JP2005171088A - 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡 - Google Patents

紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2005171088A
JP2005171088A JP2003413255A JP2003413255A JP2005171088A JP 2005171088 A JP2005171088 A JP 2005171088A JP 2003413255 A JP2003413255 A JP 2003413255A JP 2003413255 A JP2003413255 A JP 2003413255A JP 2005171088 A JP2005171088 A JP 2005171088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
manufactured
undercoat
polymerizable compound
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003413255A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Okazaki
俊明 岡▲崎▼
Toshimasu Omori
利益 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Kasei Co Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Kasei Co Ltd filed Critical Fujikura Kasei Co Ltd
Priority to JP2003413255A priority Critical patent/JP2005171088A/ja
Publication of JP2005171088A publication Critical patent/JP2005171088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 ポットライフの制限が緩和され、しかも高温の耐熱性試験でも塗膜の硬さが十分であり、厚膜時にも高温の耐熱性が高く、塗膜の外観が良好な紫外線硬化型下塗り液組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有する紫外線硬化型下塗り液組成物であって、ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%であり、光重合開始剤の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属が蒸着されるFRP成形体などに塗装される紫外線硬化型下塗り液組成物、FRP成形体上に金属蒸着用下塗り塗膜を形成する方法、FRP成形体に金属が蒸着された自動車用ランプ反射鏡に関する。
FRP(繊維強化複合材料)は、軽量である上に耐食性、耐衝撃性に優れているため、広範囲に使用されており、例えば、自動車用ランプ反射鏡に用いられている。
自動車用ランプ反射鏡は、FRPによってランプ反射鏡用成形体を成形し、その成形体表面にアルミニウム等の金属を真空蒸着することで製造される。ここで、アルミニウム等の金属を直接FRP成形体に蒸着すると、金属の光輝感が不足し、反射鏡として必要な光学特性を確保できないので、金属蒸着の前に、FRP成形体表面に下塗り塗膜を形成しておく。下塗り塗膜を形成しておけば、金属の光輝性が高くなり、必要な光学特性を確保できるようになる。
下塗り塗膜を形成する下塗り塗料としては、例えば、アクリル系樹脂及び硝化綿系樹脂よりなるラッカー、ウレタン樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料、紫外線硬化型塗料等の種々のものが知られている。これらのうち、紫外線硬化型塗料は、極めて短時間で硬化するので、生産性の向上、省スペース化等の利点を有しており、FRP用下塗り塗料として好適である。
紫外線硬化型塗料として、例えば、特許文献1に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の分子内に複数個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、イソシアヌレート型ポリイソシアネートとを含有してなる組成物が提案されている。また、シランカップリング剤を添加して塗膜性能を高くする技術も提案されている。
また、特許文献2には、ラジカル重合性の紫外線硬化型塗料として、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物20〜80質量部、油変性アルキッド樹脂80〜20質量部及び増感剤2〜15質量部を含有し、必要に応じて、更に、アミノ樹脂を、上記分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物及び上記油変性アルキッド樹脂の合計100質量部に対して5〜20質量部を含有する組成物が提案されている。
特開平07−026167号公報 国際公開第95/32250号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の紫外線硬化型塗料、あるいはシランカップリング剤を添加した紫外線硬化型塗料はいずれも二液型であるので、必然的にポットライフが制限された。また、耐熱性が必ずしも十分ではなかった。
また、特許文献2に記載のアルキッド樹脂を用いた紫外線硬化型塗料は、高温の耐熱性試験で塗膜の硬さが十分でなく、厚膜の白化やクラック発生等の外観不良が見られた。
したがって、従来の紫外線硬化型塗料を用いてFRP成形体上に下塗り塗膜を形成し、金属を蒸着させた自動車用ランプ反射鏡は十分な品質を有していなかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、ポットライフの制限が緩和され、しかも高温の耐熱性試験でも塗膜の硬さが十分であり、厚膜時にも高温の耐熱性が高く、塗膜の外観が良好な紫外線硬化型下塗り液組成物を提供することを目的とする。さらには、塗膜の耐熱性、外観に優れる金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、十分な品質を有する自動車用ランプ反射鏡を提供することを目的とする。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有する紫外線硬化型下塗り液組成物であって、
ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%であり、光重合開始剤の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%であることを特徴とする。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、アミノ樹脂を、前記ポリエステル樹脂の合計100質量部に対して1〜35質量部含有することが好ましい。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物においては、前記ポリエステル樹脂が、汎用有機溶剤に可溶なものであることが好ましい。
また、本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、金属が蒸着されるFRP成形体に塗装される場合にとりわけ効果を発揮する。
本発明の下塗り塗膜の形成方法は、FRP成形体の表面に、上記紫外線硬化型下塗り液組成物を、乾燥膜厚が5μm〜40μmになるように塗装した後、60〜130℃の温度で5〜30分間プレヒートして未硬化塗膜を形成する工程と、
未硬化塗膜に強度400〜5000mJ/cmの紫外線を照射する工程とを有することを特徴とする。
本発明の自動車用ランプ反射鏡は、基体であるFRP成形体と、上記紫外線硬化型下塗り組成物からなり、前記FRP成形体表面に形成された下塗り塗膜と、下塗り塗膜上に形成された金属蒸着膜と、金属蒸着膜上に形成された膜厚3μm〜40μmのトップコート層とを有することを特徴とする。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、一液型であるためポットライフの制限が緩和されている上に、耐熱性、特に高温での耐熱性が高く、塗膜の外観が良好である。しかも、FRP成形体への密着性に優れる。
本発明の金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法によれば、耐熱性および外観に優れた塗膜をFRP成形体上に形成できる。
本発明の自動車用ランプ反射鏡は、下塗り塗膜の耐熱性および外観が優れているので、品質に優れる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物(以下、下塗り液組成物という)は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有してなるものである。
ラジカル重合性化合物は、光重合開始剤から発生したラジカルによって重合し、硬化して塗膜を形成するものであり、具体的には、ラジカル重合性モノマー又はラジカル重合性オリゴマーである。
このようなラジカル重合性化合物としては、例えば、ポリオールと(メタ)アクリル酸とが反応した化合物(a)、末端イソシアネート基を有する化合物に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物が付加したウレタンアクリレート(b)、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とが反応したエポキシアクリレート(c)等が挙げられる。
ポリオールと(メタ)アクリル酸とが反応した化合物(a)は、オリゴエステルアクリレートである。ここで、ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオベンチルグリコール、1,2−ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、1,10−デカンジオール、シクロヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、4−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、3−メチレン−1,5−ペンタンジオール、(2−ヒドロキシエトキシ)−1−プロパノール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ブタノール、5−(2−ヒドロキシエトキシ)−ペンタノール、3−(2−ヒドロキシプロポキシ)−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−1−ブタノール、5−(2−ヒドロキシプロポキシ)−1−ペンタノール、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ブタノール、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ペンタノール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、ジグリセリン、ポリカプロラクトン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタントリオール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(2−ヒドロキシブロボキシ)−1,2−プロパンジオール、6−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール、スピログリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシプロピロキシフェニル)プロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(2−ヒドロキシエチル)−1−アセトキシエチルイソシアヌレート、ジ(2−ヒドロキシエチル)−2−アセトキシエチルイソシアヌレート、マニトール、グルコース等が挙げられる。
また、ポリオールとしては、上記ポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトン、γ−ブテロラクトン等を付加したアルキレンオキサイド変性又はラクトン変性のポリオール;過剰の上記ポリオール類と多塩基酸又はその酸無水物とを縮合した末端水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ここで、多塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、コハク酸、ドデシニルコハク酸、メチルグルタル酸、ピメリン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、カービック酸、ヘット酸、アコニット酸、グルタコン酸、これらの酸無水物等が挙げられる。
また、ポリオールとしては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と一価の酸又は一価のアミンとを反応させて得たものが挙げられる。
ここで、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,6−キシレノール、臭素化ビスフェノールA、フェノールノボラック等を含有するグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸等を含有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂;芳香族又は複素環族アミン等を含有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂;脂環型のエポキシ樹脂;エポキシ基又はグリシジル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
一価の酸としては、例えば、酢酸、プロビオン酸、安息香酸、ラウリン酸、ステアリン酸、酪酸、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
一価のアミンとしては、例えば、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、モノ−2−エチルヘキシルアミン、モノベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、n−メチルモルホリン、n−エチルモルホリン、セチルモルホリン等が挙げられる。
末端イソシアネート基を有する化合物に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物が付加したウレタンアクリレート(b)において、末端イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、ポリイソシアネートや、ポリオールにポリイソシアネートを反応させて得た化合物等が挙げられる。
ここで、ポリオールにポリイソシアネートを反応させて得た化合物としては、エステル結合及びウレタン結合を有するウレタン変性エポキシアクリレートが挙げられる。ウレタン変性エポキシアクリレートは、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と一価の酸又は一価のアミンとを反応させて得たポリオールと、1分子中に1個のイソシアネート基を有する化合物とを反応させたものである。
また、ポリイソシアネートとしては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系及び芳香族−脂肪族系等のうちのいずれであってもよく、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、ハロゲン化フェニルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、オクタデシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネト、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、3−フェニル−2−エチレンジイソシアネート、クメン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−エトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル、5,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル、ベンジジンジイソシアネート、9,10−アンスラセンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネートジベンジル、3,3−ジメチル−4,4′−ジイソシアネートジフェニル、2,6−ジメチル−4,4′−ジイソシアネートジフェニル、3.3−ジメトキシ−4.4′−ジイソシアネートジフェニル、1,4−アンスラセンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,10−デカンメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート類;これらジイソシアネート類のヌレート体、ビュレット体、アダクト体;2,4,6−トリレントリイソシアネート、2,4,4′−トリイソシアネートジフェニルエーテル等のトリイソシアネート類等が挙げられる。
ウレタンアクリレート(b)を構成する水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクレリート、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、グリセロールジ(メタ)アクリレート、及び、これらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等が付加したアルキレンオキサイド変性又はラクトン変性の化合物等が挙げられる。また、これらの化合物にポリイソシアネートを付加した化合物が挙げられる。
エポキシアクリレート(c)において、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、例えば、化合物(a)において分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物として例示したものが挙げられる。
また、ラジカル重合性化合物としては、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることができる。分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、耐熱性がより高くなることから、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。ただし、耐熱性を要さない用途では、分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いても構わない。耐熱性を要さない用途としては、例えば、オフセット印刷を施した印刷紙を保護し美粧効果を付与するための、印刷紙上への塗装等が挙げられる。
分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物が挙げられる。
ここで、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジベンタエリスリトール、トリメチロールブロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン等を挙げることができる。また、これらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトン又はγ−ブチロラクトン等を付加して得られるアルキレンオキサイド変性又はラクトン変性のポリオール等が挙げられる。
また、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、分子内に3個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物等が挙げられる。
分子内に3個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、例えば、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールペンタグリシジルエーテル、ソルビタンテトラグリシジルエーテル、ソルビタンペンタグリシジルエーテル、トリグリセロールテトラグリシジルエーテル、テトラグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタグリセロールテトラグリシジルエーテル、トリグリセロールペンタグリシジルエーテル、テトラグリセロールペンタグリシジルエーテル、ペンタグリセロールペンタグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
また、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち、3個以上のグリシジル基を有する化合物等が挙げられる。o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち、3個以上のグリシジル基を有する化合物としては、例えば、スミエポキシESCN−220L(住友化学工業社製)、スミエポキシESCN−220M(住友化学工業社製)、スミエポキシESCN−220N(住友化学工業社製)等が挙げられる。
さらに、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、末端イソシアネート基を有する化合物に、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物が付加したウレタンアクリレート、過剰のポリオールと多塩基酸又はその酸無水物とが縮合した末端水酸基を有するポリエステルポリオール、該ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる末端イソシアネート基を有する化合物に、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物が付加したウレタンアクリレート等が挙げられる。
なお、これらの化合物を構成する水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ポリオール、多塩基酸又はその酸無水物としては、上述したものと同じものが挙げられる。
そして、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の中でも、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好ましく、特に、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びジトリメチロールプロパンのうちのいずれかと(メタ)アクリル酸とのエステル化物がより好ましい。
さらに、ラジカル重合性化合物としては、例えば、ジアリルフマレート、トリアリルイソシアヌレート等の不飽和結合を有するその他の化合物が挙げられる。
下塗り液組成物を構成するポリエステル樹脂は、下塗り液組成物にFRPに対する密着性を付与し、耐熱性を高めるものである。ポリエステル樹脂としては、例えば、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル等が挙げられる。また、ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル変性やエポキシ変性、ウレタン変性、無水マレイン酸変性、脂肪酸等の変性品も挙げられる。
飽和ポリエステルとしては、例えば、エリーテルUE3220(ユニチカ製)、エリーテルUE3200(ユニチカ製)、エリーテルUE3320(ユニチカ製)、エリーテルUE3400(ユニチカ製)、エリーテルUE3600(ユニチカ製)、エリーテルUE3620(ユニチカ製)、エリーテルAX−0611(ユニチカ製)、バイロン103(東洋紡績製)、バイロン200(東洋紡績製)、バイロン220(東洋紡績製)、バイロン240(東洋紡績製)、バイロン245(東洋紡績製)、バイロン280(東洋紡績製)、バイロン296(東洋紡績製)、バイロン500(東洋紡績製)、バイロンGK550(東洋紡績製)、バイロンGK560(東洋紡績製)、バイロンGK600(東洋紡績製)、バイロンGK640(東洋紡績製)、バイロンGK680(東洋紡績製)、バイロンGK880(東洋紡績製)、バイロンBX1001(東洋紡績製)、バイロンGM400(東洋紡績製)、バイロンGM440(東洋紡績製)、バイロンGM470(東洋紡績製)、バイロンGM925(東洋紡績製)、バイロンGA1200(東洋紡績製)、バイロンGA5200(東洋紡績製)、クラポールP−510(クラレ製)、クラポールP−520(クラレ製)、クラポールP−530(クラレ製)、クラポールP−1010(クラレ製)、クラポールP−1011(クラレ製)、クラポールP−1020(クラレ製)、クラポールP−1050(クラレ製)、クラポールP−2010(クラレ製)、クラポールP−3010(クラレ製)、クラポールP−4010(クラレ製)、クラポールP−6010(クラレ製)、クラポールF−510(クラレ製)、クラポールF−1010(クラレ製)、クラポールF−2010(クラレ製)、クラポールPNOA−1010(クラレ製)、クラポールPMHC−1050(クラレ製)、エスペル1685D(日立化成工業製)、エスペル1692(日立化成工業製)、エスペル8320(日立化成工業製)、エスペル9664(日立化成工業製)、エスペル9665(日立化成工業製)、フタルキッド803−70(日立化成工業製)、フタルキッド804−70A(日立化成工業製)、フタルキッド806(日立化成工業製)、フタルキッド813−70A(日立化成工業製)、フタルキッド8950(日立化成工業製)、フタルキッド930−70D(日立化成工業製)、プラクセル220(ダイセル化学工業製)、フレキソレッツ148(楠本化成製)、アルマティクスP645(三井化学製)、アルマティクスP646BC(三井化学製)、アルマティクスP647BC(三井化学製)、アルマティクスHMP15(三井化学製)、アルマティクスHMP25(三井化学製)、アルマティクスHMP27(三井化学製)、アルマティクスHMP90(三井化学製)、等が挙げられる。
また、不飽和ポリエステルとしては、例えば、PX−2254C(日本ユピカ製)、PX−2254D(日本ユピカ製)、PX−2254E(日本ユピカ製)、ゴーセラックK−308(日本合成化学工業製)、ゴーセラック500E(日本合成化学工業製)、ゴーセラック180(日本合成化学工業製)、ゴーセラックUV−200(日本合成化学工業製)、ユニディックV−3021(大日本インキ化学工業社製)、ユニディックV−3265(大日本インキ化学工業社製)、ユニディックV−3270(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
また、その変性品では、ユニディックV−3021(大日本インキ化学工業社製)、アロニックスM−7100(東亜合成製)、アロニックスM−8030(東亜合成製)、アロニックスM−8060(東亜合成製)、アロニックスM−8530(東亜合成製)、アロニックスM−8560(東亜合成製)、アロニックスM−9050(東亜合成製)、エベクリル1657(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル80(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル1830(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル1870(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル3436(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル3438(ダイセル・ユーシービー製)、アクチラン505(アクロス製)、アクチラン579(アクロス製)、ダイヤビームUK−4003(三菱レイヨン製)、ダイヤビームUK−4203(三菱レイヨン製)、バイロンUR1400(東洋紡績製)、バイロンUR2300(東洋紡績製)、バイロンUR4122(東洋紡績製)、バイロンUR5537(東洋紡績製)、バイロンUR8700(東洋紡績製)、バイロンUR9500(東洋紡績製)等が挙げられる。
これらのポリエステル樹脂のうち、溶媒を添加した際に安価に塗料化できることから、汎用有機溶剤に溶解するものが好ましい。
ここで、汎用有機溶剤とは、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アノン、トルエン、キシレンなどである。
下塗り液組成物においては、ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%である(つまり、ポリエステル樹脂の含有量は90〜10質量%である)。好ましくはラジカル重合性化合物の含有量が20〜60質量%(ポリエステル樹脂の含有量が80〜40質量%)、より好ましくはラジカル重合性化合物の含有量が30〜50質量%(ポリエステル樹脂の含有量が70〜50質量%)である。ラジカル重合性化合物の含有量が10質量%未満である(ポリエステル樹脂の含有量が90質量%を超える)と耐熱性が低下し、ラジカル重合性化合物の含有量が90質量%を超える(ポリエステル樹脂の含有量が10質量%未満である)と密着性が低くなる。
下塗り液組成物を構成する光重合開始剤としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア149(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア651(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア907(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア754(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア819(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア500(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア1000(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア1800(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、イルガキュア754(チバスペシャリティ・ケミカルズ製)、ルシリンTPO(BASF製)、カヤキュアDETX−S(日本化薬製)、カヤキュアEPA(日本化薬製)、カヤキュアDMBI(日本化薬製)、等が挙げられる。そして、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%、好ましくは2〜10質量%である。光重合開始剤の含有量が0.5質量%未満であると密着性、耐熱性に劣り、15質量%を超えると含有量に比した効果が発揮されず経済上不利である。
溶媒は、下塗り液組成物の粘度を下げて塗装しやすくするものである。溶媒としては特に限定されないが、濡れ性を高めるためには低表面張力溶剤が好ましく、例えば、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤等の有機溶剤が挙げられる。さらに、蒸発速度やコスト等を鑑みると、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等を併用するのが好ましい。なお、溶媒の添加量は、目的に応じて適宜選択すればよい。
上述した各成分を含む下塗り液組成物においては、硬化性を更に向上させるために、第四の成分として、アミノ樹脂を含有してもよい。
アミノ樹脂としては、例えば、サイメル303(サイテック製、メチル化メラミン樹指)、サイメル350(サイテック製、メチル化メラミン樹脂)、ユーバン520(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン20−SE−60(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン2021(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン220(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン22R(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン2028(三井化学社製、n−ブテル化変性メラミン樹脂)、ユーバン165(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン114(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン62(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン60R(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、MF−521ワニス(日本ペイント社製、ベンゾグアナミン樹脂)等が挙げられる。
アミノ樹脂は、ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜35質量部、好ましくは5〜20質量部含有することが好ましい。アミノ樹脂の含有量が1質量部未満であると高温耐熱性試験時の耐熱性の改善効果が十分でないことがあり、35質量部を超えると密着性が低くなる。
下塗り液組成物には、さらに表面調整剤等を添加することができる。
表面調製剤としては、例えば、フッ素系添加剤、セルロース系添加剤等が挙げられる。フッ素系添加剤を添加すれば、表面張力を低下させて濡れ性が高くなり、FRP成形体に塗装するときのハジキを防止する。フッ素系添加剤の具体例としては、例えば、メガファックF−177(大日本インキ化学工業社製)、メガファックF−117(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
セルロース系添加剤を添加すれば、塗装時の造膜性が向上する。セルロース系添加剤としては、流動性を低下させるために数平均分子量15000以上の高分子量品が好ましく、例えば、セルロースーアセテート−ブチレート樹脂等が挙げられる。
なお、フッ素系添加剤、セルロース系添加剤はそれぞれ単独で添加してもよいが、フッ素系添加剤の含有量が多くなると、蒸着アルミニウムやトップコートの密着性が低下し、セルロース系添加剤の含有量が多くなると、該組成物の固形分含有量が低下し、塗膜が付着しにくくなるので、フッ素系添加剤とセルロース系添加剤とを併用することが好ましい。
表面調製剤の添加量は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と有機溶剤とアミノ樹脂との合計100質量部に対して、フッ素系添加剤及びセルロース系添加剤の合計量が0.01〜3.0質量部であることが好ましい。また、フッ素系添加剤を単独で用いる場合には0.01〜1.0質量部が好ましく、セルロース系添加剤を単独で用いる場合には、0.5〜5.0質量部が好ましい。
上述した下塗り液組成物は、金属が蒸着されるFRP成形体に好適に塗装される。ここで、金属が蒸着されるFRP成形体としては、例えば、ヘッドランブ、テイルランプ、サイドランプ等の目動車用ランプ反射鏡の基体が挙げられ、中でも、比較的大光量が必要なヘッドランプの反射鏡の基体が好適である。なお、ランプ反射鏡の基体とは、ランプ反射鏡の形状に成形されたものである。
さらに、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートのアロイ樹脂、アルミダイキャスト製の成形体にも使用できる。
また、上述した下塗り液組成物は、例えば、オフセット印刷を施した印刷紙の塗装等に適用できる。具体的には、印刷紙上に塗装して塗膜を形成することで、印刷紙を保護し美粧効果を付与でき、オフセットインキ及び紙との密着性に優れた紙加工品を得ることができる。
以上説明した下塗り液組成物には、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とが特定量含まれており、この下塗り液組成物をFRP成形体に塗装し、紫外線を照射することで、活性化された光重合開始剤によってラジカル重合性化合物が重合、硬化して塗膜を形成できる。そして、塗膜にはポリエステル樹脂が含まれているので、FRP成形体との密着性が高く、塗膜の外観が向上する。また、ポリエステル樹脂は耐熱性が高いので、下塗り液組成物の耐熱性の低下を防止できる。
また、この下塗り液組成物は、一液型であるから、ポットライフの制限が緩和されている。
次に、本発明の金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法の一例について説明する。
本発明の下塗り塗膜の形成方法では、FRP成形体を水系洗浄剤で洗浄した後、FRP成形体の表面に上述した下塗り液組成物を、乾燥膜厚が5μm〜40μmになるように塗装し、60〜130℃の温度で5〜30分間、好ましくは5〜20分プレヒートし、乾燥させて未硬化塗膜を形成する。次いで、未硬化塗膜に強度400〜5000mJ/cmの紫外線を照射し、未硬化塗膜を硬化させて下塗り塗膜を得る。
この下塗り塗膜の形成方法によれば、上述した下塗り液組成物を塗装するので、耐熱性および外観に優れた下塗り塗膜をFRP成形体上に形成できる。
上述した下塗り塗膜の形成方法において、FRP成形体の材質としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などのマトリックス樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維などの強化繊維を配合したものが挙げられる。
下塗り液組成物の塗装方法としては、エアースプレー塗装、静電塗装、浸浸塗装等が挙げられる。
紫外線照射にあたっては、通常の紫外線硬化型塗料の硬化で使用されるヒュージョンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
また、上述した下塗り塗膜の形成方法において、プレヒートの際の温度が60〜130℃であることにより、耐熱性と経済性とを両立できる。これに対し、60℃未満であると、耐湿性、耐熱性が低くなり、130℃を超えると性能に影響はないが、経済的に不利になる。
さらに、紫外線の強度が400〜5000mJ/cmであることにより、硬化性と経済性とを両立できる。これに対し、400mJ/cm未満であると硬化性が不十分になり、5000mJ/cmを超えると経済的に不利になる。
上述した方法で形成された下塗り塗膜の上には、真空蒸着等によってアルミニウム等の金属を蒸着して金属蒸着膜を形成することができる。さらに、その金属蒸着膜上に、腐食防止を目的として、クリヤー塗料を塗装し、100〜120℃で5〜15分程度の条件で焼き付けて、乾燥膜厚3〜40μmのトップコート層を形成することができる。
ここで、クリヤー塗料としては、例えば、アクリル系ラッカー塗料、アクリルメラミン硬化系クリヤー塗料、アルミキレート硬化型アクリル系塗料等が挙げられる。
次に、本発明の自動車用ランプ反射鏡の一例について説明する。
本発明の自動車用ランプ反射鏡は、該ランプ反射鏡の基体であるFRP成形体と、上述した下塗り組成物からなり、前記FRP成形体表面に形成された下塗り塗膜と、下塗り塗膜上に形成された金属蒸着膜と、金属蒸着膜上に形成された膜厚3μm〜40μmのトップコート層とを有するものである。
この自動車用ランプ反射鏡は、上述した下塗り塗膜の形成方法を採用してFRP成形体に下塗り塗膜を形成した後、金属蒸着膜とトップコート層とを形成して得たものである。
そして、この自動車用ランプ反射鏡は、下塗り塗膜が上述した下塗り液組成物からなっているので、耐熱性および外観が優れており、品質に優れる。
上述した自動車用ランプ反射鏡において、トップコート層の膜厚は3μm〜40μmであることにより、耐食性と経済性を両立できる。これに対し、3μm未満であると耐食性が不十分になり、40μmを超えると経済的に不利である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<FRP製自動車反射鏡の作製方法>
自動車用ランプ反射鏡の基体であるFRP成形体をイソプロピルアルコール(IPA)で洗浄し、乾燥した。次いで、表1〜表4に示す組成の下塗り液組成物を、乾燥膜厚が10〜15μmになるように、FRP成形体表面にエアースプレー塗装した。その後、80℃で10分の条件でプレヒートして有機溶剤を除去し、80W/cmのオゾンタイプ拡散型の高圧水銀灯を使用し、2000mJ/cmの照射量で紫外線を照射して硬化させて、FRP成形体の表面に下塗り塗膜を形成した。
次に、下塗り塗膜の表面にアルミニウムを真空蒸着した後、更に、その上から、ユピカコート3002A(日本ユピカ社製)20質量部、トルエン35質量部、ソルベッソ#100 40質量部、n−ブタノール5質量部の組成のクリヤー塗料を、乾燥膜厚が3μmになるようにエアースプレー塗装した。そして、120℃で10分間の条件で焼き付け、トップコート層を形成して、FRP製自動車用ランプ反射鏡を製造した。
Figure 2005171088
なお、表中の、
ベッコゾール1323−60ELは、大日本インキ化学工業製アルキッド樹脂(固形分60質量%)である。
アルマティックスHMP27は、三井化学製不飽和ポリエステル樹脂(固形分60質量%)である。
カヤラッドDPHAは、日本化薬製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
NKエステルADP−6は、新中村化学工業製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
NKエステルATMM−3Lは、新中村化学工業製テトラメチロールメタントリアクリレートである。
NKエステルAPG−200は、新中村化学工業製トリプロピレングリコールジアクリレートである。
オレスターNP2000は、三井化学製ポリイソシアネート(固形分70%)である。
サイメル303は、三井サイテック製アミノ樹脂である。
キャタリスト6000:三井化学製アミノ樹脂硬化用酸触媒である。
イルガキュア651:チバスペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤である。
カヤキュアDETX−S:日本化薬製光重合開始剤である。
メガファックF−177:大日本インキ化学工業製表面調整剤である。
また、ラジカル重合性化合物含有量とは、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計100質量%中のラジカル重合性化合物含有量のことである。
光重合開始剤含有量とは、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計100質量%中の光重合開始剤含有量のことである。
Figure 2005171088
Figure 2005171088
Figure 2005171088
<性能試験評価方法>
得られたFRP製自動車用ランプ反射鏡について、下記項目の性能を評価した。その結果を表1〜表4に示す。
1.塗膜外観:外観を目視で観察して虹色化や白化、クラック、フクレ等の欠陥の有無を検査して、欠陥のないものを〇、僅かに欠陥のあるものを△、欠陥のあるものを×とした。
2.光沢:目視観察によって、光沢が充分なものを〇、不充分なものを×とした。
3.密着性:カッターナイフで反射鏡表面を100個の2mm巾の碁盤目に切り、この上からセルロース系粘看テープを貼った後、急速に剥がし、剥離しないで残った碁盤目の数を数えて測定した。そして、100残ったもの(100/100)を〇、99〜91残ったもの(99/100〜91/100)を△、90以下残ったもの(90/100以下)を×とした。なお、通常、剥離は、FRP成形体からの下塗り塗膜の剥離である。
4.耐湿性:ランプ反射鏡を50℃、95RH%の恒温恒湿機に240時間放置し、取り出した後、軽く布でぬぐい、外観及び密着性を上述の方法と同様にして評価した。
5.耐熱性:ランプ反射鏡を180℃の熱風循環式乾燥炉の中に96時間放置し、取り出した後、室温まで放冷し、外観及び密着性を上述の方法と同様にして評価した。
6.ポットライフ:40℃で1カ月間保存し、その貯蔵安定性を観察して、粘度変化が僅かで、かつゲルの発生がないものを〇、粘度変化が著しいか又はゲルが発生しているものを×とした。
実施例1〜16の下塗り液組成物は、ラジカル重合性化合物を10〜90質量%含み、光重合開始剤を0.5〜15質量%含んでいたので、塗膜の外観、高温での耐熱性に優れていた。また、ポットライフが長かった。
比較例1の下塗り液組成物は、ポリエステル樹脂の代わりにアルキッド樹脂を含有していたので、高温の耐熱性が不足した。
比較例2の下塗り液組成物は、ポリエステル樹脂を含んでいない上に、二液型の組成物であるため、高温の耐熱性が不足していた上に、ポットライフが短かった。
比較例3の下塗り液組成物は、ラジカル重合性化合物が10質量%未満であったので、塗膜の外観がよくなかった。
比較例4の下塗り液組成物は、ポリエステル樹脂の含有量が10質量%未満であったので、FRP成形体との密着性が低かった。
比較例5の下塗り液組成物は、光重合開始剤含有量が0.5質量%未満であったので、FRP成形体との密着性、耐熱性が低かった。
本発明の下塗り液組成物は、金属が蒸着されるFRP成形体に塗布したり、印刷紙に塗布したりできる。

Claims (6)

  1. ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有する紫外線硬化型下塗り液組成物であって、
    ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%であり、
    光重合開始剤の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%であることを特徴とする紫外線硬化型下塗り液組成物。
  2. アミノ樹脂を、前記ポリエステル樹脂の合計100質量部に対して1〜35質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型下塗り液組成物。
  3. 前記ポリエステル樹脂が、汎用有機溶剤に可溶なものであることを特徴とする請求項1または2記載の紫外線硬化型下塗り液組成物。
  4. 金属が蒸着されるFRP成形体に塗装されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型下塗り液組成物。
  5. FRP成形体の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型下塗り液組成物を、乾燥膜厚が5μm〜40μmになるように塗装した後、60〜130℃の温度で5〜30分間プレヒートして未硬化塗膜を形成する工程と、
    未硬化塗膜に強度400〜5000mJ/cmの紫外線を照射する工程とを有することを特徴とする下塗り塗膜の形成方法。
  6. 基体であるFRP成形体と、請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型下塗り組成物からなり、前記FRP成形体表面に形成された下塗り塗膜と、下塗り塗膜上に形成された金属蒸着膜と、金属蒸着膜上に形成された膜厚3μm〜40μmのトップコート層とを有することを特徴とする自動車用ランプ反射鏡。
JP2003413255A 2003-12-11 2003-12-11 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡 Pending JP2005171088A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003413255A JP2005171088A (ja) 2003-12-11 2003-12-11 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003413255A JP2005171088A (ja) 2003-12-11 2003-12-11 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005171088A true JP2005171088A (ja) 2005-06-30

Family

ID=34733438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003413255A Pending JP2005171088A (ja) 2003-12-11 2003-12-11 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005171088A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009108258A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 硬化性樹脂組成物
JP2009286904A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物
WO2011093275A1 (ja) * 2010-01-27 2011-08-04 藤倉化成株式会社 ベースコート塗料組成物、および複合塗膜とその製造方法
JP2014231554A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 東洋工業塗料株式会社 金属蒸着膜上塗布用の(ツヤ無し)蓄光塗料
JP7044192B1 (ja) 2021-09-27 2022-03-30 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材
CN114405792A (zh) * 2021-12-28 2022-04-29 上海创功通讯技术有限公司 一种在工件表面形成裂纹纹理的方法
WO2023048049A1 (ja) * 2021-09-21 2023-03-30 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995032250A1 (fr) * 1994-05-24 1995-11-30 Nippon Paint Co., Ltd. Composition pour sous-couche durcissant aux uv pour plastiques renforces metallises, revetements et reflecteurs d'automobiles
JPH09302054A (ja) * 1996-05-10 1997-11-25 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリエステル系樹脂組成物及びその用途
JP2000256427A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Nippon Shokubai Co Ltd ジシクロペンタエン系ポリエステルを用いた感光性樹脂組成物
JP2003026710A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 紫外線硬化型樹脂組成物、塗膜形成方法及びその用途

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995032250A1 (fr) * 1994-05-24 1995-11-30 Nippon Paint Co., Ltd. Composition pour sous-couche durcissant aux uv pour plastiques renforces metallises, revetements et reflecteurs d'automobiles
JPH09302054A (ja) * 1996-05-10 1997-11-25 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリエステル系樹脂組成物及びその用途
JP2000256427A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Nippon Shokubai Co Ltd ジシクロペンタエン系ポリエステルを用いた感光性樹脂組成物
JP2003026710A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 紫外線硬化型樹脂組成物、塗膜形成方法及びその用途

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009108258A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 硬化性樹脂組成物
JP2009286904A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物
WO2011093275A1 (ja) * 2010-01-27 2011-08-04 藤倉化成株式会社 ベースコート塗料組成物、および複合塗膜とその製造方法
JP2011153230A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Fujikura Kasei Co Ltd ベースコート塗料組成物、および複合塗膜とその製造方法
KR101497350B1 (ko) * 2010-01-27 2015-03-02 후지쿠라 가세이 가부시키가이샤 베이스 코트 도료 조성물 및 복합 도막과 그 제조 방법
US9249309B2 (en) 2010-01-27 2016-02-02 Fujikura Kasei Co., Ltd. Base coat coating composition, composite film, and method for producing same
JP2014231554A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 東洋工業塗料株式会社 金属蒸着膜上塗布用の(ツヤ無し)蓄光塗料
WO2023048049A1 (ja) * 2021-09-21 2023-03-30 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材
JP7044192B1 (ja) 2021-09-27 2022-03-30 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材
JP2023047529A (ja) * 2021-09-27 2023-04-06 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化性アンダーコート剤、アンダーコート層、積層体、および金属膜付基材
CN114405792A (zh) * 2021-12-28 2022-04-29 上海创功通讯技术有限公司 一种在工件表面形成裂纹纹理的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI434902B (zh) 金屬薄膜用塗料組成物以及以此形成之亮光性複合塗膜
JP3673279B2 (ja) Frp用金属蒸着用紫外線硬化型下塗り液状組成物、塗装方法及び自動車反射鏡
CN1228358C (zh) 涂布塑料模制品的方法、用以蒸发金属的可紫外光固化底漆及塑料模制品
JP5713156B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを含有する下塗り用コーティング剤及び成形体
WO2018123795A1 (ja) 水性樹脂組成物、それを用いた積層体、光学フィルム及び画像表示装置
MXPA04001811A (es) Composicion de revestimiento de curado dual y proceso para usar la misma.
KR101739072B1 (ko) 무광건식도금 코팅용 도료 조성물 및 이를 이용한 도장 방법
KR101497350B1 (ko) 베이스 코트 도료 조성물 및 복합 도막과 그 제조 방법
JP5692624B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを含有する下塗り用コーティング剤及び成形体
JP2005171088A (ja) 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡
JP2006169412A (ja) 放射線硬化型樹脂組成物及びそれを用いた多層構造体
JP3720770B2 (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物、塗膜形成方法及びその用途
JP2003026710A (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物、塗膜形成方法及びその用途
JP3760818B2 (ja) Frp用金属蒸着用紫外線硬化型下塗り液状組成物、塗装方法および自動車反射鏡
JP2015013933A (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、これを含有する下塗り用コーティング剤及び成形体
JP3568497B2 (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物、塗膜形成方法及びその用途
JP2002348498A (ja) 金属蒸着用活性エネルギー線硬化型アンダーコート組成物
JP4480970B2 (ja) 被覆材組成物、およびこの組成物を用いて得られる物品
JPH0726167A (ja) Frp金属蒸着用紫外線硬化型下塗り液状組成物
JP4069498B2 (ja) 透明被覆成形品およびその製造方法
JP3828398B2 (ja) 塗装方法
JP6940720B1 (ja) 光硬化性樹脂組成物、車両用塗料、及び、塗装物品
WO2021210467A1 (ja) 光硬化性樹脂組成物、車両用塗料、及び、塗装物品
JP5225318B2 (ja) 放射線硬化型樹脂組成物及びそれを用いた多層構造体
JP2001064542A (ja) 被覆成形品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100506

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100701

A02 Decision of refusal

Effective date: 20101005

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02