JP7044192B1 - 活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材 Download PDF

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Abstract

【課題】金属膜の膜厚が厚い場合であっても、金属膜との密着性に優れ、かつ表面の耐擦傷性を低下させることのないアンダーコート層、および該アンダーコート層を形成するためのアンダーコート剤を提供すること。さらに、表面の耐擦傷性が高い積層体、および基材と金属膜の密着性に優れ、硬度、透明性、および耐アルカリ性にも優れた金属膜付基材を提供すること。【解決手段】(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物(A)と、有機基を有する金属化合物(B1)およびトリアジンチオール化合物(B2)よりなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含み、前記化合物(A)の含有率は、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、70質量%以上である、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、基材と、アンダーコート層と、金属膜とをこの順に備えた金属膜付基材における、アンダーコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材に関する。
透明なプラスチックフィルム基材上に、透明導電性材料を積層させた透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略記する)ディスプレイ等のようなフラットパネルディスプレイ、タッチパネル、照明、太陽電池、電気電子等の分野の用途に広く使用されている。
透明導電性材料としては、可視光透過率が高く、表面抵抗値が比較的低いこと、環境特性に優れていることから、インジウム系酸化物である酸化インジウム-錫(ITO/IndiumTinOxide)(以下ITOと略記する)を主成分としたものが広く用いられている。しかし、ITOの表面抵抗値の下限は50Ω/□であり、大型ディスプレイの電極として用いるには、応答性が足りず不適とされている。また、ITO膜は脆く曲げ耐性に劣るうえに、屈曲時の表面抵抗値が高いことから、ディスプレイのフレキシブル化への対応が困難とされている。
そのため、銀や銅、アルミニウム合金等の金属材料からなる金属膜を、真空蒸着法、スパッタリング法等の物理蒸着法(PDV/PhysicalVaporDeposition)、化学蒸着法(CVD/Chemical Vapor Deposition)等の方法により、基材上に形成させ、微細なパターニングを施すことで、電極パターンを目視で見えなくする金属メッシュや、金属をナノ分散させた導電性インク等により、ITOを代替する材料や技術の開発が行われている。
しかし、このようなITO代替として金属膜を備えた金属膜付基材は、基材上に直接金属膜を形成すると密着性が悪く、金属膜の剥がれが起こりやすいため、通常基材には、プライマー処理が必要となる。そのため、プライマー処理に金属材料との親和性に優れた有機材及び又は無機材を含む活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤を用いることで、基材と金属膜との密着性を向上させる技術が検討されている(例えば特許文献1、2)。
さらに近年、金属膜付基材は、液晶ディスプレイの光反射フィルムやスマートフォンなどの背面用の加飾用フィルム、形成された金属膜を回路パターン化したフレキシブルプリント配線基板や、RFIDタグのアンテナなどでも用いられており、近年では第5世代移動通信システムのアンテナ等でも検討がなされている。
そこで、金属膜を有する積層体の光学的特性や電気的特性を向上させるために、金属膜の膜厚を厚くすることが要求されている。光学的特性としては光反射フィルムとして使用する場合の反射率や、加飾用フィルムとして使用する場合の隠蔽性、電気的特性としてはアンテナフィルムとして使用する場合の受信感度や導電フィルムとして使用する場合の応答感度が挙げられる。しかし、金属膜の膜厚を厚くすると金属膜を形成する時に発生する応力が膜厚の薄い場合に比べてはるかに大きくなり、アンダーコート層との密着性が、より低下する傾向にあり、基材と金属膜の密着性が問題となっている。
さらに、金属膜付基材を、加飾用フィルム、フレキシブルプリント配線基板、またはRFIDタグもしくは第5世代移動通信システムのアンテナフィルム等に使用する場合には、形成された金属膜を回路パターン化する必要があり、パターン化の際にエッチング液(主にアルカリ溶液)に浸漬する際の耐アルカリ耐性が必要である。また、導電フィルム等として使用する場合には、ディスプレイの視認性向上やアンテナフィルムとして使用する場合に建造物や自動車の窓に貼付されることがあり、視認性をよくするためにアンダーコート層の透明性をも兼ね備える必要がある。
特開2016-069653号公報 特開2015-199946号公報
しかしながら、このような従来のアンダーコート剤による処理は、金属膜と基材の密着性を向上させる一方で、表面硬度を低下させることが多い。そのため製造工程や加工工程等におけるアンダーコート層の傷付き(耐擦傷性)が問題となっており、さらに硬度、透明性、および耐アルカリ性をも満足することはできていないのが現状である。
よって本発明は、金属膜の膜厚が厚い場合であっても、金属膜との密着性に優れ、かつ表面の耐擦傷性を低下させることのないアンダーコート層、および該アンダーコート層を形成するためのアンダーコート剤の提供を目的とする。
さらに、本発明のアンダーコート層により、表面の耐擦傷性が高い積層体であって、これにより、基材と金属膜の密着性、硬度、透明性、および耐アルカリ性にも優れた金属膜付基材の提供を目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の発明に至った。
すなわち、第1の発明は、基材と、アンダーコート層と、金属膜とをこの順に備えた金属膜付基材における、アンダーコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤であって、
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物(A)と、
有機基を有する金属化合物(B1)およびトリアジンチオール化合物(B2)の少なくともいずれかである化合物(B)と、
光重合開始剤(C)を含み、
前記化合物(A)の含有率は、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、70質量%以上である、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤に関する。
また、第2の発明は、前記有機基を有する金属化合物(B1)が、金属アルコキシド化合物(B1x)、金属キレート化合物(B1y)、および金属アシレート化合物(B1z)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤に関する。
また、第3の発明は、有機基を有する金属化合物(B1)の金属が、チタン、ジルコニウム、またはアルミニウムである、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤に関する。
また、第4の発明は、前記トリアジンチオール化合物(B2)が、活性エネルギー線硬化性官能基を有するトリアジンチオール化合物(B2x)である、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤に関する。
また、第5の発明は、前記化合物(A)が、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつ窒素原子を有する化合物(a1)である、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤関する。
また、第6の発明は、前記化合物(a1)が、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつヌレート環骨格を有する化合物(a1x)である、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤に関する。
また、第7の発明は、前記化合物(B)の含有率が、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、1~30質量%である、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤に関する。
また、第8の発明は、前記活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤より形成されたアンダーコート層に関する。
また、第9の発明は、基材と、前記アンダーコート層を有する積層体に関する。
更に、第10の発明は、基材と、前記アンダーコート層と、金属膜とをこの順に備えた金属膜付基材に関する。
本発明により、金属膜の膜厚が厚い場合であっても、金属膜との密着性に優れ、かつ表面の耐擦傷性を低下させることのないアンダーコート層、および該アンダーコート層を形成可能なアンダーコート剤の提供が可能となる。
さらに、アンダーコート層表面の耐擦傷性が高い積層体、および基材と金属膜の密着性に優れ、硬度、透明性、および耐アルカリ性にも優れた金属膜付基材の提供が可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、初めに本明細書で用いられる用語について説明する。
尚、本明細書では、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリロ」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、および「(メタ)アクリロイルオキシ」と表記した場合には、特に断りがない限り、それぞれ「アクリルまたはメタクリル」、「アクリロまたはメタクリロ」、「アクリル酸またはメタクリル酸」、「アクリレートまたはメタクリレート」および「アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシ」を表すものとする。
また、「活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤」を「アンダーコート剤」、「(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物(A)」を「化合物(A)」、「(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつ窒素原子を有する化合物(a1)」を「化合物(a1)」、「(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつ窒素原子を有しない化合物(a2)」を「化合物(a2)」、「(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつヌレート環骨格を有する化合物(a1x)」を「化合物(a1x)」、「化合物(a1x)以外の化合物(a1y)」を「化合物(a1y)」、「(メタ)アクリロイル基を1または2個有する化合物(A’)」を「化合物(A’)」、「有機基を有する金属化合物(B1)およびトリアジンチオール化合物(B2)の少なくともいずれかである化合物(B)」を「化合物(B)」、「有機基を有する金属化合物(B1)」を「金属化合物(B1)」、「活性エネルギー線硬化性官能基を有するトリアジンチオール化合物(B2x)」を「トリアジンチオール化合物(B2x)」、「活性エネルギー線硬化性官能基を有さないトリアジンチオール化合物(B2y)」を「トリアジンチオール化合物(B2y)」とそれぞれ称することがある。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
《アンダーコート剤》
本発明のアンダーコート剤は、基材と、アンダーコート層と、金属膜とをこの順に備えた金属膜付基材における、アンダーコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤である。
本発明のアンダーコート剤は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物(A)と、有機基を有する金属化合物(B1)およびトリアジンチオール化合物(B2)の少なくともいずれかである化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含み、前記化合物(A)の含有率が、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、70質量%以上である。
このようなアンダーコート剤であることで、金属膜が厚い場合であっても、形成したアンダーコート層が、金属膜との密着性および耐擦傷性とを両立できる。さらに、透明性、硬度、耐アルカリ性も良好な、優れたアンダーコート層を形成することが可能となる。
<化合物(A)>
化合物(A)は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物である。
化合物(A)は、窒素原子を有する化合物(a1)と窒素原子を有しない化合物(a2)に分類され、窒素原子を有する化合物(a1)は、さらにヌレート環骨格を有する化合物(a1x)と、化合物(a1x)以外の化合物(a1y)に分類できる。
化合物(A)は、金属膜に対する密着性及び耐アルカリ性の観点から、窒素原子を有する化合物(a1)であることが好ましく、ヌレート環骨格を有する化合物(a1x)であることがより好ましい。化合物(A)が、化合物(a1)であることにより、金属膜に対する密着性と、耐アルカリ性により優れたアンダーコート層が得られる。
ヌレート構造は窒素原子を有するイソシアネート化合物の三量体であり、六員環構造であるため、その剛直な六員環の周りで(メタ)アクリロイル基の重合が進み、反応が起こり、化合物(B)及び金属膜双方の親和性との相乗効果により、優れた金属膜に対する密着性、と耐アルカリ性を発現することができるために好ましい。
化合物(A)として具体的には、例えば、窒素原子を有する化合物(a1)のうち、
化合物(a1x)として、トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、EO変性トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、PO変性トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びε-カプロラクトン変性トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアナト基有する(メタ)アクリレートの三量体(イソシアヌレート);
化合物(a1y)として、ウレタンアクリレート、ヌレート環骨格以外の窒素原子を有するポリアクリルポリ(メタ)アクリレート等;
窒素原子を有しない化合物(a2)として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、等のポリオールポリ(メタ)アクリレート化合物;
その他、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する、ポリアクリルポリ(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレート等のポリマーポリオールのポリアクリレート;
ポリエポキシ(メタ)アクリレート;
等が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(a1x)の市販品としては、例えば、ヌレート環骨格を有し(メタ)アクリロイル基を3個以上有するウレタンアクリレート(MIWON社製 Miramer MU9800等)の他、トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート(日立化成社製 FANCRYL FA-731A、第一工業製薬社製 NEW FRONTIER TEICA(GX-8430)等)、EO変性トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成社製アロニクスM-313、M-315、新中村化学工業社製NKエステル A-9300、ARKEMA社製SARTOMER SR-368等)、PO変性トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業社製 NKエステル A-9300-1CL等)等の市販品が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(a1y)の市販品としては、例えば、ヌレート環骨格を有さず(メタ)アクリロイル基を3個以上有するウレタンアクリレート(MIWON社製 Miramer PU610等)等の市販品や、ヌレート環骨格以外の窒素原子を有し(メタ)アクリロイル基を3個以上有するポリアクリルポリ(メタ)アクリレート、等が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(a2)の市販品としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(MIWON社製 Miramer M300等)、グリセリントリ(メタ)アクリレート(東亜合成社製 アロニックス M―930等)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(サートマー社製 SR399等)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(MIWON社製 Miramer M600等)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(MIWON社製 Miramer M340等)、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(共栄社化学社製 ライトアクリレート PE-4A等)、等のポリオールポリ(メタ)アクリレート化合物:
その他、(メタ)アクリロイル基が3つ以上で窒素原子を有さないポリアクリルポリ(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック社製 KRM8912等)、(メタ)アクリロイル基が3つ以上でポリエステル(メタ)アクリレート等のポリマーポリオールのポリアクリレート(ダイセル・サイテック社製 EBECRYL800等);
ポリエポキシ(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック社製 EBECRYL3603等);
等が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(A)の含有率は、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、70質量%以上である。化合物(A)の含有率の上限は、100質量%未満であり、98質量%以下が好ましい。
硬度、及び耐擦傷性に優れたアンダーコート層が得られることから、72.5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは75質量%以上である。
<化合物(B)>
化合物(B)は、有機基を有する金属化合物(B1)およびトリアジンチオール化合物(B2)の少なくともいずれかである。
化合物(B)は、有機材料と相互作用しうる官能基と無機材料と相互作用しうる官能基を同一分子内に有する化合物であり、有機基を有する金属化合物(B1)では、例えば金属キレート化合物(B1y)のキレート配位子の配位部位が有機材料および無機材料と相互作用し、トリアジンチオールではトリアジン骨格が有機材料と、チオール基が無機材料と相互作用することができる。
化合物(B)は、アンダーコート剤を構成するその他成分の有機材料と安定かつ均一な組成物を形成することができることに加え、これらを含むアンダーコート剤を硬化させてなるアンダーコート層上に直接積層される金属膜に対する密着性を良好とする。
化合物(B)の含有率は、硬度、耐擦傷性、および金属膜密着性の観点から、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、1~30質量%であることが好ましく3~25質量%であることがより好ましく、5~15質量%含むことがさらに好ましい。
[金属化合物(B1)]
金属化合物(B1)は、有機基を有する金属化合物であり、例えば、金属原子(M)と炭素原子(C)とのM-C結合あるいは酸素原子を介したM-O-C結合を有し、例えば、M(-R)n、M(-OR)n、またはM(-OCOR)n等で表され、金属原子(M)と有機基(R)を有する化合物である。
有機基(R)としては、アルキル基やアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アセトキシ基、カルボキシ基等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
アルキル基としては、メチル基やエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、エチレン基やプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキセン基、フェニレン基等が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基やプロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基やトリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基やプロピオニル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
金属化合物(B1)としては、例えば、金属アルコキシド化合物(B1x)、金属キレート化合物(B1y)、または金属アシレート化合物(B1z)等が挙げられる。
それぞれ具体的には、金属アルコキシド化合物(B1x)は一般式M(OR)nで表される化合物であり、金属キレート化合物(B1y)は金属原子1モルに対して配位子1モルに含まれるドナー原子が、共有結合および配位結合してできる化合物、金属アシレート化合物(B1z)は、一般式M(OCOR)nで表される化合物である。
ここで、Mは金属原子、Rは有機基、nは1以上の整数を表す。
これらのなかでも、反応性の観点から金属アルコキシド化合物(B1x)であると、金属とアンダーコート層の密着性がより向上でき、安定性の観点から金属キレート化合物(B1y)であると、塗膜の透明性がより向上できるために好ましい。
また、金属化合物(B1)が有する金属は、例えば周期表第4族金属および第13族金属、第14族金属等が挙げられる。これらのなかでも、周期番号の小さい金属を有する有機金属化合物の方が高活性であり、架橋性に優れる点で、周期表第4族金属、または第13族金属を有することが好ましい。
金属として具体的には、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ホウ素、コバルト、マンガン、セレン、クロム、ルテニウム、ガリウム、カドニウムなどの多価金属が挙げられる。これらの中でも、アンダーコート剤に含まれる有機成分との反応性およびアンダーコート層上に直接積層される金属膜との密着性の観点から、チタン、ジルコニウム、アルミニウムが好ましく、チタン、またはジルコニウムがより好ましい。
すなわち、金属膜との密着性の観点から、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、または有機ジルコニウム化合物が好ましく、有機チタン化合物、または有機ジルコニウム化合物がより好ましい。
(金属アルコキシド化合物(B1x))
金属アルコキシド化合物(B1x)は、一般式M(OR)nで表される化合物である。
ここで、Mは金属原子、Rは炭素数1以上の有機基である。
金属アルコキシド化合物(B1x)としては、チタンアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、またはアルミニウムアルコキシド化合物等が挙げられ、金属膜との密着性の観点から、チタンアルコキシド化合物、またはジルコニウムアルコキシド化合物であることが好ましい。
チタンアルコキシド化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、テトラターシャリーブチルチタネート、テトラステアリツチタネート、テトラ-i-プロポキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウム-i-プロポキシオクチレングリコレート等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスTA-8、TA-21、TA-23、TA-30、TA-12、TA-80、TA-90、味の素ファインテクノ製のプレンアクト46B、55、41B、38S、338X、44、9SA、日本曹達製のA-1、TOT、TOG等が挙げられる。
ジルコニウムアルコキシド化合物としては、テトラノルマルプロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスZA-45、ZA-65、等が挙げられる。
アルミニウムアルコキシド化合物としては、アルミニウムセカンダリーブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスAL-3001、等が挙げられる。
(金属キレート化合物(B1y))
金属キレート化合物(B1y)は、金属原子1モルに対して配位子1モルに含まれるドナー原子が、共有結合および配位結合してできる化合物である。
金属キレート化合物(B1y)としては、チタンキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、またはアルミニウムキレート化合物等が挙げられ、金属膜との密着性の観点から、チタンキレート化合物、またはジルコニウムキレート化合物であることが好ましい。
キレート配位子を構成するキレート剤としては、β-ジケトン、β-ケトエステル、多価アルコール、アルカノールアミン及びオキシカルボン酸等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
β-ジケトンとしては、キレート化剤として配位するものであれば特に限定はないが、例えば具体的には、2,4-ペンタンジオン、2,4-ヘキサンジオン、2,4-ヘプタンジオン、ジベンゾイルメタン、テノイルトリフルオロアセトン、1,3-シクロヘキサンジオン、1-フェニル-1,3-ブタンジオン等が挙げられる。
β-ケトエステルとしては、特に限定はないが、例えば具体的には、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、メチルピバロイルアセテート、メチルイソブチロイルアセテート、カプロイル酢酸メチル、ラウロイル酢酸メチル等が挙げられる。
多価アルコールとしては、特に限定はないが、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、特に限定はないが、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-n-ブチルエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t e r t -ブチルエタノールアミン、N-t e r t-ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。
オキシカルボン酸としては、特に限定はないが、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等が挙げられる。
チタンキレート化合物としては、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンアセチルアセトネート、ジ-i-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスTC-120、TC-310、TC-315、TC-400、TC-500、TC-510、味の素ファインテクノ製のプレンアクト138S、238S、日本曹達製のT-50、T-60等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスZC-150、ZC-162、ZC-540、ZC-580、ZC-700等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスAL-3100、AL-3200、AL-3215、味の素ファインテクノ製のプレンアクトAL-M等が挙げられる。
(金属アシレート化合物(B1z))
金属アシレート化合物(B1z)は、一般式M(OCOR)nで表される化合物である。
ここで、Mは金属原子、Rは炭素数1以上の有機基、nは1以上の整数を表す。
金属アシレート化合物(B1z)としては、チタンアシレート化合物、ジルコニウムアシレート化合物、またはアルミニウムアシレート化合物等が挙げられ、金属膜との密着性の観点から、チタンアシレート化合物、またはジルコニウムアシレート化合物であることが好ましい。
チタンアシレート化合物としては、チタンイソステアレート、トリ-n-ブトキシチタンモノステアレート、ジ-i-プロポキシチタンジステアレート、チタニウムステアレート、ジ-i-プロポキシチタン ジイソステアレート、(2-n-ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスTC-800、味の素ファインテクノ製のプレンアクトTTS、日本曹達製のTBSTA、DPSTA-25、S-151、S-152S-181、TBP等が挙げられる。
ジルコニウムアシレート化合物としては、オクチル酸ジルコニウム化合物、ステアリン酸ジルコニウム等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスZC-200、ZC-320、等が挙げられる。
アルミニウムアシレート化合物としては、チタンイソステアレート、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリステアレート、アルミニウムジアセテート-モノステアレート等が挙げられる。
市販品としては、マツモトファインケミカル製のオルガチックスTC-800等が挙げられる。
[トリアジンチオール化合物(B2)]
トリアジンチオール化合物(B2)は、トリアジン骨格にチオール基が少なくとも1つ結合した化合物である。トリアジンチオール化合物(B2)は、活性エネルギー線硬化性官能基を有する化合物(B2x)と、活性エネルギー線硬化性官能基を有さない化合物(B2y)とに分類できる。これらのなかでも、アンダーコート剤に含まれる有機成分との反応性およびアンダーコート層上に直接積層される金属膜との密着性の観点より、活性エネルギー線硬化性官能基を有する化合物(B2x)であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性官能基を有することでアンダーコート層中に強く結合され、金属膜層との密着性や耐アルカリ性がより向上する。
活性エネルギー線硬化性官能基を有するトリアジンチオール化合物(B2x)としては、6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-(4-ビニルベンジル-n-プロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジオール、6-(アリルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール等が挙げられる。
市販品としては、川口化学工業製のV BATDT;6-(4-ビニルベンジル-n-プロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジオール等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性官能基を有さないトリアジンチオール化合物(B2y)としては、1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール、2-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-4,6―ジチオール、6-(ジイソプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-(ジイソブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ジ(2-エチルヘキシル)アミノ-1,3、5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-(ブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール等が挙げられる。
市販品としては、川口化学工業製のTSH;1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオール、BSH;2-(ブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-4,6―ジチオール、IPSH;6-(ジイソプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、IBSH;6-(ジイソブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、ESH;6-ジ(2-エチルヘキシル)アミノ-1,3、5-トリアジン-2,4-ジチオール)等が挙げられる。
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C)としては、例えば、モノカルボニル系光重合開始剤、ジカルボニル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、アミノカルボニル系光重合開始剤等が使用できる。
光重合開始剤(C)は、増感剤と併用してもよい。
例えば、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、3,3´,4,4´-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2-/4-イソ-プロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、及び1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等のモノカルボニル系光重合開始剤;
2-エチルアントラキノン、9,10-フェナントレンキノン、及びメチル-α-オキソベンゼンアセテート等のジカルボニル系光重合開始剤;
2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2,2-ジエトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、及び1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイゾブチルエーテル、及びベンゾインノルマルブチルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、及び4-n-プロピルフェニル-ジ(2,6-ジクロロベンゾイル)ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤;
並びに、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-n-ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、4,4´-ビス-4-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4´-ビス-4-ジエチルアミノベンゾフェノン、及び2,5´-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン等のアミノカルボニル系光重合開始剤;
等が挙げられる。
光重合開始剤(C)の市販品としては、IGM-Resins B.V.社製のOmnirad184、651、500、907、127、369、784、2959、エサキュアワン、BASF(株)社製ルシリンTPO等が挙げられる。特に、活性エネルギー線硬化後の耐黄変の観点で、Omnirad184やエサキュアワンが好ましい。
光重合開始剤(C)の含有率は、アンダーコート層が紫外線により所定の物性になるように硬化できる量さえ含まれていれば制限されないが、アンダーコート層が紫硬化速度、並びに、硬度及び耐擦傷性の観点から、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、1~15質量%含むことが好ましく、3~10質量%含むことがより好ましい。
<その他成分>
本発明のアンダーコート剤は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物(A)、化合物(B)、および光重合開始剤(C)を混合することにより得られる。また、必要に応じて、(メタ)アクリロイル基を1または2個有する化合物(A’)、有機溶剤(D)、添加剤等のその他成分を含有してもよい。
添加剤としては、熱硬化性樹脂、重合禁止剤、レベリング剤、スリップ剤、消泡剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、導電剤、無機充填剤、顔料、染料等が挙げられる。
[化合物(A’)]
化合物(A’)は、(メタ)アクリロイル基を1または2個有する化合物である。
化合物(A’)としては、例えば、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、および2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及びイソボニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類が挙げられるが、これらに限定されない。
[有機溶剤(D)]
本発明のアンダーコート剤は、有機溶剤(D)を含んでもよい。
有機溶剤(D)としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、などのアルコール系有機溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコエーテル系有機溶剤など公知の有機溶剤を使用できる。
有機溶剤(D)を含む場合、有機溶剤(D)の含有率は、塗工性及び成膜性の観点から、本発明のアンダーコート剤の不揮発分濃度が1~60質量%となる範囲であることが好ましい。
<金属膜付基材>
本発明の金属膜付基材は、基材と、本発明のアンダーコート剤より形成されたアンダーコート層と、金属膜とをこの順に備える。
本発明のアンダーコート剤は、基材の表面に金属膜を形成するために用いられ、後述するように、例えば、基材上に、本発明のアンダーコート剤を塗布し、活性エネルギー線により硬化させたアンダーコート層を有する積層体とし、該積層体のアンダーコート層上に、金属膜を形成することにより、金属膜付基材とすることができる。
本発明のアンダーコート層は、金属膜との密着性に優れるため、アンダーコート層と金属膜が直接積層した場合の金属膜の剥がれを抑制することができる。
なお、必要に応じて、基材とアンダーコート層の間に、他の樹脂層等を更に有していてもよい。他の樹脂層としては例えば製造工程での帯電を防止するための帯電防止樹脂層、本発明の積層体の硬度をより上げるためのハードコート樹脂層、基材と本発明のアンダーコート層との密着性を向上させるためのアンカー樹脂層等が挙げられるがこの限りではない。
基材(支持体とも言う)としては、特に限定はなく、ガラス、合成樹脂成型物、フィルムなどが挙げられる。合成樹脂成型物としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレートを主成分とする共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-メチルメタクリレート共重合体樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリアリルジグリコールカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂の成型物が挙げられる。
また、フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテルフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム等が挙げられる。
アンダーコート層の厚みは、特に限定されないが、通常0.1~5μm程度である。
より好ましい範囲は硬度やコストの面で0.5~3μmである。
金属膜としては、例えば、金属蒸着膜、金属スパッタ膜及び金属CVD膜が挙げられる。金属膜としては、特に金属蒸着膜又は金属スパッタ膜であることが好ましい。金属膜層の厚みは、加飾性、光学的特性、電気的特性を満たせば特に限定されないが、通常、0.1~0.5μmである。しかし、用途によっては光学的特性や電気的特性を向上させるために膜厚を0.5μm以上として用いる場合もあり、本発明のアンダーコート剤は密着性に優れるため、膜厚1μm以上といった金属膜の膜厚が比較的厚い場合であっても、密着性と耐擦傷性との両立が可能な積層体とすることができる。製造コストや近年のディスプレイやアンテナフィルムの小型化、軽量化のために膜厚は5μm以下が好ましい。
金属膜を構成する金属としては、銅、アルミニウム、銀等が挙げられるが、これらに限らない。本特許のアンダーコート剤は金属膜に銅を使用した場合に特に効果を発揮する。
さらに、金属膜の膜厚が厚くても密着性に優れることから、本発明の積層体は電気的特性としての受信感度の向上が要求されるアンテナフィルム用等にも、好適に用いることができる。また、応答感度が高めることができるため導電フィルム等にも、好適に用いることができる。
さらに本発明のアンダーコート層は透明性に優れることから、本発明の積層体は視認性の求められる導電フィルムやアンテナフィルム等に好適にも用いることができる
また、本発明のアンダーコート層は耐アルカリ性に優れることから、本発明の積層体は加飾パターンが必要となる加飾用フィルムや回路パターンが必要となる導電フィルム、アンテナフィルム、フレキシブルプリント配線基板等に好適にも用いることができる。
[金属膜付基材の製造方法]
本発明の金属膜付基材の製造方法は、特に限定されない。例えば、(1)基材の表面(基材が例えばフィルム状のものであれば片面又は両面)に本発明のアンダーコート剤を塗布し、(2)該基材に熱を加えた後、(3)更に活性エネルギー線を照射することにより硬化させてアンダーコート層を形成する工程を経て積層体を製造する。(4)アンダーコート層上に金属膜を形成する工程を経て製造する態様が挙げられる。
すなわち工程(1)~(3)により、基材と、本発明のアンダーコート層を有する積層体を製造し、該積層体のアンダーコート層上に金属膜を形成する金属膜付基材の製造方法であることが好ましい。
本発明のアンダーコート層は、耐擦傷性が高いため、金属膜付基材製造工程や加工工程等におけるアンダーコート層の傷付きを防ぐことが可能である。
工程(1)に関し、基材の表面(基材が例えばフィルム状のものであれば片面又は両面)にアンダーコート剤を塗布する条件は、特に限定されず、塗布手段としては、例えば、スプレー、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター及びドットコーター等が挙げられる。また、塗工量も特に限定されないが、通常、乾燥不揮発分として0.01~10g/m程度である。
工程(2)に関し、該基材に熱を加える際の条件も特に限定されないが、通常、温度80~150℃程度で、時間が10秒~2分程度である。
工程(3)に関し、活性エネルギー線を照射する際の条件も特に限定されない。活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線が挙げられる。紫外線の供給源としては例えば高圧水銀灯やメタルハライドランプ等が挙げられ、その照射エネルギーは通常100~2,000mJ/cm程度である。電子線の供給方式としては例えばスキャン式電子線照射、カーテン式電子線照射法等が挙げられ、その照射エネルギーは通常10~200kGy程度である。
工程(4)に関し、アンダーコート層に金属膜を形成する手段は特に限定されないが、ドライコート法が好ましい。具体的には、例えば、真空蒸着法又はスパッタリング法等の物理的方法や、CVD等の化学的方法(化学的気相反応等)が挙げられる。
また、金属膜付基材を加飾用フィルムやアンテナフィルム、導電フィルム、フレキシブルプリント配線基板として使用する場合は、金属膜を回路パターン化してもよい。この場合の金属膜付基材の製法方法も特に限定されず、例えば工程(1)~(4)により得られた金属膜付基材の金属膜側に各種レジストを塗布し、回路パターンを描写した後でエッチング液(アルカリ溶液)に浸漬し、レジストを除去する方法が挙げられる。回路パターンの形状は細線状、ドット状、メッシュ状及び面状等、如何なる形態であってよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は、本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例で「部」とあるのは「質量部」を、「%」とあるのは「質量%」を意味する。
また、表中の配合量は、質量部であり、溶剤以外は、不揮発分換算値である。尚、表中の空欄は配合していないことを表す。
<アクリルコポリマーの製造>
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)40.8部(13.6モル%)、(メチルメタアクリレート(MMA)72.0部(27.7モル%)、ブチルアクリレート(BA)79.2部(23.8モル%)、アクリロニトリル(AN)48.0部(約34.9モル%)、酢酸エチル445.7部を仕込み、反応系を70℃に設定した。次いで、2、2’―アゾビス(2、4―ジメチルバレロニトリル)(ABN―V)1.2部を仕込み、70℃付近で6時間保温した。次いで、ABN―V 2.4部を仕込み、反応系を同温度付近において更に6時間保温した。その後反応系を室温まで冷却することにより、ガラス転移温度が13℃及び水酸基価が80mgKOH/g、不揮発分35.0%のアクリルコポリマーの溶液を得た。
(アンダーコート剤の調製)
[実施例1]
化合物(A)としてアロニックス M-403(東亞合成社製)94部、化合物(B)としてオルガチックス TA-30(チタンテトラ-2-エチルヘキソキシド、不揮発成分:99wt%以上(2-プロパノール溶液)、マツモトファインケミカル社製)6部、及び光重合開始剤(C)としてエサキュアワン(DKSHジャパン(株)社製)5部をよく混合し、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを不揮発分濃度40%となるように調整してアンダーコート剤を得た。
[実施例2~30、比較例1~
各成分を表1、2に示す組成および配合量(不揮発分換算質量部)としたこと以外は、実施例1と同様にして、不揮発分濃度40%のアンダーコート剤をそれぞれ得た。
ただし、実施例23は参考例である。
表1に示す各材料の詳細は、以下のとおりである。
<化合物(A)>;(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物
(化合物(a2));窒素原子を有しない化合物
・アロニックスM-403(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(官能基数:6個):40~50%とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(官能基数:5個):50~60%の混合物;東亞合成社製)
(化合物(a1y));化合物(a1x)以外の窒素原子を有する化合物
・Miramer PU610(ウレタンアクリレート、重量平均分子量:1800、官能基数:6個、MIWON社製)
(化合物(a1x));ヌレート環骨格を有する化合物
・Miramer MU9800(ヌレート環骨格を有するウレタンアクリレート、重量平均分子量:3500、官能基:9個、MIWON社製)
・アロニックス M-315(イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、官能基数:3個、東亞合成社製)
<化合物(A’)>;(メタ)アクリロイル基を1または2個有する化合物
・NKエステル A-DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、分子量:304、アクリロイル基数:2個、新中村化学工業社製)
<イナート樹脂>
・アクリルコポリマー(製造例1で合成したガラス転移温度が13℃及び水酸基価が80mgKOH/g、不揮発分35.0%のアクリルコポリマーの溶液)
<化合物(B)>
[有機基を有する金属化合物(B1))
(金属アルコキシド化合物(B1x))
・TA-21(チタンアルコキシド化合物;チタンテトラノルマルブトキシド、不揮発成分:99wt%以上(1-ブタノール溶液)、マツモトファインケミカル社製)
・ZA-65(ジルコニウムアルコキシド化合物;ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、不揮発成分:87wt%(1-ブタノール溶液)、マツモトファインケミカル社製)
・AL-3001(アルミニウムアルコキシド化合物;アルミニウムトリセカンダリーブトキシド、不揮発成分:99wt%以上、マツモトファインケミカル社製)
(金属キレート化合物(B1y))
・TC-401(チタンキレート化合物;チタンテトラアセチルアセトネート、不揮発成分:65wt%(2-プロパノール溶液)、マツモトファインケミカル社製)
・ZC-700(ジルコニウムキレート化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、不揮発成分:20wt%(トルエン、メチルアルコール、アセチルアセトン溶液)、マツモトファインケミカル社製)
・AL-3200(アルミニウムキレート化合物;アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、不揮発成分:76wt%以上(2-プロパノール溶液)、マツモトファインケミカル社製)
(金属アシレート化合物(B1z))
・TC-800(チタンアシネート化合物;チタンイソステアレート、不揮発成分:77wt%(イソステアリン酸溶液)、マツモトファインケミカル社製)
・ZC-320(ジルコニウムアシレート化合物;ステアリン酸ジルコニウム、不揮発成分:81wt%(1-ブタノール溶液)、マツモトファインケミカル社製)
[トリアジンチオール化合物(B2)]
(活性エネルギー線硬化性官能基を有するトリアジンチオール化合物(B2x))
・V BATDT(6-(4-ビニルベンジル―n-プロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、川口化学工業社製)
(活性エネルギー線硬化性官能基を有さないトリアジンチオール化合物(B2y))
・ESH(6-ジ(2-エチルヘキシル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、川口化学工業社製)
<光重合開始剤(C)>
・Esacure One(エサキュアワン、アセトフェノン系光重合開始剤 DKSHジャパン(株)社製)
≪アンダーコート層及び積層体の作製≫
実施例および比較例で得られたアンダーコート剤を、それぞれ50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製「ルミラーU403」)上に、バーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗工した後、高圧水銀ランプで500mJ/cmの紫外線を照射し、アンダーコート層を形成し、積層体を作製した。
≪HZ[%];ヘイズ値の測定≫
上記作製した積層体について、日本電色工業社製「ヘイズメーターSH7000」によりアンダーコート層表面のヘイズ値(HZ)を測定した。2.0%未満であれば実用上問題はない。
[評価基準]
・最良:1.0%未満
・良 :1.0以上2.0%未満
・不良:2.0%以上
≪鉛筆硬度≫
作製した積層体について、JIS K5600-5-4に準じ、各種硬度の鉛筆を45゜の角度で積層体のアンダーコート層の表面にあて、荷重をかけて引っ掻き試験を行い、傷がつかない最も硬い鉛筆の硬さを鉛筆硬度とした。
鉛筆硬度は硬いほうが良好であり、H以上であれば実用上問題なく使用できる。F以下であると、打痕跡等の欠陥が発生する恐れがあり、実使用不可である。
≪耐擦傷性≫
作製した積層体について、テスター産業社製「学振型摩擦堅牢度試験機」により耐擦傷性を評価した。荷重200gを取り付けた摩擦子(表面積1cm)にスチールウール#0000を取り付け、アンダーコート層の表面(1cm×15cm)を10往復させた。その後、アンダーコート層の表面のキズの本数を数え、下記基準で評価した。傷の数は少ないほうが良好であり、10本以下であれば実用上問題なく使用できる。
[評価基準]
・3:傷なし(0本)
・2:傷1本以上10本以下
・1:傷11本以上
≪銅密着性≫
作製した積層体のアンダーコート層上に、真空デバイス社製「マグトロンスパッタMSP-30T」により銅を厚さ0.5μm、1μm及び2μmになるようにスパッタリングして銅膜を形成した。銅膜とアンダーコート層との密着性は、銅膜に1mmの間隔で碁盤目状にカッターで傷を付け、100マスの格子パターンを形成した後、碁盤目状の傷全体を覆うようにセロハンテープを付着させ、引きはがし、銅膜の剥離状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。剥がれがないほど良好であり、評価基準の3以上であれば実用上問題なく使用できる。
[評価基準]
・5:傷の線の周囲が完全に滑らかで、どの格子にも剥がれがない。
・4:傷の交点周囲に銅膜の小さな剥がれが観察されるが、剥がれた面積の合計は碁盤目の5%未満。
・3:傷の縁方向に沿って銅膜が剥がれたり、傷の交差点で銅膜が剥がれたりしており、剥がれた面積の合計が碁盤目の5%以上15%未満。
・2:剥がれた面積の合計が碁盤目の15%以上35%未満。
・1:剥がれた面積の合計が碁盤目の35%以上80%未満。
・0:剥がれた面積の合計が碁盤目の80%以上であり、碁盤目状の傷の外部にも剥がれが観察される。
≪耐アルカリ性≫
銅密着性評価をしていない銅膜(厚み500nm及び1μm)を有する積層体を、40℃に加温した5%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬した後に十分に水で洗浄し、次いで100℃に加温したオーブン内で15分乾燥させて水分を除去した後に、上記と同様に銅密着性を評価した。剥がれがないほど良好であるが、評価基準の3以上であれば実用上問題なく使用できる。
Figure 0007044192000001
Figure 0007044192000002
表1、2に示す通り、本発明のアンダーコート剤を用いることで、形成したアンダーコート層と金属膜との密着性および耐擦傷性の両立が可能であり、さらに透明性、硬度、耐アルカリ性にも優れていることが確認できた。これにより、得られる金属膜付基材は、基材と金属膜との密着性、透明性、硬度、および耐アルカリ性にも優れたものであることがわかる。
なかでも、金属膜の膜厚が1μm以上といった厚い場合であっても、密着性が良好であることから、近年要求される、厚膜の金属膜を有する光学的特性や電気的特性を向上させる用途に対しても、好適に用いることが可能であるといえる。

Claims (8)

  1. 基材と、アンダーコート層と、金属膜とをこの順に備えた金属膜付基材における、アンダーコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤であって、
    (メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物(A)と、有機基を有する金属化合物(B1)およびトリアジンチオール化合物(B2)の少なくともいずれかである化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含み、
    前記化合物(A)の含有率は、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、70質量%以上であ前記有機基を有する金属化合物(B1)は、金属アルコキシド化合物(B1x)、金属キレート化合物(B1y)、および金属アシレート化合物(B1z)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記トリアジンチオール化合物(B2)は、活性エネルギー線硬化性官能基を有するトリアジンチオール化合物(B2x)である
    活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤。
  2. 有機基を有する金属化合物(B1)の金属が、チタン、ジルコニウム、またはアルミニウムである、請求項1記載の活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤。
  3. 前記化合物(A)は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつ窒素原子を有する化合物(a1)である、請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤。
  4. 前記化合物(a1)は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、かつヌレート環骨格を有する化合物(a1x)である、請求項記載の活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤。
  5. 前記化合物(B)の含有率は、活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤の不揮発分100質量%中、1~30質量%である、請求項1~いずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤。
  6. 請求項1~いずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤より形成されたアンダーコート層。
  7. 基材と、請求項記載のアンダーコート層を有する積層体。
  8. 基材と、請求項記載のアンダーコート層と、金属膜とをこの順に備えた金属膜付基材。
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