JP7064799B1 - アルコール感調整剤およびアルコール飲料 - Google Patents
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本実施形態に係わるアルコール感調整剤は、スルフロールまたはネオヘスペリジンジヒドロカルコンの少なくとも一方を含有する。
アルコール感調整剤は、スルフロールまたはネオヘスペリジンジヒドロカルコンのみ、あるいは必要に応じてスルフロールまたはネオヘスペリジンジヒドロカルコンと香料等の成分を含めた混合物に各種の溶媒を添加し、均一に混和することによって調製することができる。その際に、スルフロールとネオヘスペリジンジヒドロカルコンは単独で用いても良いし、併用することもできる。
本発明に係るアルコール飲料とは、飲料にエタノールが含まれる飲料であり、エタノール濃度が2~12.5体積%の範囲のアルコール飲料が好ましく、エタノール濃度が5~9体積%の範囲のアルコール飲料がさらに好ましい。
本発明に係るアルコール飲料の調合方法は、水とエタノールを混合させて、所定のエタノール濃度に調合した後、アルコール感調整剤を添加して、アルコール飲料中にスルフロールまたはネオヘスペリジンジヒドロカルコンの少なくとも一方を含有させる。
95体積%エタノール水溶液にスフロールを添加し攪拌、溶解させてスルフロールの濃度が0.01重量%、1重量%となるアルコール感調整剤を調製した。また、アルコール飲料中のスルフロールの含有量が高い場合にはスルフロール原液をアルコール感調整剤として用いた。さらに、95体積%エタノール水溶液にネオヘスペリジンジヒドロカルコンを添加し攪拌、溶解させてネオヘスペリジンジヒドロカルコン濃度が0.05重量%、0.5重量%、5重量%となるアルコール感調整剤を調製した。
比較例として、特許文献2および3に記載されたβーシクロシトラールおよび1,3-ジヒドロキシアセトンを用いたアルコール感調整剤を調製し、官能評価を行った。比較例用のアルコール感調整剤の調製として、95体積%エタノール水溶液にβーシクロシトラールを0.01重量%、0.05重量%になる量を、また1,3-ジヒドロキシアセトンを1重量%になる量を添加し、攪拌、溶解させ、それぞれβーシクロシトラールを用いたアルコール感調整剤及び1,3ージヒドロキシアセトンを用いたアルコール感調整剤を調製した。
イオン交換水と95体積%のエタノールを混合させて、エタノール濃度が2体積%、3体積%、5体積%、7体積%、9体積%、12体積%となるようにアルコール飲料を調合した。
アルコール飲料にアルコール感調整剤を所定量含有後、4名の熟練したパネラーでアルコール感についての官能評価を行った。官能評価の点数は1~9点で評価した。具体的には、「強烈に灼熱感、苦みを感じる」を9点、「非常に強い灼熱感、苦みを感じる」を8点、「強い灼熱感、苦みを感じる」を7点、「やや強い灼熱感、苦みを感じる」を6点、「灼熱感、苦みを感じる」を5点、「少し灼熱感、苦みを感じる」を4点、「僅かに灼熱感、苦みを感じる」を3点、「極僅かに灼熱感、苦みを感じる」を2点、「灼熱感、苦みを感じない」を1点とした。点数はパネラーの平均点を結果として示し、どの程度アルコール感を抑制しているか評価を行った。
コントロールとは、アルコール飲料中にアルコール調整剤を含まないで官能評価を行ったものである。具体的には、エタノール濃度が2~12体積%のアルコール飲料にアルコール感調整剤を加えずに4名のパネラーで灼熱感と苦みに関する官能評価をおこない、1~9の点数をつけて平均点を算出した。コントロールと、アルコール感調整剤を加えたアルコール飲料との官能評価の結果を比較することで、アルコール感調整剤の効果を知ることができる。評価結果は表1の通りであった。
エタノール濃度が2体積%のアルコール飲料100mLにスルフロールの濃度が0.01重量%のアルコール感調整剤を5μL添加し攪拌、混合させて、スルフロールの含有量が0.005ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表2に示す。
エタノール濃度が3体積%のアルコール飲料100mLにスルフロールの含有量が0.01重量%のアルコール感調整剤を7.5μL添加し攪拌、混合させて、スルフロールの含有量が0.0075ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表3に示す。
エタノール濃度が5体積%のアルコール飲料100mLにスルフロールの含有量が0.01~1重量%のアルコール感調整剤またはスルフロール原液を添加し攪拌、混合させて、スルフロールの含有量が0.01~300ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表4に示す。
エタノール濃度が7体積%のアルコール飲料100mLにスルフロールの含有量が0.01~1重量%のアルコール感調整剤またはスルフロール原液を添加し攪拌、混合させて、スルフロールの含有量が0.01~400ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表5に示す。
エタノール濃度が9体積%のアルコール飲料100mLにスルフロールの含有量が0.01~1重量%のアルコール感調整剤またはスルフロール原液を添加し攪拌、混合させて、スルフロールの含有量が0.015~500ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表6に示す。
エタノール濃度が12体積%のアルコール飲料100mLにスルフロールの含有量が0.01重量%のアルコール感調整剤またはスルフロール原液を添加し攪拌、混合させて、スルフロールの含有量が0.025ppmと500ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表7に示す。
エタノール濃度が2体積%のアルコール飲料100mLにネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.05重量%のアルコール感調整剤を35μL添加し攪拌、混合させて、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.175ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表8に示す。
エタノール濃度が3体積%のアルコール飲料100mLにネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.05重量%のアルコール感調整剤を35μL添加し攪拌、混合させて、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.175ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表9に示す。
エタノール濃度が5体積%のアルコール飲料100mLにネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.05~5重量%のアルコール感調整剤を50~160μL添加し攪拌、混合させて、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.25~80ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表10に示す。
エタノール濃度が7体積%のアルコール飲料100mLにネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.05~5重量%のアルコール感調整剤を60~180μL添加し攪拌、混合させて、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.3~90ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表11に示す。
エタノール濃度が9体積%のアルコール飲料100mLにネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.05~5重量%のアルコール感調整剤を70~200μL添加し攪拌、混合させて、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.35~100ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表12に示す。
エタノール濃度が12体積%のアルコール飲料100mLにネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.05~5重量%のアルコール感調整剤を100~200μL添加し攪拌、混合させて、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.5~100ppmのアルコール飲料を調合した。その後、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表13に示す。
βーシクロシトラールの濃度が0.01重量%、0.05重量%になるように添加、調製したアルコール感調整剤を、エタノール濃度7体積%のアルコール飲料100mLに混合して、βーシクロシトラールの含有量が0.015ppm、0.3ppmになるように調合した後に、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表14に示す。
βーシクロシトラールの濃度が0.01重量%、0.05重量%になるように添加、調製したアルコール感調整剤を、エタノール濃度7体積%のアルコール飲料100mLに混合して、βーシクロシトラールの含有量が0.025ppm、0.35ppmになるように調合した後に、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表15に示す。
1,3-ジヒドロキシアセトンの濃度が1重量%になるように添加、調製したアルコール感調整剤を、エタノール濃度7体積%のアルコール飲料100mLに混合して、βーシクロシトラールの含有量が1ppmになるように調合した後に、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表16に示す。
1,3-ジヒドロキシアセトンの濃度が1重量%になるように添加、調製したアルコール感調整剤を、エタノール濃度9体積%のアルコール飲料100mLに混合して、βーシクロシトラールの含有量が1ppmになるように調合した後に、4名のパネラーにより官能評価を行なった。結果を表17に示す。
Claims (5)
- エタノール濃度が2~9.5体積%であるアルコール飲料のアルコール感を抑制するアルコール感調整剤であって、
スルフロールまたはネオヘスペリジンジヒドロカルコンの少なくとも一方を含有することを特徴とするアルコール飲料のアルコール感調整剤。 - 請求項1に記載のアルコール感調整剤を含有したアルコール飲料であって、
前記アルコール飲料中のエタノール濃度が2~3体積%であり、
前記スルフロールの含有量が0.005~0.05ppmまたは前記ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.175~0.5ppmであることを特徴とするアルコール飲料。 - 請求項1に記載のアルコール感調整剤を含有したアルコール飲料であって、
前記アルコール飲料中のエタノール濃度が4.5~5.5体積%であり、
前記スルフロールの含有量が0.01~1.0ppmまたは前記ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.25~2.5ppmであることを特徴とするアルコール飲料。 - 請求項1に記載のアルコール感調整剤を含有したアルコール飲料であって、
前記アルコール飲料中のエタノール濃度が6.5~7.5体積%であり、
前記スルフロールの含有量が0.015~1.5ppmまたは前記ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.3~3.0ppmであることを特徴とするアルコール飲料。 - 請求項1に記載のアルコール感調整剤を含有したアルコール飲料であって、
前記アルコール飲料中のエタノール濃度が8.5~9.5体積%であり、
前記スルフロールの含有量が0.02~2.0ppmまたは前記ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの含有量が0.35~3.5ppmであることを特徴とするアルコール飲料。
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Citations (3)
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JPH10510152A (ja) * | 1994-12-09 | 1998-10-06 | カルター リミテッド | 香味変性用組成物 |
JP2007029022A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 飲料 |
JP2021065196A (ja) * | 2019-10-28 | 2021-04-30 | 長谷川香料株式会社 | ジヒドロカルコン類からなるアルコール感付与剤 |
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Non-Patent Citations (2)
Title |
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香料, JPN6022003205, 2020, pages 73 - 80, ISSN: 0004704484 * |
香料,2020年,No.286,pp.73-80 |
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