〔実施例1〕
[電子写真画像形成装置の一般的な説明]
以下、第1の実施例について図を用いて説明する。
以下の実施形態では画像形成装置として、4個のプロセスカートリッジが着脱可能なフルカラー画像形成装置を例示している。なお、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設定されるものである。
例えば、モノクロの画像を形成する画像形成装置の場合には、前記画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの個数は1個である。また、以下説明する実施形態では、画像形成装置の一例としてプリンタを例示している。
[画像形成装置の概略構成]
図2は、記録媒体に画像形成可能な、本実施例の電子写真画像形成装置の断面概略図である。また、図3(a)は本実施例の画像形成装置の斜視図である。また、図4は本実施例のプロセスカートリッジPの断面図である。また、図5は本実施例のプロセスカートリッジPを駆動側からみた斜視図であり、図6は本実施例のプロセスカートリッジPを非駆動側からみた斜視図である。
図2に示すように、この画像形成装置1は、電子写真画像形成プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置1はプロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体2に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。プロセスカートリッジは電子画像形成用のカートリッジである。
ここで、画像形成装置1に関して、前ドア3を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置1を正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。図2は画像形成装置1を非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置1の非駆動側、紙面右側が画像形成装置1の正面、紙面奥側が画像形成装置1の駆動側となる。
画像形成装置本体2には第1のプロセスカートリッジPY(イエロー)、第2のプロセスカートリッジPM(マゼンタ)、第3のプロセスカートリッジPC(シアン)、第4のプロセスカートリッジPK(ブラック)の4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が水平方向に配置されている。
第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、それぞれ同様の電子写真画像形成プロセス機構を有しており、現像剤の色が各々異なる。第1~第4のプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)には画像形成装置本体2の駆動出力部から回転駆動力が伝達される。詳細は後述する。
また、第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)には画像形成装置本体2からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される(不図示)。
図4に示すように、本実施例の第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、感光体ドラムユニット8を有する。感光体ドラムユニット8は、感光体(電子写真感光体)であるドラム(電子写真感光体ドラム)4と、このドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段及びクリーニング手段を備える。
また、第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、ドラム4上の静電潜像を現像する現像手段を備えた現像ユニット9を有する。
第1のプロセスカートリッジPYは、現像枠体29内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、ドラム4の表面にイエロー色の現像剤像を形成する。つまりドラム4は、現像剤像(トナー像)を担持する像担持体である。
第2のプロセスカートリッジPMは、現像枠体29内にマゼンタ(M)の現像剤を収容してあり、ドラム4の表面にマゼンタ色の現像剤像を形成する。
第3のプロセスカートリッジPCは、現像枠体29内にシアン(C)の現像剤を収容してあり、ドラム4の表面にシアン色の現像剤像を形成する。
第4のプロセスカートリッジPKは、現像枠体29内にブラック(K)の現像剤を収容しており、ドラム4の表面にブラック色の現像剤像を形成する。
第1~第4のプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。このレーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、カートリッジPの露光窓部10を通過してドラム4の表面を走査露光する。
第1~第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11を設けている。この中間転写ベルトユニット11は、駆動ローラ13・テンションローラ14、15を有し、可撓性を有する転写ベルト12を掛け渡している。
第1~第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のドラム4は、その下面が転写ベルト12の上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト12の内側には、ドラム4に対向させて1次転写ローラ16を設けている。
また、2次転写ローラ17が、テンションローラ14と対向する位置に、転写ベルト12を介して配置されている。転写ベルト12と2次転写ローラ17の接触部が2次転写部である。
中間転写ベルトユニット11の下方には、給送ユニット18を設けている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19、給紙ローラ20を有する。
図2における装置本体2内の左上方には、定着ユニット21と、排出ユニット22を設けている。装置本体2の上面は排出トレイ23としている。
現像剤像を転写された記録媒体Sは、定着ユニット21に設けられた定着手段により定着された後に、排出トレイ23へ排出される。
カートリッジPは、引き出し可能なカートリッジトレイ60を介して、装置本体2に対して着脱可能な構成となっている。図3(a)は、装置本体2からカートリッジトレイ60、および、カートリッジPを引き出した状態を示している。
[画像形成動作]
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。
第1~第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のドラム4が所定の速度で回転駆動される(図4矢印D方向、図2において反時計回り)。転写ベルト12もドラム4の回転に順方向(図2矢印C方向)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザスキャナユニットLBも駆動される。スキャナユニットLBの駆動に同期して、帯電ローラ5によってドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。レーザスキャナユニットLBは各ドラム4の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Zで走査露光する。これにより、各ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、所定の速度で回転駆動(図4矢印E方向、図2において時計回り)される現像ローラ6により現像される。現像ローラ6は、ドラム4の潜像を現像するために現像剤(トナー)を担持する現像剤担持体である。
このような電子写真画像形成プロセスにより、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色の現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が転写ベルト12上に一次転写される。
同様に第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するマゼンタ色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
同様に第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のシアン成分に対応するシアン色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
同様に第4のカートリッジPKのドラム4にはフルカラー画像のブラック成分に対応するブラック色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色、シアン色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
このようにして、転写ベルト12上にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで2次転写ローラ17と転写ベルト12との接触部である2次転写部に導入される。これにより、記録媒体Sが前記2次転写部へ搬送されていく過程で、転写ベルト12上の4色重畳の現像剤像が記録媒体Sの面に順次に一括転写される。
[プロセスカートリッジの全体構成]
電子写真画像形成用のプロセスカートリッジの構成の説明を行う。本実施例において、第1から第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、同様の電子写真画像形成プロセス機構を有し、収容されている現像剤の色や現像剤の充填量が各々異なるものである。
カートリッジPは、ドラム4と、ドラム4に作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は以下のようなものがある。ドラム4を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ5、ドラム4に形成された潜像を現像する現像手段としての現像ローラ6、ドラム4の表面に残留する残留現像剤を除去するためのクリーニング手段としてのクリーニングブレード7等である。そして、カートリッジPは、ドラムユニット8と現像ユニット9とに分かれている。
[ドラムユニットの構成]
図4、図5、図6に示すように、ドラムユニット8は、感光体としてのドラム4、帯電ローラ5、クリーニングブレード7、感光体枠体としてのクリーニング容器26、廃現像剤収納部27、カートリッジカバー部材(図5、図6における駆動側カートリッジカバー部材24と非駆動側カートリッジカバー部材25)で構成される。尚、広義の感光体枠体には、狭義の感光体枠体であるクリーニング容器26の他、廃現像剤収納部27、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25も含まれる(以下の実施例においても同様である)。感光体枠体は感光体ドラム4を回転可能に支持するための枠体である。なお、カートリッジPが装置本体2に装着された際には、感光体枠体は装置本体2に固定される。
ドラム4は、カートリッジPの長手両端に設けられたカートリッジカバー部材24、25により回転自在に支持されている。ここで、ドラム4の軸線方向を長手方向と定義する。
カートリッジカバー部材24、25は、クリーニング容器26の長手方向の両端側で、クリーニング容器26に固定されている。
また、図5に示すように、ドラム4の長手方向の一端側には、ドラム4に駆動力を伝達するためのカップリング部材である感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aが設けられている。図3(b)は、装置本体2の斜視図であり、カートリッジトレイ60、および、カートリッジPを不図示としている。カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のそれぞれのカップリング部材4aは、図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としてのドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合し、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力がドラム4に伝達される。
帯電ローラ5は、ドラム4に対し接触して従動回転できるように、クリーニング容器26に支持されている。
また、クリーニングブレード7は、ドラム4の周表面に所定の圧力で接触するように、クリーニング容器26に支持されている。
クリーニング手段7によりドラム4の周面から除去された転写残現像剤は、クリーニング容器26内の廃現像剤収納部27に収納される。
また、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25には、現像ユニット9を回動可能に支持するための摺動部としての支持部24a、25aが設けられている(図6参照)。
[現像ユニットの構成]
現像ユニット9は、図1、図8に示すように、現像ローラ6、現像ブレード31、現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材32などで構成されている。ここで、広義の現像枠体には、現像枠体29の他、軸受部材45および現像カバー部材32等が含まれる(以下の実施例においても同様である)。現像枠体は、現像ローラを回転可能に支持する枠体である。なお、カートリッジPが装置本体2に装着された際には、現像枠体29は装置本体2に対し移動可能である。
また、広義のカートリッジ枠体(カートリッジPの枠体)には、前述した広義の感光体枠体および広義の現像枠体が含まれる(以下の実施例に関しても同様である)。
現像枠体29は、現像ローラ6に供給する現像剤を収納する現像剤収納部49(図4参照)、及び、現像ローラ6周面の現像剤の層厚を規制する現像ブレード31を有する。
また、図1に示すように、軸受部材45は、現像枠体29の長手方向一端側に固定されている。この軸受部材45は、現像ローラ6を回転可能に支持している。現像ローラ6は、その長手端部に現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69を有する。現像ローラギア69は、現像ローラ6に駆動力を伝える部材(ギア)であり、その外周は駆動力を受けるためのギア部となっている。
軸受部材45は、現像ローラギア69へ駆動力を伝達するためのカートリッジ側駆動伝達部材(駆動入力部材)74も回転可能に支持している。カートリッジ側駆動伝達部材(駆動入力部材)74はその端面に駆動入力部74bを有する。駆動入力部74bは、図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)とカップリング可能に構成される。つまり、カートリッジ側駆動伝達部材と現像駆動出力部材は係合(カップリング)することで、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力がカートリッジに伝達される構成となっている。詳細は後述する。
そして現像カバー部材32が、カートリッジPの長手方向において、軸受部材45の外側に固定されている。この現像カバー部材32は、現像ローラギア69やカートリッジ側駆動伝達部材74の一部などを覆うように構成されている。
[ドラムユニットと現像ユニットの組立]
図5、図6に、現像ユニット9とドラムユニット8とを組み付ける様子を示す。カートリッジPの長手一端側では、駆動側カートリッジカバー部材24の支持部24aに現像カバー部材32の円筒部32bの外径部32aを回動可能に嵌合させる。また、カートリッジPの長手他端側では、非駆動側カートリッジカバー部材25の支持穴部25aに、現像枠体29から突出して設けられた突起部29bを回動可能に嵌合させる。これにより、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動可能に支持される。ここで、現像ユニット9のドラムユニットに対する回動中心となる回動軸線を、回動軸線Xと称す。この回動軸線Xは、支持部24aに設けられた開口部24eの中心と支持穴部25aの中心とを結んだ軸線である。回動軸線Xは、ドラム4の軸線や現像ローラ6の回転軸線に対して実質的に平行である。
[現像ローラとドラムの接触]
図4、図5、図6に示すように、現像ユニット9は、付勢部材としての弾性部材である加圧バネ95により付勢され、回動軸線Xを中心にして、現像ローラ6がドラム4に接触するように構成されている。即ち、加圧バネ95の付勢力によって、現像ユニット9は図4中の矢印G方向に押圧され、回動軸線Xを中心に、矢印H方向のモーメントが作用する構成となっている。
加圧バネ95は現像ローラ6をドラム4に付勢するための付勢力を感光体枠体と現像枠体に加えることになる。これにより、現像ローラ6がドラム4に対し所定圧で接触できる。また、このときのドラムユニット8に対する現像ユニット9の位置を接触位置とする。
また、加圧バネ95の付勢力に抗して、現像ユニット9を矢印G方向と逆方向に移動させると、現像ローラ6がドラム4から離間可能である。この際の現像ユニット9の位置を離間位置と呼ぶ。現像ローラ6はドラム4に対し接離可能に構成されている。
[現像ローラとドラムの離間]
図7はカートリッジPを駆動側から現像ローラ6の回転軸線に沿って見た側面模式図である。この図においては、説明のために、一部の部品を不図示としている。カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8は装置本体2に位置決めされている。
本実施例では、付勢力受け部(離間力受け部)45aが軸受部材45に設けられている。尚、付勢力受け部45aは、軸受部材45に限らず、カートリッジPのいずれかの箇所(例えば、現像枠体等)に設けられていれば良い。付勢力受け部45aは、装置本体2に設けられた本体側付勢部材としての離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と係合可能な構成となっている。この本体側付勢部材としての離間力付勢部材80は、不図示のモータからの駆動力を受け、レール81に沿って矢印F1、F2方向に移動可能な構成となっている。
以下、現像ローラと感光体(ドラム)の離間の動作について説明を行う。
図7(a)は、ドラム4と現像ローラ6とが互いに接触した状態を示している。このとき、付勢力受け部45aと離間力付勢部材80とは隙間dを有して離間している。
図7(b)は、図7(a)の状態を基準として、離間力付勢部材80が矢印F1方向へ距離δ1だけ移動した状態を示している。このとき、付勢力受け部45aは離間力付勢部材80と係合している。前述の通り、現像ユニット9はドラムユニット8に対して回動可能な構成となっており、図7(b)においては、現像ユニット9は、回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動した状態となっている。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに距離ε1だけ離間した状態となっている。
図7(c)は、図7(a)の状態を基準として、離間力付勢部材80が矢印F1方向にδ2(>δ1)だけ移動した状態を示している。現像ユニット9は、回動軸線Xを中心として、矢印K方向に角度θ2だけ回動した状態となっている。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに距離ε2だけ離間した状態となっている。
[現像ローラと、駆動入力部材と、付勢力受け部の配置関係]
図7(a)~(c)に示すように、駆動側から現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジPをみると、現像ローラ6は、駆動入力部材74と付勢力受け部45aとの間に配置される。つまり、現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジPを見たときに、付勢力受け部45aは、現像ローラ6を基準として、駆動入力部材74とは実質的に反対側に突出している。
詳細には、本体側付勢部材80から力を受ける付勢力受け部45aの当接部45bと、現像ローラ6の回転軸線6zとを結ぶ線と、現像ローラ6の回転軸線6zと駆動入力部材74の回転軸線とを結んだ線は、角度を持って交わっている。当接部45b、現像ローラ6の回転軸線6z、駆動入力部材74の回転軸線が同一直線上には無い。
その一方で現像ローラ6の回転軸線に沿ってカートリッジPを見たときに、当接部45bと駆動入力部材74の回転軸線とを結んだ線が、現像ローラ6を通過するように配置されている場合もあり得る。このような形態も含めて駆動入力部材74と付勢力受け部45aとの間に現像ローラ6が配置されると表現する。
なお、本実施例においては、現像ユニット9のドラムユニットに対する回動軸線Xは、駆動入力部材74の回転軸線と実質的に同軸上にある。
また、感光体4の回転軸線4zと、駆動入力部材74の回転軸線(回動軸線X)と、付勢力受け部45aの当接部45bと、の間に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。つまり、カートリッジPを駆動側から現像ローラ6の回転軸線に沿って見た場合に、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(X)と、当接部45bと、を結んだ3つの直線で囲まれる三角形を作る。するとその三角形の中に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。
ここで、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動する為、感光体4に対する、カートリッジ側駆動伝達部材74および付勢力受け部45aの位置関係は変化する。しかし、いずれの場合においても、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(X)と、当接部45bと、の間に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。
このように、当接部45bと回動軸線Xの間に現像ローラ6を配置する構成にすることで、当接部45bと回動軸線Xの間から現像ローラ6が離れている構成と比べると、現像ローラの離間・当接が精度良くできるという効果がある。さらに、駆動側から現像ローラ6の回転軸線6zに沿ってカートリッジPを見た場合に、回動軸線Xと現像ローラ6の回転軸線6zとの距離より、回動軸線Xと当接部45bとの距離が長い。この方が、現像ローラの離間・当接タイミングを高精度に制御することができる。
尚、本実施例(以下の実施例においても同様である)において、付勢力受け部45aが本体側付勢部材80と当接する部分とドラム4の回転軸線との距離は13mm~33mmの範囲にある。また、本実施例(以下の実施例においても同様である)において、力受け部45aが本体側付勢部材80と当接する部分と回動軸線Xとの距離は、27mm~32mmの範囲にある。
なお、本実施例では現像ユニット9(現像枠体)がドラムユニット8(感光体枠体)に対して回動(回転移動)することで、感光体4と現像ローラ6が離間および当接する。現像ユニット9とドラムユニット8を軸によって連結するという簡易な構成で、感光体4と現像ローラ6の当接状態と離間状態を簡単に切り替えることができる。
しかしながら現像ユニット9(現像枠体)の移動形態が回動(回転移動)に限られるわけではない。現像ユニット9(現像枠体)がドラムユニット8(感光体枠体)に対して移動することで、感光体4と現像ローラ6の距離が変化するのであれば、たとえば現像ユニット9がドラムユニット8に対して並進するなど回転以外の移動をしてもよい。
[感光体ドラムへの駆動伝達]
次に、感光体ドラム4への駆動伝達の概略について説明する。
前述の通り、感光体としてのドラム4の端部に設けられたカップリング部材である感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aは、図3(b)に示す装置本体2のドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合する。そして感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aは、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力を受ける構成となる。これにより装置本体からの駆動がドラム4に伝達される。
図1に示すように、カートリッジPの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24dからは、感光体ドラム4の端部に設けられたカップリング部材である感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aが露出する。詳細には、駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24dが設けられた開口面からカートリッジ外部に向かって感光体用駆動入力部4aが突出するように配置される。ここで、感光体用駆動入力部4aは、感光体の回転軸に沿った方向において固定されている。つまり、感光体用駆動入力部4aはドラム4に対して固定された形態である。
[現像ローラへの駆動伝達]
(駆動連結部と、解除機構の原理)
図1、図8を用いて駆動連結部の構成について説明する。ここで、駆動連結部とは、装置本体2に設けられた本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62から駆動を入力され、現像ローラ6へ駆動を伝達、および、遮断する機構である。
本実施例の駆動連結部とは、駆動入力部材74、解除レバー73、解除カム72、バネ70、現像カバー部材32、駆動側カートリッジカバー部材24で構成されている。
図1、図8に示すように、駆動入力部材74は、駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24eと、現像カバー部材32の開口部32dと、バネ70の開口部70aと、解除カム72の開口部72fと、解除レバー73の開口部73dと、を貫通する。こうして駆動入力部材74は現像駆動出力部材62と係合している。駆動入力部材74は、カートリッジPに設けられていて、装置本体2から駆動力が伝達されるカートリッジ側駆動伝達部材である。現像駆動出力部材62は装置本体2に設けられていて、カートリッジPに駆動力を伝達する本体側駆動力伝達部材である。
図1に示すように、カートリッジの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材24には貫通口である開口部24eと開口部24dが設けられる。駆動側カートリッジカバー部材24と組み合わされる現像カバー部材32は実質的に円筒形状である円筒部32bを有し、その円筒部32bには、貫通口として開口部32dが設けられる。
駆動入力部材74は軸状の軸部74xを有し、軸部74xの端部には駆動入力部74bが設けられる。駆動入力部74bは駆動入力部材74の先端(端部、端面)から現像ローラの長手方向の外側に向けて突出する突起である。
軸部74xは、解除レバー73の開口部73d、解除カムの開口部72f、バネ70の開口部70a、現像カバー部材32の開口部32d、駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24eをそれぞれ貫くように組み合わされる。
軸部74xの先端の駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって露出している。ここで駆動入力部74bが露出しているとは、カートリッジPの外部から駆動入力部74bが目視可能であることを意味する。本実施例では、カートリッジPを現像ローラ6の回転軸線に沿って見た際に駆動入力部74bは目視可能である。
開口部24eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材24の開口面からカートリッジ外部に向かって駆動入力部74bが突出するように配置される。そして、駆動入力部74bである凸部が、現像駆動出力部材62に設けられた凹部62bとカップリング(係合)することで、本体側からの駆動が駆動入力部74bに伝達される。この駆動入力部74bは、実質的な三角柱を微小に捩った形状である(図1参照)。
さらに、駆動入力部材74の外周面に設けられたギア部74gは現像ローラギア69と係合する。現像ローラギア69はその外周面にギア部を有し、これがギア部74gとかみ合う。現像ローラギア69は現像ローラ6の軸部(シャフト)に固定されている。
これにより、カートリッジ側駆動伝達部材(駆動入力部材)74の駆動入力部74bに伝達された駆動は、駆動入力部材74のギア部74g、現像ローラギア69を介して、現像ローラ6へ伝達される。駆動連結部の中でも特に、駆動入力部材74(駆動入力部74b、ギア部74g)と現像ローラギア69とは、カートリッジPに設けられた駆動力伝達機構である。この駆動伝達機構はカートリッジPの外部(装置本体2の現像駆動出力部材62)から受けた駆動力(回転力)を、現像ローラ6に伝達させる。
カートリッジPの外部から入力された駆動力が、カートリッジPのなかで現像ローラ6に向けて伝わる経路において、駆動入力部材74(駆動入力部74b)は駆動伝達機構の最も上流(最上流)に配置される。つまり駆動入力部74bはカートリッジPから露出しており装置本体から最初に駆動力を受け得る。
言い換えると駆動入力部74bは装置本体2に設けられた本体側駆動伝達部材(現像駆動出力部材62)の凹部62b(回転力付与部、駆動出力部)と直接に結合(カップリング)して、装置本体2から直接に駆動力を受け得る。より詳細にいうと、駆動入力部74bは、凹部62bと接触して凹部62bから回転力を受ける回転力受け部74b3(図17参照)を有する。
(駆動連結部の構成)
駆動連結部のより詳細な構成を図1、図8、図9を用いて説明をする。
なお本実施例及び以下の実施例における説明において、カートリッジの外部に向かう方向とは、図1の矢印M方向を示す。また、カートリッジの内部に向かう方向とは、図1の矢印N方向を示すこととする。
なお矢印M、矢印Nは回動軸線Xに沿った矢印である。ただし、回転軸線Xに対して傾斜した方向であったとしても、矢印Mが指し示す側に近づく方向であればそれは、カートリッジの外部に向かう方向である。同様に回転軸線Xに対して傾斜した方向であったとしても、矢印Nが指し示す側に近づく方向であれば、カートリッジの内部に向かう方向である。矢印M方向は、現像ローラ6の長手方向において外側に向かう方向であり、また矢印N方向は、現像ローラ6の長手方向において内側に向かう方向である。
カートリッジPの長手方向端部に、カートリッジ枠体(現像枠体)の一部として駆動側カートリッジカバー部材24が配置される。また軸受部材45には現像ローラの軸が係合される。これら駆動側カートリッジカバー部材24と軸受部材45との間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材24に向かって順に、駆動入力部材74、解除レバー73、解除カム72、バネ70、現像カバー部材32が設けられている。つまり現像ローラ6の長手方向の内側から外側に向かって順に、駆動入力部材74、解除レバー73、解除カム72、バネ70、現像カバー部材32が設けられている。
これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材74の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上(回動軸線X上)に位置する。なお、前述の同一直線(同軸)上にあるとは、各部品の寸法公差の範囲内において同一の直線(同軸)上にあるという意味であり、また、以降の実施例においても同様である。つまり同一直線上とは、実質的に同一の軸線上にあることを意味する。
図9(a)、(b)に駆動連結部の断面模式図を示す。
前述のように、駆動入力部材74の被軸受部74p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材74の円筒部74qと現像カバー部材32の内径部32qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材74は、軸受部材45と現像カバー部材32とによって、その両端を回転可能に支持されている。
更に、軸受部材45は現像ローラ6を回転可能に支持している。図1、図8を用いてより詳細に述べると、軸受部材45の第二軸受部45q(円筒内面)が、現像ローラ6の軸部6aを回転可能に支持している。そして、現像ローラ6の軸部6aに、現像ローラギア69が嵌合されている。前述のように、駆動入力部材74の外周面は、現像ローラギア69と噛み合うギア部74gとなっている。これによって、駆動入力部材74から現像ローラギア69を介して現像ローラ6に回転力が伝達されるように構成されている。
さらに、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)、および、現像カバー部材32の内径部32qのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。すなわち、駆動入力部材74は、現像ユニット9の回動軸線Xを中心に回転可能に支持されている。
また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材32の外側には、駆動側カートリッジカバー部材24が設けられている。
図9(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の凹部62bが結合状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。
駆動入力部74bは駆動入力部材74に設けられて、現像駆動出力部材62の凹部62bと直接に係合することで凹部62bから回転力を受ける突起である。
駆動入力部材74は駆動入力部74bを介して駆動力(回転力)が伝達され回転する。また凹部62bは駆動入力部74bと直接に係合して、駆動入力部74bに駆動力(回転力)を与える駆動出力部(回転力付与部)である。
図9(a)に示すように開口部24eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材24の開口面に対して、駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって突出している。
図9(a)に示す状態では、現像駆動出力部材62からの回転駆動力が駆動入力部74bに対して伝達可能となっている。この状態における現像駆動出力部材62の位置を、現像駆動出力部材62の第2の位置とする。また、現像カバー部材32と、解除カム72との間には、解除カム72を矢印N方向に押圧するように、付勢部材としての弾性部材であるバネ70が設けられている。
図9(b)は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとの結合状態(カップリング状態)が解除され、離間した状態を示した模式的断面図である。解除カム72は、付勢機構である解除レバー73によって押圧されることで、バネ70の押圧力に抗して矢印M方向(カートリッジの外部に向かう方向)へ移動可能な構成となっている。解除カム72は矢印M方向に移動することで現像駆動出力部材62を押圧付勢して矢印M方向に移動させ、駆動入力部74bから現像駆動出力部材62を離間させる。これにより駆動入力部74と現像駆動出力部材62とのカップリングが解除され、駆動入力部74bへ現像駆動出力部材62からの回転駆動力が伝達されない状態になる。
図9(b)に示すように、駆動入力部74bへ現像駆動出力部材62の凹部62bからの回転駆動力が伝達されない状態にある位置を現像駆動出力部材62の第1の位置とする。第1の位置は、第2の位置に対して、現像駆動出力部材62が矢印M方向に向かって移動した位置(カートリッジPから離れる向きに退避した位置)である。
この第1の位置は、回動軸線Xに対して駆動入力部74bと現像駆動出力部材62が重なっていない状態が望ましい。しかし、現像駆動出力部材62の端面と駆動入力部74bの端面とが、実質的に同じ面の位置にあっても良いし、現像駆動出力部材62の端面に駆動入力部74bが、少し重なっていてもよい。いずれの場合においても、前記第2の位置よりも現像駆動出力部材62が矢印M方向に向かって移動し、現像駆動出力部材62(凹部62b)が駆動入力部材74(駆動入力部74b)とのカップリングを解除する位置であれば、第1の位置と定義する。
(解除機構)
次に、駆動解除機構(以下、単に解除機構と呼ぶ)を説明する。解除機構とは、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとのカップリング(結合)を解除することで、装置本体2から現像ローラ6への駆動伝達を遮断する機構のことである。
図10に、解除カム72とバネ70と現像カバー部材32の関係を示す。解除カム(解除部材)72は、実質的に円筒形状である円筒部(解除部材側円筒部)72kと、円筒部72kのカートリッジ内部方向端面に円筒部外側に広がる円盤部72gと、円盤部72gから突出部72iが設けられている。本実施例においては、突出部72iは現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジ内部方向(矢印N方向)に突出している。現像カバー部材32は開口部32dを有する突き当て面32eを有する。解除カム72の有する円筒部72kは、バネ70の開口部70aを貫通し、現像カバー部材32の開口部32dに対して摺動可能(回動軸線Xに沿ってスライド可能)に支持されている。言い換えると、解除カム72は、現像カバー部材32に対して、現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行に移動可能である。
このとき、バネ70は解除カム72の円盤部72g、現像カバー部材32の突き当て面32eの間に設けられている。円盤部72gはバネ70により、押圧(付勢)される被付勢部(弾性力受け部)である。円盤部72gがバネ70から弾性力を受けることにより解除カム72は、カートリッジPの内部(後述する内側位置:図9(a)参照)に向けて矢印N方向に付勢されている。円盤部72gは、カートリッジPの内部に向かう力を受ける力受け部(第2の解除部材側力受け部、内側向き力受け部)である。
ここで、解除カム72の円筒部72k、現像カバー部材32の開口部32dのそれぞれの中心は同軸上に設けられている。
また、現像カバー部材32は、ガイド部としてのガイド32hを有し、解除カム72は、被ガイド部としてのガイド溝72hを有する。ガイド32hとガイド溝72hは共に軸線方向に対し平行に形成されている。ここで、現像カバー部材32のガイド32hは、解除カム72のガイド溝72hと係合する。このガイド32hとガイド溝72hとが係合していることで、解除カム72は現像カバー部材32に対して、回動軸線Xに平行な軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。
なお、ガイド32hとガイド溝72の両方が回転軸線Xと平行である必要はなく、互いに接触する片側だけが回転軸線Xと平行に形成されていれば、解除カム72を回動軸線Xに対して平行に移動させることが可能である。
また必ずしも解除カム72が回動軸線Xに対して平行に移動する必要があるわけではなく解除カム72が回動軸線Xに対して傾斜する向きに移動してもよい。
図11は、解除レバー73、および、解除カム72の構成を示している。
カップリング解除部材としての解除カム72は、当接部(斜面、当接面)72aを有する。当接部72aは、装置本体2が発生させた力が解除レバー73を介して伝達され、装置本体2が発生させた力を受ける力受け部(第1の解除部材側力受け部)である。詳細は後述するが、解除カム72は当接部72aが受けた力によって駆動出力部材62を付勢可能に構成されている。
解除レバー73は、現像枠体(軸受部材45、現像カバー部材32)や解除カム72に対して回動可能な回動部材であり実質的なリング形状である。解除レバー73は解除カム72に作用することで解除カム72を移動させる作用部材である。
解除レバー73は、解除カム72の当接部72aに作用する作用部(回動部材側付勢部、作用部材側付勢部)として当接部(斜面、当接面)73aを有する。
解除レバー73の当接部73aと解除カム72の当接部72aは互いに接触可能に構成されている。
なお、図11では、解除レバー73の当接部73aと解除カム72の当接部72aはそれぞれ2個の場合を示しているが、数はこの限りではない。例えば、当接部の数がそれぞれ1個や3個でも良い。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図12~図15を用いて説明する。尚、図12~図15は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除レバーと解除カムの構成を一部模式的に示している。図中の回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジの外部に向かう方向を示し、回動軸線Xに沿った矢印Nはカートリッジの内部に向かう方向を示す。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材45の付勢力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。
このときの駆動連結部の構成を図13に示す。図13(a)においては、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の対と、解除カム72と解除レバー73の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。図13(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。解除カム72の当接部72aと解除レバー73の当接部73aとの間には隙間eがある。また、このとき、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bは互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。
また、前述のように、駆動入力部材74は現像ローラギア69と係合している。そのため、装置本体2から駆動入力部材74に入力された駆動力は現像ローラギア69に伝達され、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を現像接触・駆動伝達状態と称す。さらに、この時の現像駆動出力部材62の位置が、前述した第2の位置である。現像駆動出力部材62の第2の位置とは、凹部(回転力付与部)62bを駆動入力部74bとカップリング(結合)させて駆動伝達が可能になる位置(駆動伝達位置)である。また、この際の駆動入力部材74(駆動入力部74b)の位置を、駆動入力部材74(駆動入力部74b)の第2の位置と呼ぶ。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図14(a)、図14(b)に示す。
図7(b)に示すように離間力付勢部材80がδ1だけ移動すると、府勢力受け部45aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム72や現像カバー部材32は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。
一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。
現像ユニット9内に組み込まれた解除レバー73は、図12に示すように、解除レバー73のリング形状の部分から回動軸線Xの法線方向に突出した力受け部(突出部、被係合部)73bを有する。この力受け部73bが、駆動側カートリッジカバー部材24に設けられた係合部24sと係合する。これによって解除レバー73の回動が規制される。解除レバー73の回動が規制されても、現像ユニット9が回動できるようにするため、現像カバー部材32には開口部32cが設けられている。
回動が規制された解除レバー73の当接部73aに対し、解除カム72の当接部72aが現像ユニット9の回動に連動して矢印K方向(図7(b)参照)に回動する。その結果、解除カム72の当接部72aと解除レバー73の当接部73aとが互いに接触し始めた状態となる。この時点では、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図14(a))。
そのため、装置本体2から駆動入力部材74へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。この時の現像駆動出力部材62の位置も、第2の位置とする。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図15(a)、図15(b)に示す。図7(c)に示すように離間力付勢部材80がδ2だけ移動すると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が角度θ2(>θ1)の回動をする。
離間力付勢部材80によって現像ユニット9が角度θ2の回動をすることと連動して、解除カム72や現像枠体(現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材32)が図中矢印K方向に回転移動する。一方、解除レバー73は上述と同様に駆動側カートリッジカバー部材24に設けられた係合部24s(図12参照)と係合することで状態2から位置変化しない。つまり解除レバー73は現像枠体や解除カム72に対して相対的に矢印H方向(図7(c)参照)に回転することになる。
このとき、解除カム72の当接部72aは解除レバー73の当接部73aから反力を受ける。つまり解除レバー73の当接部(回動部材側付勢部)73aは解除カム72の当接部72aを矢印M方向に向かって付勢することになる。当接部72aは、当接部73aからカートリッジPの外部に向かう方向の力を受ける外側向き力受け部(第1の解除部材側力受け部)である。
ここで、解除カム72は前述のように、解除カム72のガイド溝72hが現像カバー部材32のガイド32hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている(図10参照)。そのため、当接部72aが力を受けることによって解除カム72は解除レバー73に対して矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。
これにより、解除カム72の矢印M方向への移動と連動して、解除カム72の円筒部72kが駆動入力部材74の駆動入力部74bと軸線X方向で重なる。つまり解除カム72が有する円筒部72kの先端が現像駆動出力部材62を矢印M方向へ移動量pだけスライド移動させる。なお本実施例では現像駆動出力部材62は回動軸線Xと平行に移動する。
まとめると、装置本体2が発生した付勢力が離間力付勢部材80を介して、カートリッジPの軸受部材45(付勢力受け部45a)に伝達される。
これにより現像ユニット9(現像枠体、解除カム72)がθ2だけ矢印K方向に回動する(図7(c)参照)。この際、駆動側カートリッジカバー部材24と係合した解除レバー73が現像枠体、解除カム72に対して相対的に回動する。これにより付勢力受け部45aが受けた付勢力は、解除レバー73の当接部73aを介して解除カム72の当接部72aに伝えられる(図11、図12参照)。
解除カム72は当接部72aが受けた力を用いて、円筒部72kの先端(付勢部)で現像駆動出力部材62を付勢し、現像駆動出力部材62を矢印M方向に移動させる(図9(b)、図15参照)。
このとき、図14、図15に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも、現像駆動出力部材62の移動量pが大きいため、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続けているのに対し、駆動入力部材74は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。
各部品の上記状態を現像離間・駆動遮断状態と称す。この時の駆動出力部材62の位置が、第1の位置である。
また図15に示すように現像駆動出力部材62が第1の位置にある際における解除カム72の位置を、解除カム72の第1の位置とする。解除カム72の第1の位置は、図14に示す解除カム72の第2の位置よりも現像ローラの長手方向(軸線方向)における外側に向けて移動した位置であり、以下、外側位置と呼ぶ。また解除カム72の外側位置は解除カム72の第2の位置(図14参照)よりもプロセスカートリッジの外部に向けて突出するように移動した突出位置である。解除カム72の外側位置は、円筒部72kの先端によって現像駆動出力部材62を押圧(付勢)して移動させる押圧位置(付勢位置)である。また外側位置は駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとのカップリングを解除するカップリング解除位置(結合解除位置)であり、駆動入力部74bへの駆動伝達を遮断する遮断位置、非駆動伝達位置である。
一方、図14に示すように現像駆動出力部材62が第2の位置にある際における解除カム72の位置が解除カム72の第2の位置である。解除カム72の第2の位置は、図15に示す外側位置よりも現像ローラの長手方向における内側(カートリッジの内部)に向けて移動した位置であり以下、内側位置と呼ぶ。解除カム72の内側位置は、外側位置からカートリッジPの内部に向けて退避するように移動した退避位置である。また解除カム72の内側位置は、現像駆動出力部材62が第2の位置にあって凹部62bが駆動入力部74bとカップリング(結合)するのを許容する許容位置である。解除カム72の内側位置は、駆動入力部74bに対する駆動経路を連結させて駆動伝達を可能にする駆動連結位置(駆動伝達位置)である。
まとめると、図7(c)に示したように付勢力受け部45aが装置本体2(離間力付勢部材80)から付勢力を受ける。この付勢力を利用して現像ユニット4(現像枠体)が回動し、かつ、解除カム72が内側位置(図14参照)から外側位置(図15参照)に移動する。これにより、解除カム72は現像駆動出力部材74を回動軸線Xと平行に退避させ、第2の位置(図14参照)から第1の位置(図15参照)へ移動させる。これによって解除カム72は駆動入力部材74(駆動入力部74b)と現像駆動出力部材62(凹部62b)のカップリングを解除し駆動の伝達を遮断する。
解除カム72が外側位置から内側位置に移動することで、現像駆動出力部材74は第1の位置から第2の位置に移動することが許容される。これにより駆動入力部74bと現像駆動出力部材74の結合がなされ駆動入力部74bに駆動伝達が可能となる。詳細は後述する。
解除カム72は現像ローラ6の長手方向においてスライド移動することで、内側位置と外側位置とを取り得る移動部材である。つまり解除カム72は、現像枠体(現像カバー部材32のガイド部32h:図10参照)と、駆動入力部材74の軸部74x(図1参照)によって移動可能に支持されている。解除カム72は円筒部72k(図1参照)の内部に軸部74xを配置させた状態でスライドして内側位置と外側位置とに往復移動可能である。
また解除カム72は外側位置へ移動し現像駆動出力部材62を付勢することで、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとのカップリング(結合)を解除させるカップリング解除部材である。
解除カム72の円筒部72k(図15(b)参照)の先端の面72k1は、現像駆動出力部材62と接触して退避位置に向けて付勢する付勢部(解除部材側付勢部)である。つまり付勢部72k1は環状(リング状)な面となっている(図14参照)。また付勢部72k1は回動軸線Xに対して実質的に直行する面である。
上記の通り、解除カム72のスライドにより現像駆動出力部材62が第2の位置から第1の位置へ移動する移動量pは、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも大きいことが望ましい。つまり解除カム72が外側位置にある状態(図15参照)において、解除カム72の付勢部(解除カム72の先端)は駆動入力部74bの先端よりも現像ローラ6の長手方向においてより外側に位置することが望ましい。なお駆動入力部74bの先端とは、現像ローラの長手方向において駆動入力部74bの外側にある端部のことである。
なお現像ローラ6の回転軸線は回動軸線X1と実質的に平行である。したがって図9、図13乃至図15、および後述する図16以降において現像ローラ4の長手方向は回動軸線Xと平行な方向に相当し、長手方向における外側とは矢印Mが示す側であり、内側とは矢印Nが示す側を意味する。
図9(b)に示すように解除カム72が外側位置に移動すると、解除カム72によって押圧された現像駆動出力部材62は、駆動入力部74bの先端よりも現像ローラの長手方向において外側に退避し、第1の位置(カップリング解除位置)へ移動する。駆動入力部74bと現像駆動出力部材62は接触せず、駆動入力部74bへの駆動伝達を確実に遮断することができる。
解除カム72と駆動入力部74bの配置関係について図16を用いてより詳細に述べる。図16は、現像ローラ6の回転軸線に平行な仮想線X1に解除カム72および駆動入力部74bを投影した状態を示す図である。図16(a)は解除カム72が内側位置にある状態を示す。また図16(b)は解除カム72が外側位置にある状態を示す。
解除カム72が外側位置にある状態では、少なくとも解除カム72の先端は、駆動側サイドカバー部材24の開口部24eおよび現像カバー部材32の開口部32b(図1参照)からスカートリッジPの外部に露出している。
図16(b)に示すように解除カム72が外側位置にある状態では、仮想線X1上において駆動入力部74bが投影された領域A1が、解除カム72が投影された領域A2に重なることになる。より詳細に述べると領域A1のすべては領域A2の内部にある(領域A1の全てが領域A2に含まれる)。仮想線X1において領域A1と領域A2とが重なる範囲をA3とすると、範囲A3は領域A1と同じ幅を持つことになる。
解除カム72が内側位置から外側位置に移動すること(図16(a)に示す状態から図16(b)の状態となること)で範囲A3は大きくなる。つまり、解除カム72の先端部が、駆動側サイドカバー部材24や現像カバー部材32(図1参照)から突出する突出量が大きくなる。
解除カム72が内側位置にある際には、図16(a)に示すように駆動入力部74bの領域A1と解除カム72の領域A2は重ならない。つまり範囲A3の幅は0mmである。一方、解除カム73が外側位置に移動すると、図16(b)に示すように範囲A3の幅は駆動入力部74bの幅(高さ、突出量)と等しくなり本実施例では約2.0mmとなる。
なお解除カム72が外側位置に移動した際(図16(b)参照)、解除カム72の先端(解除カム72の付勢部)が現像ローラの長手方向において駆動入力部74bの先端よりも外側にある必要があるとは限らない。例えば、解除カム72の先端と駆動入力部74bの端面74b1が実質的に同じ位置にある場合もある。このときも、駆動入力部74bの端面(先端)と現像駆動出力部材62の端面とが、実質的に同じ面上にあるので、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62はカップリングせずに駆動伝達は遮断できる。
また、解除カム72が外側位置にある状態において駆動入力部74bの先端が現像駆動出力部材62と、少し重なる場合でも駆動入力部材74から現像駆動出力部材62への駆動を遮断できる構成があり得る。このような構成については本実施例の変形例として後述する。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動を遮断する解除機構の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
解除カム72や、解除カム72に作用する解除レバー73等は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとのカップリングを解除する解除機構の一部である。これらの機構によって、カップリングが解除されて、現像ローラ6への駆動伝達が遮断される。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図15に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり現像駆動出力部材62は第1の位置にある。
上記の状態から、離間力付勢部材80を矢印F2方向に移動すると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から受ける力が減じることになる。その結果、現像ユニット9は上述した加圧バネ95(図4参照)の力によって図7(c)に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆方向)に回動する。
現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動する際、解除レバー73はその力受け部73bを駆動側カートリッジカバー部材24に設けられた係合部24tに係止させる。そのため解除レバー73は現像ユニット9とともには回動しない。現像ユニット9とともに回動する解除カム72が解除レバー73に対して回動する。言い換えると解除レバー73は現像枠体や解除カム72に対して相対的に矢印K方向に回動する。
この解除レバー73の回動に伴って、解除レバー73の当接部73aが解除カム72の当接部72aから退避し始める。当接部73aが退避した分だけ、解除カム72はバネ70の力で矢印N方向に移動する(図14参照)。
現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図14に示す状態)では、解除カム72はバネ70の押圧力により内側位置に至る。
解除カム72が内側位置に移動して現像駆動出力部材62にから離れることに伴い、現像駆動出力部材62も装置本体2からバネ(不図示)により矢印N方向へ押圧され第2の位置に至る。すると図14に示すように駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。つまり現像駆動出力部材62は第2の位置にある。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、離間力付勢部材80を更に矢印F2方向に移動させて、離間力付勢部材80を付勢力受け部45aから離していくと、現像ユニット9は加圧バネ(図4参照)の力によって徐々に図7に示す矢印H方向へ回動していく。この結果、最終的に、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる(図7(a)参照)。この状態においても、現像駆動出力部材62は第2の位置にある。なお本実施例では、現像ローラ6とドラム4が接触した状態では、離間力付勢部材80が付勢力受け部45aと接触せず付勢力受け部45aから受ける力は0になる。しかし、現像ローラ6とドラム4が接触してれば、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80と接触していてもよい。
まとめると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から受ける力が減じた状態(図7(b))、あるいはなくなった状態(図7(c)においては、加圧バネ95(図4)の力によって、現像ユニット4が矢印H方向に回動する。この現像ユニット4の回動によって現像ローラ6がドラム4に近づくとともに、解除カム72がバネ70の力を用いて内側位置(図13、14参照)に向けて移動する。解除カム72が内側位置に移動することに伴って、カートリッジPの外部から現像ローラ6へ向けた駆動力の伝達経路が生じることになる。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
カートリッジPには、解除カム72に作用する作用部材として解除カム73が設けられ、この解除カム73が解除カム72に対して移動(回転)することで解除カム72が外側位置(図15参照)から内側位置(図14参照)に移動する。
この解除レバー73は、解除カム72に対する移動方向(回転方向)を変えることで、解除カム72の移動方向を切り替える切り替え部材でもある。上記したように解除レバー73が解除カム72に対して図7(b)に示す矢印H方向に移動(回動)した場合、すなわち解除カム72が解除レバー73に対して矢印K方向に移動した場合には、解除レバー73は解除カム72を内側位置から外側位置に移動させる。一方、解除レバー73が解除カム72に対して矢印K方向(矢印Hとは反対方向)に移動(回動)した場合、すなわち解除カム72が解除レバー73に対して矢印H方向に移動した場合には、解除レバー73は解除カム72を外側位置から内側位置に移動させるものである。
解除カム72は内側位置と外側位置との間を往復移動することで、駆動入力部材74(駆動入力部74b)に対して相対移動可能な移動部材である。
解除カム72は駆動入力部74bに対して移動することで駆動入力部74bと凹部(回転力付与部)62bとを係合(カップリング)させたり、その係合(カップリング)を解除したりする。より詳細に言うと、解除カム72は、少なくとも現像ローラの長手方向に変位することで駆動入力部74b(回転力受け部74b3)に対して相対移動する。解除カム72が駆動入力部74bに対して長手方向外側に移動することで駆動入力部74bと凹部62bとの係合(カップリング)が解除される。 また解除カム72が駆動入力部74bに対して長手方向内側に移動することで、駆動入力部74bと凹部62bの係合が許容される。
本実施例において作用部材である解除レバー73は解除カム72に対して回動する回動部材でもあった。しかしながら作用部材が回動部材に限られるわけではない。現像ユニット9の回動に連動して、解除カム72に対して相対的に移動し、解除カム72に作用するものであれば作用部材が他の形態であってもよい。本実施例において作用部材としての解除レバー72は、回動軸線Xと交差する方向、より詳細にいうと回動軸線Xと垂直な方向に移動することで解除カム72を移動させる。
なお解除カム72が内側位置にある際には、図16(a)に示すように、解除カム72の先端は、駆動入力部74bの後端74b2と、現像ローラの長手方向において実質的に同じ位置にある。この際、解除カム72の先端は、現像駆動出力部材62と接触しない。そのため駆動入力部74bは第2の位置に位置することが許容され、現像駆動出力部材62と確実にカップリングできる。また解除カム72によって現像駆動出力部材62の回転に影響が生じることがない。
なお、駆動入力部74bの後端74b2とは、突起である駆動入力部74bの底部のことである。駆動入力部74bの後端の位置は、駆動入力部74bが設けられた駆動入力部材74の端面の位置に相当する。
また、解除カム72が内側位置にある際に、解除カム72の先端を駆動入力部74bの後端74b2よりも現像ローラの長手方向において内側に配置してもよい。この場合も解除カム72の先端が現像駆動出力部材62に接触しないので、同様の効果がある。
その一方で、解除カム72が内側位置にある際に、解除カム72の先端が駆動入力部74bの後端74b2よりも、多少現像ローラ長手方向の外側に位置する構成を取ることも可能である。つまり駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとがカップリングして駆動伝達していれば、解除カム72の先端が現像駆動出力部材62と接触してもよい。この時には、解除カム72が内側位置にある際にも、図16(a)に示す仮想線X1において、領域A1と領域A2とが一部重なることになる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
なお、上記の説明では、解除カム72の当接部72aと解除レバー73の当接部73aは互いに面対面で接触する構成としたが、必ずしもこの限りではない。例えば、面と稜線、面と点、稜線と稜線、稜線と点、とが接触する構成でもよい。
また解除カム72は、回動軸線Xに実質的に平行に移動可能な構成であったが回動軸線Xに対して傾斜して移動するような構成であってもよい。つまり、現像駆動出力部材62を付勢し得る構成であれば解除カム72の移動方向が特に限定されるわけではない。
なお本実施例では、解除カム72の移動方向が回転軸線Xに対して傾斜していたとしても、移動方向に沿ったベクトルが少なくとも回転軸線X方向の成分を有するように、解除カム72を構成した。つまり解除カム72の移動方向が回転軸線Xに平行でない場合であっても、解除カム72は少なくとも回転軸線X方向(現像ローラの長手方向)には移動するように構成されている。
また本実施例では解除カム72に作用する弾性部材(バネ70)は解除カム72をカートリッジPの内部(内側位置)に向けて押圧する押しばねである(図10参照)。しかし弾性部材の配置を変えることで、解除カム72を内側位置に向けて引っ張る引っ張りばねを弾性部材として用いてもよい。またバネ70はコイルバネであるが板バネなど別の形態の弾性部材を用いてもよい。
解除カム72は駆動出力部材62を確実に付勢し得るように、駆動入力部材74の近傍に配置する(図1参照)。本実施例では駆動出力部材62の直径が約15mmである。そのため駆動入力部材74(駆動入力部74b)の回転中心(回動中心X)を基準とする半径が約7.5mmの範囲内に解除カム72の少なくとも一部が配置されていれば、解除カム72によって駆動出力部材62を付勢することができる。
[変形例]
次に、図17おいて、解除カム72が内側位置から外側位置へと移動する際の移動量pを上記した実施例とは変更した変形例を示す。上記の実施例では解除カム72の移動量pは、駆動入力部74bの突出量(駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の係合量q:約2.0mm)よりも大きかった。それに対して本変形例において解除カム72の移動量pは駆動入力部74bの突出量(係合量q)よりも小さい。その結果、解除カム72が外側位置にある際にあっても、現像駆動出力部材72の先端が現像ローラの長手方向において駆動入力部74bの端面74b1よりも内側に位置している。解除カム72が外側位置にある状態においても、駆動入力部74bの先端側の一部が、現像駆動出力部材62と重なることになる。
本変形例ではこのような構成であっても現像駆動出力部材62から駆動入力部74bへの駆動伝達を遮断することが可能である。駆動入力部74bの先端側には傾斜部74b3が設けられており、この傾斜部74b3のみに現像駆動出力部材62が接触する場合には現像駆動出力部材62が空転するためである。
傾斜部74b3は、上記したように駆動入力部74bの端面74b1の近傍に設けられた部分であり、駆動入力部74bのかどを面取りした面取り部である。
また駆動入力部74bの根元(後端、底部)74b2の近傍には回転力受け部74b4が設けられていて、回転力受け部74b4と傾斜部74b3が隣接する。
駆動入力部74の後端74b2は、回転力受け部74b4の後端に相当する。また回転力受け部74b4と傾斜部74b3の境界部が、回転力受け部74b4の先端に相当する。
回転力受け部74b4は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとがカップリングした際に凹部62bと接触することで、凹部62bから実際に駆動力を受け得る部位(面)である。回転力受け部74b4の幅(現像ローラの長手方向に占める長さ)は約1.7mmである。
傾斜部74b3は駆動入力部74bの回転軸線(X)や、回転力受け部74b4に対して傾いており、回動軸線Xと傾斜部74b3が成す角は、回動軸線Xと回転力受け部74b4が成す角よりも大きい。傾斜面74b3は回転力受け部74b4の先端と、端面74b1をつなぐなだらかな曲面(曲率半径が約0.3mm)としたが平面状であってもよい。傾斜面74b3の幅(現像ローラの長手方向に占める幅)は約0.3mmである。
本実施例において解除カム72の移動量pは、1.7mmから2.0mmの間である。解除カム72が外側位置にある際、解除カム72の先端(解除カム72の付勢部)は、現像ローラの長手方向において回転力受け部74b4の先端と同じ位置か、それよりも外側にある。
その一方で、解除カム72の先端は、現像ローラの長手方向において駆動入力部74bの端面74b1よりは内側にある。つまり解除カム72の先端は、現像ローラの長手方向において駆動入力部74bの傾斜部74b3と一部重なる位置にある。
本変形例において、仮想線(現像ローラの軸線と平行な線)X1に駆動入力部74bと現像駆動出力部材72を投影する。すると、駆動入力部74bが外側位置にある際に、仮想線X1において駆動入力部74bの領域A1と解除カムの領域A2が一部重なっているものの、領域A1の全てが領域A2の内部に含まれるわけではない。つまり領域A1のうち回転力受け部74b4に対応する領域A11の全てと、傾斜部74b3に対応する領域A12の一部A121は領域A2と重なっている。しかしながら傾斜部74b3に対応する領域A12の残りの部分A122は、領域A2から長手方向外側にはみ出している。
そのため、解除カム72が外側位置にある際にも駆動入力部74bの傾斜部74b3が現像駆動出力部材62と接触する。しかし傾斜部74b3は回動軸線Xに対して傾斜しているため、傾斜部74b3が現像駆動出力部材62から受けた力の一部は、現像ローラの長手方向の内側に向けて(矢印N方向に向けて)作用する。
駆動入力部材74は現像ローラ6の長手方向に対して多少の遊びを持って支持されている。そのため傾斜部74b3が現像駆動出力部材62から力を受けると、その力によって駆動入力部材74は矢印N方向に向けて退避しようとする。駆動入力部74bが現像駆動出力部材62から離れようとするので、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62は接触するものの両者のカップリング(結合)が阻止される。傾斜部74b3は現像駆動出力部材62の凹部62bに引っかからない。駆動入力部74bに駆動が伝達されるのが規制される。
その結果、現像駆動出力部材62が回転していても、駆動入力部74bは回転しない。あるいは駆動入力部74bが回転したとしても、その回転数(回転速度)が大きく抑えられる。
駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の両方が互いに離れるように移動することで、駆動伝達を遮断(カップリングを解除)する構成である。
以上まとめると、駆動入力部74bに現像駆動出力部材62の凹部62bから駆動が伝達され得る部分(回転力受け部74b4)と、駆動を伝達されえない部分(傾斜部74b3)が設けられている。
本変形例における解除カム72は外側位置にある際に、回転力受け部74b4の先端(回転力受け部74bと傾斜部74b3の境界部)よりも外側に突出することで、回転力受け部74b4と現像駆動出力部材62の接触を阻止する。したがって駆動入力部74bの傾斜部74b3と現像駆動出力部材62の接触が許容されていたとしても駆動伝達は遮断される。
この際、仮想線X1に解除カム72と回転力受け部74b1を投影すると、解除カム72の領域A2と、回転力受け部74b4の領域A111は重なる。解除カム72が内側位置(図14参照)から外側位置(図17参照)に移動することで、仮想線X1において解除カム72の領域A2と回転力受け部74b4の領域A11が重なる範囲は大きくなる。
解除カム72は、解除カム72の先端が回転力受け部74b4の先端(回転力受け部74bと傾斜部74b3の境界)と実質的に同じ位置か、それよりもカートリッジPの外部(長手方向外側)に突出する位置まで移動すればよい。
本変形例においては、回転力受け部74b4の幅が1.7mmである。そのため、解除カム72は、解除カム72の先端が後端74b2に対して少なくとも1.7mmカートリッジPの外部(長手方向の外側)に向かうまで移動する。
しかし、回転力受け部74b4の幅を1.7mmよりも小さくすることもでき、その場合には解除カム72の移動量を更に小さくすることができる。
本変形例では、駆動入力部74bに駆動を伝達しえない部分(傾斜部74b3)を設けた構成であったが、現像駆動出力部材62に駆動を伝達しえない部分(回動軸線Xに対して傾斜した傾斜部)が設けられる場合も考えられる。その場合、解除カム72が現像駆動出力部材62を退避させた際(解除カム72が外側位置にある際)に、現像駆動出力部材62の傾斜部のみに駆動入力部74bが接触する構成であれば駆動伝達を遮断できる。
なお本変形例は実施例1をもとに説明したが、実施例1以外にも適用可能であり、後述する実施例2やそれ以降の実施例にも適用可能である。
また図18に別の変形例を示す。図18(a)は本変形例において解除カム72が外側位置にある際の断面図であり図18(b)は斜視図である。
上記した構成では、解除カム72に設けられた円筒部72kの先端の面(端面)72k1が現像駆動出力部材62を付勢する付勢部となっていた(図15参照)。つまり、現像駆動出力部材62を付勢するための付勢部は環状(リング状)であった。
これに対して本変形例では、円筒部72kの先端側に付勢部として3つの突起72k2が設けられている。これらの突起72k2が現像駆動出力部材62を付勢して第1の位置(カップリング解除位置)に退避させる構成である。つまり現像駆動出力部材62を付勢する付勢部が複数ある。なお付勢部を複数設ける場合にその数は3つに限られるわけではない。2つあるいは4つ以上であってもよい。
なお、特に付勢部が複数ある場合には、それらを回転軸線に対して均等に配置すると、複数の付勢部によって現像駆動出力部材62を安定して付勢、退避させることができる。本実施例では、3つの突起72k2のうち、隣り合った2つの突起72k2の間隔がすべて等しくなるように(等間隔になるように)配置した。また突起72k2の数が2つの場合には、回転軸線Xに対して対称となる位置にそれぞれの突起72k2を配置すればよい。
また複数の突起72k2の形状、寸法を同一にして、各突起72k2の突出量(現像ローラの長手方向における各突起72k2の先端位置)がすべて等しくなるようにした。これによって更に現像駆動出力部材62を安定的に付勢できる。
また図19にさらに別の変形例を示す。図19(a)は本変形例において解除カム72が外側位置にある際の断面図であり、図19(b)は斜視図である。
上記した構成では、駆動入力部74bが捻じれた三角形の形状であったが、図20で示した変形例では、3つの突起を駆動入力部974bとして設けた。この駆動入力部974bの形状も一例であって、現像駆動出力部材62からの駆動力を受け得る構成であれば駆動入力部の形状、大きさ等を適宜変更してよい。
また本変形例は実施例1をもとに説明したが、実施例1以外にも適用可能であり、後述する実施例2やそれ以降の実施例にも適用可能である。
[従来例との差異]
ここで、本実施例と従来構成との違いを以下に説明する。
特許文献1においては、現像ローラ端部に、画像形成装置本体から駆動を受けるカップリング、および、駆動切替を行うバネクラッチが設けられている。また、プロセスカートリッジ内に現像ユニットの回動と連動するリンクが設けられている。現像ユニットが回動して現像ローラがドラムと離間すると、上記リンクが現像ローラ端部に設けられたバネクラッチに作用して、現像ローラへの駆動が遮断される構成となっている。
このバネクラッチ自身には、ばらつきが存在する。即ち、バネクラッチを作動させてから実際に駆動伝達が解除させるまでにタイムラグが生じ易い構成になっている。更には、リンク機構の寸法ばらつき、現像ユニットが回動した角度のばらつきにより、リンク機構がバネクラッチに作用するタイミングのばらつきが生じることになる。また、このバネクラッチに作用するリンク機構は、現像ユニット、および、ドラムユニットの回動中心ではない部分に設けられている。
これに対し、本実施例では、現像ローラへの駆動伝達を切替える構成(解除カム72の当接部72a、これに作用する解除レバー73の作用部としての当接部73a)を採用することにより、現像ローラの回転時間の制御ばらつきを少なくすることができる。
更に、これらの構成が、現像ユニットがドラムユニットに対して回動可能に支持されている回動中心と同一直線上に配置している。ここで、回動中心は、ドラムユニットと現像ユニットとの相対位置誤差が最も少ない。そのため、回動中心に現像ローラへの駆動伝達を切替える構成を配置することで、現像ユニットが回動した角度に対する駆動伝達の切替タイミングを最も精度良く制御することができる。結果として、現像ローラの回転時間を高精度に制御することができ、現像ローラや現像剤の劣化を抑制することができる。
また、従来の画像形成装置、および、プロセスカートリッジでは、現像ローラへの駆動切替を行うクラッチを画像形成装置に設けている場合もある。
例えば、フルカラー画像形成装置においてモノクロ印刷を行う場合には、ブラック色以外の現像剤を収容した現像装置への駆動をクラッチを用いて遮断している。また、モノクロ画像形成装置においても、ドラム上の静電潜像を現像装置によって現像しているときは現像装置へ駆動を伝達し、一方、現像していないときは現像装置への駆動を遮断するようにクラッチを動作させることもできる。非画像形成時に現像装置への駆動を遮断して現像ローラの回転時間を抑制することで、現像ローラや現像剤の劣化を抑制することができる。
これら画像形成装置に現像ローラへの駆動切替を行うクラッチを設ける場合と比較して、本実施例に示した構成では、駆動伝達を切り替える構成、すなわちクラッチ(本実施例においては解除カム72等による解除機構)の小型化を行うことができる。画像形成装置に設けられたモータ(駆動源)からの駆動をプロセスカートリッジに伝達する際の、画像形成装置のギア配列の一例を図20にブロック図として示す。モータ83からプロセスカートリッジP(PK)へ駆動を伝達する際には、アイドラギア84(K)、クラッチ85(K)、アイドラギア86(K)を介して行われる。また、モータ83からプロセスカートリッジP(PY、PM、PC)へ駆動を伝達する際には、アイドラギア84(YMC)、クラッチ85(YMC)、アイドラギア86(YMC)を介して行われる。モータ83の駆動はアイドラギア84(K)とアイドラギア84(YMC)とに分岐され、また、クラッチ85(YMC)からの駆動はアイドラギア86(Y)、アイドラギア86(M)、および、アイドラギア86(C)に分岐される構成となっている。
例えば、フルカラー画像形成装置でモノクロ印刷を行う場合には、ブラック色以外の現像剤を収容した現像装置への駆動をクラッチ85(YMC)を用いて遮断することになる。フルカラー印刷を行う場合には、クラッチ85(YMC)を介して、モータ83の駆動を各プロセスカートリッジPに伝達することになる。このとき、前述のクラッチ85(YMC)には、各プロセスカートリッジPを駆動するための負荷が集中する。特にクラッチ85(K)にかかる負荷の3倍の負荷がクラッチ85(YMC)に集中する。また、各カラー現像装置の負荷変動も同様に1つのクラッチ85(YMC)に作用することになる。集中負荷、および、負荷変動が発生しても、現像ローラの回転精度を悪化させずに駆動を伝達するために、クラッチの剛性を高める必要がある。したがって、クラッチが大型化したり、焼結金属などの高剛性材質を用いる場合もある。これらに対して、各プロセスカートリッジにクラッチ(本実施例においては解除カム72等による解除機構)を設けた場合、各クラッチに作用する負荷や負荷変動は各現像装置の負荷や負荷変動のみとなる。したがって、前例と比較して剛性を高める必要がなく、また、各クラッチをより小型化することができる。
更に、図20に示す、ブラック色のプロセスカートリッジP(PK)へ駆動伝達するギア配列においても、駆動切替を行うクラッチ85(K)にかかる負荷を極力低減することが望ましい。プロセスカートリッジPを駆動伝達するためのギア配列において、ギアによる駆動伝達効率を考慮して、被駆動体であるプロセスカートリッジPに近いほど各ギア軸に作用する負荷は低い。そのため、画像形成装置本体に駆動切替を行うクラッチを配置するよりも、カートリッジと装置本体との間、つまりカートリッジにクラッチを配置することで、クラッチを小型化することができる。
〔実施例2〕
図21乃至図29を用いて実施例2について説明を行う。本実施例では、解除カム172、バネ170、解除レバー173がそれぞれ実施例1における解除カム72、バネ70、解除レバー73に対応する。その一方で解除カム172、バネ170、解除レバー173の配置や構成、作用は解除カム72、バネ70、解除レバー73と一部異なる。以下、実施例1との違いを中心に詳細に説明する。実施例1と同様の構成については説明を省略する場合がある。
[現像ローラへの駆動伝達]
図21、図22を用いて駆動連結部の構成について説明する。
本実施例の駆動連結部とは、駆動入力部材74、解除レバー173、解除カム(解除部材、移動部材)172、バネ170、現像カバー部材32、駆動側カートリッジカバー部材24で構成されている。
図21、図22に示すように、駆動入力部材74の軸部74xは、バネ170の開口部170a、解除カムの開口部172f、解除レバー173の開口部173d、現像カバー部材32の開口部32d、駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24eをそれぞれ貫くように組み合わされる。軸部74xの先端の駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって露出する。
(駆動連結部の構成)
駆動連結部のより詳細な構成を図21、図22、図23を用いて説明をする。
駆動側カートリッジカバー部材24と軸受部材45との間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材24に向かって順に、駆動入力部材74、バネ170、解除カム172、解除レバー173、現像カバー部材32が設けられている。つまり現像ローラの長手方向における内側から外側に向かって、順に駆動入力部材74、バネ170、解除カム172、解除レバー173、現像カバー部材32が配置されている。これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材74の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上(回動軸線X上)に位置する。
図23(a)、(b)に駆動連結部の断面模式図を示す。
前述のように、駆動入力部材74の被軸受部74p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材74の円筒部74qと現像カバー部材32の内径部32qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材74は、軸受部材45と現像カバー部材32とによって、その両端を回転可能に支持されている。
また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材32の外側には、駆動側カートリッジカバー部材24が設けられている。図23(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の凹部62bが結合状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。このように、開口部24eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材24の開口面に対して、駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって突出している。
また、駆動入力部材74と、解除カム172との間には、解除カム172を矢印M方向(カートリッジの外部、現像ローラの長手方向の外側)に向けて押圧するように、付勢部材としての弾性部材であるバネ170が設けられている。
また現像カバー部材32と解除カム172の間には、バネ170の押圧力(弾性力)に抗して解除カム172を矢印N方向(カートリッジの内部、現像ローラの長手方向の内側)に押圧、付勢する付勢機構としての解除レバー173が設けられている。解除レバー173は解除カム172や現像枠体に対して回動可能な回動部材であり、解除カム172に作用することで解除カム172を移動させる作用部材である。
図23(b)は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとの結合状態(カップリング状態)が解除され、離間した状態を示した模式的断面図である。解除カム172は、バネ170に押圧されることで矢印M方向(カートリッジの外部に向かう方向)へ移動可能な構成となっている。解除カム172は矢印M方向に移動することで現像駆動出力部材62を押圧付勢して矢印M方向に移動させ、駆動入力部74bから現像駆動出力部材62を離間させる。これにより駆動入力部材74(駆動入力部74b)と現像駆動出力部材62(凹部62b)とのカップリングが解除され、駆動入力部74bへ凹部62bからの回転駆動力が伝達されない状態になる。
(解除機構)
次に、解除機構(駆動解除機構)を説明する。
図24に、解除カム172と解除レバー173と現像カバー部材32の関係を示す。解除カム172は、実質的に円筒形状である円筒部172kと、円筒部172kのカートリッジ内部方向端面に円筒部外側に広がる円盤部172gと、円盤部172gに設けられたガイド溝172hが設けられている。本実施例においては、ガイド溝172hは、円盤部172の径方向に向けて窪んだ凹部である。
解除カム172の有する円筒部172kは、解除レバー173の開口部173dを貫通し、現像カバー部材32の開口部32dに対して摺動可能(回動軸線Xに沿ってスライド可能)に支持されている。言い換えると、解除カム172は、現像カバー部材32に対して、現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行に移動可能である。
解除レバー173は解除カム172の円盤部172gと現像カバー部材32の間に設けられている。円盤部172gはバネ170により、押圧(付勢)される被付勢部(弾性力受け部)である。円盤部172gがバネ170から弾性力を受けることにより解除カム172はカートリッジPの外部(後述する外側位置:図29参照)に向けて付勢される。つまり円盤部172gは解除カム172を外側位置に向けて移動させるための力をバネ170から受ける解除部材側力受け部(外側向き力受け部)である。詳細は後述するが、解除カム172は円盤部172gが受けた力によって駆動出力部材62を付勢する。
ここで、解除カム172の円筒部172k、現像カバー部材32の開口部32dのそれぞれの中心は同軸上に設けられている。
また、現像カバー部材32は、ガイド部としてのガイド32hを有し、解除カム172は、被ガイド部としてのガイド溝172hを有する。ガイド32hは軸線方向に対し平行に形成されている。ここで、現像カバー部材32のガイド32hは、カップリング解除部材としての解除カム172に設けられたガイド溝172hと係合する。このガイド32hとガイド溝172hとが係合していることで、解除カム172は現像カバー部材32に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。
なお、ガイド32hではなくガイド溝172を回転軸線Xと平行に形成してもよい。つまり円盤部172gの厚みを大きくし、ガイド溝が回動軸線Xに沿って一定の幅を持つようにしてもよい。
また、ガイド32hが凸部でありガイド溝172が凹部としているが、例えば現像カバー部材32に設けるガイド部を凹部とし、解除カム172に設ける被ガイドを凸部としてもよい。これらの形状が限定されるものではない。
図25は、解除レバー173、および、解除カム172の構成を示している。
カップリング解除部材、移動部材としての解除カム172は、当接部(斜面)172aおよび当接部172cを有する。また、解除レバー173は、解除カム172の当接部172aに作用する作用部としての当接部(斜面)173aと、解除カム172の当接部172cに作用する作用部としての当接部173cを有する。
当接部172aと当接部173aは回動軸線Xに対して傾斜した面である。解除レバー173の当接部173aと解除カム172の当接部172aは互いに接触可能に構成されている。
当接部173cと当接部172cは回動軸線Xに対して実質的に垂直な面である。解除レバー173の当接部173cと解除カム172の当接部172cは互いに接触可能に構成されている。
解除レバー173は、回動軸線Xを中心として現像枠体(軸受部材45、現像カバー部材32)に対して回動可能な回動部材である。
なお、図25では、解除レバー173の当接部173aおよび当接部173cと解除カム172の当接部172aおよび当接部172cはそれぞれ2個の場合を示しているが、数はこの限りではない。例えば、当接部の数がそれぞれ3個でも良い。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図26~図29を用いて説明する。尚、図26~図29は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除レバーと解除カムの構成を一部模式的に示している。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材45の付勢力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図27に示す。図27(a)においては、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の対と、解除カム172と解除レバー173の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。図27(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。
解除カム172の当接部172aと解除レバー173の当接部173aは接触していない。その一方で、解除カム172の当接部172cと解除レバー173の当接部173cは接触している。当接部172cは当接部173cから矢印N方向に反力を受ける。これにより解除レバー173は、バネ170(図22)が解除カム172を矢印M方向に付勢する力に抗して解除カム172をカートリッジPの内部(現像ローラの長手方向において内側、矢印N方向)に付勢している。そのため解除レバー173は、解除カム172はカートリッジPの外部(長手方向において外側)に向けた移動を抑え、カートリッジの内部(長手方向において内側)に退避させた内側位置に保持する。
つまり解除レバーの当接部173cは、解除カム172が外側位置に向けて(矢印M方向に向けて)移動するのを、解除カム172に設けられた被規制部(当接部172c)と接触することで規制する規制部である。
また、このとき現像駆動出力部材62は第2の位置にあって、駆動入力部74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な状態となっている。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム172や現像カバー部材32は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。
ここで、現像ユニット9内に組み込まれた解除レバー173は、図26に示すように、解除レバー173から回動軸線Xの法線方向に突出した力受け部(突出部、被係合部)173bを有する。この力受け部173bが駆動側カートリッジカバー部材24に設けられた係合部24sと係合することで回動が規制される。そのため、解除レバー173の回動が規制されても、現像ユニット9が回動できるようにするため、現像カバー部材32には開口部32cが設けられている。
回動が規制された解除レバー173に対し、解除カム172が現像ユニット9の回動に連動して図中矢印K方向に回動する。しかし解除カム172の当接部172cの一部と解除レバーの当接部173cの一部とが当接した状態になっているので、解除カム172は依然、矢印M方向に向けた移動が解除レバー173によって規制されている。つまり解除カム172は、内側位置に保持されたままである。このとき、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図28(a))。
そのため、装置本体2から駆動入力部材74へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図29(a)、図29(b)に示す。離間力付勢部材80がδだけ移動すると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が角度θ2(>θ1)の回動をする。
離間力付勢部材80によって現像ユニット9が角度θ2の回動をすることと連動して、解除カム172や現像枠体(現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材32)が図中矢印K方向に回転移動する。一方、解除レバー173は上述と同様に駆動側カートリッジカバー部材24に設けられた係合部24sと係合することで状態2から位置変化しない。つまり解除レバー173は現像枠体や解除カム172に対して相対的に回転することになる。
このとき、解除カム172の当接面172cと解除レバー173の当接部(規制部)173cの当接状態が解消される。つまり解除カム172は、解除レバーの当接部173cによって移動が抑えられていた状態が解消される。
ここで、解除カム172は前述のように、解除カム172のガイド溝172hが現像カバー部材32のガイド32hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている(図24参照)。そのため、解除カム172は、その当接部172aを解除レバー173の当接部173aにスライドさせながらバネ170の力によってカートリッジPの外部(現像ローラの長手方向の外側)に向けて矢印M方向に移動する。
つまり解除カム172は解除レバー173に対して矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。これにより、解除カム172の矢印M方向への移動と連動して、解除カム172の円筒部172kが駆動入力部材74の駆動入力部74bと軸線X方向で重なる。解除カム172が有する円筒部172kの先端が現像駆動出力部材62を矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。
以上まとめると、装置本体2が発生した付勢力が離間力付勢部材80を介して、カートリッジPの軸受部材45(付勢力受け部45a)に伝達される。これにより現像ユニット9(現像枠体、解除カム172)がθ2だけ回動する(図7(c)参照)。駆動側カートリッジカバー部材24と係合した解除レバー173が現像枠体、解除カム172に対して相対的に回動することで、解除カム172の移動を阻止していた状態を解消する。その結果、解除カム172は円盤部172g(図24参照)がバネ170(図21参照)から受ける弾性力(押圧力)を用いて、外側位置に移動し、かつ、円筒部172kの先端(付勢部)で現像駆動出力部材62を付勢する。そして解除カム172は現像駆動出力部材62を矢印M方向に移動させ、第1の位置まで退避させる(図23(b)、図29参照)。
このとき、図28、図29に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも、現像駆動出力部材62の移動量pが大きいため、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続けているのに対し、駆動入力部材74は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。
解除カム172が外側位置に移動した際、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に解除カム172と駆動入力部74bを投影すると、解除カム172の領域と駆動入力部74b(回転力受け部74b4:図17参照)の領域は少なくとも一部重なることになる。本実施例では、解除カム172の領域に駆動入力部74bの領域が内包される。
上記の通り、解除カム172のスライドにより現像駆動出力部材62が第2の位置から第1の位置へ移動する移動量pは、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも大きいことが望ましい。つまり解除カム172が外側位置にある状態(図29参照)において、解除カム172の付勢部(解除カム172の先端)は駆動入力部74bの先端よりも現像ローラの長手方向においてより外側に位置することが望ましい。
しかし、駆動入力部74bの端面(先端)と解除カム172の端面とが、実質的に同じ面上にあってもよい。また解除カム172の先端の位置が駆動入力部74bの先端の位置よりも内側に位置していても駆動入力部材74の回転力受け部74b4(図17参照)2へ駆動が伝達されなければよい。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図29に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり現像駆動出力部材62は第1の位置にある。
上記の状態から、徐々に付勢力受け部45aから離間力受け部材145を矢印F2方向に退避させると、現像ユニット9は加圧バネ95(図4参照)の力によって図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動する。
この際、図26に示されるように、解除レバー173は、その力受け部173bが駆動側カートリッジカバー部材24の規制部である係合部24tと係合しており回動しない。その結果、現像ユニット9とともに回動する解除カム172は、解除レバー173に対して回動することになる。つまり解除レバー173が解除カム172に対して相対的に回動する。
解除レバー173が解除カム172に対して回動することによって、解除レバー173の当接部(回動部材側付勢部、作用部材側付勢部)173aは解除カム172の当接部172aに対して矢印N方向に力を加えることになる。当接部172aは解除レバー173から、矢印N方向(カートリッジPの内部方向)の力を受ける力受け部(第2の解除部材側力受け部、内側向き力受け部)である。
解除レバー173の回動に伴い、解除カム172は当接部172aを当接部173aにスライドさせつつバネ170の力に抗して矢印N方向に移動する。
現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図28に示す状態)に至ると、解除カム172に設けられた当接部172cが、解除レバー173に設けられた当接部173cと当接して反力を受けることになる。解除レバー173の当接部173cはバネ170の押圧力に抗して、解除カム172を矢印N方向へ付勢して内側位置に保持する。
これに伴い、現像駆動出力部材62も装置本体2からバネ(不図示)により矢印N方向へ押圧され第2の位置に至る。すると図28に示すように駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、更に離間力付勢部材80を矢印F2方向に移動させ徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる(図7(a)参照)。この状態においても、現像駆動出力部材62は第2の位置にある。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。
まとめると離間力付勢部材80が付勢力受け部45aから離れることで付勢力受け部45aが受ける力が減少すると、現像ユニット9(現像枠体や解除カム172)は加圧バネ95(図4参照)の力によって矢印H方向に回転する。これにより解除レバー173は解除カム172や現像枠体に対して相対的に回動する。
加圧バネ95の力を用いて、解除レバー173は当接部173a(回動部材側付勢部、作用部材側付勢部)から、解除カム172の当接部(第2の解除部材側力受け部)172aに対して矢印N方向に力を加える。つまり解除レバー173は加圧バネ95の力を用いて解除カム172を矢印N方向に移動させる。
そして解除カム172が内側位置に移動した際には、解除レバー173はその当接部(規制部)173cによって、解除カム172の当接部(被規制部)172cが矢印M方向に移動するのを抑える。これにより解除カム172は内側位置に保持される。
上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
〔実施例3〕
図30乃至図37を用いて実施例3について説明を行う。本実施例では、解除カム272、バネ270、駆動側カートリッジカバー224、現像カバー部材232がそれぞれ実施例1における解除カム72、バネ70、解除レバー73、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32に対応する。
その一方で解除カム272、バネ270、駆動側カートリッジカバー224、現像カバー部材232の配置や構成、作用は解除カム72、バネ70、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32と一部異なる部分がある。また、解除レバー73が本実施例の構成にはない。また解除カム(解除部材、移動部材)272が現像枠体に対して回動可能な構成になっている。以下、前述した各実施例との違いを中心に詳細に説明する。前述した各実施例と同様の構成については説明を省略する場合がある。
[現像ローラへの駆動伝達]
図30、図31を用いて駆動連結部の構成について説明する。
本実施例の駆動連結部とは、駆動入力部材74、解除カム272、バネ270、現像カバー部材232、駆動側カートリッジカバー部材224で構成されている。
図30、図31に示すように、カートリッジ側駆動伝達部材74は、駆動側カートリッジカバー部材224の開口部224eと、現像カバー部材232の開口部232dと、バネ270の開口部270aと、解除カム272の開口部272fとを貫通して現像駆動出力部材62と係合している。詳細には、図30に示すように、カートリッジの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材224には貫通口である開口部224eと224dが設けられる。駆動側カートリッジカバー部材224と組み合わされる現像カバー部材232は円筒部232bを有し、その円筒部232bには、貫通口として開口部232dが設けられる。
駆動入力部材74の軸部74xは、バネ270の開口部270a、解除カム272の開口部272f、現像カバー部材232の開口部232d、駆動側カートリッジカバー部材224の開口部224eをそれぞれ貫くように組み合わされる。軸部74xの先端の駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって露出する。
(駆動連結部の構成)
駆動連結部のより詳細な構成を図30、図31、図32を用いて説明をする。
駆動側カートリッジカバー部材224はカートリッジPの長手方向端部に枠体の一部として配置される。この現像カートリッジカバー部材224と軸受部材45との間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材224に向かって、駆動入力部材74、バネ270、解除カム272、現像カバー部材232が設けられている。つまり現像ローラの長手方向内側から外側に向かって、順に駆動入力部材74、バネ270、解除カム272、現像カバー部材232が配置されている。これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材74の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上(回動軸線X上)に位置する。
図32(a)、(b)に駆動連結部の断面模式図を示す。
前述のように、駆動入力部材74の被軸受部74p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材74の円筒部74qと現像カバー部材232の内径部232qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材74は、軸受部材45と現像カバー部材232とによって、その両端を回転可能に支持されている。
軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)、および、現像カバー部材232の内径部232qのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。
また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材232の外側には、駆動側カートリッジカバー部材224が設けられている。
図32(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の凹部62bが結合した状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。このように、開口部224eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材224の開口面に対して、駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって突出している。
また、駆動入力部材74と、解除カム272との間には、解除カム272を矢印M方向に(カートリッジPの外部に向けて)押圧するように、付勢部材としての弾性部材であるバネ270が設けられている。
図32(b)は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとの結合状態(カップリング状態)が解除され、離間した状態を示した模式的断面図である。解除カム272は、バネ270に押圧されることで矢印M方向(カートリッジの外部に向かう方向)へ移動可能な構成となっている。
解除カム272は矢印M方向に移動することで現像駆動出力部材62を押圧付勢して矢印M方向に移動させ、駆動入力部材74から現像駆動出力部材62を離間させる。これにより駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとのカップリングが解除され、駆動入力部74bへ凹部62bからの回転駆動力が伝達されない状態になる。
(解除機構)
次に、解除機構(駆動解除機構)を説明する。
図33に、解除カム272と現像カバー部材232の関係を示す。解除カム272は、実質的に円筒形状である円筒部272kと、円筒部272kのカートリッジ内部方向端面に円筒部外側に広がる円盤部272gと、円盤部272gから突出する力受け部272b(突出部、被係合部)が設けられている。本実施例においては、力受け部272bは、円盤部272gの径方向に突出する凸部(突出部)である。
解除カム272の有する円筒部272kは、現像カバー部材232の開口部232dに対して摺動可能(現像ローラ6の回転軸線に沿ってスライド可能)に支持されている。言い換えると、解除カム272は、現像カバー部材232に対して、現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行に移動可能である。
円盤部272gはバネ270(図30参照)により、押圧(付勢)される被付勢部(弾性力受け部)である。円盤部272gがバネ270から弾性力を受けることにより解除カム272はカートリッジPの外部(後述する外側位置:図37参照)に向けて付勢される。
円盤部272gは、カートリッジPの外部(現像ローラの長手方向における外側)に向けた力を受けるための力受け部(解除部材側力受け部)である。
ここで、解除カム272の円筒部272k、現像カバー部材232の開口部232dのそれぞれの中心は同軸上に設けられている。
カップリング解除部材としての解除カム272は、当接部(斜面、当接面)272aおよび当接部(当接面)272cを有する。また、現像カバー部材232は、解除カム272の当接部272aに作用する作用部としての当接部(斜面、当接面)232gと、解除カム272の当接部272cに作用する作用部としての当接部(当接面)232fを有する。
解除カム272の当接部272aと現像カバー部材232の当接部232gは互いに接触可能に構成されている。解除カム272の当接部272aと現像カバー部材232の当接部232gは回動軸線Xに対して傾斜した面である。
解除カム272の当接部272cと現像カバー部材232の当接部232fは互いに接触可能に構成されている。解除カム272の当接部272cと現像カバー部材232の当接部232fは回動軸線Xに対して実質的に垂直な面である。
解除カム272は、回動軸線Xを中心として現像枠体(軸受部材45、現像カバー部材232)に対して回動可能な回動部材である。つまり解除カム272は、軸受部材45、現像カバー部材232に対して軸線Xを中心とした回動と、軸線Xに沿ったスライドの両方を行うことが可能である。
なお、図33では、現像カバー部材232の当接部232gおよび当接部232fと解除カム272の当接部272aおよび当接部272cはそれぞれ2個の場合を示しているが、数はこの限りではない。例えば、当接部の数がそれぞれ3個でも良い。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図34~図37を用いて説明する。尚、図34~図37は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除レバーと解除カムの構成を一部模式的に示している。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図35に示す。図35(a)においては、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の対と、解除カム272と現像カバー部材232の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。図35(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。
解除カム272の当接部272aと現像カバー部材232の当接部232gは接触していない。
その一方で、解除カム272の当接部272cと現像カバー部材232の当接部232fは接触している。当接部272cは当接部232fから矢印N方向に反力を受ける。つまり現像カバー部材232は、バネ270(図31)が解除カム272を矢印M方向に付勢する力とは反対向きの力すなわち矢印N方向の力を解除カム272に加えている。
現像カバー部材232の当接部232fは、解除カム272に設けられた被規制部(当接部272c)と接触することで解除カム272がバネ270の力によってカートリッジPの外部(外側位置)に向けて移動するのを規制する規制部である。現像カバー部材232は、解除カム272がカートリッジPの外部(長手方向において外側)に向けて移動するのを阻止し、解除カム272をカートリッジの内部(長手方向において内側)に退避させた内側位置に保持する。
また、このとき現像駆動出力部材62は第2の位置にあって、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bは互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な状態となっている。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた現像カバー部材232は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材224、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。
ここで、現像ユニット9内に組み込まれた解除カム272は、図34に示すように、解除カム272から回動軸線Xの法線方向に突出した力受け部(突出部、被係合部)272bを有する。この力受け部272bが、駆動側カートリッジカバー部材224に設けられた係合部224sと係合することで回動が規制される。そのため、解除カム272の回動が規制されても、現像ユニット9が回動できるようにするため、現像カバー部材232には開口部232cが設けられている。
回動が規制された解除カム272に対し、現像カバー部材232が現像ユニット9の回動に連動して図中矢印K方向に回動する。しかし解除カム272の当接部272cの一部と現像カバー部材232の当接部232fの一部とが当接した状態になっているので、解除カム272は依然、矢印M方向に向けた移動が現像カバー部材232によって規制されている。つまり解除カム272は、内側位置に保持されたままである。このとき、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとは互いに係合した状態を保っている(図36(a))。
そのため、装置本体2から駆動入力部材74へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図37(a)、図37(b)に示す。離間力付勢部材80がδだけ移動すると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が角度θ2(>θ1)の回動をする。離間力付勢部材80によって現像ユニット9が角度θ2の回動をすることと連動して、現像枠体(現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材232)が図中矢印K方向に回転移動する。一方、解除カム272は上述と同様に駆動側カートリッジカバー部材224に設けられた係合部224sと係合することで状態2から位置変化しない。つまり解除カム272は現像枠体に対して相対的に回転することになる。
このとき、解除カム272の当接部272cと現像カバー部材の当接部232fとの当接状態が解消される。つまり解除カム272は、解除レバーの規制部(当接部232f)によって移動が抑えられていた状態が解消される。
ここで、解除カム272は前述のように現像カバー部材232に対して軸線Xを中心に回転しつつ、軸線Xに沿って軸線方向(矢印M、および、N方向)にスライド移動可能な構成となっている。
そのため、解除カム272は、その当接部272aを現像カバー部材232の当接部232gにスライドさせながらバネ270の力によってカートリッジPの外部(現像ローラの長手方向の外側)に向けて移動する。
つまり、解除カム272は現像カバー部材232に対して矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。これにより、解除カム272の矢印M方向への移動と連動して、解除カム272の円筒部272kが駆動入力部材74の駆動入力部74bと軸線X方向で重なる。解除カム272が有する円筒部272kの先端が現像駆動出力部材62を矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。
以上まとめると、装置本体2が発生した付勢力が離間力付勢部材80を介して、カートリッジPの軸受部材45(付勢力受け部45a)に伝達される。これにより現像ユニット9(現像枠体)がθ2だけ回動する(図7(c)参照)。駆動側カートリッジカバー部材224と係合した解除カム272に対して現像枠体(現像カバー部材232)が回動する。これによって解除カム272は現像カバー部材232によって移動が阻止されていた状態が解消される。その結果、解除カム272は円盤部272g(解除部材側力受け部:図33参照)がバネ270(図30参照)から受ける弾性力(押圧力)を用いて、外側位置に移動し、かつ、円筒部272kの先端の付勢部で現像駆動出力部材62を付勢する。そして解除カム272は現像駆動出力部材62を矢印M方向に移動させ、第1の位置まで退避させる(図32(b)、図37参照)。
本実施例における現像枠体(現像カバー部材232)は、解除カム272に対して回動する回動部材であり、解除カム272に作用して解除カム272を駆動力入力部74bに対して移動させる作用部材である。現像カバー部材232は解除カム272に対して回動することで解除カム272を矢印M方向(カートリッジの外部、現像ローラの長手方向における外側)に移動させる。
駆動入力部材74が第1の位置に退避した際、図36、図37に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも、現像駆動出力部材62の移動量pが大きいため、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続けているのに対し、駆動入力部材74は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。
解除カム272が外側位置に移動した際、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に解除カム272と駆動入力部74bの回転力受け部74b4(図17参照)を投影する。すると、解除カム272の領域と回転力受け部74b4の領域は少なくとも一部重なることになる。本実施例では解除カム272の領域に駆動入力部74bの領域がすべて内包される。
上記の通り、解除カム272のスライドにより現像駆動出力部材62が第2の位置から第1の位置へ移動する移動量pは、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも大きいことが望ましい。つまり解除カム272が外側位置にある状態(図37参照)において、解除カム272の付勢部(解除カム272の先端)は駆動入力部74bの先端よりも現像ローラの長手方向においてより外側に位置することが望ましい。
しかし、駆動入力部74bの端面(先端)と解除カム272の端面とが、実質的に同じ面上にあってもよい。また、解除カム272の先端の位置が、駆動入力部74bの先端の位置よりも内側に位置していても駆動入力部材74の回転力受け部74b4(図17参照)へ駆動が伝達できない状態であればよい。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図37に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり現像駆動出力部材62は第1の位置にある。
上記の状態から、徐々に付勢力受け部45aから離間力受け部材145を矢印F2方向に退避させると、現像ユニット9は加圧バネ95(図4参照)の力によって図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動する。
この際、図34に示されるように、解除カム272は、その力受け部272bが駆動側カートリッジカバー部材224の規制部である係合部224tと係合しており回動しない。その結果、現像カバー部材232は解除カム272に対して回動することになる。
現像カバー部材232が解除カム272に対して回動することによって、解除カバー部材232の当接部(現像枠体側付勢部、回動部材側付勢部、作用部材側付勢部)232gは解除カム272の当接部272aに対して矢印N方向に力を加える。当接部272aはカートリッジPの内部に向けた力を受ける第2の解除部材側力受け部(内側向き力受け部)である。
この結果、現像カバー部材232の回動に伴って解除カム272は当接部272aを当接部232gにスライドさせつつバネ270の力に抗して矢印N方向に移動する(図36参照)。
現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図36に示す状態)では、解除カム272に設けられた当接部272cが、現像カバー部材232に設けられた当接部232fと当接し始めて、当接部232fから力を受けることになる。現像カバー部材232の当接部232fはバネ270の押圧力に抗して、解除カム272を内側位置に保持する。
解除カム272から現像駆動出力部材62から離れることに伴い、現像駆動出力部材62も装置本体2からバネ(不図示)により矢印N方向へ押圧され第2の位置に至る。すると図36に示すように駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に離間力付勢部材80を矢印F2方向に移動させ現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ更に回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる(図7(a)参照)。この状態においても、現像駆動出力部材62は第2の位置にある。
まとめると離間力付勢部材80が付勢力受け部45aから離れることで付勢力受け部45aが受ける力が減少すると、現像ユニット9の現像枠体(現像カバー部材232)は加圧バネ95(図4参照)の力によって矢印H方向に回転する。
加圧バネ95の力を用いて、現像カバー部材232は当接部232g(回動部材側付勢部)から解除カム272の当接部(第2の解除部材側力受け部)272aに対して矢印N方向に力を加える。つまり現像カバー部材232は加圧バネ95の力を用いて回動し、解除カム172を矢印N方向に移動させる。
そして解除カム272が内側位置に移動した際には、現像カバー部材232はその当接部(規制部)232fによって、解除カム272の当接部(被規制部)272cが矢印M方向に移動するのを抑える。これにより解除カム272は内側位置に保持される。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
〔実施例4〕
図38乃至図45を用いて実施例4について説明を行う。本実施例では、解除カム(解除部材)372、バネ370、駆動側カートリッジカバー324、現像カバー部材332がそれぞれ実施例1における解除カム72、バネ70、解除レバー73、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32に対応する。
その一方で解除カム372、バネ370、駆動側カートリッジカバー324、現像カバー部材332の配置や構成、作用は解除カム72、バネ70、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32と一部異なる部分がある。また、解除レバー73が本実施例の構成にはない。その一方で解除カム372が現像枠体に対して回動可能な構成になっている。以下、前述した各実施例との違いを中心に詳細に説明する。前述した各実施例と同様の構成については説明を省略する場合がある。
[現像ローラへの駆動伝達]
図38、図39を用いて駆動連結部の構成について説明する。
本実施例の駆動連結部とは、駆動入力部材74、解除カム372、バネ370、現像カバー部材332、駆動側カートリッジカバー部材324で構成されている。
図38、図39に示すように、駆動入力部材74は、駆動側カートリッジカバー部材324の開口部324eと、現像カバー部材332の開口部332dと、バネ370の開口部370aと、解除カム372の開口部372fと、を貫通する。そして駆動入力部材74は現像駆動出力部材62とカップリング(係合)している。詳細には、図38に示すように、カートリッジの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材324には貫通口である開口部324eと324dが設けられる。駆動側カートリッジカバー部材324と組み合わされる現像カバー部材332は円筒部332bを有し、その円筒部332bには、貫通口として開口部332dが設けられる。
駆動入力部材74の軸部74xは、現像カバー部材332の開口部332d、解除カム372の開口部372f、バネ370の開口部370a、駆動側カートリッジカバー部材324の開口部324eをそれぞれ貫くように組み合わされる。軸部74xの先端の駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって露出する。
(駆動連結部の構成)
駆動連結部のより詳細な構成を図38、図39、図40を用いて説明をする。
駆動側カートリッジカバー部材324が、カートリッジPの長手方向端部に枠体の一部として配置される。この駆動側カートリッジカバー部材324と軸受部材45との間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材324に向かって、駆動入力部材74、現像カバー部材332、解除カム372、バネ370が設けられている。つまり現像ローラの長手方向における内側から外側に向かって、順に駆動入力部材74、現像カバー部材332、解除カム372、バネ370が配置されている。これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材74の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上(回動軸線X上)に位置する。
図40(a)、(b)に駆動連結部の断面模式図を示す。
前述のように、駆動入力部材74の被軸受部74p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材74の円筒部74qと現像カバー部材332の内径部332qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材74は、軸受部材45と現像カバー部材332とによって、その両端を回転可能に支持されている。
軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)、および、現像カバー部材332の内径部332qのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。
また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材332の外側には、駆動側カートリッジカバー部材324が設けられている。図40(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと、装置本体に設けられた現像駆動出力部材62の凹部62bが結合状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。このように、開口部324eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材324の開口面に対して、駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって突出している。
また、駆動側カートリッジカバー部材324と、解除カム372との間には、解除カム372を矢印N方向に(カートリッジPの内部に向けて)押圧するように、付勢部材としての弾性部材であるバネ370が設けられている。
図40(b)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bの結合状態(カップリング状態)が解除されて離間した状態を示した模式的断面図である。解除カム372は、バネ370に押圧される力に抗して矢印M方向(カートリッジの外部に向かう方向)へ移動可能な構成となっている。解除カム372は矢印M方向に移動することで現像駆動出力部材62を押圧付勢して矢印M方向に移動させ、駆動入力部74bから現像駆動出力部材62を離間させる。これにより駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とのカップリングが解除され、駆動入力部74bへ現像駆動出力部材62からの回転駆動力が伝達されない状態になる。
(解除機構)
次に、解除機構(駆動解除機構)を説明する。
図41に、解除カム372と現像カバー部材332の関係を示す。解除カム372は、実質的に円筒形状である円筒部372k(図39参照)と、円筒部372kのカートリッジ内部方向端面に円筒部外側に広がる円盤部372gと、円盤部372gから突出する力受け部372b(突出部、被係合部)が設けられている。本実施例においては、力受け部372bは、円盤部372gの径方向に突出する凸部(突出部)である。
解除カム372の有する円筒部372k(図39参照)は、駆動側カートリッジカバー部材324の開口部324eに対して摺動可能(現像ローラ6の回転軸線に沿ってスライド可能)に支持されている。言い換えると、解除カム372は、駆動側カートリッジカバー部材324に対して、現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行に移動可能である。
円盤部372gはバネ370(図38参照)により、押圧(付勢)される被付勢部(弾性力受け部)である。円盤部372gがバネ370から弾性力を受けることにより解除カム372はカートリッジPの内部(後述する内側位置:図45参照)に向けて付勢される。円盤部372gは、カートリッジPの内部(現像ローラの長手方向における内側)に向けた力を受けるための力受け部(第2の解除部材側力受け部)である。ここで、解除カム372の円筒部372k、駆動側カートリッジカバー部材324の開口部324eのそれぞれの中心は同軸上に設けられている。
カップリング解除部材としての解除カム372は、当接部(斜面、当接面)372aを有する。また、現像カバー部材332は、解除カム372の当接部372aに作用する作用部としての当接部(斜面、当接面)332gを有する。解除カム372の当接部372aと現像カバー部材332の当接部332gは互いに接触可能に構成されている。解除カム372の当接部372aと現像カバー部材332の当接部332gは回動軸線Xに対して傾斜した面である。
解除カム372は、回動軸線Xを中心として現像枠体(軸受部材45、現像カバー部材332)に対して回動可能な回動部材である。つまり解除カム372は、軸受部材45、現像カバー部材332に対して軸線Xを中心とした回動と、軸線Xに沿ったスライドの両方を行うことが可能である。
なお、図41では、現像カバー部材332の当接部332gと解除カム372の当接部372aはそれぞれ2個の場合を示しているが、数はこの限りではない。例えば、当接部の数がそれぞれ3個でも良い。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図42~図45を用いて説明する。尚、図42~図45は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除レバーと解除カムの構成を一部模式的に示している。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図43に示す。図43(a)においては、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の対と、解除カム372と現像カバー部材332の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。図43(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。
解除カム372の当接部372aと現像カバー部材332の当接部332gとの間には隙間eがある。
このとき解除カム372は内側位置にあり、かつ、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な状態となっている。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた現像カバー部材332は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材324、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。
ここで、現像ユニット9内に組み込まれた解除カム372は、図42に示すように、解除カム372から回動軸線Xの法線方向に突出した力受け部(突出部、被係合部)372bを有する。この力受け部372bが、駆動側カートリッジカバー部材324に設けられた係合部324sと係合することで回動が規制される。そのため、解除カム372の回動が規制されても、現像ユニット9が回動できるようにするため、現像カバー部材332には開口部332cが設けられている。
回動が規制された解除カム372に対し、現像カバー部材332が現像ユニット9の回動に連動して図中矢印K方向に回動する。解除カム372の当接部372aと現像カバー部材332の当接部332gとが互いに接触し始めた状態となる。
このときも解除カム372は内側位置にあり、かつ、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図44(a))。
そのため、装置本体2から駆動入力部材74へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図45(a)、図45(b)に示す。離間力付勢部材80がδ2だけ移動すると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が角度θ2(>θ1)の回動をする。離間力付勢部材80によって現像ユニット9が角度θ2の回動をすることと連動して、現像枠体(現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材332)が図中矢印K方向に回転移動する。一方、解除カム372は上述と同様に駆動側カートリッジカバー部材324に設けられた係合部324sと係合することで状態2から位置変化しない。つまり解除カム372は現像枠体に対して相対的に回転することになる。このとき、解除カム372の当接部(第1の解除部材側力受け部)372aは現像サイドカバー332の当接部332gから反力を受ける。
ここで、解除カム372は、現像カバー部材332に対して軸線Xを中心に回転しつつ、軸線Xに沿って軸線方向(矢印M、および、N方向)にスライド移動可能な構成となっている。
そのため、解除カム372は当接部372aが現像カバー部材332の当接部332gから受ける力によって、当接部372aを当接部332gにスライドさせながらカートリッジPの外部(現像ローラの長手方向の外側)に向けて移動する。つまり解除カム372は現像カバー部材332に対して回動しつつバネ370の力に抗して矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。解除カム372の矢印M方向への移動と連動して、解除カム372の円筒部372kが駆動入力部材74の駆動入力部74bと軸線X方向で重なる。解除カム372が有する円筒部372kの先端が現像駆動出力部材62を矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。
まとめると、装置本体2が発生した付勢力が離間力付勢部材80を介して、カートリッジPの軸受部材45(付勢力受け部45a)に伝達される。これにより現像ユニット9(現像枠体)がθ2だけ回動する(図7(c)参照)。このため駆動側カートリッジカバー部材324と係合した解除カム372に対して現像枠体(現像カバー部材332)が回動する。これによって解除カム372の当接部372aは現像カバー部材332の当接部332gから力をうける。その結果、解除カム372は第二の解除部材側力受け部(円盤部372g:図41参照)がバネ370(図38参照)から受ける弾性力(押圧力)に抗して外側位置に移動する。
本実施例における現像枠体(現像カバー部材332)は、解除カム372に対して回動する回動部材であり、解除カム372に作用することで解除カム372を駆動入力部74bに対して移動させる作用部材である。現像カバー部材332は解除カム372を矢印M方向(カートリッジの外部、現像ローラの長手方向における外側)に移動させる。
現像カバー部材332に設けられた当接部332gは、現像カバー332が回動することによって解除カム372の解除部材側力受け部(当接部372a)に力を加える回動部材側付勢部(現像枠体側付勢部、作用部材付勢部)である。当接部332gは、解除カム372の当接部372aに対してカートリッジPの外部(現像ローラの長手方向における外側)に向けた力を加える。
当接部372aはカートリッジPの外部に向けた力を受ける外側向き力受け部(第1の解除部材側力受け部)である。
解除カム372は外側位置に移動することによって、円筒部372k(図38参照)の先端の付勢部で現像駆動出力部材62を付勢する。そして解除カム372は現像駆動出力部材62を矢印M方向に移動させ、第1の位置まで退避させる(図40(b)、図45参照)。
このとき、図44、図45に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも、現像駆動出力部材62の移動量pが大きいため、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続けているのに対し、駆動入力部材74は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。
解除カム372が外側位置に移動した際、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に解除カム372と駆動入力部74bの回転力受け部74b4(図17参照)を投影する。すると、解除カム372の領域と回転力受け部74b4の領域は少なくとも一部重なることになる。本実施例では解除カム372の領域に駆動入力部74bの領域がすべて内包される。
上記の通り、解除カム372のスライドにより現像駆動出力部材62が第2の位置から第1の位置へ移動する移動量pは、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも大きいことが望ましい。つまり解除カム372が外側位置にある状態(図45参照)において、解除カム372の付勢部(解除カム372の先端)は駆動入力部74bの先端よりも現像ローラの長手方向においてより外側に位置することが望ましい。
しかし、駆動入力部74bの端面(先端)と解除カム372の端面とが、実質的に同じ面上にあってもよい。また、解除カム372が外側位置にある状態において、解除カム372の先端の位置が、駆動入力部74bの先端の位置よりも内側に位置していても、駆動入力部材74の回転力受け部74b4(図17参照)に駆動が伝達されない状態であればよい。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図45に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり現像駆動出力部材62は第1の位置にある。
上記の状態から、徐々に付勢力受け部45aから離間力受け部材145を矢印F2方向に退避させると、現像ユニット9は加圧バネ95(図4参照)の力によって図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動する。
この際、図42に示されるように、解除カム372は、その力受け部372bが駆動側カートリッジカバー部材324の規制部である係合部324tと係合しており回動しない。その結果、現像カバー部材332は解除カム372に対して回動することになる。
現像カバー部材332の回動に伴って、現像カバー部材332の当接部332gが解除カム372の当接部372aから退避し始める。当接部332gが退避した分だけ解除カム372がバネ370の力で矢印N方向に移動する(図44参照)。
現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図44に示す状態)では、バネ370の押圧力によって、解除カム372は内側位置に至る。
解除カム372が内側位置に移動して現像駆動出力部材62から離れることに伴い、現像駆動出力部材62も装置本体2からバネ(不図示)により矢印N方向へ押圧され第2の位置に至る。すると図44に示すように駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる(図7(a)参照)。この状態においても、現像駆動出力部材62は第2の位置にある。以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
〔実施例5〕
図46乃至図53を用いて実施例5について説明を行う。本実施例では、解除部材472、駆動側カートリッジカバー424、現像カバー部材432がそれぞれ実施例1における解除カム72、バネ70、解除カム72、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32に対応する。
その一方で解除部材472、駆動側カートリッジカバー424、現像カバー部材432の配置や構成、作用は解除カム72、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32と一部異なる部分がある。また、解除レバー73、バネ70が本実施例の構成にはない。以下、前述した各実施例との違いを中心に詳細に説明する。前述した各実施例と同様の構成については説明を省略する場合がある。
[現像ローラへの駆動伝達]
図46、図47を用いて駆動連結部の構成について説明する。
本実施例の駆動連結部とは、駆動入力部材74、解除部材(カップリング解除部材)472、現像カバー部材432、駆動側カートリッジカバー部材424で構成されている。
図46、図47に示すように、カートリッジ側駆動伝達部材74は、駆動側カートリッジカバー部材424の開口部424eと、解除部材472の開口部472fと、現像カバー部材432の開口部432dと、を貫通して現像駆動出力部材62と係合している。詳細には、図46に示すように、カートリッジの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材424には貫通口である開口部424eと424dが設けられる。駆動側カートリッジカバー部材424と組み合わされる現像カバー部材432は円筒部432bを有し、その円筒部432bには、貫通口として開口部432dが設けられる。
駆動入力部材74の軸部74xは、現像カバー部材432の開口部432d、解除部材の開口部472f、駆動側カートリッジカバー部材424の開口部424eをそれぞれ貫くように組み合わされる。軸部74xの先端の駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって露出する。
(駆動連結部の構成)
駆動連結部のより詳細な構成を図46、図47、図48を用いて説明をする。カートリッジPの長手方向端部には、枠体の一部として駆動側カートリッジカバー部材424が配置される。軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材424に向かって(現像ローラの長手方向内側から外側に向かって)順に、駆動入力部材74、現像カバー部材432、解除部材472が設けられている。これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材74の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上(回動軸線X上)に位置する。
図48(a)、(b)に駆動連結部の断面模式図を示す。前述のように、駆動入力部材74の被軸受部74p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材74の円筒部74qと現像カバー部材432の内径部432qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材74は、軸受部材45と現像カバー部材432とによって、その両端を回転可能に支持されている。
軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)、および、現像カバー部材432の内径部432qのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材432の外側には、駆動側カートリッジカバー部材424が設けられている。
図48(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62とが結合した状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。このように、開口部424eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材424の開口面に対して、駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって突出している。
図48(b)は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとの結合状態(カップリング状態)が解除され、離間した状態を示した模式的断面図である。解除部材472は、矢印M方向(カートリッジの外部に向かう方向)へ移動可能な構成となっている。解除部材472は矢印M方向に移動することで現像駆動出力部材62を押圧付勢して矢印M方向に移動させ、駆動入力部74bから現像駆動出力部材62を離間させる。これにより駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とのカップリングが解除され、駆動入力部74bへ現像駆動出力部材62からの回転駆動力が伝達されない状態になる。
(解除機構)
次に、解除機構(駆動解除機構)を説明する。
図49に、解除部材472と現像カバー部材432の関係を示す。解除部材472は、実質的に円筒形状である円筒部472kと、円筒部472kのカートリッジ内部方向端面に円筒部外側に広がる円盤部472gと、円盤部472gから突出する力受け部472b(突出部、被係合部)が設けられている。本実施例においては、力受け部472bは、円盤部472gの径方向に突出する凸部(突出部)である。また円盤部472gには、ガイド溝472hが設けられている。ガイド溝472hは円盤部472gの径方向に窪んだ凹部である。
解除部材472の有する円筒部472kは、駆動側カートリッジカバー部材424の開口部424eに対して摺動可能(現像ローラ6の回転軸線に沿ってスライド可能)に支持されている。言い換えると、解除部材472は、駆動側カートリッジカバー部材424に対して、現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行に移動可能である。
ここで、解除部材472の円筒部472k、駆動側カートリッジカバー部材424の開口部424eのそれぞれの中心は同軸上に設けられている。
また、現像カバー部材432は、ガイド部としてのガイド432hを有し、解除部材472は、上記したように被ガイド部としてのガイド溝472hを有する。ガイド432hは軸線方向に対し平行に形成されている。ここで、現像カバー部材432のガイド432hは、解除部材472のガイド溝472hと係合する。このガイド432hとガイド溝472hとが係合していることで、解除部材472は現像カバー部材432に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。
なお、ガイド432hを回転軸線Xと平行とする代わりに、ガイド溝472hを平行に形成してもよい。つまり、円盤部472gの幅を広げた上で、円盤部472gにガイド溝472hを回動軸線Xと平行に延びるように形成すれば、解除部材472が回動軸線Xと平行に移動できる。また解除部材472が必ずしも回動軸線Xと平行に移動する必要はなく回動軸線Xと傾斜するように移動する構成でもよい。
図50に駆動側カートリッジカバー部材424を示す。解除部材472に設けられた力受け部(被係合部、突出部、解除部材側力受け部)472bは、駆動側カートリッジカバー部材424に設けられた係合部(当接部、当接面)424tおよび係合部(当接部、当接面)424sと接触可能に構成されている。係合部424s、係合部424tは回動軸線Xに対して傾斜した面(傾斜面)である。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図50~図53を用いて説明する。尚、図50~図53は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除部材472の構成を一部模式的に示している。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図51に示す。図51(a)においては、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合部を模式的に示している。図51(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。
解除部材472の力受け部472bと駆動側カートリッジカバー部材424が有する係合部424sとの間には隙間がある。解除部材472は内側位置にあり、かつ、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって、駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な状態となっている。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除部材472や現像カバー部材432は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材424、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。そのため解除部材472は駆動側カートリッジカバー部材424に対して回動する。言い換えると駆動側カートリッジカバー部材424は解除部材472に対して相対的に回動する。
このときの駆動連結部の状態を図52(a)、図52(b)に示す。解除部材472の回動によって、解除部材472の力受け部472bと駆動側カートリッジカバー部材424が有する係合部424sとが互いに接触し始めた状態となる。この状態でも解除部材472は内側位置にあって、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図52(a))。
そのため、装置本体2から駆動入力部材74へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図53(a)、図53(b)に示す。
離間力付勢部材80がδ2だけ移動すると、付勢力受け部45aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が角度θ2(>θ1)の回動をする。離間力付勢部材80によって現像ユニット9が角度θ2の回動をすることと連動して、解除部材472や現像枠体(現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材432)が図中矢印K方向に回転移動する。
ここで解除部材472は、力受け部472bを駆動側カートリッジカバー部材424に設けられた係合部424sと接触した状態で回転する。そのため、解除部材472は駆動側カートリッジカバー部材424に対して回動するとともに、係合部424sから反力をうける。係合部424sは回動軸線Xに対して傾斜した斜面である。そのため解除部材472は力受け部572bを介して係合部424sからカートリッジPの外部に向けた力(矢印M方向に向けた力)を受ける。
ここで、解除部材472は前述のように、解除部材472のガイド溝472hが現像カバー部材432のガイド432hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている(図10参照)。
そのため、解除部材472は力受け部472aが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424sから受ける力によって、カートリッジPの外部(現像ローラの長手方向の外側)に向けて移動する。解除部材472が移動する際には、力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424sに対してスライドする。
係合部424sは力受け部(解除部材側力受け部)472bに対してカートリッジPの外部に向けた力を加える付勢部(第1の作用部材側付勢部、第1の回動部材側付勢部、第1の感光体枠体側付勢部)である。
つまり解除部材472は駆動側カートリッジカバー部材424に対して矢印K方向(図7(c)参照)に回動するとともに、矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。解除部材472の矢印M方向への移動と連動して、解除部材472の円筒部472kが駆動入力部材74の駆動入力部74bと軸線X方向で重なる。解除部材472が有する円筒部472kの先端が現像駆動出力部材62を矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。
まとめると、装置本体2が発生した付勢力が離間力付勢部材80を介して、カートリッジPの軸受部材45(付勢力受け部45a)に伝達される。これにより現像ユニット9(現像枠体)がθ2だけ回動する(図7(c)参照)。このため解除部材472も駆動側カートリッジカバー部材424に対してθ2だけ回動する。
その際、解除部材472に設けられた力受け部472bは現像サイドカバー部材424に設けられた係合部424sと係合(接触)することで力を受ける。その結果、解除部材472は回動軸線Xに沿った方向にスライド移動して外側位置に移動する。
感光体枠体の一部である駆動側カートリッジカバー部材424は、解除カム472に対して相対的に回動する回動部材であり、解除カム472に作用して解除カム472を移動させる作用部材である。駆動側カートリッジカバー部材424は解除カム472に対して回動することで、解除カム472を矢印M方向(カートリッジPの外部、現像ローラ6の長手方向における外側)に移動させる。
駆動側カートリッジカバー部材424に設けられた係合部424sは、解除カム472の解除部材側力受け部(力受け部472b)に力を加える回動部材側付勢部(感光体枠体側付勢部、作用部材側付勢部)である。駆動側カートリッジカバー部材424が解除カム472に対して回動することに伴って、係合部424sは力受け部472bに対してカートリッジPの外部(現像ローラ6の長手方向における外側)に向けた力を加える。
その結果、解除部材472は外側位置に移動し、かつ、円筒部472k(図46参照)の先端の付勢部で現像駆動出力部材62を付勢する。
そして解除部材472は現像駆動出力部材62を矢印M方向に移動させ、第1の位置まで退避させる(図48(b)、図53参照)。
このとき、図52、図53に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも、現像駆動出力部材62の移動量pが大きいため、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続けているのに対し、駆動入力部材74は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。
解除部材472が外側位置に移動した際、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に解除部材472と駆動入力部74bの回転力受け部74b4(図17参照)を投影する。すると、解除部材472の領域と回転力受け部74b4の領域は少なくとも一部重なることになる。本実施例では解除カム472の領域に駆動入力部74bの領域がすべて内包される。
上記の通り、解除部材472のスライドにより現像駆動出力部材62が第2の位置から第1の位置へ移動する移動量pは、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも大きいことが望ましい。つまり解除部材472が外側位置にある状態(図53参照)において、解除部材472の付勢部(解除部材472の先端)は駆動入力部74bの先端よりも現像ローラの長手方向においてより外側に位置することが望ましい。
しかし、駆動入力部74bの端面(先端)と解除部材472の端面とが、実質的に同じ面上にあってもよい。また、解除部材472の先端の位置が、駆動入力部74bの先端の位置よりも内側に位置していても駆動入力部材74の回転力受け部74b4(図17参照)に駆動が伝達されない状態であればよい。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図53に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり現像駆動出力部材62は第1の位置にある。
上記の状態から、徐々に付勢力受け部45aから離間力受け部材145を矢印F2方向に退避させると、現像ユニット9は加圧バネ95(図4参照)の力によって図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動する。現像ユニット9に設けられた解除カム472は感光体枠体(駆動側カートリッジカバー424)に対して回動することになる。
解除カム472が駆動側カートリッジカバー部材424に対して回動することで、解除カム472の力受け部472bは駆動側カートリッジカバーの係合部424sから離れ、係合部424tと接触し始める。
図50に示すように係合部424tは回動軸線Xに対して傾斜した斜面であり、力受け部472bは係合部424tと接触することで矢印N方向の成分をもった反力を受ける。そのため解除カム472は回動に伴って力受け部472bを係合部424tにスライドさせながら、係合部424tから受ける力によって矢印N方向に移動する。係合部424tは、力受け部472bに対してカートリッジPの内側方向に力を加える付勢部(第2の回動部側付勢部、第2の作用部材側付勢部、第2の感光体枠体側付勢部)である。
現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図52に示す状態)では、解除部材472は、力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424tから受けた反力によって内側位置まで移動する。
解除部材472が内側位置に移動して現像駆動出力部材62から離れることに伴い、現像駆動出力部材62も装置本体2からバネ(不図示)により矢印N方向へ押圧され第2の位置に至る。すると図52に示すように駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる(図7(a)参照)。この状態においても、現像駆動出力部材62は第2の位置にある。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
なお駆動側カートリッジカバー部材424に設けられた係合部424t(図50、図52、図53参照)は、解除部材472に設けられた力受け部(第2の解除部材側力受け部)472bに力を加える第2の回動部材側付勢部(第2の感光体枠体側付勢部、第2の作用部材側付勢部)である。駆動側カートリッジカバー部材424が解除カム472に対して相対的に回動することで係合部424tは力受け部472bを付勢して解除部材472を内側位置に移動させる。
本実施例では、カートリッジPの外部に向けた力を受ける外側向き力受け部(第1の解除部材側力受け部)とカートリッジPの内部に向けた力を受ける内側向き力受け部(第2の解除部材側力受け部)の両方を、力受け部472bが兼用する。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
また本実施例は、弾性部材を用いなくても、カップリング解除部材を移動し得る構成になっている。
〔実施例6〕
図54乃至図61を用いて実施例6について説明を行う。本実施例では、駆動入力部材574、軸受部材545、解除部材572、駆動側カートリッジカバー524、現像カバー部材532がそれぞれ実施例1における、駆動入力部材74、軸受部材45、解除カム72、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32に対応する。
その一方で駆動入力部材574、軸受部材45、解除部材572、駆動側カートリッジカバー524、現像カバー部材532の配置や構成、作用は駆動入力部材74、軸受部材45、解除レカム72、駆動側カートリッジカバー24、現像カバー部材32と一部異なる部分がある。
また、解除レバー73、バネ70が本実施例の構成にはない。以下、前述した各実施例との違いを中心に詳細に説明する。前述した各実施例と同様の構成については説明を省略する場合がある。
[現像ローラへの駆動伝達]
図54、図55を用いて駆動連結部の構成について説明する。
本実施例の駆動連結部とは、駆動入力部材574、解除部材572、現像カバー部材532、駆動側カートリッジカバー部材524で構成されている。
図54、図55に示すように、カートリッジ側駆動伝達部材574は、駆動側カートリッジカバー部材524の開口部524eと、現像カバー部材532の開口部532dと、を貫通して現像駆動出力部材62と係合している。詳細には、図54に示すように、カートリッジの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材524には貫通口である開口部524eと524dが設けられる。駆動側カートリッジカバー部材524と組み合わされる現像カバー部材532は円筒部532bを有し、その円筒部532bには、貫通口として開口部532dが設けられる。
駆動入力部材574の軸部574xは、現像カバー部材532の開口部532d、駆動側カートリッジカバー部材524の開口部524eをそれぞれ貫くように組み合わされ、先端の駆動入力部574bがカートリッジ外部に向かって露出する。
一方、解除部材572は、解除部材572に設けられた軸部572xが駆動入力部材574の内部に設けられた貫通孔(開口部)574rを貫通する。貫通孔574rは、駆動入力部材574の回動軸線上に設けられ、駆動入力部574bを貫通する。解除部材572の軸部572xは貫通孔574rにスライド移動が可能になるように支持されていて、解除部材572は貫通孔574rの内部に配置された状態で内側位置と外側位置とに往復移動可能である。
駆動入力部574bは現像駆動出力部材62の凹部62bとカップリングすることで回転力を受ける。詳細にいうと駆動入力部574bは凹部62bと接触して回転力を受ける回転力受け部を有する。
(駆動連結部の構成)
駆動連結部のより詳細な構成を図54、図55、図56を用いて説明をする。カートリッジPの長手方向端部にカートリッジ枠体(現像枠体)の一部として駆動側カートリッジカバー部材524が配置される。また軸受部材545には現像ローラ6の軸が係合される。
軸受部材545から駆動側カートリッジカバー部材524に向かって(現像ローラ6の長手方向の内側から外側に向かって)、解除部材572、駆動入力部材574、現像カバー部材532が設けられている。これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材574の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上に位置する。
図56(a)、(b)に駆動連結部の断面模式図を示す。
前述のように、駆動入力部材574の被軸受部574p(円筒内面)と軸受部材545の第一軸受部545p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材574の円筒部574qと現像カバー部材532の内径部532qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材574は、軸受部材545と現像カバー部材532とによって、その両端を回転可能に支持されている。
軸受部材545の第一軸受部545p(円筒外面)、および、現像カバー部材532の内径部532qのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材532の外側には、駆動側カートリッジカバー部材524が設けられている。
図56(a)は、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62に設けられた凹部62bとが結合した状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。このように、開口部524eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材524の開口面に対して、駆動入力部574bがカートリッジ外部に向かって突出している。図56(b)は、駆動入力部574bと現像駆動出力部材62の凹部62bとの結合状態(カップリング状態)が解除され、離間した状態を示した模式的断面図である。
解除部材572は、矢印M方向(カートリッジの外部に向かう方向)へ移動可能な構成となっている。解除部材572は矢印M方向に移動することで現像駆動出力部材62を押圧付勢して矢印M方向に移動させ、駆動入力部574bから現像駆動出力部材62を離間させる。これにより駆動入力部材574と現像駆動出力部材62とのカップリングが解除され、駆動入力部574bへ現像駆動出力部材62の凹部62bからの回転駆動力が伝達されない状態になる。
(解除機構)
次に、解除機構(駆動解除機構)を説明する。図57に、駆動入力部材574と解除部材572と現像カバー部材532の関係を示す。解除部材572は、実質的に回動軸線Xと平行に延びる軸部572xと、軸部572xと交差する方向に延びる力受け部572bを有する。力受け部572bは実質的に軸部572xと垂直な向き(回動軸線Xと垂直な向き)に延びている。
軸部572xは駆動力入力部材574に設けられた貫通孔574rと、軸受部材545に設けられた開口部545rを貫通している。つまり解除部材572は軸受部材545と駆動力入力部材574によって軸部572xの両端を支持される。軸部572x、貫通孔574r、開口部545rは回動軸線X上に位置する。貫通孔574rは軸線Xと平行に形成されているので解除部材572は貫通孔574rに対して回動軸線Xの方向にスライド(摺動可能である)。言い換えると、解除部材572は現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行な方向に沿って、矢印M方向(カートリッジの外部に向けた方向)と矢印N方向(カートリッジの内部に向けた方向)に移動可能である。
軸受け部材545の円筒部545qには溝形状の係合部545hが形成される。この係合部545hに解除部材572に設けられた力受け部572bが係合する。係合部545hである溝は、回動軸線Xと実質的に平行である。
図58に駆動側カートリッジカバー部材524を示す。解除部材572に設けられた力受け部(被係合部、突出部、解除部材側力受け部)572bは、駆動側カートリッジカバー部材524に設けられた係合部(当接部、当接面)524tおよび係合部(当接部、当接面)524sと接触可能に構成されている。係合部524s、係合部524tは回動軸線Xに対して傾斜した面(傾斜面)である。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図58~図61を用いて説明する。尚、図58~図61は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除部材の構成を一部模式的に示している。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材545の付勢力受け部(離間力受け部)545aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図59に示す。図59(a)においては、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62の係合部を模式的に示している。図59(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。
解除部材572の力受け部572bと、駆動側カートリッジカバー部材524が有する係合部524sとの間には隙間がある。解除部材572は内側位置にあり、かつ、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な状態となっている。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除部材572や現像カバー部材532は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。
図57に示すように解除部材572は、回動軸線Xの法線方向に突出した力受け部572bが軸受部材545hに設けられた係合部545hと係合している。そのため現像ユニット9の回動に連動して解除部材572も矢印K方向(図7参照)に回動する。
一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材524、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。そのため解除部材572は駆動側カートリッジカバー部材524に対して回動する。言い換えると駆動側カートリッジカバー524は解除部材572に対して相対的に回動する。
この際の駆動連結部の状態を図60(a)、図60(b)に示す。図60(a)に示すように解除部材572の力受け部572bが駆動側カートリッジカバー部材524に設けられた係合部524sに接触し始めた状態となる。
このとき、解除部材572は内側位置にあり、かつ、現像駆動出力部材62は第2の位置にあって駆動入力部材574と現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図60(a))。
そのため、装置本体2から駆動入力部材574へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図61(a)、図61(b)に示す。離間力付勢部材80がδ2だけ移動すると、付勢力受け部545aが離間力付勢部材80から力を受けることで現像ユニット9が角度θ2(>θ1)の回動をする。
離間力付勢部材80によって現像ユニット9が角度θ2の回動をすることと連動して、解除部材572や現像枠体(現像枠体29、軸受部材545、現像カバー部材532)が図中矢印K方向に回転移動する。
ここで解除部材572は、力受け部(解除部材側力受け部)572bを駆動側カートリッジカバー部材524に設けられた係合部524sと接触させた状態で回転する。そのため、解除部材572は回動するとともに、係合部524sから反力をうける。係合部524sは回動軸線Xに対して傾斜した斜面である。そのため解除部材572は力受け部572bを介して係合部524sからカートリッジPの外部に向けた力(矢印M方向に向けた力)を受ける。
ここで、解除部材572は前述のように、解除部材572の力受け部572bが軸受部材545の係合部545hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている(図57参照)。
そのため、解除部材572は力受け部572bが駆動側カートリッジカバー部材524の係合部524sから受ける力によって、カートリッジPの外部(現像ローラの長手方向の外側)に向けて移動する。解除部材572が移動する際に、力受け部572bは駆動側カートリッジカバー部材524の係合部524sに対してスライドする。
つまり解除部材572は駆動側カートリッジカバー部材524に対して矢印K方向(図7(c)参照)に回動するとともに、矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。これにより、解除部材572の矢印M方向への移動と連動して、解除部材572の軸部572xが駆動入力部材574の駆動入力部574bと回動軸線Xの方向で重なる。解除部材572に設けられた軸部572xの先端が現像駆動出力部材62を矢印M方向へ移動量pだけスライド移動する。
まとめると、装置本体2が発生した付勢力が離間力付勢部材80を介して、カートリッジPの軸受部材545(付勢力受け部545a)に伝達される。これにより現像ユニット9(現像枠体)がθ2だけ回動する(図7(c)参照)。このため解除部材572も駆動側カートリッジカバー部材524に対してθ2だけ回動する。
その際、解除部材572に設けられた力受け部572bは現像サイドカバー部材524に設けられた係合部524sと係合(接触)することで力を受ける。その結果、解除部材572は回動軸線Xに沿った方向にスライド移動して外側位置に移動する。
感光体枠体の一部である駆動側カートリッジカバー部材524は、解除部材572に対して相対的に回動する回動部材であり、解除部材572に作用することで解除部材572を駆動入力部74bに対して移動させる作用部材である。駆動側カートリッジカバー部材524は解除部材572に対して回動することで、解除部材572を矢印M方向(カートリッジPの外部、現像ローラ6の長手方向における外側)に移動させる。
駆動側カートリッジカバー部材524に設けられた係合部524sは、解除部材572の力受け部572bに力を加える回動部材側付勢部(感光体枠体側付勢部、作用部材付勢部)である。
駆動側カートリッジカバー部材524が解除部材572に対して回動することに伴って、係合部524sは力受け部572bに対してカートリッジPの外部(現像ローラ6の長手方向における外側)に向けた力を加える。解除部材572の力受け部572bはカートリッジPの外部に向けた力であって駆動出力部材62を付勢するための力を受けるための解除部材側力受け部(外側向き力受け部)である。
その結果、解除部材572は外側位置に移動し、かつ、軸部572x(図57参照)の先端(付勢部)で現像駆動出力部材62を付勢する。
そして解除部材572は現像駆動出力部材62を矢印M方向に移動させ、第1の位置まで退避させる(図56(b)、図61参照)。
このとき、図60、図61に示すように、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62との係合量qよりも、現像駆動出力部材62の移動量pが大きいため、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続けているのに対し、駆動入力部材574は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。
解除部材572が外側位置に移動した際、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に解除部材572と駆動入力部574bの回転力受け部(図17に示す回転力受け部74b4を参照)を投影する。すると、解除部材572の領域と回転力受け部の領域は少なくとも一部重なることになる。本実施例では、解除部材572の領域に駆動入力部574bの領域がすべて内包される。
解除部材572のスライドにより現像駆動出力部材62が第2の位置から第1の位置へ移動する移動量pは、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62との係合量qよりも大きいことが望ましい。
そこで解除部材572が外側位置にある状態(図61参照)において、解除部材572の付勢部(解除部材572の先端)は駆動入力部574bの先端よりも現像ローラの長手方向においてより外側に位置するよう構成した。つまり解除部材572は駆動入力部574bよりも、現像ローラ6の長手方向における外側に向けて突出する。
しかし、解除部材572の先端と、駆動入力部574bの先端が現像ローラ6の長手方向において実質的に同じ位置にあってもよい。また駆動入力部574bに設けられた回転力受け部(図17に示す回転力受け部47b4参照)が、現像駆動出力部材62から駆動力(回転力)を受けない状態であれば、解除部材572の先端が駆動入力部574bの先端より内側に位置していてもよい。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図61に示すように、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり現像駆動出力部材62は第1の位置にある。
上記の状態から、徐々に付勢力受け部45aから離間力受け部材145を矢印F2方向に退避させると、現像ユニット9は加圧バネ95(図4参照)の力によって図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動する。現像ユニット9に設けられた解除カム472は感光体枠体(駆動側カートリッジカバー524)に対して回動することになる。
解除カム572が駆動側カートリッジカバー部材524に対して回動することで、解除カム572の力受け部572bは駆動側カートリッジカバーの係合部524sから離れ、係合部524tと接触し始める。
図58に示すように係合部524tは回動軸線Xに対して傾斜した斜面であり、力受け部572bは係合部424tと接触することで矢印N方向の成分をもった反力を受ける。そのため解除カム572は回動に伴って力受け部572bを係合部524tにスライドさせながら、係合部524tから受ける力によって矢印N方向に移動する。
現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図60に示す状態)では、解除部材572は、力受け部572bが駆動側カートリッジカバー部材524の係合部524tから受けた反力によって内側位置まで移動する。力受け部572bは、カートリッジPの内部に向けた力を受ける内側向き力受け部(第2の解除部材側力受け部)である。
本実施例では、カートリッジPの外部に向けた力を受ける外側向き力受け部(第1の解除部材側力受け部)とカートリッジPの内部に向けた力を受ける内側向き力受け部(第2の解除部材側力受け部)の両方を、力受け部572bが兼用する。
解除部材572が内側位置に移動して現像駆動出力部材62から離れることに伴い、現像駆動出力部材62も装置本体2からバネ(不図示)により矢印N方向へ押圧され第2の位置に至る。すると図60に示すように駆動入力部材574と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる(図7(a)参照)。この状態においても、現像駆動出力部材62は第2の位置にある。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
なお駆動側カートリッジカバー部材524に設けられた係合部424t(図58、図560、図61参照)は、解除部材572に設けられた力受け部572bに力を加える第2の回動部材側付勢部(第2の感光体枠体側付勢部、第2の作用部材側付勢部)である。駆動側カートリッジカバー部材524が解除部材572に対して相対的に回動することで係合部524tは力受け部572bを付勢して解除部材572を内側位置に移動させる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
また本実施例は、弾性部材を用いなくても、カップリング解除部材を移動し得る構成になっている。
本実施例では、カップリング解除部材としての解除部材572が駆動入力部材562を貫通する構成であった。このように解除部材572が駆動入力部材562の内部に配置される構成であっても解除部材572が駆動入力部材562の近傍に配置されていると定義する。
〔実施例7〕
図62を用いて実施例7について説明を行う。本実施例のプロセスカートリッジPは実施例1における解除レバー73を、解除レバー973で置き換えた構成である。
実施例1においては、解除レバー73の力受け部73bが駆動側カートリッジカバー部材24と係合することで、現像ユニット9が回動した際に解除レバー73が解除カム72に対して相対的に回動する構成であった(図12参照)。
これに対して本実施例では、解除レバー973の力受け部973bは離間力付勢部材80(図7参照)と直接に係合することで、離間力付勢部材80によって直接動かされる構成である。力受け部973bはカートリッジの外部(装置本体2)から付勢力を受ける付勢力受け部である。
矢印F2方向に離間力付勢部材80が移動すると、解除レバー973は矢印F2方向に動かされ解除カム72に対して回動する。これにより解除レバーは解除カム72を矢印M方向に移動させ、解除カム72を外側位置に移動させる。
一方、矢印F1方向に離間力付勢部材80が移動すると解除レバー973は矢印F1方向に動かされ解除カム72に対して回動する。これにより解除カム72はバネ70の力を用いて矢印N方向に移動し内側位置に至る。
本実施例では、離間力付勢部材80(図7参照)は解除レバー973に係合し現像枠体(軸受部材45)に係合しない。そのため現像ユニット9全体が回動するわけではない。すなわち現像ローラ6が感光体ドラム4に対して離間しない。本実施例の構成であればこのような条件であっても、解除レバー72を移動させて駆動入力部材74の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の凹部62bとのカップリングを許容したりカップリングを解除したりできる。
なお実施例2における解除レバー173を本実施例の解除レバー973に置き換えるような構成であってもよい。
〔実施例8〕
図63を用いて実施例8の説明を行う。図63は本実施例に係る現像カートリッジの斜視図である。なお実施例1と異なる構成については説明を省略する。
上述の実施例1では、ドラムユニット8と現像ユニット9を有するプロセスカートリッジPが画像形成装置1の装置本体2に着脱される構成であった(図3、図9参照)。
これに対して本実施例では現像ユニット9が単体でカートリッジ(現像カートリッジ)Dを構成してこの現像カートリッジDが装置本体2に着脱可能な構成である。
一方、ドラムユニット8(図4参照)は、装置本体2(例えばカートリッジトレイ60:図3参照)に固定するように構成される。あるいはドラムユニット8は現像カートリッジDとは別にカートリッジ(感光体カートリッジ)としてカートリッジトレイ60に支持されて装置本体2に甦着される構成でもよい。
現像カートリッジDをカートリッジトレイ60に載置することで、解除カム73に設けられた力受け部73bがドラムユニット9と係合するように構成すればよい。
また実施例2乃至実施例8における現像ユニット9を本実施例のように現像カートリッジDとしてもよい。