JP7051360B2 - タンクの構築方法 - Google Patents
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Description
先ず、本手法では、図1(a)に示すように、略円板状の基礎版1を構築する(基礎版構築工程)。基礎版1は、コンクリート製であり、その外周縁部には、内槽アンカーストラップ4、コーナーアングル100を埋設する。
本手法では、このような外槽2の組み上げと並行して、基礎版1上に底部ライナー6を敷設する。また、基礎版1の中央部に屋根架台7を組み立てる。また、外槽2の基端部に内槽側板9等を取り込むための工事口8を形成する。また、外槽2の基端部の内側に沿って、内槽側板組立用の門型架台10を複数設置する。門型架台10は、内槽側板9が複数組み合わされてなる円筒状の内槽が基礎版1上に最終的に下ろされるべき領域であるアニュラー領域Xを跨ぐように設置する。
その後、ジャッキアップ装置19によって、内槽屋根14、ナックルプレート11及び内槽側板9を含む揚体60を吊り上げたら、図3に示すように、屋根架台7を撤去し、揚体60のジャッキアップ(内槽側板9の上下幅相当分)と、その揚体60の下端(内槽側板9)への次の内槽側板9の取り付け(溶接)とを交互に繰り返し、吊側のジャッキポイントを上方に盛り替えつつ、内槽側板9の最下段を除く第1の構造物9aを組み立てる。
門型架台10の下では、仮置きした保冷構造体12によるアニュラー部13の保冷工事を行う。アニュラー部13の保冷工事が完了したら、図3に示すように、アニュラー部13よりもタンク内側に配置されていた門型架台10の脚部10aをアニュラー部13上に挿げ替える。
続いて、このような基礎版1の底部保冷工事について、図4~図7を参照して詳しく説明する。
底部ライナー6は、図4に示すように、外アニュラプレート61と、底部ライナープレート62と、内アニュラプレート63と、を有する。外アニュラプレート61は、平面視で扇形に形成されている。外アニュラプレート61の外径側には、その外径側の円弧形状に沿って複数の孔部61aが間隔をあけて形成されている。孔部61aには、上述した内槽アンカーストラップ4が挿通されると共に、内槽アンカーストラップ4の下端部を収容する図示しないアンカーボックスが係合する。
基礎版1の底部保冷工事では、先ず、図5に示す第1底部ライナープレート溶接工程を行う。第1底部ライナープレート溶接工程は、基礎版1の上に底部ライナー6として敷設された複数の底部ライナープレート62のうち、一部を除き、隣り合う底部ライナープレート62同士を溶接して、底部ライナープレート62の溶接領域(第1領域62A,第2領域62B)と非溶接領域65とを形成する工程である。
次に、第1底部ライナープレート溶接工程では、図5(b)に示すように、第1領域62Aによって基礎版1の上で分けられた領域のそれぞれで第2領域62B(溶接領域)を形成する(第2溶接工程)。
基礎版1の底部保冷工事では、次に、図6に示す第1底部保冷材打設工程を行う。第1底部保冷材打設工程は、第1底部ライナープレート溶接工程の後、溶接領域である第2領域62Bの上に底部保冷材39aを打設する工程である。
基礎版1の底部保冷工事では、次に、図6(a)に示す第2底部ライナープレート溶接工程を行う。第2底部ライナープレート溶接工程は、第1底部保冷材打設工程の後、非溶接領域65において隣り合う底部ライナープレート62同士を溶接する工程である。すなわち、第2領域62Bの端部62B1を第1領域62Aの上に隅肉溶接することで、接合部64を形成する。
以上により、基礎版1の底部保冷工事が完了する。
本手法では、基礎版1の底部保冷工事の完了後、内槽側板9の最下段を、図3で組み立てた第1の構造物9aとは別にアニュラー部13上に組み立てる。具体的には、門型架台10の解体後、内槽側板9の最下段をアニュラー部13上に載置したら、隣り合う内槽側板9同士を溶接し、全体で円筒状になるように周方向に繋ぎ合わせ、第2の構造物9bを組み立てる。第2の構造物9bを組み立てたら、基礎版1に設置された内槽アンカーストラップ4を取り付ける。また、外槽2の外部には、昇降階段23を設ける。また、外槽2の内側に、ポンプバレル25を搬入する。
次に、本手法では、図9に示すように、第1の構造物9aをジャッキダウンし、第1の構造物9aの下端部を第2の構造物9bの上端部に降ろし、第1の構造物9aと第2の構造物9bとを溶接し、内槽30を組み立てる。本手法では、ジャッキアップ装置19による内槽30の組み立てから、内槽30の最下段の組み立てを分離し、内槽30の最下段である第2の構造物9bのアニュラー部13上への固定を前倒しで行っている。したがって、本手法では、例えば1カ月程度かかる内槽30のアニュラー部13上への固定がクリティカルパスとならず、従来手法よりも工期の短縮化を図ることができる。
その後、被吊側架台80を取り外してジャッキアップ装置19を撤去する。その後、外槽2の緊張工事を行う。そして、工事口8の閉鎖後、水張りをして耐圧・気密試験を実施する。
最後に、図10に示すように、内槽30と外槽2との間の内外槽間15に保冷材44を配置し、また、内槽屋根14と外槽屋根22の間にも保冷材44を配置して保冷工事を行い、その後、塗装工事、配管保冷工事を経てLNGタンク50が構築される。
図11に示す第1底部保冷材打設工程では、第1領域62Aの上に重なる第2領域62Bの端部62B1に向かって、第2領域62Bの上に底部保冷材39aを打設している。この手法によれば、第2領域62Bの端部62B1に向かって歪みが蓄積されるため、非溶接領域65において歪みを吸収させ易くすることができる。
39 底部保冷材
39a 底部保冷材
39b 底部保冷材
62 底部ライナープレート
62A 第1領域
62B 第2領域
62B1 端部
65 非溶接領域
O 中心
Claims (5)
- 基礎版の上に底部ライナーを敷設し、敷設した前記底部ライナーの上に底部保冷材を打設する底部保冷工事を行うタンクの構築方法であって、
前記底部保冷工事は、
前記基礎版の上に前記底部ライナーとして敷設された複数の底部ライナープレートのうち、一部を除き、隣り合う前記底部ライナープレート同士を溶接して、前記底部ライナープレートの溶接領域と非溶接領域とを形成する第1底部ライナープレート溶接工程と、
前記第1底部ライナープレート溶接工程の後、前記溶接領域の上に前記底部保冷材を打設する第1底部保冷材打設工程と、
前記第1底部保冷材打設工程の後、前記非溶接領域において隣り合う前記底部ライナープレート同士を溶接する第2底部ライナープレート溶接工程と、
前記第2底部ライナープレート溶接工程の後、前記非溶接領域の上に前記底部保冷材を打設する第2底部保冷材打設工程と、を有する、ことを特徴とするタンクの構築方法。 - 前記第1底部ライナープレート溶接工程は、
前記基礎版の中心を通る直線状に前記溶接領域の第1領域を形成する第1溶接工程と、
前記第1溶接工程の後、前記第1領域によって前記基礎版の上で分けられた領域のそれぞれで前記溶接領域の第2領域を形成する第2溶接工程と、を有し、
前記第1領域と前記第2領域との間に、前記非溶接領域が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のタンクの構築方法。 - 前記第1領域は、前記基礎版の中心で直線が交差するように形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のタンクの構築方法。
- 前記非溶接領域において、前記第1領域の上に、前記第2領域の端部が重っており、
前記第2底部ライナープレート溶接工程では、前記第2領域の端部を前記第1領域の上に隅肉溶接する、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のタンクの構築方法。 - 前記第1底部保冷材打設工程では、前記第1領域の上に重なる前記第2領域の端部に向かって、前記第2領域の上に前記底部保冷材を打設する、ことを特徴とする請求項4に記載のタンクの構築方法。
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JPS5931366A (ja) * | 1982-08-10 | 1984-02-20 | 株式会社神戸製鋼所 | 二重殻低温タンクの内槽底板組立および保冷工事施工法 |
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