辺を構成することとなる。つまり、組合せパターン90は、2以上の小格子70(メッシュ形状)が組み合わされた形態となる。その結果、積層導電性フィルム54を上面から見たとき、図11に示すように、多数の小格子70(メッシュ形状)が敷き詰められた形態となる。
タッチ位置の検出方式としては、自己容量方式や相互容量方式を好ましく採用することができる。すなわち、自己容量方式であれば、第1導電パターン64Aに対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給し、第2導電パターン64Bに対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給する。指先が保護層56の上面に接触又は近接させることで、タッチ位置に対向する第1導電パターン64A及び第2導電パターン64BとGND(グランド)間の容量が増加することから、当該第1導電パターン64A及び第2導電パターン64Bからの伝達信号の波形が他の導電パターンからの伝達信号の波形と異なった波形となる。従って、制御回路では、第1導電パターン64A及び第2導電パターン64Bから供給された伝達信号に基づいてタッチ位置を演算する。一方、相互容量方式の場合は、例えば第1導電パターン64Aに対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給し、第2導電パターン64Bに対して順番にセンシング(伝達信号の検出)を行う。指先が保護層56の上面に接触又は近接させることで、タッチ位置に対向する第1導電パターン64Aと第2導電パターン64B間の寄生容量に対して並列に指の浮遊容量が加わることから、当該第2導電パターン64Bからの伝達信号の波形が他の第2導電パターン64Bからの伝達信号の波形と異なった波形となる。従って、制御回路では、電圧信号を供給している第1導電パターン64Aの順番と、供給された第2導電パターン64Bからの伝達信号に基づいてタッチ位置を演算する。このような自己容量方式又は相互容量方式のタッチ位置の検出方法を採用することで、保護層56の上面に同時に2つの指先を接触又は近接させても、各タッチ位置を検出することが可能となる。なお、投影型静電容量方式の検出回路に関する先行技術文献として、米国特許第4,582,955号明細書、米国特許第4,686,332号明細書、米国特許第4,733,222号明細書、米国特許第5,374,787号明細書、米国特許第5,543,588号明細書、米国特許第7,030,860号明細書、米国公開特許2004/0155871号明細書等がある。
図5に示すように、第1導電性フィルム10Aと第2導電性フィルム10Bの例えば各コーナー部に、第1導電性フィルム10Aと第2導電性フィルム10Bの貼り合わせの際に使用する位置決め用の第1アライメントマーク94a及び第2アライメントマーク94bを形成することが好ましい。この第1アライメントマーク94a及び第2アライメントマーク94bは、第1導電性フィルム10Aと第2導電性フィルム10Bを貼り合わせて積層導電性フィルム54とした場合に、新たな複合アライメントマークとなり、この複合アライメントマークは、該積層導電性フィルム54を表示パネル58に設置する際に使用する位置決め用のアライメントマークとしても機能することになる。
また、上述の例では、導電性フィルム10を主に電磁波シールドフィルムとタッチパネル用の積層導電性フィルムに使用した例を示したが、その他、表示装置30の表示パネル58に設置される光学フィルムとしても利用することができる。この場合、表示パネル58全面に対応してメッシュパターンが形成された導電性フィルムとしてもよいし、あるいは表示画面58a全面に対応してメッシュパターン20が形成された導電性フィルム10としてもよいし、表示画面58a内の一部の領域(コーナー部、中央部等)に対応してメッシュパターンが形成された導電性フィルム10としてもよい。
めっき前処理材を用いる方法のさらに好ましい形態としては、次の2通りの形態が挙げられる。なお、下記のより具体的な内容は、特開2003-213437号公報、特開2006-64923号公報、特開2006-58797号公報、特開2006-135271号公報等に開示されている。
(a) 透明基体上に、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を含む被めっき層を塗布し、その後、露光・現像した後にめっき処理して金属部を被めっき材料上に形成させる態様。
(b) 透明基体上に、ポリマー及び金属酸化物を含む下地層と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を含む被めっき層とをこの順に積層し、その後、露光・現像した後にめっき処理して金属部を被めっき材料上に形成させる態様。
あるいは、透明基体12上に金属微粒子を含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行うことによって、メッシュパターン20を形成するようにしてもよい。
あるいは、透明基体12上に、メッシュパターン20をスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
あるいは、透明基体12上に、メッシュパターン20をインクジェットにより形成するようにしてもよい。
本実施の形態に係る導電性フィルム10の製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004-184693号、同2004-334077号、同2005-010752号の各公報、特願2004-244080号、同2004-085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
[透明基体12]
透明基体12としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
透明基体12としては、融点が約290℃以下であるプラスチックフィルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。
導電性フィルム10の金属細線16となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1~30g/m2が好ましく、1~25g/m2がより好ましく、5~20g/m2がさらに好ましい。この塗布銀量を上記範囲とすることで、導電性フィルム10とした場合に所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩乳剤層中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比で1/4以上が好ましく、1/2以上がより好ましい。銀/バインダー体積比は、100/1以下が好ましく、50/1以下がより好ましい。また、銀/バインダー体積比は1/1~4/1であることがさらに好ましい。1/1~3/1であることが最も好ましい。銀塩乳剤層中の銀/バインダー体積比をこの範囲にすることで、塗布銀量を調整した場合でも抵抗値のばらつきを抑制し、均一な表面抵抗を有する導電性フィルム10を得ることができる。なお、銀/バインダー体積比は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、さらに、銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
<その他の添加剤>
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
[その他の層構成]
銀塩乳剤層の上に図示しない保護層を設けてもよい。また、銀塩乳剤層よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
[露光]
本実施の形態では、導電部14を印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、導電部14を露光と現像等によって形成する。すなわち、透明基体12上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
[現像処理]
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフィルム、インスタントスライドフィルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
本実施の形態の導電性金属部の線幅(金属細線16の線幅)は、30μm以下が選択可能であり、下限は0.1μm以上、1μm以上、3μm以上、4μm以上、もしくは5μm以上が好ましく、上限は30μm以下、15μm以下、10μm以下、9μm以下、8μm以下が好ましい。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネル50に使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネル50に使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。小格子70の一辺の長さは100μm以上400μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは150μm以上300μm以下、最も好ましくは210μm以上250μm以下である。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
本実施の形態における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、金属細線16を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅6μm、一辺の長さが240μmのひし形状の開口率は、95%である。
本実施の形態における「光透過性部」とは、導電性フィルム10のうち導電性金属部以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、透明基体12の光吸収及び反射の寄与を除いた380~780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
本実施の形態に係る導電性フィルム10における透明基体12の厚さは、5~350μmであることが好ましく、30~150μmであることがさらに好ましい。5~350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。
透明基体12上に設けられる金属銀部の厚さは、透明基体12上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、0.001mm~0.2mmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01~9μmであることがさらに好ましく、0.05~5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、且つ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。
本実施の形態では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する導電性フィルムであっても容易に形成することができる。
なお、本実施の形態に係る導電性フィルム10の製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る導電性フィルム10の製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2-141279号に記載のものを挙げることができる。
本実施の形態に係る導電性フィルム10には、反射防止層やハードコート層などの機能層を付与してもよい。
現像処理済みの金属銀部にカレンダー処理を施して平滑化するようにしてもよい。これによって金属銀部の導電性が顕著に増大する。カレンダー処理は、カレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは通常一対のロールからなる。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスチックロール又は金属ロールが用いられる。特に、両面に乳剤層を有する場合は、金属ロール同士で処理することが好ましい。片面に乳剤層を有する場合は、シワ防止の点から金属ロールとプラスチックロールの組み合わせとすることもできる。線圧力の上限値は1960N/cm(200kgf/cm、面圧に換算すると699.4kgf/cm2)以上、さらに好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm2)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダーロールで代表される平滑化処理の適用温度は10℃(温調なし)~100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属メッシュパターンや金属配線パターンの画線密度や形状、バインダー種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)~50℃の範囲にある。
この実施例では、比較例1~6、実施例1~60に係る積層導電性フィルム54について、開口率を算出し、さらに、モアレを評価した。比較例1~6、実施例1~60の内訳並びに算出結果及び評価結果を表3に示す。
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように透明基体(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
露光のパターンは、第1導電性フィルム10Aについては図6及び図8に示すパターンで、第2導電性フィルム10Bについては図6及び図10に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体12A及び第2透明基体12Bに行った。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3-ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG-710PTSを用いて処理条件:現像35℃ 30秒、定着34℃ 23秒、水洗 流水(5L/分)の20秒処理で行った。
作製した第1導電性フィルム10Aの第1導電部14A及び第2導電性フィルム10Bの第2導電部14Bにおける小格子70の第1辺70aと第1方向(x方向)とのなす角θを30°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例1に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例2~4)
実施例2、3、4は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例1と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例5)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを32°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例5に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例6~8)
実施例6、7、8は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例5と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを36°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例9に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例10~12)
実施例10、11、12は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例9と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例13)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを37°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例13に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例14~16)
実施例14、15、16は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例13と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを39°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例17に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例18~20)
実施例18、19、20は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例17と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例21)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを40°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例21に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例22~24)
実施例22、23、24は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例21と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを44°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例25に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例26~28)
実施例26、27、28は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例25と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例29)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを45°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例29に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例30~32)
実施例30、31、32は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例29と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを46°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例33に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例34~36)
実施例34、35、36は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例33と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例37)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを50°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例37に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例38~40)
実施例38、39、40は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例37と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを51°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例41に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例42~44)
実施例42、43、44は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例41と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例45)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを53°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例45に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例46~48)
実施例46、47、48は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例45と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを54°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例49に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例50~52)
実施例50、51、52は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例49と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(実施例53)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを58°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例53に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例54~56)
実施例54、55、56は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例53と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを60°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして実施例57に係る積層導電性フィルムを作製した。
(実施例58~60)
実施例58、59、60は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ220μm、240μm、400μmとした点以外は実施例57と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを29°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして比較例1に係る積層導電性フィルムを作製した。
(比較例2、3)
比較例2、3は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ300μm、400μmとした点以外は比較例1と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(比較例4)
小格子70の第1辺70aと第1方向とのなす角θを61°、小格子70の一辺の長さを200μm、小格子70の線幅を6μmとして比較例4に係る積層導電性フィルムを作製した。
(比較例5、6)
比較例5、6は、小格子70の一辺の長さをそれぞれ300μm、400μmとした点以外は比較例4と同様にして積層導電性フィルムを作製した。
(開口率の算出)
透明性の良否を確認するために、比較例1~6、実施例1~60について、それぞれ積層導電性フィルムの透過率を分光光度計を用いて測定し、さらに比例計算によって開口率を算出した。
(モアレの評価)
比較例1~6、実施例1~60について、積層導電性フィルムを表示装置30の表示パネル58上に貼り付けた後、表示装置30を回転盤に設置し、表示装置30を駆動して白色を表示させる。その状態で、回転盤をバイアス角-20°~+20°の間で回転し、モアレの目視観察・評価を行った。表示装置30の水平画素ピッチPh及び垂直画素ピッチPvはいずれも約192μmであった。なお、評価用のディスプレイとしてHP社製のPavilion Notebook PC dm1a(11.6inch光沢液晶WXGA/1366×768)を使用した。
モアレの評価は、表示装置30の表示画面から観察距離0.5mで行い、モアレが顕在化しなかった場合を○、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られた場合を△、モアレが顕在化した場合を×とした。そして、総合評点として、○となる角度範囲が10°以上の場合をA、○となる角度範囲が10°未満の場合はB、○となる角度範囲がなく×となる角度範囲が30°未満の場合はC、○となる角度範囲がなく×となる角度範囲が30°以上ある場合をDとした。
本発明に係るタッチパネル、センサ本体及び表示装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10B…第2導電性フィルム 12…透明基体
12A…第1透明基体 12B…第2透明基体
14…導電部 14A…第1導電部
14B…第2導電部 16…金属細線
30…表示装置 32…画素
50…タッチパネル 52…センサ本体
54…積層導電性フィルム 64A…第1導電パターン
64B…第2導電パターン 68A…第1大格子
68B…第2大格子 70…小格子
Claims (29)
- 第1導電部と、
前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による第1導電パターンを含み、
前記第2導電部は、前記第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に2つ以上配列された金属細線による第2導電パターンを含み、
前記第1導電パターンは、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第2導電パターンは、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第1導電部と前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、
前記メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°である、タッチパネル。 - 請求項1記載のタッチパネルにおいて、
前記第1導電部及び前記第2導電部は、前記第1導電パターン、および第2導電パターンと分離されて、前記第1導電パターン、および第2導電パターンの周辺に配線された前記メッシュパターンのひし形状の開口部の少なくとも一つの辺を構成する補助パターンを有する、タッチパネル。 - 請求項2記載のタッチパネルにおいて、
前記メッシュパターンの開口部は、同一形状のひし形状の小格子が均一に敷き詰められた形態になる、タッチパネル。 - 請求項2又は3記載のタッチパネルにおいて、
前記金属細線の線幅は2~7μmである、タッチパネル。 - 請求項2~4のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
前記金属細線の厚みは9μm未満である、タッチパネル。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
前記ひし形状の頂角部は64°~78°又は102°~116°である、タッチパネル。 - 第1導電部と、
前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第2導電部は、複数のひし形の格子が組み合わされて構成され、
前記第1導電部及び前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、
前記メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°であり、
前記メッシュパターンは、多数の小格子が均一に敷き詰められた形態になる、タッチパネル。 - 請求項7記載のタッチパネルにおいて、
さらに、前記第1導電部は、第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による第1導電パターンを含み、
前記第2導電部は、前記第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に2つ以上配列された金属細線による第2導電パターンを含み、
前記第1導電パターン、または第2導電パターンとは分離されて、前記第1導電パターン、または第2導電パターンの周辺に配線され、前記メッシュパターンのひし形状の開口部の少なくとも一つの辺を構成する補助パターンを有する、タッチパネル。 - 請求項7又は8記載のタッチパネルにおいて、
前記ひし形状の頂角部は64°~78°又は102°~116°である、タッチパネル。 - 請求項1~6、8、9のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
前記メッシュパターンの開口部の各ひし形状の少なくとも1つの頂角は、前記ひし形状の1つの辺と前記第1導電部の前記第1導電パターンが延在する方向とのなす角の2倍である、タッチパネル。 - 請求項1~10のいずれか1項に記載のタッチパネルと表示パネルとを備える、表示装置。
- 請求項9に記載のタッチパネルと表示パネルとを備える、表示装置であって、
前記第1導電部の第1導電パターンが延在する方向が前記表示パネルの画素の配列方向と同じである、表示装置。 - 第1導電部と、
前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による第1導電パターンを含み、
前記第2導電部は、前記第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に2つ以上配列された金属細線による第2導電パターンを含み、
前記第1導電パターンは、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第2導電パターンは、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第1導電部と前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、
前記メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°である、センサ本体。 - 第1導電部と、
前記第1導電部と絶縁されて積層した第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第2導電部は、複数のひし形状の格子が組み合わされて構成され、
前記第1導電部と前記第2導電部とが対向することによる組み合わせパターンは、金属細線によるメッシュパターンを構成し、
当該メッシュパターンの開口部はひし形状を有し、そのひし形状の頂角部は64°~88°又は92°~116°であり、
前記メッシュパターンは、多数の小格子が均一に敷き詰められた形態になる、センサ本体。 - 請求項13又は14に記載のセンサ本体において、
前記ひし形状の頂角部は64°~78°又は102°~116°である、センサ本体。 - 請求項13に記載のセンサ本体において、
前記第1導電パターン、または第2導電パターンとは分離されて、前記第1導電パターン、または第2導電パターンの周辺に配線され、前記メッシュパターンのひし形状の開口部の少なくとも一つの辺を構成する補助パターンを有する、センサ本体。 - 請求項14又は15に記載のセンサ本体において、
前記第1導電部は、第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による第1導電パターンを含み、
前記第2導電部は、前記第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に2つ以上配列された金属細線による第2導電パターンを含み、
前記第1導電パターンまたは第2導電パターンとは分離されて、前記第1導電パターン、または第2導電パターンの周辺に配線され、前記メッシュパターンのひし形状の開口部の少なくとも一つの辺を構成する補助パターンを有する、センサ本体。 - 請求項13、15、16、17のいずれか1項に記載のセンサ本体において、
前記メッシュパターンの開口部の各ひし形状の開口部の少なくとも1つの頂角は、前記ひし形状の1つの辺と前記第1導電部の前記第1導電パターンが延在する方向とのなす角の2倍である、センサ本体。 - 請求項13~18のいずれか1項に記載のセンサ本体と表示パネルとを備える、表示装置。
- 請求項18に記載のセンサ本体と表示パネルとを備える、表示装置であって、
前記第1導電部の前記第1導電パターンが延在する方向が、前記表示パネルの画素の配列方向と同じである、表示装置。 - 基体と、
前記基体の一方の主面に形成された導電部と、を有し、
前記導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に2つ以上配列された金属細線による導電パターンを有し、
前記導電パターンは、2以上の格子が組み合わされて構成され、
各前記格子は、それぞれひし形状を有し、
各前記格子における少なくとも1つの辺と前記第1方向とのなす角が32°~44°又は46°~58°であり、
各前記格子の少なくとも1つの頂角は、前記1つの辺と前記第1方向とのなす角の2倍であり、
前記導電パターンと分離されて、前記導電パターンの周辺に配線された金属細線による格子の一部が断線した補助パターンを有する、タッチパネル。 - 請求項21記載のタッチパネルにおいて、
前記金属細線の線幅は2~7μmである、タッチパネル。 - 請求項22記載のタッチパネルにおいて、
前記金属細線の厚みは9μm未満である、タッチパネル。 - 請求項21~23のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
各前記格子における少なくとも1つの辺と前記第1方向とのなす角が32°~39°である、タッチパネル。 - 請求項21~23のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
各前記格子における少なくとも1つの辺と前記第1方向とのなす角が46°~58°である、タッチパネル。 - 請求項21~23のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
各前記格子における少なくとも1つの辺と前記第1方向とのなす角が51°~58°である、タッチパネル。 - 請求項21~26のいずれか1項に記載のタッチパネルにおいて、
前記導電パターンは、2以上の大格子が前記第1方向に直列に接続されて構成され、
各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成されている、タッチパネル。 - 請求項21~27のいずれか1項に記載のタッチパネルと表示パネルとを備える、表示装置。
- 請求項28記載の表示装置であって、
前記第1方向が前記表示パネルの画素の配列方向と同じである表示装置。
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