A.第1実施例
A-1.システム1000の構成
図1は、システム1000の構成を示すブロック図である。システム1000は、プリンタ100A~100Cを含む複数個のプリンタと、本実施例の情報処理装置としての管理サーバ300と、事業者サーバ400と、を備える。図1では、図の煩雑を避けるために、プリンタ100A~100Cのみが図示されている。プリンタ100A~100Cを含む複数個のプリンタと、管理サーバ300とは、ローカルエリアネットワークNTに接続されており、ローカルエリアネットワークNTを介して、互いに通信可能である。事業者サーバ400は、例えば、システム1000を運用する事業者のサーバであり、インターネットITに接続されている。事業者サーバ400は、後述する管理処理において、管理サーバ300から発注通知を受信する。
プリンタ100Aは、プリンタ100AのコントローラとしてのCPU110と、DRAMなどの揮発性記憶装置120と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置130と、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部140と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部150と、印刷実行部170Aと、通信インタフェース(IF)180と、を備えている。
通信IF180は、ローカルエリアネットワークNTに接続するためのインタフェースである。具体的には、通信IF180は、イーサネット(登録商標)に準拠した有線のインタフェースや、Wi-Fi規格(IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格又はそれに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従った規格)に準拠した無線のインタフェースである。
CPU110は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置120は、CPU110が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置130には、プリンタを制御するためのコンピュータプログラムPG1と、後述する情報データベースIBと、が格納されている。
コンピュータプログラムPG1は、本実施例では、プリンタ100Aの製造時に不揮発性記憶装置130に予め格納されて提供され得る。これに代えて、コンピュータプログラムPG1は、例えば、インターネットITを介して接続されたサーバからダウンロードされる形態、あるいは、CD-ROMなどに記録された形態で提供され得る。
CPU110は、コンピュータプログラムPG1を実行することによって、印刷実行部170Aを制御して、印刷実行部170Aに画像を印刷させる印刷処理を実行する。また、CPU110は、コンピュータプログラムPG1を実行することによって、管理サーバ300からの要求に応じて、情報データベースIBに格納されたプリンタ100Aに関する各種のプリンタ情報を、管理サーバ300に送信する。
印刷実行部170Aは、CPU110の制御に従って、印刷を実行する。図2は、印刷実行部170Aの構成を示す概略図である。図2(A)、図2(B)に示すように、印刷実行部170Aは、印刷機構171Aと、装着部172Aと、インク供給口174Aと、中間容器175Aと、インク流路部177Aと、を備えている。
印刷機構171Aは、インクカートリッジ200Aから供給されるインクを印刷材として用いて、印刷媒体としての用紙上に画像を印刷するインクジェット方式の印刷機構である。具体的には、印刷機構171Aは、図示しない印刷ヘッドのノズルからインクを吐出して用紙上にドットを形成することによって、用紙上に画像を形成する。本実施例では、印刷機構171Aは、1色のインク(例えば、ブラック(K))が用いられるモノクロの印刷機構である。
インクカートリッジ200Aには、インクIkを収容する主収容室210Aと、連通口220Aと、インク出口230Aと、が形成されている。連通口220Aは、主収容室210Aと外気とを連通する開口である。インク出口230Aは、主収容室210A内のインクIkを印刷実行部170Aに供給するための開口である。インク出口230Aは、主収容室210A内の全てのインクIkを印刷実行部170Aに供給できるように、主収容室210Aの鉛直方向の下端近傍に設けられている。
インクカートリッジ200Aの外面には、ICチップ250Aが取り付けられている。ICチップ250Aのメモリには、インクカートリッジ200Aに関する各種の情報が格納されている。本実施例では、ICチップ250Aのメモリに格納される情報には、新品のインクカートリッジ200Aに収容されているインクIkの量である初期インク量IVを示す情報と、インクカートリッジ200Aを識別する識別情報(例えば、シリアルナンバー)が含まれる。
装着部172Aは、例えば、インクカートリッジ200Aを着脱可能に装着することができるホルダである。インク供給口174Aは、装着部172Aに装着されたインクカートリッジ200Aのインク出口230Aと連通される。インク供給口174Aから主収容室210A内のインクIkが印刷実行部170Aに供給される。装着部172Aには、装着部172Aに装着されるインクカートリッジ200AのICチップ250Aの電極に接触する接点CPを有している。接点CPを介して、プリンタ100A(CPU110)は、ICチップ250Aのメモリに格納される情報の読み出しや、該メモリへの情報の書き込みを実行できる。
中間容器175Aには、インクIkを収容する副収容室179Aと、連通口178Aと、が形成されている。連通口178Aは、副収容室179Aと外気とを連通する開口である。副収容室179Aは、インク供給口174Aと連通しており、インク供給口174Aを介してインクカートリッジ200Aから供給されるインクを貯留する。
インク流路部177Aの上流端は、中間容器175Aの副収容室179Aの底面の近傍に接続され、副収容室179Aと連通している。インク流路部177Aの下流端は、印刷機構171Aの図示しない印刷ヘッドに接続されている。これによって、インク流路部177Aを介して副収容室179A内のインクIkが印刷機構171Aに供給される。
以上の説明から解るように、中間容器175Aは、装着部172Aに装着されるインクカートリッジ200Aから印刷機構171Aに至るインクIkの流動経路に配置されている。
ここで、プリンタ100Aの印刷実行部170Aのように、インクカートリッジから印刷機構に至るインクIkの経路に中間容器を備えるタイプのインクIkの供給方式を二室供給方式とも呼ぶ。図2(A)には、インクカートリッジ200A内(主収容室210A内)にインクIkが残存し、かつ、中間容器175A内(副収容室179A内)にインクIkが残存する第1の収容状態S1にある印刷実行部170Aが図示されている。図2(B)には、インクカートリッジ200A内(主収容室210A内)にインクIkが残存せず、かつ、中間容器175A内(副収容室179A内)にインクIkが残存する第2の収容状態S2にある印刷実行部170Aが図示されている。
インクカートリッジ200Aの主収容室210Aは、連通口220Aによって外部と連通し、中間容器175Aの副収容室179Aは、連通口178Aによって外部と連通している。そして、中間容器175Aの副収容室179Aは、インクカートリッジ200Aの主収容室210Aの鉛直方向の下端(以下、単に、下端とも呼ぶ)よりも鉛直下方(図2の下側)に位置する部分と、主収容室210Aの鉛直方向の下端よりも鉛直上方に位置する部分と、を含んでいる。このために、新品のインクカートリッジ200Aが装着されると、インクカートリッジ200A内のインクIkの一部は、インク供給口174Aから副収容室179A内に移動する。そして、主収容室210A内のインクIkの液面ISmと、副収容室179A内のインクIkの液面ISsと、の高さが一致した状態となる(図2(A))。
印刷機構171Aによって印刷が行われてインクIkが消費されると、2つの液面ISm、ISsが一致した状態を維持したまま、液面ISm、ISsが低下していく。そして、液面ISm、ISsが、インクカートリッジ200Aの主収容室210Aの下端の位置EL(エンプティレベルELとも呼ぶ)に到達すると、インクカートリッジ200Aの主収容室210A内にインクIkは、残存しなくなり、インクIkの収容状態は、第1の収容状態S1(図2(A))から第2の収容状態S2(図2(B))に遷移する。ここで、インクカートリッジ200Aの主収容室210A内にインクIkが、残存しない状態とは、主収容室210Aから副収容室179AへのインクIkの移動が無くなる状態を意味し、主収容室210Aの内壁に多少のインクIkが付着している状態を含む。
第2の収容状態S2に遷移した後であっても、副収容室179AにインクIkが残存している限り、印刷機構171Aは、印刷を継続できる。第2の収容状態S2に遷移した後に、インクカートリッジ200Aが交換されれば、インクカートリッジ200AにインクIkが残存しない状態で、インクカートリッジ200Aを交換できるので、インクIkの無駄が発生しない。印刷を継続できる状態で、インクIkの無駄を発生することなく、インクカートリッジ200Aを交換できる点が、二室供給方式の利点である。
二室供給方式では、中間容器175Aに、副収容室179A内のインクIkの液面ISsがエンプティレベルELに到達したか否かを検出する液面センサ(図示省略)が備えられている。これによって、インクカートリッジ200A内にインクIkが残存するか否かを検出することができる。液面センサとしては、例えば、インクIkよりも比重が小さなフロートを含む構成が採用される。この構成では、液面ISsがエンプティレベルELに到達すると、該フロートの位置が鉛直下方に移動し、該フロートの移動を検出することによって、インクIkの液面ISsがエンプティレベルELに到達したか否かが検出される。換言すれば、液面センサは、インクの収容状態が、第1の収容状態S1であるか第2の収容状態S2であるかを検出するセンサである。液面センサは、他の公知の方式、例えば、インクIkの電気抵抗を測定する方式が採用されても良い。二室供給方式では、インクカートリッジ200Aに、液面センサを備える必要がないので、インクカートリッジ200Aの構成をシンプルにできる利点がある。
ここで、第1の収容状態S1と第2の収容状態S2との境界に対応するインク量を境界インク量BVとも呼ぶ。本実施例の境界インク量BVは、副収容室179Aにおいて、液面ISsがエンプティレベルELに位置しているときの副収容室179Aにおけるインク量とも言うことができる。また、境界インク量BVは、第2の収容状態S2における最大のインク量とも言うことができる。また、境界インク量BVは、副収容室179Aのうち、主収容室210Aの鉛直下方の端よりも鉛直下方に位置する部分の容量と等しい。
情報データベースIBは、プリンタ100Aに関するプリンタ情報が格納されたデータベースである。プリンタ情報は、例えば、シリアルナンバーやモデル名を示す情報を含む。モデル名は、プリンタの機種を示す識別情報であり、型番、モデルコードなどとも呼ばれる。プリンタ情報は、例えば、インクIkに関するインク情報や、印刷履歴に関する履歴情報を含む。インク情報は、例えば、インクカートリッジ200Aの初期インク量IVと、後述する境界インク量BVと、インクカートリッジ200Aの交換回数と、インク残率IRと、を含む。プリンタ情報は、例えば、印刷履歴に関する情報、例えば、特定の期間における印刷枚数や、総印刷枚数を含む。プリンタ100A(CPU110)は、例えば、印刷を実行する度に、情報データベースIBに格納される履歴情報やインク情報を更新することで、情報データベースIBに格納されるプリンタ情報を最新の情報に維持する。例えば、初期インク量IVは、例えば、インクカートリッジ200AのICチップ250Aのメモリから取得される。交換回数は、例えば、インクカートリッジ200AのICチップ250Aのメモリから取得される識別情報が、情報データベースIBに記録済みの識別情報と異なる場合に、1ずつカウントアップされる。
プリンタ100Bは、プリンタ100Aの印刷実行部170Aとは異なる印刷実行部170B(図1)を備えている。プリンタ100Bの他の構成は、プリンタ100Aと同じである。印刷実行部170Bでは、図2の印刷実行部170Aと同様に、インクカートリッジから印刷機構に至るインクIkの経路に中間容器を備える二室供給方式が採用されている(図示省略)。ただし、印刷実行部170Bでは、中間容器(副収容室)の容量が、印刷実行部170Aの中間容器175Aの容量とは異なっているために、上述した境界インク量BVが印刷実行部170Aとは異なっている。また、印刷実行部170Bに装着されるインクカートリッジ200B(図1)の初期インク量IVは、インクカートリッジ200Aの初期インク量IVとは異なっている。
プリンタ100Cは、プリンタ100Aの印刷実行部170Aとは異なる印刷実行部170Cを備えている。プリンタ100Cの他の構成は、プリンタ100Aと同じである。印刷実行部170Cでは、図2の印刷実行部170Aとは異なり、インクカートリッジ200Cから印刷機構に至るインクIkの経路に中間容器を備えない一室供給方式が採用されている。
図3は、印刷実行部170Cの構成を示す概略図である。印刷実行部170Cは、図2の印刷機構171Aと同様のインクジェット方式の印刷機構171Cと、装着部172Cと、インク供給口174Cと、インク流路部177Cと、を備えている。
インクカートリッジ200Cには、インクカートリッジ200Aと同様に、インクIkを収容する収容室210Cと、収容室210Cと外気とを連通する連通口220Cと、インクIkを印刷実行部170Cに供給するためのインク出口230Cと、が形成されている。インクカートリッジ200Cの外面には、インクカートリッジ200Aと同様に、ICチップ250Cが取り付けられている。
装着部172Cは、例えば、インクカートリッジ200Cを着脱可能に装着することができるホルダである。インク供給口174Cは、装着部172Cに装着されたインクカートリッジ200Cのインク出口230Cと連通される。インク流路部177Cの上流端は、インク供給口174Cと連通しており、インク流路部177Cの下流端は、印刷機構171Cの図示しない印刷ヘッドに接続されている。これによって、インク流路部177Cを介してインクカートリッジ200C(収容室210C)内のインクIkが印刷機構171Cに供給される。
一室供給方式では、インクカートリッジ200Cに、収容室210C内のインクIkの液面ISがエンプティレベルELcに到達したか否かを検出する液面センサ(図示省略)が備えられている。
一室供給方式では、二室供給方式が備える中間容器を備えないので、インクカートリッジ200C内にインクIkが残存しなくなる前に、印刷機構171Cは印刷を行うことができなくなる。例えば、インクカートリッジ200C内のインクIkの残量が僅かになると、印刷機構171Cに供給されるインクIkに空気が混入する不具合が発生する。このために、このような空気の混入が発生し得る量以上のインクIkが、インクカートリッジ200C内に残存する状態で、印刷機構171Cによる印刷は停止されざるを得ない。
このために、一室供給方式では、エンプティレベルELc(図3)は、インクカートリッジ200AのエンプティレベルEL(図2、図3)よりも鉛直方向の上方に設定されている。図3(B)には、インクカートリッジ200C内のインクIkの液面ISが、エンプティレベルELcに到達した状態を示している。この状態では、インクカートリッジ200C(収容室210C)内に、少量のインクIkが残存している。一室供給方式では、例えば、インクカートリッジ200C内のインクIkの液面ISが、エンプティレベルELcに到達した状態で、インクカートリッジ200Cの交換が行われる。
システム1000が備える複数個のプリンタのうち、プリンタ100A~100Cについて説明した。他のプリンタについては説明を省略するが、他のプリンタのそれぞれは、一室供給方式と二室供給方式とのうちのいずれかの供給方式のプリンタである。システム1000が備える複数個のプリンタは、二室供給方式の2個以上のプリンタであって、境界インク量BVが互いに等しく、初期インク量IVが互いに異なる2個以上のプリンタを含み得る。システム1000が備える複数個のプリンタは、二室供給方式の2個以上のプリンタであって、境界インク量BVと初期インク量IVとの両方が互いに等しい2個以上のプリンタを含み得る。システム1000が備える複数個のプリンタは、二室供給方式の2個以上のプリンタであって、境界インク量BVと初期インク量IVとの両方が互いに異なる2個以上のプリンタ(例えば、プリンタ100Aと1プリンタ100B)を含み得る。システム1000が備える複数個のプリンタは、一室供給方式の2個以上のプリンタであって、初期インク量IVが互いに等しい2個以上のプリンタを含み得る。システム1000が備える複数個のプリンタは、一室供給方式の2個以上のプリンタであって、初期インク量IVが互いに異なる2個以上のプリンタを含み得る。
管理サーバ300は、システム1000内の複数個のプリンタの管理者が所有する計算機である。管理サーバ300は、計算機であり、管理サーバ300のコントローラとしてのCPU310と、DRAMなどの揮発性記憶装置320と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置330と、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部340と、キーボードやマウスなどの操作部350と、通信インタフェース(IF)380と、を備えている。
通信IF380は、ローカルエリアネットワークNTに接続されている。通信IF380は、通信IF180と同様に、イーサネット(登録商標)に準拠した有線のインタフェースや、Wi-Fi規格又はそれに準ずる規格に準拠した無線のインタフェースである。
CPU310は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置320は、CPU310が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置330には、コンピュータプログラムPG2と、管理データベースPDと、が格納されている。
コンピュータプログラムPG2は、例えば、システム1000を管理する事業者やシステム1000内の複数個のプリンタを製造する事業者のサーバ400からダウンロードされる形態で提供されるアプリケーションプログラムである。これに代えて、コンピュータプログラムPG2は、CD-ROMなどに記録された形態で提供されても良く、管理サーバ300の製造時に不揮発性記憶装置330に予め格納されて提供されても良い。
管理サーバ300(CPU310)は、コンピュータプログラムPG2を実行することによって、後述するシステム1000内の複数個のプリンタの管理に関する処理、例えば、後述する管理処理、プリンタ情報表示処理、基準値設定処理を実行する。
管理データベースPDは、管理サーバ300によって収集された装置情報が記録されるデータベースである。図4は、第1実施例の管理データベースPDの一例を示す図である。図4に示すように、管理データベースPDは、管理対象であるシステム1000内の複数個のプリンタに対応するエントリを含む。図4では、プリンタ100A~200Cに対応するエントリEN1~EN3のみが代表して図示されている。
プリンタ100Aに対応するエントリEN1は、プリンタ100Aのプリンタ情報の複数個の項目、具体的には、シリアルナンバーと、モデル名と、IPアドレスと、インクIkに関するインク関連情報と、を含む。インク関連情報は、取得ステータスと、判定ステータスと、交換回数と、上述したインクIkの供給方式と、初期インク量IVと、境界インク量BVと、インク残率IRと、基準残率TRと、を示す情報を含む。
シリアルナンバーは、プリンタ100Aを識別するための識別情報である。モデル名は、プリンタ100Aの機種を示す名称である。IPアドレスは、プリンタ100Aに割り当てられているIPアドレスである。
取得ステータスと判定ステータスとは、装着部172Aに装着されたインクカートリッジ200AのインクIkの残量の状態を示す情報であり、「通常」と「少量」とのいずれかの値を取る。取得ステータスは、プリンタ100Aから取得される情報であり、プリンタ100Aが上述した液面センサを用いて判定した判定結果を示す。すなわち、液面センサによって、液面ISsがエンプティレベルELより高いと判定される場合には、取得ステータスは「通常」であり、液面がエンプティレベルEL以下であると判定される場合には、取得ステータスは「少量」である。判定ステータスは、後述する管理処理においてインク残率IRと基準残率TRとを用いて判定される判定結果を示す。すなわち、インク残率IRが基準残率TRより大きい場合には、判定ステータスは「通常」であり、インク残率IRが基準残率TR以下である場合には、判定ステータスは「少量」である。判定ステータスが未判定である場合には、エントリEN1には、判定ステータスは含まれない。
交換回数は、プリンタ100Aにおいて、システム1000の運用の開始から現在までにインクカートリッジ200Aが交換された回数である。供給方式は、上述した一室供給方式と二室供給方式とのいずれかであり、プリンタ100Aについては二室供給方式である。
インク残率IRは、インクカートリッジ200Aと中間容器175Aとに残存しているインクIkの量である。インク残率IRは、本実施例では、インクカートリッジ200Aの初期インク量IVに対する現在のインクIkの残量の割合(本実施例では単位は%)である。インク残率IRは、インク残量に関する指標値と言うことができる。インク残率IRは、プリンタ100Aによって、例えば、プリンタ100Aにおいて印刷が実行される度に、印刷データおよび印刷枚数に基づいて算出されるインクIkの消費量と、印刷の実行前のインク残率IRと、に基づいて、算出される。
基準残率TRは、管理サーバ300において、上述した判定ステータスを判定するために用いられる。基準残率TRは、上述したインク残率IRについての閾値である。基準残率TRが未設定である場合には、エントリEN1に、基準残率TRは、含まれない。
プリンタ100B、100Cに対応するエントリEN2、EN3は、それぞれ、プリンタ100Aに対応するエントリEN1と同種の項目を示す情報を含む。ただし、プリンタ100Cは、一室供給方式のプリンタであり、中間容器を備えないために、エントリEN3は、境界インク量BVを含まない。
本実施例では、管理データベースPDに記録されるプリンタ情報のうちのシリアルナンバーと、モデル名と、IPアドレスとは、例えば、システム1000の運用の開始時に、管理サーバ300によって取得される。本実施例では、これらの情報の取得には、SNMP(Simple Network Management Protocol)が用いられる。具体的には、管理サーバ300は、ローカルエリアネットワークNT内のプリンタを探索するためのSNMP要求を、ローカルエリアネットワークNT内にブロードキャストする。プリンタ100A~100Cは、該SNMP要求に対して、自身のIPアドレスを含む応答を返信する。管理サーバ300は、受信されるIPアドレスを用いて、シリアルナンバーとモデル名との送信を要求するSNMP要求をプリンタ100A~100Cにそれぞれ送信し、該SNMP要求に対する応答として、プリンタ100A~100Cのシリアルナンバーとモデル名とを受信する。管理サーバ300は、シリアルナンバーとモデル名とIPアドレスとを管理データベースPDに記録する。これによって、管理対象のプリンタとして、プリンタ100A~100Cが登録される。
管理データベースPDに記録されるプリンタ情報のうちの取得ステータスと、交換回数と、インクIkの供給方式と、初期インク量IVと、境界インク量BVと、インク残率IRとは、後述する管理処理において、管理対象のプリンタ100A~100Cから取得される。管理データベースPDに記録されるプリンタ情報のうちの判定ステータスは、上述したように管理処理において判定され、基準残率TRは、後述する基準値設定処理によって設定される。
A-2.システム1000の動作
A-2-1.管理処理
管理サーバ300(CPU310)は、管理対象の複数個のプリンタ、本実施例では、システム1000内のプリンタ100A~100Cを含む複数個のプリンタを管理するための管理処理を実行する。管理処理は、定期的に、例えば、1日あたり1~数回の頻度で、予め定められた時刻に実行される。管理処理は、管理対象の複数個のプリンタのそれぞれを注目プリンタとして実行される。以下では、プリンタ100Aが注目プリンタである場合を例として説明する。
図5は、管理処理のフローチャートである。S100では、管理サーバ300は、注目プリンタとしてのプリンタ100Aから、プリンタ情報を収集する。プリンタ情報の収集には、本実施例では、SNMPが用いられる。具体的には、管理サーバ300は、プリンタ情報のうち、収集すべき項目を要求するSNMP要求を、プリンタ100Aに対して送信する。管理サーバ300は、SNMP要求に対する応答として、プリンタ100Aからプリンタ情報を受信する。管理サーバ300は、収集したプリンタ情報を揮発性記憶装置120に記録する。後のステップにて、前回に取得されたプリンタ情報を参照する必要があるために、この時点では、管理データベースPDに記録済みのプリンタ情報は更新されない。収集されるプリンタ情報は、上述した取得ステータスと、交換回数と、インクIkの供給方式と、初期インク量IVと、境界インク量BVと、インク残率IRと、を含む。
S105では、管理サーバ300は、プリンタ100Aについて、基準残率TRが設定済みであるか否かを判断する。管理データベースPDに基準残率TRが記録されている場合には、基準残率TRが設定済みであると判断される。基準残率TRが設定済みである場合には(S105:YES)、管理サーバ300は、S110に処理を進める。基準残率TRが未設定である場合には(S105:NO)、管理サーバ300は、S145に処理を進める。
S110では、管理サーバ300は、プリンタ情報として取得済みのインクIkの供給方式を示す情報に基づいて、注目プリンタのインクIkの供給方式が二室供給方式であるか否かを判断する。インクIkの供給方式が二室供給方式である場合には(S110:YES)、管理サーバ300は、S115に処理を進める。インクIkの供給方式が二室供給方式でない場合には(S110:NO)、すなわち、インクIkの供給方式が一室供給方式である場合には、管理サーバ300は、S115~S130をスキップして、S140に処理を進める。注目プリンタはプリンタ100Aであるとして説明しているので、本ステップでは、供給方式は二室供給方式であると判断される。注目プリンタがプリンタ100Cである場合には、供給方式は二室供給方式ではないと判断される。
S115では、CPU110は、前回の管理処理の実行時から、初期インク量IVが変更されたか否かを判断する。例えば、プリンタ100Aには、初期インク量IVが異なる複数種類のインクカートリッジ200Aが装着され得る。例えば、主収容室210Aの容量が比較的小さな小容量のインクカートリッジ200Aと、主収容室210Aの容量が比較的大きな大容量のインクカートリッジ200Aと、では、初期インク量IVが互いに異なる。このために、前回の管理処理の実行時から現在までに、インクカートリッジ200Aの交換が行われた場合には、前回の管理処理の実行時から、初期インク量IVが変更されている可能性がある。CPU110は、S105にて取得済みのプリンタ情報が示す初期インク量IVと、管理データベースPDに記録済みの初期インク量IVと、が異なる場合には、初期インク量IVが変更されたと判断する。初期インク量IVが変更された場合には(S115:YES)、S120に処理を進める。初期インク量IVが変更されていない場合には(S115:NO)、管理サーバ300は、S120~S130をスキップして、S140に処理を進める。
S120では、管理サーバ300は、境界指標値を算出する。境界指標値は、境界インク量BVに関する指標値である。図7に示すように、第1実施例では、境界指標値として、境界残率BRが用いられる。境界残率BRは、上述した初期インク量IVに対する境界インク量BVの割合(本実施例では単位は%)である(BR=(BV/IV)×100)。境界残率BRは、境界インク量BVに対応するインク残率IRであると言うことができる。例えば、インクカートリッジ200Aの交換によって、初期インク量IVが、第1値IV1から第1値よりも小さな第2値IV2に変わった場合には、境界残率BRは、インクカートリッジ200Aの交換前よりも大きな値となる。
S125では、管理サーバ300は、管理データベースPDに記録された基準残率TRは、S120にて算出される境界残率BR未満であるか否かを判断する。基準残率TRは、後述するように、設定時の境界残率BR以上の値に設定される。しかしながら、インクカートリッジ200Aの交換によって、境界残率BRが交換前よりも大きな値になると、基準残率TRは、インクカートリッジ200Aの交換後の境界残率BR未満になる場合がある。基準残率TRが境界残率BR未満である場合には(S120:YES)、管理サーバ300は、S130に処理を進める。基準残率TRが境界残率BR以上である場合には(S120:NO)、管理サーバ300は、S130をスキップして、S140に処理を進める。
S130では、管理サーバ300は、境界残率BRを、新たな基準残率TRとして設定する。これは、後述するように、本実施例では、境界残率BR未満の基準残率TRを設定することは禁止されているためである。
S140では、管理サーバ300は、インク残率IRと基準残率TRとの比較に基づいてインク残率IRのステータスを判定する。具体的には、インク残率IRが基準残率TRより大きい場合には(IR>TR)、ステータスは「通常」と判定され、インク残率IRが基準残率TR以下である場合には(IR≦TR)、ステータスは「少量」と判定される。
基準残率TRが未設定である場合には(S105:NO)、S145にて、管理サーバ300は、S100にてプリンタ100Aから取得済みの取得ステータスを、インク残率IRのステータスとして採用する。
S150では、管理サーバ300は、インク残率IRのステータスが、前回の管理処理の際のインク残率IRのステータスから変化したか否かを判断する。管理データベースPDに判定ステータスが記録されている場合には、該判定ステータスを、前回の管理処理の際のインク残率IRのステータスとして採用する。管理データベースPDに判定ステータスが記録されていない場合には、管理データベースPDに記録済みの取得ステータスを、前回の管理処理の際のインク残率IRのステータスとして採用する。インク残率IRのステータスが変化した場合には(S150:YES)、管理サーバ300は、S155に処理を進める。インク残率IRのステータスが変化していない場合には(S150:NO)、管理サーバ300は、S175に処理を進める。
S155では、管理サーバ300は、インク残率IRのステータスが、「通常」から「少量」に変化したか否かを判断する。インク残率IRのステータスが、「通常」から「少量」に変化した場合には(S155:YES)は、管理サーバ300は、S160に処理を進める。インク残率IRのステータスが、「通常」から「少量」に変化していない場合には(S155:NO)は、すなわち、インク残率IRのステータスが、「少量」から「通常」に変化した場合には、管理サーバ300は、S165に処理を進める。
S160では、CPU110は、インクカートリッジ200Aの発注通知を事業者サーバ400に送信する。発注通知は、例えば、予め登録された事業者サーバ400のメールアドレス宛のeメールである。発注通知は、例えば、発注通知であることを示す情報と、発注すべきインクカートリッジ200Aを特定するための情報(例えば、品番)と、プリンタ100Aを特定するための情報(例えば、シリアルナンバー)と、を含む。事業者サーバ400が発注通知を受信すると、事業者によって新品のインクカートリッジ200Aが手配される。手配されたインクカートリッジ200Aは、プリンタ100A~100Cの使用者の予め登録された所在地に届けられ、プリンタ100Aのインクカートリッジ200Aの交換が行われる。
S165では、CPU110は、管理サーバ300は、インクカートリッジ200Aの交換回数が、前回の管理処理の際のインクカートリッジ200Aの交換回数よりも増加したが否かを判断する。S100にて取得済みの交換回数が、管理データベースPDに記録済みの交換回数よりも増加している場合には、交換回数が増加したと判断される。
交換回数が増加した場合には(S165:YES)、プリンタ100Aのインクカートリッジ200Aの交換が行われたために、インク残率IRのステータスが、「少量」から「通常」に変化したと考えられる。このために、この場合には、S170にて、管理サーバ300は、インクカートリッジ200Aの交換完了通知を事業者サーバ400に送信する。交換完了通知は、発注通知と同様に、事業者サーバ400のメールアドレス宛のeメールである。交換完了通知は、例えば、交換完了通知であることを示す情報と、プリンタ100Aを特定するための情報と、を含む。事業者サーバ400が交換完了通知を受信することで、事業者は、プリンタ100Aにおいて、インクカートリッジ200Aが交換されたことを認識できる。
交換回数が増加していない場合には(S165:NO)、インク残率IRのステータスが、「少量」から「通常」に変化したことは、今回の管理処理で取得されたインク残率IRのステータスが誤っていることに起因すると考えられる。例えば、インク残率IRのステータスとして、プリンタ100Aから取得済みの取得ステータスが採用されている場合(S145)には、プリンタ100Aにおける液面センサの誤動作によって、誤った取得ステータスが取得されている可能性がある。このために、この場合には、管理サーバ300は、S170をスキップしてS175に処理を進める。
S175では、管理サーバ300は、管理データベースPDを更新する。例えば、S100にてプリンタ100Aから収集され、揮発性記憶装置120に格納されているプリンタ情報を、管理データベースPDのプリンタ100Aに対応するエントリEN1に記録する。ただし、上述したS165にて、交換回数が増加していないと判断されている場合には、取得ステータスは誤っていると考えられるので、取得ステータスは更新されず、取得ステータスを除いたプリンタ情報が更新される。また、S140にて、管理サーバ300がインク残率IRのステータスを判定している場合には、該ステータスの判定結果が、判定ステータスとして管理データベースPDに記録される。
以上の説明から解るように、管理処理では、注目プリンタについて基準残率TRが設定されている場合には、インク残率IRが基準残率TRより大きい状態(ステータスが「通常」と判定される状態)から、インク残率IRが基準残率TR以下である状態(ステータスが「少量」と判定される状態)に変化することが、発注通知が送信される条件である。発注通知が送信される条件は、インクIkの補充が必要となると判断される条件であると言うことができるので、発注通知が送信される条件を、補充条件とも呼ぶ。また、注目プリンタについて基準残率TRが設定されていない場合には、注目プリンタにおいて液面センサを用いて判定される取得ステータスが「通常」から「少量」に変化することが、補充条件である。
A-2-3.プリンタ情報表示処理
管理サーバ300は、上述した管理処理とは別に、操作部350を介してユーザからの表示要求を取得した場合に、表示部340に、管理リストMLを表示するプリンタ情報表示処理を実行する。管理サーバ300のユーザは、例えば、システム1000の管理者である。システム1000の管理者は、管理対象の複数個のプリンタの使用者であっても良いし、複数個のプリンタの使用者とは異なる者、例えば、複数個のプリンタの販売者であっても良い。図6は、管理リストMLの一例を示す図である。管理リストMLは、管理データベースPDに基づいて生成されるリストであり、管理対象の複数個のプリンタのプリンタ情報の一覧である。管理リストMLは、管理対象のプリンタに対応する複数個の行を含んでいる。図6では、プリンタ100A~100Cに対応する3個の行L1~L3のみが代表して図示されている。行L1~L3には、それぞれ、管理データベースPDの対応するエントリEN1~EN3に含まれるプリンタ情報が示されている。ユーザは、管理リストMLを表示させることで、管理対象のプリンタ100A~100Cのプリンタ情報を容易に確認できる。
ユーザが、カーソルCSを操作して、行L1~L3のうちの処理対象のプリンタに対応する行を選択し、所定の操作(例えば、マウスの右クリック)を行うと、表示部340にはサブウインドウSWが表示される。ユーザは、複数個のプリンタに対応する複数個の行を選択することができる。これによってユーザは、複数個のプリンタを処理対象として選択することができる。図6の例では、プリンタ100B、100Cに対応する行L2、L3が選択されているので、2個のプリンタ100B、100Cと、が処理対象のプリンタである。サブウインドウSWには、実行可能な処理の一覧が表示される。実行可能な処理は、図6に示すように、プリンタ情報の削除処理と、プリンタ情報の更新処理と、に加えて、基準値設定処理が含まれる。ユーザが、カーソルCSを操作して、サブウインドウSWにおいて基準値設定処理を選択し、所定の操作(例えば、マウスの左クリック)を行うと、管理サーバ300は、処理対象のプリンタについて基準値設定処理の開始要求を取得する。このように、システム1000内の管理対象の複数個のプリンタのうちの1以上のプリンタが、基準値設定処理の処理対象のプリンタとして選択され得る。
A-2-4.基準値設定処理
図7は、基準値設定処理のフローチャートである。基準値設定処理は、処理対象のプリンタについて、上述した管理処理で用いられる基準値、第1実施例では、基準残率TRを設定する処理である。
S200では、管理サーバ300(CPU310)は、上述した基準値設定処理の開始要求を取得したか否かを判断する。開始要求を取得した場合には(S200:YES)、管理サーバ300は、S205に処理を進める。開始要求を取得しない場合には(S200:NO)、管理サーバ300は、開始要求を取得するまで待機する。
S205では、管理サーバ300は、処理対象のプリンタとして、複数個のプリンタが選択されたか否かを判断する。複数個のプリンタが選択された場合には(S205:YES)、S210にて、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタの供給方式が、二室供給方式と一室供給方式との両方を含むか否かを判断する。1個のプリンタが選択された場合には(S205:NO)、管理サーバ300は、S210を、スキップする。処理対象の複数個のプリンタの供給方式が、二室供給方式と一室供給方式との両方を含む場合には(S210:YES)、管理サーバ300は、S255に処理を進める。処理対象の複数個のプリンタの供給方式が、二室供給方式のみである場合、または、一室供給方式のみである場合には(S210:NO)、管理サーバ300は、S215に処理を進める。なお、処理対象のプリンタの供給方式は、管理データベースPDに記録済みのプリンタ情報に含まれる(図4)。
S215では、管理サーバ300は、処理対象のプリンタの供給方式が二室供給方式であるか否かを判断する。処理対象のプリンタの供給方式が二室供給方式でない場合、すなわち、一室供給方式である場合には(S215:NO)、S220にて、管理サーバ300は、処理対象のプリンタの初期インク量IVが、全て等しいか否かを判断する。処理対象のプリンタの初期インク量IVが、全て等しい場合には(S220:YES)、S235にて、管理サーバ300は、管理サーバ300は、表示すべき設定画面を、設定画面WAに決定する。処理対象のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なる2以上の値を含む場合には(S220:NO)、S240にて、管理サーバ300は、表示すべき設定画面を、設定画面WBに決定する。なお、処理対象のプリンタの初期インク量IVは、管理データベースPDに記録済みのプリンタ情報に含まれる(図4)。設定画面WA、WBについては後述する。
処理対象のプリンタの供給方式が二室供給方式である場合には(S215:YES)、S225にて、管理サーバ300は、処理対象のプリンタの初期インク量IVが全て等しく、かつ、処理対象のプリンタの境界インク量BVが全て等しいか否かを判断する。処理対象のプリンタの初期インク量IVが全て等しく、かつ、処理対象のプリンタの境界インク量BVが全て等しい場合には(S225:YES)、S245にて、管理サーバ300は、管理サーバ300は、表示すべき設定画面を、設定画面WC(後述)に決定する。
処理対象のプリンタの初期インク量IVが互いに異なる2以上の値を含む場合、または、処理対象のプリンタの境界インク量BVが互いに異なる2以上の値を含む場合には(S225:NO)、S230にて、管理サーバ300は、処理対象のプリンタの境界インク量BVが、全て等しいか否かを判断する。処理対象のプリンタの境界インク量BVが、全て等しい場合には(S230:YES)、S250にて、管理サーバ300は、表示すべき設定画面を、設定画面WD(後述)に決定する。処理対象のプリンタの境界インク量BVが、互いに異なる2以上の値を含む場合には(S230:NO)、S255にて、管理サーバ300は、表示すべき設定画面を、エラー画面WE(後述)に決定する。なお、処理対象のプリンタの境界インク量BVは、管理データベースPDに記録済みのプリンタ情報に含まれる(図4)。
表示すべき画面が決定されると、S260にて、管理サーバ300は、表示すべき画面(上述した画面WA~WEのいずれか)を示す画面データを生成する。S265では、管理サーバ300は、生成済みの画面データを用いて、表示部340に、生成済みの画面データによって示される画面を表示する。
S270では、管理サーバ300は、表示部340に表示される画面を介して、設定すべき基準残率TRが取得されたか否かを判断する。表示部340に、設定画面WA~WDが表示される場合には、基準残率TRが取得され得る。表示部340に、エラー画面WEが表示される場合には、基準残率TRは取得されない。
設定すべき基準残率TRが取得された場合には(S270:YES)、S275にて、管理サーバ300は、処理対象のプリンタの基準値として、設定画面を介して取得された基準残率TRを設定して、基準値設定処理を終了する。具体的には、管理データベースPDのエントリのうち、処理対象のプリンタに対応するエントリに、設定画面を介して取得された基準残率TRを記録する。この時点で、既に記録済みの基準残率TRが存在する場合には、当該記録済みの基準残率TRは削除される。設定すべき基準残率TRが取得されない場合には(S270:NO)、管理サーバ300は、S275をスキップして、基準値設定処理を終了する。
A-2-5.設定画面およびエラー画面
基準値設定処理において用いられる設定画面WA~WD、および、エラー画面WEについて説明する。図8は、第1実施例の設定画面の一例を示す図である。図9は、エラー画面の一例を示す図である。
図8(A)の設定画面WAは、処理対象の1個以上のプリンタの供給方式が全て一室供給方式であり、かつ、処理対象の1個以上のプリンタの初期インク量IVが全て等しい場合に用いられる。
設定画面WAは、ユーザインタフェース(UI)画像Iaと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Iaは、棒状のオブジェクトOaと、オブジェクトOa上に配置されるスライダSDsと、を含む。設定画面内に配置され、ユーザの操作を受け取るための要素、例えば、スライダやボタンを入力要素、ユーザインタフェース部品(UI部品)、ウイジェット(widget)とも呼ぶ。
オブジェクトOaは、インク残率IRが取り得る特定範囲を示す。具体的には、オブジェクトOaの長手方向(図8(A)の上下方向)の位置は、インク残率IRが取り得る値に対応する。オブジェクトOaの上端は、インク残率IRの最大値(100%)に対応し、オブジェクトOaの下端は、インク残率IRの最小値(0%)に対応する。
スライダSDsは、オブジェクトOaによって示される特定範囲内で、設定すべき基準残率TRを示している。スライダSDsは、ユーザによる移動指示、例えば、マウスを介して入力される移動指示に応じて、オブジェクトOaの長手方向(図8(A)の上下方向)に沿って、オブジェクトOa上を移動する。ユーザは、スライダSDsを移動させることで、設定すべき基準残率TRを変更することができる。スライダSDsの近傍には、スライダSDsの位置に対応する基準残率TRを示す数値ST(図8(A)の例では「5%」)が表示されている。スライダSDsは、ユーザが設定すべき基準残率TRを指定するための入力要素であると言うことができる。設定すべき基準残率TRに対応する位置にスライダSDsが位置した状態でOKボタンBT1が押下されると、設定すべき基準残率TRが入力される。すなわち、CPU210は、OKボタンBT1が押下された時点におけるスライダSDsの位置に対応する基準残率TRを、設定すべき1個の基準残率TRとして取得する。換言すれば、ユーザは、1個のスライダSDsを介して設定すべき1個の基準残率TRを指定する1個の指示を入力することができる。
CPU210が設定画面WAを介して設定すべき基準残率TRを取得すると、上述したS275にて、取得済みの基準残率TRが、処理対象の1個以上のプリンタに対応する基準残率TRとして設定される。ここで、処理対象のプリンタが複数個である場合には、当該処理対象の複数個のプリンタのそれぞれに、基準残率TRが設定されるから、設定画面WAを介して入力される1個の指示は、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
図8(B)の設定画面WBは、処理対象の2個以上のプリンタの供給方式が全て一室供給方式であり、かつ、処理対象の2個以上のプリンタが、初期インク量IVが第1の量であるプリンタと、初期インク量IVが第1の量よりも小さな第2の量であるプリンタとのいずれかである場合に用いられる。
設定画面WBは、UI画像Ibと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Ibは、棒状の2個のオブジェクトOb1、Ob2と、2個のオブジェクトOb1、Ob2上に跨って配置される1個のスライダSDlと、を含む。
オブジェクトOb1は、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第1の量である1個以上のプリンタのインク残率IRが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOb2は、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第2の量である1個以上のプリンタのインク残率IRが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOb1の長手方向(図8(B)の上下方向)の長さと、オブジェクトOb2の長手方向の長さと、の比率は、第1の量と第2の量との比率に設定されている。このため、オブジェクトOb1、Ob2は、処理対象の2個以上のプリンタの初期インク量IVに関する2個の表示と言うことができる。オブジェクトOb1、Ob2は、オブジェクトOb1の下端の長手方向の位置(すなわち、インク残率IRが取り得る最小値に対応する長手方向の位置)と、オブジェクトOb2の下端の長手方向の位置と、が一致するように、配置されている。
スライダSDlは、オブジェクトOb1、Ob2によって示される特定範囲内で、設定すべき基準残率TRを示している。設定画面WBでは、オブジェクトOb2の長手方向の長さが、オブジェクトOb1より短いので、スライダSDlの移動範囲は、オブジェクトOb2によって示される範囲に制限される。設定画面WAと同様に、ユーザは、スライダSDlを移動させることで、設定すべき基準残率TRを変更することができる。スライダSDlの左側には、オブジェクトOb1におけるスライダSDlの位置に対応する基準残率TRを示す数値ST1(図8(B)の例では「12%」)が表示されている。スライダSDlの右側には、オブジェクトOb2おけるスライダSDlの位置に対応する基準残率TRを示す数値ST2(図8(B)の例では「24%」)が表示されている。設定すべき基準残率TRに対応する位置にスライダSDlが位置した状態でOKボタンBT1が押下されると、設定すべき2個の基準残率TRが入力される。すなわち、CPU210は、OKボタンBT1が押下された時点におけるスライダSDlの位置に対応する2個の基準残率TRを、設定すべき基準残率TRとして取得する。換言すれば、ユーザは、1個のスライダSDlを介して設定すべき2個の基準残率TRを指定する1個の指示を入力することができる。
CPU210が設定画面WBを介して設定すべき2個の基準残率TRを取得すると、S275にて、取得済みの2個の基準残率TRのうちの一方の値(例えば、12%)が、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第1の量であるプリンタに対応する基準残率TRとして設定される。そして、取得済みの2個の基準残率TRのうちの他方の値(例えば、24%)が、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第2の量であるプリンタに対応する基準残率TRとして設定される。このように、設定画面WBを介して入力される2個の基準残率TRを指定する1個の指示は、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
なお、設定画面WBのUI画像Ibは、処理対象の2個以上のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なる2種類の量(第1の量と第2の量)である場合の設定画面であるので、UI画像Ibは、2個のオブジェクトOb1、Ob2を含んでいる。処理対象のプリンタが3個以上である場合であって、当該3個以上のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なる3種類の量である場合には、設定画面WBのUI画像は、長手方向の長さが3種類の量に対応する3個のオブジェクトと、当該3個のオブジェクトに跨って配置される1個のスライダと、を含む。一般的に言えば、処理対象のM個(Mは2以上の整数)のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なるM種類の量である場合には、設定画面WBのUI画像は、該M種類の量に対応するM個のオブジェクトと、当該M個のオブジェクトに跨って配置される1個のスライダと、を含む。
図8(C)の設定画面WCは、処理対象の1個以上のプリンタの供給方式が全て二室供給方式であり、かつ、処理対象の1個以上のプリンタの初期インク量IVが全て等しく、かつ、処理対象の1個以上のプリンタの境界インク量BVが全て等しい場合に用いられる。
設定画面WCは、UI画像Icと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Icは、設定画面WAのUI画像Icと同様に、棒状のオブジェクトOcと、オブジェクトOc上に配置されるスライダSDsと、を含む。
オブジェクトOcは、設定画面WAのオブジェクトOaと同様に、インク残率IRが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOcは、さらに、境界ラインLcを含んでいる。境界ラインLcは、境界残率BRに対応するオブジェクトOc上の長手方向の位置に配置されている。境界残率BRは、上述したように、初期インク量IVと境界インク量BVとを用いて算出される(BR=(BV/IV)×100)。境界残率BRは、境界インク量BVに対応するインク残率IRであると言うことができる。のため、オブジェクトOcは、処理対象の1個以上のプリンタの初期インク量IVと境界インク量BVに関する表示と言うことができる。
スライダSDsは、オブジェクトOcによって示される特定範囲内で、設定すべき基準残率TRを示している。スライダSDsの近傍には、スライダSDsの位置に対応する基準残率TRを示す数値ST(図8(C)の例では「20%」)が表示されている。ユーザは、1個のスライダSDsを介して設定すべき1個の基準残率TRを指定する1個の指示を入力することができる。
処理対象のプリンタが複数個である場合には、S275にて、当該処理対象の複数個のプリンタのそれぞれに、基準残率TRが設定されるから、設定画面WCを介して入力される1個の指示は、設定画面WAを介して入力される指示と同様に、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
図8(D)の設定画面WDは、処理対象の2個以上のプリンタの供給方式が全て二室供給方式であり、かつ、処理対象の2個以上のプリンタが、初期インク量IVが第3の量であるプリンタと、初期インク量IVが第3の量よりも小さな第4の量であるプリンタとのいずれかであり、かつ、処理対象の2個以上のプリンタの境界インク量BVが全て等しい場合に用いられる。
設定画面WDは、UI画像Idと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Idは、設定画面WBと同様に、棒状の2個のオブジェクトOd1、Od2と、2個のオブジェクトOd1、Od2上に跨って配置される1個のスライダSDlと、を含む。
オブジェクトOd1は、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第3の量である1個以上のプリンタのインク残率IRが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOd2は、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第4の量である1個以上のプリンタのインク残率IRが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOd1の長手方向(図8(D)の上下方向)の長さと、オブジェクトOd2の長手方向の長さと、の比率は、第3の量と第4の量との比率に設定されている。オブジェクトOd1、Od2は、さらに、境界ラインLd1、Ld2を含んでいる。境界ラインLd1、Ld2は、設定画面WCの境界ラインLcと同様に、境界残率BRに対応するオブジェクトOd1、Od2上の長手方向の位置に配置されている。境界残率BRは、上述したように、初期インク量IVと境界インク量BVとを用いて算出される。このため、オブジェクトOd1、Od2は、処理対象の2個以上のプリンタの初期インク量IVと境界インク量BVとに関する2個の表示と言うことができる。
オブジェクトOd1、Od2は、オブジェクトOd1の下端の長手方向の位置と、オブジェクトOb2の下端の長手方向の位置と、が一致するように、配置されている。そして、上述したように、オブジェクトOd1の長手方向の長さとオブジェクトOd2の長手方向の長さとの比率は、第3の量と第4の量との比率に設定されており、処理対象の複数個のプリンタの境界インク量BVとが等しい。このために、2本の境界ラインLd1、Ld2が配置される長手方向の位置は、互いに等しい。
設定画面WBと同様に、設定画面WDのスライダSDlは、オブジェクトOd1、Ob2によって示される特定範囲内で、設定すべき基準残率TRを示している。設定画面WBと同様に、ユーザは、スライダSDlを移動させることで、設定すべき基準残率TRを変更することができる。スライダSDlの左側には、オブジェクトOd1におけるスライダSDlの位置に対応する基準残率TRを示す数値ST1(図8(D)の例では「23%」)が表示されている。スライダSDlの右側には、オブジェクトOd2おけるスライダSDlの位置に対応する基準残率TRを示す数値ST2(図8(D)の例では「30%」)が表示されている。設定すべき基準残率TRに対応する位置にスライダSDlが位置した状態でOKボタンBT1が押下されると、設定すべき2個の基準残率TRが入力される。換言すれば、ユーザは、1個のスライダSDlを介して設定すべき2個の基準残率TRを指定する1個の指示を入力することができる。
CPU210が設定画面WDを介して設定すべき2個の基準残率TRを取得すると、S275にて、取得済みの2個の基準残率TRのうちの一方の値(例えば、23%)が、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第3の量であるプリンタに対応する基準残率TRとして設定される。そして、取得済みの2個の基準残率TRのうちの他方の値(例えば、30%)が、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第4の量であるプリンタに対応する基準残率TRとして設定される。このように、設定画面WDを介して入力される2個の基準残率TRを指定する1個の指示は、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
なお、設定画面WDのUI画像Idは、処理対象の2個以上のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なる2種類の量(第3の量と第4の量)である場合の設定画面であるので、UI画像Ibは、2個のオブジェクトOd1、Od2を含んでいる。設定画面WBと同様に、一般的に言えば、処理対象のM個(Mは2以上の整数)のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なるM種類の量である場合には、設定画面WDのUI画像は、該M種類の量に対応するM個のオブジェクトと、当該M個のオブジェクトに跨って配置される1個のスライダと、を含む。
図9は、エラー画面の一例を示す図である。図9のエラー画面WEは、境界残率BRを設定できない理由として、仕様が異なるプリンタが処理対象として選択していることを示すメッセージMSと、OKボタンBT1と、を含む。この場合には、S270はスキップされるために、境界残率BRは設定されない。したがって、この場合には、ユーザは、今回の設定処理の処理対象の複数個のプリンタとは、少なくとも一部が異なる1個以上のプリンタを、処理対象のプリンタとして選択して、再度、基準値設定処理の開始要求を行う。エラー画面WEは、設定画面WA~WDとは異なり、設定すべき基準残率TRを示す共通指示を入力するための入力要素(スライダSDs、SDl)を含まない。したがって、エラー画面WEは、ユーザによって共通指示が入力不可能な画面である。
以上説明した第1実施例によれば、図7の基準値設定処理において、管理サーバ300は、図4の管理データベースPDに記録されたプリンタ情報を用いて、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致するか否かを判断する(図7のS210~S230)。管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致する場合には(図7のS215にてNO、または、S225にてYES、または、S230にてYES)、設定画面WA~WDを示す画面データを生成し、表示する(図7のS235~S250、S260、S265)。設定画面WA~WDは、上述したように、ユーザによって、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示が入力可能な設定画面である(図8)。管理サーバ300は、共通指示に基づいて処理対象の複数個のプリンタに対応する複数個の基準残率TRを設定する(図7のS275)。管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致しない場合には(図7のS210にてNO、または、S230にてNO)、エラー画面WEを示す画面データを生成し、表示する(図7のS255、S260、S265)。エラー画面WEは、ユーザによって共通指示が入力不可能な画面である。この結果、複数個のプリンタの種類が一致するか否かに応じた適切な画面が、ユーザに提供される。したがって、インクIkの補充条件が満たされるか否かを判断するための基準残率TRが容易に設定され得る。例えば、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致する場合には、ユーザは、設定画面WA~WDを介して、共通指示を入力することによって、複数個のプリンタに対応する複数個の基準残率TRを容易に設定できる。
より具体的には、管理サーバ300は、複数個のプリンタのインクIkの供給方式が一致すること(図7のS210)を含む一致条件が満たされる場合に、複数個のプリンタの種類が一致すると判断する(図7のS210~S230)。この結果、処理対象のプリンタのインクIkの供給方式が一致するか否かに応じた適切な画面が、ユーザに提供される。例えば、二室供給方式のプリンタでは、上述したように、基準残率TRは、境界残率BR未満の値に設定されても、インクIkの無駄を防ぐ観点から意味がない。このために、基準残率TRは、境界残率BR以上の値に設定されるべきである。一室供給方式のプリンタでは、インクIkの無駄を防ぐ観点からは、基準残率TRは0%に近い方が好ましく、印刷の停止を防ぐ観点からは、基準残率TRは大きな値であることが好ましい。このような違いから、1個の共通指示に基づいて、一室供給方式のプリンタと二室供給方式のプリンタとのそれぞれについて、適切に基準残率TRを設定することは困難である場合が多い。本実施例では、複数個のプリンタのインクIkの供給方式が一致することを含む一致条件が採用されているので、適切な画面がユーザに提供され得る。
さらに、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタのそれぞれが二室供給方式であること(図7のS215にてYES)を含む一致条件が満たされる場合に、設定画面WC、WDを表示する。図8(D)の設定画面WDは、上述したように、処理対象の複数個のプリンタが、初期インク量IVが互いに異なる2個以上のプリンタを含む場合に(S225にてNO、S230にてYES)、表示される。設定画面WDは、初期インク量IVが互いに異なる2個以上のプリンタに対応する2個のオブジェクトOd1、Od2と、共通指示に基づいて設定すべき基準残率TRを2個のオブジェクトOd1、Od2のそれぞれと関連付けて示す1個のスライダSDlとを含む。この結果、例えば、ユーザは、オブジェクトOd1、Od2を見ることで、処理対象の複数個のプリンタの初期インク量IVの違いを認識しながら、共通指示を入力できるので、初期インク量IVが互いに異なるプリンタについて、適切な基準残率TRが容易に設定され得る。
さらに、設定画面WDは、境界残率BRを示す境界ラインLd1、Ld2の表示を含んでいる(図8(D))。設定画面WDにおいて、2個のオブジェクトOd1、Od2は、それぞれの境界ラインLd1、Ld2の上下方向の位置が一致するように、配置されている。この結果、ユーザは、境界残率BRの位置を参考にしながら、共通指示を入力できるので、適切な基準残率TRがさらに容易に設定され得る。この結果、基準値が、印刷材の残量と、収容可能な印刷材の容量に対する印刷材の残量の割合と、のいずれかの指標値について設定される場合に、さらに、基準値が容易に設定され得る。
ここで、基準値として基準残率TRが用いられる場合には、同じ二室供給方式のプリンタであっても境界インク量BVが互いに異なる2個以上のプリンタについては、1個の共通指示に基づいて適切な基準残率TRを設定することは困難である場合がある。境界インク量BVが互いに異なる場合には、インクIkの残量が境界インク量BVを下回った後に、印刷可能な期間の違いが大きいために、インクカートリッジの発注のタイミングが互いに異なることが好ましい場合があるからである。本実施例によれば、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタのそれぞれが二室供給方式であり(図7のS215にてYES)、かつ、処理対象のプリンタのそれぞれの境界インク量BVが同じである場合に(S225にてYES、または、S230にてYES)、複数個のプリンタの種類が一致すると判断される。構成によれば、基準値として基準残率TRが用いられる場合に、適切な基準残率TRが容易に設定され得る。
さらに、上記実施例では、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致しない場合には(例えば、図7のS210にてYES)、基準残率TRを設定できないエラーを示すエラー画面WE(図8(D))を表示する(図7のS255、S260(D))。この結果、適切な基準残率TRを設定し難い場合には、エラー画面WEが表示されるので、例えば、ユーザは、適切な対応を取り得る。例えば、ユーザは、処理対象の複数個のプリンタを選択しなおした上で、再度、基準値設定処理の開始要求を入力することができる。
さらに、上記実施例では、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタのそれぞれが一室供給方式である場合に(図7のS215にてNO)、設定画面WA、WBを表示する。図8(B)の設定画面WBは、上述したように、処理対象の複数個のプリンタが、初期インク量IVが互いに異なる2個以上のプリンタを含む場合に(S220にてNO)、表示される。設定画面WBは、初期インク量IVが互いに異なる2個以上のプリンタに対応する2個のオブジェクトOb1、Ob2と、共通指示に基づいて設定すべき基準残率TRを2個のオブジェクトOb1、Ob2のそれぞれと関連付けて示す1個のスライダSDlとを含む。この結果、例えば、ユーザは、オブジェクトOb1、Ob2を見ることで、処理対象の複数個のプリンタの初期インク量IVの違いを認識しながら、共通指示を入力できる。したがって、初期インク量IVが互いに異なるプリンタについて、適切な基準残率TRが容易に設定され得る。
以上の説明から解るように、本実施例のインク残率IRは、指標値の例であり、境界残率BRは、境界指標値の例であり、基準残率TRは、基準値の例であり、境界インク量BVは、境界量の例である。また、本実施例の設定画面WA~WDは、第1の画面の例であり、エラー画面WEは、第2の画面の例であり、オブジェクトOd1、Od2は、第1の表示の例であり、スライダSDlは、第2の表示の例である。
B.第2実施例
第2実施例では、管理サーバ300が、補充条件が満たされるか否かを判定するために用いられるインクIkの残量に関する指標値として、インク残率IRに代えて、残印刷日数RDが用いられる。残印刷日数RDは、インクIkの残量(あるいはインク残率IR)に応じた期間を示す日数であって、インクカートリッジ200Aの交換が行われない場合に、印刷可能な期間を示す日数である。すなわち、残印刷日数RDが10日であることは、インクカートリッジ200Aを交換することなく、現在から10日間に亘って印刷が可能であることを意味する。ただし、管理サーバ300が、管理対象の複数個のプリンタから取得するインクIkの残量に関する指標値は、第1実施例と同様にインク残率IRである。
図10は、残印刷日数RDの算出について説明する図である。インクカートリッジ200Aが新品に交換された日を、交換日とする。換言すれば、交換日は、現在、装着部172Aに装着されているインクカートリッジ200Aが最初に装着された日である。交換日におけるインク残率は100%である。現在のインク残率は、後述する管理データベースPD2に記録されるインク残率IR(プリンタ100Aから取得されるインク残率IR)である。交換日から現在までのインクIkの消費のペースが今後も続くと仮定すると、残印刷日数RDは、交換日とインク残率IRを用いて、以下の式(1)に従って算出される。
RD=(UD×IR)/(100-IR) …(1)
ここで、UDは、交換日から現在までの期間(日数)である。
なお、図10には、インクカートリッジ200Aが新品に交換された時点での残印刷日数RDである初期印刷日数IDが図示されている。初期印刷日数IDは、以下の式(2)に従って算出される。
ID=(UD×100)/(100-IR) …(2)
B-1.管理データベースPD2
第2実施例では、残印刷日数RDを用いて補充条件が満たされるか否かを判定するために、管理データベースPD2において管理される情報の一部が、第1実施例の管理データベースPDにおいて管理される情報とは異なる。
図11は、第2実施例の管理データベースPD2の一例を示す図である。管理データベースPD2は、図4の管理データベースPDと同様に、管理対象であるシステム1000内の複数個のプリンタに対応するエントリを含む。図11では、プリンタ100A~200Cに対応するエントリEN1b~EN3bのみが代表して図示されている。
プリンタ100Aに対応するエントリEN1bは、図4のエントリEN1と同様に、プリンタ100Aのプリンタ情報の複数個の項目、具体的には、シリアルナンバーと、モデル名と、IPアドレスと、取得ステータスと、判定ステータスと、交換回数と、インクIkの供給方式と、初期インク量IVと、境界インク量BVと、インク残率IRと、を示す情報をそれぞれ含む。ただし、図11では、モデル名と、IPアドレスと、については図示が省略されている。
プリンタ100Aに対応するエントリEN1bは、図4のエントリEN1に含まれる基準残率TRに代えて、基準日数TDを示す情報を含んでいる。基準日数TDは、管理サーバ300において、ステータスを判定するために用いられる。基準日数TDは、残印刷日数RDについての閾値であり、後述する基準値設定処理(図13)にて、ユーザの指示に基づいて設定される。残印刷日数RDが未設定である場合には、エントリEN1bに、基準日数TDは、含まれない。
プリンタ100Aに対応するエントリEN1bは、さらに、上述した交換日と、境界印刷日数BDと、を示す情報を含んでいる。
境界印刷日数BDは、二室供給方式のプリンタ(例えば、プリンタ100A、100B)において、境界インク量BVのインクIkが残存している場合の残印刷日数RDである。換言すれば、境界印刷日数BDは、第1の収容状態S1と第2の収容状態S2との境界に対応する残印刷日数RDである。交換日から現在までのインクIkの消費のペースが今後も続くと仮定すると、境界印刷日数BDは、上述した交換日と境界残率BRとインク残率IRとを用いて、以下の式(3)に従って算出される。
BD=(UD×BR)/(100-IR) …(3)
プリンタ100B、100Cに対応するエントリEN2b、EN3bは、それぞれ、プリンタ100Aに対応するエントリEN1bと同種の項目を示す情報を含む。ただし、プリンタ100Cは、一室供給方式のプリンタであり、中間容器を備えないために、エントリEN3bは、境界インク量BVと境界印刷日数BDとを含まない。
管理データベースPD2に記録されるプリンタ情報のうちの取得ステータスと、交換回数と、交換日と、インクIkの供給方式と、初期インク量IVと、境界インク量BVと、インク残率IRとは、後述する管理処理において、管理対象の各プリンタから取得される。管理データベースPDに記録されるプリンタ情報のうちの判定ステータスと境界印刷日数BDとは、後述する管理処理において生成される。基準日数TDは、後述する基準値設定処理によって設定される。
B-2.管理処理
第2実施例の管理処理について説明する。第2実施例の管理処理は、第1実施例の管理処理と同様に、定期的に、かつ、管理対象のプリンタ100A~100Cのそれぞれを注目プリンタとして実行される。以下では、プリンタ100Aが注目プリンタである場合を例として説明する。
図12は、第2実施例の管理処理のフローチャートである。図12において、図5の管理処理と同一であるS150以降のステップについては、図5と同一の符号を付し、その説明を省略する。図5の管理処理のS150より前のステップについては符号の末尾に「B」を付した。図12に示すように、第2実施例の管理処理では、図5の第1実施例の管理処理のS100~S145に代えて、S100B~S145Bが実行される。
S100Bでは、管理サーバ300は、図5のS100と同様に、注目プリンタとしてのプリンタ100Aから、プリンタ情報を収集する。プリンタ情報の収集には、第1実施例と同様に、SNMPが用いられる。管理サーバ300は、収集したプリンタ情報を揮発性記憶装置120に記録する。収集されるプリンタ情報は、第1実施例と一部が異なり、上述のように、取得ステータスと、交換回数と、交換日と、インクIkの供給方式と、初期インク量IVと、境界インク量BVと、インク残率IR、を含む。
S105Bでは、管理サーバ300は、注目プリンタ(説明ではプリンタ100A)について、基準日数TDが設定済みであるか否かを判断する。管理データベースPDに基準日数TDが記録されている場合には、基準日数TDが設定済みであると判断される。基準日数TDが設定済みである場合には(S105B:YES)、管理サーバ300は、S110Bに処理を進める。基準日数TDが未設定である場合には(S105B:NO)、管理サーバ300は、S145Bに処理を進める。
S110Bでは、管理サーバ300は、図5のS110Bと同様に、プリンタ情報として取得済みのインクIkの供給方式を示す情報に基づいて、注目プリンタのインクIkの供給方式が二室供給方式であるか否かを判断する。インクIkの供給方式が二室供給方式である場合には(S110B:YES)、管理サーバ300は、S115Bに処理を進める。
S115Bでは、CPU110は、S110Bにて取得済みの交換日と境界インク量BVとインク残率IRとを用いて、上述した式(3)に従って境界印刷日数BDを算出する。境界印刷日数BDは、プリンタ100Aにおける印刷の実行状況、換言すれば、プリンタ100AにおけるインクIkの消費状況によって変動する。このために、境界印刷日数BDは、管理処理を行う度に、毎回計算される。インクIkの供給方式が二室供給方式でない場合には(S110B:NO)、すなわち、インクIkの供給方式が一室供給方式である場合には、管理サーバ300は、S115Bをスキップする。一室供給方式の印刷実行部170C(図3)は、中間容器を備えないので、境界インク量BVや境界印刷日数BDという概念は存在しないためである。
S120Bでは、管理サーバ300は、S110Bにて取得済みの交換日とインク残率IRとを用いて、上述した式(1)に従って現時点の残印刷日数RDを算出する。
S130Bでは、管理サーバ300は、残印刷日数RDと基準日数TDとに基づいて残印刷日数RDのステータスを判定する。具体的には、注目プリンタが一室供給方式のプリンタである場合には、残印刷日数RDが基準日数TDより大きい場合には(RD>TD)、ステータスは「通常」と判定され、残印刷日数RDが基準日数TD以下(RD≦TD)である場合には、ステータスは「少量」と判定される。注目プリンタが二室供給方式のプリンタである場合には、残印刷日数RDが、境界印刷日数BDと基準日数TDとの和より大きい場合には(RD>(BD+TD))、ステータスは「通常」と判定され、残印刷日数RDが、境界印刷日数BDと基準日数TDとの和以下(RD≦(BD+TD))である場合には、ステータスは「少量」と判定される。
このように、一室供給方式では、残印刷日数RDと基準日数TDとを比較するのに対して、二室供給方式では、残印刷日数RDと、境界印刷日数BDと基準日数TDとの和と、を比較する。これは、一室供給方式では、残印刷日数RDがゼロである状態を基準(ゼロ)として、基準日数TDが設定されるのに対して、二室供給方式では、残印刷日数RDが境界印刷日数BDである状態を基準(ゼロ)として、基準日数TDが設定されるためである。
基準日数TDが未設定である場合には(S105B:NO)、管理サーバ300は、S145Bにて、管理サーバ300は、S100にてプリンタ100Aから取得済みの取得ステータスを、残印刷日数RDのステータスとして採用する。
B-3.基準値設定処理
第2実施例の基準値設定処理は、処理対象のプリンタについて、上述した管理処理で用いられる基準値として、第1実施例の基準残率TRに代えて、基準日数TDを設定する処理である。図13は、第2実施例の基準値設定処理のフローチャートである。
図13の基準値設定処理では、図7のS230が実行されず、図7のS235~S250に代えて、S235B~S250Bが実行され、図7のS270、S275に代えて、S270B、S275Bが実行される。したがって、S225にて、処理対象のプリンタの初期インク量IVが互いに異なる2以上の値を含む場合、または、処理対象のプリンタの境界インク量BVが互いに異なる2以上の値を含む場合には(S225:NO)、管理サーバ300は、S250Bに処理を進める。S235Bでは、設定画面WAに代えて、設定画面WFが、表示すべき画面として決定される。S240Bでは、設定画面WBに代えて、設定画面WGが、表示すべき画面として決定される。S245Bでは、設定画面WCに代えて、設定画面WHが、表示すべき画面として決定される。S250Bでは、設定画面WDに代えて、設定画面WIが、表示すべき画面として決定される。S270Bでは、設定画面WF~WIを介して、基準日数TDが取得される。S275Bでは、処理対象のプリンタの基準値として、設定画面WF~WIを介して取得された基準日数TDが設定される。
図14は、第2実施例の設定画面の一例を示す図である。図14(A)の設定画面WFは、処理対象の1個以上のプリンタの供給方式が全て一室供給方式であり、かつ、処理対象の1個以上のプリンタの初期インク量IVが全て等しい場合に用いられる。設定画面WFは、UI画像Ifと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Ifは、棒状のオブジェクトOfと、オブジェクトOf上に配置されるスライダSDsと、を含む。
オブジェクトOfは、残印刷日数RDが取り得る特定範囲を示す。具体的には、オブジェクトOfの長手方向(図14(A)の上下方向)の位置は、残印刷日数RDが取り得る値に対応する。オブジェクトOfの上端は、残印刷日数RDの最大値(すなわち、初期印刷日数ID)に対応し、オブジェクトOfの下端は、残印刷日数RDの最小値(0日)に対応する。
スライダSDsは、オブジェクトOfによって示される特定範囲内で、設定すべき基準日数TDを示している。スライダSDsの近傍には、スライダSDsの位置に対応する基準日数TDを示す数値DT(図14(A)の例では「2日」)が表示されている。ユーザは、1個のスライダSDsを介して設定すべき1個の基準日数TDを指定する1個の指示を入力することができる。処理対象のプリンタが複数個である場合には、当該処理対象の複数個のプリンタのそれぞれに、基準日数TDが設定されるから、設定画面WFを介して入力される1個の指示は、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
図14(B)の設定画面WGは、処理対象の2個以上のプリンタの供給方式が全て一室供給方式であり、かつ、処理対象の2個以上のプリンタが、初期インク量IVが互いに異なるプリンタを含む場合に用いられる。
設定画面WGは、UI画像Igと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Igは、棒状の2個のオブジェクトOg1、Og2と、2個のオブジェクトOg1、Og2上に跨って配置される1個のスライダSDlと、を含む。
オブジェクトOg1、Og2は、処理対象の2個以上のプリンタの残印刷日数RDが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOg2は、処理対象の2個以上のプリンタのうち、初期インク量IVが第2の量である1個以上のプリンタの残印刷日数RDが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOg1の長手方向(図14(B)の上下方向)の長さと、オブジェクトOg2の長手方向の長さと、の比率は、オブジェクトOg1に対応するプリンタの初期印刷日数IDと、オブジェクトOg2に対応するプリンタの初期印刷日数IDと、オブジェクトOg1に対応する初期印刷日数IDと、の比率に設定されている。
スライダSDlの左側には、オブジェクトOg1、Og2におけるスライダSDlの位置に対応する基準日数TDを示す数値DT(図14(B)の例では「3日」)が表示されている。ユーザは、1個のスライダSDlを介して設定すべき1個の基準日数TDを指定する1個の指示を入力することができる。設定画面WGを介して入力される1個の指示は、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
図14(C)の設定画面WHは、処理対象の1個以上のプリンタの供給方式が全て二室供給方式であり、かつ、処理対象の1個以上のプリンタの初期インク量IVが全て等しく、かつ、処理対象の1個以上のプリンタの境界インク量BVが全て等しい場合に用いられる。
設定画面WHは、UI画像Ihと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Ihは、設定画面WAのUI画像Ihと同様に、棒状のオブジェクトOhと、オブジェクトOh上に配置されるスライダSDsと、を含む。オブジェクトOhは、設定画面WFのオブジェクトOfと同様に、残印刷日数RDが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOhは、さらに、境界ラインLhを含んでいる。境界ラインLhは、境界印刷日数BDに対応するオブジェクトOh上の長手方向の位置に配置されている。基準日数TDは、上述したように、残印刷日数RDが境界印刷日数BDである状態を基準(ゼロ)として設定されるので、境界ラインLhの近傍には、「0日」を示す文字が表示されている。境界印刷日数BDは、上述のように境界残率BRを用いて算出され、境界残率BRは、上述したように、初期インク量IVと境界インク量BVとを用いて算出される(BR=(BV/IV)×100)。このため、オブジェクトOhは、処理対象の1個以上のプリンタの初期インク量IVと境界インク量BVに関する表示と言うことができる。
スライダSDsの左側には、スライダSDsの位置に対応する基準日数TDを示す数値DT(図14(C)の例では「3日」)が表示されている。ユーザは、1個のスライダSDsを介して設定すべき1個の基準残率TRを指定する1個の指示を入力することができる。設定画面WHを介して入力される1個の指示は、設定画面WFを介して入力される指示と同様に、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
図14(D)の設定画面WIは、処理対象の2個以上のプリンタの供給方式が全て二室供給方式であり、かつ、処理対象の2個以上のプリンタの初期インク量IVと境界インク量BVとの少なくとも一方が異なる場合に用いられる。
設定画面WIは、UI画像Iiと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Iiは、設定画面WBと同様に、棒状の2個のオブジェクトOi1、Oi2と、2個のオブジェクトOi1、Oi2上に跨って配置される1個のスライダSDlと、を含む。
オブジェクトOi1、Oi2は、処理対象の2個以上の残印刷日数RDが取り得る特定範囲を示す。オブジェクトOi1の長手方向(図14(D)の上下方向)の長さと、オブジェクトOi2の長手方向の長さと、の比率は、オブジェクトOi1に対応する初期印刷日数IDと、オブジェクトOi2に対応するプリンタの初期印刷日数IDと、の比率に設定されている。オブジェクトOi1、Oi2は、さらに、境界ラインLi1、Li2を含んでいる。境界ラインLi1、Li2は、設定画面WHの境界ラインLhと同様に、境界印刷日数BDに対応するオブジェクトOi1、Oi2上の長手方向の位置に配置されている。オブジェクトOi1、Oi2は、処理対象の2個以上のプリンタの初期インク量IVと境界インク量BVとに関する2個の表示と言うことができる。
オブジェクトOi1、Oi2は、2本の境界ラインLi1、Li2が配置される長手方向の位置が互いに等しくなるように、配置されている。
設定画面WIのスライダSDlは、の左側には、オブジェクトOi1、Oi2におけるスライダSDlの位置に対応する基準日数TDを示す数値DT(図14(D)の例では「3日」)が表示されている。ユーザは、1個のスライダSDlを介して設定すべき1個の基準残率TRを指定する1個の指示を入力することができる。設定画面WIを介して入力される1個の指示は、設定画面WGを介して入力される指示と同様に、処理対象の複数個のプリンタに共通する共通指示である。
以上説明した第2実施例では、インクの残量に関する指標値として、インク残率IRに加えて、残印刷日数RDが用いられ、境界指標値として、第1の収容状態S1と第2の収容状態S2との境界に対応する残印刷日数RDが用いられる。そして、残印刷日数RDについて基準日数TDが設定されるので、ユーザは、容易に適切な基準日数TDを設定できる。例えば、インクカートリッジ200Aの発注通知の送信から、インクカートリッジ200Aが、プリンタ100Aの所在値に届くまでの日数を考慮して、容易に適切な基準日数TDが設定され得る。
処理対象のプリンタが二室供給方式のプリンタであり、かつ、基準値(本実施例では基準日数TD)が、残印刷日数RDについて設定される場合には、初期インク量IVと境界インク量BVとに拘わらずに、同じ基準日数TDが設定される可能性が高い。これは、基準日数TDは、例えば、境界印刷日数BDを基準(ゼロ)として、インクカートリッジの配送に要する日数を考慮した日数に設定される可能性が高いからである。第2実施例の基準値設定処理では、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタが、二室供給方式のプリンタである場合に(図13のS215にてYES)、初期インク量IVと境界インク量BVとに拘わらずに、共通指示を入力できる設定画面WH、WIが表示される(S245B、S250B)。換言すれば、処理対象の複数個のプリンタが、二室供給方式のプリンタである場合には、初期インク量IVと境界インク量BVとに拘わらずに、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致すると判断される。この結果、二室供給方式のプリンタについて、基準日数TDが容易に設定され得る。
以上の説明から解るように、本実施例の残印刷日数RDは、指標値の例であり、境界印刷日数BDは、境界指標値の例であり、基準日数TDは、基準値の例であり、境界インク量BVは、境界量の例である。また、本実施例の設定画面WF~WIは、第1の画面の例であり、エラー画面WEは、第2の画面の例であり、オブジェクトOi1、Oi2は、第1の表示の例であり、スライダSDlは、第2の表示の例である。
C.変形例
(1)上記各実施例の設定画面WA~WI(図9、図13)は、一例であり、適宜に変形が可能である。図15は、変形例の設定画面の一例を示す図である。第2実施例の設定画面WI(図14(D))に代えて、図15(A)の設定画面WI2が表示されても良い。設定画面WI2は、設定画面WIのUI画像Iiに代えて、UI画像Ii2を含んでいる。UI画像Ii2は、UI画像Iiと同様に、棒状の2個のオブジェクトOi1、Oi2と、2個のオブジェクトOi1、Oi2上に跨って配置される1個のスライダSDlと、を含む。設定画面WIでは、オブジェクトOi1、Oi2は、2本の境界ラインLi1、Li2が配置される長手方向の位置が互いに等しくなるように、配置されているが、設定画面WI2では、オブジェクトOi1、Oi2は、互いの下端の長手方向の位置が互いに等しくなるように、配置されている。UI画像Ii2のその他の構成は、UI画像Iiと同じである。本変形例によれば、例えば、基準日数TDが、インクIkの残量がゼロになる日を基準(ゼロ)として、インクカートリッジの配送に要する日数を考慮した日数に設定される場合に、基準日数TDが容易に設定され得る。
(2)設定画面WA~WIでは、スライダSDs、SDlを介して、設定すべき基準残率TRが入力される。これに代えて、他の種類の入力要素を介して、設定すべき基準残率TRが入力されても良い。例えば、第2実施例の設定画面WIに代えて、図15(B)の設定画面WI3が表示されても良い。図15(B)の設定画面WI3が、図14(D)の設定画面WIと異なる点は、設定すべき基準残率TRを入力するための入力要素であるボックスBXを含む点である。設定画面WI3では、ユーザは、スライダSDlを操作することに代えて、ボックスBXに数値を入力することで、設定すべき基準残率TRを示す指示を入力することができる。設定画面WI3では、スライダSDlに代えて、ユーザの操作では移動しない線が表示されても良い。これらの線は、例えば、ボックスBXに入力された値に応じて移動しても良い。
(3)上記第1実施例のエラー画面WEに代えて、図15(C)の設定画面WKが表示されても良い。設定画面WKは、処理対象のプリンタの個数が2個であり、処理対象の2個のプリンタのうちの一方が、一室供給方式のプリンタであり、他方が、二室供給方式のプリンタである場合に用いられる。設定画面WKは、UI画像Ikと、OKボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、を含む。UI画像Ikは、棒状の2個のオブジェクトOk1、Ok2と、2個のオブジェクトOk1上に配置される第1スライダSD1と、オブジェクトOk2上に跨って配置される第2スライダSD2と、を含む。
オブジェクトOk1は、処理対象の2個のプリンタのうちの一室供給方式のプリンタに対応している。オブジェクトOk2は、処理対象の2個のプリンタのうちの二室供給方式のプリンタに対応している。オブジェクトOk1の長手方向(図15(C)の上下方向)の長さは、一室供給方式のプリンタの初期インク量IVを示し、オブジェクトOk2の長手方向の長さは、二室供給方式のプリンタの初期インク量IVを示している。
第1スライダSD1は、オブジェクトOk1によって示される特定範囲内で、設定すべき基準残率TRを示している。第2スライダSD2は、オブジェクトOk2によって示される特定範囲内で、設定すべき基準残率TRを示している。ユーザの操作に従って、第1スライダSD1と第2スライダSD2とは、それぞれ、独立して移動する。ユーザは、スライダSD1、SD2を移動させることで、設定すべき基準残率TRを変更することができる。スライダSD1、SD2の左側には、それぞれ、対応する基準残率TRを示す数値ST1、ST2が表示されている。設定すべき基準残率TRに対応する位置にスライダSD1、SD2が位置した状態でOKボタンBT1が押下されると、設定すべき2個の基準残率TRが入力される。すなわち、CPU210は、OKボタンBT1が押下された時点における2個のスライダSD1、SD2の位置に対応する2個の基準残率TRを、設定すべき基準残率TRとして取得する。換言すれば、ユーザは、2個のスライダSD1、SD2を介して設定すべき2個の基準残率TRを指定する2個の指示を入力することができる。
このように、設定画面WKを介して入力される2個の指示は、共通指示ではない。したがって、設定画面WKは、エラー画面WEと同様に、共通指示を入力するための入力要素(例えば、設定画面WA~WD、WF~WIのスライダSDs、SDl)を含まない。すなわち、設定画面WKは、エラー画面WEと同様に、ユーザによって共通指示が入力不可能な画面である。設定画面WKは、処理対象の2個の印刷装置に対応する2個の指示をユーザが入力できる設定画面である。なお、設定画面WKのUI画像Ikは、処理対象のプリンタが2個である場合の設定画面であるので、UI画像Ikは、2個のオブジェクトOk1、Ok2を含んでいる。一般的に言えば、処理対象のプリンタが、互いに種類が異なるK個(Kは2以上の整数)のプリンタである場合には、設定画面WKのUI画像は、K個のオブジェクトと、当該K個のオブジェクトのそれぞれに1個ずつ配置されるK個のスライダと、を含む。この変形例では、図7のS270では、K個の指示に基づいて、処理対象のK個のプリンタに対応するK個の基準残率TRが設定される。この変形例によれば、処理対象の複数個おプリンタの種類が一致しない場合であっても、ユーザの指示に基づいて、基準残率TRが設定される。
(4)上記各実施例の基準値設定処理(図7、図13)は、一例であり、適宜に変更され得る。例えば、システム1000に含まれる複数個のプリンタが、一室供給方式のプリンタのみである場合や二室供給方式のプリンタには、よりシンプルな基準値設定処理が実行され得る。
図16は、変形例の基準値設定処理のフローチャートである。この変形例では、システム1000に含まれる複数個のプリンタが、一室供給方式のプリンタのみである場合を想定している。図16(A)の基準値設定処理が、第1実施例の図7の基準値設定処理と異なる点は、図7のS210に代えてS210Cが実行される点と、図7のS250に代えてS250Cが実行される点と、図7のS215~S245が実行されない点である。図16の他の処理は、図7の同符号の処理と同じである。
図16(A)の基準値設定処理では、処理対象のプリンタとして複数個のプリンタが選択された場合には(S205:YES)、S210Cにて、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタの初期インク量IVが全て等しいか否かを判断する。処理対象の複数個のプリンタの初期インク量IVが全て等しい場合には(S210C:YES)、管理サーバ300は、表示すべき画面を、図8(A)の設定画面WAに決定する。処理対象の複数個のプリンタの初期インク量IVが、互いに異なる2以上の値を含む場合には(S210C:NO)、管理サーバ300は、表示すべき画面を、図9のエラー画面WEに決定する。この変形例では、設定画面WAが第1の画面の例であり、設定画面WFが第2の画面の例である。本変形例によれば、処理対象の複数個のプリンタの初期インク量IVが一致することを含む一致条件が満たされる場合に、処理対象のプリンタの種類が一致すると判断される。この結果、初期インク量IVが一致するか否かに応じて適切な画面が、ユーザに提供される。
(5)図16(A)の基準値設定処理のS210Cに代えて、図16(B)に示すS210Dが実行されても良い。S210Dでは、管理サーバ300は、処理対象の複数個のプリンタのモデル名(図4参照)が全て等しいか否かを判断する。処理対象の複数個のプリンタのモデル名が全て等しい場合には(S210D:YES)、管理サーバ300は、表示すべき画面を、図8(A)の設定画面WAに決定する。処理対象の複数個のプリンタのモデル名が、互いに異なる2以上の値を含む場合には(S210D:NO)、管理サーバ300は、表示すべき画面を、図9のエラー画面WEに決定する。本変形例によれば、処理対象の複数個のプリンタのモデル名が一致する場合に、処理対象のプリンタの種類が一致すると判断される。この結果、モデル名を用いて、処理対象の複数個のプリンタの種類が一致するか否かを容易に判断できる。なお、モデル名は、プリンタの機種を識別する識別情報の一例である。
(6)上記実施例では、処理対象のプリンタ、例えば、プリンタ100Aは、1色のインク(例えば、ブラック(K))を用いるモノクロの印刷機構171Aを備える。これに代えて、プリンタ100Aは、複数色のインクIkを用いる印刷機構、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷機構を備えても良い。この場合には、プリンタ100Aの印刷実行部170Aは、4色のインクに対応する4個のインクカートリッジ200Aを装着可能である。印刷実行部170Aは、装着部172Aとインク供給口174Aと中間容器175Aとインク流路部177Aとを、4色のインクのそれぞれについて備える。管理データベースPDには、1個のエントリに、4色のインクに対応する4種類のインク関連情報が記録される。そして、図5の管理処理は、1個のプリンタ100Aの4個のインクカートリッジ200Aについて、それぞれ独立して実行される。そして、図7の基準値設定処理において表示される設定画面WAは、4個のインクカートリッジ200Aに対応する4個のUI画像Iaを含む。設定画面WB~WD、WF~HIについても同様である。
(7)上記実施例では、処理対象のプリンタ、例えば、プリンタ100Aは、インクジェット式の印刷実行部170Aを備える。これに代えて、プリンタ100Aは、トナーを印刷材として用いて画像を印刷する電子写真式(例えば、レーザ式)の印刷機構を備えても良い。この場合には、印刷実行部は、トナーカートリッジを装着可能な装着部と、装着部に装着されるトナーカートリッジに収容されるトナーを用いて印刷を実行する印刷機構と、装着部に装着されるトナーカートリッジから印刷機構に至るトナーの経路に配置される容器(例えば、トナーが一時的に貯留されるサブタンク)と、を備えても良い。このような二室供給方式のトナー供給方式を備えるプリンタが採用される場合にも、本実施例の管理処理や基準値設定処理を適用することができる。
(8)上記各実施例では、管理サーバ300が、補充条件が満たされるか否かを判断して、補充条件が満たされる場合に(図5のS150、S155)、管理サーバ300が、発注通知を送信する(図5のS160)。これに代えて、管理サーバ300から設定すべき基準残率TRをプリンタ100Aに送信し、プリンタ100Aが、補充条件が満たされるか否かを判断し、補充条件が満たされる場合に発注通知を事業者サーバ400に送信しても良い。また、プリンタ100Aが、補充条件が満たされるか否かを判断し、補充条件が満たされる場合に、補充条件が満たされたことを示す情報を管理サーバ300に送信しても良い。この場合には、管理サーバ300は、プリンタ100Aから補充条件が満たされたことを示す情報を受信した場合に、発注通知を事業者サーバ400に送信する。この場合には、管理サーバ300は、補充条件が満たされるか否かを判断しないので、インク残率IR、取得ステータスをプリンタ100Aから取得しなくても良い。
(9)上記第1実施例では、管理サーバ300は、プリンタ100Aから初期インク量IVと境界インク量BVとを取得して(図5のS100)、境界残率BRを算出している(図5のS120)。これに代えて、プリンタ100Aにて境界残率BRを算出して、管理サーバ300は、プリンタ100Aから境界残率BRを取得しても良い。第2実施例では、管理サーバ300は、プリンタ100Aから交換日と境界インク量BVとインク残率IRとを取得して(図12のS100B)、残印刷日数RDや境界印刷日数BDを算出している(図12のS120B、S130B)。これに代えて、プリンタ100Aにて境界印刷日数BDや残印刷日数RDを算出して、管理サーバ300は、プリンタ100Aから境界印刷日数BDや残印刷日数RDを取得しても良い。
(10)上記各実施例では、プリンタ100AのためのインクIkの補充は、インクカートリッジ200Aの交換によって行われる。これに代えて、カートリッジが、カートリッジを交換することなく、例えば、所定のボトルからカートリッジに印刷材を注入できるタイプである場合には、印刷材の補充は、カートリッジに印刷材を注入することで行われても良い。
(11)上記各実施例では、図7の基準値設定処理は、表示部340に表示されるサブウインドウSWを介して入力されるユーザの開始要求があった場合に実行される。これに代えて、基準値設定処理は、例えば、ユーザの端末装置(例えば、スマートフォン)から管理サーバ300に開始要求が送信された場合に実行されてもよい。また、開始要求がなくても、例えば、管理サーバ300は、例えば、コンピュータプログラムPG2の起動時に、新たな管理対象のプリンタが検出された場合に、自動的に、基準値設定処理を実行してもよい。
(12)管理サーバ300による画面データの出力は、画面データを用いて表示部340に、設定画面(例えば、図9(A)の設定画面Wa)を表示する形態で行われる。これに代えて、例えば、基準値設定処理が、ユーザの端末装置からの開始要求に応じて実行される場合には、管理サーバ300による画面データの出力は、例えば、ユーザの端末装置に対して画面データを送信する形態で行われても良い。この場合には、例えば、端末装置の表示部に設定画面が表示されて、該設定画面を介して設定すべき基準残率TRや基準日数TDが取得される。そして、取得された基準残率TRや基準日数TDは、端末装置から管理サーバ300に送信される。
(13)上記各実施例では、管理サーバ300は、補充条件が満たされる場合に、発注通知を事業者サーバ400に送信する(図5、図12のS160)。これに代えて、補充条件が満たされる場合に、表示部340に、インクカートリッジ200Aの交換を促す通知が表示されても良い。また、補充条件が満たされる場合に、ユーザ宛のメールアドレス宛に、インクカートリッジ200Aの交換を促す通知を送信しても良い。一般的に言えば、補充条件が満たされる場合には、インクIkなどの印刷材の補充の契機となる情報が通知されることが好ましい。
(14)管理サーバ300は、ローカルエリアネットワークNTに接続されているが、管理サーバ300は、インターネットITに接続されていても良い。この場合には、例えば、プリンタ100A~100Bが、定期的に、かつ、自発的に、管理サーバ300に、プリンタ情報を送信する。管理サーバ300は、これらのプリンタ情報を用いて、図5や図12の管理処理を実行する。そして、管理サーバ300は、上述したように、ユーザの端末装置からの開始要求に応じて、図7や図13の基準値設定処理を実行する。この場合に、例えば、管理サーバ300は、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機を含む、いわゆるクラウドサーバであっても良い。
(15)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
(16)本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。