JP7079709B2 - 波巻コイルの挿入方法及び波巻コイル - Google Patents

波巻コイルの挿入方法及び波巻コイル Download PDF

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Description

本発明は、波巻コイルの挿入方法及び波巻コイルに関する。
従来、ストレート状のスロット収容導体部と、隣り合うスロット収容導体部を連結するコイルエンド導体部と、で構成される周方向展開相コイルを複数本並列した1層分の周方向展開コイルを、ステータコアの内径側からスロットに対して、挿入治具を用いて1層分同時に挿入することにより、ステータコイルを製造することが知られている(特許文献1参照)。
特許第5298556号公報
上記従来の技術は、複数本の周方向展開相コイルにより構成される1層分の周方向展開コイルの各スロット収容導体部を、全てのスロットに同時に挿入するため、周方向展開コイルを保持する挿入治具の配置スペースは、1層分のスロット収容導体部の配列ピッチ間の極めて狭小なスペースに制限されてしまう。従って、挿入治具は、狭小なスペースに挿入するために細幅状に形成せざるを得ず、剛性を保つことが困難である、という問題があった。また、ステータコアが小径になる程、スロット収容導体部の配列ピッチが狭小となるため、波巻コイルを挿入することが困難になる、という問題があった。特に、平角導線を用いたコイルでは上記の課題が顕著であった。
そこで、本発明は、挿入治具のための十分な配置スペースを確保でき、小径なステータコアにも挿入可能な波巻コイルの挿入方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ステータコアの1周分の長さを有するコイルユニットを、編み込む必要がなく、且つ、ステータコアにコイル線材を順次1本ずつ挿入していくだけで容易に組立てすることができる波巻コイルを提供することを目的とする。
(1) 本発明に係る波巻コイルの挿入方法は、複数並列配置されてステータコア(例えば、後述のステータコア50)のスロット(例えば、後述のスロット52)に挿入されるストレート部(例えば、後述のストレート部11)と、隣り合う前記ストレート部の端部(例えば、後述の上端部11a、下端部11b)同士を連結する複数のターン部(例えば、後述のターン部12)と、をそれぞれ有するN本(Nは2以上の自然数)のコイル線材(例えば、後述のコイル線材10)により構成され、前記ストレート部がそれぞれ異なる前記スロット内の径方向の同一位置に配置されることにより、前記ステータコアの1周分の長さを有する1層分のコイルユニット(例えば、後述のコイルユニット1A、1B)が形成され、前記コイルユニットが前記ステータコアの径方向に複数積層されるように挿入される、波巻コイル(例えば、後述の波巻コイル2)の挿入方法であって、1本以上N本未満の前記コイル線材の前記ストレート部を、前記スロットの開口部(例えば、後述の開口部521)から底部(例えば、後述の底部522)に向けて径方向に移動させることにより、1本以上N本未満の前記コイル線材を前記スロットに挿入する挿入工程を有し、前記挿入工程を複数回繰り返し、N本の前記コイル線材の前記ストレート部をそれぞれ異なる前記スロット内に配置させると共に、N本の前記コイル線材の前記ターン部同士を重ねることにより、1層分の前記コイルユニットを前記スロットに挿入する。
上記(1)に記載の方法によれば、波巻コイルのうちの1層を形成する際に、1層分のコイルユニットを構成する複数本のコイル線材を、複数回に分けてスロットに挿入するので、1層分のコイルユニットの全てのコイル線材を同時にスロットに挿入する場合よりも、挿入治具の配置スペースを容易に確保できる。即ち、全てのコイル線材を同時挿入する方法では、コイル線材や挿入治具の構成が成立しない。例えば、1本ずつ挿入する場合、N本すべてを同時挿入する場合に比べて略N倍の挿入治具の配置スペースを確保することができる。そのため、小径のステータコアにも挿入可能となる。また、スロットの開口部が径方向内側に配置されるステータコアのスロットに1層分のコイルユニットを1本ずつ挿入する場合、全てのコイル線材を同時挿入する場合のような内径側の層のコイル線材が、外径側の層のコイル線材の縮径スペースを確保するために余分に縮径する必要がない。これにより、コイル線材の縮径代を最小限に抑えることができるため、挿入過程におけるコイル線材への負荷を低減できる。
(2) (1)に記載の波巻コイルの挿入方法において、前記ターン部は、2つの斜行部(例えば、後述の斜行部121)と1つの頂部(例えば、後述の頂部122)とを有し、前記2つの斜行部のうちの一方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向外側にオフセットして配置される外側部位(例えば、後述の外側部位121a)を構成すると共に、前記2つの斜行部のうちの他方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向内側にオフセットして配置される内側部位(例えば、後述の内側部位121b)を構成し、前記挿入工程を複数回繰り返して1層分の前記コイルユニットを前記スロットに挿入する際に、N本の前記コイル線材の前記ターン部の前記外側部位同士及び前記内側部位同士を、それぞれ前記ステータコアの周方向にずらしながら、N本の前記コイル線材のターン部同士を重ねることが好ましい。
上記(2)に記載の方法によれば、各コイル線材の斜行部同士が径方向に干渉しないので、得られる1層分のコイルユニットの径方向の厚みを抑えることができ、その結果、波巻コイルの径方向の厚みを抑えることができる。
(3) (1)又は(2)に記載の波巻コイルの挿入方法において、1層分の前記コイルユニットを前記スロットに挿入する複数回の前記挿入工程を1単位挿入工程とし、前記1単位挿入工程を更に複数回繰り返すことにより、スロット内で複数の前記コイルユニットを径方向に積層し、前記スロット内の最も開口部(例えば、後述の開口部521)側に配置される前記コイルユニットを前記スロットへ挿入する前記1単位挿入工程において、前記コイル線材の前記ストレート部を径方向に移動させる際に、前記コイル線材を前記スロットの底部(例えば、後述の底部522)側への変形移動によって前記スロット内に挿入するようにしてもよい。
上記(3)に記載の波巻コイルの挿入方法によれば、スロット内の最も開口部側のコイルユニットを挿入する前に、他のコイルユニットは既にスロット内に配置されているため、コイル線材の挿入方向の変形は1層分の変形代で良く、変形量を最小限にとどめることができる。
(4) (3)に記載の波巻コイルの挿入方法において、前記スロット内の最も前記開口部側に配置される前記コイルユニットを前記スロットへ挿入する際、前記コイル線材を前記スロットの底部側への弾性復元力によって前記スロット内に挿入し、前記スロット内に既に配置される前記コイルユニットのうちの最も前記開口部側の前記コイルユニットに接触させるようにしてもよい。
上記(4)に記載の波巻コイルの挿入方法によれば、スロットの最も開口部側に挿入されるコイルユニットのコイル線材が、弾性復元力によって突っ張ることにより、それよりもスロット内の底部側に隣り合うコイルユニットをスロット内に保持できるため、各層のコイルユニットのコイル線材が径方向に飛び出すことを防止できる。
(5) 本発明に係る波巻コイルは、複数並列配置されてステータコア(例えば、後述のステータコア50)のスロット(例えば、後述のスロット52)に挿入されるストレート部(例えば、後述のストレート部11)と、隣り合う前記ストレート部の端部(例えば、後述の上端部11a、下端部11b)同士を連結する複数のターン部(例えば、後述のターン部12)と、を有するコイル線材(例えば、後述のコイル線材10)を複数本用いて構成される波巻コイル(例えば、後述の波巻コイル2)であって、複数本の前記コイル線材のそれぞれの前記ストレート部が、それぞれ異なる前記スロット内の径方向の同一位置に配置可能に設けられると共に、前記ステータコアの1周分以下の長さを有する1層分のコイルユニットを、前記ステータコアの径方向に複数積層することにより構成される。
上記(5)に記載の波巻コイルによれば、ステータコアの1周分以下の長さを有するコイルユニットとすることで、コイル線材を編み込む必要がなく、且つ、ステータコアにコイル線材を順次1本ずつ挿入していくだけで容易に組立てすることが可能である。
(6) (5)に記載の波巻コイルにおいて、前記ターン部は、2つの斜行部(例えば、後述の斜行部121)と1つの頂部(例えば、後述の頂部122)とを有し、前記2つの斜行部のうちの一方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向外側にオフセットして配置される外側部位(例えば、後述の外側部位121a)を構成する共に、前記2つの斜行部のうちの他方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向内側にオフセットして配置される内側部位(例えば、後述の内側部位121b)を構成し、前記2つの斜行部のオフセット方向が、積層方向に隣り合う前記コイルユニットで互いに反対方向になるように、前記コイルユニットを前記ステータコアの径方向に複数積層することにより構成されることが好ましい。
上記(6)に記載の波巻コイルによれば、隣り合う層を構成するコイルユニットのターン部同士が干渉しないので、コイルユニットを複数積層して得られる波巻コイルの径方向の厚みを抑えることができる。
(7) (5)又は(6)に記載の波巻コイルにおいて、前記ステータコアの径方向に複数積層された前記コイルユニットのうち、前記スロット内の最も開口部(例えば、後述の開口部521)側に配置される前記コイルユニットは、前記コイル線材が前記スロットの底部(例えば、後述の底部522)側への変形移動を伴って前記スロット内に配置されているものでもよい。
上記(7)に記載の波巻コイルによれば、スロット内の最も開口部側のコイルユニットを挿入する前に、他のコイルユニットは既にスロット内に配置されているため、コイル線材の径方向の変形は1層分の変形代で良く、変形量を最小限にとどめることができる。
(8) (7)に記載の波巻コイルにおいて、前記スロット内の最も前記開口部側に配置される前記コイルユニットは、前記スロットの底部側への弾性復元力によって、それよりも前記スロット内の底部側に隣り合う前記コイルユニットに接触していてもよい。
上記(8)に記載の波巻コイルによれば、スロットの最も開口部側に挿入されるコイルユニットのコイル線材が、弾性復元力によって突っ張ることにより、それよりもスロットの底部側に隣り合うコイルユニットをスロット内に保持できるため、各層のコイルユニットのコイル線材が径方向に飛び出すことを防止できる。
(9) (5)~(8)のいずれかに記載の波巻コイルにおいて、前記斜行部は、一端部が前記ストレート部の前記端部に連結される第1の線材部分(例えば、後述の第1の線材部分123)と、前記第1の線材部分の他端部から前記頂部に向けて延びる前記第2の線材部分(例えば、後述の第2の線材部分124)と、を有し、前記第1の線材部分の前記ストレート部に対する傾斜角度(例えば、後述のθ1)は、前記第2の線材部分の前記ストレート部に対する傾斜角度(例えば、後述のθ2)よりも大きいことが好ましい。
上記(9)に記載の波巻コイルによれば、斜行部の根元とステータコアの軸方向の端面との間に、隙間が形成されるため、隣接する斜行部との間に挿入治具を配置させるための配置スペースを更に大きく確保することができる。
本発明によれば、挿入治具のための十分な配置スペースを確保でき、小径のステータコアにも挿入可能な波巻コイルの挿入方法を提供することができる。
また、本発明によれば、ステータコアの1周分の長さを有するコイルユニットを、編み込む必要がなく、且つ、ステータコアにコイル線材を順次1本ずつ挿入していくだけで容易に組立てすることができる波巻コイルを提供することができる。
本発明に係る波巻コイルが挿入されるステータコアの一実施形態を示す平面図である。 本発明に係る波巻コイルを構成する1層分のコイルユニットの第1形態を示す平面図である。 図2に示すコイルユニットを構成する1本のコイル線材を示す部分正面図である。 図3に示すコイル線材の平面図である。 図3に示すコイル線材が2本並列した状態を示す正面図である。 図5に示すコイル線材の平面図である。 図3中のX部の拡大図である。 1層目のコイルユニットのうちの1本目のコイル線材がスロットに挿入される前の状態を示す斜視図である。 1層目のコイルユニットのうちの1本目のコイル線材がスロットに挿入された後の状態を示す斜視図である。 1層目のコイルユニットのうちの2本目のコイル線材がスロットに挿入される前の状態を示す斜視図である。 1層目のコイルユニットのうちの2本目のコイル線材がスロットに挿入された後の状態を示す斜視図である。 1層目のコイルユニットがスロットに挿入された後の状態を示す斜視図である。 本発明に係る波巻コイルを構成する1層分のコイルユニットの第2形態を示す平面図である。 図13に示すコイルユニットを構成するコイル線材が2本並列した状態を示す正面図である。 図14に示すコイル線材の平面図である。 2層目のコイルユニットのうちの1本目のコイル線材がスロットに挿入される前の状態を示す斜視図である。 2層目のコイルユニットのうちの1本目のコイル線材がスロットに挿入された後の状態を示す斜視図である。 2層目のコイルユニットがスロットに挿入された後の状態を示す斜視図である。 8層分のコイルユニットがスロットに挿入されて波巻コイルが構成された状態を示す斜視図である。 スロット内の各相のコイル線材におけるストレート部の配列状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
先ず、本発明に係る波巻コイルが挿入されるステータコアの一実施形態について、図1を用いて説明する。
ステータコア50は、中央に円形の軸孔51を有する六角柱状に形成される。軸孔51の内周側には、後述の波巻コイルが装着される複数のスロット52が、ステータコア50の周方向(D1方向に沿う方向)に沿って均等間隔で放射状に配列されている。各スロット52は、ステータコア50の軸方向(図1における紙面に対する垂直方向)に貫通している。また、各スロット52は、径方向(D2方向に沿う方向)の内側の軸孔51に開放する開口部521から、径方向の外側に配置される底部522に向けて凹設された溝状にそれぞれ形成されている。このステータコア50は、72個のスロット52を備え、各スロット52に後述の波巻コイルが挿入されることにより、72スロットのステータを構成する。
次に、このステータコア50のスロット52に挿入される波巻コイルについて説明する。図2は、本発明に係る波巻コイルを構成する1層分のコイルユニットの一形態を示す平面図である。
本発明に係る波巻コイルは、ステータコア50の1周分に相当する1層分のコイルを構成するコイルユニットが、ステータコア50のスロット52内で、径方向に複数積層されることにより構成される。波巻コイルを構成する複数層のコイルユニットは1層毎に分割され、それぞれ独立している。なお、通常、コイルユニットは、スロット52に挿入される際に巻回状態とされるが、図2に示すコイルユニット1Aは、一平面上に広げられた状態を示している。
図2に示すコイルユニット1Aは、複数本のコイル線材10により構成される。このコイルユニット1Aは、波巻コイルにおいて奇数層を構成する。1本のコイル線材10は、ステータの1つの相に対応する。本実施形態に示すコイルユニット1Aは、U1及びU2の2つのU相と、V1及びV2の2つのV相と、W1及びW2の2つのW相と、に対応する3相6本のコイル線材10により構成される。コイルユニット1Aにおける6本のコイル線材10は、略同一の波型形状を有する。また、コイルユニット1Aは、ステータコア50の周方向の1周分の長さを有する。コイルユニット1Aを構成する6本のコイル線材10は、ステータコア50の軸方向(D3方向に沿う方向)の位置を同一に揃えると共に、ステータコア50の周方向(D1方向)に1スロット分ずつずらして、紙面奥側から手前側にかけて、編み込まれることなく順次重ねられている。この構成により、コイルユニット1Aは、ステータコア50のスロット52内に、コイル線材10を順次1本ずつ挿入するだけで組立て可能になる。
コイル線材10について、更に図3~図6を参照して詳細に説明する。図3は、図2に示すコイルユニットを構成する1本のコイル線材を示す部分正面図である。図4は、図3に示すコイル線材の平面図である。図5は、図3に示すコイル線材が2本並列した状態を示す正面図である。図6は、図5に示すコイル線材の平面図である。
コイル線材10は、銅やアルミ等の断面矩形状の導体と、その導体の外表面を覆う絶縁被覆とからなる平角線により形成される。コイル線材10は、ステータコア50の周方向に沿って所定の間隔をおいて並列される複数のストレート部11と、隣り合うストレート部11、11の端部同士を山型状に連結する複数のターン部12と、を有し、ステータコア50の周方向に長尺な波型形状に形成される。
ストレート部11は、ステータコア50のスロット52内に挿入される部位であり、スロット52の軸方向の長さと同一又は僅かに長く形成される。本実施形態に示す1本のコイル線材10は、図2に示すように12本のストレート部11を有する。1本のコイル線材10における12本のストレート部11は、隣り合うストレート部11、11の間に5スロット分の間隔をおいて並列配置される。
1本のコイル線材10において、12本のストレート部11は、このコイル線材10がステータコア50のスロット52内に挿入された際、スロット52内における12本のストレート部11の径方向(スロット52の深さ方向)の位置は、全て同一となる。即ち、コイル線材10を一平面上に展開した場合、12本のストレート部11は全て同一平面上に配列されるように形成されている。
ターン部12は、1本のコイル線材10において隣り合うストレート部11、11同士を、ステータコア50の軸方向の両外側で連結する。具体的には、ターン部12は、隣り合うストレート部11、11の上端部11a、11a同士又は下端部11b、11b同士を、ステータコア50の周方向に沿って交互に連結するように設けられる。
ターン部12は、2つの斜行部121、121と、1つの頂部122と、を有する。斜行部121の一端は、ストレート部11の上端部11a又は下端部11bと一体に連結されている。1つのターン部12を構成する2つの斜行部121、121は、ストレート部11、11との連結部位から互いに近づく方向に斜め上方又は斜め下方に延びている。頂部122は、2つの斜行部121、121の他端同士が一体に連結することにより形成される。
図4に示すように、各ターン部12の2つの斜行部121、121のうちの一方は、ストレート部11の位置に対してステータコア50の径方向外側(D2方向、図3における紙面奥側)にオフセットして配置される外側部位121aを構成する。同様に、各ターン部12の2つの斜行部121、121のうちの他方は、ストレート部11の位置に対してステータコア50の径方向内側(D2方向と反対方向、図3における紙面手前側)にオフセットして配置される内側部位121bを構成する。図3、図4に示すコイル線材10において、外側部位121aは、ターン部12を構成する2つの斜行部121、121のうち、頂部122を境にしてD1方向(図示右側)に配置される斜行部121により構成され、内側部位121bは、その反対方向(図示左側)に配置される斜行部121により構成される。
コイル線材10は、両端部にコイル端末部13、13を有する。コイル端末部13は、図示しない駆動回路と電気的に接続される部位であり、両端部に配置されるストレート部11、11の上端部11a、11aにそれぞれ連結される。コイル端末部13は、ストレート部11の上端部11aと連結される1つの斜行部131と、この斜行部131の上端に連結されて上方に延びる端子部132と、を有する。2つのコイル端末部13、13の各斜行部131、131は、ストレート部11に対して同一方向(図2における左方向)に傾斜している。コイル端末部13は、ストレート部11に対してステータコア50の径方向にオフセットしていない。即ち、コイル線材10を一平面上に展開した場合、斜行部131、端子部132及びストレート部11は、全て同一平面上に配列されるように形成されている。
図2に示す1層分のコイルユニット1Aは、同一構造の上記コイル線材10が6本並列されることにより構成される。ここで、6本のうちの2本のコイル線材10、10が並列された状態について、図5、図6を用いて説明する。
2本のコイル線材10、10は、1本目のコイル線材10の上に、2本目のコイル線材10を、ステータコア50の周方向に1スロット分ずらすことにより並列して重ねられる。図5では、紙面手前側に配置される2本目のコイル線材10が、紙面奥側に配置される1本目のコイル線材10に対して、D1方向(図示右方向)に1スロット分ずれて重ねられている。従って、1本目のコイル線材10のストレート部11と2本目のコイル線材10のストレート部11とは、ステータコア50の隣り合うスロット52、52にそれぞれ挿入されることになる。
2本のコイル線材10、10がステータコア50の周方向に対応するD1方向にずれて重ねられることにより、各コイル線材10、10のターン部12、12同士もずれて重ねられる。即ち、図5に示すように、各ターン部12、12の頂部122、122は、D1方向に1スロット分だけずれる。このとき、図6に示すように、各ターン部12の外側部位121aを構成する斜行部121と内側部位121bを構成する斜行部121とが、相互に組み合わされる。このため、1本目のコイル線材10に2本目のコイル線材10をステータコア50の径方向に重ねる際、1本目のコイル線材10のターン部12における内側部位121bは、2本目のコイル線材10のターン部12における内側部位121bに対して周方向にずれることにより、ステータコア50の軸方向の外側(D3方向に沿う上側)にそれぞれ重なるように配置され、1本目のコイル線材10のターン部12における外側部位121aは、2本目のコイル線材10のターン部12における外側部位121aに対して周方向にずれることにより、ステータコア50の軸方向の内側(D3方向に沿う下側)にそれぞれ重なるように配置される。
その結果、2本のコイル線材10、10を一平面上に展開した場合、図6に示すように、各コイル線材10、10の各ターン部12、12の外側部位121a、121a同士及び内側部位121b、121b同士は、全て同一平面上に配列される。また、全てのストレート部11及びコイル端末部13も、全て同一平面上に配列される。このため、複数のコイル線材10、10を径方向に重ねても、コイル線材10、10同士が互いに干渉し合うことがなく、積層方向の厚みを抑えることができる。同様にして、6本全てのコイル線材10を順次重ねることにより、図2に示す1層分のコイルユニット1Aが形成される。
なお、図7に示すように、コイル線材10のターン部12において、各斜行部121は、第1の線材部分123と、第2の線材部分124と、をそれぞれ有する。図7は、ストレート部11の上端部11aに連結されるターン部12の一方の斜行部121を示しているが、他方の斜行部121も左右対称に同様の構成を有する。また、ストレート部11の下端部11bに連結されるターン部12の各斜行部121、121も上下対称に同様の構成を有する。
第1の線材部分123は、斜行部121においてストレート部11側に配置される部位である。第1の線材部分123の一端は、ストレート部11の上端部11a(又は下端部11b)に連結される。一方、第2の線材部分124は、斜行部121において頂部122側に配置される部位である。第2の線材部分124は、第1の線材部分123の他端から頂部122に向けて延び、第1の線材部分123と頂部122とを連結する。
第1の線材部分123と第2の線材部分124とは、ストレート部11に対する傾斜角度が相違する。第1の線材部分123のストレート部11に対する傾斜角度θ1は、第2の線材部分124のストレート部11に対する傾斜角度θ2よりも大きい。これにより、図5、図7に示すように、斜行部121の根元とステータコア50の軸方向の端面50aとの間に、拡張された隙間Sが形成される。この隙間Sは、より剛性の高い挿入治具(図示せず)を配置させるための配置スペースとなる。
次に、図8~図12を参照して、先ず、ステータコア50のスロット52に、1層分のコイルユニット1Aを挿入する方法について説明する。なお、コイルユニット1A及びコイル線材10をスロット52に挿入する際には、挿入治具(図示せず)が使用されるが、以下の説明では省略する。
本発明において、1層分のコイルユニット1Aをスロット52に挿入する際、6本のコイル線材10の全てのストレート部11を一度にスロット52に挿入せず、複数回に分けてスロット52に挿入する。即ち、1層分のコイルユニット1AがN本(Nは2以上の自然数)のコイル線材10により構成される場合、1本以上N本未満のコイル線材10のストレート部11をスロット52に挿入する挿入工程を複数回繰り返すことにより、1層分のコイルユニット1Aを構成する全て(本実施形態では6本)のコイル線材10をスロット52に挿入する。
以下においては、コイル線材10をスロット52に1本ずつ挿入する挿入工程を6回繰り返すことにより、1層分のコイルユニット1Aをスロット52に挿入する場合について説明する。しかし、本実施形態の場合、スロット52に対して1度に挿入するコイル線材10の本数は、1本以上6本未満であればよい。従って、例えば、コイル線材10を2本ずつ挿入する挿入工程を3回繰り返す等のように、1度に複数本のコイル線材10を挿入してもよい。
先ず、1本目のコイル線材10を、ステータコア50の軸孔51よりも小径となるように縮径させて円形に巻回させ、軸孔51内に挿入する(図8)。
次いで、巻回した縮径状態のコイル線材10を弾性変形、もしくは塑性変形によって拡径させ、12本のストレート部11をスロット52の開口部521から底部522に向けて径方向に移動させることにより、スロット52に挿入する。このとき、12本のストレート部11は、5つおきのスロット52にそれぞれ挿入される。各ターン部12は、ステータコア50の軸方向の両外側にそれぞれ突出して配置される。また、コイル端末部13、13は、ステータコア50の軸方向外側の同一側(本実施形態では上側)に突出して配置される(図9)。
1本目のコイル線材10がスロット52に挿入された後、2本目のコイル線材10を、1本目と同様、ステータコア50の軸孔51よりも小径となるように縮径させて円形に巻回させ、軸孔51内に挿入する(図10)。
次いで、巻回した縮径状態のコイル線材10を弾性変形、もしくは塑性変形によって拡径させ、1本目と同様にして、12本のストレート部11をスロット52の開口部521から底部522に向けて径方向に移動させることにより、スロット52に挿入する。このとき、12本のストレート部11は、1本目のコイル線材10のストレート部11に対して、周方向の1つ右隣りのスロット52にそれぞれ挿入される。これにより、各ターン部12、12同士及びコイル端末部13、13同士は、図5、図6に示したように重なり合って配置される(図11)。
同様にして、1本ずつのコイル線材10を、1スロット分ずつ周方向の右隣りにずらしながらスロット52に挿入する工程を6回繰り返すことにより、6本のコイル線材10からなる1層分のコイルユニット1Aがスロット52に挿入される(図12)。このときのコイルユニット1Aの全てのストレート部11は、各スロット52における径方向外側の同一位置(最も底部522側の位置)に配置される。
このように、波巻コイルのうちの1層分を形成する際に、1層分のコイルユニット1Aを構成する複数本のコイル線材10を、複数回に分けてスロット52に挿入するので、1層分のコイルユニット1Aの全てのコイル線材10を同時にスロット52に挿入する場合に比べて、挿入治具(図示せず)の配置スペースを容易に確保することができる。このようにコイル線材10を1本ずつ挿入する場合、6本全てを同時挿入する場合に比べて略6倍の挿入治具の配置スペースを確保することができる。そのため、小径のステータコアにも挿入可能となる。また、図7に示したように、本実施形態に示すコイル線材10は、重ねられたコイル線材10、10の隣接する斜行部121、121の間に、挿入治具の配置スペースが大きく確保されるため、コイル線材10をスロット52へ挿入する際の作業性がより良好となる。また、コイル線材10を1層分ずつ、好ましくは1本ないし複数本ずつ挿入することで、挿入過程における変形量・変形応力を低減することができ、これにより、挿入装置を小型かつ安価にすることが可能である。
波巻コイルは、1層分のコイルユニットをスロット52に挿入する上記の工程を1単位挿入工程とし、この1単位挿入工程を上記同様にして複数回繰り返すことにより、コイルユニットを径方向の内側に向けて、2層目(偶数層)、3層目(奇数層)、・・・という具合に複数積層することにより構成される。ここで、波巻コイルの偶数層を構成するコイルユニット1Bについて、図13~図15を参照して説明する。図13は、本発明に係る波巻コイルを構成する1層分のコイルユニットの他の一形態を示す平面図である。図14は、図13に示すコイルユニットを構成するコイル線材が2本並列した状態を示す正面図である。図15は、図14に示すコイル線材の平面図である。
偶数層を構成するコイルユニット1Bは、奇数層を構成するコイルユニット1Aと実質的に同一構造であるが、複数のコイル線材10を重ねる際のずらし方向が、コイルユニット1Aと反対方向となるように構成される点で、コイルユニット1Aと相違する。即ち、図14に示すように、コイルユニット1Bのうちの2本のコイル線材10、10が重ねられる際、紙面手前側に配置される2本目のコイル線材10は、紙面奥側に配置される1本目のコイル線材10に対して、D1方向と反対方向(図示左方向)に1スロット分ずれて重ねられる。
また、各コイル線材10のターン部12の2つの斜行部121、121において、頂部122に対して図示左側に配置される斜行部121が外側部位121aを構成し、図示右側に配置される斜行部121が内側部位121bを構成している。即ち、ターン部12を構成する2つの斜行部121、121のオフセット方向は、奇数層を構成するコイルユニット1Aにおけるコイル線材10の2つの斜行部121、121のオフセット方向と反対方向となるように形成されている。このため、重ねられた2本のコイル線材10、10の各ターン部12が相互に組み合わされる際、1本目のコイル線材10のターン部12における内側部位121bは、2本目のコイル線材10のターン部12における内側部位121bに対して周方向にずれることにより、ステータコア50の軸方向の内側(D3方向に沿う下側)にそれぞれ重なるように配置され、1本目のコイル線材10のターン部12における外側部位121aは、2本目のコイル線材10のターン部12における外側部位121aに対して周方向にずれることにより、ステータコア50の軸方向の外側(D3方向に沿う上側)にそれぞれ重なるように配置される。
次に、1層目のコイルユニット1A(奇数層)の内側に、2層目のコイルユニット1B(偶数層)を積層する方法(2回目の1単位挿入工程)について、図16~図18を用いて説明する。
偶数層を構成するコイルユニット1Bも、奇数層を構成するコイルユニット1Aと同様に、コイル線材10を複数回に分けてスロット52に挿入する。ここでも、コイルユニット1Aと同様、コイル線材10を1本ずつ6回に分けてスロット52に挿入する場合について説明する。
先ず、1本目のコイル線材10を、ステータコア50の軸孔51よりも小径となるように縮径させて円形に巻回させ、軸孔51内に挿入する(図16)。
次いで、巻回した縮径状態のコイル線材10を弾性変形、もしくは塑性変形により拡径させ、12本のストレート部11をスロット52の開口部521から底部522に向けて径方向に移動させることにより、スロット52に挿入する。このとき、12本のストレート部11は、1層目のコイルユニット1Aの1本目のコイル線材10のストレート部11に対して、周方向左側へ5スロット飛びのスロット52にそれぞれ挿入される(図17)。
1本目のコイル線材10がスロット52に挿入された後は、残り5本のコイル線材10を、1本目と同様にして、周方向の1つずつ左隣りのスロット52に順次挿入することにより、6本のコイル線材10からなる2層目のコイルユニット1Bがスロット52に挿入される(図18)。このときのコイルユニット1Bの全てのストレート部11は、各スロット52における径方向の同一位置に配置される。このストレート部11の位置は、1層目のコイルユニット1Aのストレート部11に対して、径方向の内側(スロット52の開口部521側)に配置される。
同様にして、2層目のコイルユニット1B(偶数層)の更に内側に、コイルユニット1A(奇数層)、コイルユニット1B(偶数層)、・・・を交互に順次積層することにより、ステータコア50のスロット52に、複数層(本実施形態では8層)のコイルユニット1A、1Bが挿入されて積層される。即ち、1単位挿入工程を8回繰り返すことにより、ステータコア50のスロット52に、8層分のコイルユニット1A、1Bからなる波巻コイル2が装着される(図19)。
奇数層を構成するコイルユニット1Aと偶数層を構成するコイルユニット1Bとは、各ターン部12の2つの斜行部のオフセット方向を異ならせているので、積層方向に隣り合うコイルユニット1A、1Bのターン部12、12同士が干渉することはない。このため、複数のコイルユニット1A、1Bを積層して得られる波巻コイル2の径方向の厚みは抑えられる。
また、8層分のコイルユニット1A、1Bは、スロット52内の径方向の外側(スロット52の底部522側)から内側(スロット52の開口部521側)に向けて、編み込むことなく順次積層されるので、各スロット52内のストレート部11は、コイルユニット1A、1Bの積層順と同じく、底部522側から開口部521側に向けて、1層目~8層目の順に配置される。その結果、コイルユニット1A、1Bのそれぞれの異なるスロット52内のストレート部11は、図20に示すように、それぞれ径方向(スロット52の深さ方向)の同一位置に配置される。従って、この波巻コイル2によれば、ステータコア50の1周分の長さを有する各コイルユニット1A、1Bを、コイル線材10を編み込む必要なく積層できるため、ステータコア50にコイル線材10を順次1本ずつ挿入していくだけで容易に組立てすることができる。
ところで、複数積層されるコイルユニット1A、1Bのうち、少なくとも径方向最内周(スロット52内の最も開口部521側)に配置されるコイルユニット1A又は1B(本実施形態の場合、コイルユニット1B)をスロット52へ挿入する1単位挿入工程においては、縮径させたコイル線材10を、スロット52の底部522側への変形移動を伴って拡径させながら、コイル線材10のストレート部11を径方向に移動させることにより挿入してもよい。スロット52内の最も開口部521側のコイルユニット1Bを挿入する前に、他のコイルユニットは既にスロット52内に配置されているため、コイル線材10の挿入方向の変形は1層分の変形代で良く、変形量を最小限にとどめることができる。
また、スロット52内の最も開口部521側のコイルユニット1Bをスロット52へ挿入する際は、コイル線材10をスロット52の底部522側への弾性復元力によってスロット52内に挿入し、最内周のコイルユニット1A又は1Bを構成するコイル線材10が、ステータコア50のスロット52内で拡径方向に弾性復元力を残した状態としても良い。より好ましくは、コイル線材10が拡径する範囲内でスロット52内の径方向外周側のコイルユニット1B又は1Aに接触させるようにしてもよい。
ここで、「コイル線材が拡径する範囲内」とは、コイル線材10を縮径させた状態から弾性復元力によって完全に拡径し終えるまでのコイル線材10の変形の範囲内のことである。
これにより、径方向最内周のコイルユニット1A又は1Bのコイル線材10が、弾性復元力によって径方向外側に向けて突っ張ることにより、最内周のコイルユニット1A又は1Bだけでなく、それよりも径方向外周側に配置されるコイルユニット1A、1Bをスロット52内に保持することができるため、各層のコイルユニット1A、1Bのコイル線材10が径方向内側に飛び出すことを防止できる。
以上の実施形態に示す波巻コイル1は、8層分のコイルユニット1A、1Bにより構成されるものとしたが、波巻コイルの層数は複数層であればよく、8層に限定されない。また、ステータコア50も72スロットに限定されない。また、複数層を構成するコイルユニット1A、1Bの順序は、一番最初をコイルユニット1Bとし、その次をコイルユニット1Aとしてもよい。
また、波巻コイル1のコイルユニット1A、1Bは、ステータコア50の1周分に相当する長さを有するものに限らず、ステータコア50の1周分よりも短い長さを有するものであってもよい。この場合は、図示しないが、複数の小コイルユニットを周方向に並べることにより、ステータコア50の1周分の長さを有するコイルユニットが構成される。
1A (奇数層を構成する)コイルユニット
1B (偶数層を構成する)コイルユニット
10 コイル線材
11 ストレート部
11a (ストレート部の)上端部
11b (ストレート部の)下端部
12 ターン部
121 斜行部
121a 外側部位
121b 内側部位
122 頂部
123 第1の線材部分
124 第2の線材部分
2 波巻コイル
50 ステータコア
52 スロット
521 (スロットの)開口部
522 (スロットの)底部

Claims (9)

  1. 複数並列配置されてステータコアのスロットに挿入されるストレート部と、隣り合う前記ストレート部の端部同士を連結する複数のターン部と、両端部のコイル端末部と、をそれぞれ有するN本(Nは2以上の自然数)のコイル線材により構成され、前記ストレート部がそれぞれ異なる前記スロット内の径方向の同一位置に配置されることにより、前記ステータコアの1周分以下の長さを有する1層分のコイルユニットが形成され、前記コイルユニットが前記ステータコアの径方向に複数積層されるように挿入される、波巻コイルの挿入方法であって、
    1本以上N本未満の前記コイル線材の前記ストレート部を、前記スロットの開口部から底部に向けて径方向に移動させることにより、1本以上N本未満の前記コイル線材を前記スロットに挿入する挿入工程を有し、
    前記挿入工程を複数回繰り返し、N本の前記コイル線材の前記ストレート部をそれぞれ異なる前記スロット内に配置させると共に、N本の前記コイル線材の前記ターン部同士を前記ステータコアの径方向に挿入順に重ねることにより、両端部に前記コイル端末部が配列される独立した1層分の前記コイルユニットを前記スロットに挿入する、波巻コイルの挿入方法。
  2. 前記ターン部は、2つの斜行部と1つの頂部とを有し、
    前記2つの斜行部のうちの一方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向外側にオフセットして配置される外側部位を構成すると共に、前記2つの斜行部のうちの他方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向内側にオフセットして配置される内側部位を構成し、
    前記挿入工程を複数回繰り返して1層分の前記コイルユニットを前記スロットに挿入する際に、N本の前記コイル線材の前記ターン部の前記外側部位同士及び前記内側部位同士を、それぞれ前記ステータコアの周方向にずらしながら、N本の前記コイル線材の前記ターン部同士を重ねる、請求項1に記載の波巻コイルの挿入方法。
  3. 1層分の前記コイルユニットを前記スロットに挿入する複数回の前記挿入工程を1単位挿入工程とし、前記1単位挿入工程を更に複数回繰り返すことにより、スロット内で複数の前記コイルユニットを径方向に積層し、
    前記スロット内の最も開口部側に配置される前記コイルユニットを前記スロットへ挿入する前記1単位挿入工程において、前記コイル線材の前記ストレート部を径方向に移動させる際に、前記コイル線材を前記スロットの底部側への変形移動によって前記スロット内に挿入する、請求項1又は2に記載の波巻コイルの挿入方法。
  4. 前記スロット内の最も前記開口部側に配置される前記コイルユニットを前記スロットへ挿入する際、前記コイル線材を前記スロットの底部側への弾性復元力によって前記スロット内に挿入し、前記スロット内に既に配置される前記コイルユニットのうちの最も前記開口部側の前記コイルユニットに接触させる、請求項3に記載の波巻コイルの挿入方法。
  5. 複数並列配置されてステータコアのスロットに挿入されるストレート部と、隣り合う前記ストレート部の端部同士を連結する複数のターン部と、両端部のコイル端末部と、を有するコイル線材を複数本用いて構成される波巻コイルであって、
    N本(Nは2以上の自然数)の前記コイル線材によって、両端部に前記コイル端末部が配列されると共に前記ステータコアの1周分以下の長さを有する独立した1層分のコイルユニットが形成され、
    1層分の前記コイルユニットにおけるN本の前記コイル線材のそれぞれの前記ストレート部が、それぞれ異なる前記スロット内の径方向の同一位置に配置可能に設けられると共に、1層分の前記コイルユニットを、前記ステータコアの径方向に挿入順に複数積層することにより構成される、波巻コイル。
  6. 前記ターン部は、2つの斜行部と1つの頂部とを有し、
    前記2つの斜行部のうちの一方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向外側にオフセットして配置される外側部位を構成する共に、前記2つの斜行部のうちの他方は、前記ストレート部に対して前記ステータコアの径方向内側にオフセットして配置される内側部位を構成し、
    前記2つの斜行部のオフセット方向が、積層方向に隣り合う前記コイルユニットで互いに反対方向になるように、前記コイルユニットを前記ステータコアの径方向に複数積層することにより構成される、請求項5に記載の波巻コイル。
  7. 前記ステータコアの径方向に複数積層された前記コイルユニットのうち、前記スロット内の最も開口部側に配置される前記コイルユニットは、前記コイル線材が前記スロットの底部側への変形移動を伴って前記スロット内に配置されている、請求項5又は6に記載の波巻コイル。
  8. 前記スロット内の最も前記開口部側に配置される前記コイルユニットは、前記スロットの底部側への弾性復元力によって、それよりも前記スロット内の底部側に隣り合う前記コイルユニットに接触している、請求項7に記載の波巻コイル。
  9. 前記斜行部は、一端部が前記ストレート部の前記端部に連結される第1の線材部分と、前記第1の線材部分の他端部から前記頂部に向けて延びる前記第2の線材部分と、を有し、
    前記第1の線材部分の前記ストレート部に対する傾斜角度は、前記第2の線材部分の前記ストレート部に対する傾斜角度よりも大きい、請求項5~8のいずれか1項に記載の波巻コイル。
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