JP7069317B2 - セルロースエーテルの酸化分解 - Google Patents

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Description

本発明は、低粘度セルロースエーテル製品を製造する方法、該方法を用いて得ることができる低粘度セルロースエーテル製品並びにその使用に関する。
セルロースエーテルは典型的には、高い粘度を有する、それというのも、その製造のために、高分子セルロースが出発材料として使用されているからである。解重合により、そのセルロースエーテル出発物の粘度を低下させることができる。セルロースエーテルの分解に使用される方法は、アセタール結合の酸性触媒による加水分解的開裂に加え、とりわけ、酸化分解及び酸による酸化分解、高エネルギー放射線又は微生物/酵素による分解並びに超音波による分解も含む(Thielking et al., Cellulose Ethers, Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2006)。工業的には、主に酸によるプロセス及び酸化的プロセスがセルロースエーテル生産において利用される。原則的に、乾式法と湿式法とが区別される。
技術的に挑戦的であるのは、まず第一にその分解度(η/ηnew)ではなくて、例えば水溶液中の、最終的に達成できる粘度であることは公知である。粘度η出発物=60000mPa・sからη製品=30mPa・sへの分解は、η出発物=300mPa・sからη製品=6mPa・sへの分解よりもはるかに容易に実施できるけれども、その分解度は第1の場合に60000/30=2000であり、かつ第2の場合に300/6=50であるに過ぎない。
解重合により粘度の低下したセルロースエーテルがしばしば、水溶液中で不利に変色をまねきうる分解生成物を含有することは公知である。相応する黄着色は、例えば、標準化された方法、例えばASTM E313、ASTM D5386-16及びASTM D1925により、定量化することができる。
典型的には、該黄着色を最小限にするために、該解重合後に、漂白工程又は不純物が除去される後続の洗い流し工程のいずれかを続けなければならない。しかしながら、分解後の黄着色を低下させるための通常の水による洗い流し法の場合に概して問題となるのは、分解して粘度が低下したセルロースエーテルフラグメントの著しく上昇した水への溶解度である。その精製の際の高い収量損失は、その結果である。水による洗い流しは、とりわけ、熱水凝集性の製品、すなわち、殊に工業的規模に関連している、非イオン性タイプ、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)及びメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)に、適している。
セルロースエーテルの酸化分解は通例、非選択的な鎖開裂をまねき、それにより、粗生成物中に多数の酸化された副生物及び開裂生成物が生じ、これらは不純物として、該生成物の純度を低下させる。該酸化及び発色団の形成は、セルロースについては公知であり、そのうえ、その乾燥製品並びにその水溶液の黄変色を肉眼的にまねく。その機序は、セルロースに類似して、セルロースエーテルのようなセルロース誘導体に転用されうる(Lewin, Macromol. Symp. 1997, 118, 715-724)。
より高粘度から低粘度へのセルロースエーテルの酸による分解は、高められた温度(>60℃)で行われ、かつ乾燥出発物の場合に、ガス状の鉱酸、例えばHClを用いて実施することができる。乾燥出発物又は湿った出発物の分解は、選択的に、鉱酸又は強有機酸の水溶液を用いて実施することもできる。しかしながら、その際に、その計量供給及び殊に均質な分布を達成することは困難である、それというのも、たいていのセルロースエーテルは、極めて水に易溶であり、並びにしばしば吸湿性だからである。このことは、固結をまねくことがあり、部分的に著しい変色を有する不均質な製品が得られる結果を伴う。そのうえ、過剰の酸は、続いて塩基で中和しなければならない。鉱酸の添加及び続いて塩基での中和により、該製品の塩含有率が不利に高められ、このことは、殊に製薬分野における用途の場合に、不利でありうる。そのうえ、所望の高い光沢もしくは分解された生成物の最低限の黄変色を達成するために、たいてい後で、漂白工程が必要である。
欧州特許出願公開第0018547号明細書(EP 0 018 547)には、乾燥含量20~95%を有する水溶性で非イオン性のセルロースエーテル(メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース)の粘度を、オゾン/酸素-混合物又はオゾン/空気-混合物と、約0~60℃の温度で反応させることにより、低める方法が記載されている。その生成物の黄変色は、問題として認識されない。
国際公開第2003/018637号(WO 2003/018637)には、乾燥及び粉砕したセルロースエーテルを、鉱酸及び酸化剤による酸-酸化分解により、解重合する方法が記載されている。続いて、該酸は、塩基の添加により中和される。表向きは、酸-酸化的の乾式法により、潜在的に生じる開裂生成物の水による洗い流しが不要であり、それにより、通常の熱水洗い流しにおける最低粘度の分解生成物の公知の高い洗い流し損失を回避することができる。解重合されたセルロースエーテルの白色度は、71~83である。極めて低い粘度(<30mPa・s)を有する最終生成物の製造はまさに、相対的に苛酷な反応条件、すなわち、高い酸濃度及び高い温度を必要とする。その最終生成物は、相応して低い白色度を有する。さらにまた、該中和の際に、殊に製薬用途の場合に望ましくない、高い塩負荷量が生じる。
国際公開第2009/061815号(WO 2009/061815)には、変色のない極低粘度セルロースエーテルを製造するための、多段階の酸による酸化的乾式法が記載されている。該方法において、セルロースエーテルは乾燥状態で、高められた温度で、第1の酸化剤及び酸で解重合される。続いて、中和が行われる。かなりの変色に基づき、脱色のために第2の酸化剤の添加が行われる。2%の水溶液中で20℃で1.2~50mPa・sの範囲内の粘度を有する低粘度MHPCタイプが得られた。
国際公開第00/32636号(WO 00/32636)には、65~125℃の温度で過酸化水素を少しずつ添加することにより、水で湿ったセルロースエーテル、例えばMHEC及びMHPCの酸化的分解方法が開示されている。依然とした湿った粗生成物は、中和され、続いて乾燥される。変色について記載されていない。
本発明の課題は、最小限の黄着色を伴う低粘度の、好ましくは最も低粘度の、セルロースエーテルを提供することである。
驚くべきことに、湿った酸化的解重合及び続いて乾燥状態における中和の組み合わせにより、上記の問題を解決できることが見出された。
したがって、本発明の対象は、低粘度セルロースエーテル製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1種の水で湿ったセルロースエーテル出発物を用意する工程、
(ii)少なくとも1種の酸化剤を、工程(i)からのセルロースエーテル出発物に、せん断しながら添加する工程、
(iii)工程(ii)において得られた混合物を、20~100℃、好ましくは70~100℃の範囲内の温度で、処理する工程、
(iv)工程(iii)において得られた混合物を乾燥させる工程、及び
(v)少なくとも1種のアルカリ性の塩を、工程(iv)において得られた混合物に添加して、該低粘度セルロースエーテル製品を得る工程
を含み、ここで、該セルロースエーテル出発物は、該セルロースエーテル製品よりも高い溶液粘度を有する。
好ましくは、該セルロースエーテル出発物は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)及びメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、より好ましくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)から選択されている。
好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースは、3.5~4.5、より好ましくは3.8~4.2のモル置換度MS(PO)、及び/又は70~78%、より好ましくは73~76%のHPO含有率を有する。
好ましくは、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)は、0.001~0.400、より好ましくは0.15~0.32のモル置換度MS(EO)、及び/又は1.0~2.0、より好ましくは1.5~1.9の平均置換度DS(Me)を有する。
好ましくは、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)は、0.1~1.0、より好ましくは0.25~0.6のモル置換度MS(PO)、及び/又は1.0~2.0、より好ましくは1.5~1.9の平均置換度DS(Me)を有する。
上記のセルロースエーテル出発物は、殊に製薬技術において、使用される。この分野において、加工のための粘度だけではなくて、光学的透明度も、決定的に重要である。殊にヒドロキシプロピルセルロースについては、一方では必要な低い粘度をもたらし、かつ他方では高光沢の溶液もしくは変色のない固体をもたらす、解重合方法は、これまで記載されていなかった。
HPCは、高価格な特殊タイプであり、かつ世界年産が約5ktに過ぎない、ニッチ製品である。ヒドロキシプロピルセルロースは、標準エーテルタイプ、例えばメチルヒドロキシエチルセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースエーテル及びヒドロキシエチルセルロースエーテルとは、それらの化学的及び物理的性質、殊に熱可塑性が相違する。
セルロースエーテルは、セルロースのエーテル化により製造される。得られたセルロースエーテルは、通常、水性媒体で洗い流され、最終的に、当業者に公知の方法、例えばろ過又は遠心分離により、分離される。その際に得られるセルロースエーテルは、水で湿っている。好ましくは、工程(i)における水で湿ったセルロースエーテル出発物の固形物含有率は、該水で湿ったセルロースエーテル出発物の全質量を基準として、20~90質量%、より好ましくは20~85質量%、よりいっそう好ましくは35~75質量%、よりいっそう好ましくは40~70質量%である。
本発明による工程(i)によれば、水で湿ったセルロースエーテル出発物として、好ましくは、該セルロースエーテル製造後に得られた水で湿ったセルロースエーテルが、さらに後処理せずに、すなわち乾燥させずに、直接使用される。
好ましくは、該セルロースエーテル出発物の2%(乾燥状態)の水溶液は、100~60000mPa・s、より好ましくは100~30000mPa・s、よりいっそう好ましくは150~5000mPa・sの範囲内の溶液粘度を有する。
該粘度は、このためには、ブルックフィールドディジタル粘度計(LVスピンドル2、60rpm)を用いて20℃で測定される。
工程(ii)において添加される酸化剤は、過酸化物及びそれらの塩、過酸及びそれらの塩、酸素(O)及びオゾン(O)から選択されていてよい。好ましくは、該酸化剤は、過酸化水素(H)である。該酸化剤は、溶液で、例えば水溶液で、固体の形で又はガスとして添加することができる。該酸化剤は、該セルロースエーテル出発物の乾燥質量を基準として、好ましくは、純粋な酸化剤(すなわち、例えば溶剤なし)0.01~10質量%、より好ましくは1~6質量%、よりいっそう好ましくは1~4質量%の量で、使用される。
該酸化剤は、一度に又は連続的に添加することができる。本発明による方法の一利点は、該酸化剤を一度に該セルロースエーテル出発物に添加することができることである。したがって、煩雑な計量供給工程がなくなる。したがって、好ましくは、該酸化剤は一度に、すなわち1工程において(1段階で)、添加される。
該酸化剤との該セルロースエーテル出発物の最適な均質化を達成するために、工程(ii)は、好ましくは撹拌、混練又はせん断しながら、行われる。
驚くべきことに、混合物への高いせん断エネルギー入力を可能にする混合ユニットの使用の場合に、有利な構造弾性特性を達成することができることが分かった。こうして、インテンシブミキサー(例えばEirich社、ハルトハイム又はHerbst社、ブクステフーデ)を用いて加工される混合材料は、該せん断エネルギー入力中に及び該せん断エネルギー入力後の若干の時間(約1~10分)中にも生じる、時間に依存したチキソトロピー様のせん断希釈を経験する。この驚くべきレオロジー的挙動は、該混合容器からの混合材料のその後の搬送もしくは圧送にとって特に有利である。この効果は、セルロースエーテル出発物としてのヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の場合に特に顕著である。したがって、特に好ましい一実施態様において、工程(ii)は、特に好ましくはインテンシブミキサーを使用しながら、行われる。
工程(ii)において得られた混合物は、続いて、20~100℃、好ましくは70~100℃の範囲内の高められた温度で、熱処理される。通常、該混合物は、工程(iii)の開始時に15~30℃の温度を有し、該温度は、処理工程(iii)の間に、外部加熱によるか又はせん断入力によるいずれかで、必要な温度に高められる。選択的に、該セルロースエーテル出発物はすでに、工程(ii)において酸化剤が添加される前に、工程(iii)において必要な温度を有することができる。したがって、工程(iii)は、一定温度で又は温度勾配を伴ってのいずれかで、行うことができる。好ましくは、工程(iii)において温度勾配が使用される。
該処理工程(iii)は好ましくは、必要な温度に達した後に、30~600分、より好ましくは60~180分の期間にわたって、行われる。
好ましくは、工程(iii)は、できるだけ均質な混合物を該処理工程の全期間にわたって保証するために、せん断しながら行われる。好ましくは、該せん断エネルギー入力は、すでに工程(ii)と同じ手段を用いて行われる。特に好ましくは、工程(iii)におけるせん断エネルギー入力は、必要な温度の維持をもたらす。好ましくは、工程(iii)は、インテンシブミキサーを用いてせん断しながら行われる(上記参照)。後者の場合に、該混合材料は、上記のレオロジー的挙動に基づいて、該処理工程(iii)の終了後に該容器から有利に取り出すことができる。
工程(iii)において得られた混合物は、さらなる工程において乾燥される。好ましくは、このためには、工程(iii)において得られた混合物は、40~200℃、より好ましくは60~160℃の温度で、任意に減圧下(<1bar、好ましくは0~800mbar)で、乾燥される。
工程(iv)は、好ましくは、工程(iv)の後に得られた混合物の含水率が、該混合物の全質量を基準として、≦10質量%、より好ましくは≦7質量%、よりいっそう好ましくは<5質量%及び最も好ましくは≦4質量%である時に完了している。
該工程(iv)に、さらに粉砕工程が続いていてよく、その際に、工程(iv)において得られた混合物は、当業者に公知の方法、例えば摩砕又は微粉化により、粉砕される。好ましくは、該粉砕工程後に、d50=250~350の平均粒度分布を有する粉末が得られる。
該解重合により、酸性の官能基が生じ、これらは、得られる混合物の水溶液の酸性のpH値の原因である。したがって、工程(v)によれば、工程(iv)において得られた混合物に、少なくとも1種のアルカリ性の塩が添加される。それにより、該混合物中の該酸性基は、少なくとも部分的に中和される。好ましくは、該アルカリ性の塩は、固体として、より好ましくは乾燥固体として、殊に粉末として、添加される。
好ましいアルカリ性の塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸三ナトリウムから選択されている。該アルカリ性の塩は、工程(v)において、工程(iv)において得られた混合物の全質量を基準として、好ましくは約0.01~3質量%、より好ましくは約0.1~1.5質量%、よりいっそう好ましくは約0.1~0.6質量%の量で、添加される。工程(v)の後に得られた混合物は、低粘度セルロースエーテル製品である。
好ましい一実施態様において、添加されるアルカリ性の塩の量は、該低粘度セルロースエーテル製品の2%の水溶液のpH値が5~8であるように調節される。
したがって、該セルロースエーテル製品は2%の水溶液として、好ましくは5~8のpH値を有する。
該低粘度セルロースエーテル製品は2%の水溶液として、好ましくは1~30mPa・s、より好ましくは1~20mPa・sの溶液粘度を有する。該粘度は、その際に、ブルックフィールド粘度計を用いて、LVスピンドル2、60rpm、20℃で測定される。
その分解度(η/ηnew)は、好ましくは10~100、より好ましくは10~90である。
好ましい一実施態様において、本発明による方法において、外部の酸、殊に外部の鉱酸及び/又は有機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸又は安息香酸は添加されない。すでに上記で説明したように、この種の酸の添加及び続いて塩基での中和により、該製品の塩含有率は高められる。
本発明のさらなる態様は、上記の方法により得ることができる、低粘度セルロースエーテル製品に関する。
該低粘度セルロースエーテル製品は2%の水溶液として、ブルックフィールド粘度計を用いて、LVスピンドル2、60rpm、20℃で測定して、好ましくは1~30mPa・sの溶液粘度を有する。当業者は、この場合に、<50mPa・sの粘度を有する低粘度のタイプと<20mPa・sの粘度を有する最も低粘度のタイプとで区別する。
該低粘度セルロースエーテル製品は、該セルロースエーテル出発物の溶液粘度の0.03~10%、好ましくは0.1~8%である溶液粘度を有し、ここで、該溶液粘度はそれぞれ、ブルックフィールド粘度計を用いて、LVスピンドル2、60rpm、20℃で測定される。
好ましくは、該低粘度セルロースエーテル製品は2%の水溶液として5~8のpH値を有する。
好ましくは、該セルロースエーテル製品は2%の水溶液として、ASTM-E313に従い、イルミナントC、観測角2°で測定して、<10の黄変色指数を有する。粉砕された固体としての該セルロースエーテル製品の黄変色指数は、好ましくは<20である。
該低粘度セルロースエーテル製品の硫酸塩灰分濃度は、欧州薬局方[9004-64-2]に従い、好ましくは<1%、好ましくは<0.5%である。
該低粘度セルロースエーテル製品の塩化物含有率は、欧州薬局方[9004-64-2]に従って測定して、好ましくは<0.5%、より好ましくは<0.3%である。
好ましい一実施態様において、本発明による低粘度セルロースエーテル製品は、打錠助剤として、例えばコーティング材料、バインダー又はカプセル形成材料として、塗料用に又は食品添加物、有機溶剤又はセラミック材料用のゲル化剤として使用される。
特に好ましい一実施態様において、本発明による低粘度セルロースエーテル製品は、打錠助剤として使用される。
本発明は、次の実施例に基づいて、より詳細に説明される。
温かい練り消しゴム状の湿った製品HPC 5kg(温度:約50℃;含水率:45%;乾燥製品から算出:HPO:73.7%、水中2%の粘度:353mPa・s(ブルックフィールドLV、スピンドル2、60rpm、20℃)を、Herbst社、ブクステフーデのインテンシブミキサー中で、1工程において過酸化水素溶液の全量(150ml、47%)と共に用意する。該混合物を、加熱可能なインテンシブミキサーにより80℃に加熱し、90分間、強力混合する(撹拌機の回転数:40rpm、ディソルバーの回転数:400rpm)。その際に、この系は蓋がされているが、しかし、完全に密閉されていないので、ガス発生の際に圧力を発生しないが、しかしながら水又は酸化剤の蒸発を大幅に阻止する。
分解時間の経過後に、その混合要素を停止し、その容器を開け、かつ自由流動性の生成物を排出する。乾燥及び粉砕後に、2%の水溶液として3.5のpHを示す、無色粉末が得られる。乾燥させ、粉砕した分解生成物に、固体の炭酸水素ナトリウム0.3質量%を添加し、かつ十分に混合する(HPC P10)。次いで、それから製造された2%の水溶液は、回転粘度計LV(スピンドル2、60rpm、20℃)で10mPa・sの粘度を示し、かつ3.3の黄色度指数(YI)(ASTM E313)を有する澄明度の高い液体である。
該分解時間が約90分から100分(HPC P10F;0.35%NaHCO)もしくは120分(HPC P6)に延長される場合には、上記のようにそれ以外は変わらないプロセスにおいて、同様に澄明で可溶性の生成物を製造することができる。
これらのデータは、以下の表にまとめられている。
Figure 0007069317000001
* DIN 5033に従って測定

Claims (24)

  1. 低粘度セルロースエーテル製品を製造する方法であって、次の工程:
    (i)少なくとも1種の水で湿ったセルロースエーテル出発物であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用意する工程、
    (ii)少なくとも1種の酸化剤を、工程(i)からの前記セルロースエーテル出発物に、せん断しながら添加する工程、
    (iii)工程(ii)において得られた混合物を、20~100℃の範囲内の温度で処理する工程、
    (iv)工程(iii)において得られた混合物を乾燥させる工程及び
    (v)少なくとも1種のアルカリ性の塩を、工程(iv)において得られた混合物に添加して、前記低粘度セルロースエーテル製品を得る工程
    を含み、前記セルロースエーテル出発物が、前記セルロースエーテル製品よりも高い溶液粘度を有する、前記方法。
  2. 工程(i)からの前記水で湿ったセルロースエーテル出発物の固形物含有率が、その全質量を基準として、20~90質量%である、請求項1に記載の方法。
  3. 2%の水溶液としての、工程(i)からの前記セルロースエーテル出発物の溶液粘度が、100~60000mPasの範囲内である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記酸化剤が、過酸化物及びそれらの塩、過酸及びそれらの塩、O及びOから選択されている、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記酸化剤を、溶液で、固体の形で又はガスとして添加する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記酸化剤を、前記セルロースエーテル出発物の乾燥質量を基準として、0.01~10質量%の量で、添加する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記酸化剤を、一度に又は連続的に添加する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記酸化剤を、撹拌、混練又はせん断しながら行う、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程(iii)を、一定温度で又は温度勾配を伴って行う、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程(iii)を、30~600分の期間にわたって行う、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程(iii)をせん断しながら行う、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程(iv)を、40~200℃の温度で、任意に減圧下(1bar未満)で、行う、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程(iv)の後に得られた混合物の含水率が、前記混合物の全質量を基準として、10質量%以下である、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 工程(iv)による乾燥後に、粉砕工程を行ってよい、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 工程(v)における前記アルカリ性の塩を、固体として添加する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記アルカリ性の塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸三ナトリウムからなる群から選択されている、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 工程(v)における前記アルカリ性の塩を、工程(iv)において得られた混合物の全質量を基準として、0.01~3質量%の量で添加する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記アルカリ性の塩の量を、前記低粘度セルロースエーテル製品の2%の水溶液のpH値が5~8であるように調節する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記低粘度セルロースエーテル製品が2%の水溶液として、5~8のpH値を有する、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 工程(v)の後に得られた低粘度セルロースエーテル製品が2%の水溶液として、1~30mPasの溶液粘度を有する、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記低粘度セルロースエーテル製品の溶液粘度が、前記セルロースエーテル出発物の溶液粘度の0.03~10%である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記低粘度セルロースエーテル製品が、ASTME313に従って測定して、10未満の黄変色指数を有する、請求項1に記載の方法。
  23. 前記低粘度セルロースエーテル製品の硫酸塩灰分濃度が、欧州薬局方[9004-64-2]に従って1%未満である、請求項1に記載の方法。
  24. 前記低粘度セルロースエーテル製品の塩化物含有率が、欧州薬局方[9004-64-2]に従って0.5%未満である、請求項1に記載の方法。
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