JP2006314957A - フッ素吸着剤を用いた水中のフッ素除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水中のフッ素除去方法
【解決手段】 フッ素吸着剤が充填された吸着塔にフッ素含有被処理水を通水し、吸着塔で被処理水中のフッ素を吸着除去して、フッ素が低減された処理水を生じさせる水中のフッ素除去方法において、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下に調整することを特徴とする、水中のフッ素除去方法。該方法により、吸着塔でのフッ素吸着除去処理に使用されるフッ素吸着剤の劣化を顕著に抑制することができ、水中のフッ素除去方法においてランニングコストを大幅に低減させることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フッ素吸着剤を用いた水中のフッ素除去方法に関する。
フッ素は、アルミニウム電解精錬工程、リン酸肥料製造工程、半導体製造工程、ガラス製造工程などから排出される排水中に含まれる。これら排水からフッ素を除去する方法としては、従来より、カルシウムイオン添加によるフッ化カルシウム形成によって除去する方法や、アルミ系無機凝集剤を使った凝集方法、およびこれらの方法を組み合わせた処理方法、並びにフッ化カルシウム形成による晶析法(特許文献1参照)、炭酸カルシウム充填塔に通水する方法(特許文献2参照)などが行われてきた。しかし、排水規制の強化により、これらの方法では目標とする処理水水質(フッ素の排水基準値(暫定基準値)は8mg・F/L以下)を満足させることは困難であることから、活性アルミナ、ジルコニウム系吸着剤、セリウム系吸着剤をはじめとするフッ素吸着剤によりフッ素を吸着除去する方法が提案されている。
特開昭60−206485号公報 特許第3227760号公報
しかし、本発明者らがフッ素吸着剤を用いて、水中のフッ素吸着除去処理を行ったところ、被処理水中のフッ素濃度が高くなると、フッ素吸着剤の劣化の程度が顕著になることを見出した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フッ素吸着剤が充填された吸着塔に通水される被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは、10mg・F/L以下にすることにより、吸着塔でのフッ素の吸着除去処理におけるフッ素吸着剤の劣化が低減された、水中のフッ素除去方法を提供することを目的とする。
本発明は1態様として、フッ素吸着剤が充填された吸着塔にフッ素含有被処理水を通水し、吸着塔で被処理水中のフッ素を吸着除去して、フッ素が低減された処理水を生じさせる水中のフッ素除去方法において、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下に調整することを特徴とする、水中のフッ素除去方法を提供する。
本発明は他の態様として、吸着塔でフッ素を吸着除去して生じる、フッ素が低減された処理水をフッ素含有被処理水と混合することにより、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下に調整する、前記水中のフッ素除去方法を提供する。
本発明は他の態様として、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度が、i)フッ素放出基準値よりも高い場合にはフッ素含有被処理水の一部または全部が吸着塔に通水され、ii)フッ素放出基準値以下の場合にはフッ素含有被処理水の少なくとも一部は吸着塔に通水されずに処理水として系外に放出されることをさらに含む、前記水中のフッ素除去方法を提供する。
本発明は他の態様として、通水時の吸着塔内のpHを3〜5にすることを特徴とする、前記水中のフッ素除去方法を提供する。
本発明は、フッ素吸着剤を用いた水中のフッ素除去方法において、フッ素吸着剤が充填された吸着塔の入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下にすることにより、吸着塔でのフッ素吸着除去処理に使用されるフッ素吸着剤の劣化を顕著に抑制することができ、水中のフッ素除去方法においてランニングコストを大幅に低減できるという有利な効果を有する。また、本発明は、フッ素吸着剤が充填された吸着塔の入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を10mg・F/L以下にすることにより、フッ素濃度が15mg・F/Lの場合と比較して、フッ素吸着剤の劣化をさらに2倍以上抑制でき、水中のフッ素除去方法においてランニングコストをさらに大幅に低減できるという有利な効果を有する。
また、吸着塔でフッ素を吸着除去して生じるフッ素が低減された処理水の一部または全部をフッ素含有被処理水と混合して、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下にする本発明の態様は、既存のフッ素除去設備において、被処理水希釈槽などの希釈設備などの大がかりな設備を新たに設ける必要なしに、処理水循環用配管の増設など簡易な設備増設により達成できるので、設備構築という点でコストを抑制できるという有利な効果を有する。
また、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度が、フッ素放出基準値より高い場合にはフッ素含有被処理水は吸着塔に通水され、フッ素放出基準値以下の場合には、フッ素含有被処理水の少なくとも一部、好ましくは全部は吸着塔に通水されず、処理水として系外に放出される本発明の態様においては、フッ素含有被処理水の少なくとも一部は吸着塔に通水されなくても良いので、フッ素吸着塔へのフッ素負荷量を低減でき、これによりフッ素吸着剤の寿命が長くなり、フッ素吸着塔のランニングコストを低減できるという有利な効果を有する。
さらに、通水時の吸着塔内のpHを3〜5にする本発明の態様においては、吸着塔におけるフッ素吸着除去効率を向上させることができるという有利な効果を有する。
本発明は、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度、言い換えると吸着塔のフッ素吸着剤に通水される段階でのフッ素含有被処理水のフッ素濃度が15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下である点に特徴を有している。
本発明においては、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水の濃度が上記範囲にあるのであれば、吸着塔入口以前の段階におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度は特に限定されるものではない。また、フッ素含有被処理水はフッ素を含んでいれば良く、フッ素以外の任意の他の成分を任意の量で含んでいても良い。また、フッ素含有被処理水は如何なる由来からのものであっても良い。例えば、フッ素含有被処理水は、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、アルミニウム工業、リン酸肥料製造工程などから排出されるフッ素含有排水、これらの排水に対して凝集沈殿処理など、何らかの処理を行って得られる処理水などに由来するものであって良いが、これらに限定されるものではない。
本発明において、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下に調整する方法としては、水中のフッ素濃度を調節する技術分野における任意の公知の方法を使用することができ、特に限定されるものではない。一例を挙げると、15mg・F/L、または10mg・F/Lより高いフッ素濃度の被処理水を希釈水と混合することにより、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を所定の濃度以下に調整することが可能である。ここで、希釈水としては、純水、市水などフッ素を含有しないか、実質的に含有しない水を使用しても良い。また、希釈水として、前記所定の吸着塔入口のフッ素濃度より低い濃度でフッ素を含む水、例えば、本発明の方法により得られるフッ素が低減された処理水、また他の任意の方法により得られるフッ素が低減された処理水を使用しても良い。さらに、任意の系から排出される排水、原水のフッ素濃度が、吸着塔入口の前記所定のフッ素濃度より低い場合には、当該排水、原水を希釈水として使用することも可能である。また、吸着塔入口におけるフッ素濃度の調整においては、上述した複数の希釈水を組み合わせて使用することも可能である。
本発明の好ましい1態様は、吸着塔でフッ素を吸着除去して生じる、フッ素が低減された処理水をフッ素含有被処理水と混合することにより、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下に調整する態様である。この態様は、既存のフッ素除去設備において、被処理水希釈槽などの希釈設備などの大がかりな設備を新たに設ける必要なしに、処理水循環用配管の増設など簡易な設備増設により達成できるので、設備構築という点でコストを抑制できるという有利な効果を有する。
フッ素含有被処理水を希釈水と混合する場合には、適切にフッ素含有被処理水のフッ素濃度が調整されるのであれば、混合の態様は特に限定されるものではない。例えば、フッ素含有被処理水が原水槽に貯留される場合には、当該原水槽に希釈水を供給し、原水槽で混合を行い、原水槽内でフッ素濃度の調整を行う態様であっても良いし、フッ素吸着塔へのフッ素含有被処理水の供給ラインに希釈水を供給する希釈水供給ラインを接続することにより、ライン上で混合を行い、フッ素含有被処理水のフッ素濃度を調整することも可能である。また、吸着塔のフッ素吸着剤にフッ素含有被処理水が供給される直前に、希釈水との混合が行われ、フッ素濃度の調整を行うような態様も可能である。
フッ素濃度の調整は、フッ素濃度計などを使用して、吸着塔入口でのフッ素含有被処理水中のフッ素濃度を測定することにより行うことが可能である。フッ素濃度計の設置場所としては、吸着塔入口でのフッ素含有被処理水中のフッ素濃度を測定できるのであれば特に限定されるものではない。例えば、原水槽で被処理水と希釈水との混合が行われ、原水槽から吸着塔入口までの間にフッ素濃度に実質的に影響を及ぼすものがない態様においては、原水槽にフッ素濃度計を設置することができる。また、フッ素含有被処理水の供給ラインにおいて希釈水との混合が行われ、混合点から吸着塔入口までの間にフッ素濃度に実質的に影響を及ぼすものがない場合には、当該混合点から吸着塔入口までの間のライン上にフッ素濃度計を設置することができる。
本発明において処理されるフッ素含有被処理水が希釈をしなくても所定のフッ素濃度値、例えば、15mg・F/L、または10mg・F/L以下の場合(すなわち、本発明において処理される原水中のフッ素濃度が上記値以下の場合)には、上述したような希釈水との混合を行うことなく、原水をそのままフッ素含有被処理水として吸着塔に通水することができる。
本発明のさらなる態様においては、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度が、i)フッ素放出基準値よりも高い場合にはフッ素含有被処理水の一部または全部が吸着塔に通水され、ii)フッ素放出基準値以下の場合にはフッ素含有被処理水の少なくとも一部、好ましくは全部は吸着塔に通水されずに処理水として系外に放出される。この態様においては、フッ素含有被処理水の少なくとも一部は吸着塔に通水されなくても良いので、フッ素吸着塔へのフッ素負荷量を低減でき、これによりフッ素吸着剤の寿命が長くなり、フッ素吸着塔のランニングコストを低減できるという有利な効果を有する。
この態様における「フッ素放出基準値」は、被処理水を吸着塔に通水するかまたは系外に出すかを決定するための、本発明を実施するものが任意に設定できるフッ素濃度値であり、好ましくは、8mg・F/L、より好ましくは、7mg・F/L、さらにより好ましくは、5mg・F/Lである。ここで使用される「放出」とは、当該フッ素除去方法を行う系以外の任意の場所、後段の処理系へ出すことを意味するのであり、単に河川、海など環境中への放出に限られるものではない。すなわち、系外に放出とは、当該系の後段の何らかの処理系に送水されることも包含する。
本発明の水中のフッ素除去方法は、フッ素吸着剤が充填された吸着塔にフッ素含有被処理水を通水する工程を含む。本発明における吸着塔は、フッ素含有被処理水とフッ素吸着剤とを接触させ、フッ素含有被処理水中に含まれるフッ素をフッ素吸着剤に吸着させることができるのであれば、任意の公知の塔を使用することができ、その形状、大きさ、材質などは特に限定されるものではない。また、吸着塔とは、その名称に限定されるものではなく、フッ素含有被処理水中に含まれるフッ素をフッ素吸着剤に吸着させることができる反応槽、反応容器なども包含する。また、本発明においては、吸着塔にはフッ素吸着剤が充填されるが、フッ素吸着剤の充填方法、充填量は特に限定されるものではない。
吸着塔へのフッ素含有被処理水の通水方法としては任意の態様が可能であり、上向流および下向流のいずれであっても良いが、好ましくは上向流である。また、通水の態様は、固定床および流動床のいずれであっても良いが、流動床であるのが好ましい。吸着塔内でフッ素吸着剤を流動させる態様は特に限定されるものではないが、例えば、吸着塔下部からフッ素含有被処理水を上向流で導入して流動状態にする態様、撹拌機により吸着塔内を撹拌する態様などが挙げられる。上向流を用いて流動させる場合の通水LVは、特に限定されるものではないが、フッ素吸着剤が確実に流動し、かつフッ素のリークが起きないLVが好ましく、例えば、LV30〜50が挙げられる。
流動床を採用することによる有利な効果としては、以下のことが挙げられる。流動床は固定床と比較して、吸着塔内pH分布が均一になる。流動床は固定床と比較して、フッ素吸着剤を構成する金属元素の溶出を抑制、防止でき、フッ素吸着剤の劣化を抑制、防止できる。流動床は固定床と比較して、フッ素吸着剤の再生効率を向上させることができる。フッ素含有被処理水の通水時に、固定床では吸着塔入口付近のフッ素吸着剤が塔内下部のフッ素吸着剤と比較して、常時、フッ素濃度がより高い水に暴露されるため、その部分の劣化が激しくなるが、流動床ではそのようなことがない。フッ素含有被処理水の通水時、固定床では吸着塔入口付近のフッ素吸着剤と出口付近のフッ素吸着剤でフッ素吸着量に大きな差が生じるが、流動床ではそのようなことがない。フッ素含有被処理水の通水時、固定床では吸着塔入口付近のフッ素吸着剤が溶出し、それが後段で析出する現象が起きやすいが、流動床ではそのようなことがない。フッ素吸着剤をアルカリ再生する際に、流動床では層内全体のpHが即座に高くなるため、フッ素吸着剤の劣化が大きく減少する。フッ素吸着剤を酸で活性化する際に、流動床では層内全体のpHが即座に低くなるため、フッ素吸着剤の劣化が大きく減少する。
本発明においては、吸着塔内で、フッ素含有被処理水中のフッ素がフッ素吸着剤に吸着され、これにより被処理水中のフッ素が吸着除去され、フッ素が低減された処理水が得られる。本発明の方法においては、処理水中のフッ素濃度は、好ましくは、8mgF/L以下、より好ましくは、3mgF/L以下、さらにより好ましくは、1mgF/L以下まで低減可能である。
本発明のさらなる態様は、水中のフッ素除去方法において、吸着塔内のpHを3〜5の範囲に維持することを特徴とする。この態様においては、吸着塔内のpHを3〜5にすることにより、フッ素吸着剤にフッ素が吸着した際のOHイオンの放出による吸着塔内pHの上昇に起因するフッ素吸着能の低下を防止することが可能となる。本発明において使用されるフッ素吸着剤のフッ素吸着能の低下、およびそれに伴うフッ素吸着剤使用量の増加を防止するという観点から、吸着塔内はpH5以下であるのが好ましく、より好ましくは、pH4以下である。また、被処理水中のフッ酸によるフッ素吸着剤へのアタックに起因する、フッ素吸着剤の劣化を防止するとの観点から、吸着塔内はpH3以上であるのが好ましい。
吸着塔内のpHを維持する方法としては、本発明の目的に反しない限りは、任意の公知の方法が可能である。好ましくは、吸着塔内のpHの維持は、処理水のpHおよび/または吸着塔内のpHに応じて、pH調整剤をフッ素含有被処理水または吸着塔内に添加することにより行われる。処理水のpH、吸着塔内のpHは、pHメーターなど任意の公知の手段により測定可能であり、特に限定されるものではない。吸着塔内のpHが測定される場合には、吸着塔内であればpHの測定点は特に限定されるものではないが、固定床のように吸着塔内でpHが異なる可能性のある場合には、pHの測定点は吸着塔内のほぼ中央部より下流側、より好ましくは、吸着塔から処理水が排出される出口付近である。また、流動床のように吸着塔内でpHがほぼ均一であるような場合には、pHの測定点は特に限定されるものではない。また、pHの測定は、1箇所のpHを測定するものであっても良いし、複数箇所のpHを測定するものであっても良い。また、処理水のpHおよび吸着塔内のpHの両方を測定するような態様も可能である。
本発明の1態様においては、上述のように測定されたpHに応じて、pH調整剤がフッ素含有被処理水および/または吸着塔内に添加され、吸着塔内のpHが所定の範囲に維持される。測定されたpHに応じたpH調整剤の添加は、任意の公知の方法で行うことができ、例えば、測定されたpHが所定の範囲からはずれると、pH調整剤をフッ素含有被処理水および/または吸着塔内に添加し、測定されるpHが所定の範囲に戻ったことを確認してpH調整剤の添加を停止する態様が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、このようなpHの調整は自動的に行われるような態様であっても良いし、手動で行われる態様であっても良い。
pHを調整するためのpH調整剤としては、吸着塔内のpHを3〜5の範囲に調整できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、硫酸、硝酸、塩酸等任意の酸、水酸化ナトリウムなどの塩基が挙げられる。好ましくは、酸としては、塩酸であり、塩基としては、水酸化ナトリウムである。
本発明の方法に使用されるフッ素吸着剤は、フッ素含有被処理水中のフッ素を吸着することができ、特に、フッ素を特異的に吸着することができる吸着剤である。該フッ素吸着剤は、フッ素を吸着できるものであれば、任意の材質から構成されることができ、例えば、金属元素を金属として、および/または金属酸化物などの化合物として、母体上に吸着または担持した吸着剤であっても良く、この場合にフッ素吸着剤に含まれる金属元素としては、フッ素を吸着できる金属元素であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、鉄、アルミニウム、並びに、セリウム等のランタノイド類が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、フッ素吸着剤の母体としては、上記金属元素を担持、吸着等できるものであれば特に限定されるものではない。
理論に拘束されるのは望まないが、金属元素を含むフッ素吸着剤においては、含まれる金属および/または金属化合物等が被処理水中のフッ素と錯化化合物を形成することにより、フッ素を吸着するものと考えられている。フッ素吸着剤としては、任意の、市販のフッ素吸着剤を使用することができ、例えば、ジルコニウム系フッ素吸着剤をはじめとするIV族元素系フッ素吸着剤、セリウム系フッ素吸着剤、活性アルミナ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
IV族元素系フッ素吸着剤としては、特に限定されるものではないが、ジルコニウム系フッ素吸着剤が挙げられる。また、例えば、チタン、ジルコニウムおよびスズの含水亜鉄酸塩の少なくとも一種と、分子中に塩化ビニリデン単量体に由来するジクロロエチレン構造を有する重合体を含有する組成物を硬化させて得られる吸着剤;チタン、ジルコニウムおよびスズの含水亜鉄酸塩の少なくとも一種と、チタン、ジルコニウム、スズおよび鉄の水和酸化物の少なくとも一種と、分子中に塩化ビニリデン単量体に由来するジクロロエチレン構造を有する重合体を含有する組成物を硬化させて得られる吸着剤等が挙げられる。前記例示された吸着剤は、以下のように製造することができる。
チタン、ジルコニウムおよびスズの少なくとも1種の金属塩を溶解して調製した金属イオンを含有する溶液に、この溶液中に含まれる金属イオンに対して、約0.2〜11倍モルに相当する第1鉄塩を加えた後、アルカリを加え、液のpHを約6以上、好ましくは約7〜12に保持する。この後、必要ならば溶液の温度を約30〜100℃にした後、たとえば空気、酸素ガスまたはオゾンなどの酸化性ガスを吹き込むか、あるいは過酸化水素水などの酸化剤を加え、含水亜鉄酸塩の沈澱を生成させる。
生じた沈澱を濾別し、水洗した後乾燥する。乾燥は風乾するかもしくは約150℃以下、好ましくは約90℃以下で約1〜20時間程度乾燥する。乾燥後の含水率は、約6〜30重量%の範囲内に入ることが好ましい。
このようにして、チタン、ジルコニウムおよびスズの含水亜鉄酸塩の少なくとも1種またはそれとチタン、ジルコニウム、スズおよび鉄の水和酸化物の少なくとも1種との混合物が得られる。
更に具体的に説明すると、チタン、ジルコニウムおよびスズの含水亜鉄酸塩の少なくとも1種またはそれと鉄の水和酸化物との混合物は、前述の方法においてチタン、ジルコニウムおよびスズの少なくとも1種の金属塩を溶解して調製した金属イオンを含有する溶液に、この溶液中に含まれる金属イオンに対して約2〜11倍モルに相当する第1鉄塩を加える以外は前述の方法と同様にして製造される。
ここで鉄の水和酸化物とは、たとえばFeO、Fe、Feなどの鉄の酸化物の水和物(一水塩、二水塩、三水塩、四水塩など)をいう。含水亜鉄酸塩と鉄の水和酸化物との割合は、含水亜鉄酸塩含量が24〜100重量%、好ましくは50〜99重量%となる量である。
チタン、ジルコニウムおよびスズの含水亜鉄酸塩の少なくとも1種とチタン、ジルコニウムおよびスズの水和酸化物の少なくとも1種との混合物は、前述の方法においてチタン、ジルコニウムおよびスズの少なくとも1種の金属塩を溶解して調製した金属イオンを含有する溶液に、この溶液に含まれる金属イオンに対して約0.2倍モル以上、約2倍モル未満の範囲で第1鉄塩を加える以外は前述の方法と同様にして製造される。この場合、含水亜鉄酸塩含量は、20〜100重量%、好ましくは50〜99重量%の範囲である。
ここで、チタンの水和酸化物とは、一般式:
TiO・nHO(式中、nは0.5〜2.0の数である。)
で表されるものである。
具体的には、例えば、
TiO・HO(TiO(OH))、
TiO・2HO(Ti(OH))、
TiO・nHO(式中、nは1.5〜2.0の数である。)
などがあげられる。
ジルコニウムの水和酸化物とは、一般式:
ZrO・nHO(式中、nは0.5〜2.0の数である。)
で表されるものである。
具体的には、例えば、
ZrO・HO(ZrO(OH))、
ZrO・2HO(Zr(OH))、
ZrO・nHO(式中、nは1.5〜2.0の数である。)
などがあげられる。
スズの水和酸化物とは、一般式:
SnO・nHO(式中、nは0.5〜2.0の数である。)
で表されるものである。
具体的には、例えば
SnO・HO(SnO(OH))、
SnO・2HO(Sn(OH))、
SnO・nHO(式中、nは1.5〜2.0の数である。)
などがあげられる。
当該製造法において用いられるチタン、ジルコニウムあるいはスズの金属塩としては、たとえば四塩化チタン(TiCl)、硫酸チタン(Ti(SO)、硫酸チタニル(TiO(SO))、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl)、四塩化ジルコニウム(ZrCl)、硝酸ジルコニウム(Zr(NO)、硫酸ジルコニウム(Zr(SO)、酢酸ジルコニウム(Zr(CHCOO))、四塩化スズ(SnCl)、硝酸スズ(Sn(NO)、硫酸スズ(Sn(SO)などがあげられる。(これらは例えばZr(SO・4HOなどのように含水塩であってもよい。)これらの金属塩は通常、1リットル中に約0.05〜2.0モルの溶液状で用いられる。
第一鉄塩としては、たとえば硫酸第一鉄(FeSO)、硝酸第一鉄(Fe(NO)、塩化第一鉄(FeCl)などがあげられる。(これらもFeSO・7HOなどの含水塩であってもよい。)これらの第一鉄塩は通常、固形物で加えられるが、溶液状で加えてもよい。アルカリとしては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、炭酸ナトリウムなどがあげられる。これらは、通常約5〜20重量%の水溶液で用いられる。
酸化性ガスを吹き込む場合、その時間は、酸化性ガスの種類などによって異なるが、通常約1〜3時間程度である。酸化剤としては、たとえば過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどが用いられる。
含水亜鉄酸塩またはそれと水和酸化物との混合物の形状は如何なるものでもよいが、後述する樹脂との混合操作や吸着性能などの点で平均粒径が通常1〜500μm、好ましくは2〜250μm、さらに好ましくは3〜100μmのものが用いられる。
当該製造法において用いられる、分子中に塩化ビニリデン単量体に由来するジクロロエチレン構造を有する重合体としては、たとえば塩化ビニリデンの単独重合体や塩化ビニリデンと他の重合性単量体との共重合体などが挙げられる。本発明に用いられる塩化ビニリデンの単独重合体又は、塩化ビニリデン単量体を含む共重合体の平均重合度は、通常100〜100,000、好ましくは200〜50,000、さらに好ましくは500〜20,000である。
塩化ビニリデン共重合体における他の共重合性単量体としては、公知のものがいずれも使用できるが、たとえば、塩化ビニル、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテルなどのビニル化合物、アクロニトリル、アクリル酸、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどのアクリル化合物、メタクリル化合物などが代表例として挙げられる。これらの共重合性単量体は、任意に組み合わせて用いることができる。
塩化ビニリデンの単独重合、共重合反応は自体公知の方法で実施することができる。塩化ビニリデン共重合体を構成する塩化ビニリデン由来のジクロロエチレン構造〔−C(Cl)−CH−〕の含量は通常30〜99重量%、好ましくは50〜98重量%、さらに好ましくは60〜95重量%である。
当該吸着剤におけるジクロロエチレン構造を有する重合体の配合割合は、吸着剤に対し5〜50重量%、好ましくは7〜45重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。用いられる重合体は熱や光による劣化防止のための安定剤や酸化防止剤、紫外線吸収剤、成形時の成形性を高めるための助剤、可塑剤、帯電防止剤などとしてこれまで公知のものを必要に応じ適宜混合したものでもよい。重合体の性状は、固状やエマルジョン、サスペンジョン、スラリーなど固体や液体が液体媒体中に分散した形のものを含む液状など、どのような形態でもよく、上述の塩化ビニリデンやその他の共重合成分の一部が重合せずに単量体の状態で残留していたり、また必要に応じてそれらを加えたようなものでもよい。
当該製造法に用いられる金属の含水亜鉄酸塩またはそれと金属の水和酸化物と分子中に塩化ビニリデン由来のジクロロエチレン構造を有する重合体を混合する方法としてはたとえばラテックスを撹拌機のついた容器内で高速撹拌して混合する方法、練合機により回分式あるいは連続的に混合する方法、あるいは固体と液体を混合する場合に用いられる装置を用いて回分式あるいは連続的に混合する方法などが挙げられる。
この混合物、すなわち組成物は次いで硬化させる。硬化操作は通常、25〜120℃、好ましくは40〜110℃、特に好ましくは50〜90℃で行われ、硬化時間は10分〜50時間程度である。硬化物は必要ならばたとえばハンマーミル,ロールクラッシャーなどによって破砕した後、造粒してもよい。その場合、粒径は約0.1〜15mm、好ましくは約0.2〜10mm、最も好ましくは約0.3〜5mmである。また、混合物をたとえばスチールベルトコンベアーなどの装置上に連続的に円柱状に押し出し、スチールベルトコンベアー上で混合物が硬化するまでの滞留時間を保持した後、硬化した円柱状吸着剤を適度の長さに切断してもよい。また、混合物の小粒子を核として回型転動造粒機や遠心流動被覆造粒機などの造粒機を用いて、含水亜鉄酸塩などとラテックスを同時に供給して被覆造粒をおこない球形の吸着剤を製造してもよい。
この被覆造粒の際、本発明に用いられる金属の含水亜鉄酸塩またはそれと金属の水和酸化物の小粒子や、他の適当な物質の小粒子を核に用いて、含水亜鉄酸塩、金属の水和酸化物とラテックス、水を同時に供給し、核の周りを被覆して造粒を行ってもよい。このような核に用いる物質としては、特に限定されないが、水不溶性のものが良く、粘度鉱物、シリカ、アルミナ、ゼオライト、各種金属の酸化物やケイ酸塩類、活性炭、黒煙やカーボンブラックなどの炭素材、各種の樹脂成形体などが挙げられる。特に繰り返し再生を行う場合には、耐薬品性のものが好ましく、アルミナ、酸化ジリコニウム、ケイ酸ジリコニウム、酸化鉄、活性炭が特に好ましい。
核に用いる物質の粒子径は、目的とする球状吸着剤の粒子径に対して通常0.1〜0.9倍、好ましくは0.2〜0.8倍、最も好ましくは0.3〜0.7倍である。核は必ずしも球状である必要はなく、円柱状、立方体、破砕状のものなどとくに形状には限定されない。核の粒度が揃っているほど、容易に粒度の揃った球状吸着剤が得られる。従って粒径の揃った適当な核を選定することにより、効率的な造粒ができる。粉末のものの場合には、あらかじめ成形機を用いてある程度の大きさに成形しておき、それを破砕、必要ならば整粒や分級して用いても良い。もちろん本方法で造粒した粒子を、そのままあるいは破砕して核に用いることも可能である。また核となる物質を適宜選択することにより、球状吸着剤の比重をある程度制御することも可能である。
球状吸着剤製造の一例を挙げて説明する。まず、すでに説明した方法で含水亜鉄酸塩またはそれと金属の水和酸化物の粉末を製造する。次に核を回転している遠心流動被覆造粒機に投入する。塩化ビニリデンラテックスはあらかじめ所定の濃度に水で希釈しておく。この希釈率を変えることにより、吸着剤中のラテックス含有量を調整することができる。造粒機の回転を続けながら、製造した粉末の吸着剤とラテックス溶液を所定の量で、同時に供給していく。ラテックス溶液は噴霧ノズル、二流体ノズルなどで霧状にして供給すると、より均一に分散させることができる。このようにして核物質の周りに粉末とラテックスが被覆していき、球状の粒子に成長する。所定の粒径になれば粉体とラテックス溶液の供給を停止し、球状粒子を取り出す。取り出した球状粒子を室温から80℃で10分から24時間程度乾燥と、塩化ビニリデンは結晶化し、球状吸着剤の強度が増した耐酸、耐アルカリの球状吸着剤が得られる。
このようにして作った球状吸着剤は、カラムなどへ充填しやすく、また目詰まりが起こりにくい。また水洗浄も容易となるなど、利点が多い。球状吸着剤の粒径は通常0.1〜15.0mm、好ましくは0.2〜10.0mm、最も好ましくは0.3〜5.0mmである。この球状吸着剤は粒度が揃い、またカラムなどに充填して使用する場合目詰まりが起こりにくいという利点を有している。
セリウム系吸着剤としては、特に限定されるものではないが、水酸化セリウム(CeO・nHO)がポリマーに担持された吸着剤が挙げられる。ここで水酸化セリウムを担持するポリマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられる。吸着剤におけるセリウム担持量は特に限定されるものではないが、通常、0.1〜1.0kg/L、好ましくは、0.2〜0.8kg/L、より好ましくは、0.55〜0.75kg/Lである。吸着剤の粒径は特に限定されるものではないが、通常0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.8mm、最も好ましくは0.3〜0.5mmである。
活性アルミナとしては、Alにて表わされる多形を有するアルミナのうち、α形以外の全てのアルミナの成形体である、遷移アルミナ成形体が挙げられる。活性アルミナ成形体としては、高充填密度で、かつ大きなマクロ細孔容積を有し、高強度であるものが好ましい。遷移アルミナ成形体は、アルミナ成形体内部への分子拡散速度を大きくするために、成形体の細孔容積、特に細孔半径が0.1μm以上、とりわけ細孔半径が0.3μm以上のマクロ細孔の細孔容積(マクロ細孔容積)を大きくするのが望ましい。
大きなマクロ細孔容積を有する活性アルミナ成形体の製造法としては、特公平2−1767号公報に開示されるような、アルミニウム塩の中和によりゲルを析出し、これを洗浄・乾燥・成形・焼成する方法において析出条件を制御する方法;特開昭49−6006号公報に開示されるような、再水和しうるアルミナに繊維状燃焼性有機起孔剤を混合し、成形し、再水和した後、450ないし650℃の温度条件下で焼成する方法;特開平8−245281号公報に開示されるような、有機起孔剤として、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、結晶性セルロース、カーボンブラック等を使用する方法、及び本発明者らが開発したポリメタクリル酸エステルを起孔剤として使用し、低温で起孔剤を除去する方法などが挙げられる。
また、低コストのアルミナ成形体を得る方法としては、特公昭63−24932号公報により開示されるような、中心粒径が約1ないし35μmで粒径分布の四分偏差値が約1.5以下のバイヤー法ギブサイトより得られる再水和性アルミナを成形し、再水和して焼成することによりマクロ細孔容積が大で、かつ耐磨耗強度が優れた低密度活性アルミナ成形体を製造する方法が挙げられる。
高充填密度でマクロ細孔を有する活性アルミナ成形体は、任意の公知の方法で製造することが可能であり、例えば、特開2003−63854号公報に開示されるような方法によって製造することが可能である。具体的には、アルミナ粉体を水と混合して成形し、成形体を得る成形工程、前記成形体を湿潤雰囲気中または水中に保持して再水和し、再水和成形体とする再水和工程、および前記再水和成形体を焼成して活性アルミナ成形体とする焼成工程とを有し、前記アルミナ粉体が10〜35μm、重装嵩密度が1.05〜1.30g/cmであるギブサイト結晶水酸化アルミニウムを仮焼して得られる、少なくとも部分的に再水和性を有する再水和性アルミナであることを特徴とする。当該方法によって、マクロ細孔を有し、充填密度が0.65g/cm以上であり、前記マクロ細孔は細孔半径が0.3μm以上、マクロ細孔容積が0.05cm/g以上であり、耐圧強度が100daN/cm以上、BET比表面積が100m/g以上となる活性アルミナ成形体を得ることができる。
前記製造方法において使用されるギブサイト結晶水酸化アルミニウムは、工業的にはバイヤー工程から得られる三水酸化アルミニウムである。ギブサイト結晶水酸化アルミニウムについては異物を含まないものであれば、その純度は特に限定されるものでははなく、通常、NaO含有量が0.02〜1%程度のものを使用する。
また原料ギブサイト結晶水酸化アルミニウムは、中心粒径が通常10μm以上、また35μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下であるものを使用する。なお中心粒径の調整は、粉砕、分級などにより行うことができる。
使用するギブサイト結晶水酸化アルミニウムの中心粒径が10μm未満の場合、マクロ細孔が十分に形成されず、得られる活性アルミナ成形体の細孔半径0.3μm以上のマクロ細孔の細孔容積が0.05cm/g未満となる。またギブサイト結晶水酸化アルミニウムの中心粒径が35μmより大きくなると、得られる活性アルミナ成形体の耐磨耗強度が低下して好ましくない。
使用するギブサイト結晶水酸化アルミニウムは、重装嵩密度1.05〜1.30g/cmのものを使用する。
ギブサイト結晶水酸化アルミニウムの重装嵩密度が1.05g/cm未満の場合には、得られる活性アルミナ成形体の充填密度が0.65g/cm以下となり、目標の活性アルミナ成形体が得られない。またギブサイト結晶水酸化アルミニウムの重装嵩密度が1.30g/cmを超える場合、マクロ細孔が形成されず、得られる活性アルミナ成形は、細孔半径0.3μm以上の細孔の細孔容積が0.05cm/g以下のものとなる。
なおギブサイト結晶水酸化アルミニウムの重装嵩密度は付着水分が1%以下で測定された値である。
少なくとも部分的に再水和性を有する再水和性アルミナは、ギブサイト結晶水酸化アルミニウムを公知の方法により瞬間仮焼することにより得られる。再水和性アルミナとは,水酸化アルミニウムを熱分解した遷移アルミナ中、例えばχ,ρ−アルミナ及び無定形アルミナ等,再水和可能なアルミナである。
再水和性アルミナを製造するための瞬間仮焼は、一般的には、焼成雰囲気温度約500℃〜1200℃、線速度約5m/秒〜約50m/秒の気流中に同伴させて、接触時間約0.1秒〜約10秒の条件で灼熱減量3〜10重量%まで焼成することにより行われる。
気流中で瞬間仮焼された原料粉末は通常サイクロン、バグフィルター、電気集塵機等公知の方法で気流より分離、回収される。分離、回収と同時に、あるいはその後に冷却することにより、再水和性アルミナが得られる。
このようにして得られた少なくとも部分的に再水和可能な再水和性アルミナは、通常、灼熱減量3〜10重量%、BET比表面積が100m/g以上であり、結晶形主成分はχ,ρ−アルミナである。
成形工程においては、上記の少なくとも部分的に再水和性アルミナを、水と混合して成形する。成形方法としては、公知の方法が限定なく使用可能である。具体的には,マルメライザーもしくは転動造粒機に再水和性アルミナを水とともに供給し造粒する方法、再水和性アルミナを水で湿らせた後に金型で圧縮成形する方法、水と混合後に押出機で成形する方法、再水和性アルミナを水と混合した後に水と混和しない溶媒中で撹拌して成形する方法等が例示される。水と共に、少量の親水性の有機溶剤を使用してもよい。これらの製造方法のなかでも、生産性が大きく、球状の製品が得られることから転動造粒機を使用した転動造粒法が最適である。
成形工程における再水和性アルミナと水との混合比率は特に限定されるものではないが、再水和性アルミナ100重量部に対して水を40〜60重量部使用することが好ましい。
成形品の形状は、活性アルミナ成形体の用途に応じて適宜設定される。例えば球状,円柱状,リング状,板状,ハニカム状,塊状等が例示される。
再水和工程においては、成形工程において得られた成形体の機械的強度を高めるために再水和を行い、再水和成形体を得る。再水和は、通常、室温〜200℃、好ましくは110〜200℃の水蒸気中または水蒸気含有ガス中において、再水和に足る時間保持することにより行う。再水和に足る時間は、一般に1分〜1週間である。再水和時間が長いほど,また温度が高いほど機械的強度が大きくなる。再水和の温度が200℃を超えると製品の表面積が低下することがある。上記の温度は水蒸気処理中の成形体の温度であり、再水和性アルミナが再水和するときの発熱を利用し、この熱の放散を防ぐようにすれば、成形体温度が所定温度に上昇するので、室温に置いた密閉容器中で再水和することも可能である。
再水和工程における再水和温度は110℃以上であることがより好ましい。理由は明らかではないが、再水和温度は110℃以上であり、かつ再水和物である擬ベ−マイト質結晶の生成割合(以下、「擬ベーマイト化率」という。)が10%以上のとき、マクロ細孔がより多く発現するからである。
焼成工程は、再水和工程において得られた再水和成形体を焼成し,成形体中の付着水分、結晶水を除いて活性アルミナ成形体を得る工程である。焼成工程における焼成温度は通常300〜1000℃であり,この範囲内において目的とする活性アルミナ成形体の目標結晶形、細孔径、あるいは表面積に応じて焼成温度が適宜選択される。焼成は、燃焼ガスによる加熱、電気ヒーターによる間接加熱、赤外線加熱等、公知の手段により行うことができる。焼成に先だって自然乾燥、熱風乾燥、真空乾燥等の方法で付着水分を除去して置くことも好適な態様である。
BET比表面積の多い活性アルミナ成形体を得ようとする場合には、焼成工程における成形体実温度を約300〜500℃に保持することが好ましい。
焼成を移動床にて行う場合、再水和成形体の移動方向は熱風と並行であってもよいし、垂直であってもよい。熱風の形成は、空気を電気ヒーター又は燃料燃焼にて加熱して形成する方法、燃焼ガスを直接使用する方法等、いずれによってもよい。熱風にて焼成する場合、その熱風温度は約300〜500℃であることが好ましい。
熱風温度が高すぎると、得られた活性アルミナ成形体のBET比表面積が低下する。熱風温度が低すぎると結晶水の脱水が不十分となり、やはり高いBET比表面積を有する活性アルミナ成形体が得られない。
より望ましくは、熱風温度は300〜450℃であり、かつ移動床により焼成を行う場合には、該熱風の線速度は標準状態換算にて0.05〜1.0m/secであることが好ましい。
線速度が小さすぎると、成形体実温度が高くなりすぎて得られた活性アルミナ成形体のBET比表面積が低下する。線速度が大きすぎると充填層を通過する熱風の圧力損失が増大し、大きな熱風排風機を必要とし、設備上好ましいものではない。
原料の再水和性アルミナ、もしくは成形工程において成形用の液体に、得られる活性アルミナの細孔構造、強度を損なわない範囲で他の無機化合物を添加することができる。そのような無機化合物の例としては、α−アルミナ等の再水和性のないアルミナ、アルミニウム塩、シリカ、粘土、タルク、ベントナイト、ゼオライト、コーディエライト、チタニア、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土類金属塩、ジルコニア、ムライト、シリカアルミナ等が例示される。酸化物以外の塩を添加した場合は、焼成工程において焼成温度を塩の分解温度以上にすることが必要となる。
再水和成形体、乾燥した再水和成形体あるいは焼成後の活性アルミナ成形体を酸性成分含有する水溶液と接触させることは好ましい態様であり、必要ならば酸性分と接触後の活性アルミナ成形体をさらに焼成することも可能である。この処理により活性アルミナ成形体中の不純物であるNaO等が除去でき、また表面を酸性にする効果が得られる。
また耐熱性向上のためLa等のランタノイドの塩、Ba等のアルカリ土類の塩、Si化合物を細孔構造や強度を損なわない範囲において再水和工程中、再水和成形体の乾燥時、あるいは焼成後の活性アルミナ成形体に添加することも可能である。
当該方法で得られた活性アルミナ成形体の代表的な物性は、BET比表面積として100〜400m/g、充填密度が0.65g/cm以上、マクロ細孔容積が0.05g/cm以上、耐圧強度が100daN/cm以上であり、磨耗率(JIS K 1464)は約2%以下である。また球状の活性アルミナ成形体では、その直径は通常1〜6mmである。
以下、実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3、並びに比較例1および2においては、流動床式の装置を用いた態様について検討を行った。
フッ素濃度40mg・F/L、pH4.0のフッ素含有模擬水(フッ化ナトリウムを精製水に溶解して、塩酸でpHを調整した)をフッ素含有原水とした。フッ素吸着剤としてジルコニウム系フッ素吸着剤(セブントールF:日本エンバイロケミカルズ株式会社製)を使用した。
本実施例1〜3、並びに比較例1および2において使用された装置の概略を図1に示す。図1においては、吸着塔1(内径420mm、高さ2600mm)はフッ素吸着剤2(充填量144L)を有し、また吸着塔1の底部には、原水槽3に貯留されたフッ素含有原水を吸着塔1に供給するためのフッ素含有被処理水供給ライン4、および吸着塔1から排出されるフッ素が低減された処理水を吸着塔1に循環させる処理水循環ライン5が接続されている。吸着塔1においては、フッ素含有被処理水供給ライン4および処理水循環ライン5からそれぞれ供給される、フッ素含有被処理水と処理水とが吸着塔1の底部で混合され、この混合液のフッ素濃度が、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度である。フッ素含有被処理水供給ライン4には、フッ素含有被処理水供給のためのポンプおよび流量調節のためのバルブ6が介装されており、さらにバルブの手前でpH調整剤供給ライン7、純水供給ライン8と接続されている。充填塔1の上部にはフッ素が低減された処理水を排出する処理水排出ライン9を有し、当該処理水排出ライン9には処理水循環ライン5が接続されている。処理水循環ライン5には、処理水を吸着塔1に循環させるためのポンプ、流量調節のためのバルブ10、および処理水を貯留できる処理水貯留槽11が介装されている。
この吸着塔1に、上向流で、フッ素含有被処理水および循環処理水の合計がLV50(m/hr)であって、吸着塔入口における被処理水のフッ素濃度が5(実施例1)、10(実施例2)、15(実施例3)、20(比較例1)および40(比較例2)mg・F/Lとなるようにバルブ6およびバルブ10の開度を調節して通水した。なお、この通水量では充填塔内は流動床の態様を呈した。この態様においては、ある程度の処理水を処理水貯留槽11に貯留した状態から処理を開始した。
フッ素吸着量が9.0g・F/L吸着剤となるまでの、系外に排出される処理水へのジルコニウム溶出量を定量し、吸着塔入口における被処理水フッ素濃度が40mg・F/Lである比較例2の場合を100%とした比率として算出した。なお、ジルコニウム溶出量の測定は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いて行われた。結果を表1に示す。
Figure 2006314957
表1の結果から明らかであるが、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度が15mg・F/Lの場合には、20mg・F/Lの場合と比較して約1/3までジルコニウム溶出量を低減できた。さらに、10mg・F/Lでは、15mg・F/Lの場合と比較してさらに約1/2までジルコニウム溶出量を低減できた。このことから、フッ素吸着剤の劣化を抑制するには吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を調整することが重要であり、特に、フッ素濃度を15mg・F/L以下、好ましくは10mg・F/L以下に調整することによりフッ素吸着剤の劣化を顕著に抑制できることが明らかとなった。
次に、実施例4および5、比較例3として、固定床式の装置での検討を行った。
実施例4
実施例4では、固定床式のフッ素吸着塔を使用し、当該フッ素吸着塔から生じる処理水を被処理水と混合し、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度が、i)7mg・F/Lを超える場合にはフッ素含有被処理水は吸着塔に通水され、ii)フッ素濃度が7mg・F/L以下の場合にはフッ素含有被処理水は吸着塔に通水されずに処理水として系外に放出される態様について検討を行った。
実施例4で使用された装置の概略を図2に示す。図2においては、フッ素含有被処理水を貯留する原水槽21は、フッ素吸着処理を行うフッ素吸着設備22と、フッ素含有被処理水供給ライン23を介して接続された。実施例4においては、フッ素含有被処理水として工場排水(工場排水(すなわち原水)のフッ素濃度約20mg・F/L)を使用したが、当該フッ素含有被処理水にはSS、過酸化水素が含まれていた。よって、フッ素吸着設備22はフッ素吸着塔を有し、フッ素吸着塔の前段には、pH調整装置、ろ過器、過酸化水素分解塔が設けられた。また、水量も大きく、吸着剤の量も多いことから、再生効率の良い2塔シリーズ方式を採用した。フッ素含有被処理水供給ライン23には、原水槽21からフッ素含有被処理水をフッ素吸着設備22に供給するポンプ、および被処理水中のフッ素濃度を測定するためのフッ素濃度計24が介装された。また、フッ素含有被処理水供給ライン23には、フッ素濃度計24とフッ素吸着設備22との間に、バイパスライン25が接続されており、このバイパスライン25によりフッ素吸着設備22をバイパスして被処理水を処理水として当該系の後段に送水することが可能であった。
また、原水フッ素濃度を低減させるために、フッ素吸着設備22から排出される処理水を原水槽に循環させるため、実施例4において使用される原水槽21の容量は、通常よりも大きくされた。また、フッ素吸着設備22から排出される処理水のフッ素濃度は、放流基準と比較して充分すぎる程度に低いことから、この処理水と原水を混合して原水フッ素濃度を放流基準値以下にすることで、フッ素吸着設備22で処理すべき水量を低減することができ、フッ素吸着剤の劣化防止の効果とあわせて、さらに、設備のランニングコストを低減することができる。
なお、当該実施例においては、フッ素濃度計24により測定されたフッ素濃度は、フッ素吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度と実質的に同じであった。また、フッ素吸着設備22から排出される処理水の全部または一部を原水槽21に循環させうる処理水循環ライン26を有していた。また、原水槽21には原水(すなわち工場排水)を原水槽21に供給するライン27、および水位計28が設けられた。
さらに、実施例4における処理量、吸着塔径、LV、吸着塔入口におけるpHなどの諸条件については、表2に記載されている。
実施例4におけるフッ素吸着処理の態様は以下の通りであった。
1.原水槽の水位が一定値以上になったときに設備の運転を開始した。
2−1.フッ素濃度計24により測定されたフッ素濃度が7mg・F/L以下の場合には、被処理水はフッ素吸着設備22に通水されず、バイパスライン25を通って処理水として当該系の後段に送水された。
2−2−1.フッ素濃度計24により測定されたフッ素濃度が7mg・F/Lを超える場合にはフッ素含有被処理水はフッ素吸着設備22に通水され、フッ素吸着処理されて、得られた処理水の全量を処理水循環ライン26を介して原水槽21に戻して、被処理水のフッ素濃度を10mg・F/L以下に低下させた。当該実施例4では全量を原水槽に戻したが、本発明においては処理水の循環は全量でなくても良い。
2−2−2.処理水の循環をさらに続行し、フッ素濃度計24により測定されたフッ素濃度が7mg・F/L以下となった場合には、被処理水はフッ素吸着設備22に通水されず、バイパスライン25を通って処理水として当該系の後段に送水された。
2−2−3.処理水の循環中に原水槽21の水位が一定以上になった場合には、当該循環水量を減少させて、フッ素吸着設備22から排出された処理水の全量または一部を処理水として当該系の後段に送水した。
実施例5
実施例5では、固定床式のフッ素吸着塔を使用し、吸着塔入口における被処理水のフッ素濃度が4〜6mg・F/Lである場合の本発明の態様について検討を行った。
実施例5で使用された装置の概略を図3に示す。図3においては、フッ素含有被処理水を貯留する原水槽31は、フッ素吸着処理を行うフッ素吸着設備32と、フッ素含有被処理水供給ライン33を介して接続された。実施例5においては、フッ素含有被処理水としてフッ素濃度が4〜6mg・F/Lの原水を使用した。原水は原水供給ライン34を介して原水槽に供給された。フッ素吸着設備32はフッ素吸着塔を有し、フッ素吸着塔の前段には、pH調整装置が設けられた。また、被処理水中のフッ素濃度が低いこと、水量が小さく、フッ素吸着剤の量も少ないことから、1塔通水方式を採用した。フッ素含有被処理水供給ライン33には、原水槽31からフッ素含有被処理水をフッ素吸着設備32に供給するポンプが介装された。なお、当該実施例5においては、フッ素吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度は4〜6mg・F/Lの範囲内であった。また、原水槽31には水位計36が設けられた。さらに、実施例5における処理量、吸着塔径、LV、吸着塔入口におけるpHなどの諸条件については、表2に記載されている。
実施例5では、フッ素含有被処理水はフッ素吸着設備におけるフッ素吸着塔に通水されて、フッ素が吸着除去され、フッ素濃度が低減された処理水を生じさせた。当該処理水は処理水排出ライン35を介して排出され、当該処理水は中水、純水製造設備の原水などとして使用された。
比較例3
比較例3では、固定床式のフッ素吸着塔を使用し、吸着塔入口における被処理水のフッ素濃度が20〜25mg・F/Lである場合の態様について検討を行った。
比較例3で使用された装置の概略を図4に示す。図4においては、フッ素含有被処理水を貯留する原水槽41は、フッ素吸着処理を行うフッ素吸着設備42と、フッ素含有被処理水供給ライン43を介して接続された。比較例3においては、フッ素含有被処理水として凝集沈殿処理水(フッ素濃度20〜25mg・F/L)を使用し、当該被処理水は原水供給ライン44を介して原水槽41に供給された。また、当該フッ素含有被処理水にはSS、過酸化水素が含まれていたので、フッ素吸着設備42はフッ素吸着塔を有し、フッ素吸着塔の前段には、pH調整装置、ろ過器、過酸化水素分解塔が設けられた。また、水量も大きく、フッ素吸着剤の量も多いことから、再生効率の良い2塔シリーズ方式を採用した。フッ素含有被処理水供給ライン43には、原水槽41からフッ素含有被処理水をフッ素吸着設備42に供給するポンプが介装された。なお、当該比較例3においては、フッ素吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度は20〜25mg・F/Lの範囲内であって、循環処理水、希釈水などによる原水の希釈は何ら行わなかった。また、原水槽41には水位計46が設けられていた。さらに、比較例3における処理量、吸着塔径、LV、吸着塔入口におけるpHなどの諸条件については、表2に記載されている。
比較例3では、フッ素含有被処理水はフッ素吸着設備におけるフッ素吸着塔に通水されて、フッ素が吸着除去され、フッ素濃度が低減された処理水を生じさせ、当該処理水は処理水排出ライン45から排出された。
Figure 2006314957
実施例4および5、比較例3においては、いずれも、フッ素吸着剤として、日本エンバイロケミカルズ社製のジルコニウム系吸着剤(セブントールF)を使用した。
実施例4および5、比較例3のそれぞれを上記の態様で2年間運転した後、フッ素吸着剤層の表層から20cmの所にあるフッ素吸着剤をサンプリングし、ジルコニウムの含有量を測定した。サンプリングしたフッ素吸着剤におけるジルコニウム含有量の測定は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いて行われた。
表3にその結果を示す。なお、表3中の「ジルコニウム含有量」は、2年間の運転後にフッ素吸着剤中に残存するジルコニウムの割合であり、新品のフッ素吸着剤のジルコニウム含有量を100%としたときの、実施例4および5、比較例3においてサンプリングしたフッ素吸着剤のジルコニウム含有量(%)を示す。また、「ジルコニウム溶出量」は、2年間の運転の間にフッ素吸着剤から溶出したジルコニウムの割合であり、各実施例及び比較例でサンプリングしたフッ素吸着剤の前記ジルコニウム含有量(%)を100%から引いた値(%)である。さらに、「ジルコニウム溶出量比」は、比較例3のジルコニウム溶出量を100%としたときの、実施例4および5のジルコニウム溶出量の比率(%)である。
Figure 2006314957
表3の結果によると、比較例3のフッ素吸着剤は2年間の運転において5.4%のジルコニウムの溶出が認められた。しかし、本願発明の実施例である実施例4および5においては、2年間の運転においてもフッ素吸着剤からのジルコニウムの溶出は認められなかった。なお、実施例4のジルコニウム含有量が新品のフッ素吸着剤のジルコニウム含有量を上回っているが、これは測定誤差によるものと思われる。この程度の測定誤差があるとしても、比較例3と実施例5及び4を比較すると、吸着塔入口における被処理水中のフッ素濃度を10mg・F/L以下にすることにより、固定床式の吸着塔を用いた場合であっても、フッ素吸着剤の劣化を顕著に抑制できることが明らかとなった。
流動床式である、本発明の水中のフッ素除去方法の1態様を示すフロー図である。 固定床式である、本発明の水中のフッ素除去方法の1態様を示すフロー図である。 固定床式である、本発明の水中のフッ素除去方法の1態様を示すフロー図である。 従来法の固定床式の水中のフッ素除去方法の1態様を示すフロー図である。
符号の説明
1 吸着塔
2 フッ素吸着剤
3 原水槽
4 フッ素含有被処理水供給ライン
5 処理水循環ライン
6 バルブ
7 pH調整剤供給ライン
8 純水供給ライン
9 処理水排出ライン
10 バルブ
11 処理水貯留槽
21 原水槽
22 フッ素吸着設備
23 フッ素含有被処理水供給ライン
24 フッ素濃度計
25 バイパスライン
26 処理水循環ライン
27 ライン
31 原水槽
32 フッ素吸着設備
33 フッ素含有被処理水供給ライン
34 原水供給ライン
35 処理水排出ライン
41 原水槽
42 フッ素吸着設備
43 フッ素含有被処理水供給ライン
44 原水供給ライン
45 処理水排出ライン

Claims (2)

  1. フッ素吸着剤が充填された吸着塔にフッ素含有被処理水を通水し、吸着塔で被処理水中のフッ素を吸着除去して、フッ素が低減された処理水を生じさせる水中のフッ素除去方法において、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下に調整することを特徴とする、水中のフッ素除去方法。
  2. 吸着塔でフッ素を吸着除去して生じるフッ素が低減された処理水を、フッ素含有被処理水と混合することにより、吸着塔入口におけるフッ素含有被処理水のフッ素濃度を15mg・F/L以下に調整する、請求項1に記載の水中のフッ素除去方法。
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