JP7070481B2 - 同期タイミング検出装置、無線通信装置、およびプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、同期タイミング検出装置、無線通信装置、およびプログラムに関する。
デジタル無線通信では、送信側は、所定の信号配列パターンを有する同期ワードを配置して、フレーム単位でデータを送信する。受信側は、同期ワードを検出することで、シンボル同期を図り受信したデータを復調する。
例えば、特許文献1には、受信電力が大きく変動する場合であっても受信信号のシンボルと同期を図ることのできる技術が開示されている。
しかしながら、従来では、シンボル同期を検出する際に、シンボルレートの十数倍(例えば、16倍)のサンプリングレートで1つのサンプルごとに同期ワードとの相関値を算出している。その結果、情報処理量が多くなり、シンボル同期を検出するための処理負荷が大きくなってしまう。
本発明は、シンボル同期を検出するための処理負荷を低減することのできる同期タイミング検出装置、無線通信装置、およびプログラムを提案する。
本発明の同期タイミング検出装置は、1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングされた受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値Rをm/nサンプルずつずらして算出して出力するn個(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)の相関器と、前記n個の相関器から出力される相関値Rnの各々を極座標上に角度2π(n/m)としてあてはめたn個の相関値ベクトルとし、n個の相関値ベクトルを合成し、合成したベクトルの角度を算出する演算部と、前記演算部が算出したベクトルの角度に基づいて、前記受信信号のシンボルタイミングを推定するシンボルタイミング推定部と、を備える。
本発明のデジタル無線通信装置は、RF信号を検波し、受信信号に変換する検波部と、前記受信信号を復調する復調部と、前記復調部が前記受信信号を復調するための同期信号を生成する同期タイミング検出装置と、を備え、前記同期タイミング検出装置は、1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングされた前記受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値Rをm/nサンプルずつずらして算出して出力するn個(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)の相関器と、前記n個の相関器から出力される相関値Rnの各々を極座標上に角度2π(n/m)としてあてはめたn個の相関値ベクトルとし、n個の相関値ベクトルを合成し、合成したベクトルの角度を算出する演算部と、前記演算部が算出したベクトルの角度に基づいて、前記受信信号のシンボルタイミングを推定するシンボルタイミング推定部と、推定したシンボルタイミングに基づいて、前記同期信号を生成する同期信号生成部と、を備える。
本発明のプログラムは、1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングした受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値をm/nサンプルおきにn個(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)の相関値Rnを算出して出力する相関値算出ステップと、前記n個の相関器から出力される相関値Rnの各々を極座標上に角度2π(n/m)としてあてはめたn個の相関値ベクトルとし、n個の相関値ベクトルを合成し、合成したベクトルの角度を算出する角度算出ステップと、前記角度に基づいて、シンボルが同期するシンボルタイミングを推定する推定ステップと、を同期タイミング検出装置として動作するコンピュータに実行させる。
本発明によれば、シンボル同期を検出するための処理負荷を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。
[実施形態]
図1を用いて、本発明の実施形態に係る無線通信装置1の構成について説明する。図1は、無線通信装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1を用いて、本発明の実施形態に係る無線通信装置1の構成について説明する。図1は、無線通信装置1の構成の一例を示すブロック図である。
無線通信装置1は、アンテナ10と、検波部20と、同期タイミング検出装置30と、復調部40と、制御部50とを備える。本実施形態において、無線通信装置1は、デジタル無線通信装置である。
アンテナ10は、無線通信装置1とは異なる無線通信装置から送信されたRF信号を受信する。アンテナ10は、例えば4値FSK(Frequency Shift Keying)で変調されたRF信号を受信する。アンテナ10は、受信したRF信号を検波部20に出力する。
検波部20は、RF信号を検波する。具体的には、検波部20は、例えば図示しないRF(Radio Frequency)回路部と、直交検波部と、A/D(Analog to Digital)変換部と、受信データ変換部とを有する。RF回路部は、アンテナ10から受けたRF信号に対して、周波数を変更する処理などを実行する。RF回路部は、例えば信号を中間周波数に変更し、直交検波部に出力する。直交検波部は、RF回路部から受けた信号に対して、直交検波を実行し、検波した直交信号をA/D変換部に出力する。A/D変換部は、直交検波部により直交検波されたI,Q2つの直交信号を、アナログ‐デジタル変換を実行して、デジタル信号に変換し、受信データ変換部に出力する。受信データ変換部は、直交信号を受信信号に変換する。前記した4値FSKで変調された信号であればアークタンジェント検波によりFM検波を実行し、受信信号に変換する。受信データ変換部から出力された受信信号は、同期タイミング検出装置30と、復調部40とに出力される。
A/D変換部は、例えばシンボルレートに対して十数倍(例えば、16倍)にオーバーサンプリングする。よって受信データ変換部から出力される受信信号は、シンボルレートに対してオーバーサンプリングされた信号となる。よって、検波部20は、RF信号を受信し、シンボルレートに対してオーバーサンプリングされた受信信号を出力する。
同期タイミング検出装置30は、シンボル同期のタイミングを検出する。同期タイミング検出装置30は、シンボル同期を開始するタイミングに関するタイミング情報(シンボル同期信号)を出力する。また、同期タイミング検出装置30は、フレーム同期のタイミングも検出する。同期タイミング検出装置30は、フレーム同期を開始するタイミングに関するタイミング情報(フレーム同期信号)を出力する。同期タイミング検出装置30の構成や処理については後述する。
復調部40は、同期タイミング検出装置30が検出したタイミング情報に基づいて、受信信号の復調処理を実行する。
制御部50は、無線通信装置1を構成する各部を制御する。すなわち、制御部50は、検波部20と、同期タイミング検出装置30と、復調部40との各部を制御する。制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Acccess Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成されている。この場合、ROMには、CPUが各部を制御するためのプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されたプログラムを読み出し、RAMにデータ領域を確保して実行することで、無線通信装置1の各部を制御する。
[同期タイミング検出装置]
図2を用いて、本発明の実施形態に係る同期タイミング検出装置について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る同期タイミング検出装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
図2を用いて、本発明の実施形態に係る同期タイミング検出装置について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る同期タイミング検出装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
同期タイミング検出装置30は、第1相関器31-1と、第2相関器31-2と、・・・、第n(nは3以上の自然数)相関器31-nと、演算部32と、シンボルタイミング推定部33とを備える。
第1相関器31-1から第n相関器31-nは、それぞれ、m倍でオーバーサンプリングされた受信信号を受ける。第1相関器31-1から第n相関器31-nは、それぞれ異なる所定のサンプルタイミングの信号と、既知の同期用パターンとの相関値Rを導出する。所定のサンプルタイミングは、m/n(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)サンプルずつずれている。例えば、相関値Rnのサンプリングのずれは、mを16とし、nを4とすると4サンプルとなる。1シンボル期間の16サンプル(第1~第16サンプル)の第1、第5、第9、第13サンプルを起点として、それぞれの相関器31-nが相関値を導出する。つまり、第1相関器31-1は、第1サンプルから次の第1サンプルまでを1シンボル期間として相関値R1を導出する。第2相関器31-2は、第5サンプルから次の第5サンプルまでを1シンボル期間として相関値R2を導出する。第3相関器31-3は、第9サンプルから次の第9サンプルまでを1シンボル期間として相関値R3を導出する。第4相関器31-4は、第13サンプルから次の第13サンプルまでを1シンボル期間として相関値R4を導出する。4つの相関器31-nは、それぞれ4サンプルずつタイミングがずれた受信信号に対して相関値Rnをそれぞれ導出する。なお、各相関器は、下記の式(1)に基づいて相関値を算出する。
式(1)において、S[k]は同期ワードのデータ、B[k]はバッファされた受信データである。また、l(Lの小文字)は同期ワードのデータ長である。
図3は、第1相関器31-1から第n相関器31-nのn個の相関器から出力されるそれぞれの相関値RnをサンプルタイミングP1~Pm毎に並べた状態を示している。例えば、第1相関器31-1の出力は、P1の位置で相関値の大きさを図の上方向の矢印で示している。第2相関器31-2~第4相関器も同様である。
演算部32は、相関値Rnのいずれが所定のしきい値を超えるまで相関値Rnの算出を繰り返す。演算部32は、相関値Rnのいずれかが所定のしきい値を超えた場合、図3で示した相関値Rnの各々を、図4で示す極座標に当てはめる。その結果、相関値Rnの各々は、図5に示すように極座標上に、相関値の絶対値を大きさとし、角度を2π(n/m)[rad]としてあてはめたn個の相関値ベクトルV1、V5、V9、V13として表される。演算部32は、相関値ベクトルV1、V5、V9、V13のベクトル合成の演算を行う。演算部32は、合成した相関値ベクトルの極座標上における角度を算出する。なお説明を容易にするため、P1の角度を0[rad]としている。
合成した相関値ベクトルの角度の算出は、相関値ベクトル各々のx成分とy成分とを算出し、x成分とy成分とそれぞれの差分を算出し、算出後のx成分とy成分とから逆正接を算出してもよい。例えば、演算部32は、相関器の数nを4として90度ごとに配置された相関値ベクトルV1、V5、V9、V12のそれぞれのx成分の差分と、y成分の差分を算出する。図6に示すように、演算部32は、x成分は下記の式(2)、y成分は下記の式(3)により相関値ベクトルのそれぞれのx成分とy成分とを算出し、さらにx成分の差分(Vx)と、y成分の差分(Vy)とを算出する。
演算部32は、合成した相関値ベクトルの角度を求めるため、下記の式(4)に従って、VxとVyとから逆正接を算出する。
演算部32が、ベクトル合成を行い、角度を求める理由は、相関値が最大となるサンプルタイミングを推定するためである。図3に示すように、本発明の実施形態に係る同期タイミング検出装置30は、1シンボル期間(P1~P16)の全てのサンプルタイミングを起点として相関値を算出するのではなく、所定の間隔で間引きしたサンプルタイミングを起点として相関値を算出している。そのため、相関値が最大になる場合の相関値の大きさとサンプルタイミングとは、推定する必要がある。
演算部32は、間引きしたサンプルタイミングの相関値の各々を極座標上にあてはめ、相関値ベクトルとする。極座標上の角度は1周で16サンプル表せるので、それぞれの相関値ベクトルのなす角度は、相関値の算出の起点となっているサンプルタイミングとなる。そのため、それぞれの相関値ベクトルを、演算部32がベクトル合成した結果は、相関値が最大となった場合の相関値ベクトルを示すことになる。そのため、演算部32により算出したベクトル合成後の相関値ベクトルのなす角度(予測角度θ1)は、相関値が最大となるサンプルタイミングとなる、と推定できる。
シンボルタイミング推定部33は、予測角度θ1に基づいて、シンボルが同期するシンボルタイミングを推定する。図4に示すように極座標における1周は1シンボル期間である。シンボルタイミング推定部33は、予測角度θ1において、相関値が最大になると推定する。さらに、シンボルタイミング推定部33は、図4に示すように極座標における1周は1シンボル期間であるため、相関値が最大となる角度に該当するサンプルタイミングを推定する。また、シンボルタイミング推定部33は、相関値が最大となるサンプルタイミングからシンボルが同期するタイミングを推定する。よって、予測角度θ1に該当するサンプルタイミングから受信信号をサンプリングした場合に、同期ワードとの相関値は最大となるといえる。同期ワードとの相関値が最大となることから、同期ワードのタイミングを推定できたといえる。また、同期ワードの波形におけるシンボルの位置(シンボルタイミング)は、既知であることから、同期ワードとの相関値が最大となるサンプルタイミングを推定することにより、同期ワードそのもののタイミングを推定でき、さらにはシンボルが同期するタイミングを推定することができる。
[同期タイミング検出方法]
図7を用いて、本実施形態に係る同期タイミング検出装置を備えた無線通信装置における同期タイミング検出方法を説明する。図7は、本実施形態に係る同期タイミング装置を詳細に示した機能ブロック図である。
図7を用いて、本実施形態に係る同期タイミング検出装置を備えた無線通信装置における同期タイミング検出方法を説明する。図7は、本実施形態に係る同期タイミング装置を詳細に示した機能ブロック図である。
本実施形態に係る同期タイミング検出装置30Aでは、受信側のサンプリングレートを送信側のm倍、例えば16倍にオーバーサンプリングする。この場合、同期タイミング検出装置30Aは、バッファを16個備えている。なお、以下の説明では、受信側のサンプリングレートを送信側の16倍にオーバーサンプリングするものとして説明するが、これは例示であり、本発明を限定するものでない。例えば受信側のサンプリングレートを送信側の十数倍に設定すればよい。
本実施形態に係る同期タイミング検出装置30Aは、第1バッファ110-1~第16バッファ110-16と、第1相関器31-1~第4相関器31-4と、演算部32と、シンボルタイミング推定部33と、セレクタ34と、同期判定用相関器35と、フレームタイミング判定部36と、シンボルタイミング判定部37とを備える。
16個のバッファのそれぞれは、1サンプルずつずらして受信信号を記憶する。図2で説明した基本構成と同じく、n個の相関器によりm/n(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)サンプルずつずれたサンプルタイミングとなるバッファから出力された受信信号のそれぞれに対して同期ワードとの相関判定を行う。相関器数を4としたため、nは4であり、4サンプルずつずれたバッファからの出力に対して同期ワードとの相関値を算出することになる。第1バッファ110-1の出力を第1相関器31-1が、第5バッファ110-5の出力を第2相関器31-2が、第9バッファ110-9の出力を第3相関器31-3が、第13バッファ110-13の出力を第4相関器31-4が、それぞれ相関値の算出を行う。演算部32は、予測角度θ1を算出するが、図2で示した基本構成と同じであるため説明は省略する。
シンボルタイミング推定部33は、演算部32において算出した予測角度θ1から、図4に示す極座標上のPm(P1~P16)のいずれとなるかを推定する。Pmは、1シンボル期間を1周としているため、予測角度θ1が示す角度は、サンプルタイミングを意味する。厳密には、1周を16分割した角度のいずれかに相関値が最大となる予測角度θ1が当てはまることはないため、シンボルタイミング推定部33は予測角度θ1に最も近い角度となるPmを推定してもよい。
シンボルタイミング推定部33は、シンボルタイミング推定部33が推定したシンボルタイミングの推定値Pmから、該当するサンプルタイミングのバッファに記憶された受信信号を選択するようセレクタ34に指示する。
例えば、図3、図5、図6、図8に示す状態である場合、演算部32は予測角度θ1を45度と算出することになる。シンボルタイミング推定部33は、演算部32の算出結果である45度に基づき、相関値が最大となるサンプルタイミングはP3であると推定する。シンボルタイミング推定部33がP3と推定したことに基づいて、セレクタ34は、第3バッファ110-3に記憶された受信信号を選択し、同期判定用相関器35に出力する。
同期判定用相関器35は、シンボルタイミング推定部33で推定した相関値が最大となると推定されたタイミングP3でサンプリングされたバッファの受信信号に対して、同期ワードとの相関値を算出し、フレームタイミング判定部36およびシンボルタイミング判定部37に出力する。
フレームタイミング判定部36は、同期判定用相関器35が算出した相関値が所定のしきい値以上であれば、フレームタイミングを判定する。フレームタイミング判定部36は、判定したフレームタイミングに基づいてフレーム同期信号を生成し、復調部40に出力する。
シンボルタイミング判定部37は、同期判定用相関器35が算出した相関値が所定のしきい値以上であれば、受信信号におけるシンボルタイミングを判定する。シンボルタイミング判定部37は、判定したシンボルタイミングに基づいてシンボル同期信号を生成し、復調部40に出力する。フレームタイミング判定部36およびシンボルタイミング判定部37はそれぞれ判定だけでなくそれぞれ同期信号を生成することから、これら2つを同期信号生成部38とする。
前記したように、復調部40は、同期タイミング検出装置30が検出したタイミング情報、つまりフレーム同期信号およびシンボル同期信号に基づいて、受信信号の復調処理を実行する。
本実施形態は、16個のバッファのうち、5個のバッファの相関値と、最大の相関値予測する際のarctanの計算を行うことでシンボルタイミングを推定する。arctanの計算の処理量は、例えばチェビシェフ近似式に置き換えた場合、1つのバッファの相関値を計算する場合と同等となる。すなわち、本実施形態は、同期タイミング検出装置が16個のバッファを備えている場合において、6個のバッファの相関値を算出する演算量と同等の処理で、同期タイミングを検出することができる。
一方、上述したように、従来の方法では、同期タイミング検出装置では16個のバッファを備えている場合に、同期タイミングを検出する場合には、16個全てのバッファの相関値を算出する必要があった。すなわち、本実施形態は、従来の方法と比較すると、半分以下の演算量で同期タイミングを検出することができる。
なお、上述では、演算部32は、第1バッファ110-1と、第5バッファ110-5と、第9バッファ110-9と、第13バッファ110-13との4つのバッファの相関値を検出して、シンボルタイミングを推定した。しかしながら、本発明では、演算部32は、3つ以上であればベクトルの合成により、角度を算出しシンボルタイミングを推定することができる。
図9を用いて、本実施形態に係る同期タイミングを検出する処理の流れについて説明する。図9は、本実施形態に係る同期タイミングを検出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
所定数の相関器(第1から第n相関器)は、対応するバッファ(所定のバッファ)に記憶された受信信号と同期ワードとの相関値を算出する(ステップS101)。
ステップS101で算出した相関値のいずれかが、所定のしきい値以上であれば(ステップS102のYes)、演算部32は、相関器から受けた相関値に基づいて、極座標において最大の相関値に対応する予測角度θ1を算出する(ステップS103)。
ステップS101で算出した相関値のいずれかが、所定のしきい値未満であれば(ステップS102のNo)、ステップS101に戻り、演算部32は、所定のバッファの相関値の算出を行う。受信信号が同期ワードでは無い場合には、いずれの相関器も相関値は上がらないことから、ステップS103以降の処理を行なわないための処理である。
シンボルタイミング推定部33は、演算部32が算出した予測角度θ1に対応するサンプルタイミングから、該当するサンプルタイミングのバッファを選択し、同期判定用相関器35は、該当するバッファに記憶された受信信号と同期ワードとの相関値を算出する(ステップS104)。
ステップS104で算出した相関値が、所定のしきい値未満であれば(ステップS105のNo)、ステップS101に戻る。
ステップS104で算出した相関値が、所定のしきい値以上であれば(ステップS105のYes)、フレームタイミング判定部36がフレームタイミングを判定しフレーム同期信号を生成し、シンボルタイミング判定部37がシンボルタイミングを判定しシンボル同期信号を生成する(ステップS106)。そして、図9の処理は終了する。
ステップS102におけるサンプルタイミングを推定するための相関値のしきい値は、ステップ105における同期判定用相関器が同期判定を行うための相関値のしきい値に比べて低くてもよい。これは、推定の段階では、間引きしたサンプルタイミングを起点として記憶したバッファの受信信号と同期ワードとの位相がかならずしも一致せず、相関値は上がりにくいためである。しかし、同期判定用相関器に入力される受信信号は、相関値が最大となると推測されたサンプルタイミングを起点としたバッファに記憶された受信信号であるため、相関値は高くなることが予想できることから、相関値のしきい値を高くてもよい。
上述のとおり、本実施形態は、受信側でサンプリングレートを十数倍した場合において、相関値を演算するバッファを間引くことによって、同期タイミングを検出する演算量を従来と比べて半分以下に抑制することができる。
また、本実施形態は、同期タイミングであると予測されたバッファの相関値を算出し、その相関値と、同期タイミングを予測するために算出したバッファの相関値とを比較することができる。その結果、本実施形態は、同期タイミングの検出精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 無線通信装置
10 アンテナ
20 検波部
30,30A 同期タイミング検出装置
31-1 第1相関器
31-2 第2相関器
31-3 第3相関器
31-4 第4相関器
32 演算部
33 シンボルタイミング推定部
34 セレクタ
35 同期判定用相関器
36 フレームタイミング判定部
37 シンボルタイミング判定部
38 同期信号生成部
40 復調部
110-1 第1バッファ
110-5 第5バッファ
110-9 第9バッファ
110-13 第13バッファ
10 アンテナ
20 検波部
30,30A 同期タイミング検出装置
31-1 第1相関器
31-2 第2相関器
31-3 第3相関器
31-4 第4相関器
32 演算部
33 シンボルタイミング推定部
34 セレクタ
35 同期判定用相関器
36 フレームタイミング判定部
37 シンボルタイミング判定部
38 同期信号生成部
40 復調部
110-1 第1バッファ
110-5 第5バッファ
110-9 第9バッファ
110-13 第13バッファ
Claims (5)
- 1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングされた受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値Rをm/nサンプルずつずらして算出して出力するn個(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)の相関器と、
前記n個の相関器から出力される相関値Rnの各々を極座標上に角度2π(n/m)としてあてはめたn個の相関値ベクトルとし、n個の相関値ベクトルを合成し、合成したベクトルの角度を算出する演算部と、
前記演算部が算出したベクトルの角度に基づいて、前記受信信号のシンボルタイミングを推定するシンボルタイミング推定部と、
を備える、同期タイミング検出装置。 - RF信号を検波し、受信信号に変換する検波部と、
前記受信信号を復調する復調部と、
前記復調部が前記受信信号を復調するための同期信号を生成する同期タイミング検出装置と、
を備え、
前記同期タイミング検出装置は、
1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングされた前記受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値Rをm/nサンプルずつずらして算出して出力するn個(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)の相関器と、
前記n個の相関器から出力される相関値Rnの各々を極座標上に角度2π(n/m)としてあてはめたn個の相関値ベクトルとし、n個の相関値ベクトルを合成し、合成したベクトルの角度を算出する演算部と、
前記演算部が算出したベクトルの角度に基づいて、前記受信信号のシンボルタイミングを推定するシンボルタイミング推定部と、
推定したシンボルタイミングに基づいて、前記同期信号を生成する同期信号生成部と、
を備える、
無線通信装置。 - 前記同期タイミング検出装置は、
1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングされた前記受信信号を、1サンプルずつずらしたタイミングを起点として記憶するm個のバッファと、
前記シンボルタイミング推定部が推定したシンボルタイミングに基づいてm個のバッファから1つのバッファを選択するセレクタと、
前記セレクタで選択したバッファに記憶された受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値を算出する同期判定用相関器と、
前記同期判定用相関器が算出した相関値が所定のしきい値以上の場合に、前記復調部に前記同期信号としてフレーム同期信号を生成して出力するフレームタイミング判定部と、
前記同期判定用相関器が算出した相関値が所定のしきい値以上の場合に、前記復調部に前記同期信号としてシンボル同期信号を生成して出力するシンボルタイミング判定部と、
を備える請求項2に記載の無線通信装置。 - 1シンボル期間をm(mは自然数)倍でオーバーサンプリングした受信信号と、既知の同期用パターンとの相関値をm/nサンプルおきにn個(nは3≦n≦m、nは自然数かつmの約数)の相関値Rnを算出して出力する相関値算出ステップと、
前記n個の相関器から出力される相関値Rnの各々を極座標上に角度2π(n/m)としてあてはめたn個の相関値ベクトルとし、n個の相関値ベクトルを合成し、合成したベクトルの角度を算出する角度算出ステップと、
前記角度に基づいて、シンボルが同期するシンボルタイミングを推定する推定ステップと、
を同期タイミング検出装置として動作するコンピュータに実行させるための、プログラム。 - 前記相関値Rnのいずれかが所定のしきい値を超えた場合に、前記角度算出ステップを行う判定ステップをさらに含む請求項4に記載のプログラム。
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