JP2005171088A - 紫外線硬化型下塗り液組成物、金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、自動車用ランプ反射鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有する紫外線硬化型下塗り液組成物であって、ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%であり、光重合開始剤の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%である。
【選択図】 なし
Description
自動車用ランプ反射鏡は、FRPによってランプ反射鏡用成形体を成形し、その成形体表面にアルミニウム等の金属を真空蒸着することで製造される。ここで、アルミニウム等の金属を直接FRP成形体に蒸着すると、金属の光輝感が不足し、反射鏡として必要な光学特性を確保できないので、金属蒸着の前に、FRP成形体表面に下塗り塗膜を形成しておく。下塗り塗膜を形成しておけば、金属の光輝性が高くなり、必要な光学特性を確保できるようになる。
紫外線硬化型塗料として、例えば、特許文献1に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の分子内に複数個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、イソシアヌレート型ポリイソシアネートとを含有してなる組成物が提案されている。また、シランカップリング剤を添加して塗膜性能を高くする技術も提案されている。
また、特許文献2に記載のアルキッド樹脂を用いた紫外線硬化型塗料は、高温の耐熱性試験で塗膜の硬さが十分でなく、厚膜の白化やクラック発生等の外観不良が見られた。
したがって、従来の紫外線硬化型塗料を用いてFRP成形体上に下塗り塗膜を形成し、金属を蒸着させた自動車用ランプ反射鏡は十分な品質を有していなかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、ポットライフの制限が緩和され、しかも高温の耐熱性試験でも塗膜の硬さが十分であり、厚膜時にも高温の耐熱性が高く、塗膜の外観が良好な紫外線硬化型下塗り液組成物を提供することを目的とする。さらには、塗膜の耐熱性、外観に優れる金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法、十分な品質を有する自動車用ランプ反射鏡を提供することを目的とする。
ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%であり、光重合開始剤の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%であることを特徴とする。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、アミノ樹脂を、前記ポリエステル樹脂の合計100質量部に対して1〜35質量部含有することが好ましい。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物においては、前記ポリエステル樹脂が、汎用有機溶剤に可溶なものであることが好ましい。
また、本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物は、金属が蒸着されるFRP成形体に塗装される場合にとりわけ効果を発揮する。
本発明の下塗り塗膜の形成方法は、FRP成形体の表面に、上記紫外線硬化型下塗り液組成物を、乾燥膜厚が5μm〜40μmになるように塗装した後、60〜130℃の温度で5〜30分間プレヒートして未硬化塗膜を形成する工程と、
未硬化塗膜に強度400〜5000mJ/cm2の紫外線を照射する工程とを有することを特徴とする。
本発明の自動車用ランプ反射鏡は、基体であるFRP成形体と、上記紫外線硬化型下塗り組成物からなり、前記FRP成形体表面に形成された下塗り塗膜と、下塗り塗膜上に形成された金属蒸着膜と、金属蒸着膜上に形成された膜厚3μm〜40μmのトップコート層とを有することを特徴とする。
本発明の金属蒸着用下塗り塗膜の形成方法によれば、耐熱性および外観に優れた塗膜をFRP成形体上に形成できる。
本発明の自動車用ランプ反射鏡は、下塗り塗膜の耐熱性および外観が優れているので、品質に優れる。
本発明の紫外線硬化型下塗り液組成物(以下、下塗り液組成物という)は、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有してなるものである。
このようなラジカル重合性化合物としては、例えば、ポリオールと(メタ)アクリル酸とが反応した化合物(a)、末端イソシアネート基を有する化合物に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物が付加したウレタンアクリレート(b)、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とが反応したエポキシアクリレート(c)等が挙げられる。
ここで、多塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、コハク酸、ドデシニルコハク酸、メチルグルタル酸、ピメリン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、カービック酸、ヘット酸、アコニット酸、グルタコン酸、これらの酸無水物等が挙げられる。
ここで、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,6−キシレノール、臭素化ビスフェノールA、フェノールノボラック等を含有するグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸等を含有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂;芳香族又は複素環族アミン等を含有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂;脂環型のエポキシ樹脂;エポキシ基又はグリシジル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
一価の酸としては、例えば、酢酸、プロビオン酸、安息香酸、ラウリン酸、ステアリン酸、酪酸、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
一価のアミンとしては、例えば、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、モノ−2−エチルヘキシルアミン、モノベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、n−メチルモルホリン、n−エチルモルホリン、セチルモルホリン等が挙げられる。
ここで、ポリオールにポリイソシアネートを反応させて得た化合物としては、エステル結合及びウレタン結合を有するウレタン変性エポキシアクリレートが挙げられる。ウレタン変性エポキシアクリレートは、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と一価の酸又は一価のアミンとを反応させて得たポリオールと、1分子中に1個のイソシアネート基を有する化合物とを反応させたものである。
ここで、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジベンタエリスリトール、トリメチロールブロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン等を挙げることができる。また、これらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトン又はγ−ブチロラクトン等を付加して得られるアルキレンオキサイド変性又はラクトン変性のポリオール等が挙げられる。
分子内に3個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、例えば、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールペンタグリシジルエーテル、ソルビタンテトラグリシジルエーテル、ソルビタンペンタグリシジルエーテル、トリグリセロールテトラグリシジルエーテル、テトラグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタグリセロールテトラグリシジルエーテル、トリグリセロールペンタグリシジルエーテル、テトラグリセロールペンタグリシジルエーテル、ペンタグリセロールペンタグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
なお、これらの化合物を構成する水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ポリオール、多塩基酸又はその酸無水物としては、上述したものと同じものが挙げられる。
また、その変性品では、ユニディックV−3021(大日本インキ化学工業社製)、アロニックスM−7100(東亜合成製)、アロニックスM−8030(東亜合成製)、アロニックスM−8060(東亜合成製)、アロニックスM−8530(東亜合成製)、アロニックスM−8560(東亜合成製)、アロニックスM−9050(東亜合成製)、エベクリル1657(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル80(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル1830(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル1870(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル3436(ダイセル・ユーシービー製)、エベクリル3438(ダイセル・ユーシービー製)、アクチラン505(アクロス製)、アクチラン579(アクロス製)、ダイヤビームUK−4003(三菱レイヨン製)、ダイヤビームUK−4203(三菱レイヨン製)、バイロンUR1400(東洋紡績製)、バイロンUR2300(東洋紡績製)、バイロンUR4122(東洋紡績製)、バイロンUR5537(東洋紡績製)、バイロンUR8700(東洋紡績製)、バイロンUR9500(東洋紡績製)等が挙げられる。
ここで、汎用有機溶剤とは、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アノン、トルエン、キシレンなどである。
アミノ樹脂としては、例えば、サイメル303(サイテック製、メチル化メラミン樹指)、サイメル350(サイテック製、メチル化メラミン樹脂)、ユーバン520(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン20−SE−60(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン2021(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン220(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン22R(三井化学社製、n−ブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン2028(三井化学社製、n−ブテル化変性メラミン樹脂)、ユーバン165(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン114(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン62(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、ユーバン60R(三井化学社製、イソブチル化変性メラミン樹脂)、MF−521ワニス(日本ペイント社製、ベンゾグアナミン樹脂)等が挙げられる。
表面調製剤としては、例えば、フッ素系添加剤、セルロース系添加剤等が挙げられる。フッ素系添加剤を添加すれば、表面張力を低下させて濡れ性が高くなり、FRP成形体に塗装するときのハジキを防止する。フッ素系添加剤の具体例としては、例えば、メガファックF−177(大日本インキ化学工業社製)、メガファックF−117(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
セルロース系添加剤を添加すれば、塗装時の造膜性が向上する。セルロース系添加剤としては、流動性を低下させるために数平均分子量15000以上の高分子量品が好ましく、例えば、セルロースーアセテート−ブチレート樹脂等が挙げられる。
なお、フッ素系添加剤、セルロース系添加剤はそれぞれ単独で添加してもよいが、フッ素系添加剤の含有量が多くなると、蒸着アルミニウムやトップコートの密着性が低下し、セルロース系添加剤の含有量が多くなると、該組成物の固形分含有量が低下し、塗膜が付着しにくくなるので、フッ素系添加剤とセルロース系添加剤とを併用することが好ましい。
さらに、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートのアロイ樹脂、アルミダイキャスト製の成形体にも使用できる。
また、上述した下塗り液組成物は、例えば、オフセット印刷を施した印刷紙の塗装等に適用できる。具体的には、印刷紙上に塗装して塗膜を形成することで、印刷紙を保護し美粧効果を付与でき、オフセットインキ及び紙との密着性に優れた紙加工品を得ることができる。
また、この下塗り液組成物は、一液型であるから、ポットライフの制限が緩和されている。
本発明の下塗り塗膜の形成方法では、FRP成形体を水系洗浄剤で洗浄した後、FRP成形体の表面に上述した下塗り液組成物を、乾燥膜厚が5μm〜40μmになるように塗装し、60〜130℃の温度で5〜30分間、好ましくは5〜20分プレヒートし、乾燥させて未硬化塗膜を形成する。次いで、未硬化塗膜に強度400〜5000mJ/cm2の紫外線を照射し、未硬化塗膜を硬化させて下塗り塗膜を得る。
この下塗り塗膜の形成方法によれば、上述した下塗り液組成物を塗装するので、耐熱性および外観に優れた下塗り塗膜をFRP成形体上に形成できる。
下塗り液組成物の塗装方法としては、エアースプレー塗装、静電塗装、浸浸塗装等が挙げられる。
紫外線照射にあたっては、通常の紫外線硬化型塗料の硬化で使用されるヒュージョンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
さらに、紫外線の強度が400〜5000mJ/cm2であることにより、硬化性と経済性とを両立できる。これに対し、400mJ/cm2未満であると硬化性が不十分になり、5000mJ/cm2を超えると経済的に不利になる。
ここで、クリヤー塗料としては、例えば、アクリル系ラッカー塗料、アクリルメラミン硬化系クリヤー塗料、アルミキレート硬化型アクリル系塗料等が挙げられる。
本発明の自動車用ランプ反射鏡は、該ランプ反射鏡の基体であるFRP成形体と、上述した下塗り組成物からなり、前記FRP成形体表面に形成された下塗り塗膜と、下塗り塗膜上に形成された金属蒸着膜と、金属蒸着膜上に形成された膜厚3μm〜40μmのトップコート層とを有するものである。
この自動車用ランプ反射鏡は、上述した下塗り塗膜の形成方法を採用してFRP成形体に下塗り塗膜を形成した後、金属蒸着膜とトップコート層とを形成して得たものである。
そして、この自動車用ランプ反射鏡は、下塗り塗膜が上述した下塗り液組成物からなっているので、耐熱性および外観が優れており、品質に優れる。
<FRP製自動車反射鏡の作製方法>
自動車用ランプ反射鏡の基体であるFRP成形体をイソプロピルアルコール(IPA)で洗浄し、乾燥した。次いで、表1〜表4に示す組成の下塗り液組成物を、乾燥膜厚が10〜15μmになるように、FRP成形体表面にエアースプレー塗装した。その後、80℃で10分の条件でプレヒートして有機溶剤を除去し、80W/cmのオゾンタイプ拡散型の高圧水銀灯を使用し、2000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射して硬化させて、FRP成形体の表面に下塗り塗膜を形成した。
次に、下塗り塗膜の表面にアルミニウムを真空蒸着した後、更に、その上から、ユピカコート3002A(日本ユピカ社製)20質量部、トルエン35質量部、ソルベッソ#100 40質量部、n−ブタノール5質量部の組成のクリヤー塗料を、乾燥膜厚が3μmになるようにエアースプレー塗装した。そして、120℃で10分間の条件で焼き付け、トップコート層を形成して、FRP製自動車用ランプ反射鏡を製造した。
ベッコゾール1323−60ELは、大日本インキ化学工業製アルキッド樹脂(固形分60質量%)である。
アルマティックスHMP27は、三井化学製不飽和ポリエステル樹脂(固形分60質量%)である。
カヤラッドDPHAは、日本化薬製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
NKエステルADP−6は、新中村化学工業製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
NKエステルATMM−3Lは、新中村化学工業製テトラメチロールメタントリアクリレートである。
NKエステルAPG−200は、新中村化学工業製トリプロピレングリコールジアクリレートである。
オレスターNP2000は、三井化学製ポリイソシアネート(固形分70%)である。
サイメル303は、三井サイテック製アミノ樹脂である。
キャタリスト6000:三井化学製アミノ樹脂硬化用酸触媒である。
イルガキュア651:チバスペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤である。
カヤキュアDETX−S:日本化薬製光重合開始剤である。
メガファックF−177:大日本インキ化学工業製表面調整剤である。
また、ラジカル重合性化合物含有量とは、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計100質量%中のラジカル重合性化合物含有量のことである。
光重合開始剤含有量とは、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計100質量%中の光重合開始剤含有量のことである。
得られたFRP製自動車用ランプ反射鏡について、下記項目の性能を評価した。その結果を表1〜表4に示す。
1.塗膜外観:外観を目視で観察して虹色化や白化、クラック、フクレ等の欠陥の有無を検査して、欠陥のないものを〇、僅かに欠陥のあるものを△、欠陥のあるものを×とした。
2.光沢:目視観察によって、光沢が充分なものを〇、不充分なものを×とした。
3.密着性:カッターナイフで反射鏡表面を100個の2mm巾の碁盤目に切り、この上からセルロース系粘看テープを貼った後、急速に剥がし、剥離しないで残った碁盤目の数を数えて測定した。そして、100残ったもの(100/100)を〇、99〜91残ったもの(99/100〜91/100)を△、90以下残ったもの(90/100以下)を×とした。なお、通常、剥離は、FRP成形体からの下塗り塗膜の剥離である。
4.耐湿性:ランプ反射鏡を50℃、95RH%の恒温恒湿機に240時間放置し、取り出した後、軽く布でぬぐい、外観及び密着性を上述の方法と同様にして評価した。
5.耐熱性:ランプ反射鏡を180℃の熱風循環式乾燥炉の中に96時間放置し、取り出した後、室温まで放冷し、外観及び密着性を上述の方法と同様にして評価した。
6.ポットライフ:40℃で1カ月間保存し、その貯蔵安定性を観察して、粘度変化が僅かで、かつゲルの発生がないものを〇、粘度変化が著しいか又はゲルが発生しているものを×とした。
比較例1の下塗り液組成物は、ポリエステル樹脂の代わりにアルキッド樹脂を含有していたので、高温の耐熱性が不足した。
比較例2の下塗り液組成物は、ポリエステル樹脂を含んでいない上に、二液型の組成物であるため、高温の耐熱性が不足していた上に、ポットライフが短かった。
比較例3の下塗り液組成物は、ラジカル重合性化合物が10質量%未満であったので、塗膜の外観がよくなかった。
比較例4の下塗り液組成物は、ポリエステル樹脂の含有量が10質量%未満であったので、FRP成形体との密着性が低かった。
比較例5の下塗り液組成物は、光重合開始剤含有量が0.5質量%未満であったので、FRP成形体との密着性、耐熱性が低かった。
Claims (6)
- ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒とを含有する紫外線硬化型下塗り液組成物であって、
ラジカル重合性化合物の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂との合計を100質量%とした際の10〜90質量%であり、
光重合開始剤の含有量が、ラジカル重合性化合物とポリエステル樹脂と光重合開始剤と溶媒との合計を100質量%とした際の0.5〜15質量%であることを特徴とする紫外線硬化型下塗り液組成物。 - アミノ樹脂を、前記ポリエステル樹脂の合計100質量部に対して1〜35質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型下塗り液組成物。
- 前記ポリエステル樹脂が、汎用有機溶剤に可溶なものであることを特徴とする請求項1または2記載の紫外線硬化型下塗り液組成物。
- 金属が蒸着されるFRP成形体に塗装されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型下塗り液組成物。
- FRP成形体の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型下塗り液組成物を、乾燥膜厚が5μm〜40μmになるように塗装した後、60〜130℃の温度で5〜30分間プレヒートして未硬化塗膜を形成する工程と、
未硬化塗膜に強度400〜5000mJ/cm2の紫外線を照射する工程とを有することを特徴とする下塗り塗膜の形成方法。 - 基体であるFRP成形体と、請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型下塗り組成物からなり、前記FRP成形体表面に形成された下塗り塗膜と、下塗り塗膜上に形成された金属蒸着膜と、金属蒸着膜上に形成された膜厚3μm〜40μmのトップコート層とを有することを特徴とする自動車用ランプ反射鏡。
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