JP7079687B2 - 活物質層、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

活物質層、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、活物質層、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池に関する。
従来、高エネルギー密度を有する二次電池として、リチウムイオン二次電池が幅広く普及している。そして近年、使用機器の消費エネルギー増加に伴い、リチウムイオン二次電池にはさらなる高エネルギー密度化が切望されている。
リチウムイオン二次電池の負極は、初期充電過程で、リチウムイオンが負極材料にインターカレーションすることによって、負極の表面にSEI(solid electrolyte interface)被膜を形成する(特許文献1参照)。SEI被膜は、電子は通過させないが、リチウムイオンは通過可能な膜であり、SEI被膜の存在によって、負極としての作用が可能となることが知られている。
また、適度な厚さのSEI被膜は、保護膜として機能し、負極材料と電解液との反応を抑制して、電池のサイクル寿命を向上させることができる。
初期充電時にSEI被膜を形成させる方法としては、電解液や電極合剤に予め所望の添加剤を投入しておき、電池を形成した後に、電極と電解液との間で積極的に反応を進行させることにより、電極活物質表面にSEI被膜を形成する、エージングといわれる方法が提案されている(特許文献2および3参照)。
しかしながら、SEI被膜はリチウム化合物からなる膜であるため、SEI被膜の材料として消費されたリチウムは、リチウムイオンとして充電容量に寄与することができず、初期充電時に不可逆容量、すなわち充電容量と放電容量との差を増大させていた。
また、リチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返すと、SEI被膜が不均一に成長し、その結果、SEI被膜が薄い箇所と厚い箇所とが不均一に存在する状況となる。図1に、従来のSEI層の形成状態を示す。図1においては、集電体1上に、活物質粒子2が集合した層が存在し、活物質粒子2の外層にSEI層3が形成されている。従来の活物質層を示す図1においては、SEI層3は、電池の充放電の繰り返しにより、不均一な厚みで活物質粒子2を被覆するよう形成される。
そして、SEI被膜が薄い箇所では、活物質と電解液との反応が促進して劣化が加速する。一方で、SEI被膜が厚い箇所では、絶縁性が上昇することから抵抗が増加し、電池性能を低下させていた。
特開平11-111267号公報 特開平11-126633号公報 特開2010-199043号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、被膜形成時に電池内に存在するリチウムの消費を抑制しつつ、高容量で、充放電による不均一なSEI被膜の成長を抑制できる、活物質層、電極、および活物質層の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、SEI被膜の形成や成長に着目し、鋭意検討を行った。その結果、電極活物質の表面に形成されるSEI被膜を、電池を構成する前に予め作成しておけば、電池内に存在するリチウムの消費を抑制しつつ、高容量で、低抵抗を維持できるリチウムイオン二次電池が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、少なくとも一部の表面に、被覆層を有する活物質層であって、前記活物質層は、活物質粒子が集合して層を形成したものであり、前記活物質層は、前記活物質粒子同士が直接接触した電気伝導パスを有している、活物質層である。
前記被覆層は、前記活物質層の表面、および前記活物質層の内部に形成されていてもよい。
前記活物質層の内部は、隣接する前記活物質粒子で形成される空隙の外層であってもよい。
前記被覆層は、電極形成時に形成されてもよい。
前記被覆層は、下記式(1)で示されるリチウム含有化合物を含み、前記被覆層の被覆率は、前記活物質層の表面全体に対して30~90%であってもよい。
[化1]
LiPO4-a-b(X)(Y) (1)
(式中、Xは、N、S、B、およびSiからなる群より選ばれる1種であり、Yはハロゲン原子のいずれかであり、0.1≦a≦1、かつ0.1≦b≦1である。)
前記被覆層の膜厚は、10~200nmであってもよい。
また別の本発明は、上記の活物質層を含む、リチウムイオン二次電池用負極である。
また別の本発明は、上記のリチウムイオン二次電池用負極と、電解質と、正極と、を備えるリチウムイオン二次電池である。
リチウムイオン二次電池は、容量維持率が71%以上であってもよい。
リチウムイオン二次電池は、抵抗増加率が2.8%以下であってもよい。
本発明の活物質層によれば、電池内に存在するリチウムの消費を抑制しつつ、高容量で、低抵抗を維持できるリチウムイオン二次電池を得ることができる。
従来のSEI層の形成状態を示す図である。 本発明の活物質層の一実施態様を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<活物質層>
本発明の活物質層は、活物質粒子が集合して層を形成したものであり、少なくとも一部の表面に被覆層を有するとともに、活物質粒子同士が直接接触した電気伝導パスを有している。なお、本発明の活物質層は、リチウムイオン二次電池用の正極にも、負極にも、適用することができる。
本発明の活物質層の一実施態様を、図2に示す。図2(b)においては、集電体11上に、活物質粒子12が集合した層が存在し、活物質粒子12の外層に、被覆層3が形成されている。本発明の活物質層の一実施態様を示す図2(b)おいては、被覆層3は、均一な厚みで活物質粒子2を被覆するよう形成され、この点で、電池を構成した後に形成される、従来の不均一な厚みのSEI層とは異なる。
[電気伝導パス]
本発明の活物質層は、活物質粒子同士、または電気伝導性を有する導電助剤と活物質粒子とが直接接触した電気伝導パスを有する。活物質粒子同士、または電気伝導性を有する導電助剤と活物質粒子とが直接接触した電気伝導パスとは、隣接する活物質粒子同士、または導電助剤と活物質粒子との接触界面に、何らの膜等も介在することなくこれらが直接接触することで、粒子から粒子等にダイレクトに電気伝導する道筋を意味する。
図2(b)に示される通り、本発明の活物質層は、活物質同士が直接接触する部分、すなわち、活物質層の表面に露出しない部分には、本発明の被覆層は存在しない。これにより、本発明の活物質層は、粒子から粒子にダイレクトに電気伝導することができ、その結果、電気伝導性の低下を抑制することが可能となる。
[被覆層]
(形成場所)
本発明の活物質層における被覆層は、活物質層の表面のみならず、活物質層の内部にも形成されている。活物質層の内部に形成される被覆層は、上記した電気伝導パスに影響を及ぼさないように、隣接する活物質粒子で形成される空隙の外層に形成されることが好ましい。
本発明の活物質層における被覆層が、活物質層の外郭のみならず、内部において、隣接する粒子で形成される空隙の外層に存在することにより、活物質層の内部に侵入する電解液と、活物質との直接接触を回避することができる。その結果、活物質は被覆層によって保護され、劣化を抑制することができる。
(形成時間)
本発明の活物質層における被覆層は、電極形成時に形成することが好ましい。電極活物質の表面に形成されるSEI被膜に相当する膜を、電池を構成する前に予め作成しておくことにより、電池形成後に、電極活物質表面にSEI被膜を形成するためのエージングを実施する必要がない。したがって、エージングの際に、SEI被膜の材料としてリチウムが消費されることを回避でき、電池内に存在するリチウムイオンはそのまま充電容量に寄与させることができる。その結果、初期充電時に発生する不可逆容量の発生を回避することができる。
また、電池を構成する前に予め均一な被覆層を作成しておくことにより、従来、充放電の繰り返しにより形成されていた不均一な厚みのSEI被膜の成長を、著しく抑制することができる。その結果、活物質と電解液との反応による劣化、および抵抗の増加による電池性能の低下の両者を、抑制することが可能となる。
(材料)
本発明の活物質層の少なくとも一部の表面を被覆する被覆層は、下記式(1)で示されるリチウム含有化合物を含むことが好ましい。
[化1]
LiPO4-a-b(X)(Y) (1)
(式中、Xは、N、S、B、およびSiからなる群より選ばれる1種であり、Yはハロゲン原子のいずれかであり、0.1≦a≦1、かつ0.1≦b≦1である。)
LiPOは、リチウムイオン導電性を有する化合物である。本発明の活物質層の少なくとも一部の表面を被覆する被覆層の材料は、LiPOの酸素原子の一部が、N、S、B、およびSiからなる群より選ばれる1種であるXと、ハロゲン原子のいずれかであるYとで、置換された構造を有することが好ましい。
N、S、B、およびSiからなる群より選ばれる1種であるXを導入することにより、リチウム導電性を向上することができる。一方で、Xの導入により、電気伝導性が犠牲となる。そこで、電気的中性を保たせる目的で、ハロゲン原子のいずれかであるYを適量導入し、電気的絶縁性を確保する。
中でも、物性の類似性の観点から、上記式(1)において、Xは、N、およびSからなる群より選ばれる1種であることが好ましい。
また、Yは、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)からなる群より選ばれるいずれかあることが好ましい。Yの導入により電気的絶縁性を確保できるが、Y原子のサイズがXと比較して大きい場合には、劣化反応抑制効果が低減する。このため、Y原子は、X原子に比べて小さいものとすることが好ましい。
さらには、イオン導電性と電気伝導性の観点から、上記式(1)において、Xは、Nであり、Yは、フッ素原子(F)である組み合わせが、最も好ましい。
また、上記式(1)において、aおよびbは、0.2≦a≦0.7かつ0.2≦b≦0.7であることが好ましく、0.4≦a≦0.7、かつ0.4≦b≦0.7であることが特に好ましい。特に、上記式(1)において、XがNであり、Yがフッ素原子(F)となるみ合わせの場合には、電気的中性となることから、aおよびbは、a=bであることが好ましい。
(被覆率)
被覆層が活物質層を被覆する割合、すなわち被覆率は、活物質層の表面全体に対して30~90%であることが好ましい。60~90%であることがさらに好ましく、70~80%であることが最も好ましい。被覆率が30%未満である場合には、被膜層による劣化の抑制効果が低下し、一方で90%を超える場合には、電気伝導性が低下するため好ましくない。30~90%の範囲であれば、電気伝導性の維持と劣化抑制とを、両立することが可能となる。
ここで、本発明における被覆率とは、活物質層の表面全体に対して、被覆層が存在している割合を意味する。本発明の活物質層は、活物質粒子が集合して層を形成した構造となっている。このため、活物質層の表面全体とは、層の外郭は勿論、層の内部にて隣接した粒子同士の間に形成される空隙も、表面として含む。
(膜厚)
本発明の活物質層における被覆層の膜厚は、10~200nmであることが好ましい。10~100nmであることがさらに好ましく、10~60nmの範囲であることが特に好ましい。膜厚が10nm未満の場合には、劣化により容量維持率等の性能が低下する。一方で、膜厚が200nmを超える場合には、厚みにより抵抗が増加する。
[活物質]
(材料)
本発明の活物質層を形成する活物質粒子の材料は、特に限定されるものではない。リチウムイオン二次電池の活物質として、公知の材料を適用することができる。
負極活物質であれば、例えば、黒鉛、コークス、熱分解炭素、ガラス状炭素、無定形炭素、黒鉛化炭素繊維、各種高分子材料の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、活性炭等の炭素材料、Si、Sn、In等の合金または金属酸化物ならびに金属窒化物等を挙げることができ、これらの中では、電気伝導性が高く容量も大きいことから、黒鉛等の炭素材料が好ましい。
正極活物質であれば、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiCoXNi1-X、LiAlXNi1-X、LiMnXNi1-X、LiNiXMn2-X、LiCoXMn2-X、LiCo1-xMg等のリチウム含有金属酸化物を挙げることができる。
(粒径)
本発明の活物質層を形成する活物質粒子の粒径は、5~50μmであることが好ましい。さらに好ましくは、10~20μmの範囲である。この範囲であれば、活物質粒子を集合して層を形成したときに、粒子同士が直接接触して電気伝導パスを形成しつつ、粒子同士の間に十分な空隙を形成することができる。そして本発明においては、当該空隙の外層に、被覆層を形成することが容易となる。
<活物質層の製造方法>
本発明の活物質層の製造方法は、特に限定されるものではないが、上記した電気伝導パスを有する状態となり、かつ、活物質粒子同士の空隙にも被覆層が存在するように、本発明の被覆層を形成することが好ましい。このため、先ず、活物質層を形成する粒子を、活物質粒子同士が直接接触する状況となるよう集合させて層を形成し、形成した層に対して、被覆層を形成することが好ましい。
活物質が集合した層の表面に被覆層を形成する方法としては、例えば、スパッタリング等の蒸着法、溶液に浸漬させる等の溶液法、噴霧等のスプレー法等が挙げられる。中でも、粒子内部への被膜形成を行えることから、溶液法が好ましい。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明の活物質層は、リチウムイオン二次電池用正極にも、負極も適用できるが、負極に適用することがより効果的である。リチウムイオン二次電池においては、エージングにより、SEI膜が負極上に形成され、容量ずれの原因は主として負極にある。したがって、予め均一な被覆層を形成した本発明の活物質層は、負極側に適用することが好ましい。負極に適用することにより、リチウムイオン二次電池の性能維持に対して、より効果を発揮させることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、本発明の活物質層を含むことを特徴とする。本発明の活物質層を含んでいれば、その他の構成は特に限定されるものではない。例えば、集電体上に、本発明の活物質層が配置された構成のリチウムイオン二次電池用負極が挙げられる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の活物質層を含むリチウムイオン二次電池用負極と、電解質と、正極と、を備える。
[正極]
本発明のリチウムイオン二次電池に適用する正極は、特に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池の正極として機能するものであればよい。
例えば、電極を構成できる材料から、本発明の活物質を含むリチウムイオン二次電池用負極と比較して、貴な電位を示すものを正極として選択し、任意の電池を構成することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池においては、負極のみならず正極にも、本発明の活物質層を適用してもよい。
[電解質]
本発明のリチウムイオン二次電池を構成する電解質は、液体状の電解液であっても、固体状の固体電解質であってもよい。リチウムイオン二次電池を構成できる電解質であれば、特に問題なく適用することができる。
[容量維持率]
本発明の活物質層を含む負極を用いたリチウムイオン二次電池は、容量維持率が71%以上であることが好ましい。容量維持率が71%以上であれば、実用上十分な寿命となる。容量維持率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
[抵抗増加率]
本発明の活物質層を含む負極を用いたリチウムイオン二次電池は、抵抗増加率が2.8%以下であることが好ましい。抵抗増加率が2.8%以下であれば、十分な出力を確保可能となる。抵抗増加率は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明の実施例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。
<実施例1~9>
Li PO 4-a-b 被覆層を有する負極活物質層の形成
黒鉛に増粘剤とバインダーと水を混錬し、スラリーを作成した。得られたスラリーを銅の集電膜に塗工して乾燥させ、負極電極シートを作成した。LiPO4-a-bの組成構造をもったターゲットを準備し、得られた負極電極シートに対して、スパッタリング法にて被膜を形成し、LiPO4-a-b被覆層を有する負極活物質層を有する負極を作製した。
[被覆率の測定]
被覆率は、以下のように、画像処理を通じて求めた。まず、得られた負極に対してArエッチング加工を行い、切断面を形成した。形成した切断面を、二次電子型電子顕微鏡にて撮影し、活物質のシルエットをトレースして活物質の周囲長を計測し、これを全周囲長とした。次に、被膜を形成するマーカー元素(P、N、F等)について、元素マップ画像を取得し、前述の画像と照らし合わせて、活物質周囲上で当該元素が検出された部分を被膜箇所としてカウントし、マーカー元素検出長とした。得られた全周囲長に対するマーカー元素検出長を、被膜率とした。
[容量維持率および抵抗増加率の測定]
(電池の作製)
上記で得られた負極と、正極としてLi(Ni0.3Co0.3Mn0.3)Oを活物質とした電極、電解液として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、体積比3:4:3で混合した溶媒に、1モルのLiPFを溶解した溶液を用いて、電池を作製した。
(容量維持率の測定)
作製した電池につき、初期容量の測定を実施した。その後、SOC=100%(4.2V)、60℃で100日間保管し、保管後の電池容量を測定した。初期容量を100%として、保管後の残容量につき、容量維持率を計算した。結果を表1に示す。
(抵抗増加率の測定)
作製した電池を、SOC=100%(4.2V)、60℃で100日間保管し、以下の測定条件にて抵抗値を測定した。被膜形成工程を省いて作製した後記比較例1の電池の抵抗値を1.0として、各実施例の抵抗値の割合を計算し、増加率とした。結果を表1に示す。
{抵抗増加率の測定条件}
25℃、SOC50%、1Cの電流にて放電を行い、開始直前電圧(SOC50%電圧)と10秒後の電圧との差を、1Cの電流で除した値を抵抗値とした。
Figure 0007079687000001
<実施例10>
Li PO 4-a-b Cl 被覆層を有する負極活物質層の形成
実施例1と同様にして、負極電極シートを作成した。LiPO4-a-bClの組成構造を持ったターゲットを準備し、得られた電極シートに対して、スパッタリング法にて被膜を作成し、LiPO4-a-bCl被覆層を有する負極活物質層を有する負極を作成した。
[被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定]
得られた負極活物質層を用いて、実施例1と同様にして、被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定を実施した。結果を表1に示す。
<比較例1>
被覆層を有しない負極活物質層
実施例1において、被覆層を形成するためのスパッタリングを実施しない以外は、実施例と同様にして、負極活物質層を得た。
[容量維持率および抵抗増加率の測定]
得られた負極活物質層を用いて、実施例1と同様にして、容量維持率および抵抗増加率の測定を実施した。結果を表1に示す。
<比較例2>
活物質粒子にLi PO 4-a-b 被覆層を形成した負極活物質層の形成
活物質となる黒鉛に、LiPO4-a-bの組成構造をもったターゲットを用いて、スパッタリング法にて被膜を形成した。得られた被膜を有する黒鉛と増粘剤とバインダーと水を混錬し、スラリーを作成した。得られたスラリーを銅の集電膜に塗工して乾燥させ、負極電極を作成した。
[被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定]
得られた負極活物質層を用いて、実施例1と同様にして、被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定を実施した。結果を表1に示す。
<実施例11~14>
Li PO 4-a-b 被覆層を有する負極活物質層の形成
aおよびbの比率、被覆率、および膜厚を、表1に記載するものとした以外は、実施例1と同様にして、負極活物質層を得た。
[被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定]
得られた負極活物質層を用いて、実施例1と同様にして、被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定を実施した。結果を表1に示す。
<実施例15>
Li PO 4-a 被覆層を有する負極活物質層の形成
フッ素原子を導入することなく、窒素原子の比率、被覆率、および膜厚を、表1に記載するものとした以外は、実施例1と同様にして、負極活物質層を得た。
[被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定]
得られた負極活物質層を用いて、実施例1と同様にして、被覆率、容量維持率、および抵抗増加率の測定を実施した。結果を表1に示す。
1、11 集電体
2、12 活物質粒子
3、13 被覆層(SEI層)

Claims (10)

  1. 少なくとも一部の表面に、電池を構成する前に予め作成しておくSEI被覆層を有する活物質層であって、
    前記活物質層は、活物質粒子が集合して層を形成したものであり、
    前記活物質層は、前記活物質粒子同士が直接接触した電気伝導パスを有している、活物質層。
  2. 前記SEI被覆層は、前記活物質層の表面、および前記活物質層の内部に形成されている、請求項1に記載の活物質層。
  3. 前記活物質層の内部は、隣接する前記活物質粒子で形成される空隙の外層である、請求項に記載の活物質層。
  4. 前記SEI被覆層は、電極形成時に形成される、請求項1から3いずれかに記載の活物質層。
  5. 前記SEI被覆層は、下記式(1)で示されるリチウム含有化合物を含み、
    前記SEI被覆層の被覆率は、前記活物質層の表面全体に対して30~90%である、請求項1から4いずれかに記載の活物質層。
    [化1]
    Li3PO4-a-b(Xa)(Yb) (1)
    (式中、Xは、N、S、B、およびSiからなる群より選ばれる1種であり、Yはハロゲン原子のいずれかであり、0.1≦a≦1、かつ0.1≦b≦1である。)
  6. 前記SEI被覆層の膜厚は、10~200nmである、請求項1から5いずれかに記載の活物質層。
  7. 請求項1から6いずれかに記載の活物質層を含む、リチウムイオン二次電池用負極。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、電解質と、正極と、を備えるリチウムイオン二次電池。
  9. SOC=100%(4.2V)、60℃で100日間保管した前後の電池容量を測定し、初期容量を100%として、保管後の残容量につき、計算した容量維持率が71%以上である、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 25℃、SOC50%、1Cの電流にて放電を行い、開始直前電圧(SOC50%電圧)と10秒後の電圧との差を、1Cの電流で除した値を抵抗値とし、SOC=100%(4.2V)、60℃で100日間保管し、抵抗値を測定し、被膜形成工程を省いて作製した電池の抵抗値を1.0として、抵抗値の割合を計算し、得た抵抗増加率が2.8%以下である、請求項8または9に記載のリチウムイオン二次電池。
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