JP5167253B2 - テトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、テトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法に関する。詳しくは、該現像廃液の処理に使用する陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を再生する場合において、水素イオン形からテトラアルキルアンモニウムイオン形に変換する際の急激な膨潤を抑制し、長期にわたって繰り返し再生使用することが可能なテトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法に関する。
半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プリント基板等の電子部品の製造工程におけるフォトリソグラフィー工程では、フォトレジストのアルカリ現像液として、水酸化テトラアルキルアンモニウム(以下、TAAHと略記する)が使用されている。そして、上記フォトリソグラフィー工程における現像工程や洗浄工程では、ノボラック樹脂などを主とするフォトレジストとテトラアルキルアンモニウムイオン(以下TAAイオンと略記する)を主として含むTAAイオン含有現像廃液が排出される。
これまで、上記TAAイオン含有現像廃液は、公知の排水処理により無害化して廃棄することが行われていたが、特に近年、半導体及び液晶の生産量が増大するにつれて、現像液の消費量が増加しており、TAAイオン含有現像廃液の排出量も増加している。このため、資源の有効活用が検討されており、上記廃液よりフォトレジスト由来の有機物や金属イオン等の不純物を除去して、TAAHを精製し再利用するTAAイオン含有現像廃液の再生方法が提案されている。例えば、上記現像廃液を電気透析や電気分解により金属イオン等を除去する方法、上記現像廃液中の金属イオン等を、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に吸着せしめて除去する方法、或いは、上記現像廃液中の金属イオン等を、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に吸着せしめて除去した後に、電気分解によりTAAHを精製し回収する方法が提案されている。
このうち、上記現像廃液中の金属イオン等を陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に吸着せしめて除去する方法では、酸により水素イオン形(H形)とした陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を超純水で洗浄し、次いで1mol/Lの濃度のTAAHを接触せしめて、テトラアルキルアンモニウムイオン形(TAAイオン形)とし後、上記TAAイオン含有現像廃液を接触せしめて金属イオン等の不純物を除去する方法が知られている。さらに該現像廃液を接触せしめた樹脂は、酸と接触せしめることにより陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂から金属イオン等を除去し、さらにTAAイオン形に変換して繰り返し使用する、該陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂の再生方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂はTAAイオン形にするとH形の場合より樹脂中の水分が多くなり、膨潤するため、H形とTAAイオン形の変換を繰り返すと、該樹脂は、収縮と膨潤の繰り返しにより、クラックが発生し、樹脂が破砕する。従って、上記樹脂を再生して繰り返し使用すると、樹脂の破砕物により、通液時において差圧が生じる、或いは通液速度が極端に低下する等の運転上の不具合が生じることが問題となっていた。
また、特許文献2には、H型の陽イオン交換樹脂やキレート樹脂にTAAイオン含有現像廃液を直接処理して、該樹脂にTAAイオンを吸着処理させた後、酸等によってTAAイオンを脱着せしめるTAAイオン含有現像廃液の処理方法に際して、該現像廃液として、TAAイオン濃度が0.016mol/L以下(0.015質量%以下)の廃液を使用する処理方法が開示されている。該方法は、希薄なTAAイオン現像廃液を使用することで、TAAイオン形に変換する際の上記樹脂の急激な膨潤を抑制することを特徴としたものであり、上記樹脂を再生して繰り返し使用する際の陽イオン交換樹脂やキレート樹脂の劣化抑制について効果的である。しかしながら、現像廃液として希薄な溶液を使用しなければならず、廃液量が増加する等、処理効率の点で課題があった。また、処理すべき現像廃液が高濃度である場合には、水を添加する等の希釈操作が必要であり、作業が煩雑になるという点でも課題があった。
特開2003−190822号公報 特開2000−126766号公報
そこで、本発明は、テトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法において、該現像廃液の処理に用いる陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂の再生処理を繰り返し行ってもクラックを生じて早期に劣化することが無く、工業的に効率的なテトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。まず、本発明者らは、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂をH形からTAAイオン形に変換する際の該樹脂の劣化機構について検討を行った。その結果、TAAイオン濃度の高いTAAイオン溶液を使用した際には、TAAイオン形による膨潤の他に、中和熱による急激な膨潤が生じ、これが、上記樹脂の劣化を促進していることを見出した。以上の知見から、酸を接触せしめてH形とした陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に、該樹脂から留出する溶液のpHが3以上になるまで水を接触せしめて酸を除去する酸除去工程と、0.3〜0.8mol/LのTAAイオン溶液を接触せしめてTAAイオン形に変換するTAAイオン形変換工程を組み合わせることで、比較的高濃度のTAAイオン溶液を使用してTAAイオン形に変換したとしても、中和熱による該樹脂の急激な膨潤とTAAイオン形に変換する際の急激な膨潤を同時に抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、(1)陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に酸を接触せしめるH形変換工程、(2)H形変換工程を行った上記樹脂に、該樹脂からの留出液のpHが3以上となるまで、水を接触せしめる酸除去工程、(3)酸除去工程を行った上記樹脂に0.3mol/L〜0.8mol/LのTAAイオン溶液を接触せしめるTAAイオン形変換工程、(4)TAAイオン形変換工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂にTAAイオン含有現像廃液を接触せしめて、該廃液中の不純物を除去する現像廃液処理工程を含むことを特徴とする、TAAイオン含有現像廃液の処理方法である。
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法によれば、該処理に使用する陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂をH形からTAAイオン形に変換する場合に、比較的高濃度のTAAイオン溶液を用いても中和熱による該樹脂の急激な膨潤とTAAイオン形に変換する際の急激な膨潤を同時に防ぐことが可能であるため、上記変換時の廃液量の増加を伴うことなく、該樹脂を繰り返し再生処理することが可能である。従って、安定的に且つ効率的な、TAAイオン含有現像廃液の精製処理が可能である。
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法は、(1)陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に酸を接触せしめるH形変換工程、(2)H形変換工程を行った上記樹脂に、該樹脂からの留出液のpHが3以上となるまで、水を接触せしめる酸除去工程、(3)酸除去工程を行った上記樹脂に0.3mol/L〜0.8mol/LのTAAイオン溶液を接触せしめるTAAイオン形変換工程、(4)TAAイオン形変換工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂にTAAイオン含有現像廃液を接触せしめて、該廃液中の不純物を除去する現像廃液処理工程、を含むことを特徴とする。
(陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂)
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法において、使用する陽イオン交換樹脂としては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合物、アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合物、メタアクリル酸−ジビニルベンゼン共重合物等の基体にスルホン酸基等の強酸基を導入した強酸性陽イオン交換樹脂、及び上記の基体にカルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基等の弱酸基を導入した弱酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。上記樹脂の構造として、ゲル形、ポーラス形、ハイポーラス形、マクロレチキュラー(MR)形があるが、本発明においては、そのいずれの構造も好適に使用することができる。特に、膨潤収縮強度に優れるMR形が好適である。
また、キレート樹脂としては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合物にイミノ二酢酸形、イミノプロピオン酸形、アミノメチレンホスホン酸形等のアミノホスホン酸形、ポリアミン形、N−メチルグルカミン形等のグルカミン形、アミノカルボン酸形、ジチオカルバミン酸形、ピリジン形、チオール形、アミドキシム形等のキレート形成基を導入したものが挙げられる。
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法においては、上記陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂のいずれも使用することが可能である。一般的には、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂の種類によって除去できる金属イオン等が異なるため、除去する目的の金属イオン等に応じて適宜選択すれば良い。また、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を各々単独で使用しても、複数使用しても良く、更には、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を組み合わせて使用することも可能である。上記樹脂の使用方法としては、上記処理を行うための溶液と陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を接触せしめ、撹拌後、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂をろ過等により分離するバッチ法、又は、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を充填したカラムを調製し、上記処理を行うための溶液をカラムの上方或いは下方から通液して陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂と接触せしめるカラム法のいずれも可能である。そのうち、本発明の処理方法においては、連続的に各工程を行うことが可能であるという点からカラム法で使用することが好ましい。
(H形変換工程)
上記陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂は、通常、H形かナトリウムイオン形(Na形)で市販されている。半導体製造工程等において金属イオン等の混入が厳しく制限されていることから、TAAイオン形に変換した上記樹脂を用いて、TAAイオン含有現像廃液中の金属イオン等の除去を行う際には、Na形であれば、酸を接触せしめてH形に変換し、その後にTAAイオン形に変換するのが一般的である。また、TAAイオン含有現像廃液を接触せしめた上記樹脂を再生する際には、該樹脂に酸を接触せしめて、金属イオン等の不純物を除去させるとともに、樹脂をTAAイオン形からH形に変換することが必要である。
かかる陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に接触せしめる酸としては、水溶液の状態で水素イオンが生成するものであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸等の鉱酸水溶液が例示される。上記の酸のうち、工業的に安価で入手可能な点、及び濃度調整が容易な点から、塩酸水溶液が最も好適である。上記塩酸の濃度及び使用量については、H形への変換、及び金属イオン等の不純物を除去に十分な濃度及び量であれば特に限定されないが、通常は上記陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に、1〜10質量%の塩酸水溶液を3〜10(L/L−樹脂)接触せしめれば十分である。
上記H形変換工程における、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂と酸との接触方法は特に限定されず、例えばカラム法であれば、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を充填したカラムに、酸をカラムの下方から供給する上昇流、又はカラムの上方から供給する下降流のいずれであってもよいが、装置構造の簡易さや陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂へのダメージの少なさという点では、酸を下降流で通液するのが好ましい。また、酸のカラムへの通液速度は陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂へのダメージを少なくする点で、小さいほど良いが、処理時間と効率の点で空間速度(SV)=5〜20(1/hr)が好ましい。
(酸除去工程)
本発明においては、前記H形変換工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に対して、該樹脂からの留出液のpHが3以上となるまで、水を接触せしめる酸除去工程を行うことが、後述のTAAイオン形変換工程との組み合わせにおいて重要である。即ち、H形に変換された上記樹脂をpHが3以上となるまで水を接触せしめることにより、比較的高濃度のTAAイオン溶液を接触させることが可能となる。酸が残存している上記樹脂に、直接TAAイオン溶液を接触せしめてTAAイオン形にすると、中和反応が急速に進行し、この時、中和熱が発生することにより、上記樹脂が急激に膨潤する。従って、酸除去工程を行うことで、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂中に残存する酸を除去し、TAAイオン形への変換の際の中和熱の発生による、該樹脂の急激な膨潤を抑制することが可能となる。
本発明の酸除去工程では、上記樹脂からの留出液のpHが3以上になるまで行えば、以後のTAAイオン形への変換の際の中和熱の発生を抑制するのに十分であるが、より確実に酸を除去して上記樹脂へのダメージを抑制するという観点から、上記留出液のpHが5以上になるまで行うことがより好適である。
また、TAAイオン含有現像廃液の処理を行う際の金属イオン等の混入が厳しく制限されているという観点から、上記酸除去工程に用いる水は、電気伝導率が0.1μS/cm以下の水であることが好ましい。かかる水としては、イオン交換水及び超純水が例示される。
上記酸除去工程における陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂と水との接触方法は、特に限定されず、上記H形変換工程と同様の接触方法を採用することができる。例えばカラム法の場合、水の接触方向は、上昇流又は下降流のいずれであっても良い。また、水のカラムへの通液速度は、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂へのダメージを少なくする点で、小さいほど良いが、処理時間と効率の点でSV=5〜20(1/hr)が好ましい。
(TAAイオン形変換工程)
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法では、上記酸除去工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂にTAAイオンの濃度が0.3mol/L〜0.8mol/LのTAAイオン溶液を接触せしめて、TAAイオン形に変換するTAAイオン形変換工程を行うことが重要である。即ち、TAAイオン濃度が0.3mol/Lよりも低いと陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂をTAAイオン形に変換するために必要なTAAイオン溶液が増加することに加えて、上記TAAイオン形変換工程において排出される廃液量も多くなり、工業的に効率的とは言えず好ましくない。また、0.3mol/Lよりも低い濃度のTAAイオン溶液を使用し、かつ使用量を減らした場合には、上記樹脂のTAAイオン形への変換が不十分となり、TAAイオン含有現像廃液中の金属イオン等の不純物を吸着除去する際の除去効率が低下する。一方、TAAイオン濃度が0.8mol/Lを越えると、例え、前記酸除去工程を実施したとしても、上記樹脂の急激な膨潤が抑制できない。さらに上記TAAイオン溶液のTAAイオン濃度は、作業効率及び、樹脂の急激な膨潤を抑制する効果が高いという観点から、特に0.3mol/L〜0.5mol/Lが好適である。
本発明に用いられるTAAイオン溶液は、TAAイオンを含有する水溶液であれば特に限定されず、例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等のTAAイオンの水酸化物であるTAAH水溶液が好適に使用される。さらに、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂が強酸性陽イオン交換樹脂である場合は、TAAイオン溶液としてTAAイオン塩の水溶液も好適に使用することができる。該TAAイオン塩の対イオンとしては、例えば、塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン等が挙げられる。上記TAAイオン溶液のうち、半導体製造工程における現像液として広く用いられている点で水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液及びテトラメチルアンモニウム塩の水溶液が特に好適に使用できる。
また、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に接触せしめるTAAイオン溶液の使用量は、該樹脂をTAAイオン形に変換するのに十分な量であれば特に制限なく、適宜選択することが可能である。上記カラム法であれば、上記樹脂に、3〜10(L/L−樹脂)接触せしめれば十分である。
上記TAAイオン形変換工程における陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂とTAAイオン溶液との接触方法は、特に限定されず、上記H形変換工程と同様の接触方法を採用することができる。例えばカラム法の場合、TAAイオン溶液の接触方向は、上昇流又は下降流のいずれであっても良い。また、TAAイオン溶液のカラムへの通液速度は、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂へのダメージを少なくする点で、小さいほど良いが、処理時間と効率の点でSV=5〜20(1/hr)が好ましい。
(現像廃液処理工程)
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法では、上記TAAイオン形変換工程を行った樹脂に、次いでTAAイオン含有現像廃液を接触せしめ、該廃液中の金属イオン等の不純物を除去する現像廃液処理工程を行う。
前記したとおり、TAAイオン含有現像廃液は、ノボラック樹脂等のフォトレジスト由来の有機物及びTAAHを主として含んでいる。該現像廃液は、一般的に、pHが12〜14のアルカリ性を呈しており、フォトレジスト由来の有機物はアルカリ性の現像廃液中では、そのカルボキシル基等の酸基により、TAAイオンとの塩の形で溶解している。また、上記TAAイオン含有現像廃液を塩酸や炭酸ガス等の酸により中和し、不溶化したフォトレジスト由来の有機物をろ過により除去することもある。この場合、上記現像廃液中のTAAイオンは酸由来の他の陰イオンとの塩として存在する。例えば、炭酸ガスで中和を行った場合には、TAAイオンは、炭酸塩又は重炭酸塩として存在する。
本発明においては、上記フォトレジスト由来の有機物が含有したTAAイオン含有現像廃液そのものも、炭酸ガス等で中和してフォトレジスト由来の有機物を除去したTAAイオン含有現像廃液であっても特に制限なく使用することが可能である。しかしながら、フォトレジスト由来の有機物の上記樹脂への残存を抑制するという点で、炭酸ガス等で中和してフォトレジスト由来の有機物を除去したTAAイオン含有現像廃液を使用することが好ましい。
本発明の現像廃液処理工程にて、使用する該現像廃液中のTAAイオン濃度及び該廃液の処理量については、特に制限なく、上記樹脂における、金属イオン等の不純物の除去効率等を勘案して適宜選択することが可能である。例えば、上記TAAイオン溶液よりも高いTAAイオン濃度の現像廃液を使用しても、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂のクラック及び破砕が生じることなく使用することが可能である。
上記処理における陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂と該現像廃液との接触方法は、特に限定されず、上記H形変換工程と同様の接触方法を採用することができる。例えばカラム法の場合、上記TAAイオン含有現像廃液の接触方向は、上昇流又は下降流のいずれであっても良い。また、上記現像廃液のカラムへの通液速度は、処理時間と効率の点でSV=5〜20(1/hr)が好ましい。
(アルカリ洗浄工程)
上記現像廃液処理工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂には、金属イオン等の不純物が残存している。該不純物は、前記のH形変換工程により樹脂から除去させることが可能である。しかしながら、上記樹脂には、金属イオン等の不純物の他に、フォトレジスト由来の有機物も残存しており、酸により該有機物が析出し、樹脂の目詰まりや、劣化の原因となるため、H形変換工程を行う前にアルカリ洗浄工程を行うことが好ましい。
アルカリ洗浄工程を行うことによって、上記樹脂に吸着したフォトレジスト由来の有機物を溶解除去することが可能である。
アルカリ洗浄工程に用いるアルカリは、フォトレジスト由来の有機物を溶解させるアルカリであれば特に制限なく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、TAAH等の有機アルカリ等を適宜選択することが可能である。このうち、フォトレジスト由来の有機物の除去効率の点、無機陽イオンの混入を防ぐという点等から、TAAHが好適である。上記アルカリの濃度については、低すぎると陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂からフォトレジスト由来の有機物を除去するときに多くのアルカリ溶液を必要とし、廃液量も多くなって工業的に効率的とは言えず好ましくない。また、高すぎると、特に炭酸ガス等の酸で中和してフォトレジスト由来の有機物を除去した現像廃液を使用した際には、アルカリ洗浄工程による上記樹脂の急激な収縮や膨潤が起こりやすくなり、樹脂の劣化の要因となる。従って、アルカリ洗浄工程におけるアルカリの濃度は0.3mol/L〜0.8mol/Lであることが好ましい。アルカリ洗浄工程におけるアルカリ溶液量は、フォトレジスト由来の有機物の除去に十分な量であれば特に制限なく適宜選択することが可能である。
上記アルカリ洗浄工程における陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂とアルカリ溶液との接触方法は、特に限定されず、上記H形変換工程と同様の接触方法を採用することができる。例えばカラム法の場合、アルカリ溶液の接触方向は、上昇流又は下降流のいずれであっても良い。また、アルカリ溶液のカラムへの通液速度は、処理時間と効率の点でSV=5〜20(1/hr)が好ましい。
(循環工程)
本発明のTAAイオン含有現像廃液の処理方法において、上記アルカリ洗浄工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂は、次いで前記したH形変換工程に循環する、循環工程を行うことで、再度TAAイオン形にすることが可能である。本発明において、特にTAAイオン形変換工程を行う際の上記樹脂の急激な膨潤を防ぐことが出来、その結果、該樹脂における、クラックや破砕の発生を抑制することが可能である。従って、上記樹脂を繰り返し再生することが可能であり、TAAイオン含有現像廃液の陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂による金属イオン等の除去処理を、処理コストの点等から工業的に効率良く行うことが可能である。
本発明の方法をさらに具体的に説明するために、下記に実施例を掲げて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
液晶ディスプレイ工場から排出された現像廃液(試料1)、及び半導体デバイス工場から排出された現像廃液(試料2)を、それぞれ蒸発法により濃縮し、次いで炭酸ガスで中和し、不溶化したフォトレジスト由来の有機物をろ過した現像廃液をTAAイオン含有現像廃液の試料とした。上記試料は、いずれも、フォトレジスト由来の有機物および水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAHと略記する)を含有し、TAAイオンの濃度はいずれも57質量%であった。試料1、試料2の水質を表1に示す。
Figure 0005167253
なお、下記実施例及び比較例における、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂の破砕の程度の測定は、TAAイオン形変換工程終了直後のカラム内の上清を採り、室温で1分間静置した後に、分光光度計にて、500nmの吸光度を測定することにより行った。従って、吸光度が大きいほど、沈降しにくいもの、即ち、破砕した樹脂が多いことを示している。
また、再生後のキレート樹脂の金属イオン除去性能は、キレート樹脂に通液した後の試料中のAlイオンおよびFeイオンの残存濃度で、再生後の陽イオン交換樹脂の金属イオン除去性能は、陽イオン交換樹脂に通液した後の試料中のNaイオンおよびKイオンの残存濃度で評価した。金属濃度は高周波誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法により分析した。
実施例1
キレート形成基として、アミノリン酸基を有するキレート樹脂デュオライトC467(商品名:ローム・アンド・ハース社製)100mLをカラムに充填した。次いで、超純水洗浄→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH5.7の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)により、TMA形にした。
各工程の通液量は5(L/L−樹脂)であり、通液時の空間速度がSV=5(1/hr)となるように通液した。なお、酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも5.7であった。
上記、TMAイオン形としたカラムに試料1を8L(80L/L−樹脂)、SV=20(1/hr)で通液した。次いでキレート樹脂の再生処理を、アルカリ洗浄工程(0.5mol/LのTMAH溶液)→超純水洗浄(pH5.7の超純水)→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH5.7の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)の順に行った。
各工程における通液量は5(L/L−樹脂)、SV=5(1/hr)となるように通液した。なお、各サイクルの酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも5.7であった。試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を1サイクルとして、計5サイクル繰り返し行った。
5サイクル終了後の破砕の程度は、0.007Abs、及び5サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオン、Feイオン濃度はそれぞれ5ppb、2ppbであった。さらに、6サイクル目を行った結果、通液時の差圧や通液速度の低下が生じることなく、5サイクル目と同様の結果を得た。
比較例1及び2
実施例1においてTAAイオン形変換工程時のTMAH濃度を1mol/L(比較例1)及び0.1mol/L(比較例2)としたこと以外は、実施例1と同様の方法で試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を5サイクル繰り返した。
5サイクル終了後の破砕の程度は、それぞれ0.071Abs(比較例1)、0.001Abs(比較例2)であった。5サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオン濃度は、それぞれ4ppb(比較例1)、51ppb(比較例2)、Feイオン濃度は比較例1、2とも2ppbであった。
この結果、TAAイオン溶液の濃度が0.8mol/Lよりも高い場合、重金属は除去できていたものの、循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕が生じていることが分かる。また、上記のサイクルに次いで、6サイクル目を行った結果、樹脂の破砕による通液時の差圧や通液速度の低下が生じた。また、TAAイオン溶液の濃度が0.3mol/Lよりも低い場合、循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕は見られないが、試料1に残存するAl濃度が高く、金属イオンの除去性能が低いことが分かる。このことは、キレート樹脂が完全には再生できていないことを意味し、即ち、再生時のTMAH溶液の通液量を増やす必要があることを示唆している。
比較例3
実施例1においてH形変換工程後の酸除去工程を行わずに、直接TAAイオン形変換工程を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を5サイクル繰り返した。5サイクル終了後の破砕の程度は、0.029Absであった。また、5サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオン、Feイオン濃度はそれぞれ4ppb、2ppbであった。
この結果、酸除去工程を行わずに、直接TAAイオン形変換工程を行った場合には、TAAイオン溶液の濃度が0.3mol/L〜0.8mol/Lであっても、循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕が生じていることが分かる。上記実施例1及び比較例1〜3の結果をまとめたものを表2に示す。
Figure 0005167253
実施例2及び3
実施例1においてTAAイオン形変換工程時のTMAH濃度を0.3mol/L(実施例2)及び0.7mol/L(実施例3)としたこと以外は、実施例1と同様の方法で試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を5サイクル繰り返した。5サイクル終了後の破砕の程度は実施例2では0.004Abs、実施例3では0.010Absであった。また、5サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオンは、それぞれ5ppb(実施例2)、4ppb(実施例3)であり、Feイオン濃度はそれぞれ2ppb(実施例2)、2ppb(実施例3)であった。
実施例4
実施例1においてキレート樹脂で処理する試料を試料1から試料2に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を5サイクル繰り返した。5サイクル終了後の破砕の程度は、0.007Abs、及び5サイクル目のキレート樹脂を通過した試料2に残存するAlイオン、Feイオン濃度はそれぞれ5ppb、4ppbであった。
実施例5
実施例1においてキレート樹脂を、キレート形成基としてアミノリン酸基を有するキレート樹脂レバチットTP260(商品名:バイエル社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を5サイクル繰り返した。5サイクル終了後の破砕の程度は、0.005Abs、及び5サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオン、Feイオン濃度はそれぞれ4ppb、2ppbであった。
上記実施例2〜5の結果をまとめたものを表3に示す。
Figure 0005167253
実施例6
強酸性陽イオン交換樹脂アンバーリスト15WET(商品名:ローム・アンド・ハース社製)50mLをカラムに充填した。次いで、超純水洗浄→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH5.7の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)により、TMA形にした。
各工程の通液量は5(L/L−樹脂)であり、通液時の空間速度がSV=5(1/hr)となるように通液した。なお、酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも5.7であった。
上記、TMA形としたカラムに試料1を10L(200L/L−樹脂)、SV=20(1/hr)で通液した。次いで強酸性陽イオン交換樹脂の再生処理を、アルカリ洗浄工程(0.5mol/LのTMAH溶液)→超純水洗浄(pH5.7の超純水)→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH5.7の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)の順に行った。
各工程における通液量は5(L/L−樹脂)、SV=5(1/hr)となるように通液した。なお、各サイクルの酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも5.7であった。試料1の通液、及び陽イオン交換樹脂の再生を1サイクルとして、計5サイクル繰り返し行った。
5サイクル終了後の破砕の程度は、0.002Abs、及び5サイクル目の陽イオン交換樹脂を通過した試料1に残存するNaイオン、Kイオン濃度はいずれも<1ppbであった。さらに、6サイクル目を行った結果、通液時の差圧や通液速度の低下が生じることなく、5サイクル目と同様の結果を得た。循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕は見られず、しかも陽イオン交換樹脂を通した後の試料1中のNaイオンおよびKイオンも除去できていたことが分かる。
比較例4及び5
実施例6においてTAAイオン形変換工程時のTMAH濃度を0.1mol/L(比較例4)及び1mol/L(比較例5)としたこと以外は、実施例6と同様の方法で試料1の通液、及び強酸性陽イオン交換樹脂の再生を繰り返し5サイクル繰り返し行った。5サイクル終了後の破砕の程度は、それぞれ0.002Abs(比較例4)、0.011Abs(比較例5)であった。5サイクル目の陽イオン交換樹脂を通過した試料1に残存するNaイオン濃度は、それぞれ97ppb(比較例4)、<1ppb(比較例5)、Kイオン濃度はそれぞれ58ppb(比較例4)、<1ppb(比較例5)であった。
この結果、陽イオン交換樹脂においても、TAAイオン溶液の濃度が0.3mol/Lよりも低い場合、循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕は見られないが、陽イオン交換樹脂のNaイオン、Kイオン除去性能が低く、完全には再生できていないこと分かる。また、0.8mol/Lよりも高い場合、陽イオン交換樹脂のNa、K除去性能は低下しないが、循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕が生じていることが分かる。また、上記のサイクルに次いで、6サイクル目を行った結果、通液時の差圧や通液速度の低下が生じた。
上記実施例6及び比較例4と5の結果をまとめたものを表4に示す。
Figure 0005167253
実施例7
キレート形成基として、アミノリン酸基を有するキレート樹脂デュオライトC467(商品名:ローム・アンド・ハース社製)10Lを、透明塩化ビニールで製作した直径150mm、高さ2000mmの塔1に充填した。この塔1の樹脂を、超純水洗浄→H型変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH6.9の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)により、TMA形にした。
各工程の通液量は5(L/L−樹脂)であり、通液時の空間速度がSV=5(1/hr)となるように通液した。なお、酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも3.5であった。
上記、TMAイオン型とした塔1に試料1を800L(80L/L−樹脂)、SV=10(1/hr)で通液した。次いでキレート樹脂の再生処理を、アルカリ洗浄工程(0.5mol/LのTMAH溶液)→超純水洗浄(pH6.9の超純水)→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH6.9の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)の順に行った。
各工程における通液量は5(L/L−樹脂)、SV=5(1/hr)となるように通液した。なお、各サイクルの酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも3.5であった。試料1の通液、及びキレート樹脂の再生を1サイクルとして、計8サイクル繰り返し行った。試料1を塔1に通液した際の留出液は受けタンク1に受けた。
1サイクル終了後の破砕の程度は、0.002Abs、及び1サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオン、Feイオン濃度はそれぞれ2ppb、2ppbであった。これに対し、8サイクル終了後の破砕の程度は、0.007Abs、及び8サイクル目のキレート樹脂を通過した試料1に残存するAlイオン、Feイオン濃度はそれぞれ3ppb、2ppbであった。さらに、9サイクル目を行った結果、通液時の差圧や通液速度の低下が生じることなく、8サイクル目と同様の結果を得た。
次いで、強酸性陽イオン交換樹脂アンバーリスト15WET(商品名:ローム・アンド・ハース社製)10Lを、透明塩化ビニールで製作した直径150mm、高さ2000mmの塔2に充填した。この塔2の樹脂を、超純水洗浄→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH6.9の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)により、TMA形にした。
各工程の通液量は5(L/L−樹脂)であり、通液時の空間速度がSV=5(1/hr)となるように通液した。なお、酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも3.5であった。
上記、TMA形とした塔2に、試料1を塔1に通液し得られた受けタンク1の留出液を400L(40L/L−樹脂)、SV=20(1/hr)で通液した。次いで強酸性陽イオン交換樹脂の再生処理を、アルカリ洗浄工程(0.5mol/LのTMAH溶液)→超純水洗浄(pH6.9の超純水)→H形変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH6.9の超純水)→TAAイオン形変換工程(0.5mol/LのTMAH溶液)の順に行った。
各工程における通液量は5(L/L−樹脂)、SV=5(1/hr)となるように通液した。なお、各サイクルの酸除去工程後における、留出液のpHはいずれも3.5であった。
試料1を塔1に通液し得られた受けタンク1の留出液の通液、及び陽イオン交換樹脂の再生を1サイクルとして、計8サイクル繰り返し行った。試料1を塔1に通液し得られた受けタンク1の留出液を塔2に通液した際の留出液は受けタンク2に受けた。
1サイクル終了後の破砕の程度は、0.001Abs、及び1サイクル目のキレート樹脂を通過して得られた留出液に残存するNaイオン、Kイオン濃度はいずれも<1ppbであった。これに対し、8サイクル終了後の破砕の程度は、0.002Abs、及び8サイクル目のキレート樹脂を通過して得られた留出液に残存するNaイオン、Kイオン濃度はいずれも<1ppbであった。さらに、9サイクル目を行った結果、通液時の差圧や通液速度の低下が生じることなく、8サイクル目と同様の結果を得た。循環工程の繰り返しによる樹脂の破砕は見られず、しかも陽イオン交換樹脂を通した後の留出液中のNaイオンおよびKイオンも除去できていたことが分かる。
上記実施例7の結果をまとめたものを表5に示す。
Figure 0005167253
参考例
キレート形成基として、アミノリン酸基を有するキレート樹脂デュオライトC467(商品名:ローム・アンド・ハース社製)5mLカラムに充填した。次いで、超純水洗浄→H型変換工程(1mol/LのHCl溶液)→酸除去工程(pH6.9の超純水)を行った。超純水洗浄およびH型変換工程の通液量は5(L/L−樹脂)、酸除去工程の通液量は10(L/L−樹脂)とし、通液時の空間速度がSV=5(1/hr)となるように通液した。ここで、酸除去工程の際、留出液をカラム下部出口で5mLずつサンプリングし、そのpHを測定した。その結果を表6に示す。
Figure 0005167253
酸除去工程において、pH6.9の超純水を5L/L−樹脂以上通液するとpHが3以上になることが分かる。

Claims (2)

  1. 下記の工程を含むことを特徴とする、テトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法。
    (1)陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に酸を接触せしめる水素イオン形変換工程
    (2)水素イオン形変換工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に、該樹脂からの留出液のpHが3以上となるまで、水を接触せしめる酸除去工程
    (3)酸除去工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に0.3mol/L〜0.8mol/Lのテトラアルキルアンモニウムイオン溶液を接触せしめるテトラアルキルアンモニウムイオン形変換工程
    (4)テトラアルキルアンモニウムイオン形変換工程を行った陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂にテトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液を接触せしめて、該廃液中の不純物を除去する現像廃液処理工程
    (5)前記現像廃液処理工程後の陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を前記水素イオン形変換工程に循環する循環工程
  2. 前記循環工程に供する前に、陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂に、0.3mol/L〜0.8mol/Lの濃度のアルカリ溶液を接触せしめるアルカリ洗浄工程を含む請求項に記載のテトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法。
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