JP7057212B2 - 水処理方法 - Google Patents

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本発明は、フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水を処理する水処理方法に関する。
従来、フッ素イオンを含有する被処理水を処理する方法として、フッ素吸着剤を用いる方法が知られている。例えば特許文献1には、フッ素含有水をカルシウム化合物と反応させてフッ化カルシウムに変換して固液分離した後、分離液をフッ素吸着剤と接触させる処理方法が開示されている。特許文献2には、フッ素含有水を低濃度フッ素含有水と高濃度フッ素含有水に分別する工程、低濃度フッ素含有水にカルシウム化合物を添加後固液分離し、分離液をフッ素吸着剤と接触させる工程、フッ素吸着剤を再生処理する工程、および、高濃度フッ素含有水にフッ素吸着剤の再生廃液を添加した後、炭酸カルシウム結晶種充填槽に通液する工程を有するフッ素含有水の処理方法が開示されている。特許文献3には、フッ素吸着剤が充填された吸着塔にフッ素含有被処理水を通水し、フッ素が低減された処理水を生じさせる水中のフッ素除去方法において、吸着塔でフッ素を吸着除去して生じるフッ素が低減された処理水を、フッ素含有被処理水と混合することにより、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg/L以下に調整する水中のフッ素除去方法が開示されている。
特開平5-92187号公報 特開平5-253575号公報 特開2006-314957号公報
上記のように、従来、フッ素吸着剤を用いた処理は、比較的フッ素イオン濃度が低い被処理水に対して行われてきた。フッ素イオン濃度が高い被処理水を処理する場合は、通常、まず凝集沈殿や共沈等によりフッ素イオンの不溶化処理を行ってある程度フッ素イオンを除去した後、フッ素イオン濃度が低減された被処理水を吸着剤と接触させることにより、フッ素イオンの高度除去を行う。そのため、高濃度にフッ素イオンを含有する被処理水をフッ素吸着剤で処理する方法については、これまでほとんど検討がなされていないのが実状である。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フッ素イオンを比較的高濃度に含む被処理水であっても、フッ素吸着剤により安定して処理することができる水処理方法を提供することにある。
フッ素イオンを比較的高濃度に含む被処理水をフッ素吸着剤により処理する方法について本発明者らが検討したところ、被処理水にフッ素イオンとともに硫酸イオンを比較的高濃度に含ませることが効果的であることが分かった。しかし、このようにフッ素イオンと硫酸イオンを高濃度に含有する被処理水をフッ素吸着剤で処理する場合でも、被処理水性状が変動して被処理水中のフッ素イオン濃度が高くなった場合や、被処理水を吸着塔に導入して最初の方に出てくる処理水は、フッ素イオン濃度が高くなりやすいことが分かった。そして、このような場合でも安定してフッ素濃度が低減された処理水が得られる方法を検討したところ、いずれも処理系中の硫酸イオン濃度を高く保つことが有効であることが明らかになった。
すなわち、上記課題を解決することができた本発明の水処理方法とは、フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水をフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入し、被処理水中のフッ素イオンの少なくとも一部が除去された処理水を得る吸着工程と、吸着塔の前段で、処理水の一部を被処理水に加える返送工程とを有し、吸着塔に導入される被処理水の硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であるところに特徴を有する。この場合、処理水には硫酸イオンが高濃度に含まれ、フッ素イオン濃度が低減されたものとなるため、このような処理水を被処理水の希釈水として用いることにより、吸着塔に導入される被処理水の硫酸イオン濃度を大きく下げることなく、フッ素イオン濃度のみを下げることが可能となる。これにより、被処理水性状が変動して被処理水中のフッ素イオン濃度が高くなった場合でも、フッ素濃度の低減された処理水を容易に得ることができる。また、被処理水の希釈倍率を低く設定することが可能となるため、被処理水の処理量が大きく増えず、水処理設備の仕様も過剰とならなくてすむ。被処理水に加える処理水のフッ素イオン濃度は20mg/L以下であることが好ましい。返送工程では、処理水が加えられた後の被処理水のフッ素イオン濃度が所定値以下になるように、処理水を加える量を調整することが好ましい。
本発明のもう1つの水処理方法は、フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水をフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入し、被処理水中のフッ素イオンの少なくとも一部が除去された処理水を得る吸着工程と、吸着工程の前に、吸着塔にバッファー溶液を導入する調整工程とを有し、吸着塔に導入される被処理水のフッ素イオン濃度が50mg/L以上、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であり、吸着塔に導入されるバッファー溶液のフッ素イオン濃度が20mg/L以下、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であるところに特徴を有するものである。このように吸着工程に先立って、フッ素イオン濃度が20mg/L以下、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であるバッファー溶液を吸着塔に導入することにより、被処理水を吸着塔に導入した初期からフッ素イオン濃度が十分に低減された処理水を得ることができる。
バッファー溶液としては、吸着工程で得られる処理水を用いることができる。調整工程は、吸着工程の後、フッ素吸着剤を脱着・再生処理して、次の吸着工程でフッ素吸着処理を行う前に行うものであってもよい。この場合、本発明の水処理方法は、吸着工程の後に、吸着塔にアルカリ溶液を導入し、フッ素吸着剤からフッ素イオンを脱着させる脱着工程と、脱着工程の後に、吸着塔に酸溶液を導入する酸処理工程とをさらに有し、酸処理工程の後に調整工程を行い、その後再び吸着工程を行うものとなる。
吸着塔に導入される被処理水のフッ素イオン濃度は50mg/L以上150mg/L以下であることが好ましい。吸着塔に導入される被処理水のpHは2.0~3.5に調整することが好ましい。また、吸着塔に導入される被処理水のpHを酸またはアルカリを添加することにより調整することが好ましい。フッ素吸着剤としては、セリウム系吸着剤を用いることが好ましい。
本発明の水処理方法は、吸着工程の後に、吸着塔にアルカリ溶液を導入し、フッ素吸着剤からフッ素イオンを脱着させる脱着工程と、脱着工程の後に、吸着塔に酸溶液を導入する酸処理工程とをさらに有し、吸着塔として第1吸着塔と第2吸着塔が設けられ、下記(1)~(4)を順に行うことで、第1吸着塔と第2吸着塔で各工程を行うものであってもよい。
(1)第1吸着塔と第2吸着塔をこの順で直列接続し、被処理水を第1吸着塔と第2吸着塔に順次導入して吸着工程を行う
(2)脱着工程と酸処理工程を第1吸着塔で行うとともに、第2吸着塔に被処理水を導入して吸着工程を行う
(3)第2吸着塔と第1吸着塔をこの順で直列接続し、被処理水を第2吸着塔と第1吸着塔に順次導入して吸着工程を行う
(4)脱着工程と酸処理工程を第2吸着塔で行うとともに、第1吸着塔に被処理水を導入して吸着工程を行う
フッ素イオンと硫酸イオンが比較的高濃度に含有する被処理水としては、排煙脱硫設備から排出される排煙脱硫排水を用いることが好ましい。
本発明の水処理方法によれば、フッ素イオンを比較的高濃度に含む被処理水であっても、当該被処理水をフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入して処理する際に、安定してフッ素イオン濃度が低減された処理水を得ることができる。
本発明の水処理方法で用いられる水処理システムの構成例を表す。 本発明の水処理方法で用いられる水処理システムの構成例を表す。 本発明の水処理方法で用いられる水処理システムの構成例を表す。
本発明は、フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水を処理する水処理方法に関する。詳細には、フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水をフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入し、被処理水中のフッ素イオンの少なくとも一部を除去する水処理方法に関するものである。
従来、吸着剤を用いたフッ素除去処理は、比較的フッ素イオン濃度が低い被処理水に対して行われてきた。フッ素イオン濃度が高い被処理水を処理する場合、通常、まず凝集沈殿や共沈等によりフッ素イオンの不溶化処理を行ってある程度フッ素イオンを除去し、その後必要に応じて、フッ素イオン濃度が低減された被処理水を吸着剤と接触させることにより、フッ素イオンの高度除去を行う。このような処理が行われる理由としては、凝集沈殿や共沈による処理と比べて吸着剤を用いればより高度にフッ素イオンを除去できることや、フッ素イオン濃度が高い被処理水を凝集沈殿や共沈等の前処理を経ずにいきなり吸着剤と接触させると、十分にフッ素濃度が低減された処理水が得られない場合があることが挙げられる。
本発明者らは、このように高濃度にフッ素イオンを含む被処理水について、フッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入して処理する場合でも、安定してフッ素除去が行える方法を検討した。そうしたところ、まず、フッ素イオンを高濃度に含む被処理水をフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入して処理すると、フッ素イオンが吸着剤に吸着されるにつれて被処理水のpHが上がり、フッ素イオンが十分に吸着除去できない場合があることが分かった。具体的には、フッ素イオン濃度が高い被処理水を吸着剤と接触させた場合、フッ素イオンが、吸着剤が有する水酸化物イオンと交換されることにより、被処理水のpHが上昇し、フッ素イオンの吸着除去に適したpH範囲から外れて、フッ素イオンが十分に吸着除去されにくくなることが分かった。このようなpH上昇は、被処理水のフッ素濃度が高くなるほど、水酸化物イオンとの交換量が増えるため、顕著に表れるようになる。この対策として、例えば被処理水のpHを予め低く設定する方法が考えられるが、この場合、吸着剤成分が流出して、吸着剤の寿命や吸着効果の低下を招きやすくなる。そして、このpH上昇を抑えるためには、被処理水中に硫酸イオンを比較的高濃度に含ませることが効果的であることが明らかになった。すなわち、フッ素イオンとともに硫酸イオンを高濃度に含む被処理水を、フッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入して処理することにより、被処理水のpHの上昇を抑え、フッ素イオンを安定して吸着除去することが可能となる。
しかしながら、上記のようにフッ素イオンと硫酸イオンを高濃度に含有する被処理水を吸着塔で処理する場合でも、次に述べる2つの場合は、処理水のフッ素イオン濃度が高くなりやすいことが明らかになった。1つ目は、被処理水性状が変動し、被処理水中のフッ素イオン濃度が高くなった場合は、処理水中のフッ素イオン濃度が高くなりやすいこと、2つ目は、被処理水を吸着塔に導入して最初の方に出てくる処理水はフッ素イオン濃度が高くなりやすく、その後しばらく処理を続けていくと、処理水フッ素イオン濃度が低下して落ち着く傾向が見られることが分かった。2つ目については、フッ素吸着剤を再生処理した直後に被処理水のフッ素除去処理を行う場合にも同様の傾向が見られた。
そこで本発明者らが、上記の2つの場合でも安定してフッ素濃度が低減された処理水が得られる方法を検討したところ、いずれも処理系中の硫酸イオン濃度を高く保つことが有効であることが明らかになった。具体的には、上記の1つ目については、被処理水性状が変動して被処理水中のフッ素イオン濃度が高くなった場合、硫酸イオンを高濃度に含む処理水の一部を被処理水に加えることが有効であることが明らかになった(第1実施態様)。この場合、被処理水の硫酸イオン濃度の低下を抑えつつ、被処理水のフッ素イオン濃度を下げることが可能となる。上記の2つ目については、被処理水を吸着塔に導入するのに先立って、硫酸イオンを高濃度に含むバッファー溶液を吸着塔に導入し、吸着塔内の硫酸イオン濃度を高めることが有効であることが分かった(第2実施態様)。このバッファー溶液としては、吸着塔の処理水を事前に採取しておき用いることも可能である。以下、本発明の水処理方法について詳しく説明する。
本発明の水処理方法は、フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水をフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入し、被処理水中のフッ素イオンの少なくとも一部が除去された処理水を得る吸着工程を有するものであり、吸着塔に導入される被処理水の硫酸イオン濃度を8,000mg/L以上とするものである。本発明の水処理方法は、吸着塔に導入される被処理水のフッ素イオン濃度が例えば50mg/L以上と、被処理水中にフッ素イオンが高濃度に含まれる場合でも、硫酸イオンが8,000mg/L以上の高濃度で含まれているため、被処理水をフッ素吸着剤と接触させても、硫酸イオンの緩衝作用によってpHの上昇が抑えられ、フッ素イオン濃度が十分に低減された処理水を安定して得ることができる。なお、本発明では、吸着塔に導入される被処理水に処理水が加えられる場合があるが、処理水が加えられる前の被処理水を「原水」と称する場合がある。
被処理水または原水は、少なくともフッ素イオンと硫酸イオンを含有するものであれば特に限定されないが、本発明では、そのようなイオンを比較的高濃度に含む被処理水または原水として、石炭火力発電所やコークス工場や製鉄工場等の排煙脱硫排水を用いることが好ましい。これらの発電所や工場では、石炭やコークスを燃焼させることにより硫黄分やフッ素分を含む排ガスが排出されるが、当該排ガスを排煙脱硫装置により脱硫処理を行うと、硫酸イオンとともにフッ素イオンを高濃度に含む排煙脱硫排水が発生する。排煙脱硫装置における脱硫方法としては、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムや水酸化ナトリウムを用いて湿式処理する方法が知られているが、脱硫剤として水酸化マグネシウムや水酸化ナトリウムを用いると、フッ素イオンと硫酸イオンが比較的高濃度に含まれる排煙処理排水が発生する。
吸着塔に導入される被処理水のフッ素イオン濃度は特に限定されないが、本発明の効果をより発揮させることができる点から、吸着塔に導入される被処理水のフッ素イオン濃度は50mg/L以上であることが好ましい。当該フッ素イオン濃度はこれより高くてもよく、例えば70mg/L以上であってもよく、80mg/L以上であってもよい。本発明によれば、このような高いフッ素イオン濃度の被処理水であっても、高度にフッ素イオンを吸着除去することができる。一方、被処理水のフッ素イオン濃度の上限は、安定してフッ素濃度の低い処理水を得る点から、150mg/L以下が好ましく、135mg/L以下がより好ましく、120mg/L以下がさらに好ましく、100mg/L以下がさらにより好ましい。
原水のフッ素イオン濃度は、被処理水のフッ素イオン濃度と同じであっても異なっていてもよい。なお、原水のフッ素イオン濃度が高くなり、原水に処理水を加えて希釈する必要が生じる場合の原水のフッ素イオン濃度は、例えば150mg/L超、135mg/L超、または120mg/L超であってもよい。原水のフッ素イオン濃度の上限は特に限定されないが、例えば800mg/L以下、600mg/L以下、400mg/L以下、または250mg/L以下であってもよい。被処理水および原水中のフッ素イオン濃度は、イオンクロマトグラフィー等により求めることができる。
吸着塔に導入される被処理水の硫酸イオン濃度は8,000mg/L以上であるが、硫酸イオン濃度はこれより高くてもよく、例えば10,000mg/L以上であってもよく、15,000mg/L以上、20,000mg/L以上、または25,000mg/L以上であってもよい。被処理水の硫酸イオン濃度の上限は特に限定されないが、例えば150,000mg/L以下であってもよく、100,000mg/L以下、80,000mg/L以下、または65,000mg/L以下であってもよい。原水の硫酸イオン濃度は、被処理水の硫酸イオン濃度と同じであっても異なっていてもよい。例えば原水に処理水を加える場合、処理水の硫酸イオン濃度は被処理水の硫酸イオン濃度から基本的に大きく変化しないため、原水の硫酸イオン濃度は被処理水の硫酸イオン濃度と大きく違わない。従って、原水の硫酸イオン濃度の範囲は、上記の被処理水の硫酸イオン濃度に関する説明が参照される。被処理水および原水中の硫酸イオン濃度は、遊離イオンの形態のみならず塩形成している形態も含む濃度を意味し、イオンクロマトグラフィー等により求めることができる。
被処理水または原水は、マグネシウムイオンやナトリウムイオン等を含有していてもよい。被処理水または原水が石炭火力発電所やコークス工場や製鉄工場等の排煙処理排水を含む場合は、硫酸イオンとともにマグネシウムイオンやナトリウムイオンも被処理水や原水中に含まれうる。排煙処理排水が脱硫剤として水酸化マグネシウムを用いたものである場合は、被処理水または原水中のマグネシウムイオンと硫酸イオンの含有比は、例えばマグネシウムイオン/硫酸イオンのモル比で2/8~8/2の範囲が好ましく、3/7~7/3の範囲がより好ましく、4/6~6/4の範囲がさらに好ましい。排煙処理排水が脱硫剤として水酸化ナトリウムを用いたものである場合は、被処理水または原水中のナトリウムイオンと硫酸イオンの含有比は、例えばナトリウムイオン/硫酸イオンのモル比で3/7~9/1の範囲が好ましく、4/6~8/2の範囲がより好ましく、5/5~7/3の範囲がさらに好ましい。なお、被処理水または原水は、脱硫剤として水酸化マグネシウムを用いた排煙脱硫排水を含むことが好ましく、これにより吸着剤の長寿命化を図ることができ、例えば、吸着剤からフッ素の吸着に寄与する有効成分(金属成分)の流出を抑えやすくなる。
フッ素吸着剤としては、フッ素イオンを吸着することができる公知の吸着剤を用いればよく、例えば、アルミナ系吸着剤、フェライト鉄系吸着剤、ジルコニウム系吸着剤、セリウム系吸着剤等を用いることができる。なかでも、高度にフッ素イオンを吸着除去できる吸着剤として、セリウム系吸着剤を用いることが好ましい。セリウム系吸着剤としては、酸化セリウム(CeO2)、特に含水酸化セリウム(CeO2・nH2O)を含む吸着剤が挙げられる。当該吸着剤は樹脂を含有し、酸化セリウムまたは含水酸化セリウムが樹脂によって固定化あるいは補強されていてもよい。
被処理水のpHは、吸着剤によるフッ素イオンの吸着除去が好適に行われるようにする点から、2.0以上が好ましく、2.1以上がより好ましく、2.2以上がさらに好ましく、また3.5以下が好ましく、3.3以下がより好ましく、3.1以下がさらに好ましい。被処理水のpHが高い場合は、酸を添加することにより被処理水のpHを調整すればよく、当該酸としては塩酸や硫酸を用いることが好ましい。逆に被処理水のpHが低い場合は、アルカリを添加することにより被処理水のpHを調整すればよく、当該アルカリとしてはアルカリ金属水酸化物を用いることが好ましく、水酸化ナトリウムを用いることがより好ましい。なお、被処理水または原水として排煙処理排水を用いる場合は、排煙処理排水のpHが常時このような範囲となるとは限らないため、吸着塔に導入される被処理水は、酸またはアルカリを添加することによって所定のpH範囲に調整することが好ましい。
被処理水のpHの調整は、吸着塔の前にpH調整手段を設けることにより行えばよい。pH調整手段は、吸着塔の前に酸またはアルカリ添加手段を備えたpH調整槽を設けたり、被処理水を吸着塔に供給する流路に酸またはアルカリ添加手段を設ければよい。酸またはアルカリ添加手段としては、薬注ポンプ等が挙げられる。またpH調整手段として、酸またはアルカリ添加手段とともにpH測定手段を設けてもよい。pH測定手段は、pH調整槽に設置したり、被処理水を吸着塔に供給する流路の酸またはアルカリ添加手段と吸着塔の間に設置することが好ましい。
被処理水とフッ素吸着剤との接触は、フッ素吸着剤が充填された吸着塔に被処理水を導入することにより行う。被処理水は、吸着塔を上向流式で通液させてもよく、下向流式で通液させてもよい。このときの通液速度は、被処理水の性状やフッ素吸着剤の充填量などに応じて適宜設定すればよく、例えば空間速度(SV)として1hr-1~50hr-1の範囲で適宜調整すればよい。なお、吸着塔設備が過大にならないようにする観点から、空間速度(SV)は3hr-1以上が好ましく、5hr-1以上がより好ましく、8hr-1以上がさらに好ましく、12hr-1以上がさらにより好ましい。また、安定してフッ素イオン濃度が低減された処理水が得やすくなる観点から、空間速度(SV)は40hr-1以下が好ましく、30hr-1以下がより好ましく、25hr-1以下がさらに好ましい。
被処理水を吸着塔に導入しフッ素吸着剤と接触させることにより、フッ素イオン濃度が低減された処理水が得られる。吸着塔によるフッ素吸着処理は1段で行ってもよく、多段(2段以上)で行ってもよい。本発明では、フッ素イオン濃度が比較的高い被処理水を処理対象とすることから、多段接続した吸着塔により被処理水を処理したり、吸着塔1段による処理と多段接続した吸着塔による処理を組み合わせて被処理水を処理することが好ましい。これにより処理水のフッ素イオン濃度を安定して十分に低減させることが可能となる。多段接続する吸着塔の数は2以上であればよいが、直列接続する吸着塔の数(すなわち被処理水が通過する吸着塔の数)が多すぎても吸着塔の管理が煩雑になることから、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。
吸着塔を多段に直列接続する場合、被処理水は、多段に直列接続された各吸着塔に導入する前にそれぞれpHを調整することが好ましく、具体的には、被処理水を多段に直列接続された各吸着塔に導入する前に、酸またはアルカリを添加してpHを調整することが好ましい。このときの各pHは、上記に説明したように、2.0以上が好ましく、2.1以上がより好ましく、2.2以上がさらに好ましく、また3.5以下が好ましく、3.3以下がより好ましく、3.1以下がさらに好ましい。このように各吸着塔に導入する前に被処理水のpHを調整することにより、例えば1段目の吸着塔からの流出水のpHが吸着に好適な範囲から外れた場合でも、当該流出水に酸またはアルカリを添加することにより、2段目の吸着塔でも好適にフッ素イオンの吸着を行うことができるようになる。
吸着工程では、処理水のフッ素イオン濃度を、例えば20mg/L以下、10mg/L以下、5mg/L以下、3mg/L以下、あるいは1mg/L以下にすることができる。吸着塔を多段に直列接続して吸着処理を行う場合は、例えば1段目の吸着塔でフッ素イオン濃度を30mg/L以下にし、2段目以降の吸着塔により処理水のフッ素イオン濃度を20mg/L以下、10mg/L以下、5mg/L以下、3mg/L以下、あるいは1mg/L以下にしてもよい。
なお、環境省の定めた一律排水基準によれば、フッ素およびその化合物の許容限度は、海域に排出されるもので15mgF/Lと定められ、海域以外の公共用水域に排出されるもので8mgF/Lと定められている。従って、処理水フッ素イオン濃度は15mg/L以下あるいは8mg/L以下とすることが好ましく、これらの基準値を常時下回ることが望まれる。このような観点から、工場や発電所等では、自主規制として、水質管理基準を上記の一律排水基準の半分の値に当たる8mg/L以下や4mg/L以下に定めたりしている。
しかし、被処理水性状が変動してフッ素イオン濃度が高くなった場合には、処理水のフッ素イオン濃度が十分に低減せずに、目標とする数値まで下がらないことが起こりうる。この場合、被処理水のフッ素濃度を下げることが1つの有効な対応策となるが、単に被処理水を工水や水道水などで希釈しただけでは、フッ素濃度とともに硫酸イオン濃度も下がってしまうため、結果として、被処理水のpH緩衝能力も下がってしまう。この場合、被処理水を吸着塔に導入して吸着処理しても、十分に処理水のフッ素イオン濃度が下がらなかったり、あるいは被処理水の希釈倍率を過剰に高める必要が出てくる。被処理水の希釈倍率の増大は原水処理量の低下を招くため、水処理設備の仕様の増大にも繋がる。
そこで本発明の水処理方法の第1実施態様では、上記のように被処理水フッ素濃度が高くなった場合に、処理水を被処理水に加えて、被処理水のフッ素イオン濃度を下げる。すなわち、吸着工程に加えて、処理水の一部を被処理水に加える返送工程を設けている。被処理水の希釈水として吸着塔から得られた処理水を用いることにより、吸着塔に導入される被処理水の硫酸イオン濃度を大きく下げることなく、フッ素イオン濃度のみを下げることが可能となる。本発明の水処理方法では、吸着塔に導入される被処理水の硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上となっているが、硫酸イオンはフッ素吸着剤によって基本的に吸着されないか、吸着されても僅かな量であるため、吸着塔から得られる処理水の硫酸イオン濃度は被処理水の硫酸イオン濃度とは大きく変わらないものとなる。そのため、処理水を被処理水の希釈水として用いることにより、被処理水のpH緩衝能力が大きく低下せず、フッ素濃度の低減された処理水を容易に得ることが可能となる。また、被処理水の希釈倍率を低く設定することが可能となるため、原水処理量の低下の度合が抑えられ、水処理設備の仕様も過剰とならなくてすむ。
返送工程では、処理水により希釈された被処理水のフッ素イオン濃度が所定値または所定値以下となるように処理水を加えることが好ましい。この場合のフッ素イオン濃度の所定値としては、150mg/L以下が好ましく、135mg/L以下がより好ましく、120mg/L以下がさらに好ましく、100mg/L以下がさらにより好ましい。一方、原水の処理量を確保する観点から、処理水により希釈された被処理水のフッ素イオン濃度は50mg/L以上が好ましく、70mg/L以上がより好ましく、80mg/L以上がさらに好ましい。
被処理水に加える処理水のフッ素イオン濃度は、20mg/L以下が好ましく、10mg/L以下がより好ましく、5mg/L以下がさらに好ましい。被処理水に加える処理水のフッ素イオン濃度は、実質的に0mg/Lであってもよい。
被処理水に加える処理水の硫酸イオン濃度は、8,000mg/L以上が好ましく、10,000mg/L以上がより好ましく、15,000mg/L以上がさらに好ましく、20,000mg/L以上がさらにより好ましく、25,000mg/L以上が特に好ましい。当該硫酸イオン濃度の上限は特に限定されないが、例えば150,000mg/L以下であってもよく、100,000mg/L以下、80,000mg/L以下、または65,000mg/L以下であってもよい。処理水によって希釈された被処理水の硫酸イオン濃度の好適範囲も同様である。
吸着塔から排出された処理水は、吸着塔に導入される前の被処理水よりもpHが上昇する傾向を示す。従って、処理水が加えられた被処理水は、必要に応じてpHを調整することが好ましい。この場合の被処理水のpHの好適範囲は、上記に説明した通りである。
返送工程は、原水のフッ素イオン濃度に応じて適宜行うことが好ましい。例えば、原水のフッ素イオン濃度が200mg/L超、150mg/L超、135mg/L超、120mg/L超、または100mg/L超となったときに、処理水を原水に加えて吸着塔に導入するための被処理水とすることが好ましい。
本発明の水処理方法の第2実施態様は、上記の吸着工程の前に、吸着塔にバッファー溶液を導入する調整工程とを有するものである。被処理水を吸着塔に導入して最初の方に出てくる処理水はフッ素イオン濃度が高くなりやすく、その後しばらく処理を続けていくと、吸着塔に導入する被処理水のフッ素イオン濃度がほとんど変わらなくても、処理水のフッ素イオン濃度が低下して落ち着く傾向が見られる。このように、新しくフッ素吸着剤を使い始めるときに、初期に得られる処理水のフッ素イオン濃度が高くなることの対応策について、本発明者らが検討したところ、吸着工程に先立って、フッ素イオン濃度が低く、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上のバッファー溶液を吸着塔に導入することが有効であることが明らかになった。このようなバッファー溶液を吸着工程に先立って吸着塔に導入すれば、吸着工程において、フッ素イオン濃度が高く(例えば50mg/L以上)、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上である被処理水を導入した初期から、フッ素イオン濃度が十分に低減された処理水が得られる。
バッファー溶液を導入することにより上記の効果が得られるメカニズムは明確でない部分もあるが、吸着塔内がバッファー溶液で単に希釈または置換されることによる効果ではないと考えられる。例えば、吸着塔に充填されたフッ素吸着剤の流入側の表面層がフッ素イオンが少なく硫酸イオンが多い環境に置かれることで当該表面層に緩衝能が付与され、その後被処理水を吸着塔に導入することで、吸着工程の初期からフッ素イオンが吸着剤によって好適に吸着除去され、吸着塔から最初に出てくる処理水においてもフッ素イオンが好適に除去されたものになると考えられる。
バッファー溶液は、フッ素イオン濃度が低く、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上の溶液であれば特に限定されるものではなく、例えば、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上の硫酸塩溶液をバッファー溶液として用いることができる。なお、吸着工程で得られる処理水が事前に入手できる場合は、この処理水をバッファー溶液として用いることが簡便である。バッファー溶液として用いる処理水は、調整工程でバッファー溶液を導入する吸着塔で得られた処理水であってもよく、別の吸着塔で得られた処理水であってもよい。後者の場合、別の吸着塔に導入される被処理水は、バッファー溶液が導入される吸着塔に吸着工程で導入される被処理水と同じ由来であることが好ましい。
バッファー溶液のフッ素イオン濃度は、20mg/L以下が好ましく、15mg/L以下がより好ましく、10mg/L以下がさらに好ましく、5mg/L以下がさらにより好ましい。バッファー溶液のフッ素イオン濃度は、実質的に0mg/Lであってもよい。
バッファー溶液の硫酸イオン濃度は、10,000mg/L以上が好ましく、15,000mg/L以上がより好ましく、20,000mg/L以上がさらに好ましく、25,000mg/L以上がさらにより好ましい。当該硫酸イオン濃度の上限は特に限定されないが、例えば150,000mg/L以下であってもよく、100,000mg/L以下、80,000mg/L以下、または65,000mg/L以下であってもよい。
バッファー溶液のpHは、2.0以上が好ましく、2.1以上がより好ましく、2.2以上がさらに好ましく、また7.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましく、5.0以下がさらに好ましい。
バッファー溶液の吸着塔への供給量(体積)は、吸着塔に充填されたフッ素吸着剤の見かけ体積の0.5倍以上が好ましく、1倍以上がより好ましく、2倍以上がさらに好ましい。バッファー溶液の吸着塔への供給量の上限は特に限定されないが、過剰に供給してもバッファー溶液を導入することの効果がそれほど高くならないことから、バッファー溶液の吸着塔への供給量は、吸着塔に充填されたフッ素吸着剤の見かけ体積の15倍以下が好ましく、10倍以下がより好ましく、8倍以下がさらに好ましい。
調整工程に続いて吸着工程を行う。吸着工程や被処理水の詳細は、上記の説明が参照される。なお、吸着工程において、被処理水性状が変動して被処理水中のフッ素イオン濃度が高くなった場合は、上記に説明した返送工程を行ってもよい。
調整工程は、吸着工程の後、フッ素吸着剤を脱着・再生処理して、次の吸着工程でフッ素吸着処理を行う前に行うものであってもよい。この場合、第2実施態様に係る水処理方法は、吸着工程の後に、吸着塔にアルカリ溶液を導入し、フッ素吸着剤からフッ素イオンを脱着させる脱着工程と、脱着工程の後に、吸着塔に酸溶液を導入する酸処理工程とをさらに有し、酸処理工程の後に調整工程を行い、その後再び吸着工程を行うものとなる。このように吸着工程の後に脱着工程と酸処理工程を設けることにより、フッ素吸着剤を繰り返し使用できるようになる。
脱着工程では、吸着工程でフッ素イオンを吸着した吸着剤をアルカリ溶液と接触させる。これにより、フッ素イオンが吸着剤から脱着して、フッ素イオンを含有する脱離液が得られる。このようにして得られた脱離液は、被処理水よりもフッ素イオンを濃縮することができ、しかも高純度のフッ素イオン含有液となるため、フッ素の効率的な回収が可能となる。
アルカリ溶液としては、アルカリ金属水酸化物の溶液を用いることが好ましい。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等を用いることができ、これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、アルカリ金属水酸化物としては、コスト面から水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
脱着工程で用いるアルカリ溶液は、水酸化物イオン濃度が高いほどフッ素イオンを高濃度に含む脱離液が得られることから、ある程度高い水酸化物イオン濃度を有するアルカリ溶液を使用することが好ましい。アルカリ溶液の水酸化物イオン濃度は、例えば0.05mol/L以上が好ましく、0.1mol/L以上がより好ましく、0.2mol/L以上がさらに好ましい。一方、アルカリ溶液の取り扱い性や設備仕様への影響を考慮すると、アルカリ溶液の水酸化物イオン濃度は3mol/L以下が好ましく、1mol/L以下がより好ましい。
脱着工程でフッ素イオンを脱着させた吸着剤は、次に酸処理工程で酸溶液と接触させることにより、再びフッ素吸着剤として使用することができる。このときの酸としては、塩酸や硫酸を用いることが好ましい。酸溶液のpHは、例えば1.3以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、また2.0未満が好ましく、1.8以下がより好ましい。なお、酸処理工程の前に、脱着工程でフッ素イオンを脱着させた吸着剤を水洗してもよい。また、酸処理工程の後に、吸着剤を水洗してもよい。
酸処理工程の後に上記に説明した調整工程を行う。酸処理工程で酸溶液と接触させた後に水洗した場合は、この水洗の後で調整工程を行う。このようにフッ素吸着剤を再生処理した後に調整工程を行い、その後再び吸着工程を行うことで、再び行う吸着工程において、初期段階からフッ素イオン濃度が十分に低減された処理水が得られるようになる。
なお、上記に説明した調整工程は、フッ素吸着剤により最初に吸着工程を行う前や、フッ素吸着剤を再生処理後、最初に吸着工程を行う前に行うことが有効である。従って、吸着工程を一旦中断して、その後再び吸着工程を再開するような場合には、再開した吸着工程の前に調整工程を行わなくてもよい。
次に、本発明の水処理方法で用いるシステム構成例について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、図面に示した実施態様に限定されるものではない。
図1に示した水処理システムは、フッ素吸着剤が充填された吸着塔11と、吸着塔11の入側に連通し、被処理水1が供給される被処理水流路21を有している。吸着塔11に導入される被処理水1は、少なくともフッ素イオンと硫酸イオンを含有し、フッ素イオン濃度が例えば50mg/L以上、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上となっている。被処理水1を吸着塔11に導入してフッ素吸着剤と接触させることにより、フッ素イオン濃度が低減された処理水2が得られる。処理水2は、吸着塔11の出側に連通して設けられた処理水流路22を通して得られる。被処理水1は硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上となっているため、硫酸イオンの緩衝効果によって、フッ素イオンの吸着に伴うpH上昇を抑えることができ、より多くのフッ素イオンを吸着除去することが可能となる。
しかしながら、被処理水1の性状が変動してフッ素イオン濃度が高くなった場合には、処理水2のフッ素イオン濃度が十分に低減しないことが起こりうる。そのような場合には、吸着塔11の出側と吸着塔11の入側とに連通して設けられた返送流路23を通して処理水2の一部を被処理水1に加える。これにより、被処理水1の硫酸イオン濃度を大きく下げることなく、フッ素イオン濃度のみを下げることが可能となる。その結果、吸着塔11に導入される被処理水1のpH緩衝能力が大きく低下せず、フッ素濃度の低減された処理水2を容易に得ることができる。また、被処理水1の希釈倍率を低く設定することができるため、処理水2を加える前の被処理水1(すなわち原水)の処理量も確保することができる。
吸着塔11の前には、被処理水1のpHを調整するためのpH調整手段12が設けられることが好ましい。pH調整手段12としては、酸やアルカリを添加する薬注ポンプ等が挙げられる。酸やアルカリは被処理水流路21の配管内に供給してもよく、被処理水流路21にpH調整槽を設けて、pH調整槽で酸やアルカリを供給してもよい。この際、被処理水1のpHを測定しながら酸やアルカリを供給することが好ましい。被処理水1のpHを吸着に好適な範囲に調整することにより、被処理水1を吸着塔11に導入した際にフッ素イオンを効率的に吸着除去できるようになる。
フッ素イオンを吸着した吸着剤は、アルカリ溶液と接触させることにより、吸着剤からフッ素イオンを脱着させることができる。従って、吸着塔11の入側には薬液流路24が連通して設けられることが好ましい。吸着塔11の出側には、吸着剤と接触したアルカリ溶液すなわち脱離液3を排出する廃液流路25が連通して設けられることが好ましい。なお、図1では、薬液流路24が吸着塔11の入側に直接接続しているが、被処理水流路21に接続するものであってもよい。薬液流路24からアルカリ溶液を供給する際には、吸着塔11への被処理水1の供給を止め、吸着塔11から廃液流路25を通って排出された脱離液3を回収する。
フッ素イオンを脱着した吸着剤は、酸溶液と接触させることにより再生され、再びフッ素吸着剤として使用することができる。図1では、薬液流路24から酸溶液を供給することができ、吸着剤と接触した酸溶液すなわち酸洗浄廃液4が廃液流路25を通して排出される。なお、酸溶液はアルカリ溶液とは異なる流路を通して吸着塔11に供給されてもよく、酸洗浄廃液は脱離液とは異なる流路を通して吸着塔11から排出されてもよい。また、吸着塔11への酸溶液の供給に先立って、吸着塔11に水を供給して、吸着塔11内のアルカリ溶液を洗い流してもよい。
酸溶液との接触により再生した吸着剤は、再び被処理水1のフッ素イオン吸着除去に使用することができるが、被処理水1の吸着塔11への導入に先立って、先の吸着処理で得られた処理水2を吸着塔11に導入することが好ましい。これにより、吸着塔11から排出される処理水2が、排出初期段階から十分にフッ素濃度が低減されたものとなる。なお、処理水2の代わりに、硫酸塩水溶液などを用いることも可能である。また、酸溶液との接触後、処理水2等の導入前に、吸着塔11に水を供給して、吸着塔11内の酸溶液を洗い流すことも好ましい。
本発明の水処理システムの他の例について、図2および図3を参照して説明する。なお下記の説明において、図1と重複する部分は説明を省く。
図2に示した構成例では、吸着塔として第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bが並列して設けられ、第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bのそれぞれに被処理水流路21と処理水流路22と返送流路23と薬液流路24と廃液流路25が設けられている。図2に示した構成例によれば、第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bのそれぞれで吸着工程と脱着・酸洗浄工程(あるいはさらに調整工程)を行うことができる。そのため、第1吸着塔11Aで吸着処理を行うのと同時に第2吸着塔11Bで脱着・再生処理を行うことができ、またその逆も可能となるため、被処理水の連続的な吸着処理が可能となる。
図3には、吸着塔が多段に直列接続された構成例を示した。図3では、吸着塔として第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bが設けられ、第1吸着塔11Aの出側と第2吸着塔11Bの入側に連通して直列接続流路26が設けられ、これにより第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bが直列接続できるようになっている。この場合、被処理水1は被処理水流路21を通ってまず第1吸着塔11Aに導入され、第1吸着塔11Aからの流出水が直列接続流路26を通って第2吸着塔11Bに導入され、第2吸着塔11Bの出側に連通して設けられた処理水流路22を通って処理水2が得られる。図3では、第2吸着塔11Bの出側と第1吸着塔11Aの入側に連通してさらに直列接続流路27が設けられており、これにより第2吸着塔11Bと第1吸着塔11Aが直列接続できるようになっている。この場合、被処理水1は被処理水流路21を通ってまず第2吸着塔11Bに導入され、第2吸着塔11Bからの流出水が直列接続流路27を通って第1吸着塔11Aに導入され、第1吸着塔11Aの出側に連通して設けられた処理水流路22を通って処理水2が得られる。図3に示した構成例では、被処理水1を第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bに導入する順序を、第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bに充填された吸着剤のフッ素吸着量に応じて、適宜変更することができる。
図3に示した構成例では、次のように各吸着塔で吸着工程と脱着工程と酸処理工程を行うことで、吸着塔の脱着・再生処理頻度を減らして、被処理水からの効率的なフッ素イオン除去が可能となる。すなわち、次の(1)~(4)のステージを順に行うことで、第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bで吸着工程と脱着工程と酸処理工程の各工程を行うことが好ましい。(1)第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bをこの順で直列接続し、被処理水1を第1吸着塔11Aと第2吸着塔11Bに順次導入して吸着工程を行う。(2)脱着工程と酸処理工程を第1吸着塔11Aで行うとともに、第2吸着塔11Bに被処理水1を導入して吸着工程を行う。(3)第2吸着塔11Bと第1吸着塔11Aをこの順で直列接続し、被処理水1を第2吸着塔11Bと第1吸着塔11Aに順次導入して吸着工程を行う。(4)脱着工程と酸処理工程を第2吸着塔11Bで行うとともに、第1吸着塔11Aに被処理水1を導入して吸着工程を行う。これらの(1)~(4)のステージは繰り返し行うことができ、すなわち(4)のステージが終わったら次に(1)のステージに戻ることができる。また、酸処理工程の後に上記に説明した調整工程を行ってもよい。もちろん、吸着工程の際に上記に説明した返送工程を行うこともできる。
(1)のステージでは、主に第1吸着塔11Aで被処理水1中のフッ素イオンを除去し、第2吸着塔11Bは、第1吸着塔11Aで被処理水中1のフッ素イオンが十分に吸着除去できない場合にフッ素イオンを吸着除去するために設けられる。例えば(1)のステージの初期は、第1吸着塔11Aからの流出水中のフッ素イオン濃度が十分に低く、第2吸着塔11Bは被処理水1中のフッ素イオンの除去にほとんど寄与しないが、(1)のステージの進行に伴い、第1吸着塔11Aからの流出水のフッ素イオン濃度が徐々に増え、第2吸着塔11Bが徐々にフッ素イオン除去に寄与するようになる。(1)のステージでは、第1吸着塔11Aからの流出水フッ素イオン濃度が高くなっても、吸着処理を継続することができ、これにより、第1吸着塔11Aの吸着剤にフッ素イオンをより多く吸着させることができる。
(1)のステージで第1吸着塔11Aからの流出水フッ素イオン濃度がある程度高くなり、かつ、第2吸着塔11Bの吸着容量が十分に残っている状態(具体的には、第2吸着塔11B単独で被処理水1のフッ素イオンを十分に吸着除去できる状態)で、(2)のステージに移行する。(2)のステージでは、十分にフッ素イオンを吸着した第1吸着塔11Aの吸着剤の脱着・再生処理を行うとともに、第2吸着塔11B単独で被処理水1の吸着処理を行う。
(2)のステージで第1吸着塔11Aの脱着・再生処理が終わったら、次に(3)のステージに移行する。(3)のステージでは、第2吸着塔11Bと第1吸着塔11Aをこの順で直列接続し、主に第2吸着塔11Bで被処理水1中のフッ素イオンを除去する。脱着・再生した第1吸着塔11Aは、第2吸着塔11Bで被処理水中1のフッ素イオンが十分に吸着除去できない場合にフッ素イオンを吸着除去するために設けられる。(3)のステージでは、ステージの進行に伴い第2吸着塔11Bからの流出水フッ素イオン濃度が徐々に増えるが、第2吸着塔11Bの後段(下流側)に第1吸着塔11Aを設けることで、第2吸着塔11Bからの流出水フッ素イオン濃度が高くなっても吸着処理を継続することができる。これにより、第2吸着塔11Bの吸着剤にフッ素イオンをより多く吸着させることができる。
(3)のステージで第2吸着塔11Bからの流出水フッ素イオン濃度がある程度高くなり、かつ、第1吸着塔11Aの吸着容量が十分に残っている状態(具体的には、第1吸着塔11A単独で被処理水1のフッ素イオンを十分に吸着除去できる状態)で、(4)のステージに移行する。(4)のステージでは、十分にフッ素イオンを吸着した第2吸着塔11Bの吸着剤の脱着・再生処理を行うとともに、第1吸着塔11A単独で被処理水1の吸着処理を行う。
上記のように(1)~(4)のステージを繰り返し行うことで、吸着塔に充填された吸着剤の脱着・再生処理頻度を減らして、被処理水からの効率的なフッ素イオン除去が可能となる。吸着剤の脱着・再生処理頻度の減少は、吸着剤の長寿命化にも繋がり、これにより処理コストの低減を図ることができる。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(処理例1)
排煙脱硫排水を適宜希釈するとともにフッ化ナトリウムと硫酸ナトリウムを適宜添加し、pH調整することにより、フッ素イオン濃度100mg/L、硫酸イオン濃度10,000mg/L、pH3.3の被処理水を調製した。この被処理水を、セリウム系フッ素吸着剤が充填された吸着塔に空間速度(SV)20hr-1で導入し、吸着工程を行った。なお、被処理水の導入前に、フッ素イオン濃度3mg/L未満、硫酸イオン濃度10,000mg/L、pH3.3のバッファー溶液を、吸着塔に充填したフッ素吸着剤の見かけ体積の5倍量吸着塔に導入し、調整工程を行った。吸着工程において、吸着塔から排出された処理水を30分ごとに採取し、イオンクロマトグラフィーにより処理水のフッ素イオン濃度を測定した。フッ素イオン濃度100mg/Lの被処理水を吸着塔に導入して吸着処理を90分間継続したところ、処理水のフッ素イオン濃度は3mg/L以下を維持した。またこの処理水の硫酸イオン濃度は、被処理水の硫酸イオン濃度とほぼ同じであった。ここで得られた処理水を、返送工程で用いる希釈水としてとっておいた。
次いで、吸着塔に導入する被処理水のフッ素イオン濃度を165mg/Lに上げ(ただし、硫酸イオン濃度とpHはほぼ変わらない)、吸着処理を90分間行ったところ、処理水フッ素イオン濃度が最高44mg/Lまで上がった。そこで、先に得られたフッ素イオン濃度3mg/L以下の処理水を被処理水に加えて1.5倍希釈し、被処理水のフッ素イオン濃度を約110mg/Lとし、吸着処理を行ったところ、処理水フッ素イオン濃度は約5mg/Lまで下がり、環境省の一律排水基準が定める海域以外の公共用水域に排出される排水のフッ素濃度8mg/L以下をクリアすることができた。
(処理例2)
処理例1において、フッ素イオン濃度165mg/Lの被処理水に加える希釈水として、フッ素イオン濃度3mg/L以下の処理水を用いる代わりに、水を用いた以外は、処理例1と同様に吸着処理を行った。水は、処理例1と同様に、1.5倍希釈となるように加えた。この条件で吸着処理を90分間行ったが、処理水フッ素イオン濃度は約25mg/Lまでしか下がらなかった。
(処理例3)
処理例1において、フッ素イオン濃度165mg/Lの被処理水に加える希釈水として、フッ素イオン濃度3mg/L以下の処理水を用いる代わりに、水を用いた以外は、処理例1と同様に吸着処理を行った。水は3.5倍希釈となるように加えた。この条件で吸着処理を行ったところ、処理水フッ素イオン濃度が約7mg/Lまで下がり、環境省の一律排水基準が定める海域以外の公共用水域に排出される排水のフッ素濃度8mg/L以下をクリアしたが、被処理水の処理量が大幅に増加した。
(処理例4)
排煙脱硫排水を適宜希釈するとともにフッ化ナトリウムと硫酸ナトリウムを適宜添加し、pH調整することにより、フッ素イオン濃度90mg/L、硫酸イオン濃度48,000mg/L、pH2.8の被処理水を調製した。この被処理水を、セリウム系フッ素吸着剤が充填された吸着塔に空間速度(SV)20hr-1で導入し、吸着工程を行った。なお、吸着剤は再生処理した直後のものを使用し、被処理水の導入前に、事前に採取しておいた排煙脱硫排水をフッ素吸着剤で吸着処理した処理水(フッ素イオン濃度3mg/L未満、硫酸イオン濃度48,000mg/L、pH3.0)を、バッファー溶液として、吸着塔に充填したフッ素吸着剤の見かけ体積の5倍量吸着塔に導入し、調整工程を行った。吸着工程において、吸着塔から排出された処理水を30分ごとに採取し、イオンクロマトグラフィーにより処理水のフッ素イオン濃度を測定した。被処理水を吸着塔に導入して吸着処理を3時間継続したところ、処理水のフッ素イオン濃度は3mg/L以下を維持した。
(処理例5)
処理例4において調整工程を行わなかったこと以外は、処理例4と同様に吸着処理を行った。その結果、処理水のフッ素イオン濃度は19mg/L~27mg/Lの範囲で推移した。
本発明は、石炭火力発電所、コークス工場、製鉄工場等の排煙脱硫排水の処理に用いることができる。
1:被処理水
2:処理水
3:脱離液
4:酸洗浄廃液
11:吸着塔、11A:第1吸着塔、11B:第2吸着塔
12:pH調整手段
21:被処理水流路
22:処理水流路
23:返送流路
24:薬液流路
25:廃液流路
26,27:直列接続流路

Claims (12)

  1. フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水を、アルミナ系吸着剤、フェライト鉄系吸着剤、ジルコニウム系吸着剤、セリウム系吸着剤から選ばれるフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入し、被処理水中のフッ素イオンの少なくとも一部が除去された処理水を得る吸着工程と、
    前記吸着塔の前段で、前記処理水の一部を前記被処理水に加える返送工程と
    前記吸着工程の後に、前記吸着塔にアルカリ溶液を導入し、前記フッ素吸着剤からフッ素イオンを脱着させる脱着工程とを有し、
    前記被処理水のフッ素イオン濃度が50mg/L以上、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。
  2. 前記被処理水に加える前記処理水のフッ素イオン濃度が20mg/L以下である請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記返送工程において、前記処理水が加えられた後の前記被処理水のフッ素イオン濃度が所定値以下になるように、前記処理水を加える量を調整する請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. フッ素イオンと硫酸イオンを含有する被処理水を、アルミナ系吸着剤、フェライト鉄系吸着剤、ジルコニウム系吸着剤、セリウム系吸着剤から選ばれるフッ素吸着剤が充填された吸着塔に導入し、被処理水中のフッ素イオンの少なくとも一部が除去された処理水を得る吸着工程と、
    前記吸着工程の前に、前記吸着塔にバッファー溶液を導入する調整工程と
    前記吸着工程の後に、前記吸着塔にアルカリ溶液を導入し、前記フッ素吸着剤からフッ素イオンを脱着させる脱着工程とを有し、
    前記吸着塔に導入される被処理水のフッ素イオン濃度が50mg/L以上、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であり、
    前記吸着塔に導入されるバッファー溶液のフッ素イオン濃度が20mg/L以下、硫酸イオン濃度が8,000mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。
  5. 前記バッファー溶液として、前記吸着工程で得られる処理水を用いる請求項4に記載の水処理方法。
  6. 記脱着工程の後に、前記吸着塔に酸溶液を導入する酸処理工程とをさらに有し、
    前記酸処理工程の後に前記調整工程を行い、その後再び前記吸着工程を行う請求項4または5に記載の水処理方法。
  7. 前記被処理水のフッ素イオン濃度が50mg/L以上150mg/L以下である請求項1~6のいずれか一項に記載の水処理方法。
  8. 前記吸着塔に導入される被処理水のpHを2.0~3.5に調整する請求項1~7のいずれか一項に記載の水処理方法。
  9. 前記吸着塔に導入される被処理水のpHを酸またはアルカリを添加することにより調整する請求項1~8のいずれか一項に記載の水処理方法。
  10. 前記フッ素吸着剤がセリウム系吸着剤である請求項1~9のいずれか一項に記載の水処理方法。
  11. 記脱着工程の後に、前記吸着塔に酸溶液を導入する酸処理工程とをさらに有し、
    前記吸着塔として第1吸着塔と第2吸着塔が設けられ、下記(1)~(4)を順に行うことで、第1吸着塔と第2吸着塔で各工程を行う請求項1~9のいずれか一項に記載の水処理方法。
    (1)第1吸着塔と第2吸着塔をこの順で直列接続し、被処理水を第1吸着塔と第2吸着塔に順次導入して吸着工程を行う
    (2)脱着工程と酸処理工程を第1吸着塔で行うとともに、第2吸着塔に被処理水を導入して吸着工程を行う
    (3)第2吸着塔と第1吸着塔をこの順で直列接続し、被処理水を第2吸着塔と第1吸着塔に順次導入して吸着工程を行う
    (4)脱着工程と酸処理工程を第2吸着塔で行うとともに、第1吸着塔に被処理水を導入して吸着工程を行う
  12. 前記被処理水が、排煙脱硫設備から排出される排煙脱硫排水である請求項1~11のいずれか一項に記載の水処理方法。
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