JPH11177272A - 電磁波遮蔽板 - Google Patents

電磁波遮蔽板

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JPH11177272A
JPH11177272A JP35640397A JP35640397A JPH11177272A JP H11177272 A JPH11177272 A JP H11177272A JP 35640397 A JP35640397 A JP 35640397A JP 35640397 A JP35640397 A JP 35640397A JP H11177272 A JPH11177272 A JP H11177272A
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JP
Japan
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electromagnetic wave
wave shielding
substrate
parallel lines
transparent
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JP35640397A
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English (en)
Inventor
Satoshi Takeuchi
敏 武内
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能の電磁波遮蔽性を有し、更に、表示体
の走査ラインに対しモアレの発生を防止し、例えば、プ
ラズマディスプレイ等に有効に用いることができる電磁
波遮蔽板、および、安価に、かつ、低廉に効率的に製造
することが可能な電磁波遮蔽板の製造法を提供すること
である。 【解決手段】 透明な電磁波遮蔽用基板の両面に、それ
ぞれ平行線からなる導電性パタ−ンを形成し、かつ、上
記の透明な電磁波遮蔽用基板の一方の側から透視して、
上記の表裏両面に設けた平行線からなる導電性パタ−ン
が、交叉し、メッシュ状の導電性パタ−ンを構成するこ
とを特徴とする電磁波遮蔽板に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波遮蔽板に関
し、更に詳しくは、例えば、ディスプレイ用電子管等の
多量の電磁波発生源から発生する電磁波を遮蔽すると共
にディスプレイの走査線に対しモアレ等の発生を防止し
た電磁波遮蔽板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁波を発生する電子装置などから電磁
波を除去するには、通常、当該電子装置の外周部を適当
な導電性部材で覆って電磁波を吸収させて電流に変換さ
せ、その電流をア−スすることによって外部に電磁波を
放出させないようにする方法が一般的である。ところ
で、ディスプレイ用電子管その他のデバイスは、直接人
間に接近して設置されて利用するものであり、人体への
弊害を考慮して電磁波放出の強さが規格内になければな
らないものである。そのために電磁波遮蔽板をディスプ
レイ面に設けるのが普通である。而して、ディスプレイ
画面の透視が容易である透明な電磁波遮蔽を行うために
は、通常に実施されている方法としては、透明なガラス
やプラスチック基板面に、例えば、インジュウム−錫酸
化物膜(ITO膜)等の透明導電性膜を蒸着やスパッタ
リング法などで薄膜形成して透明性の電磁波遮蔽板を製
造し、これをディスプレイ画面の前に設けて電磁波遮蔽
が行われている。あるいは、透明なガラスやプラスチッ
ク基板面に、例えば、金網等の適当な金属スクリ−ンを
貼着したり、または、透明なガラスやプラスチック基板
面に、無電解メッキや蒸着などにより全面に金属薄膜を
形成し、次いでフォトレジストを用いたフォトグラフィ
−法で該金属薄膜の不要部をエッチング除去してより微
細なメッシュ状金属薄膜を形成して電磁波遮蔽板を製造
し、上記と同様にこれをディスプレイ画面の前に設けて
電磁波遮蔽が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように電磁波遮
蔽板の基本構造は、比較的簡単なものである。上記のよ
うな例において、透明性を重視すれば、透明基板上にI
TO膜を形成した電磁波遮蔽板が性能的に優れており、
一般的に、光の透過率が90%前後となり、最も明る
く、更に、全面に均一な膜が形成されているので、ティ
スプレイの走査線に対しモアレ等の発生も懸念すること
なく、極めて使い易いという特徴を有するものである。
しかしながら、上記の透明基板上にITO膜を形成した
電磁波遮蔽板においては、ITO膜を形成するのに、蒸
着やスパッタリング技術を用いるので、製造装置が高価
であり、また、生産性も一般的に劣ることから、製品と
しての電磁波遮蔽板自体の価格が高価になるという問題
点がある。また、上記の透明基板上にITO膜を形成し
た電磁波遮蔽板においては、上記のメッシュ状金属薄膜
を形成した電磁波遮蔽板と比較して、導電性が1桁以上
劣ることから、電磁波放出が比較的に弱い対象物に対し
て有効であるが、強い対象物に用いた場合には、その遮
蔽機能が不十分となり、漏洩電磁波が放出されて、その
規格値を満足させることができない場合があるという問
題点がある。例えば、上記の透明基板上にITO膜を形
成した電磁波遮蔽板をプラズマディスプレイに用いて、
完全な電磁波遮蔽をするためには、現状のそれよりも更
に10倍程度の導電性を与える必要がある。而して、上
記の透明基板上にITO膜を形成した電磁波遮蔽板にお
いて、導電性を高めるために、ITO膜の膜厚を厚くす
れば、ある程度の導電性は向上するが、逆に、透明性が
著しく低下するという問題点があり、更に、厚くするこ
とにより、価格もより高価になるという問題点もある。
【0004】次にまた、上記のような例において、例え
ば、金網等の適当な金属スクリ−ンをディスプレイ面に
直接貼着する方法は、最も簡単であり、かつ、安価であ
るが、有効なメッシュ(100〜200メッシュ)の金
属スクリ−ンの透過率が、50%以下であり、極めて暗
いディスプレイとなってしまうという重大な欠点を持っ
ているものである。更に、上記の例において、透明なガ
ラスやプラスチック基板面に、無電解メッキや蒸着など
により全面に金属薄膜を形成し、次いでフォトレジスト
を用いたフォトグラフィ−法で該金属薄膜の不要部をエ
ッチング除去してより微細なメッシュ状金属薄膜を形成
した電磁波遮蔽板においては、微細な加工が可能である
ことから、細線の高開口率(高透過率)メッシュを作成
することが可能であるという利点を有し、また、金属線
であるので、導電性が、上記のITO膜等と比して非常
に高く、強力な電磁波放出を遮蔽することができるとい
う利点を有するものである。而して、上記の微細なメッ
シュ状金属薄膜を形成した電磁波遮蔽板においては、一
般に、直交する一定のピッチ幅で構成されたメッシュ状
パタ−ンでは、ある特定波長帯近辺の電磁波に対し有効
な吸収特性を示すが、他の波長帯の電磁波吸収特性は劣
化するという問題点がある。すなわち、上記の微細なメ
ッシュ状金属薄膜を形成した電磁波遮蔽板においては、
電磁波の波長によってメッシュ状パタ−ンのピッチ幅を
定めることが有効であるが、しかし、広波長帯を有する
場合には、従来のように一定のピッチ幅で構成されたメ
ッシュ状パタ−ンでは、広範囲の波長帯を有効に吸収さ
せることは困難である。更に、上記の微細なメッシュ状
金属薄膜を形成した電磁波遮蔽板においては、これを直
交マトリクス構造で画像表示する表示体の前面に設置し
た場合に発生するモアレは、一般に、表示体の走査線と
約30度にメッシュ状パタ−ンが交差するときに、モア
レの発生は最小となるが、それでも人に不快感を与え、
これは、最小モワレとはいえ、メッシュ状パタ−ンが、
一定の間隔で規則正しく配列表示されていることによる
ものである。特に、メッシュ状パタ−ンの直線の各交点
は、表示体の走査線の幅との相乗効果によって、認知さ
れ易いモアレを発生し易いという特徴を持っているもの
であり、従って、ある角度に配置されたメッシュ状パタ
−ンの平行線群と表示体の走査線との関係より、メッシ
ュ状パタ−ンの場合には、一般に、はっきりと視認でき
るモアレを形成するものである。そこで本発明は、高性
能の電磁波遮蔽性を有し、更に、表示体の走査線に対し
モアレの発生を防止し、例えば、プラズマディスプレイ
等に有効に用いることができる電磁波遮蔽板、および、
安価に、かつ、低廉に効率的に製造することが可能な電
磁波遮蔽板の製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究の結果、透明な電磁波遮
蔽用基板の両面に、それぞれ平行線からなる導電性パタ
−ンを形成し、かつ、上記の透明な電磁波遮蔽用基板の
一方の側から透視して、上記の表裏両面に設けた平行線
からなる導電性パタ−ンが、交叉し、メッシュ状の導電
性パタ−ンを構成してなる電磁波遮蔽板を製造し、而し
て、該電磁波遮蔽板をプラズマディスプレイ等のディス
プレイ画面の前に設けて電磁波遮蔽を行ったところ、強
力な電磁波放出を遮蔽することができ、かつ、その透視
性を損なうこともなく、更に、ディスプレイの走査線に
対しモアレ等の発生も防止し、観察者に対しより認識し
易い現象を発現し得る効果を有する電磁波遮蔽板を製造
し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、透明な電磁波遮蔽用
基板の両面に、それぞれ平行線からなる導電性パタ−ン
を形成し、かつ、上記の透明な電磁波遮蔽用基板の一方
の側から透視して、上記の表裏両面に設けた平行線から
なる導電性パタ−ンが、交叉し、メッシュ状の導電性パ
タ−ンを構成することを特徴とする電磁波遮蔽板に関す
るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記の本発明について以下に更に
詳しく説明する。本発明にかかる電磁波遮蔽板について
その一例を例示し、図面を用いて更に詳しく説明する
と、図1は、本発明にかかる電磁波遮蔽板の概念的な構
成を示す概略的平面図であり、図2、図3、図4、図
5、図6および図7は、本発明にかかる電磁波遮蔽板に
ついてその第1の製造法の各工程における各素材の構成
を示す概略的断面図であり、図8、図9、図10、図1
1、図12、図13、図14、図15、図16、図17
および図18は、本発明にかかる電磁波遮蔽板について
別の第2の製造法の各工程における各素材の構成を示す
概略的断面図である。
【0008】まず、本発明にかかる電磁波遮蔽板につい
てその一例を挙げてその構成を説明すると、図1に示す
ように、本発明にかかる電磁波遮蔽板1は、透明な電磁
波遮蔽用基板2の両面に、それぞれ平行線からなる導電
性パタ−ン3、4を形成し、かつ、上記の透明な電磁波
遮蔽用基板2の一方の側Tから透視して、上記の透明な
電磁波遮蔽用基板2の表裏両面に設けた平行線からなる
導電性パタ−ン3、4が、交叉し、メッシュ状の導電性
パタ−ンPを構成することを基本構造とするものであ
る。上記において、透明な電磁波遮蔽用基板2の表裏両
面に設ける平行線からなる導電性パタ−ン3、4は、図
示しないが、任意の角度で交叉し得るように形成するこ
とができる。而して、本発明においては、ディスプレイ
の走査線に対し平行線からなる導電性パタ−ンを平行に
配置する場合、平行線からなる導電性パタ−ンの線幅が
微細であっても走査線に近い角度に配置することになり
モアレが目立つが、一定の角度以上に交差する場合には
目立ちにくくなり、その角度は、約15度以上175度
位である。但し、本発明においては、走査線に直角(9
0度)付近では、その時デイスプレイのマトリクスライ
ンと近接するので再びモアレが目立ちやすくなる。すな
わち、本発明においては、0〜90度の範囲で良好な角
度を探索する必要があるが、一つの平行線のみでは45
度付近で良好な結果が得られる。本発明においては、表
裏両面に設けた平行線からなる導電性パタ−ンを交差さ
せてメッシュ状の導電性パタ−ンが形成されるから、単
一の平行線のみとは異なるので、最良の角度を検討した
結果、直交メッシュ(90度交差)とした場合には、約
30度付近が良好である。また、本発明においては、表
裏に設けた平行線からなる導電性パタ−ンの交差角度
は、任意に変えられるから、一面の平行線からなる導電
性パタ−ンを30度にし、他方の交差する平行線からな
る導電性パタ−ンを150度とした場合(菱形メッシ
ュ)には、直交メッシュよりもモアレの目立ち方が少な
くなるものである。更に、本発明において、表裏二つの
平行線からなる導電性パタ−ンの交差角度は、平行線間
の距離や、平行線間に光拡散板を挿入したり、その他、
種々の構成ができるので、その都度、任意の最良の交差
角度を検討することが望ましい。更にまた、本発明にお
いては、後述する平行線からなる導電性パタ−ンの作成
において、実技的に発生するゴミその他の原因による断
線は、発生する電流を逃す上で好ましくないものであ
る。従って、本発明においては、平行線からなる導電性
パタ−ンの任意の場所に隣接線を繋ぐ「繋ぎ線」をラン
ダムに入れることにより、電流遮断を防止することがで
き、これにより平行線効果が妨げられることがないもの
である。また、上記において、図示しないが、上記の電
磁波遮蔽板において、透明な電磁波遮蔽用基板の片面あ
るいは両面の周辺部には、任意の場所から除電できるよ
うに、例えば、ベタ状の導電性層が形成されているもの
である。特に、本発明においては、後述するように、平
行線からなる導電性パタ−ンを構成する金属層等を電
着、メッキ等で形成することから、基板の周辺部にベタ
状の導電性層を形成し、これを除電端子部とし、これに
ア−ス等を接続して、簡単に除電することができるとい
う利点を有するものである。また、本発明においては、
特定の除電端子部を形成させてもよい。
【0009】上記の電磁波遮蔽板において、透明な電磁
波遮蔽用基板としては、透明性を有し、かつ、平行線か
らなる導電性パタ−ンを保持する支持体としての機能を
有する透明基板であればいずれのものでも使用すること
ができる。而して、上記の透明基板としては、具体的に
は、例えば、無色透明ガラスや同様な各種の透明なプラ
スチック基板、あるいは、各種の透明なプラスチックフ
ィルム等を使用することができる。更に、上記の透明な
プラスチック基板、あるいは、透明なプラスチックフィ
ルムとしては、具体的には、殆どの汎用樹脂材料を使用
することができ、特に、(メタ)アクリル系樹脂やポリ
エステル系樹脂のフィルムないしシ−トを使用すること
好ましいものである。上記の透明基板の厚さとしては、
キャラクタ−表示管用の小型品に対しては、適当な可撓
性を持つ薄いフィルム状である0.03mm〜0.5m
mのものがディスプレイに貼付して用いることができる
ので好ましい。また一方、数十インチ以上の大型ディス
プレイに適用する場合には、腰のあるフレキシブルなフ
ィルム、或いは、剛体基板、すなわち、0.3〜10.
0mmのものが好適に用いられる。大型ディスプレイの
場合は、ディスプレイに付帯治具等を用いて、機械的に
設置する必要があるからである。いずれの場合において
も、基板の透明性は、100%であることが理想である
が、透過率80〜98%のものを選択することが好まし
い。
【0010】次にまた、上記の電磁波遮蔽板において、
平行線からなる導電性パタ−ンとしては、導電性の良好
な物質によって構成された精細な線状からなるであり、
一般的には、透明性を保持するために細い線からなる形
態を持つことが好ましい。本発明において、上記の平行
線からなる導電性パタ−ンを構成する材料としては、良
導電性が必要なために、通常は、各種の金属を使用する
ことができ、更には、その条件を満足し得るものであれ
ば、金属酸化物、その他等の化合物材料を使用すること
ができる。而して、上記の良導電性材料としては、一般
的には、金属が、安価であり、かつ、加工も容易である
ことから好ましい材料であり、具体的に使用される金属
種としては、例えば、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、
Fe、Al、Zn、Ti、Ta、Mo、Co、その他等
の各種の単体金属、あるいは、各種の合金類を使用する
ことができる。
【0011】次に、本発明において、上記の平行線から
なる導電性パタ−ンとしては、できるだけ光の透過率を
大きくする必要があるので、平行線からなる導電性パタ
−ンを交叉させて形成されるメッシュ状の導電性パタ−
ンを構成するメッシュ部の開口部が、導電性条件を満た
し、かつ、大きくなるように設計することが好ましいも
のである。而して、上記において、開口率を大きくする
ためには、相対的に平行線からなる導電性パタ−ンの線
を細くする必要があり、そのために、加工面から平行線
からなる導電性パタ−ンの線の厚さを薄くすることが望
ましく、例えば、その膜厚が薄層の場合には、各種の加
工方法によって、ファインライン化が容易であることか
ら、望ましいものである。本発明において、上記の平行
線からなる導電性パタ−ンの膜厚としては、0.05〜
40μm程度であれば、均一な電着膜が得られるので好
ましく、加工性の観点を加味すれば、0.5〜20μm
位であれば更に好ましい。また、平行線からなる導電性
パタ−ンの線幅としては、5〜60μmが好ましいが、
10〜40μm程度とすれば、低価格で安定した生産が
可能であり更に好ましいものである。なお、本発明にお
いて、平行線からなる導電性パタ−ンを交叉させて形成
されるメッシュ状の導電性パタ−ンの開口率は、100
%に近い程有利であるが、65〜95%程度が技術的に
実用的である。
【0012】次に、本発明にかかる電磁波遮蔽板の製造
法について説明すると、その製造法としては、種々の方
法があり、例えば、その第1の製造法を挙げると、ま
ず、図2に示すように、金属板等の導電性基板11の上
に、電着を阻害する絶縁性膜で構成する平行線からなる
レジストパタ−ン12を形成し、該導電性基板11の面
が露出し、平行線からなる金属電着が可能な電着部13
を有する電着基板14を作製する。上記において、絶縁
性膜としては、例えば、公知の重クロム酸塩系やジアゾ
系等の安価な水溶性フォトレジスト等を使用し、通常の
光学的パタ−ンニング法によって形成するのが一般的で
あるが、通常、1〜2回の使用で破損するので、安定的
作業では、毎回絶縁性膜の形成を行う必要がある。上記
の光学的パタ−ンニング法においては、平行線からなる
導電性パタ−ンを形成するために、平行線からなるパタ
−ンを基本構造とするネガまたはポジのレジストパタ−
ン等を使用して、露光、現像処理等を行うことより、パ
タ−ンニングを行うことができる。一方、選別した各種
市販のフォトレジストを、本発明の上記の第1の製造法
に適用する場合には、例えば、数回〜十数回程度の反復
使用が可能となる。しかし、耐久性が低いので、より強
固な樹脂レジストを使用することが好ましいものであ
る。また、本発明において、例えば、絶縁性膜のパタ−
ニングは、機械的切削法やレ−ザ−加工などの熱モ−ド
での焼き飛ばし描画法などを用いて行うことが好まし
い。更に、本発明においては、図示しないが、導電性基
板としての金属基板の面に、フォトリソグラフィ−や切
削で必要な溝を形成し、次いで該溝の中に、強固な絶縁
性樹脂を埋め込み、硬化させて、平行線からなる金属電
着が可能な電着部を有する電着基板を作製することもで
きる。この場合には、電着基板の表面を研磨することに
より、電着部と絶縁性部とが平面となるので、電着物を
転写する際の操作が容易であるという利点を有する。更
にまた、本発明において、図示しないが、耐久性の高い
電着基板を作製する他の方法としては、例えば、ステン
レス基板面に、二酸化珪素(SiO2 )層を形成し、次
いで、該二酸化珪素層をフォトエッチングして絶縁層を
形成して、微細で精密な、かつ、耐久性の高い電着基板
を作製することができる。あるいは、タンタルやチタン
等の単体金属板、または、表面がこれらの金属面である
場合には、電着部を構成する部分に相当する箇所にのみ
レジストを形成した後、陽極酸化して酸化チタン、酸化
タンタル等の絶縁性酸化物層を形成し、次いでレジスト
を除去することにより、耐久性が極めて高く、かつ、反
復使用性の極めて高い電着基板を作製することができ
る。この場合、陽極金属酸化層は、硬度が高く、傷がつ
きにくいこと、電着圧着に十分に耐えることができる絶
縁性膜を持つこと等の特徴を有するものである。
【0013】次に、本発明においては、図3に示すよう
に、上記で作製した金属板等の導電性基板11の上に電
着を阻害する絶縁性膜で構成する平行線からなるレジス
トパタ−ン12を有する電着基板14を、電磁波遮蔽用
の金属の電解液中に浸漬して、該電着基板14の電着部
13に相当する箇所に、所望の厚さに平行線からなる導
電性パタ−ン3を電着する。上記において、平行線から
なる導電性パタ−ン3を構成する材料としては、前述の
良導電性物質としての金属が最も有利な材料として使用
することができ、従って、平行線からなる導電性パタ−
ン3は、一般的には、金属電着層と見てよいものであ
る。而して、上記の金属電着層を形成する場合には、汎
用金属の電解液を使用することができるので、多種類
の、安価な金属電解液が存在し、目的に適った選択を自
由に行うことができるという利点がある。一般に、安価
な良導電性金属としては、Cuが多用されており、本発
明においても、Cuを使用することが、その目的にも合
致して有用なものであり、勿論、その他の金属も同様に
用いることができるものである。次にまた、本発明にお
いて、平行線からなる導電性パタ−ン3は、単一金属層
のみで構成する必要はなく、例えば、図示しないが、上
記の例のCuからなる平行線からなる導電性パタ−ン3
は、比較的に柔らかく傷がつき易いので、その保護層と
して、NiやCr等の汎用の硬質金属を用いて2層から
なる金属電着層とすることもできる。この場合には、後
述する転写工程を想定して、最初に硬質の金属を電着し
て保護層を形成し、次いで、Cuを電着して平行線から
なる導電性パタ−ン3を形成することが好ましく、この
電着順により、電磁波遮蔽板として完成したときに、表
面に硬質金属からなる保護層を形成することができ、外
力に対し安全性が増加するという利点を有する。さらに
また、ディスプレイ面に適用したとき、目視側表面が、
金属光沢があると、表示画像のコントラストが低下す
る。これを防止するために、更に、一層黒化層を設ける
と、コントラストのよい表示が得られる。例えば、黒化
銅層、黒化ニッケル層等で化学的、または、電気化学的
公知法で容易に付加することができる。なお、本発明に
おいては、他の特性を更に付加ないし追加するために、
各種の金属を組み合わせて2層以上からなる金属電着層
を形成し、種々の機能を有する電磁波遮蔽板を製造する
ことが可能である。
【0014】次に、本発明の上記の第1の製造法は、図
4に示すように、上記で形成した平行線からなる導電性
パタ−ン3面に、透明な電磁波遮蔽用基板2の片面を重
ね合わせてその両者を圧着して、該透明な電磁波遮蔽用
基板2の片面に平行線からなる導電性パタ−ン3を接着
転写し、しかる後、その接着転写した平行線からなる導
電性パタ−ン3を有する透明な電磁波遮蔽用基板2を電
着基板14から引き剥がして、その片面に平行線からな
る導電性パタ−ン3を有する透明な電磁波遮蔽用基板2
を製造する。上記の接着転写に際しては、図面に示すよ
うに、透明な電磁波遮蔽用基板2の片面には、予め接着
剤を塗布して接着剤層15を形成しておき、該接着剤層
15面に平行線からなる導電性パタ−ン3面を重ね合わ
せ、その両者を圧着ないし熱圧着して、該平行線からな
る導電性パタ−ン3を接着剤層15に全面接着させ、し
かる後その接着転写した平行線からなる導電性パタ−ン
3を有する透明な電磁波遮蔽用基板2を電着基板14か
ら引き剥がして、平行線からなる導電性パタ−ン3を透
明な電磁波遮蔽用基板2面に接着転写することもでき
る。上記において、接着剤層15を構成する接着剤とし
ては、適当な粘着力を有する粘着剤、あるいは、ヒ−ト
シ−ル性を有する接着剤、光、電子線あるいは熱等で硬
化する硬化型接着剤、その他等の接着剤を使用すること
ができる。而して、本発明においては、接着転写後、硬
化可能な接着剤を使用することが、安定した信頼性のあ
る製品を製造するのに有利である。また、本発明におい
ては、全面均一に接着転写するために、熱硬化型アクリ
ル系接着剤等の熱硬化性接着剤を用いて熱圧接着して
も、安定した信頼性のある製品を製造することができ
る。ところで、本発明においては、電着基板14を反復
使用するために、絶縁性膜で構成する平行線からなるレ
ジストパタ−ン12との接着力の弱い接着剤を選択して
使用することが必要であり、而して、このような接着剤
は、多種類の市販接着剤の中から容易に選別して使用す
ることができ、このことは、電着基板14の耐久性を左
右するものである。また、本発明においては、平行線か
らなる導電性パタ−ン3が、電着基板14から容易に剥
離するように、電着基板14を構成する金属板等の導電
性基板11を選択して使用することが好ましい。一般
に、ステンレス板面は、金属電着層との接着性が弱く、
このような電着後、金属電着層を引き剥がすような業務
に従来からよく使用されるものであり、本発明において
も、電着基板14を構成する金属板として、ステンレス
板を使用することは好ましいものである。更に、本発明
においては、上記のように電着基板14を構成する材料
として金属板を使用する場合には、その表面に、例え
ば、Cr、Ni等の層を形成することにより、電着後の
金属電着層を容易に剥離することが可能となるものであ
る。これは、金属表面が酸化されて酸化物が形成される
ことによるものであり、ステンレスの剥離性も内蔵する
Cr、Ni成分の表面部分が酸化されることによるもの
である。
【0015】次に、本発明においては、図5に示すよう
に、上記のように平行線からなる導電性パタ−ン3を、
透明な電磁波遮蔽用基板2の一方の片面に、直接、ある
いは、接着剤層15等を介して接着転写させた後、該透
明な電磁波遮蔽用基板2の他方の片面に、上記と全く同
様にして、上記の図2〜4に示すような工程を経て、平
行線からなる導電性パタ−ン4を、上記の透明な電磁波
遮蔽用基板2の一方の片面に設けた平行線からなる導電
性パタ−ン3と交叉するように、直接、あるいは、接着
剤層15等を介して接着転写させて、前述の図1に示す
ような、透明な電磁波遮蔽用基板2の両面に、それぞれ
平行線からなる導電性パタ−ン3、4を形成し、かつ、
上記の透明な電磁波遮蔽用基板2の一方の側Tから透視
して、上記の透明な電磁波遮蔽用基板2の表裏両面に設
けた平行線からなる導電性パタ−ン3、4が、交叉し、
メッシュ状の導電性パタ−ンPを構成する電磁波遮蔽板
1を製造することができるものである。
【0016】次に、本発明にかかる第1の製造法におい
て、上記の図示の電着基板14と異なる別の電着基板の
例を挙げる。図6に示すように、絶縁性材料からなる支
持体21の表面に、平行線からなる導電性層22を形成
して、電着基板14′を構成することができる。而し
て、図7に示すように、上記のような電着基板14′に
おいては、前述と同様に、該電着基板14′を金属の電
解液中に浸して、該電着基板14′上の平行線からなる
導電性層22の上に、所望の厚さに平行線からなる導電
性パタ−ン3を電着し、しかる後、図示しないが、該平
行線からなる導電性パタ−ン3面に透明な電磁波遮蔽用
基板2を重ね合わせてその両者を圧着して、該透明な電
磁波遮蔽用基板2の一方の片面に平行線からなる導電性
パタ−ン3を接着転写し、更に、同様にして、上記の平
行線からなる導電性パタ−ン3を接着転写した透明な電
磁波遮蔽用基板2の他方の片面に、平行線からなる導電
性パタ−ン4を、前述の平行線からなる導電性パタ−ン
3と交叉するように、接着転写して、本発明にかかる電
磁波遮蔽性と透視性を有する電磁波遮蔽板1を製造する
ことができるものである。上記において、平行線からな
る導電性層22の作成方法としては、例えば、絶縁性材
料からなる支持体21の上に、蒸着やスパッタリング
法、あるいは、無電解メッキ法等により金属層を全面に
形成し、次いで、通常のフォトリソグラフィ法等を利用
して金属層をエッチング、除去することにより、上記の
平行線からなる導電性層22を形成することができる。
上記のように形成された平行線からなる導電性層22を
構成する材料としては、前述と同様に、平行線からなる
導電性パタ−ン3、4との接着性が弱くなければならな
いことから、通常、Ni、Cr等のような金属電着層と
剥離性の良好な材料を使用することが好ましい。更に、
本発明においては、ガラスやセラミック等の絶縁性材料
からなる支持体は、その面に形成されたNi、Cr、そ
の他の金属層は、強固な接着性をもつが、プラスチック
性基板等の場合は、その接着性は弱いものである。その
ために、プラスチック性基板等の場合には、該プラスチ
ック性基板の面に、他の接着性の強い金属層を先付けし
た後、Ni、Cr等の金属層を形成して、電着基板1
4′を作成すると、反復性、耐久性等を有する電着基板
を作成することが可能である。このような場合には、絶
縁性材料からなる支持体の上に、多層の金属層からなる
平行線からなる導電性層を形成することになる。更にま
た、上記において、一般に、金属電着層は、厚さ方向に
電着成長すると共に、横方向にも電着成長することから
その金属電着層の線巾は、若干、太くなるものであり、
そのために、平行線からなる導電性層22の設計線巾
は、予め、その太りを見込んだ値に形成しておくことが
好ましいものである。
【0017】以上の説明で明らかなように、本発明の第
1の製造法の基本概念は、電気化学メッキ(電着)法を
利用する方法で、基本工程を2つに大別することができ
る。その1は、電着基板の作製であり、基板上には製品
使用に基づく平行線からなるレジストパタ−ンが形成さ
れており、同一基板を電着操作に反復使用することがで
きるものである。その2は、上記の電着基板の平行線か
らなるレジストパタ−ンに従って、選択的に任意の材料
の電着を行い、次いで透明な基板面に電着物を転写し、
その転写された基板を電磁波遮蔽板として製品化するも
のである。而して、上記において、電着基板は、印刷に
おける印刷版のように、多数回使用を可能とするもので
あり、その製造コストは、比較的高価であっても十分に
生産性に富み、その使用が可能なものであり、更に、精
細、かつ、高開口率を与えるように、一般に、フォトリ
ソグラフィ法その他によって、正確に作製することがで
きるものである。また、電着は、上記の電着基板面に、
平行線からなる導電性パタ−ンを形成することにより行
われ、その場合に、単層、あるいは、異種材料による多
層化も可能なものであり、かつ、ファインラインを形成
することも可能なものであり、而して、その金属電着層
を透明基板面に転写し、その転写基板を電磁波遮蔽板と
するものである。
【0018】次に、本発明にかかる電磁波遮蔽板の製造
法について、その第2の製造法を挙げると、かかる第2
の製造法としては、フォトエッチング法を挙げることが
できる。而して、上記のフォトエッチング法としては、
基本的には、直接法と転写法との二つの製造法があり、
まず、直接法について説明すると、図8に示すように、
透明基板31の表裏両面に、金属層32、33を形成し
た部材を用意する。上記において、透明基板31として
は、一般に、ガラス、プラスチック板またはフィルム等
の電気的に絶縁性のものを使用することができる。ま
た、上記において、金属層32、33としては、通常、
蒸着法や無電解メッキ法等でその全面に金属薄膜層を形
成し、次いで、所定の膜厚まで電解メッキ等を行うこと
によって金属層32、33を便利にかつ安価に形成する
ことができるものである。次に、本発明においては、図
9に示すように、上記で形成した金属層32、33の上
に、エッチングレジストパタ−ン34、35を形成する
ものである。上記において、エッチングレジストパタ−
ン34、35としては、フォトレジストを利用する方
法、あるいは、精密印刷法を利用する方法等によって形
成することができる。而して、本発明において、上記の
フォトレジストを利用する方法においては、前述と同様
に、平行線からなる導電性パタ−ンを形成するために、
平行線からなるパタ−ンを基本構造とするネガまたはポ
ジのレジストパタ−ン等を使用して、露光、現像処理等
のパタ−ンニングを行うことにより、エッチングレジス
トパタ−ン33、34を形成することができるものであ
る。次に、本発明において、図10に示すように、上記
で形成したエッチングレジストパタ−ン33、34を利
用し、その裸出している金属層32、33の部分を、例
えば、銅、または、ニッケル等で金属層32、33を形
成している場合には、塩化第2鉄液等のエッチング液を
使用して化学エッチングを行い、上記の裸出している金
属層32、33の部分を除去することにより、残留して
いる金属層32′、33′から構成する平行線からなる
導電性パタ−ンを形成して、前述の図1に示すような、
透明な電磁波遮蔽用基板31(2)の両面に、それぞれ
平行線からなる導電性パタ−ン32′(3)、33′
(4)を形成し、かつ、上記の透明な電磁波遮蔽用基板
31(2)の一方の側Tから透視して、上記の透明な電
磁波遮蔽用基板31(2)の表裏両面に設けた平行線か
らなる導電性パタ−ン32′(3)、33′(4)が、
交叉し、メッシュ状の導電性パタ−ン(P)を構成する
電磁波遮蔽板1を製造することができるものである。而
して、本発明においては、図11に示すように、上記で
形成した金属層32′、33′からなるメッシュ状の導
電性パタ−ン(P)を含む全面に、例えば、透明な硬化
性のアクリル系樹脂を含む樹脂組成物を塗布、硬化させ
て、その表面を保護する保護膜36、37を形成して、
本発明にかかる電磁遮蔽板とすることもできるものであ
る。上記の本発明にかかる電磁遮蔽板において、エッチ
ングレジストパタ−ン34、35は、除去してもよい
が、一般的には、除去する必要はなく、むしろ残留させ
て、その膜中に、予め、例えば、カ−ボンブラック等の
黒色材料等を混入させ、黒色の保護層を形成することに
よって、表面の金属光沢を消滅させることができるとい
う利点を有するものである。本発明において、エッチン
グレジストパタ−ン34、35を除去せざるを得ない場
合には、エッチングレジストパタ−ン34、35を除去
後、残留する金属層の表面を、上記と同様な目的のため
に、金属層の表面を黒化処理することが望ましいもので
ある。而して、上記の黒化処理には、例えば、ブラック
銅(Cu)、ブラックニッケル(Ni)等のメッキ法や
化学的な黒化処理法等の公知の黒化処理方法を利用して
行うことができる。
【0019】次に、本発明において、上記のフォトエッ
チング法にかかる転写法について説明すると、図12に
示すように、金属電着可能な導電性基板41を使用し、
該導電性基板41の上に、電着法により均一に金属膜4
2を必要な厚さに形成し、次に、図13および図14に
示すように、前述と同様に、エッチングレジストパタ−
ン43を形成した後、裸出している金属層42の部分を
化学エッチング処理し、上記の裸出している金属層42
の部分を除去することにより、残留している金属層4
2′から構成する平行線からなる導電性パタ−ンを形成
する。次いで、図15に示すように、上記で形成した金
属層42′から構成する平行線からなる導電性パタ−ン
を含む全面に、上記の導電性基板41と接着性の悪い接
着剤を用いるか、または、その特性のない接着剤を用い
る場合には、上記のエッチング部に再度薄い銅等のメッ
キをした後、接着剤を塗布して接着剤層44を形成し、
しかる後、図16に示すように、上記の接着剤層44の
面に、透明基板45の一方の片面を密着させて、該透明
基板45の一方の片面に、上記の接着剤層44を介して
金属層42′から構成する平行線からなる導電性パタ−
ンを密着転写する。更に、本発明においては、図17に
示すように、上記で形成した金属層42′から構成する
平行線からなる導電性パタ−ンを含む全面に、前述と同
様に、例えば、透明な硬化性のアクリル系樹脂を含む樹
脂組成物を塗布、硬化させることにより、その表面を保
護する保護膜46を形成する。而して、本発明において
は、図18に示すように、透明基板45の一方の片面
に、接着剤層44を介して金属層42′から構成する導
電性パタ−ンを設け、更には、保護膜46等を設けた
後、上記と同様にして、上記の図12〜17に示す工程
を経て、透明基板45の他方の片面に、金属層42′、
42′が交叉するように、接着剤層44を介して金属層
42′から構成する平行線からなる導電性パタ−ンを設
け、更には、保護膜46等を設け、前述の図1に示すよ
うな、透明な電磁波遮蔽用基板45(2)の両面に、そ
れぞれ平行線からなる導電性パタ−ン42′(3)、4
2′(4)を形成し、かつ、上記の透明な電磁波遮蔽用
基板45(2)の一方の側Tから透視して、上記の透明
な電磁波遮蔽用基板45(2)の表裏両面に設けた平行
線からなる導電性パタ−ン42′(3)、42′(4)
が、交叉し、メッシュ状の導電性パタ−ン(P)を構成
する電磁波遮蔽板1を製造することができるものであ
る。上記の本発明にかかる電磁遮蔽板において、エッチ
ングレジストパタ−ン43は、前述と同様に、除去して
もよく、また、残留させてもよく、更に、エッチングレ
ジストパタ−ン43を除去する場合には、エッチングレ
ジストパタ−ン43を除去後、残留する金属層の表面を
黒化処理することが望ましいものである。而して、上記
の黒化処理には、例えば、ブラック銅(Cu)、ブラッ
クニッケル(Ni)等のメッキ法や化学的な黒化処理法
等の公知の黒化処理方法を利用して行うことができる。
上記において、導電性基板41としては、一般に、電着
金属の剥離性の良いステンレス板を使用することができ
る。また、上記において、金属層42をエッチングレジ
ストパタ−ン43をマスクとしてエッチングする際に
は、前述と同様に行うことができるが、塩化第2鉄液等
を使用すると、ステンレス板の面もエッチングされるの
で、ステンレス板を導電性基板41として反復使用する
場合には、注意する必要がある。なお、金属層42′の
剥離転写に対しては影響は認められない。また、本発明
において、金属層42を銅(Cu)等で製造する場合に
は、硫酸第2銅液等を用いると、ステンレス板を侵さ
ず、銅(Cu)のみをエッチングすることができる。す
なわち、本発明においては、金属層42のみをエッチン
グすることもできるので、エッチング液を選択すると、
その後に行う操作に対し利便性を有するものである。ま
た、上記において、エッチングレジストパタ−ン43と
しては、前述と同様に、フォトレジストを利用する方
法、あるいは、精密印刷法を利用する方法等によって形
成することができる。而して、本発明において、上記の
フォトレジストを利用する方法においては、前述と同様
に、平行線からなる導電性パタ−ンを形成するために、
平行線からなるパタ−ンを基本構造とするネガまたはポ
ジのレジストパタ−ン等を使用して、露光、現像処理等
のパタ−ンニングを行うことにより、エッチングレジス
トパタ−ン43を形成することができるものである。ま
た、本発明においては、透明基板45に密着転写後に金
属層42′の面を黒化処理し、更に、保護膜46を形成
することによって、転写型の電磁波遮蔽板を製造するこ
ともできる。
【0020】次に、本発明において、上記のような製造
法で製造した本発明にかかる電磁波遮蔽板においては、
その平行線からなる導電性パタ−ンの表面に、それを保
護するために透明保護膜を形成することができる。例え
ば、表面保護適性を有する樹脂の1種ないしそれ以上を
主成分とし、これに、必要ならば、例えば、可塑剤、安
定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、特定波長の赤外線吸
収剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、その他等の添加剤を
任意に添加し、溶媒・希釈剤等で充分に混練して塗布液
を調整し、次に、その塗布液を、例えば、ロ−ルコ−
ト、グラビアコ−ト、ダイコ−ト、ディップコ−ト、ナ
イフコ−ト、リバ−スロ−ルコ−ト、スプレイコ−ト、
その他等のコ−ティング方法で塗布ないし印刷して、透
明保護膜を形成することができる。上記において、透明
保護膜の膜厚としては、約1〜50μm位が好ましく、
更には、3〜20μm位が望ましい。上記の表面保護適
性を有する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系
樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
フェノ−ル系樹脂、アミノプラスト系樹脂、その他等を
使用することができる。あるいは、本発明においては、
上記のような樹脂を使用し、それからフィルムないしシ
−トを製造し、そのフィルムないしシ−トを平行線から
なる導電性パタ−ンの表面に、例えば、接着剤等を介し
て積層して、それを保護する透明保護膜を形成すること
もできる。
【0021】また、本発明において、図示しないが、電
磁波遮蔽板を構成する透明な電磁波遮蔽用基板の片面ま
たは両面あるいは中間に、光拡散層を設けることができ
る。上記の光拡散層としては、一般に、例えば、酸化珪
素、酸化チタン、酸化亜鉛、その他等の無機微粉末、あ
るいは、屈折率の異なる有機微粉末(無色または白色:
無彩色)のような光拡散材として含む層を使用すること
ができる。具体的には、例えば、アクリル系樹脂等をビ
ヒクルの主成分とし、これに、上記の微粉末の1種ない
しそれ以上を添加し、更に、その他の所望の添加剤を任
意に添加し充分に混練してなる樹脂組成物を塗布してコ
−ティング層を形成することにより光拡散層を形成する
ことができる。あるいは、本発明においては、電磁波遮
蔽板を構成する透明な電磁波遮蔽用基板中に上記の微粉
末の1種ないしそれ以上を微分散することにより光拡散
層を形成することができる。特に、本発明においては、
電磁波遮蔽板を構成する中間層等に光拡散層を設ける場
合には、中間基板中に上記の微粉末の1種ないしそれ以
上を微分散して光拡散層を形成することが望ましい。上
記において、光拡散層を構成する微粉末の含有量として
は、使用する材料等によって異なるが、比較的少量でよ
く、デイスプレイ画像をぼけさせないように調整してお
くことが望ましい。
【0022】
【実施例】次に本発明について具体的な実施例を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。 実施例1 厚さ0.15mmのステンレス板の表面を清浄化した
後、市販ネガ型フォトレジスト(東京応化株式会社製、
商品名、KOR)を塗布、乾燥し、次いで、予め用意し
ておいた平行線からなるパタ−ンを基本構造とするレジ
ストパタ−ン(100メッシュ、電着部線巾、28μ
m)を密着露光し、次いで指定に従い現像乾燥して、電
着基板を作製した。次に、上記の電着基板を、銅メッキ
浴に入れ、電着基板を陰極とし銅板を陽極として、下記
の条件で電着基板のレジスト不在部分に銅電着した。 (電着条件) 浴組成:ピロ燐酸銅浴 Cu2 2 7 ・3H2 O 49g/l K4 2 7 340g/l MH4 OH(28%) 3ml/l pH 8.8 P比(P2 7 4-/Cu2+) 7.0 液温 55℃ 電着速度(5A/dm) 1.0μm/min 電着膜厚 3.0μm/min 仕上がり線巾 30.0μm(若干の線巾太りの為) 次に、上記の電着物を透明基板に転写するために、厚さ
5mmの透明アクリル基板面に、光硬化性の接着剤を予
め約1μmの厚さに均一に塗布した。上記の光硬化性の
接着剤は、アクリレ−トモノマ−と光重合開始剤を主成
分とし、ここでは、アクリレ−トモノマ−として、2−
エチルヘキシルアクリレ−トや1.4−ブタンジオ−ル
アクリレ−トなどを用い、光重合開始剤として、ベンゾ
イルパ−オキサイドを使用した。次いで、電着済みの基
板と、光硬化性接着剤塗布のアクリル基板とを均一に圧
着した後、アクリル基板側から紫外線を照射した。この
場合、電着銅との接着性は良好であるが、絶縁性レジス
トとの接着力は弱いので、ステンレスの電着基板をゆっ
くり引き剥がすと、電着銅は、全部透明基板側に転移
し、レジストは、剥離せずにステンレス板側に残留し
た。電着銅が転移した透明アクリル板の転写面に、透明
なアクリル系樹脂の保護膜を、周辺の枠型銅部からリ−
ド線引き出し部を除く全面に形成した。次に、上記の透
明アクリル板の一方の面に、電着銅を転移し、更に、透
明なアクリル系樹脂の保護膜を形成てた後、上記の透明
アクリル板の他方の面に、上記と全く同様に行い、一方
の面の電着銅と他方の面の電着銅が交叉するように、電
着銅を転移し、更に、透明なアクリル系樹脂の保護膜を
周辺の枠型銅部からリ−ド線引き出し部を除く全面に形
成して、電磁波遮蔽基板とし、良好な電磁波遮蔽効果を
得た。上記で剥離した電着基板は、再度銅電着に用いる
ことができた。その反復使用回数は、レジスト画線の端
部が一部破壊されやすく、数回であった。
【0023】実施例2 上記の実施例1と同じ厚さ0.15mmのステンレス板
の片面全面に、二酸化シリコンの薄膜をスパッタリング
法で厚さ0.2μmに形成し絶縁性膜とした。次いで、
上記の実施例1と同様に、フォトレジスト膜を形成した
後、露光、現像処理して平行線からなるパタ−ンを形成
し、次いで、定法によって、二酸化シリコンをエッチン
グ(フッ酸系エッチング液を使用)した後、レジストを
除去し、二酸化シリコンを絶縁膜とする平行線からなる
パタ−ンを形成した。得られた平行線からなるパタ−ン
の線巾は、27μmであった。次に、下記電着条件でN
iを薄く(1μm)電着し、水洗後、連続して上記の実
施例1と同様に、銅電着を行い、全膜厚が、3μmにな
るように2層電着を行った。得られた電着膜の線巾は、
31μmであった。 (Ni電着条件) Ni電着浴組成: 硫酸ニッケル 240〜340g/l 塩化ニッケル 45g/l 硫酸 30〜38g/l pH 2.2〜5.5 温度 46〜70℃ 電流密度 2.5〜10A/cm2 転写用透明基板として0.2mm厚のポリエステルフィ
ルムを用いて、上記の実施例1と同様な方法で2層電着
物を圧着転移した。転移した電着物は、Niが外側にな
り、傷つき易いCuを保護する形となり、実用的であっ
た。更に、上記の実施例1と同様にして、透明保護膜を
形成し、その安全性を向上させた。更に、上記で0.2
mm厚のポリエステルフィルムの一方の片面に、2層電
着物を転移し、更に、透明保護膜を形成した後、上記の
0.2mm厚のポリエステルフィルムの他方の片面に、
上記と全く同様に行い、一方の面の2層電着物と他方の
面の2層電着物が交叉するように、2層電着物を転移
し、更に、透明保護膜を周辺の枠型銅部からリ−ド線引
き出し部を除く全面に形成して、電磁波遮蔽基板を得
た。電磁波遮蔽性は、上記の実施例1のものと全く同じ
であった。また、二酸化シリコンパタ−ンを持つ電着基
板は、反復使用性能が高く、数十〜100回以上の耐久
性を示した。
【0024】実施例3 厚さ3mmのガラス板を清浄化し、その一面に蒸着法で
0.2μmの厚さのCr薄膜を全面に形成し、次いで上
記の実施例2と同様に、平行線からなるレジストパタ−
ンを用いてフォトエッチング法を用いて行って電着基板
を作成した。次に、上記の電着基板を上記の実施例2の
Ni電着浴に入れCr平行線パタ−ン領域を陰極とし、
陽極にNi板を用いて1μmの厚さにNi電着を行い、
水洗後続いて上記の実施例1のCu電着浴で2μmの厚
さのCu電着を行った。更に、引き続いて、下記の組成
からなる電着性有機接着剤を電着して、Cr/Ni/C
u/電着性有機接着剤の構成を仕上げた。 (電着性有機接着剤) N.N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト 115部 2−ヒドロキシエチルメカアクリレ−ト 150部 n−ブチルアクリレ−ト 400部 メチルメタクリレ−ト 150部 n−ブチルメタクリレ−ト 185部 アゾビスイソブチロニトリル 50部 上記の成分を反応させて原液とした。上記の原液100
0部とブロックイソシアネ−ト120部、ジブチル錫ジ
ウラレ−ト20部、水12000部から固形分5%のカ
チオン粘着性電着液とした。次に、厚さ0.2mmの透
明なポリエステルフィルムを重ねて注意深く圧着した
後、ガラス基板からポリエステルフィルムを薄利する
と、Cr/Ni界面から剥がれ、ガラス基板面にはCr
平行線パタ−ンがそのまま残り、Ni/Cu/電着性有
機接着剤の層が、ポリエステルフィルム側に完全に転移
した。得られた電着金属平行線パタ−ンの線巾は、31
〜32μmで、上記の実施例2と殆ど同じであった。得
られた金属平行線形成フィルムの電極接続部を除く全面
にアクリル系樹脂による保護膜を20μm厚さに塗布し
た。次に、上記の厚さ0.2mmの透明なポリエステル
フィルムの他方の面に、上記と同様に処理して、Ni/
Cu/電着性有機接着剤の層、および、アクリル系樹脂
による保護膜を形成して、電磁波遮蔽版とした。上記の
電磁波遮蔽版の電磁波遮蔽効果は、上記の実施例1と同
様に良好であった。また、Crメッシュガラス基板は、
強固であり、電着基板としての反復使用回数は、100
回以上であることが判明した。
【0025】実施例4 上記の実施例3は、平面的電磁波遮蔽版の作成法を示し
たが、本例では連続作成法の一例を示す。電着基板とし
て、直径250mmのAl金属製ロ−ルシリンダ−を用
意し、この表面を陽極酸化して無孔性アルマイト(酸化
アルミニウム)層を20μmの厚さに形成し、次いでそ
の表面に0.2μmのCr薄膜層をスパッタリング法で
形成した。次に、常用のフォトレジストを塗布し、フレ
キシブルなポリエステルフィルムからなる平行線パタ−
ンを有する原板を密着性よく巻き付け、紫外線露光した
後、定法どおりに現像乾燥処理し、塩化第2鉄溶液で注
意深くCr層をエッチングした。アルマイト層も若干エ
ッチングされたが無視できる範囲であり、水洗乾燥後、
レジストを除去して電着シリンダ−とした。次いで、こ
の電着シリンダ−を上記の実施例のNi浴とCu浴を順
次に用いて目的の厚さに電着を行った。勿論、各電着浴
間とCu浴の後に洗浄用水洗層を備え、更に連続して乾
燥部を設けた電着ラインの構成とした。電着シリンダ−
が乾燥した後、長巻きのフィルムロ−ルから繰り出され
る、感熱接着剤を約20μmの厚さに塗布したポリエス
テルフィルム面に、感熱圧着しつつ電着シリンダ−を転
がしながら、Ni/Cuの電着層を転写した。この方法
によって、長巻きフィルム面に多数の単位の平行線から
なる金属層を形成されるので、最後に連続金属層面にア
クリル系樹脂による保護膜を塗布し、更に、上記の感熱
接着剤を約20μmの厚さに塗布したポリエステルフィ
ルムの他方の面にも、上記と同様に処理して、Ni/C
uの電着層、保護膜を連続的に的に形成して、電磁波遮
蔽版(フィルム)を作成した。使用する場合には、各単
位メッシュ状の導電性パタ−ン毎に断裁して一枚の電磁
波遮蔽版(フィルム)とした。
【0026】実施例5 実施例1と同様に、の厚さ0.15mmのステンレス導
電性基板を用い、その片面に実施例1と同様にしてピロ
燐酸銅浴を使用し、銅膜を10μmの厚さに電着した。
次いで、電着銅膜に、実施例1のフォトレジストを用い
て、同様にパタ−ンを露光、現像してエッチングレジス
トとし、しかる後、塩化第2鉄溶液を用いてステンレス
面をあまりエッチツグしないように注意深く銅膜をエッ
チングした。なお、上記で使用したフォトレジスト内に
は微細なカ−ボンブラック粉末を、塗布時の反射濃度が
2.0になるように予め混入させておいた。従って、フ
ォトレジスト感度は低下したが、未混入のときの数倍の
露光をかけることによってパタ−ン焼き付け、現像が可
能であった。次に、上記と同一の銅電着浴を用い、エッ
チングにより裸出したステンレス部に1〜2μmの厚さ
に銅電着を行った後、前例の光硬化性接着剤を20μm
の厚さに塗布し、次いで、その接着剤層面に、5mm厚
さの透明アクリル板面を圧着し、紫外線照射をしながら
硬化接着させ、しかる後、両者をゆっくりと剥離してア
クリル板面に銅膜を転写した。次に、上記の転写物の表
面は、全面が銅膜で覆われているが、希薄塩化第2鉄溶
液を用いて全面均一に薄くエッチングすると、2次電着
させた銅膜が除去されて不規則なメッシュ目が綺麗に現
れた。上記において、1次電着による銅膜も同時にエッ
チングされるので、その膜厚が減少するが、本例では、
3〜5μmの膜厚減少を見た。次に、十分に水洗乾燥
後、再び光硬化性樹脂組成物を20μmの厚さに塗布
し、硬化させて表面保護膜を形成した。次に、上記のア
クリル板の他方の面も、上記と全く同様に処理し、電着
銅膜、および、表面保護膜を形成し、表裏両面の電着銅
膜が交叉している本発明にかかる電磁波遮蔽板を製造し
た。
【0027】実施例6 厚さ5mmの透明アクリル基板の両面を脱脂、清浄化し
た後、その両面に無電解銅メッキを約0.5μmの厚さ
に行って、その両面に導電性薄膜を形成し、次いで、更
にその両面に、前例のピロ燐酸銅浴を用いて全体の銅膜
の厚さが6μmになるように、透明アクリル基板の両面
に銅電着を行った。次に、上記の実施例5の黒化したフ
ォトレジストを用い、その両面の銅電着膜に平行線から
なるジストパタ−ンを、その表裏のパタ−ンが交叉する
ように、露光、現像し、次いで、裸出している銅膜の部
分を塩化第2鉄溶液でエッチングし、しかる後、その両
面に、更に、前例の光硬化性接着剤を約20μmの厚さ
に塗布し、次いで、その両面の上に、10μmのポリエ
ステルフィルムを均一に接着して表面保護膜として、本
発明にかかる電磁波遮蔽板を製造した。上記で製造した
電磁波遮蔽板のポリエステルフィルム側を目視側として
プラズマディスプレイの画面の面に適用した結果、金属
光沢がなく、かつ、モワレが目立たない電磁波遮蔽板と
して機能していることが認められた。なお、上記の無電
解銅メッキ処方は、下記のとおりであった。 〔無電解銅メッキ処方〕 硫酸銅 3.5g/l ロッシェル塩 34.0g/l 炭酸ナトリウム 3.0g/l 水酸化ナトリウム 7.0g/l ホルマリン(37%) 13.0ml/l 温度 室温
【0028】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、透明な電磁波遮蔽用基板の両面に、それぞれ平行線
からなる導電性パタ−ンを形成し、かつ、上記の透明な
電磁波遮蔽用基板の一方の側から透視して、上記の表裏
両面に設けた平行線からなる導電性パタ−ンが、交叉
し、メッシュ状の導電性パタ−ンを構成してなる電磁波
遮蔽板を製造し、而して、而して、該電磁波遮蔽板をプ
ラズマディスプレイ等のディスプレイ画面の前に設けて
電磁波遮蔽を行ったところ、強力な電磁波放出を遮蔽す
ることができ、かつ、その透視性を損なうこともなく、
更に、ディスプレイの走査線に対しモアレ等の発生も防
止し、観察者に対しより認識し易い現象を発現し得る効
果を有する電磁波遮蔽板を製造することができるという
ものである。また、本発明にかかる電磁波遮蔽版は、透
明剛体支持体、あるいは、フレキシブルなフィルム支持
体の製品となるので、電磁波発生源となるディスプレイ
の形状に応じて任意に適応させることができるものであ
る。また、本発明にかかる電磁波遮蔽板は、透明な電磁
波遮蔽用基板の両面に、平行な導電性パタ−ンを形成
し、かつ、上記の透明な電磁波遮蔽用基板の一方の側か
ら透視して、上記の表裏両面に設けた平行線からなる導
電性パタ−ンが、交叉し、メッシュ状の導電性パタ−ン
を構成して電磁波遮蔽板としていることから、透明な電
磁波遮蔽用基板の一面内に、メッシュ状の導電性パタ−
ンが形成されている電磁波遮蔽板の場合よりも、発生す
るモアレの大きさが小さく、視認し難いものとなり、従
って、モアレの発生を目立たないものとすることができ
るものである。また、本発明にかかる電磁波遮蔽板は、
光拡散層を挿入することにより、発生するモアレを光拡
散層でぼかし、より視認しにくくするという利点を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁波遮蔽板の概念的な構成を
示す概略的平面図である。
【図2】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第1の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図3】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第1の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図4】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第1の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図5】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第1の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図6】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第1の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図7】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第1の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図8】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図9】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法の
各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図10】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図11】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図12】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図13】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図14】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図15】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図16】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図17】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【図18】本発明にかかる電磁波遮蔽板の第2の製造法
の各工程における各素材の構成を示す概略的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 電磁波遮蔽板 2 透明な電磁波遮蔽用基板 3 平行線からなる導電性パタ−ン 4 平行線からなる導電性パタ−ン P メッシュ状の導電性パタ−ン 11 導電性基板 12 平行線からなるレジストパタ−ン 13 電着部 14 電着基板 14′ 電着基板 15 接着剤層 21 絶縁性材料からなる支持体 22 平行線からなる導電性層 31 透明基板 32 金属層 33 金属層 34 エッチングレジストパタ−ン 35 エッチングレジストパタ−ン 36 保護膜 37 保護膜 41 導電性基板 42 金属膜 42′ 金属層 43 エッチングレジストパタ−ン 44 接着剤層 45 透明基板 46 保護膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な電磁波遮蔽用基板の両面に、それ
    ぞれ平行線からなる導電性パタ−ンを形成し、かつ、上
    記の透明な電磁波遮蔽用基板の一方の側から透視して、
    上記の表裏両面に設けた平行線からなる導電性パタ−ン
    が、交叉し、メッシュ状の導電性パタ−ンを構成するこ
    とを特徴とする電磁波遮蔽板。
  2. 【請求項2】 表裏両面に設けた平行線からなる導電性
    パタ−ンが、所定の交叉角度で交叉することを特徴とす
    る上記の請求項1に記載する電磁波遮蔽板。
  3. 【請求項3】 平行線からなる導電性パタ−ンが、金属
    電着が可能な電着基板の上に金属の電解液を使用して電
    着し、更に、接着剤を介して接着転写してなる電磁波遮
    蔽性と透視性を有する金属電着層からなることを特徴と
    する上記の請求項1または2に記載する電磁波遮蔽板。
  4. 【請求項4】 平行線からなる導電性パタ−ンが、金属
    電着が可能な電着基板の上に金属の電解液を使用して電
    着し、更に、エッチングしてなる電磁波遮蔽性と透視性
    を有する金属電着層からなることを特徴とする上記の請
    求項1、2または3に記載する電磁波遮蔽板。
  5. 【請求項5】 平行線からなる導電性パタ−ンの上に、
    更に、透明保護膜を設けた構成からなることを特徴とす
    る上記の請求項1、2、3または4に記載する電磁波遮
    蔽板。
  6. 【請求項6】 平行線からなる導電性パタ−ンが、2種
    以上の金属の電解液を使用して順次に電着した2層以上
    の多層に電着した金属電着層からなることを特徴とする
    上記の請求項1、2、3、4または5に記載する電磁波
    遮蔽板。
  7. 【請求項7】 透明な電磁波遮蔽用基板の片面または両
    面に、光拡散層を設けたことを特徴とする上記の請求項
    1、2、3、4、5または6に記載する電磁波遮蔽板。
  8. 【請求項8】 透明な電磁波遮蔽用基板の片面または両
    面の周辺部に、任意の場所から除電できるように、ベタ
    状の導電性層が形成したことを特徴とする上記の請求項
    1、2、3、4、5、6または7に記載する電磁波遮蔽
    板。
  9. 【請求項9】 透明な電磁波遮蔽用基板の片面に平行線
    からなる導電性パタ−ンを形成し、該平行線からなる導
    電性パタ−ンを形成した2枚の透明な電磁波遮蔽用基板
    を、その平行線からなる導電性パタ−が密着しないよう
    に交差して貼合わせたことを特徴とする上記の請求項
    1、2、3、4、5、6、7または8に記載する電磁波
    遮蔽板。
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