JP6934796B2 - タンクの構築方法 - Google Patents

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本発明は、タンクの構築方法に関するものである。
内槽と外槽とを有する二重殻構造のタンクは、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の低温液体の貯蔵に用いられている。下記特許文献1には、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有するLNG貯蔵タンクが開示されている。
このLNG貯蔵タンクは、PC鋼材に対して略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を与えたPC(プレストレストコンクリート)によってなる防液堤と、防液堤の内側を略覆うように外槽側部ライナープレートが配列されてなる外槽と、7%ニッケルを含む鋼によってなる複数の内槽側版が周回方向に連接されて構成される段が、鉛直方向の連接線が重ならないように複数段積層され、連接部を縦継手及び周継手において溶接されてなる内槽と、を有する。
内槽と外槽との間には、パーライト及び/もしくはPUF(ポリウレタンフォーム)が充填されてなる断熱層が形成される。また、タンクの基礎スラブ上には、底板ライナープレートが敷設され、その上にパーライトコンクリート、泡ガラス、ALC(軽量気泡コンクリート)、及び耐熱ボード等が積層されてなる底部保冷層が形成される。底部保冷層の上には、内槽底板が敷設され、これにより内槽底部が構築される。
特開2014−193726号公報
上記従来技術の内槽底板の敷設は、次のようにして行われる。先ず、工事口のタンク外のステージにローラーコンベア、タンク内の工事口にスロープを設置する。そして、クレーン等を使用し、内槽底板をステージ上のローラーコンベアに載せてスロープ上に引き込む。しかる後に、スロープで降下させ、内槽底板を所定位置まで移動させ、マーキングに沿って配列する。配列が完了した箇所から順次肌合せ、開先溶接等を行う(特許文献1の段落0063、図13参照)。
ところで、このような搬入架台(特許文献1のスロープ等)は、タンク内に設置されるため、内槽底板の敷設に干渉し、搬入架台を撤去した後でなければ、当該搬入架台の設置領域に内槽底板を敷設することができなかった。搬入架台の設置領域に内槽底板を敷設するまでは、内槽底部の構築が完了しないため、内槽底板の敷設作業の効率化が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、内槽底板の敷設作業を効率化することができるタンクの構築方法の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、外槽の内側に内槽を構築する内槽構築工程を有する二重殻構造のタンクの構築方法であって、前記内槽構築工程は、内槽底板が敷設された内槽底部を構築する内槽底部構築工程を有し、前記内槽底部構築工程は、前記外槽の内側に搬入架台を設置し、前記外槽に形成された工事口から前記搬入架台を介して前記外槽の内側に前記内槽底板を搬入する内槽底板搬入工程と、少なくとも前記搬入架台の設置領域において、前記内槽底板の長手方向が、前記工事口の開口方向に倣う向きに、前記内槽底板を敷設する内槽底板敷設工程と、を有する、という手法を採用する。
また、本発明においては、前記内槽構築工程は、内槽側板が組み立てられた内槽側壁を構築する内槽側壁構築工程を有し、前記内槽側壁構築工程は、前記外槽の内側において、ジャッキアップ装置による前記内槽側板の上昇と、前記上昇した内槽側板の下側への次の内槽側板の取り付けと、を交互に繰り返し、前記内槽側壁の最下段を除く第1の構造物を組み立てる第1内槽側壁構築工程と、前記内槽底部の周縁部に設けられたアニュラー部の上に、前記内槽側壁の最下段である第2の構造物を組み立てる第2内槽側壁構築工程と、前記第1の構造物と前記第2の構造物とを接合し、前記内槽側壁を組み立てる第3内槽側壁構築工程と、を有しており、前記内槽底部構築工程は、前記内槽側壁構築工程と並行して行われ、少なくとも前記第3内槽側壁構築工程の前には終了する、という手法を採用する。
また、本発明においては、前記内槽底板敷設工程は、前記搬入架台の設置領域以外の領域に前記内槽底板を敷設する第1内槽底板敷設工程と、前記第1内槽底板敷設工程の後、前記搬入架台を撤去する搬入架台撤去工程と、前記搬入架台撤去工程の後、前記搬入架台が設置されていた領域に前記内槽底板を敷設する第2内槽底板敷設工程と、を有する、という手法を採用する。
また、本発明においては、前記搬入架台の長手方向の長さは、前記搬入架台の設置領域に敷設される前記内槽底板の長手方向の長さより短い、という手法を採用する。
本発明によれば、内槽底板が、少なくとも搬入架台の設置領域において、内槽底板の長手方向が工事口の開口方向に倣う向きに敷設されるため、搬入架台の撤去後に敷設する内槽底板の枚数が減り、内槽底板の敷設作業を効率化することができる。
本発明の実施形態における構築方法の第1工程を示す説明図である。 本発明の実施形態における構築方法の第2工程を示す説明図である。 本発明の実施形態における構築方法の第3工程を示す説明図である。 本発明の実施形態における内槽底部に敷設された内槽底板を示す平面模式図である。 図4に示す搬入架台の設置領域及びその領域の近傍に敷設された内槽底板を示す拡大詳細図である。 比較例として従来の内槽底部に敷設された内槽底板を示す平面模式図である。 図6に示す搬入架台の設置領域及びその領域の近傍に敷設された内槽底板を示す拡大詳細図である。 本発明の実施形態における構築方法の第4工程を示す説明図である。 本発明の実施形態における構築方法の第5工程を示す説明図である。 本発明の実施形態における構築方法の第6工程を示す説明図である。
以下、本発明のタンク及びタンクの構築方法について図面を参照して説明する。以下の説明では、LNGを貯蔵する地上式のPC(プレストレストコンクリート)二重殻貯槽の構築方法を例示する。なお、以下の図面において、説明の便宜上、いくつかの部分が拡大され又は省略されており、図面に表されている各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態における構築方法の第1工程を示す説明図である。なお、図1(a)は、全体図であり、図1(b)は、図1(a)に示す領域Aの拡大図である。
先ず、本手法では、図1(a)に示すように、略円板状の基礎版1を構築する(基礎版構築工程)。基礎版1は、コンクリート製であり、その外周縁部には、内槽アンカーストラップ4、コーナーアングル100を埋設する。
次に、本手法では、基礎版1上に外槽2を構築する(外槽構築工程)。外槽2は、図1(a)に示すように、略円板状の基礎版1の周縁部に構築する。外槽2は、コーナーアングル100の上端に外槽側板3(側板)を溶接により組み上げつつ、この外槽側板3を内型枠としてコンクリート5を打設することで構築されるPC壁である。このため、外槽2の内壁面2aには、複数の外槽側板3が配列される。
図1(b)に示すように、コーナーアングル100は、断面視L字状に形成されている。このコーナーアングル100の下部には、その上端に溶接される外槽側板3が傾倒しないように基礎版1に対して引き抜き荷重を作用させる頭付スタッド101が接合されている。なお、コーナーアングル100の背面には、外型枠200を設置するためのセパレータコーン102を接合してもよい。
外槽側板3は、長方形の板状に形成されている。この外槽側板3のタンク内側を向く表面3aと反対側の裏面3bには、スティフナー110が接合されている。スティフナー110は、コンクリート5に埋設される。また、外槽側板3の裏面3bには、外型枠200を設置するためのセパレータコーン120が接合されている。外型枠200は、セパレータコーン120に接続されたセパレータ201を介して外槽側板3に連結される。
外槽側板3は、スティフナー110として、横スティフナー110Aと、縦スティフナー110Bと、を有する。横スティフナー110Aは、水平方向に延在するようにコンクリート5に埋設され、プレストレスによる外槽側板3のせん断抵抗を上げる。縦スティフナー100Bは、鉛直方向に延在するようにコンクリート5に埋設され、コンクリート5の打設圧による外槽側板3のタンク内側への膨らみを抑制する。
外槽側板3の組み上げと、コンクリート5の打設は、一定の間隔をあけた並行作業となる。これにより、コンクリート5を打設していない高さの外槽側板3の突出部分Pをある一定範囲に抑えることができる。突出部分Pは外槽側板3単体で風荷重を受ける部分であるため、このように突出部分Pを一定範囲に抑えることで、風荷重による外槽側板3の座屈を防止することができる。
図2は、本発明の実施形態における構築方法の第2工程を示す説明図である。
本手法では、このような外槽2の組み上げと並行して、基礎版1上に底部ライナー6を敷設する。また、基礎版1の中央部に屋根架台7を組み立てる。また、外槽2の基端部に内槽側板9等を取り込むための工事口8を形成する。また、外槽2の基端部の内側に沿って、内槽側板組立用の門型架台10を複数設置する。門型架台10は、内槽側板9が複数組み合わされてなる円筒状の内槽が基礎版1上に最終的に下ろされるべき領域であるアニュラー領域Xを跨ぐように設置する。
門型架台10の下では、アニュラー領域Xにパーライトコンクリートブロックや構造用軽量コンクリートブロック等の保冷構造体12を仮置きする。また、門型架台10の上では、外槽2にジャッキアップ装置19を複数台設置する。具体的には、門型架台10の設置位置よりも上方の外槽2の中段部に、吊側架台70を設置する。吊側架台70は、外槽2に埋め込んだ不図示のアンカープレートに着脱可能に締結固定する。また、門型架台10上で組んでいたナックルプレート11に、被吊側架台80を設置する。
被吊側架台80には、ジャッキアップ装置19のジャッキ本体19aを連結する。また、吊側架台70には、ジャッキ本体19aの作動よりストロークするジャッキロッド19bを連結する。このようにジャッキアップ装置19を設置したら、門型架台10からナックルプレート11を吊り上げ、そのジャッキアップによりできた下部空間に、内槽側板9を搬入し、隣り合う内槽側板9同士を溶接して全体で円筒状になるように周方向に繋ぎ合わせる。次に、この内槽側板9の上端部を、ナックルプレート11の下端部に組み付ける。また、ナックルプレート11の上端部は、屋根架台7上で組んでいた内槽屋根14の外周縁部に組み付ける。
図3は、本発明の実施形態における構築方法の第3工程を示す説明図である。
その後、内槽側壁31を構築するべく、ジャッキアップ装置19によって、内槽屋根14、ナックルプレート11及び内槽側板9を含む揚体60を吊り上げる(内槽側壁構築工程)。内槽側壁構築工程では、揚体60を吊り上げ、屋根架台7を撤去し、揚体60のジャッキアップ(内槽側板9の上下幅相当分)と、その揚体60の下端(内槽側板9)への次の内槽側板9の取り付け(溶接)とを交互に繰り返し、吊側のジャッキポイントを上方に盛り替えつつ、内槽側壁31の最下段を除く第1の構造物9aを組み立てる(第1内槽側壁構築工程)。
また、この工程中、内槽屋根14上で外槽屋根22を組み立てる。外槽屋根22は、内槽屋根14と不図示の連結材で連結され、内槽屋根14と一体的に組み立てられる。
門型架台10の下では、仮置きした保冷構造体12によるアニュラー部13の保冷工事を行う。アニュラー部13の保冷工事が完了したら、図3に示すように、アニュラー部13よりもタンク内側に配置されていた門型架台10の脚部10aをアニュラー部13上に挿げ替える。
このような挿げ替えによって、アニュラー部13よりもタンク内側には干渉物がなくなるため、基礎版1上の中央部の保冷工事を行うことができる。中央部の保冷工事では、底部ライナー6の上に底部冷熱抵抗緩和材39(例えば、パーライトコンクリートブロック)を打設し、その上に泡ガラス40を載置する。更に、その上にALC(軽量気泡コンクリート)と耐熱ボード(共に不図示)を順に重ね、最後にその上に内槽底板41を敷設することで、内槽底部32を構築する(内槽底部構築工程)。
図4は、本発明の実施形態における内槽底部32に敷設された内槽底板41を示す平面模式図である。
内槽底板41は、図4に示すように、内槽底部32の周縁部に円環状に設けられたアニュラー部13によって囲まれた領域に敷設される。内槽底板41は、長手方向の向きの異なる二種類の内槽底板41a,41bを組み合わせて構成されている。内槽底板41aの長手方向の向きは、内槽底板41bの長手方向の向きと90°異なる。
内槽底板41aは、その長手方向が底板設置基準線L2に沿って設置される所謂、畳板であり、内槽底板41bよりも枚数が多い。内槽底板41bは、その長手方向が底板設置基準線L2に対して直交して設置される所謂、廊下板であり、内槽底板41aの長手方向において隣り合う内槽底板41aの間に介在し、突合せ溶接による十字継手の形成を回避するものである。なお、内槽底板41a(畳板)の短手方向の長さ(幅)は、内槽底板41b(廊下板)の短手方向の長さ(幅)と略同じである。すなわち、内槽底板41の長手方向とは、この短手方向と直交する方向である。
このような内槽底板41は、外槽2に形成された工事口8aから外槽2の内側に搬入される(内槽側板搬入工程)。工事口8aは、図2及び図3に示す内槽側板9を取り込むための工事口8(所謂、大工事口)とは別の位置に設けられた工事口(所謂、小工事口)であり、内槽底板41の幅以上、内槽側板9の幅未満の開口幅を有する。内槽底板41の搬入は、外槽2の内側に設置した搬入架台90を介して行う。搬入架台90としては、例えば、支持面に複数のローラーを有するローラー架台を使用することが好ましい。
図5は、図4に示す搬入架台90の設置領域91及びその領域の近傍に敷設された内槽底板41を示す拡大詳細図である。
内槽底板41は、少なくとも搬入架台90の設置領域91において、内槽底板41の長手方向が、工事口8aの開口方向に倣う向きに敷設される。工事口8aの開口方向とは、工事口基準線L1が延びる方向である。工事口基準線L1は、図4に示すように、工事口8aの開口幅の中心と、内槽底部32の中心Oとを通る基準線である。
搬入架台90は、工事口8aの開口方向とその長手方向が一致するように設置される。すなわち、搬入架台90は、工事口基準線L1に沿って工事口8aの開口方向に延在している。この搬入架台90の設置領域91に敷設される内槽底板41は、底板設置基準線L2に沿って延在する内槽底板41a(畳板)である。底板設置基準線L2とは、内槽底部32の中心Oを通りその半径方向に延びる内槽底板41を敷設するための基準線である。
底板設置基準線L2は、工事口基準線L1に対して角度αで設定されている。角度αは、20°以下が好ましく、より好ましくは10°以下、更に好ましくは5°以下である。なお、底板設置基準線L2と工事口基準線L1とを一致させて、角度αを0°としてもよい。すなわち、工事口8aの開口方向に倣う向きとは、工事口8aの開口方向に内槽底板41aの長手方向が一致、若しくは、ほぼ一致する向きであり、0°≦α≦20°の範囲、より好ましくは、0°≦α≦10°の範囲、更に好ましくは0°≦α≦5°の範囲のことをいう。
内槽底板41を敷設する内槽底板敷設工程は、先ず、搬入架台90の設置領域91以外の領域に内槽底板41を敷設する(第1内槽底板敷設工程)。すなわち、搬入架台90の設置領域91以外の領域に、図5に示す内槽底板41a1以外の内槽底板41を敷設する。次に、搬入架台90を撤去する(搬入架台撤去工程)。なお、搬入架台90を撤去する前には、内槽底板41a1を予め外槽2の内側に搬入しておく。最後に、搬入架台90が設置されていた領域に、予め外槽2の内側に搬入しておいた内槽底板41a1を敷設する(第2内槽底板敷設工程)。
以上により、図4に示す内槽底部32が構築される。
図6は、比較例として従来の内槽底部32Aに敷設された内槽底板41を示す平面模式図である。図7は、図6に示す搬入架台90の設置領域91及びその領域の近傍に敷設された内槽底板41を示す拡大詳細図である。
図6に示す比較例では、工事口8aの開口方向と内槽底板41aの長手方向の関係を何ら考慮しておらず、例えば、角度αが30°以上になっている。このような場合、上述した搬入架台90の撤去後の第2内槽底板敷設工程において、図7に示すように、内槽底板41aとして内槽底板41a1を5枚、内槽底板41bとして内槽底板41b1を1枚、合計6枚敷設する必要がある。
一方、上述した本手法によれば、図5に示すように、搬入架台90の撤去後の第2内槽底板敷設工程において、内槽底板41aとして内槽底板41a1を2枚敷設すれば済む。すなわち、本手法では、図5に示すように、少なくとも搬入架台90の設置領域91において、内槽底板41の長手方向が、工事口8aの開口方向に倣う向きに、内槽底板41を敷設しているため、搬入架台90の撤去後に敷設する内槽底板41a1の枚数を減らすことができる。なお、内槽底板41a1の幅が十分にあれば、搬入架台90の撤去後に敷設する内槽底板41a1の枚数を最小限の1枚まで削減することも可能である。このため、本手法によれば、内槽底板41の敷設作業を効率化することができる。
また、本手法では、図5に示すように、搬入架台90の長手方向の長さS1が、搬入架台90の設置領域91に敷設される内槽底板41a1の長手方向の長さS2より短いため、図7に示す比較例のように搬入架台90の撤去後に内槽底板41b(廊下板)敷設する必要がなくなる。これにより、搬入架台90の撤去を待つことなく、搬入架台90の設置領域91以外の領域において、内槽底板41a(畳板)と内槽底板41b(廊下板)との突合せ溶接を行うことができるため、内槽底板41の敷設作業をより効率化することができる。
図8は、本発明の実施形態における構築方法の第4工程を示す説明図である。
本手法では、上述した内槽底部構築工程と並行して、内槽側板9の最下段を、図3で組み立てた第1の構造物9aとは別にアニュラー部13上に組み立てる。具体的には、門型架台10の解体後、内槽側板9の最下段をアニュラー部13上に載置したら、隣り合う内槽側板9同士を溶接し、全体で円筒状になるように周方向に繋ぎ合わせ、第2の構造物9bを組み立てる(第2内槽側壁構築工程)。第2の構造物9bを組み立てたら、基礎版1に設置された内槽アンカーストラップ4を取り付ける。また、外槽2の外部には、昇降階段23を設ける。また、外槽2の内側に、ポンプバレル25を搬入する。
図9は、本発明の実施形態における構築方法の第5工程を示す説明図である。
次に、本手法では、図9に示すように、第1の構造物9aをジャッキダウンし、第1の構造物9aの下端部を第2の構造物9bの上端部に降ろし、第1の構造物9aと第2の構造物9bとを溶接し、内槽側壁31を組み立てる(第3内槽側壁構築工程)。本手法では、ジャッキアップ装置19による内槽側壁31の組み立てから、内槽側壁31の最下段の組み立てを分離し、内槽側壁31の最下段である第2の構造物9bのアニュラー部13上への固定を前倒しで行っている。したがって、本手法では、例えば1カ月程度かかる内槽側壁31のアニュラー部13上への固定がクリティカルパスとならず、従来手法よりも工期の短縮化を図ることができる。
内槽底部構築工程は、上述の内槽側壁構築工程と並行して行われ、少なくとも第3内槽側壁構築工程の前には終了する。このように、内槽側壁31と内槽底部32の構築を並行して行うことで、従来手法よりも工期の短縮化を図ることができる。
内槽30が完成したら、外槽屋根22は、不図示の連結材による内槽屋根14との連結を解除し、最上段まで組み立てられた外槽2の上端部に据え付ける。また、外槽屋根22に屋根階段24を設ける。また、ポンプバレル25を設置する。
その後、被吊側架台80を取り外してジャッキアップ装置19を撤去する。その後、外槽2の緊張工事を行う。そして、工事口8の閉鎖後、水張りをして耐圧・気密試験を実施する。
図10は、本発明の実施形態における構築方法の第6工程を示す説明図である。
最後に、図10に示すように、内槽30と外槽2との間の内外槽間15に保冷材44を配置し、また、内槽屋根14と外槽屋根22の間にも保冷材44を配置して保冷工事を行い、その後、塗装工事、配管保冷工事を経てLNGタンク50が構築される。
このように、上述した本実施形態によれば、外槽2の内側に内槽30を構築する内槽構築工程を有する二重殻構造のLNGタンク50の構築方法であって、内槽構築工程は、内槽底板41が敷設された内槽底部32を構築する内槽底部構築工程を有し、内槽底部構築工程は、外槽2の内側に搬入架台90を設置し、外槽2に形成された工事口8aから搬入架台90を介して外槽2の内側に内槽底板41を搬入する内槽底板搬入工程と、少なくとも搬入架台90の設置領域91において、内槽底板41の長手方向が、工事口8aの開口方向に倣う向きに、内槽底板41a1を敷設する内槽底板敷設工程と、を有する、という手法を採用することによって、搬入架台90の撤去後に敷設する内槽底板41a1の枚数を減らし、内槽底板41の敷設作業を効率化することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
また、例えば、上記実施形態では、本発明をLNGタンクに適用した場合を例示したが、その他の低温液体(例えば、LPG等)を貯蔵するタンクにおいても本発明を適用可能である。
また、例えば、本発明は、ジャッキアップ装置を用いたタンクの構築方法だけでなく、エアレイジング工法を用いたタンクの構築方法にも適用することが可能である。
2 外槽
8a 工事口
9 内槽側板
9a 第1の構造物
9b 第2の構造物
10 門型架台
19 ジャッキアップ装置
30 内槽
31 内槽側壁
32 内槽底部
32A 内槽底部
41 内槽底板
41a 内槽底板
41a1 内槽底板
41b 内槽底板
41b1 内槽底板
50 LNGタンク(タンク)
90 搬入架台
91 設置領域
L1 工事口基準線
L2 底板設置基準線
O 中心
α 角度

Claims (4)

  1. 外槽の内側に内槽を構築する内槽構築工程を有する二重殻構造のタンクの構築方法であって、
    前記内槽構築工程は、内槽底板が敷設された内槽底部を構築する内槽底部構築工程を有し、
    前記内槽底部構築工程は、
    前記外槽の内側に搬入架台を設置し、前記外槽に形成された工事口から前記搬入架台を介して前記外槽の内側に前記内槽底板を搬入する内槽底板搬入工程と、
    少なくとも前記搬入架台の設置領域において、前記内槽底板の長手方向が、前記工事口の開口方向に倣う向きに、前記内槽底板を敷設する内槽底板敷設工程と、を有する、ことを特徴とするタンクの構築方法。
  2. 前記内槽構築工程は、内槽側板が組み立てられた内槽側壁を構築する内槽側壁構築工程を有し、
    前記内槽側壁構築工程は、
    前記外槽の内側において、ジャッキアップ装置による前記内槽側板の上昇と、前記上昇した内槽側板の下側への次の内槽側板の取り付けと、を交互に繰り返し、前記内槽側壁の最下段を除く第1の構造物を組み立てる第1内槽側壁構築工程と、
    前記内槽底部の周縁部に設けられたアニュラー部の上に、前記内槽側壁の最下段である第2の構造物を組み立てる第2内槽側壁構築工程と、
    前記第1の構造物と前記第2の構造物とを接合し、前記内槽側壁を組み立てる第3内槽側壁構築工程と、を有しており、
    前記内槽底部構築工程は、前記内槽側壁構築工程と並行して行われ、少なくとも前記第3内槽側壁構築工程の前には終了する、ことを特徴とする請求項1に記載のタンクの構築方法。
  3. 前記内槽底板敷設工程は、
    前記搬入架台の設置領域以外の領域に前記内槽底板を敷設する第1内槽底板敷設工程と、
    前記第1内槽底板敷設工程の後、前記搬入架台を撤去する搬入架台撤去工程と、
    前記搬入架台撤去工程の後、前記搬入架台が設置されていた領域に前記内槽底板を敷設する第2内槽底板敷設工程と、を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のタンクの構築方法。
  4. 前記搬入架台の長手方向の長さは、前記搬入架台の設置領域に敷設される前記内槽底板の長手方向の長さより短い、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンクの構築方法。
JP2017197618A 2017-10-11 2017-10-11 タンクの構築方法 Active JP6934796B2 (ja)

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